JP2640983B2 - カラー画像処理方法および装置 - Google Patents

カラー画像処理方法および装置

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JP2640983B2 JP1316293A JP31629389A JP2640983B2 JP 2640983 B2 JP2640983 B2 JP 2640983B2 JP 1316293 A JP1316293 A JP 1316293A JP 31629389 A JP31629389 A JP 31629389A JP 2640983 B2 JP2640983 B2 JP 2640983B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明はカラー印刷における網点発生技術に関し、イ
エロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、及び、
墨(K)の各インキの網点面積率を決定するカラー画像
処理方法および装置を提供するものである。
なお以下の説明中、Y,M,C,Kは上記イエロー、マゼン
タ、シアン、墨の各色を指す。
[従来技術] 原理的には、Y,M,Cの3色のインキの重ね刷りで、大
部分の色を印刷することができる。
しかし実際問題として三色の重ね刷りは、 .インキが重なった部分のトラッピングが悪い、 .良好な黒が再現できない、 .インキの重なりにより、インキの使用量が多くな
り、経済的でない、 .コントラストが低い、 などの問題点がある。
そこで一般には、Y,M,Cの3色のインキに、K(墨)
インキを加えた4色でカラー印刷を行って上記問題を解
決しようとしている。
[発明が解決しようとする課題] しかしK(墨)インキを加えた4色のインキで目標色
を再現しようとする場合でも、それに必要な各色の網点
面積率を決定するのが難しく、又、かりに従来から知ら
れも方法でも決定した網点面積率に基づいて印刷したと
しても、必ずしも良好な色再現が得られないという問題
があった。
例えば別途指示した所望再現色のR,G,B信号を、下記
に示すマスキング方程式に代入して網点面積率を求める
方法が既に知られている。
ここで[aij](i,j=1,2,3)はマスキング係数と呼
ばれるパラメータであり、このパラメータを適切に定め
て、Y,M,Cの3色の網点面積率としている。
Y,M,C,Kの4色の場合は、いったん上述のようにして
Y,M,Cの3色の網点面積率を求め、その中の最小値に別
途定めた墨率を乗じてそれをK(墨)の網点面積率とし
ている。
そしてK(墨)を加えた分だけ、上記求めたY,M,Cの
面積率からKの面積率を減じ、それらを所望の各網点面
積率としている。
この方式は一般にUCR(Under Color Removal)方式と
呼ばれており、カラー印刷のみではなく各種のプリンタ
でも採用されている。
しかし上記の方式は、従来写真における減法混色を中
心とした考えのもとになされたものであり、この方式
を、網点を面積量を変えて色を表現する面積変調方式に
そのまま適用した場合、 全般に彩度が低下する、 墨版の割合が増えてくると濃度が低下する、 などの欠点を有し、良好な色再現ができなかった。
その上、K(墨)インキが加わることにより、更に色
再現が難しくなるという問題があった。
[課題を解決するための手段] 本発明は以上の点に鑑み、目標色を正しく再現するY,
M,C,Kの各インキの網点面積率を決定するカラー画像処
理方法および装置を提供することを目的としたものであ
る。
その特徴は、4元4次のノイゲバウア方程式から導か
れる逆行列式を利用し、初期網点面積率とノイゲバウア
方程式から求められる網点面積率との偏移量を求め、こ
の偏移量と初期網点面積率に基づいて所望の網点面積率
を決定するようにしたことである。
[作用] 本発明は、デミッシェル(Demichel)の関係と平均的
加法混色を組み合わせたノイゲバウア(Neugebauer)方
程式を基礎として、Y,M,C,Kの4色のインキで色再現す
る際の各インキの網点面積率を決定する。
これによって目標色を正しく再現するのに必要な、墨
色を含むY,M,C,Kの4色のインキの網点面積率が決定さ
れる。
[実施例] はじめに本発明の原理を説明する。
紙の上にY,M,C,Kの4色のインキで網点印刷するとき
に得られる再現色の、XYZ表色系における3刺激値X,Y,Z
は、下記のノイゲバウア方程式により得られる。
X=AwXw+AyXy+AmXm+AcXc+AkXk+AymXym+AycXyc +AmcXmc+AykXyk+AmkXmk+AckXck+AymkXymk +AyckXyck+AmckXmck+AymcXymc+AymckXymckY=AwYw
+AyYy+AmYm+AcYc+AkYk+AymYym+AycYyc +AmcYmc+AykYyk+AmkYmk+AckYck+AymkYymk +AyckYyck+AmckYmck+AymcYymc+AymckYymck Z=AwZw+AyZy+AmZm+AcZc+AkZk+AymZym+AycZyc +AmcZmc+AykZyk+AmkZmk+AckZck+AymkZymk+AyckZy
ck +AmckZmck+AymcZymc+AymckZymck ……(1) ここでAy,Am,Ac,…,は、第2図に示す16種類の色点
(w(紙),y,m,c,k,ym,yc,mc,yk,mk,ck,ymk,yck,mck,y
mc,ymck)の面積率である。
またXw,Yw,Zw,Xy,Yy,Zy,Xm,Ym,Zm,Xc,Yc,Zc,…,は、
上記各色点の3刺激値であり、実際に使用するインキと
紙を実測することによって得られる。
また各色点の面積率はY、M、C、Kの各インキの網
点面積率をAY,AM,AC,AKとすると、デミッシェルの関係
から下式で与えられる。
Aw=(1−AY)(1−AM)(1−AC)(1−AK) Ay=AY(1−AM)(1−AC)(1−AK) Am=(1−AY)AM(1−AC)(1−AK) Ac=(1−AY)(1−AM)AC(1−AK) Ak=(1−AY)(1−AM)(1−AC)AK Aym=AYAM(1−AC)(1−AK) Ayc=AY(1−AM)AC(1−AK) Amc=(1−AY)AMAC(1−AK) Ayk=AY(1−AM)(1−AC)AK Amk=(1−AY)AM(1−AC)AK Ack=(1−AY)(1−AM)ACAK Aymk=AYAM(1−AC)AK Ayck=AY(1−AM)ACAK Amck=(1−AY)AMACAK Aymc=AYAMAC(1−AK) Aymck=AYAMACAK ……(2) この(2)式を(1)式に代入すると、 X=(Lx1−Lx1′AK)−(Lx2−Lx2′AK)AY −(Lx3−Lx3′AK)AM−(Lx4−Lx4′AK)Ac +(Lx5−Lx5′AK)AYAM+(Lx6−Lx6′AK)AYAC +(Lx7−Lx7′AK)AMAC−(Lx8−Lx8′AK)AYAMAC…… (3) (Y,Zも同型のため省略する) となる。ただし、 Lx1=Xw Lx1′=Xw−Xk Lx2=Xw−Xy Lx2′=Xw−Xy−Xk+Xyk Lx3=Xw−Xm Lx3′=Xw−Xm−Xk+Xmk Lx4=Xm−Xc Lx4′=Xm−Xc−Xk+Xck Lx5=Xw−Xy−Xm+Xym Lx5′=Xw−Xy−Xm−Xk+Xym+Xyk+Xmk−Xymk Lx6=Xw−Xy−Xc+Xyc Lx6′=Xw−Xy−Xc−Xk+Xyc+Xyk+Xck−Xyck Lx7=Xw−Xm−Xc+Xmc Lx7′=Xw−Xm−Xc−Xk+Xmc+Xmk+Xck−Xmck Lx8=Xw−Xy−Xm−Xc+Xym+Xyc+Xmc−Xymc Lx8′=Xw−Xy−Xm−Xc−Xk+Xym+Xyc+Xmc+Xyk +Xmk+Xck−Xymk−Xyck−Xmck−Xymc+Xymck LY1=Yw LY1′=Yw−Yk LY2=Yw−Yy LY2′=Yw−Yy−Yk+Yyk LY3=Yw−Ym LY3′=Yw−Ym−Yk+Ymk LY4=Yw−Yc LY4′=Yw−Yc−Yk+Yck LY5=Yw−Yy−Ym+Yym LY5′=Yw−Yy−Ym−Yk+Yym+Yyk+Ymk−Yymk LY6=Yw−Yy−Yc+Yyc LY6′=Yw−Yy−Yc−Yk+Yyc+Yyk+Yck−Yyck LY7=Yw−Ym−Yc+Ymc LY7′=Yw−Ym−Yc−Yk+Ymc+Ymk+Yck−Ymck LY8=Yw−Yy−Ym−Yc+Yym+Yyc+Ymc−Yymc LY8′=Yw−Yy−Ym−Yc−Yk+Yym+Yyc+Ymc+Yck +Ymk+Yck−Yymk−Yyck−Ymck−Yymc+Yymck LZ1=Zw LZ1′=Zw−Zk LZ2=Zw−Zy LZ2′=Zw−Zy−Zk+Zyk LZ3=Zw−Zm LZ3′=Zw−Zm−Zk+Zmk LZ4=Zw−Zc LZ4′=Zw−Zc−Zk+Zck LZ5=Zw−Zy−Zm+Zym LZ5′=Zw−Zy−Zm−Zk+Zym+Zyk+Zmk−Zymk LZ6=Zw−Zy−Zc+Zyc LZ6′=Zw−Zy−Zc−Zk+Zyc+Zyk+Zck−Zyck ZZ7=Zw−Zm−Zc+Zmc ZZ7′=Zw−Zm−Zc−Zk+Zmc+Zmk+Zck−Zmck ZZ8=Zw−Zy−Zm−Zc+Zym+Zyc+Zmc−Zymc ZZ8′=Zw−Zy−Zm−Zc−Zk+Zym+Zyc+Zmc+Zyk+Zmk +Zck−Zymk−Zyck−Zmck−Zymc+Zymck ……(4) である。以下この(4)式で表わす各“L"のことをL係
数と呼ぶことにする。
(4)式より明らかなようにL係数は定数であるの
で、(1)式、又は(3)式で示したノイゲバウア方程
式は下記のように表わせる。
X=fX(AY,AM,AC,AK) Y=fY(AY,AM,AC,AK) Z=fZ(AY,AM,AC,AK) 従って、上記(3)式をAY,AM,AC,AKについて求めれ
ば、再現する目標色の三刺激値X,Y,Zが与えられたとき
の、Y,M,C,Kの各インキの網点面積率を決定することが
できる。
本発明は、この4元4次のノイゲバウア方程式が、K
(墨)インキを加えることによる上記の問題点を解決し
て良好な色再現を実現するのに適切な理論であると判断
し、具体的な解決方式の提供を図ったものである。
しかし上記(3)式は4元4次方程式であるので、X,
Y,Zに係るこれら3つの関係式だけから、網点面積率AY,
AM,AC,AKを求めることは一般的には出来ない。
そこで本発明では上記4元4次のノイゲバウア方程式
を基礎とし、以下に説明する方式により、目標色の2刺
激値X,Y,Zを正確に再現するための網点面積率を決定す
るようにした。
まず(3)式で与えられるノイゲバウア方程式をAY,A
M,ACについて偏微分し、それぞれ下記のようにmX1,mX2,
mX3,mY1,mY2,mY3,mZ1,mZ2,mZ3と置くと、 のようになる。
従って3刺激値X,Y,Zの偏移量∂X,∂Y,∂Zは、
(5)式より、 となる。また網点面積率AY,AM,ACの偏移量∂AY,∂AM,∂
ACは、 と表わすことができる。
はじめに本発明のカラー画像処理方法の第一の実施例
を説明する。
第1図は本実施例の処理手順を示す処理フロー図であ
る。
まずK(墨)インキを入れずに、Y,M,Cの3色のイン
キで目標色を再現するときの網点面積率を求める。
この考え方は、従来のUCR方法で、先ずKを「0」と
置いて、Y,M,Cを求めるのと同じ発想である。
先ず最初に網点面積率を求めるにあたり、任意の初期
網点面積率AY0,AM0,AC0を設定する。
設定の仕方は任意であるが、例えば、X,Y,Z等色関数
の(λ),(λ),(λ)の分布を考慮して補色
関係から与えられる近似として下記のように定める(第
1図S1)。
AY0=1−Z AM0=1−Y AC0=1−X (AK0=0) ……(8) 方程式の数値解法において、一般に、初期値が求める
解に近ければ近いほど、最終解への収束が早く、演算時
間が少なくて済む。
ノイゲバウア方程式では、未知数である網点面積率
AY,AM,ACは0から1の範囲の値を取る可能性が非常に高
いことがわかっているので、確率論的にいえば、初期値
は全て0.5にしておくことが望ましく、数学的な一般的
解法としてはそのようにするところである。
しかし本発明の実施例では、本方程式の各変数の物理
的な意味とその関係を実在のデータに基づいて検討した
結果、物理的な裏付けの有るものとして、(8)式を与
えている。
初期網点面積率AY0,AM0,AC0,(AK0)によって再現さ
れる色の3刺激値をX0,Y0,Z0としたとき、目標色の3刺
激値X,Y,Zとの差分は、下記のようになる。
∂X=X0−X ∂Y=Y0−Y ∂Z=Z0−Z ……(9) 尚、再現される色の3刺激値X0,Y0,Z0は、初期網点面
積率AY0,AM0,AC0,AK0をノイゲバウア方程式(3)式に
代入して求める。
次に(8)式で求めた値を(5)式に代入して求めた
値と、(9)式で求めた値とを、夫々(7)式に代入す
ることにより、網点面積率の所要偏移量∂AY,∂AM,∂AC
を求めることができる。
従って、目標色に収束させたY,M,Cの3色の網点面積
率は下記の式で求められる(第1図S2)。
AY3=AY0−∂AY AM3=AM0−∂AM AC3=AC0−∂AC ……(10) 本発明の説明では、上述のように微分係数を利用して
所要の偏位量を求めたのち、この偏位量に基づいて目標
色の網点面積率を求めることを微分補正と呼ぶ。
以上のようにして求められた網点面積率AY3,AM3,AC3
は、Y,M,Cの3色で目標色を再現するときのものであ
る。
本発明では、K(墨)のインキを加えたY,M,C,Kの4
色のインキで目標色を再現する網点面積率を求めなけれ
ばならない。
そこで先ず、Kの網点面積率を、 AK4=K1×Min(AY3,AM3,AC3) K1:墨率 ……(11) とする(第1図S3)。
つまり網点面積率AY3,AM3,AC3の最小値に墨率K1を乗
じたものをKの網点面積率AK4とする。
但しAK4が0.9を越えた場合(第1図S4)、 AK4=AK4−0.2(AK4−0.9) ……(12) の演算を行い、Kの網点面積率を少し減らす(第1図S
5)。
ここで0.2という定数は、実験的に定めた値である。
従来のUCR方式では、Y,M,Cの3色を重ねて得られる墨
と、Kそのものによる墨の相違を無視しており、(11)
式でAK4を定めたあと、AY3,AM3,AC3から夫々AK4を減ず
ることによって最終的な網点面積率を求めている。しか
しこの従来のUCR方式では正確な色再現が不可能なこと
は明らかである。
本発明では次に述べるように、このAK4を用いて再度
ノイゲバウア方程式を解き直すという過程を加えること
によって、この問題を解決するようにしているが、最も
暗い部分の近傍では、K(墨)が入りすぎてしまうた
め、解き直すことによる補正が十分な効果を果たさなか
った。
そこでK(墨)の網点面積率を少し減らす項を付ける
こととし、定数を実験的に定めたものである。従ってこ
の定数は、0.2ちょうどに限定されるものではない。
以上のようにしてAK4が求まったら、Y,M,C,Kの4色の
インキの初期網点面積率を、 AY4=(AY3−0.95AK4)/(1−0.95AK4) AM4=(AM3−0.95AK4)/(1−0.95AK4) AC4=(AC3−0.95AK4)/(1−0.95AK4) AK4=定数 ……(13) として(第1図S6)、前記の微分補正を行う(第1図S
7)。
ここで(13)式は、本件特許の発明者の一人である佐
柳和男氏が、1986年TAGA(Technical Association of G
raphic Arts)会議で発表したGCR(Gray Component Rep
lacement)式に基づくものである。この式はUCR式の欠
点を補正するもので、K(墨)インキを加えた場合の実
験結果とも良く一致している。
なお、(13)式では、前記発表のGCR式には無かった
定数0.95をAK4に乗じているが、これは例えばAY3=AK4
のときに、AY4が0になるのを防ぐためである。この定
数は0.95に限るものではなく、例えば0.9<定数<1.0の
範囲において適宜の値であれば良い。
以下同様な処理の繰り返しとなる。即ち、新たな網点
面積率AY4′,YM4′,AC4′は、下記の式によって求めら
れる。
AY4′=AY4−∂AY AM4′=AM4−∂AM AC4′=AC4−∂AC 微分補正を何度か繰り返して行うことにより、求めた
網点面積率によって再現される再現色は目標色に次第に
近くなる。従って、何度か微分補正を行っても良い。
勿論その時の初期網点面積率は、前回の微分補正によ
って求めた網点面積率を使う。
次にこのようにして求めた網点面積率AY4′,AM4′,A
C4′の中に負のものがあるときは(第1図S8)、AK4
その負の値を加えると共に、負になった色の網点面積率
をゼロにする(第1図S9)。
またこの処理でAK4が負になったら(第1図S10)、A
K4もゼロにする(第1図S11)。
以上のようにして求めたY,M,C,Kの網点面積率が、目
標色を正しく再現する網点面積率である。
上述した実施例は、(11)式にも示すように、墨率K1
の値を変えて墨の量を調節できる。
次に本発明のカラー画像処理方法の第二の実施例を説
明する。
第3図は第二の実施例の処理手順を示す処理フロー図
である。
本実施例では、AY,AM,AC,AKの初期網点面積率AY0,
AM0,AC0,AK0を、前述のGCR(Gray Component Replaceme
nt)式をもとに下記のように定める(第3図S1)。
AY0={(1−Z)−0.95AK0}/(1−0.95AK0) AM0={(1−Y)−0.95AK0}/(1−0.95AK0) AC0={(1−X)−0.95AK0}/(1−0.95AK0) AK0=Min(1−X,1−Y,1−Z) ……(14) 初期網点面積率AY0,AM0,AC0,AK0によって再現される
色の3刺激値をX0,Y0,Z0として目標色との差をとると下
記(15)式となる。
∂X=X0−X ∂Y=Y0−Y ∂Z=Z0−Z ……(15) 次にAKを定数として微分補正を行い、網点面積率AY,A
M,ACを求める(第3図S2)。
具体的には、先ずAKをAK0に固定して、(14)式で算
出された値を(5)式に代入して求めた値と、(15)式
で求めた値とを、夫々(7)式に代入すると、所望の網
点面積率偏位量∂AY,∂AM,∂ACを求めることができる。
従って微分補正を行って、目標色に収束させたY,M,C,
Kの網点面積率は、下記の式で求められる。
AY3=AY0−∂AY AM3=AM0−∂AM AC3=AC0−∂AC AK3=AK0 ……(16) 更に(16)式のAY3,AM3,AC3,AK3を初期網点面積率と
して、再度上述の微分補正を行い、より精度の高いAY3,
AM3,AC3,AK3を求めることもできる。
次に求めたAY3,AM3,AC3,AK3のうち最小のものを検出
する(第3図S3)。
そしてAY3,AM3,AC3のいずれかが最小のときは、後述
する〜のようにその網点面積率をゼロとし、他の2
つのAK3を初期網点面積率として微分補正を適当な回数
(例えば3回)繰り返す。
一方AK3が最小のときは、AK3=1とし、AY3,AM3,AC3
を初期網点面積率として微分補正を適当な回数繰り返す
(第3図S4)。
その詳細は次のようである。
.AY3が最小の場合(第3図S4−1) AY3=0とし、AM3,AC3,AK3を初期網点面積率として微
分補正を適当な回数繰り返し、AM,AC,AKの網点面積率を
求める。
尚、(5)式には示さなかったが、(3)式で与えら
れるノイゲバウア方程式をAKについて偏微分し、それぞ
れ下記のようにmX4,mY4,mZ4と置くと、 となる。
従って(5)式,(17)式をM,C,Kについて行列の形
で表わすと、 となり、これより、 となる。
この逆行列式に所定値を入れれば∂AM,∂AC,∂AKを求
めることができ、これからM,C,Kの網点面積率を求め
る。そしてこの微分補正を適当な回数繰り返す。
.AM3が最小の場合(第3図S4−2) AM3=0とし、AY3,AC3,AK3を初期網点面積率として微
分補正を適当な回数繰り返し、AY,AC,AKの網点面積率を
求める。
前記の場合と同じく、(5)式,(17)式をY,C,K
について行列の形で表わすと、 となり、これより、 となる。
この逆行列式に所定値を入れれば∂AY,∂AC,∂AKを求
めることができ、これからY,C,Kの網点面積率を求め
る。そしてこの微分補正を適当な回数繰り返す。
.AC3が最小の場合(第3図S4−3) AC3=0とし、AY3,AM3,AK3を初期網点面積率として微
分補正を適当な回数繰り返し、AY,AC,AKの網点面積率を
求める。
前記又はの場合と同じく、(5)式,(17)式を
Y,M,Kについて行列の形で表わすと、 となり、これより、 となる。
この逆行列式に所定値を入れれば∂AY,∂AM,∂AKを求
めることができ、これからY,M,Kの網点面積率を求め
る。そしてこの微分補正を適当な回数繰り返す。
.AK3が最小の場合(第3図S4−4) AK3=1とし、AY3,AM3,AC3を初期網点面積率として微
分補正を適当な回数繰り返し、AY,AM,ACの網点面積率を
求める。
(7)式の逆行列式に所定値を入れれば∂AY,∂AM,∂
ACを求めることができ、これからY,M,Cの網点面積率を
求める。
上記〜のいずれかの処理の結果、墨の網点面積率
AKが、 1.0<AK となった場合は(第3図S5)、 AK=1として、更にAY,AM,ACを微分補正して求める。
そしてこの微分補正を適当な回数繰り返す。
また上記〜のいずれかの処理の結果、負の面積率
のものが生じたら(第3図S6)、その面積率をゼロにし
て、他の3色に関して微分補正を更に必要回数繰り返す
(第3図S7)。
以上のようにして求めたY,M,C,Kの各網点面積率が、
目標色を正しく再現する網点面積率である。
上述した第二の実施例は、ある目標色を再現すると
き、最大にK(墨)インキを入れるようにY,M,C,Kの網
点面積率を決定している。
Y,M,Cの網点面積率AY,AM,ACの内の1色を0とし、残
り2色のインキとK(墨)インキで色再現を行なうとい
う最大墨加刷の概念は、既に1967年のユールの著者、
“Principles of Color Reproduction"(John Willy &
Sons,Inc.,New York・London・Sedney),pp.301−303,
に明らかにされているが、実現は容易ではなかった。
本発明は4元4次のノイゲバウア方程式を用いて、こ
の最大墨加刷を実現可能としたものであり、第1段階の
微分補正(第3図S2)でAY,AM,ACの内のどれを0にする
かを決定し、第2段階の微分補正(第3図S4−1〜3)
で他の2色とAKを求めることを骨子とし、更にY,M,C,K
の4色を用いないと再現出来ないような最も暗い部分に
近い領域も正確に色再現出来るようにし(第3図S4−
4)、また非再現領域の目標色についても、より正確な
近似値が得られるようにしたものである(第3図S7)。
以上のように、2つの実施例を説明したが、上記各実
施例のあと、決定した網点面積率によって得られる再現
色と目標色との色差(例えばCIELAB表色系におけるΔE
など)を算出し、その色差が任意に定めた値を越える場
合は再度必要回数微分補正を行って網点面積率を決定し
なおすようにすることもできる。
この処理によって決定した網点面積率は更に精度高く
目標色を再現するものとなる。
次に本発明のカラー画像処理装置の実施例について説
明する。
第4図は、原稿をスキャナで走査するなどして得た色
信号から網点面積率を決定する本発明のカラー画像処理
装置の実施例のブロック図である。
11は入力装置で、原稿をスキャナで色分解走査して原
稿の色信号を入力したり、あるいは他の機器で色信号化
して磁気テープなどに収容したデータを入力する。
12は入力データメモリで、入力装置11から入力された
色信号データを記憶する。
13は色変換部で、RGB表色系、CIELAB表色系など、XYZ
表色系とは異なる表色系で色信号が入力されたときに、
それらの表色系からXYZ表色系の色信号に変換する。
14はメモリで、印刷に使用するY,M,C,Kのインキと紙
を用いて実測した、16種類の色点の3刺激値Xw,Yw,Zw,X
y,Yy,Zy,…,を記憶しているか、又は、上記3刺激値
Xw,Yw,Zw,Xy,Yy,Zy,…,より、(4)式で表わされる各
L係数の値を計算して求め、その値を記憶している。
15は網点面積率算出部で、目標色の3刺激値X,Y,Z、
及びメモリ14に記憶している各色点の3刺激値または各
L係数の値から、上述した各実施例の方法で網点面積率
を算出する。
16は色差算出部で、網点面積率算出部15で算出した網
点面積率によって得られる再現色と目標色との色差ΔE
を算出する。
色差ΔEが所定値を越えるときは、網点面積率を再度
算出する指示を網点面積率算出部15に出す。
17は決定した網点面積率を記憶する出力データメモリ
である。
このような構成のカラー画像処理装置で各画素ごとに
目標色を再現する網点面積率を決定する。
このカラー画像処理装置で求めた網点面積率のデータ
に従って、Y,M,C,Kの各色版18を作成し、それを使って
印刷することにより所望の印刷物19を得る。
以上説明した実施例は、カラー印刷のための網点面積
率を決定するものであるが、本発明はカラー印刷の場合
だけに限るものではない。
[発明の効果] 以上説明したように本発明は、Y,M,C,Kインキを用い
たカラー印刷は16種類の色点による平均的加法混色によ
って再現されるという、実際の現象を正確に記述するノ
イゲバウア方程式に基づいて、墨を含む四色の網点面積
率を決定するようにしたので、良好な色再現ができると
いう効果を有する。
【図面の簡単な説明】 第1図、第3図は本発明の各実施例の処理手順を示す処
理フロー図、第2図は16種類の色点を示す図、第4図は
本発明のカラー画像処理装置の実施例のブロック図であ
る。 11……入力装置 12……入力データメモリ 13……色変換部 14……メモリ 15……網点面積率算出部 16……色差算出部 17……出力データメモリ

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】XYZ表色系で表わした目標色をYMCKの4色
    のインキで再現するための各色の網点面積率を、次の過
    程によって決定するカラー画像処理方法。 .Y,M,Cの3色の初期網点面積率をAY0,AM0,AC0とし、
    (K(墨)の初期網点面積率をAK0=0として、4元4
    次のノイゲバウア方程式から網点面積率AY3,AM3,AC3
    求める過程。 .求めた網点面積率AY3,AM3,AC3の最小値に墨率K1
    乗じてKの網点面積率AK4を求める過程。 .初期網点面積率を、 AY4=(AY3−P・AK4)/(1−P・AK4) AM4=(AM3−P・AK4)/(1−P・AK4) AC4=(AC3−P・AK4)/(1−P・AK4) 但し、Pは0.9<P<1.0の定数とし、AK4は定数とし
    て、4元4次のノイゲバウア方程式から新たな網点面積
    率AY4′,AM4′,AC4′を求める過程。 .新たな網点面積率AY4′,AM4′,AC4′のいずれかが
    負になったとき、AK4にその負の値を加えると共に、負
    になった色の網点面積率をゼロにする過程。 .AK4が負になったとき、AK4=0とする過程。
  2. 【請求項2】XYZ表色系で表わした目標色をYMCKの4色
    のインキで再現するための各色の網点面積率を、次の過
    程によって決定するカラー画像処理方法。 .Y,M,Cの3色の網点面積率AY,AM,ACを変数、Kの網点
    面積率AKを定数として、4元4次のノイゲバウア方程式
    から網点面積率AY3,AM3,AC3を求める過程。 .網点面積率AY3,AM3,AC3のうち最小のものをゼロと
    し、ほかの2色とKの網点面積率を変数として、4元4
    次のノイゲバウア方程式から網点面積率を求める過程。 .Kの網点面積率が1.0を越えたとき、Kの網点面積率
    を1.0とし、Y,M,Cの3色の網点面積率を変数として、4
    元4次のノイゲバウア方程式から網点面積率を求める過
    程。
  3. 【請求項3】XYZ表色系で表わした目標色をYMCKの4色
    のインキで再現するための各色の網点面積率を、次の過
    程によって決定するカラー画像処理方法。 .Kの初期網点面積率AK0は、 AK0=Min(1−X,1−Y,1−Z)の定数とし、Y,M,Cの3
    色の初期網点面積率AY0,AM0,AC0は、 AY0={(1−Z)−P・AK0}/(1−P・AK0) AM0={(1−Y)−P・AK0}/(1−P・AK0) AC0={(1−X)−P・AK0}/(1−P・AK0) 但し、Pは0.9<P<1.0の定数として、4元4次のノイ
    ゲバウア方程式から網点面積率AY3,AM3,AC3,AK3を求め
    る過程。 .網点面積率AY3,AM3,AC3,AK3(但し、AK3=AK0)の
    うち、 AK3以外のものが最小のときは、最小のものをゼロと
    し、ほかの2色とKの網点面積率を変数として、また、 AK3が最小のときは、AK3=1.0とし、Y,M,Cの3色の網点
    面積率を変数として、4元4次のノイゲバウア方程式か
    ら網点面積率を求める過程。 .Kの網点面積率が1.0を越えたとき、Kの網点面積率
    を1.0とし、Y,M,Cの3色の網点面積率を変数として、4
    元4次のノイゲバウア方程式から網点面積率を求める過
    程。 .Y,M,Cの3色の網点面積率のいずれかが負のとき、負
    になった色の網点面積率をゼロとし、ほかの2色とKの
    網点面積率を変数として、4元4次のノイゲバウア方程
    式から網点面積率を求める過程。
  4. 【請求項4】4元4次のノイゲバウア方程式から網点面
    積率を求める過程が、下記の過程から成ることを特徴と
    する、請求項1、又は、請求項2、又は、請求項3記載
    のカラー画像処理方法。 .AY,AM,AC,AKのいずれか1つを定数とし、ほかの3つ
    を変数として、4元4次のノイゲバウア方程式、 X=fX(AY,AM,AC,AK) Y=fY(AY,AM,AC,AK) Z=fZ(AY,AM,AC,AK) から導かれる下記逆行列式より、初期網点面積率と、ノ
    イゲバウア方程式から求められる網点面積率との偏移量
    を求める過程。 但し、 (i).mXi,mXj,mXk,mYi,mYj,mYk,mZi,mZj,mZkは、ノイ
    ゲバウア方程式をAY,AM,AC,AKのうちいずれかの網点面
    積率で偏微分したもの。 (ii).∂X,∂Y,∂Zは初期網点面積率で再現される色
    の三刺激値と再現目標色の三刺激値との偏移量。 (iii).∂Ai,∂Aj,∂Akは、初期網点面積率と、ノイ
    ゲバウア方程式から求められる網点面積率からの偏移
    量。 .求めた網点面積率の偏移量と初期網点面積率から、
    所望の網点面積率を求める過程。
  5. 【請求項5】XYZ表色系の3刺激値X,Y,Zから、YMCKの各
    インキの網点面積率AY,AM,AC,AKを決定するカラー画像
    処理装置において、 YMCKの4色のインキと紙との組み合わせから成る16種類
    の色点の3刺激値Xw,Yw,Zw,Xy,Yy,Zy,…,の値、又は上
    記3刺激値を用いて算出した各L係数の値を記憶するメ
    モリと、 与えられた3刺激値X,Y,Z、及び、前記メモリに記憶し
    た値から、網点面積率AY,AM,AC,AKを算出する網点面積
    率算出部とを具備し、 且つこの網点面積率算出部は、次の過程で網点面積率を
    算出することを特徴とするカラー画像処理装置。 前記メモリに記憶した値を係数として網点面積率AY,AM,
    AC,AKと3刺激値X,Y,Zとの関係を表現したノイゲバウア
    方程式 X=fX(AY,AM,AC,AK) Y=fY(AY,AM,AC,AK) Z=fZ(AY,AM,AC,AK) において、 .AY,AM,AC,AKのいずれか1つを定数とし、ほかの3つ
    を変数として、前記ノイゲバウア方程式から導かれる下
    記逆行列式より、初期網点面積率と、ノイゲバウア方程
    式から求められる網点面積率との偏移量を求める過程。 但し、 (i).mXi,mXj,mXk,mYi,mYj,mYk,mZi,mZj,mZkは、ノイ
    ゲバウア方程式をAY,AM,AC,AKのうちいずれかの網点面
    積率で偏微分したもの。 (ii).∂X,∂Y,∂Zは初期網点面積率で再現される色
    の三刺激値と再現目標色の三刺激値との偏移量。 (iii).∂Ai,∂Aj,∂Akは、初期網点面積率と、ノイ
    ゲバウア方程式から求められる網点面積率からの偏移
    量。 .求めた網点面積率の偏移量と初期網点面積率から、
    所望の網点面積率を求める過程。
  6. 【請求項6】XYZ表色系の3刺激値X,Y,Zから、YMCKの各
    インキの網点面積率AY,AM,AC,AKを決定するカラー画像
    処理装置において、 YMCKの4色のインキと紙との組み合わせから成る16種類
    の色点の3刺激値Xw,Yw,Zw,Xy,Yy,Zy,…,の値、又は上
    記3刺激値を用いて算出した各L係数の値を記憶するメ
    モリと、 与えられた3刺激値X,Y,Z、及び、前記メモリに記憶し
    た値から、網点面積率AY,AM,AC,AKを算出する網点面積
    率算出部とを具備し、 且つこの網点面積率算出部は、次の過程で網点面積率を
    算出することを特徴とするカラー画像処理装置。 .Y,M,Cの3色の初期網点面積率をAY0,AM0,AC0とし、
    (K(墨)の初期網点面積率をAK0=0として、4元4
    次のノイゲバウア方程式から網点面積率AY3,AM3,AC3
    求める過程。 .求めた網点面積率AY3,AM3,AC3の最小値に墨率K1
    乗じてKの網点面積率AK4を求める過程。 .初期網点面積率を、 AY4=(AY3−P・AK4)/(1−P・AK4) AM4=(AM3−P・AK4)/(1−P・AK4) AC4=(AC3−P・AK4)/(1−P・AK4) 但し、Pは0.9<P<1.0の定数とし、AK4は定数とし
    て、4元4次のノイゲバウア方程式から新たな網点面積
    率AY4′,AM4′,AC4′を求める過程。 .新たな網点面積率AY4′,AM4′,AC4′のいずれかが
    負になったとき、AK4にその負の値を加えると共に、負
    になった色の網点面積率をゼロにする過程。 .AK4が負になったとき、AK4=0とする過程。
  7. 【請求項7】XYZ表色系の3刺激値X,Y,Zから、YMCKの各
    インキの網点面積率AY,AM,AC,AKを決定するカラー画像
    処理装置において、 YMCKの4色のインキと紙との組み合わせから成る16種類
    の色点の3刺激値Xw,Yw,Zw,Xy,Yy,Zy,…,の値、又は上
    記3刺激値を用いて算出した各L係数の値を記憶するメ
    モリと、 与えられた3刺激値X,Y,Z、及び、前記メモリに記憶し
    た値から、網点面積率AY,AM,AC,AKを算出する網点面積
    率算出部とを具備し、 且つこの網点面積率算出部は、次の過程で網点面積率を
    算出することを特徴とするカラー画像処理装置。 .Y,M,Cの3色の網点面積率AY,AM,ACを変数、Kの網点
    面積率AKを定数として、4元4次のノイゲバウア方程式
    から網点面積率AY3,AM3,AC3を求める過程。 .網点面積率AY3,AM3,AC3のうち最小のものをゼロと
    し、ほかの2色とKの網点面積率を変数として、4元4
    次のノイゲバウア方程式から網点面積率を求める過程。 .Kの網点面積率が1.0を越えたとき、Kの網点面積率
    を1.0とし、Y,M,Cの3色の網点面積率を変数として、4
    元4次のノイゲバウア方程式から網点面積率を求める過
    程。
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