JP2642173B2 - 光ヘテロダイン検波回路 - Google Patents

光ヘテロダイン検波回路

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JP2642173B2
JP2642173B2 JP63312954A JP31295488A JP2642173B2 JP 2642173 B2 JP2642173 B2 JP 2642173B2 JP 63312954 A JP63312954 A JP 63312954A JP 31295488 A JP31295488 A JP 31295488A JP 2642173 B2 JP2642173 B2 JP 2642173B2
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克 岩下
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、光ヘテロダイン検波回路に関し、特に高速
の信号を効率よく受信可能にしたものである。
[従来の技術] 従来から、光搬送周波数と光局部発振器による信号出
力を混合することによって生ずる干渉を利用して、両光
の位相差、強度、周波数などの情報を検知する光ヘテロ
ダイン検波回路が提供されている。
周知のように、光ヘテロダイン検波方式は一般に直接
検波方式に比べて受光感度(受信感度)が改善され、か
つ光ファイバの波長分散を中間周波回路で電気的に等化
(遅延等化)できるので、高速・長中継間隔の伝送方式
として有望視されている。
[発明が解決しようとする課題] しかしながら、従来の光ヘテロダイン検波方式による
広帯域の受光回路では、例えばビットレートの2倍の周
波数を中心周波数としてビッレートの2倍の帯域幅を有
する受光回路を必要とするので高速化が困難であった。
一方、ベースバンド回路を用いる位相ダイバーシチ検
波方式では信号光周波数と局発光周波数の差をビットレ
ートの1/10程度にするので、受光回路の帯域もDC(直
流)付近からビットレート程度までカバーでき、このた
め光ヘテロダイン検波に比べて電気回路に対する負担が
軽減され、高速化適した検波方式であるとされていた。
しかし、信号が直流からビットレート程度まで広がり、
この信号を復調するにはミキサあるいは2乗検波器等の
回路が必要である。たが、これらの復調回路がこのよう
な広い周波数範囲をカバーするのは実際上困難であっ
た。
そこで、第4図に示すような復調回路が提案された。
この提案の回路は高速まで適用できるように、位相ダイ
バーシチで検波した信号の周波数を一度高い周波数に変
換して2乗検波するようにしたものである(European C
onference on Optical Communicatioin,'88 pp.147−15
0参照)。
しかしながらこの提案の方式では周波数を変換した時
に和と差の周波数ができるので、パワーを検波する方式
にしか適用できず、受信感度の良いFSK(frequency shi
ft keying)およびPSK(phase shift keying)には周波
数検波が必要なために適用できなかった。
本発明の目的は、上述の従来の欠点を除去し、位相ダ
イバーシチ検波方式を用いて高速信号の復調を行い、受
光感度を向上させることのできる光ヘテロダイン検波回
路を提供することにある。
[課題を解決するための手段] 上記目的を達成するため、本発明の光ヘテロダイン検
波回路は、入力する信号光と局部発振光を混合する光90
゜ハイブリットと、該光90゜ハイブリットから出力する
2つの混合光をそれぞれ受光して電気的な2つの受信信
号に変換する受光部と、該受光部から出力する前記2つ
の受信信号のそれぞれに正弦波をかけ合わせて該2つの
受信信号の周波数を高い周波数に変換する周波数変換部
と、該周波数変換部の2つの出力より2つの90゜ハイブ
リット信号を出力する90゜ハイブリットと、該2つの90
゜ハイブリット信号をそれぞれ復調する復調部と、該復
調部で復調された2つの復調信号を1つの信号に合成す
る合成部とを具備したことを特徴とする。
[作 用] 本発明は、位相ダイバーシチ検波方式を用いて受信し
た信号の周波数を一度高い周波数に変換して、受信信号
を位相を含めて再生し、復調するようにしたので、受光
感度の向上が得られる。
[実施例] 以下、図面を参照して本発明の実施例を詳細に説明す
る。
第1図は本発明の一実施例の回路構成を示す。
同図において、1は局部発振光源、2は信号光と局部
発振光源1の局部発振光とを合波する光90゜ハイブリッ
ト、4,5はそれらの合波された光束を受光する受光素
子、6,7は増幅器である。100は受光されて光電変換され
た電気信号の周波数を変換する周波数変換回路で、ミキ
サー9,10と局部発振器8から構成される。101は周波数
変換回路100で周波数変換された2つの信号を合成する9
0゜ハイブリッドであり、π/2位相器11,12と、合成器1
3,14から構成される。15,16は復調回路、17は合成回路
である。
先ず、本実施例の回路の動作について簡単に説明す
る。
光90゜ハイブリット2で合波された2つの光には信号
光の角周波数ωと局部発振光の角周波数ωとの差に
応じたビートが発生する(第2図(A),(B)参
照)。そのビートは、例えばX点を基準にするとY点で
はビート周波数は同じであるが、信号光と局部発振光の
周波数の大小関係に応じて±π/2の位相差がある。
これらの2つの光を受光素子5,5で光電変換し、増幅
器6で増幅した電気信号をミキサ9,10を用いて局部発振
器8の局部発振信号を合波することにより周波数変換す
ると、その変換された信号角周波数は局部発振器8の角
周波数をωL0とすると、ωL0±(ω−ω)となる
(第2図(C),(D)参照)。ミキサ9の出力ライン
のa点でこの2つの信号の位相は等しい(第2図(C)
参照)。しかし、ミキサ10の出力ラインのb点では2つ
の信号は上記のa点と比較して±π/2の位相差がある
(第2図(D)参照)。これらの位相差のある信号を90
゜ハイブリット101を用いて合成すると、90゜ハイブリ
ット101からの出力は出力ラインのc点で上述のωL0
(ω−ω)成分がキャンセルされて0となり、ωL0
+(ω−ω)成分のみとなる(第2図(E)参
照)。一方、90゜ハイブリッド101の出力ラインでのd
点ではその出力のωL0+(ω−ω)成分がキャンセ
ルされて0となり、ωL0−(ω−ω)成分のみとな
る(第2図(F)参照)。従って、c点,d点に送り出さ
れたこれら2つの信号は位相も含めて光のスペクトルの
状態で再生したことになり、従来の光ヘテロダイン検波
方式で行っていると同様の復調が可能となる。よって、
これらの信号を復調器15,16で復調を行い、合成器17で
合成すれば、もとの信号(信号光)が再生できる。
次に、以上説明した本実施例の動作を下記の式を用い
てさらに詳細に説明する。ここに説明を簡単にするため
に、信号光には変調をかけていないとする。
このときの信号光の波形Sを とする。ここで、PSは信号光のパワー、ωはその信号
光の角周波数、φは位相(任意の値)である。
また。局部発振光の波形Lを とする。ここでPLは局部発振光のパワー、ωはその局
部発振光の角周波数、φは位相(任意の値)である。
光90゜ハイブリット2により信号光と局部発振光とを
混合し、2つの信号光をそれぞれ受光素子4,5に入射す
る。
受光素子4および増幅器6による受信波形Rxは、直流
成分を無視すると、 となる。ここで、ηは受光素子4の量子効率、eは電
子の電荷、hはプランク定数、νは光の周波数(ω
2πν)、G1は増幅器6の利得を表す。以下では説明を
簡単にするために、 [η1 e/hν]G1=1とすると、上式(3)のRxは、 となる。
また、受光素子5および増幅器7による受信波形R
yは、上記と同様にして、 となる。上式(3)′,または(4)の信号Rx,Ryと局
部発振器8の出力T とをミキサ9,10でかけ合せると、a点の信号Raとなる。また、同様にb点の信号Rbとなる。上式(6),(7)の信号Ra,Rbは第2図
(c),(f)に示すようにωL0を中心として±(ω
−ω)の周波数にスペクトルが存在する。この時、a
点の信号Raのφ−φを0とすると、上式(6),
(7)により、2つの周波数成分は同相であり、b点の
信号は±π/2の位相差があることが分る。
c点の信号Rcは、a点の信号の半分 と、b点の信号Rbの半分をπ/2だけ位相を遅らせた信号 との和で表され、 となる(第2図(E)参照)。
また、d点の信号Rdは、a点の信号Raの半分をπ/2だ
け位相を遅らせた信号 と、b点の信号Rbの半分 との和で表され、 となる(第2図(F)参照)。
従って、c点の信号Rcは局部発振光源1の局部発振光
Lの光周波数がω−ωL0としたときの光ヘテロダイン
検波と等価となり、d点の信号Rdは局部発振光源1の局
部発振光Lの光周波数がω+ωL0としたときの光ヘテ
ロダイン検波と等価となる。これらの信号のRc,Rdは、
光ヘテロダイン検波と同様に、復調器15,16により包絡
線検波、2乗検波、遅延検波、同期検波等で復調するこ
とが出来る。復調器15,16で復調されたe点,f点の信号R
e,RfはYの信号の符号に応じて合成器17で合成すること
により、もとの信号を得ることが出来る。第4図の従来
の回路ではパワーで検波しているため、受信感度の最も
悪いASK(amplitude shift keying)にのみに適用可能
であったが、本発明実施例ではa点,b点で現れる各々2
つの信号から90゜ハイブリット101を用いて、各々、一
方の信号だけを取り出しているので、位相も検波でき、
これにより上述のFSK,PSKにも適用できるので受信感度
の改善が図れる。
次に、実験において確認した第1図の各点におけるス
ペクトル(測定値)を第3図(A)〜(C)に示す。約
500MHz光周波数差のある信号光と局部発振光を光90゜ハ
イブリット2を通して混合し、その光を受光素子4,5で
受光する(第3図(A))。その受光した信号Rxを3GHz
の発振器8を用いて周波数変換する(第3図(B))。
周波数変換された信号Raには局部発振器の周波数を中心
にして対称にスペクトルが得られている。但し、局部発
振器8の周波数成分は理想的にはないが、実際にはミキ
サ9の不完全性により漏れが現れている。この信号Ra
90゜ハイブリット101に通すと、片方がキャンセルされ
1つのスペクトルのみとなる(第3図(C))。
[発明の効果] 以上述べたように、本発明によれば、ωωとし
てベースバンド回路で受光することにより、受光回路が
低周波狭帯域で実現でき、低雑音化が図れる。また、こ
の受光回路の出力信号に対して遅延検波や同期検波を行
うと受光感度の改善が図れる。
【図面の簡単な説明】 第1図は本発明の一実施例の回路構成を示すブロック
図、 第2図(A)〜(F)はそれぞれ第1図の各点における
出力信号のスペクトルを示す特性図、 第3図(A)〜(C)はそれぞれ第1図の各点における
出力信号の実際の測定値(実験値)を示すグラフ、 第4図は従来例の回路構成を示すブロック図である。 1……局部発振光源、 2……光90゜ハイブリット、 4,5……受光素子、 6,7……増幅器、 8……局部発振器、 9,10……ミキサ、 11,12……π/2位相器、 13,14……合成器、 15,16……復調器、 17……合成器、 100……周波数変換回路、 101……90゜ハイブリット。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】入力する信号光と局部発振光を混合する光
    90゜ハイブリットと、 該光90゜ハイブリットから出力する2つの混合光をそれ
    ぞれ受光して電気的な2つの受信信号に変換する受光部
    と、 該受光部から出力する前記2つの受信信号のそれぞれに
    正弦波をかけ合わせて該2つの受信信号の周波数を高い
    周波数に変換する周波数変換部と、 該周波数変換部の2つの出力より2つの90゜ハイブリッ
    ト信号を出力する90゜ハイブリットと、 該2つの90゜ハイブリット信号をそれぞれ復調する復調
    部と、 該復調部で復調された2つの復調信号を1つの信号に合
    成する合成部と を具備したことを特徴とする光ヘテロダイン検波回路。
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