JP2642189B2 - ステロイド誘導体及びその製造方法 - Google Patents

ステロイド誘導体及びその製造方法

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JP2642189B2
JP2642189B2 JP1073061A JP7306189A JP2642189B2 JP 2642189 B2 JP2642189 B2 JP 2642189B2 JP 1073061 A JP1073061 A JP 1073061A JP 7306189 A JP7306189 A JP 7306189A JP 2642189 B2 JP2642189 B2 JP 2642189B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は新規なステロイド誘導体及びその製造方法に
関する。本発明のステロイド誘導体は慢性腎不全、副甲
状腺機能低下症、骨軟化症などのカルシウム代謝の欠陥
症の治療に有効であることが知られている1α,25−ジ
ヒドロキシビタミンD3、ビタミンD様の活性を有するこ
とが知られている1α−ヒドロキシビタミンD3、(24
R)−1α,24,25−トリヒドロキシビタミンD3などの1
α位に水酸基を有するビタミンD3誘導体の合成中間体と
して有用である。
[従来の技術] 従来、1α位に水酸基を有するビタミンD3誘導体の製
造方法としては、例えば、コレステロールを原料として
使用することにより1α−ヒドロキシビタミンD3を製造
する方法(特開昭48−62750号公報参照)、(24R)−1
α,3β,24,25−テトラヒドロキシコレスタ−5,7−ジエ
ンに不活性溶媒中で紫外線を照射し、生成した(24R)
−1α,24,25−トリヒドロキシプレビタミンを異性化
することによつて(24R)−1α,24,25−トリヒドロキ
シビタミンD3を製造する方法(特開昭51−108046号公報
参照)などが知られている。
[発明が解決しようとする課題] 上記の通り、1α位に水酸基を有するビタミンD3誘導
体の製造方法は種々知られているが、該1α位に水酸基
を有するビタミンD3誘導体を製造するに際し、合成中間
体として使用できる化合物を多くの化合物の中から選択
することができれば、原料事情に応じてその製造プロセ
スを適宜変更することが可能となり好ましい。
しかして、本発明の一つの目的は、種々の1α位に水
酸基を有するビタミンD3誘導体の合成中間体となり得る
新規なステロイド誘導体を提供することにある。さらに
本発明のもう一つの目的は、該新規なステロイド誘導体
の製造方法を提供することにある。
[課題を解決するための手段] 本発明によれば、上記の目的は (1)一般式 [式中、Rは水素原子又は−CH(Y1)C(Y2)(CH3)C
H2Y3基を表わし、Y1及びY2はそれぞれ水素原子若しくは
OZ1基を表わすか又は一緒になつて炭素−炭素結合を表
わし、Y3は水素原子又は−OZ1基を表わし、R1、R2、Z1
及びZ2はそれぞれ水素原子又は水酸基の保護基を表わ
す]で示されるステロイド誘導体(I)、 (2)一般式 (式中、R、R1、R2及びZ2は前記定義の通りである) で示される9,10−セコステロイド誘導体(II)、 (3)一般式 (式中、R、R1、R2及びZ2は前記定義の通りである) で示される9,10−セコステロイド誘導体(III)及び (4)一般式 (式中、R1及びR2は前記定義の通りであり、Aはハロゲ
ン原子又はスルホニルオキシ基を表わす) で示されるプレグナン誘導体(IV)と一般式 NCCH(OZ2)R (V) (式中、R及びZ2は前記定義の通りである) で示されるシアノヒドリン誘導体(V)とを塩基性物質
存在下に反応させることを特徴とする一般式 (式中、R、R1、R2及びZ2は前記定義の通りである) で示されるステロイド誘導体(I)の製造方法を提供す
ることにより達成される。
上記各一般式におけるR1、R2、Z1、Z2及びAを以下に
詳しく説明する。
R1、R2、Z1及びZ2が表わす水酸基の保護基としては、
水酸基の保護の目的を達成するかぎり、通常用いられて
いるいずれの保護基でも良いが、具体的には三置換シリ
ル基、置換基を有していても良いアルコキシメチル基な
どが挙げられる。ここで、三置換シリル基としては、ト
リメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリイソプロ
ピルシリル基、t−ブチルジメチルシリル基などのトリ
アルキルシリル基;t−ブチルジフエニルシリル基などの
ジアリールアルキルシリル基などが挙げられ、置換基を
有していても良いアルコキシメチル基としては、メトキ
シメチル基、メトキシエトキシメチル基などのアルコキ
シメチル基;1−エトキシエチル基、1−メトキシ−1−
メチルエチル基などのアルキル置換アルコキシメチル
基;テトラヒドロフラン−2−イル基、テトロヒドロピ
ラン−2−イル基などの2−オキサシクロアルキル基な
どが挙げられる。
Aが表わすハロゲン原子としては、塩素原子、臭素原
子、ヨウ素原子などが挙げられ、スルホニルオキシ基と
しては、メタンスルホニルオキシ基などのアルキルスル
ホニルオキシ基;p−トルエンスルホニルオキシ基、p−
ブロムベンゼンスルホニルオキシ基、ベンゼンスルホニ
ルオキシ基などのアリールスルホニルオキシ基などが挙
げられる。
一般式(IV)で示されるプレグナン誘導体は例えば以
下の方法により製造することができる。
(上記の式において、R1及びR2はそれぞれ前記定義の通
りであり、A1はハロゲン原子を表わし、Bはアルキル基
又はアリール基を表わし、Acはアセチル基を表わし、Ph
はフエニル基を表わす) 上記式において一般式(IV−1)又は(IV−2)で示
される化合物は一般式(IV)で示される化合物に包含さ
れる。
上記一般式(IV−1)、一般式(IV−2)、式(V
I)、式(VII)、式(VIII−1)、一般式(VIII−2)
及び一般式(IX)で示される化合物を以後それぞれ下記
のように称することがある。
さらに、一般式(VIII−2)において、R1及びR2が下
記の基を表わすことによつて示される化合物を以後下記
の様に称することがある。
まず、H.Saiらの方法[ケミカル・フアーマシユーテ
イカル・ブルテン(Chem.Pharm.Bull.)32巻3866〜3872
ページ(1984年)参照]に従つて調製した化合物(VI)
をアルデヒド(VIII−1)に変換するが、この変換は化
合物(VI)の側鎖の炭素−炭素二重結合を選択的にオゾ
ン酸化し、得られるオゾニドを還元的に処理して化合物
(VII)を得、さらに5,7−ジエンの保護基を除去するこ
とにより行われる。すなわち化合物(VI)の溶液に冷却
下オゾンガスを通じるか、あるいは予め調製したオゾン
の飽和溶液を化合物(VI)の溶液の冷却下に加えること
により、オゾン化が行われ、次いで適当な還元剤を加え
ることによつて還元的後処理が行われる。使用するオゾ
ンガスの量は通常化合物(VI)1モルに対して約0.1〜1
0モル、好ましくは約0.5〜0.8モルである。この反応
は、塩化メチレン、メタノールなどの反応に関与しない
溶媒中で行われ、その使用量は通常化合物(VI)に対し
て約10〜200倍重量である。またこの溶液中に約1%の
ピリジンを共存させることも可能である。オゾン化反応
は通常約0℃以下の温度下で行われ、好ましくは約−50
〜−100℃の範囲内の温度で行われる。還元的後処理は
通常約−100〜30℃の範囲内の温度で行われる。反応
は、ドライアイス−アセトン浴中で冷却した化合物(V
I)1モルに対して約0.5〜0.8モルのオゾン及び1%ピ
リジンを含む塩化メチレン溶液をドライアイス−アセト
ン浴中で冷却した化合物(VI)の溶液に加え、オゾンの
青色が消えたことを確認した後に、約20モルのジメチル
スルフイドを加え、ドライアイス−アセトン浴を除去
し、室温まで加温することにより実施するのが簡便であ
る。
この様にして得られた化合物(VII)の反応混合物か
らの単離・精製は、通常の有機反応において行われてい
る単離・精製法と同様にして行われる。例えば、反応液
を冷希塩酸、食塩水で順次洗浄した後、乾燥・濃縮し粗
生成物を得、再結晶、クロマトグラフイーなどにより精
製することにより化合物(VII)を得ることができる。
化合物(VII)のアルデヒド(VIII−1)への変換
は、通常用いられている方法に従つてジエンの脱保護を
行うと同時に水酸基の脱アセチル化を行うことにより実
施される。この脱保護・脱アセチル化の方法としては、
エタノール中水酸化カリウムで処理する方法などが挙げ
られるが、使用するエタノールの量は化合物(VII)に
対して約5〜200倍重量であり、また使用する水酸化カ
リウムの量は化合物(VII)1モルに対して約10〜500モ
ル、好ましくは50〜200モルである。
反応は、化合物(VII)1モルに対して約100モルの水
酸化カリウムを含む約2規定のエタノール溶液を加え、
約1.5時間加熱還流することにより行うのが簡便であ
る。
反応液からのアルデヒド(VIII−1)の単離・精製
は、通常の有機反応において行われている単離・精製法
と同様にして行われる。例えば、反応液を冷却後水にあ
け、酢酸エチルなどの有機溶媒で抽出し、冷希塩酸・重
曹水・食塩水で順次洗浄し、乾燥後濃縮して粗生成物を
得、再結晶・クロマトグラフイーなどにより精製するこ
とによつてアルデヒド(VII−1)を得ることができ
る。
この様にして得られたアルデヒド(VIII−1)は、必
要に応じて常法に従い1位および3位の水酸基の保護を
行い、アルデヒド(VII−2)に変換される。この際、
1位または3位の水酸基を選択的に保護し、ジオールの
モノ保護体を得た後に、再び保護反応を行うことによ
り、アルデヒド(VIII−2)に変換することもできる。
アルデヒド(VIII−1)からアルデヒド(VIII−2−
1)への変換は常法に従い、例えば塩基性物質の存在下
に塩化三置換シリルを作用させることにより行うことが
できる。反応に用いられる塩化三置換シリルとしては、
塩化トリメチルシリル、塩化トリエチルシリル、塩化ト
リイソプロピルシリル、塩化t−ブチルジメチルシリ
ル、塩化t−ブチルジフエニルシリルなどが挙げられ
る。塩化三置換シリルの使用量は、通常アルデヒド(VI
II−1)1モル対して約2〜50モル、好ましくは5〜20
モルである。反応に用いられる塩基性物質としては、ピ
リジン、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミ
ン、ジエチルアニリン、イミダゾールなどの有機アミ
ン、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどの金属水酸
化物、水素化ナトリウムなどの金属水素化物などが挙げ
られる。塩基性物質の使用量は、通常アルデヒド(VIII
−1)1モル対して約2〜200モルであり、好ましくは
約5〜100モルである。この反応は通常溶媒中で実施さ
れるが、使用する有機塩基を溶媒として用いることも可
能であり、また塩化メチレン、テトラヒドロフラン、ジ
メチルホルムアミドなどの反応に関与しない溶媒を用い
ることも可能である。溶媒の使用量は、通常アルデヒド
(VIII−1)に対して約5〜200倍重量である。反応は
通常約−20〜100℃の範囲内の温度、好ましくは約0〜3
0℃の範囲内の温度で行われる。
この様にして得られたアルデヒド(VIII−2−1)の
反応混合物からの単離・精製は、通常の有機反応におい
て行われている単離・精製法と同様にして行われる。例
えば、反応混合物を氷水にあけ、ジエチルエーテルなど
の有機溶媒で抽出し、冷希塩酸・重曹水・食塩水で順次
洗浄し、乾燥後濃縮して粗生成物を得、再結晶・クロマ
トグラフイーなどにより精製することによりアルデヒド
(VIII−2−1)を得ることができる。
アルデヒド(VIII−1)のアルデヒド(VIII−2−
2)への変換は、常法に従い、例えば、塩基性物質の存
在下にクロルメチルエーテルを作用させるか、あるいは
酸触媒下にビニルエーテルを作用させることにより行わ
れる。反応に用いられるクロルメチルエーテルとして
は、クロルメチルメチルエーテル、塩化メトキシエトキ
シメチルなどが挙げられ、ビニルエーテルとしては、エ
チルビニルエーテル、メチルイソプロペニルエーテル、
ジヒドロフラン、ジヒドロピランなどが挙げられる。ク
ロルメチルエーテル又はビニルエーテルの使用量は、通
常アルデヒド(VIII−1)1モルに対して約2〜50モ
ル、好ましくは約5〜20モルである。反応に用いられる
塩基性物質といては、ピリジン、トリエチルアミン、ジ
イソプロピルエチルアミン、ジエチルアニリン、イミダ
ゾールなどの有機アミン、水素化ナトリウムなどの金属
水素化物などが挙げられる。塩基性物質の使用量は、通
常アルデヒド(VIII−1)1モルに対して約2〜200モ
ルであり、好ましくは約5〜100モルである。使用する
酸触媒としては、p−トルエンスルホン酸、カンフアー
スルホン酸などのスルホン酸、p−トルエンスルホン酸
ピリジニウムなどのスルホン酸塩、塩酸、硫酸などの鉱
酸などが挙げられる。酸触媒の使用量は、アルデヒド
(VIII−1)1モルに対して、通常約0.05〜0.2モルで
ある。この反応は通常溶媒中で実施されるが、使用する
有機アミンまたはビニルエーテルを溶媒として用いるこ
とも可能であり、また塩化メチレン、テトラヒドロフラ
ン、ジメチルホルムアミドなどの反応に関与しない溶媒
を用いることも可能である。溶媒の使用量は、通常アル
デヒド(VIII−1)に対して、約5〜200重量である。
反応は通常約−20〜100℃の範囲内の温度、好ましくは
約0〜30℃の範囲内の温度で行われる。
この様にして得られたアルデヒド(VIII−2−2)の
反応混合液からの単離・精製は通常の有機反応において
行われている単離・精製法と同様にして行われる。例え
ば、反応混合物を氷水にあけ、ジエチルエーテルなどの
有機溶媒で抽出し、有機アミンを用いている場合には冷
希塩酸で洗浄し、重曹水・食塩水で順次洗浄した後に乾
燥・濃縮して粗生成物を得、再結晶・クロマトグラフイ
ーなどにより精製することによりアルデヒド(VIII−2
−2)を得ることができる。
アルデヒド(VIII−2−1)またはアルデヒド(VIII
−2−2)のアルコール(IX)への変換は常法に従い還
元反応に付することにより行われる。この還元反応に使
用される還元剤としては、水素化ホウ素ナトリウム、水
素化ホウ素リチウム、水素化ホウ素亜鉛、水素化トリエ
チルホウ素リチウム、水素化アルミニウムリチウム、水
素化ビス(メトキシエトキシ)アルミニウムナトリウ
ム、水素化トリsec−ブチルホウ素リチウム、水素化ト
リsec−ブチルホウ素カリウムなどの金属水素化物錯
体、水素化ジイソブチルアルミニウム、水素化アルミニ
ウムなどの金属水素化物などが挙げられ、その使用量は
アルデヒド(VIII−2−1)又はアルデヒド(VIII−2
−2)1モルに対して約0.25〜50モル、好ましくは約0.
5〜20モルである。反応は通常溶媒中で行われ、使用さ
れる溶媒は用いる還元剤によつても異なるが、エタノー
ル、メタノール、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラ
ン、ジメトキシエタンなどが挙げられ、その使用量は、
通常アルデヒド(VIII−2−1)又はアルデヒド(VIII
−2−2)に対して約5〜200倍重量である。反応は通
常約−100〜80℃の範囲内の温度、好ましくは約−30〜3
0℃の範囲内の温度で行われる。
この様にして得られたアルコール(IX)の反応混合物
からの単離・精製は、通常の有機反応において行われて
いる単離・精製法と同様にして行われる。例えば、反応
混合物に冷却下、水・硫酸ナトリウム水溶液・希塩酸・
メタノールなどを加えることにより、過剰の還元剤を分
解し、必要に応じて水で希釈し、過または抽出・洗浄
などの操作により有機溶媒に不溶なものを除き、濃縮し
て粗生成物を得、再結晶・クロマトグラフイーなどによ
り精製することによつてアルコール(IX)を得ることが
できる。
アルコール(IX)からスルホナート(IV−1)への変
換は、アルコールをスルホナートに変換する一般的な方
法によつて実施することができる。例えば、塩基性物質
の存在下に塩化スルホニルを作用させることにより行わ
れる。反応に用いられる塩化スルホニルとしては、塩化
メタンスルホニル、塩化p−トルエンスルホニル、塩化
p−ブロムベンゼンスルホニル、塩化ベンゼンスルホニ
ルなどが挙げられ、その使用量はアルコール(IX)1モ
ルに対して約1.1〜20モルである。反応に用いられる塩
基性物質としては、ピリジン、トリエチルアミン、ジイ
ソプロピルエチルアミンなどの有機アミン、水酸化ナト
リウム、水酸化カリウムなどの金属水酸化物、水素化ナ
トリウムなどの金属水素化物、n−ブチルリチウムなど
の有機金属化合物などが挙げられ、その使用量は通常ア
ルコール(IX)1モルに対して約1〜1000モルである。
この反応は通常溶媒中で行われるが、使用される有機ア
ミンを溶媒として使用することも可能であり、塩化メチ
レン、クロロホルムなどの反応に関与しない溶媒を用い
ることも可能である。溶媒の使用量は、通常アルコール
(IX)に対して約5〜200倍重量である。反応は通常約
−20〜30℃の範囲内の温度、好ましくは約0〜20℃の範
囲内の温度で行われる。
この様にして得られたスルホナート(IV−1)の反応
混合物からの単離・精製は、通常の有機反応において行
われている単離・精製法と同様にして行われる。例え
ば、反応混合物を氷水にあけ、ジエチルエーテルなどの
有機溶媒で抽出し、冷希塩酸・重曹水・食塩水で順次洗
浄し、乾燥後濃縮して粗生成物を得、再結晶・クロマト
グラフイーなどにより精製することによりスルホナート
(IV−1)を得ることができる。
アルコール(IX)のハロゲン化物(IV−2)への変換
は、アルコールをハロゲン化物に変換する一般的な方法
に従つて実施することができる。例えば、アルコール
(IX)をその約5〜200倍重量のジエチルエーテル、ピ
リジンなどに溶解し、約−20〜10℃の範囲内の温度で、
アルコール(IX)1モルに対して約0.3〜10モルの三塩
化リン、三臭化リン、塩化チオニルなどのハロゲン化剤
を加え、約−20〜30℃の範囲内の温度で約15分〜12時間
撹拌することにより行われる。
この様にして得られたハロゲン化物(IV−2)の反応
混合物からの単離・精製は、通常の有機反応において行
われる単離・精製法と同様にして行われる。例えば、反
応混合物を氷水にあけ、ジエチルエーテルなどの有機溶
媒で抽出し、重曹水・食塩水で順次洗浄し、乾燥後濃縮
して粗生成物を得、再結晶・クロマトグラフイーなどに
より精製することによりハロゲン化物(IV−2)を得る
ことができる。
本発明のステロイド誘導体(I)、9,10−セコステロ
イド誘導体(II)及び9,10−セコステロイド誘導体(II
I)はプレグナン誘導体(IV)から例えば次のようにし
て製造される。
(上記式において、A、R、R1、R2及びZ2は前記定義の
通りである) 上記一般式(I)、一般式(II)、一般式(III)、
一般式(IV)及び一般式(V)で示される化合物を以後
それぞれ下記のように称することがある。
プレグナン誘導体(IV)からステロイド誘導体(I)
への変換は、塩基性物質存在下に公知の方法[G.Stork
及びL.Maladonado、ジヤーナル・オブ・アメリカン・ケ
ミカル・ソシエテイ(J.Amer.Chem.Soc.)93巻5286〜52
87ページなど参照]によつて調製されたシアノヒドリン
誘導体(V)を反応させることによつて行われる。シア
ノヒドリン誘導体(V)の使用量はプレグナン誘導体
(IV)1モルに対して約0.8〜50モル、好ましくは約1
〜10モルである。使用される塩基性物質としては、メチ
ルリチウム、n−ブチルリチウム、フエニルリチウムな
どの有機金属化合物、水素化ナトリウム、水素化カリウ
ムなどの金属水素化物、リチウムアミド、ナトリウムア
ミド、カリウムアミド、リチウムジイソプロピルアミ
ド、リチウムテトラメチルピペラジド、リチウムヘキサ
メチルジシラジド、ナトリウムヘキサメチルジシラジ
ド、カリウムヘキサメチルジシラジドなどの金属アミド
などが挙げられ、その使用量はシアノヒドリン誘導体
(V)1モルに対して約0.5〜5モル、好ましくは約0.8
〜2モルである。この反応は通常溶媒中で行われ、用い
られる溶媒としては、ジエチルエーテル、テトラヒドロ
フラン、ジオキサン、ジメトキシエタンなどのエーテル
系溶媒、ベンゼン、トルエンなどの芳香族炭化水素系溶
媒など反応に関与しない溶媒が挙げられ、その使用量は
通常プレグナン誘導体(IV)に対して約5〜200倍重量
である。反応は通常−100℃〜100℃の温度範囲内で行わ
れる。反応の形態としては、まずシアノヒドリン誘導体
(V)と塩基性物質を反応させ、シアノヒドリン誘導体
(V)の塩とした後プレグナン誘導体(VI)を加える方
法、塩基性物質の溶液にプレグナン誘導体(IV)及びシ
アノヒドリン誘導体(V)の混合溶液を加える方法、ま
たはプレグナン誘導体(IV)及びシアノヒドリン誘導体
(V)の混合溶液に塩基性物質の溶媒を加える方法など
が挙げられるが、いずれを採用することもできる。
このようにして得られたステロイド誘導体(I)の反
応混合物からの単離・精製は通常の有機反応において用
いられる単離・精製法と同様にして行われる。例えば、
反応混合物を氷水にあけ、ジエチルエーテル、酢酸エチ
ル、塩化メチレンなどの有機溶媒で抽出し、食塩水で洗
浄した後に乾燥・濃縮して粗生成物を得、再結晶・クロ
マトグラフイーなどによつて精製することによつてステ
ロイド誘導体(I)を得ることができる。
ステロイド誘導体(I)のセコステロイド誘導体(I
I)への変換は、常法に従い紫外線を照射することによ
り行われる。使用される紫外線としては、約200〜310nm
の波長範囲のものであり、好ましくは、約260〜310nmの
波長範囲のものである。この反応は、通常溶媒中で行わ
れ、用いられる溶媒としては、ヘキサン、ヘプタン、シ
クロヘキサン、リグロイン、ベンゼン、トルエン、キシ
レンなどの炭化水素系溶媒、ブロムベンゼン、クロルベ
ンゼン、四塩化炭素、1,2−ジクロルエタン、1,2−ジブ
ロムエタンなどのハロゲン化炭化水素系溶媒、ジエチル
エーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチルセ
ロソルブなどのエーテル系溶媒、メタノール、エタノー
ル、プロパノールなどのアルコール系溶媒などが挙げら
れる。反応は約−20〜120℃の範囲内の温度、好ましく
は約−10〜20℃の範囲内の温度で行われる。
この様にして得られたセコステロイド誘導体(II)の
単離・精製は、通常の有機反応において用いられる単離
・精製法と同様にして行われる。例えば、反応液を減圧
下に濃縮し、得られる粗生成物を再結晶・クロマトグラ
フイーなどにより精製することによつてセコステロイド
誘導体(II)を得ることができる。なお、精製すること
なく粗生成物を次の反応に用いることもできる。
セコステロイド誘導体(II)のセコステロイド誘導体
(III)への変換は、常法に従つて熱エネルギーによる
異性化によつて行われる。この異性化反応は、約0〜12
0℃の範囲内の温度、好ましくは約20〜100℃の範囲内の
温度で行われる。この反応は通常溶媒中で行われ、用い
られる溶媒としては、前述の紫外線照射において用いら
れる溶媒などが挙げられる。
この様にして得られたセコステロイド誘導体(III)
の単離・精製は通常の有機反応において用いられる単離
・精製法と同様にして行われる。例えば、反応液を減圧
下に濃縮し、得られる粗生成物を再結晶・クロマトグラ
フイーなどにより精製することによりセコステロイド誘
導体(III)を得ることができる。
この様にして得られたセコステロイド誘導体(III)
のうち、Rが水素原子であるものは、塩基性物質の存在
下適当なアルデヒド、ハロゲン化物、エポキシドなどと
反応させることによりRが水素原子ではないセコステロ
イド誘導体(III)に変換することができる。この変換
の際に採用される塩基性物質、溶媒、温度などの反応の
形態としては、例えばプレグナン誘導体(IV)からステ
ロイド誘導体(I)への変換の際に採用される塩基性物
質、溶媒、温度などが採用される。この様にして得られ
たセコステロイド誘導体(III)は例えば以下の様にし
て1α位に水酸基を有するビタミンD3誘導体に変換する
ことができる。
[上記式において、R、R1、R2及びZ2は前記定義の通り
であり、R'は水素原子又は−CH(Y4)C(Y5)(CH3)C
H2Y6基を表わし、Y4及びY5はそれぞれ水素原子もしくは
−OZ3基を表わすか又は一緒になつて炭素−炭素結合を
表わし、Y6は水素原子又は−OZ3基を表わし、R3、R4、R
5、R6及びZ3はそれぞれ水素原子又は水素基の保護基を
表わし、B'は低級アルキル基又はアリール基を表わ
す。] 上記一般式(X)、一般式(XI)、一般式(XII)、
一般式(XIII)及び一般式(XIV)で示される化合物を
以後それぞれ下記のように称することがある。
上記式において、R3、R4、R5、R6及びZ3が表わす水酸
基の保護基としては、水酸基の保護の目的を達成するか
ぎり、通常用いられているいずれの保護基でも良いが、
具体的には、R1が表わす水酸基の保護基として例示され
た保護基などが挙げられる。B'が表わす低級アルキル基
としては、メチル基、エチル基、イソプロピル基、トリ
フルオロメチル基などが挙げられ、アリール基としては
フエニル基、p−トリル基、p−ブロモフエニル基など
が挙げられる。
セコステロイド誘導体(III)は側鎖の保護されたシ
アノヒドリン誘導体の水酸基の保護基の脱保護を行つた
後、アルカリ処理することによつてケトン(X)に変換
される。脱保護反応は、常法に従つて行われる。例え
ば、Z2が三置換シリル基である場合にはフツ化物イオン
化合物で処理する方法などが挙げられ、置換基を有して
いても良いアルコキシメチル基である場合には、酸触媒
下水あるいは低級アルコールによつて加溶媒分解する方
法などが挙げられる。用いられるフツ化物イオン化合物
としては、フツ化テトラブチルアンモニウム、フツ化水
素酸、フツ化ピリジニウムなどが挙げられ、その使用量
はセコステロイド誘導体(III)1モルに対して通常約
0.05〜2モルである。用いられる酸触媒としては、酸
塩、硫酸などの鉱酸、p−トルエンスルホン酸、カンフ
アースルホン酸などのスルホン酸、p−トルエンスルホ
ン酸ピリジニウムなどのスルホン酸塩、酢酸、トリフル
オロ酢酸などのカルボン酸などが挙げられ、その使用量
は使用する酸触媒によつても異なるが、セコステロイド
誘導体(III)1モルに対して通常約0.05〜10モルであ
る。この反応は通常溶媒中で行われ、使用される触媒と
しては、テトラヒドロフランなどのエーテル系の溶媒、
メタノール、エタノールなどのアルコール系溶媒などが
挙げられ、その使用量は通常セコステロイド誘導体(II
I)に対して約5〜200倍重量である。加溶媒分解に用い
られる低級アルコールとしては、メタノール、エタノー
ル、イソプロピルアルコールなどが挙げられ、その使用
量は通常セコステロイド誘導体(III)に対して約5〜2
00倍重量である。反応は通常−10〜70℃の範囲内の温度
で行われる。アルカリ処理において用いられるアルカリ
としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどの金
属水酸化物などが挙げられる。具体的な反応方法として
は、例えば、セコステロイド誘導体(III)1モルに対
して約1〜100モルの約1〜10%のアルカリ水溶液を上
述の脱保護されたシアノヒドリンの溶液に加え、室温で
5分〜6時間撹拌あるいは振盪するなどの方法が挙げら
れる。
このようにして得られたケトン(X)の反応混合物か
らの単離・精製は、通常の有機反応において用いられる
単離・精製法と同様にして行うことができる。例えば、
反応混合物を水で希釈し、ジエチルエーテル、酢酸エチ
ル、塩化メチレンなどの有機溶媒で抽出し、抽出液を食
塩水で洗浄した後に、乾燥・濃縮することによつて粗生
成物を得、クロマトグラフイー、再結晶などによつて精
製することによりケトン(X)を得ることができる。
ケトン(X)のうち、Y5とY6が一緒になつて炭素−炭
素結合を表わすものは、この側鎖の二重結合を選択的に
還元することによりY5およびY6が水素原子を表わすケト
ン(X)に変換することができる。この選択的還元反応
は例えば、重曹およびアリコツト(Aliquot)336などの
相間移動触媒の存在下、水−ベンゼンの2相系で、ハイ
ドロサルフアイトナトリウムで処理することで行われ
る。
ケトン(X)は、常法にしたがつて還元反応に付する
ことによりアルコール(XI)に変換することができる。
この反応に用いられる還元剤としては、水素化ホウ素ナ
トリウム、水素化アルミニウムリチウル、水素化ビス
(メトキシエトキシ)アルミニウムナトリウム、水素化
ホウ素リチウム、水素化ホウ素亜鉛、水素化トリエチル
ホウ素ナトリウム、水素化トリsec−ブチルリチウム、
水素化トリsec−ブチルカリウムなどの金属水素化物錯
体、水素化アルミニウム、水素化ジイソブチルアルミニ
ウムなどのような金属水素化物などが挙げられ、その使
用量は用いる還元剤の性質によつても異なるが、通常ケ
トン(X)1モルに対して約0.25〜20モルである。この
反応は通常溶媒中で行われ、用いられる溶媒としては、
使用される還元剤の性質によつても異なるが、メタノー
ル、エタノールなどのアルコール系溶媒、テトラヒドロ
フラン、ジエチルエーテルなどのエーテル系溶媒などが
挙げられ、その使用量は通常ケトン(X)に対して約5
〜200倍重量である。この反応は通常約−30〜30℃の範
囲内の温度で行われる。
この様にして得られたアルコール(XI)の反応混合物
からの単離・精製は通常の有機反応において用いられる
単離・精製法と同様にして行われる。例えば、反応混合
物に水・飽和硫酸ナトリウム水溶液・酢酸エチルなどを
加え、過剰の還元剤を分解した後、過・抽出などで有
機溶媒に不溶なものを除き、必要に応じて洗浄すること
によつて中性にした後乾燥・濃縮して粗生成物を得、ク
ロマトグラフイー・再結晶などにより精製することによ
りアルコール(XI)を得ることができる。
この様にして得られたアルコール(XI)はそれ自体23
位に水酸基を有する活性型ビタミンD3誘導体であるが、
例えば以下のようにして23位の脱酸素化を行うことによ
り、23位に水酸基を持たない活性型ビタミンD3誘導体へ
変換することができる。
まずアルコール(XI)の23位の水酸基を常法に従つ
て、例えば三級アミンの存在下に塩化スルホニルを反応
させ、スルホニル化することによりスルホナート(XI
I)に変換することができる。この反応において用いら
れる塩化スルホニルとしては塩化メタンスルホニル、塩
化p−トルエンスルホニル、塩化p−ブロムベンゼンス
ルホニル、塩化ベンゼンスルホニルなどが挙げられ、そ
の使用量は通常アルコール(XI)1モルに対して約0.8
〜5モルである。用いられる三級アミンとしては、ピリ
ジン、トリエチルアミン、ジエチルアニリン、ジイソプ
ロピルエチルアミンなどが挙げられ、その使用量は使用
する塩化スルホニル1モルに対して通常約1〜50モルで
ある。この反応は通常溶媒中で行われ、用いられる溶媒
としては、使用する三級アミンを溶媒として用いること
も可能であり、また塩化メチレン、クロロホルムなど反
応に関与しない溶媒を用いることも可能である。溶媒の
使用量は通常アルコール(XI)に対して約5〜200倍重
量である。反応は通常約−20〜30℃の範囲内の温度で行
われる。
この様にして得られたスルホナート(XII)の反応混
合物からの単離・精製は、通常の有機反応において用い
られる単離・精製法と同様にして行われる。例えば、反
応混合物を冷希塩酸にあけ、ジエチルエーテル、塩化メ
チレンなどの有機溶媒で抽出し、抽出液を、希塩酸、
水、重曹水、食塩水で順次洗浄し、乾燥後濃縮して粗精
製物を得、クロマトグラフイー・再結晶などによつて精
製することによりスルホナート(XII)を得ることがで
きる。
スルホナート(XII)は、常法に従つてスルホニルオ
キシ基を還元的に除去することによりビタミン誘導体
(XIII)に変換することができる。この反応に用いられ
る還元剤としては、水素化アルミニウムリチウム、水素
化トリエチルホウ素ナトリウム、水素化ビス(メトキシ
エトキシ)アルミニウムナトリウムなどの金属水素化物
錯体などが挙げられ、その使用量はスルホナート(XI
I)1モルに対して通常約0.5〜20モルである。反応は通
常溶媒中で行われ、用いられる溶媒としては、テトラヒ
ドロフラン、ジエチルエーテル、1,2−ジメトキシエタ
ンなどのエーテル系溶媒などが挙げられ、その使用量
は、スルホナートに対して通常約5〜200倍重量であ
る。反応は通常約0〜80℃の範囲内の温度で行われる。
この様にして得られたビタミン誘導体(XIII)の反応
混合物からの単離・精製は、通常の有機反応において用
いられる単離・精製法と同様にして行われる。例えば、
反応混合物に、水・飽和硫酸ナトリウム水溶液・酢酸エ
チルなどを加え、過剰の還元剤を分解した後、過・抽
出などにより有機溶媒に不溶なものを除去し、必要に応
じて洗浄・乾燥を行い、濃縮して粗生成物を得、クロマ
トグラフイー・再結晶などにより精製することにより、
ビタミン誘導体(XIII)を得ることができる。
この様にして得られたビタミン誘導体(XIII)は必要
に応じて、常法に従い水酸基の脱保護を行うことにより
ビタミン誘導体(XIV)へ変換することができる。この
脱保護反応は、セコステロイド誘導体(III)の側鎖の
保護されたシアノヒドリンの脱保護と同様にして行われ
る。
この様にした得られたビタミン誘導体(XIV)のうちY
4、Y5およびY6が水素原子であるものは副甲状腺機能低
下症、骨軟化症、骨粗鬆症などのカルシウム代謝の欠陥
症の治療薬として有用であることが知られている1α−
ヒドロキシビタミンD3であり、またY4およびY6が水素原
子であり、Y5が水酸基であるものは慢性腎不全、副甲状
腺機能低下症、骨軟化症などのカルシウム代謝の欠陥症
の治療薬として有用であることが知られている1,25−ジ
ヒドロキシビタミンD3であり、またY5およびY6が水素原
子であり、Y4が水酸基であるものは1,25−ジヒドロキシ
ビタミンD3と同様な作用を持ち、乾癬治療薬として有用
であることが知られている1,24−ジヒドロキシビタミン
D3である。
[実施例] 以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本
発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
なお、これらの実施例中、核磁気共鳴(NMR)スペクト
ルは重クロロホルムを溶媒とし、テトラメチルシランを
内部標準として測定した。
参考例1 1α,3β−ジアセトキシ−5α,8α−(3,5−ジオキ
ソ−4−フエニル−1,2,4−トリアゾリジノ)−コレス
ター6,22−ジエン−24−オール2.74gを1%のピリジン
を含む塩化メチレン100mlに溶解し、ドライアイス−ア
セトン浴中にて冷却しながら撹拌した。この溶液にドラ
イアイス−アセトン浴中にて冷却しながらオゾンガスを
吹き込んで飽和させた1%ピリジンを含む塩化メチレン
425mlを加えた。オゾンの青色が消えたことを確認した
後、ジメチルスルフイド5ml加え、浴を除き、室温にな
るまで放置した。冷2%塩酸および水で順次洗浄した
後、硫酸ナトリウム上で乾燥した。濃縮後、残渣をシリ
カゲルカラムクロマトグラフイーで精製することによ
り、1α,3β−ジアセトキシ−5α,8α−(3,5−ジオ
キソ−4−フエニル−1,2,4−トリアゾリジノ)−6−
プレグネン−20−カルブアルデヒドを880mgを得た。1 H NMRスペクトル(90MHZ)δ:0.87(s,3H),1.01(s,
3H),1.17(d,J=7Hz,3H),1.97および1.98(いずれも
s,6H),5.03(m,1H),5.84(m,1H),6.28,6.41(ABq,J
=8Hz,2H),7.2〜7.6(m,5H),9.58(d,J=4Hz,1H) 参考例2 1α,3β−ジアセトキシ−5α,8α−(3,5−ジオキ
ソ−4−フエニル−1,2,4−トリアゾリジノ)−6−プ
レグネン−20−カルブアルデヒド302mgに2.1規定の水酸
化カリウムを含む95%エタノール溶液5mlを加え、アル
ゴン雰囲気下に1.5時間加熱還流した。反応液を冷却
後、水にあけ、ジエチルエーテルで抽出した。抽出後を
食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥した。濃縮
後、残渣をジエチルエーテルより再結晶することにより
精製し、1α,3β−ジヒドロキシプレグナ−5,7−ジエ
ン−20−カルブアルデヒドを163mg得た。1 H NMRスペクトル(90MHZ)δ:0.71(s,3H),0.97(s,
3H),1.06(d,J=7Hz,3H),3,2〜3,8(m,1H),4.0〜4.3
(m,1H),5.3〜5.5(m,1H),5.6〜5.8(m,1H),9.54
(d,1H) 参考例3 1α,3β−ジヒドロキシプレグナ−5,7−ジエン−20
−カルブアルデヒド69mgをN,N−ジメチルホルムアミド1
mlに溶解し、イミダゾール0.2g、次いで塩化t−ブチル
ジメチルシリル0.2gを加え、室温で20時間撹拌した。反
応混合液を水にあけ、ジエチルエーテルを抽出した。抽
出液を食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥した。
濃縮後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフイーに
より精製し、1α,3β−ビス(t−ブチルジメチルシリ
ルオキシ)−5,7−ジエン−20−カルブアルデヒドを75m
g得た。1 H NMRスペクトル(90MHZ)δ:0.11および0.13(それ
ぞれs,12H),0.70(s,3H),0.88(s,3H),0.95および0.
96(それぞれs,18H),1.15(d,J=6.4Hz,3H),4.1〜4.5
(2H),5,39(m,1H),5.64(m,1H),9.55(d,J=3.5Hz,
1H) 参考例4 1α,3β−ジヒドロキシプレグナ−5,7−ジエン−20
−カルブアルデヒド71mgを塩化メチレン1mlに溶解し、
エチルビニルエーテル0.2mlを加え、氷冷下撹拌した。
触媒量のp−トルエンスルホン酸を加え、さらに氷冷下
10分間撹拌した。反応混合液を重曹水にあけ、ジエチル
エーテルで抽出した。抽出液を食塩水で洗浄し、硫酸ナ
トリウム上で乾燥した。濃縮後、残渣をシリカゲルカラ
ムクロマトグラフイーにより精製し、1α,3β−ビス
(エトキシエチルオキシ)−5,7−ジエン−20−カルブ
アルデヒドを73mg得た。1 H NMRスペクトル(90MHz)δ:0.70(s,3H),0.88(s,
3H),3.3〜4.1(6H),4.5〜4.8(2H),5.30(m,1H),5.
50(m,1H),9.54(d,J=3.5Hz,1H) 参考例5 1α,3δ−ビス(t−ブチルジメチルシリルオキシ)
プレグナ−5,7−ジエン−20−カルブアルデヒド100mgを
エタノール2mlに溶解し、水素化ホウ素ナトリウム20mg
を氷冷下で加え、そのまま30分間撹拌した。反応混合物
に氷冷下で希塩酸を加えて中和し、水で希釈した後、ジ
エチルエーテルで抽出した。抽出液を重曹水および食塩
水で順次洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥した。減圧下
に濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフイー
により精製し、20−メチル−1α,3β−ビス(t−ブチ
ルジメチルシリルオキシ)プレグナ−57−ジエン−21−
オールを91mg得た。1 H NMRスペクトル(90MHz)δ:0.11(s,3H),0.12(s,
3H),0.13(s,3H),0.15(s,3H),0.74(s,3H)、0.95
(s,9H),0.97(s,9H),1.01(s,3H),1.01(d,J=7Hz,
3H),3.52(m,2H),4.1〜4.5(2H),5.38(m,1H),5.64
(m,1H) 参考例6 参考例5において、1α,3δ−ビス(t−ブチルジメ
チルシリルオキシ)プレグナ−5,7−ジエン−20−カル
ブアルデヒド100mgの代わりに1α,3β−ビス(エトキ
シエチルオキシ)プレグナ−5,7−ジエン−20−カルブ
アルデヒドを用いる以外は同様にして操作を行うことに
より、20−メチル−1α,3β−ビス(エトキシエチルオ
キシ)プレグナ−5,7−ジエン−21−オール89mgを得
た。1 H NMRスペクトル(90MHz)δ:0.71(s,3H),0.88(s,
3H),2.9〜4.1(8H),4.5〜4.8(2H),5.29(m,1H),5.
50(m,1H) 参考例7 20−メチル−1α,3β−ビス(t−ブチルジメチルシ
リルオキシ)プレグナ−5,7−ジエン−21−オール90mg
をピリジン1mlに溶解し、ジメチルアミノピリジン5mgを
加え、氷冷下に撹拌した。塩化p−トルエンスルホニル
70mgを加え、室温で5時間撹拌した。反応混合物を冷希
塩酸にあけ、ジエチルエーテルで抽出した。抽出液を
水、重曹水、食塩水で順次洗浄し、硫酸ナトリウム上で
乾燥した。減圧下に濃縮した後、残渣をシリカゲルカラ
ムクロマトグラフイーにより精製し、20−メチル−1
α,3β−ビス(t−ブチルジメチルシリルオキシ)−21
−p−トルエンスルホニルオキシプレグナ−5,7−ジエ
ン95mgを得た。1 H NMRスペクトル(90MHz)δ:0.11(s,3H),0.12(s,
3H),0.13(s,3H),0.15(s,3H),0.75(s,3H)、0.95
(s,9H),0.97(s,9H),1.01(s,3H),1.01(d,J=7Hz,
3H),2.40(s,3H),3,83(m,2H),4.1〜4.5(2H),5.38
(m,1H),5.64(m,1H),7.36(d,J=8Hz,2H),7.82(d,
J=8Hz,2H) 参考例8 20−メチル−1α,3β−ビス(エトキシエチルオキ
シ)プレグナ−5,7−ジエン−21−オール93mgをピリジ
ン2mlに溶解し、氷冷下で撹拌した。三臭化リン0.5mlを
加え、氷冷下2時間撹拌した。反応混合物を氷水にあ
け、ジエチルエーテルで抽出した。抽出液を水、重曹
水、食塩水で順次洗浄し、硫化ナトリウム上で乾燥し
た。減圧下濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフイ
ーで精製することにより、21−ブロモ−20−メチル−1
α,3β−ビス(エトキシエチルオキシ)プレグナ−5,7
−ジエン85mgを得た。1 H NMRスペクトル(90MHz)δ:0.59(s,3H),0.92(s,
3H),1.01(d,J=7Hz,3H),1.01(d,J=7Hz,3H),3.2〜
4.1(8H),4.6〜4.9(2H),5.30(m,1H),5.62(m,1H) 実施例1 ナトリウムヘキサメチルジシラジド(0.66規定ベンゼ
ン溶液)0.47mlをベンゼン4mlで希釈し、アルゴン雰囲
気下60℃で加熱撹拌した。1−(1−エトキシ)エトキ
シ−1−シアノ−3−メチルブタン57mgおよび20−メチ
ル−1α,3β−ビス(t−ブチルジメチルシリルオキ
シ)−21−p−トルエンスルホニルオキシプレグナ−5,
7−ジエン21mgをベンゼン4mlに溶解し、上記のナトリウ
ムヘキサメチルジシラジド溶液に1時間かけて滴下し
た。滴下終了後、冷塩化アンモニウム水溶液にあけ、5
分間撹拌した。有機層を分け、水溶液をジエチルエーテ
ルで抽出した。有機層を合わせ、食塩水で洗浄し硫酸ナ
トリウム上で乾燥した。減圧下濃縮後シリカゲルカラム
クロマトグラフイーにより精製し、23−(1−エトキ
シ)エトキシ−23−シアノ−1α,3β−ビス(t−ブチ
ルジメチルシリルオキシ)コレスタ−5,7−ジエン19mg
を得た。1 H NMRスペクトル(90MHz)δ:0.10(s,3H),0.12(s,
3H),0.13(s,3H),0.15(s,3H),0.70(s,3H),3.3〜
4.0(m,2H),4.1〜4.6(2H),4.7〜5.1(1H),5.38(m,
1H),5.64(m,1H) 実施例2 実施例1において20−メチル−1α,3β−ビス(t−
ブチルジメチルシリルオキシ)−21−p−トルエンスル
ホニルオキシプレグナ−5,7−ジエン21mgのかわりに、2
1−ブロモ−20−メチル−1α,3β−ビス(エトキシエ
チルオキシ)プレグナ−5,7−ジエン17mgを用いる以外
は同様にして操作を行うことにより、23−シアノ−1
α,3β,23−トリス[(1−エトキシ)エトキシ]コレ
スタ−5,7−ジエン15mgを得た。1 H NMRスペクトル(90MHz)δ:0.69(s,3H),0.9〜1.1
(12H),3.2〜4.2(10H),4.5〜5.0(3H),5.40(m,1
H),5.63(m,1H) 実施例3 23−(1−エトキシ)エトキシ−23−シアノ−1α,3
β−ビス(t−ブチルジメチルシリルオキシ)コレスタ
−5,7−ジエン19mgをジエチルエーテル400mlに溶解し、
アルゴンガスを通じながら氷浴中で冷却した。この溶液
に400W高圧水銀灯を用いて10分間紫外線を照射した。反
応混合物を減圧下濃縮した後、残渣をシリカゲルカラム
クロマトグラフイーにより精製し、23−(1−エトキ
シ)エトキシ−23−シアノ−1α,3β−ビス(t−ブチ
ルジメチルシリルオキシ)−9,10−セココレスタ−5
(10),6,8−トリエン2.5mgを得た。1 H NMRスペクトル(90MHz)δ:0.05(s,12H),0.70
(s,3H),1.64(s,3H),3.3〜4.0(2H),4.1〜4.5(2
H),4.7〜5.0(1H),5.2〜5.6(2H),5.84(br.s,2H) 実施例4 実施例3において、23−(1−エトキシ)エトキシ−
23−シアノ−1α,3β−ビス(t−ブチルジメチルシリ
ルオキシ)コレスタ−5,7−ジエン19mgのかわりに23−
シアノ−1α,3β,23−トリス[(1−エトキシ)エト
キシ]コレスタ−5,7−ジエン15mgを用いる以外は同様
にして操作を行うことにより、23−シアノ−1α,3β,2
3−トリス[(1−エトキシ)エトキシ]−9,10−セコ
コレスタ−5(10),6,8−トリエン2.0mgを得た。1 H NMRスペクトル(90MHz)δ:0.70(s,3H),0.9〜1.1
(9H),1.63(s,3H),3.2〜4.2(10H),4.5〜5.0(3
H),5.2〜5.6(2H),5,84(br.s,2H) 実施例5 23−(1−エトキシ)エトキシ−23−シアノ−1α,3
β−ビス(t−ブチルジメチルシリルオキシ)−9,10−
セココレスタ−5(10),6,8−トリエン2,5mgをジエチ
ルエーテル2mlに溶解し、遮光して室温で1週間放置し
た。減圧下濃縮した後、シリカゲルカラムクロマトグラ
フイーにより精製し、23−(1−エトキシ)エトキシ−
23−シアノ−1α,3β−ビス(t−ブチルジメチルシリ
ルオキシ)−9.10−セココレスタ−5,7,10(19)−トリ
エン1.3mgを得た。1 H NMRスペクトル(90MHz)δ:0.01(s,12H),0.60
(s,3H),3.3〜4.0(2H),4.1〜4.6(2H),4.7〜5.1(1
H),5.16(br.s,2H),6.00(d,J=11Hz,1H),6.21(d,J
=11Hz,1H) 実施例6 実施例5において、23−(1−エトキシ)エトキシ−
23−シアノ−1α,3β−(t−ブチルジメチルシリルオ
キシ)−9,10−セココレスタ−5(10),6,8−トリエン
2.5mgのかわりに23−シアノ−1α,3β,23−トリス
[(1−エトキシ)エトキシ]コレスタ−5(10),6,8
−トリエン2.0mgを用いる以外は同様にして操作を行う
ことにより、23−シアノ−1α,3β,23−トリス[(1
−エトキシ)エトキシ]−9,10−セココレスタ−5,7,10
(19)−トリエン1.1mgを得た。1 H NMRスペクトル(90MHz)δ:0.60(s,3H),0.9〜1.1
(9H),3.2〜4.2(10H),4.5〜5.0(3H),5.15(br.s,1
H),6.01(d,J=11Hz,1H),6.21(d,J=11Hz,1H) 参考例9 23−(1−エトキシ)エトキシ−23−シアノ−1
α,3β−ビス(t−ブチルジメチルシリルオキシ)−9,
10−セココレスタ−5,7,10(19)−トリエン1.3mgをメ
タノール1mlに溶解し、触媒量のp−トルエンスルホン
酸を加え、氷冷下で25分間撹拌した。反応混合物を塩化
メチレンで希釈し、食塩水を加えた。有機層を分け、水
層を塩化メチレンで抽出した。有機層を合わせ、硫酸ナ
トリウム上で乾燥した。減圧下濃縮し、23−シアノ−1
α,3β−ビス(t−ブチルジメチルシリルオキシ)−9,
10−セココレクタ−5,7,10(19)−トリエン−23−オー
ルを粗製物として得た。
上記で得られた粗製物をテトラヒドロフラン1mlに
溶解し、2%水酸化ナトリウム水溶液0.5ml加え、室温
で5分間激しく撹拌した。反応混合物を水で希釈し、酢
酸エチルで抽出し、食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウム上
で乾燥した。減圧下濃縮し、1α,3β−ビス(t−ブチ
ルジメチルシリルオキシ)−9,10−セココレスタ−5,7,
10(19)−トリエン−23−オンを粗製物として得た。
上記の粗製物をエタノール1mlに溶解し、氷冷下に
水素化ホウ素ナトリウム1mgを加え、氷冷下で30分間撹
拌した。反応液を水で希釈し、酢酸エチルで抽出した。
抽出液を合わせ、食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウム上で
乾燥した。減圧下濃縮し、1α,3β−ビス(t−ブチル
ジメチルシリルオキシ)−9,10−セココレスタ−5,7,10
(19)−トリエン−23−オールを粗製物として得た。
上記の粗製物をピリジン1mlに溶解し、塩化p−ト
ルエンスルホニル10mgおよびN,N−ジメチルアミノピリ
ジン2mgを加え、室温で22時間撹拌した。反応混合物を
酢酸エチルで希釈し、希塩酸、水、重曹水、食塩水で順
次洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥した。減圧下濃縮し
た後、シリカゲルカラムクロマトグラフイーにより部分
精製し、1α,3β−(t−ブチルジメチルシリルオキ
シ)−23−p−トルエンスルホニルオキシ−9,10−セコ
コレスタ−5,7,10(19)−トリエン0.8mgを得た。
1α,3β−(t−ブチルジメチルシリルオキシ)−
23−p−トルエンスルホニルオキシ−9,10−セココレス
タ−5,7,10(19)−トリエン0.8mgをテトラヒドロフラ
ン3mlに溶解し、水素化アルミニウムリチウム20mgを加
え、アルゴン雰囲気下2.5時間加熱還流した。反応混合
物を氷冷下ジエチルエーテルで希釈した後、飽和硫酸ナ
トリウム水溶液を加え、過剰の還元剤を分解した。不溶
物を別し、酢酸エチルで充分洗浄した。洗浄液を液
に合わせ、減圧下濃縮し、1α,3β−ビス(t−(t−
ブチルジメチルシリルオキシ)−9,10−セココレスタ−
5,7,10(19)−トリエンを粗製物として得た。
上記の粗製物をテトラヒドロフラン2mlに溶解し、
フツ化テトラブチルアンモニウム(1規定テトラヒドロ
フラン溶液)0.5mlを加え、室温で5時間撹拌した。反
応混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。抽出液を
食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥した。減圧化
濃縮した後、残渣をシリカゲル薄層クロマトグラフイー
により精製し、9,10−セココレスタ−5,7,10(19)−ト
リエン−1α,3β−ジオール0.3mgを得た。このものの
分析値(NMR、UV、MS)はすべて文献値と一致した。
実施例7 実施例1において、1−(1−エトキシ)エトキシ−
1−シアノ−3−メチルブタン57mgの代わりに1−トリ
メチルシリルオキシ−1−シアノ−3−メチル−2−ブ
テン57mgを用いる以外は同様にして操作を行うことによ
り23−シアノ−1α,3β−ビス(t−ブチルジメチルシ
リルオキシ)−23−トリメチルシリルオキシコレスタ−
5,7,24−トリエン17mgを得た。
実施例8 実施例1において、1−(1−エトキシ)エトキシ−
1−シアノ−3−メチルブタン57mgの代わりに(1−エ
トキシ)エトキシアセトニトリル40mgを用いる以外は同
様にして操作を行うことにより20−[2−シアノ−2−
(1−エトキシ)]エチル−1α,3β−ビス(t−ブチ
ルジメチルシリルオキシ)プレグナ−5,7−ジエン8mgを
得た。
実施例9 実施例1において、1−(1−エトキシ)エトキシ−
1−シアノ−3−メチルブタン57mgの代わりに1−(1
−エトキシ)エトキシ−1−シアノ−3−メチル−3−
(2−テトラヒドロピラニル)オキシブタン88mgを用い
る以外は同様にして操作を行うことにより23−シアノ−
23−(1−エトキシ)エトキシ−1α,3β−ビス(t−
ブチルジメチルシリルオキシ)−25−(2−テトラヒド
ロピラニル)オキシコレスタ−5,7−ジエン21mgを得
た。
実施例10 実施例1において、1−(1−エトキシ)エトキシ−
1−シアノ−3−メチルブタン57mgの代わりに4−[2
−シアノ−2−(1−エトキシ)エトキシ]エチル−2,
2,4−トリメチル−1,3−ジオキソラン80mgを用いる以外
は同様にして操作を行うことにより23−シアノ−23−
(1−エトキシ)エトキシ−25,26−イソプロピリデン
ジオキシ−1α,3β−ビス(t−ブチルジメチルシリル
オキシ)コレスタ−5,7−ジエン18mgを得た。
実施例11 実施例1において、1−(1−エトキシ)エトキシ−
1−シアノ−3−メチルブタン57mgの代わりに1−シア
ノ−1−(1−エトキシ)エトキシ−2−t−ブチルジ
メチルシリルオキシ−4−メチルブタン97mgを用いる以
外は同様にして操作を行うことにより、23−シアノ−23
−(1−エトキシ)エトキシ−1α,3β,24−トリス
(t−ブチルジメチルシリルオキシ)コレスタ−5,7−
ジエン22mgを得た。
[発明の効果] 本発明により一般式(I)、一般式(II)及び一般式
(III)で示される新規なステロイド誘導体並びに一般
式(I)で示されるステロイド誘導体の製造方法が提供
される。
本発明により提供される該ステロイド誘導体は、慢性
腎不全、副甲状腺機能低下症、骨軟化症などのカルシウ
ム代謝の欠陥症の治療に有効であることが知られている
1α,25−ジヒドロキシビタミンD3を初めとする1α位
に水酸基をもつビタミンD3誘導体の合成中間体として有
用である。

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式 [式中、Rは水素原子又は−CH(Y1)C(Y2)(CH3)C
    H2Y3基を表わし、Y1及びY2はそれぞれ水素原子若しくは
    −OZ1基を表わすか又は一緒になつて炭素−炭素結合を
    表わし、Y3は水素原子又は−OZ1基を表わし、R1、R2、Z
    1及びZ2はそれぞれ水素原子又は水酸基の保護基を表わ
    す] で示されるステロイド誘導体。
  2. 【請求項2】一般式 (式中、R、R1、R2及びZ2はそれぞれ請求項1記載の
    R、R1、R2及びZ2と同じである) で示される9,10−セコステロイド誘導体。
  3. 【請求項3】一般式 (式中、R、R1、R2及びZ2はそれぞれ請求項1記載の
    R、R1、R2及びZ2と同じである) で示される9,10−セコステロイド誘導体。
  4. 【請求項4】一般式 (式中、R1及びR2はそれぞれ請求項1記載のR1及びR2
    同じであり、Aはハロゲン原子又はスルホニルオキシ基
    を表わす) で示されるプレグナン誘導体と一般式 NCCH(OZ2)R (式中、R及びZ2はそれぞれ請求項1記載のR及びZ2
    同じである) で示されるシアノヒドリン誘導体とを塩基性物質存在下
    に反応させることを特徴とする一般式 (式中、R、R1、R2及びZ2はそれぞれ請求項1記載の
    R、R1、R2及びZ2と同じである) で示されるステロイド誘導体の製造方法。
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