JP2638610B2 - 摺動用多孔質シートおよび摺動用接着シート - Google Patents

摺動用多孔質シートおよび摺動用接着シート

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Description

【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 本発明はポリテトラフルオロエチレン樹脂をベースポ
リマーとする摺動用多孔質シートおよび摺動用接着シー
トに関するものである。
<従来の技術> 従来から摺動用部材としてはポリテトラフルオロエチ
レン(以下、PTFEという)からなるものが知られてい
る。PTFEは低摩擦特性に優れているので潤滑剤を必要と
しない摺動用部材として好適に使用できるものである。
しかし、PTFEは耐摩耗性、耐圧縮クリープ特性が他の
樹脂と比べて極めて劣るので、PTFEを用いた摺動用部材
には通常、ガラス繊維やカーボン繊維などの繊維状物が
充填され、上記PTFEの欠点を補っている。
これら繊維状物を充填した摺動用部材では相手材とし
てアルミニウムや真鍮、銅などの軟質金属に使用した場
合、繊維状物と金属の接触により金属が損傷され、その
結果損傷金属が逆に摺動用部材を削り取り摩耗度が大き
くなる。また、摩耗度が大きくなると摺動時に発熱を伴
い、時にはPTFEの軟化点以上に発熱してクリープ変形や
相手材への焼き付き現象を生じる場合がある。このよう
な現象は特に、高加重、高速下での乾式すべり摩擦摺動
で顕著に現れるものである。
近年、PTFEの耐摩耗性を向上させ、軟質金属などの相
手金属を損傷させないような充填剤としてグラファイ
ト、二硫化モリブデン、カーボンファイバー、銅粉など
の固体の無機系充填剤や、ポリエーテルスルホン、オキ
シベンゾイルポリエステル、ポリアミドイミド、ポリエ
ーテルケトンなどの耐熱性の有機系樹脂粉末が用いられ
ている。
しかし、無機系充填剤は相手材を著しく損傷させ、し
かも摩耗量が有機系充填剤と比べて多く、また上記有機
系充填剤は通常、良好な耐摩耗性を示すが、耐熱性に劣
るために摺動時に焼き付きや異常摩耗が起こり、耐熱性
を必要とする用途において問題点を有するものであっ
た。
一方、PTFEからなるシートに接着剤層を設けて摺動用
接着シートとした場合、PTFEシートの表面が極めて不活
性であるために該シートと接着剤層との界面での接着力
が充分に確保できず、摺動時に投錨破壊を生じることが
ある。
このような難点を改善するために、例えばPTFEシート
の表面をナトリウム・アンモニア錯塩あるいはナトリウ
ム・ナフタリン錯化合物によってエッチング処理した
り、該シート表面にPTFE粉末と金属酸化物粉末のような
充填剤粉末とを含む分散液を塗布、加熱して混合物層を
形成するという手法が提案されている。しかし、前者で
はシートの着色やエッチング効果の持続性に問題があ
り、また後者では充填剤粉末の表面がPTFEによって被覆
されやすく、充填剤の配合による投錨力の向上を望めな
い場合がある。
<発明が解決しようとする課題> 本発明はこのような実情に鑑みてなされたものであ
り、摺動用のシートとして使用した場合に相手材に与え
る損傷が少なく、また耐熱性や耐摩耗性にも優れ、且つ
接着剤層をその表面に設けても優れた投錨性を有する摺
動用シートを提供することを目的とするものである。
<課題を解決するための手段> 本発明者らは上記目的を達成するために鋭意検討を行
った結果、ポリイミド粉末を特定量含有するPTFEからな
るシートを特定の気孔率となるように多孔化せしめるこ
とによって、上記課題を解決した優れた摺動用シートが
得られることを見い出し本発明を完成するに至った。
即ち、本発明はポリテトラフルオロエチレン樹脂中
に、ポリイミド粉末1〜50重量%を分散含有してなり、
且つ気孔率が5〜50%の多孔質状態であることを特徴と
する摺動用多孔質シート、および該シートの片面に接着
剤層を設けてなる摺動用接着シートに関するものであ
る。
本発明において用いるポリイミド粉末は、PTFE中で充
填剤として作用するものであって、代表的には芳香族テ
トラカルボン酸二無水物と芳香族ジアミンを反応させて
得られるポリアミド酸をイミド転化して得られるもので
ある。このような芳香族テトラカルボン酸二無水物とし
ては、例えばピロメリット酸、3,3′,4,4′−ビフェニ
ルテトラカルボン酸、2,3,3′4′−ビフェニルテトラ
カルボン酸、1,2,4,5−ナフタレンテトラカルボン酸、
1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸、2,3,6,7−ナフ
タレンテトラカルボン酸、3,3′4,4′−ベンゾフェノン
テトラカルボン酸、2,2−ビス〔4−(2,3−ジカルボキ
シフェノキシ)フェニル〕プロパン、4,4′−ビス(2,3
−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルエーテルなどの
テトラカルボン酸の二無水物や、これらの酸化物、低級
アルキルエステル化物、多価アルコールエステル化物な
どが挙げられ、これらは単独でも二種以上を併用しても
よい。また、本発明において上記芳香族テトラカルボン
酸二無水物は、その一部を1,2,3,4−ブタンテトラカル
ボン酸二無水物の如き脂肪族テトラカルボン酸二無水物
の任意の量にて置換して使用することもできる。
また、上記芳香族テトラカルボン酸二無水物と反応さ
せる芳香族ジアミンとしては、例えば4,4′−ジアミノ
ジフェニルエーテル、3,3′−ジメチル−4,4′−ジアミ
ノジフェニルエーテル、3,3′−ジメトキシ−4,4′−ジ
アミノジフェニルエーテル、3,3′−ジアミノジフェニ
ルエーテル、3,4′−ジアミノジフェニルエーテルなど
のジフェニルエーテル系ジアミンまたはこれらのチオエ
ーテルなどのジフェニルチオエーテル系ジアミン、4,
4′−ジアミノベンゾフェノン、3,3′−ジメチル−4,
4′−ジアミノベンゾフェノン、3,3′−ジアミノベンゾ
フェノンなどのベンゾフェノン系ジアミン、3,3′−ジ
アミノジフェニルメタン、4,4′−ジアミノジフェニル
メタン、3,3′−ジメチル−4,4′−ジアミノジフェニル
メタンなどのジフェニルメタン系ジアミン、2,2′−ビ
ス(4−アミノフェニル)プロパン、2,2′−ビス(3
−アミノフェニル)プロパンなどのビスフェニルプロパ
ン系ジアミン、4,4′−ジアミノジフェニルスルホキシ
ド、3,3′−ジアミノジフェニルスルホキシドなどのジ
フェニルスルホキシド系ジアミン、4,4′−ジアミノジ
フェニルスルホン、3,3′−ジアミノジフェニルスルホ
ンなどのジフェニルスルホン系ジアミン、ベンジジン、
3,3′−ジメチルベンジジン、3,3′−ジメトキシベンジ
ジン、3,3′−ジアミノビフェニルなどのビフェニル系
ジアミン、2,6,−ジアミノピリジン、2,5,−ジアミノピ
リジン、3,4,−ジアミノピリジンなどのピリジン系ジア
ミン、o−,m−またはp−ジアミノベンゼン、3,5−ジ
アミノ安息香酸など、4,4′−ジ(m−アミノフェノキ
シ)ジフェニルスルホン、4,4′−ジ(p−アミノフェ
ノキシ)ジフェニルスルホン、4,4′−ジ(m−アミノ
フェノキシ)ジフェニルエーテル、4,4′−ジ(p−ア
ミノフェノキシ)ジフェニルエーテル、4,4′−ジ(m
−アミノフェノキシ)ジフェニルプロパン、4,4′−ジ
(p−アミノフェノキシ)ジフェニルプロパン、4,4′
−ジ(m−アミノフェニルスルホニル)ジフェニルエー
テル、4,4′−ジ(p−アミノフェニルスルホニル)ジ
フェニルエーテル、4,4′−ジ(m−アミノフェニルチ
オエーテル)ジフェニルスルフィド、4,4′−ジ(p−
アミノフェニルチオエーテル)ジフェニルスルフィド、
4,4′−ジ(m−アミノフェノキシ)ジフェニルケト
ン、4,4′−ジ(p−アミノフェノキシ)ジフェニルケ
トン、4,4′−ジ(m−アミノフェノキシ)ジフェニル
メタン、4,4′−ジ(p−アミノフェノキシ)ジフェニ
ルメタン、2,5−ジアミノトルエン、2,4−ジアミノキシ
レン、ジアミノジユレン、1,5−ジアミノナフタレン、
2,6−ジアミノナフタレンなどが挙げられる。これらの
ジアミンは単独で用いても二種以上併用してもよい。ま
た、脂肪族ジアミンを上記芳香族ジアミンの一部に置換
して使用することもできる。
前記芳香族テトラカルボン酸二無水物と芳香族ジアミ
ンとの反応溶媒となる有機極性溶媒としては、N−メチ
ル−2−ピロリドン、ジメチルアセトアミド、ジメチル
ホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチレン
ホスホルトリアミド、ピリジンなどの溶媒ならびにクレ
ゾール、フェノール、キシレノールなどのフェノール類
が挙げられる。また、上記溶媒と共にヘキサン、ベンゼ
ン、トルエン、キシレン、アルコール類などの有機溶媒
を併用してもよい。
本発明における充填剤としてのポリイミド粉末は、例
えば下記のような方法によって得ることができる。
芳香族ジアミンと有機極性溶媒との溶液(ジアミン濃
度1〜30モル%、好ましくは5〜10モル%)中に芳香族
テトラカルボン酸二無水物を少しずつ添加して徐々に反
応を進行させ、ポリアミド酸を合成する。次に、撹拌し
ながら比較的短時間、例えば昇温速度10℃/分程度で14
0〜250℃の温度に昇温し、イミド転化に伴う縮合水を反
応系外に除去しながら徐々にイミド化反応を行なってポ
リイミド粒子を析出させスラリー状のポリイミド溶液と
する。得られたスラリー状溶液を冷却後、濾別、洗浄、
乾燥することによって本発明の粉末特性を有するポリイ
ミド粉末が得られる。
上記反応におけるイミド化前に得られるポリアミド酸
の対数粘度は0.1〜1.2(30℃、0.5g/100mlジメチルアセ
トアミド(以下DMAcという)中)、好ましくは0.3〜0.8
の範囲に調整することによって、対数粘度が0.1〜0.5
(30℃、0.5g/100ml濃硫酸中)の低分子量のポリイミド
が得られる。また、同様の理由から回転粘度計(B型)
による溶液粘度を1〜50ポイズ(ポリマー濃度7.5重量
%、30℃)、好ましくは5〜20ポイズの範囲に調整す
る。
上記溶液粘度、特に対数粘度を調節するためにはポリ
アミド酸溶液に水やメタノールの如き溶剤を添加してポ
リアミド酸を加水分解する方法や、ポリアミド酸溶液を
100℃以下の温度で加熱する方法などを用いることがで
きるが、目的とするポリイミド粉末の粒径や粒度を再現
性よく揃えるためには、モノマー配合量を厳格に調節し
て反応させることが好ましい。
また、反応系の熱分布が均一になるようにしてイミド
化反応をスムーズに行なって本発明のポリイミド粉末を
得るために、反応時の撹拌速度を50〜400rpm、好ましく
は100〜300rpmの範囲とし、反応時のモノマー濃度を5
〜50重量%、好ましくは10〜30重量%の範囲とする。
また、本発明においてイミド化反応を促進させて反応
時間を短縮化し効率よくポリイミド粒子を得るために、
ピリジン、2−クロロピリジン、24,6−コリジン、2,6
−ジクロロピリジン、α,β,γ−ピコリン、4−フェ
ニルプロピルピリジン、2−プロピルピリジン、2,4−
ルチジン、2,5−ルチジン、2,7−ルチジン、3,4−ルチ
ジンなどのピリジン類、トリエチルアミン、トリメチル
アミン、N,N−ジメチルドデシルアミン、トリエチレン
ジアミン、トリ−n−ブチルアミンなどの脂肪族第三級
アミン類、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、1
−シアノエチル−2−メチルイミダゾール、1−シアノ
エチル−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル
−2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−シアノエ
チル−2−ウンデシルイミダゾール、などの活性水素を
有しないイミダゾール類、N,N−ジメチル−p−トルイ
ジン、N,N−ジメチルベンジルアミンなどの芳香族系第
三級アミン類、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセ
ン−7およびその酸錯体の如き第三級アミンをポリアミ
ド酸の各々のアミド基に対して第三級アミンを0.5〜1.5
モル%の範囲で添加することができる。さらに、反応時
にアニリンや無フタル水酸の如き分子鎖末端基形成化合
物を0.2〜30モル%の範囲で添加することによって分子
量を調節できるので、望ましい特性を有するポリイミド
粉末を得ることができる。
以上のようにして得られるポリイミド粉末は通常球形
成状を呈し、平均粒径を3〜15μm、好ましくは5〜10
μm、粒度分布を0.1〜50μm、好ましくは1〜30μm
の範囲に調整することがよい。平均粒径が上記範囲外で
は、充填剤としてPTFEに配合した場合に均一に分散しが
たく、また粉末が凝集しやすくなるので摺動用シートと
した場合に充分な機械的強度や伸びが得られにくくな
り、耐摩耗性の向上が望めなくなる場合がある。また、
粒度分布が0.1μm未満であると嵩密度が小さくなり、
ポリイミド粉末を配合する際に、均一な分散が充分にで
きず凝集体の状態で含有され、シートの強度および伸び
が低下して摩耗量が増大する。一方、50μmを超えると
ポリイミド粉末の平均粒径が大きく空隙の多い凝集体と
なりやすく、均一な分散ができず凝集体を含んだシート
となり、比重も低くなりその結果、強度や伸びが低下し
て摩耗量が増大する傾向を示す。
さらに、摺動時の発熱に対する耐熱性の点からは、上
記ポリイミド粉末は350℃以上の熱変形温度を有するも
のが好ましく、構造的には脂肪族テトラカルボン酸二無
水物や脂肪族ジアミンを用いない全芳香族系ポリイミド
がよい。
本発明において上記ポリイミド粉末を充填するPTFE
は、−(CF2−CF2)−で表される繰り返し単位を主要構
造とし、一般にポリフロンM−12,M−31(ダイキン工業
社製)、テフロンT−7−J,T−820−J(三井フロロケ
ミカル社製)などで市販されているものが好適に用いら
れる。
また、本発明において上記PTFEはポリイミド粉末と混
合してシート状とされるので粉末状として用いることが
好ましく、均一分散性の点から10メッシュのふるい機を
通過する粉末が好ましい。
本発明の摺動用多孔性シートは機械的特性や耐摩耗性
を向上させるために、上記ポリイミド粉末を1〜50重量
%、好ましくは10〜30重量%の範囲でPTFEと乾式混合、
もしくは湿式混合にて均一に混合分散させる。ポリイミ
ド粉末の含有量が1重量%に満たない場合は得られる摺
動用シートの耐摩耗性が充分でなく、また接着剤層をシ
ート表面に設けた場合の投錨力の向上もあまり望めな
い。一方、含有量が50重量%を超えるとシートの摺動特
性においてポリイミドの特性が支配的となり、シート化
が困難となるだけでなく、PTFEの有する摺動特性が充分
に得られにくくなる。
本発明の摺動用多孔質シートを得るには公知の方法が
採用でき、例えばPTFEの粉末とポリイミド粉末を任意の
配合量にて混合し、圧縮成形して丸棒等の形状に予備成
形し、これを焼成および切削して多孔質の摺動用シート
とする方法が挙げられる。なお、本発明において耐摩耗
性や相手材への損傷に影響を与えない範囲であれば、必
要に応じてグラファイト、二硫化モリブデン、炭素繊
維、ポリアミド繊維どの充填材を併用してもよい。
本発明にて得られる摺動用多孔質シートは気孔率が5
〜50%、好ましくは10〜30%であり、気孔率が5%に満
たない場合は接着剤層を設けた際に投錨力が充分に得ら
れない場合があり、また50%を超えると均一な気孔率を
有するシートが得られにくく、またシート自体の機械的
強度が低くなり、摺動時にシートの破損を生じる恐れが
ある。
以上のようにして得られる摺動用多孔質シートはその
片面に接着剤層を設けることによって接着シートとする
ことができる。このような接着剤の種類には特に制限は
ないが、摺動時における発熱を考慮すると熱硬化性の接
着剤を用いることが好ましく、例えば、エポキシ樹脂や
フェノール樹脂等の公知の熱硬化性接着剤を5〜100μ
m程度の厚みで設けることがよい。また、熱硬化性接着
剤の低コスト化や低収縮率化のためにクレー、タルク、
炭酸カルシウム、シリカ、炭酸バリウム等の充填剤を添
加したり、紙、布、ガラスペーパー、ガラス繊維等の積
層用基材フィルムやシートを補強用として該接着剤層中
に埋入させることもできる。さらに、必要に応じて熱安
定剤、老化防止剤、硬化促進剤等の添加剤を加えること
もできる。
このようにして得られる本発明の摺動用多孔質シート
は耐摩耗性や耐熱性に優れ、且つ摺動時に相手材を傷つ
けることが少なく、極めて優れた摺動効果を示す。ま
た、片面に接着剤層を形成した接着シートは投錨性に優
れ、摺動使用中に投錨破壊を起こすこともない。従っ
て、本発明の摺動用多孔質シートは複写機、ファクシミ
リ、プリンター等に使用される感熱摺動用部材、コンプ
レッサー等に使用されるピストンリングおよび軸受けな
どの耐熱性、耐薬品性、耐摩耗性が必要とされる摺動部
に使用することができる。
<発明の効果> 以上のように本発明の摺動用多孔質シートは、ポリイ
ミド粉末をPTFE樹脂の充填剤として用いて多孔質シート
化し、且つ気孔率が特定範囲のものであるので、摺動使
用した場合、軟質金属等の相手材に摺動用部材の一部が
摺動初期に転移して保護被膜を形成し、潤滑剤を用いず
とも優れた摺動性を示す。また、従来の摺動用部材と比
べても相手材を損傷させず、且つ適度な硬度を有するも
のであり、耐摩耗性が顕著に向上するものである。さら
に、耐熱性にも優れており、特に熱硬化性接着剤層を片
面に設けて接着シートとした場合には、ポリイミド粉末
を充填剤に用い、気孔率を特定範囲としているので接着
剤層との投錨性や耐熱性が極めて良好なものであり、摺
動使用時に起こる発熱によっても投錨破壊を起こすこと
がないものである。
<実施例> 以下に本発明の実施例を示し、さらに具体的に説明す
る。
実施例1 PTFE(ポリフロンM−12,ダイキン工業社製)をミキ
サーにて粉砕し、さらに10メッシュの篩を通過したもの
に、ピロメリット酸二無水物および4,4′−ジアミノジ
フェニルエーテルから得られた平均粒径10μm、粒度分
布3〜20μm、対数粘度0.3(30℃、0.5g/100ml濃硫酸
中)のポリイミド粉末を充填剤として20重量%配合し
た。
混合はヘンシェルミキサーにて行ない、100〜1000kg/
cm2の圧力にて予備成形した後、370℃の温度にて焼成
し、その後に切削してシート化した。
このシートの気孔率は15%であり、厚みは500μmで
あった。
次に、得られた多孔質シートの片面に、ビスフェノー
ル型エポキシ樹脂100重量部、カルボキシ変性アクリロ
ニトリル−ブタジエンゴム300重量部、メチルエチルケ
トン400重量部からなる熱硬化性接着剤をアプリケータ
を用いて塗布、乾燥して10μm厚の接着剤層を形成して
接着シートとした。
実施例2 実施例1で用いたポリイミド粉末を40重量%含有させ
た以外は、実施例1と同様にして本発明の摺動用多孔質
シート(気孔率30%、厚み500μm)を作成した。
このシートに実施例1にて用いた熱硬化性接着剤層を
実施例1と同様にして形成して接着シートを作成した。
実施例3 3,3′4,4′−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物お
よびp−フェニレンジアミンからなるポリイミド粉末を
20重量%含有させた以外は、実施例1と同様にして本発
明の摺動用多孔質シート(気孔率15%、厚み500μm)
を作成した。
このシートに実施例1にて用いた熱硬化性接着剤層を
実施例1と同様にして形成して接着シートを作成した。
比較例1 充填剤としてのポリイミド粉末を配合しない以外は、
実施例1と同様にして摺動用多孔質シート(気孔率15
%、厚み500μm)を作成し、熱硬化性接着剤層を形成
した。
比較例2 実施例1で用いたポリイミド粉末を20重量%含有させ
た以外は、実施例1と同様にして摺動用多孔質シート
(気孔率5%、厚み500μm)を作成し、熱硬化性接着
剤層を形成した。
上記各実施例および比較例にて得られた摺動用多孔質
シート(接着シート)の投錨力および耐摩耗性を下記の
方法に従って測定し、その結果を第1表に示した。
なお、測定はサンプルを鉄(S−45C)に170℃の温度
下で50kg/cm2の条件で1.5時間プレスして得られた試料
を用いた。
投錨力測定はオートグラフAGB型(島津製作所製)に
より測定した。
また、耐摩耗性はアルミニウム製スリーブ状リング
(外径25.6mm、内径20mm、高さ10mm)を回転摺動させて
行った。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭60−179447(JP,A) 特開 昭61−228122(JP,A) 特開 昭50−42242(JP,A) 特開 昭60−37415(JP,A) 特公 昭47−31097(JP,B1)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリテトラフルオロエチレン樹脂中に、ポ
    リイミド粉末1〜50重量%を分散含有してなり、且つ気
    孔率が5〜50%の多孔質状態であることを特徴とする摺
    動用多孔質シート。
  2. 【請求項2】請求項(1)記載の摺動用多孔質シートの
    片面に、接着剤層を設けてなる摺動用接着シート。
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JPS60179447A (ja) * 1984-02-24 1985-09-13 Nitto Electric Ind Co Ltd フツ素樹脂摺動部材
JPS61228122A (ja) * 1985-03-29 1986-10-11 Nok Corp 摺動材料

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