JP2638156B2 - 薬剤組成物 - Google Patents

薬剤組成物

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、低分子量キトサンと難溶性薬剤とを含有す
る薬剤組成物に関する。
〔従来の技術〕
一般に、難溶性医薬品と称される医薬品は水に対する
溶解性が極めて悪く、従って生体に経口投与した場合の
吸収速度が遅く、絶対的な吸収量も少ない場合が多い。
従って難溶性医薬品を水に溶け易くするために塩酸塩や
ナトリウム塩といった塩の形にしたり、水溶性のプロド
ラッグにする試みがなされている。また製剤的見地か
ら、界面活性剤のような可溶化剤を添加したり、サイク
ロデキストリン等で包接化する試みがなされている。ま
た結晶レベルでは、原末を微粉化したり、非晶質化した
りする試みがなされている。
しかし、これらの従来技術は医薬品それぞれで有効な
方法が異なるため、すべての医薬品に有効な方法とは言
い難く、特に難溶性医薬品の絶対的な吸収量を改善でき
ても、必ずしも吸収速度の改善はできないのが現状であ
る。ところが、難溶性医薬品の中にはその薬理効果の面
から速効性を期待される医薬品も多く含まれており、吸
収量の面からのみではなく、吸収速度の面からも良好な
経口投与製剤が望まれている。
このような状況の中で、難溶性薬剤の吸収性の改善に
種々の高分子を利用することが検討されている。
高分子量のゼラチンを利用する方法として、特開昭57
−26615号には、難溶性薬剤と高分子量のゼラチン等を
共粉砕する方法が記載されている。しかし、この方法は
難溶性薬剤の吸収改善のために添加するゼラチン量が多
く、また製造法も共粉砕法に限られているという欠点が
ある。
一方、カニやエビの甲殻から得られるキチンやキトサ
ンを製剤に利用する試みもなされている。ところが、キ
チンやキトサンの利用は、薬剤の徐放化の目的で検討さ
れているのが大部分であり、難溶性薬剤の可溶化に関す
るものはまだ少ない。
特公昭63−28414号には、キチンおよび/またはキト
サンと、抗生物質および抗てんかん剤から選ばれるいず
れか1種の難溶性薬剤とを、薬剤の大部分が非晶質化す
る程度に混合共粉砕し、薬剤の吸収速度および吸収量を
改善する方法が記載されている。しかし、この方法は、
低分子量のキトサンを開示しておらず、また混合共粉砕
には多大な時間と動力を要するとともに、製剤工程が複
雑化するという問題点がある。
また、キタサマイシンと各種高分子化合物とをロール
混合することにより、キタサマイシンの溶解速度を向上
させる方法が報告されており〔表面、26(5)336(198
8)〕、この中でキトサンは酢酸塩溶液として用いる
が、ポリビニルピロリドンの効果に比較すると劣ったも
のとなっている。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明の目的は、上記のような問題点を解決するた
め、種々の難溶性薬剤の水に対する溶解度と溶出速度が
改善された薬剤組成物を提供することである。さらに、
湿式法、乾式法、共粉砕法、噴霧造粒法等の種々の製剤
法により種々の形態に製剤化できる難溶性薬剤を含有す
る薬剤組成物を提供することである。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者らは、難溶性医薬品の水に対する溶解性改善
のために、種々の高分子の添加効果を検討してきた。そ
の結果、低分子量キトサンと難溶性薬剤とを混合するこ
とにより、難溶性薬剤の溶解度と溶出速度が改善される
ことを発見し本発明を完成した。
すなわち、本発明は、低分子量キトサンと難溶性薬剤
とを含有する薬剤組成物である。
本発明の薬剤組成物は、種々の難溶性医薬その他の薬
剤の溶解度と溶出速度を改善するために利用でき、これ
らの難溶性薬剤の生体内への吸収速度および吸収量が改
善された医薬品その他の薬剤組成物として利用できる。
本発明で使用する低分子量キトサンは、天然のキチン
から得られるキトサンの低分子化物であり、重量平均分
子量が500〜50×103、好ましくは800〜10×103で、酸性
はもちろん、中性ないしアルカリ性の水に溶解するキト
サンである。重量平均分子量が500未満の場合および50
×103を超える場合は、難溶性薬剤の溶解度と溶出速度
の改善効果が小さくなる。重量平均分子量は、ゲルパー
ミエーションクロマトグラフィーにより分子量既知のポ
リエチレングリコールを標準として決定できる。
低分子量キトサンの原料となるキトサンは、カニやエ
ビの甲殻などからキチンを取り出し、アルカリで脱アセ
チル化することにより得られる高分子物質である。この
場合のキトサンの脱アセチル化の程度は特に限定される
ものではなく、酸性水溶液に可溶な範囲であればよく、
一般的には50〜100%である。このようなキトサンから
低分子量キトサンを得るには、キトサンに酵素を作用さ
せる酵素的方法、あるいはキトサンに過酸化水素、亜硝
酸イオン、アルカリ、酸などを加えてグルコシド結合を
切断する化学的方法により、低分子量キトサンを得るこ
とができる。
化学的方法により低分子量キトサンを得るには、キト
サンをアルカリ液中に懸濁させ、適量の過酸化水素を添
加して一定温度下に一定時間反応させ低分子化し、その
後脱塩、分子量分画等の精製を行い、水分除去後乾燥し
て粉末化すればよい。このような方法でキトサンを切断
し低分子化する条件は、pH6〜12、過酸化水素濃度0.005
〜10重量%、液温20〜90℃、反応時間30〜500分程度が
好ましい。
また酵素的方法によれば、キトサンとキチナーゼまた
はキトサナーゼとを接触させて低分子化する。その後上
述の方法で粉末化すればよい。
本発明において使用できる難溶性薬剤は難溶性医薬品
が例示され、その生体内への吸収速度あるいは吸収量
(バイオアベイラビリティ)が充分とは言えない医薬品
であれば特に限定されない。このような医薬品として
は、例えば以下のものがあげられる。
1)催眠・鎮静剤: 例えば、ニトラゼパム、トリアゾラム、フェノバルビ
タール、アモバルビタール等 2)抗てんかん剤: 例えば、フェニトイン、メタルビタール、プリミド
ン、クロナゼパム、カルバマゼピン、バルプロ酸等 3)解熱鎮痛剤消炎剤: フルルビプロフェン、メフェナム酸、ケトプロフェ
ン、イブプロフェン、インドメタシン、ジクロフェナク
酸、フェナセチン、オキシフェンブタゾン、フェニルブ
タゾン、スルピリン、ペンタゾシン、ピロキシカム等 4)鎮うん剤: 塩酸メクリジン、ジメンヒドリナート等 5)精神神経用剤: ハロペリドール、メプロバメート、クロルジアゼポキ
シド、ジアゼパム、オキサゼパム、スルピリド等 6)鎮けい剤: パパベリン、アトロピン、エトミドリン等 7)強心剤: ジゴキシン、ジギトキシン、メチルジゴキシン、ユビ
デカレノン等 8)不整脈用剤: ピンドロール、アジマリン、ジソピラミド等 9)利尿剤: ヒドロクロロチアジド、スピロノラクトン、トリアム
テレン、フロセミド、ブメタニド等 10)抗高血圧剤: レセルピン、メシル酸ジヒドロエルゴトキシン、塩酸
プラゾシン、メトプロロール、プロプラノロール、アテ
ノロール等 11)冠血管拡張剤: ニトログリセリン、硝酸イソソルビド、ジルチアゼ
ム、ニフェジピン、ジピリダモール等 12)鎮咳剤: ノスカピン、サルブタモール、プロカテロール、ツロ
プテロール、トラニラスト、ケトチヘフェン等 13)脳循環改善剤: ニカルジピン、ビンポセチン等 14)抗生物質: エリスロマイシン、ジョサマイシン、クロラムフェニ
コール、テトラサイクリン、リファンピシン、グリセオ
フルビン等 15)抗ヒスタミン剤: ジフェンヒドラミン、プロメタジン、メキタジン等 16)ステロイド剤: トリアムシノロン、デキサメサゾン、ベタメサゾン、
プレドニゾロン、ダナゾール、メチルテストステロン、
酢酸クロルマジノン等 17)ビタミン剤: ビタミンE、ビタミンK、アルファカルシドール、フ
ィトナジオン、ニコチン酸dl−α−トコフェロール、メ
ナテトレノン等 18)その他: ジクマロール、シンナリジン、クロフィブラート、ゲ
ファルナート、シメチジン、プロベネシド、メルカプト
プリン、メトトレキサート、ウルソデスオキシコール
酸、メシル酸ジヒドロエルゴタミン等 上記の難溶性医薬品は原末の溶解性の面から、湿式ま
たは乾式の粉砕機で粉砕して得られる平均粒径100μm
以下、好ましくは50μm以下であることが望ましい。
本発明の薬剤組成物は低分子量キトサンと難溶性薬剤
とを混合することにより得られる。混合に際しては、低
分子量キトサンを難溶性薬剤に対して均一に分散させる
のが望ましい。混合方法は特に限定されず、例えば粉末
状の両成分を単純に混合する方法(以下、このような方
法で得られた組成物を物理的混合物という。)、粉末状
の両成分に適当量の水等の溶媒を添加して混練する方法
(以下、このような方法で得られた組成物を固体分散体
という。)、低分子量キトサン水溶液中に難溶性薬剤を
添加する方法などをあげることができる。混合に際し、
低分子量キトサンは、混合する難溶性薬剤の種類により
適宜量使用すればよい。一般的には、難溶性薬剤1重量
部に対して低分子量キトサンを0.2〜10重量部配合すれ
ば、難溶性薬剤の溶解度と溶出速度を改善することがで
きる。
本発明の薬剤組成物は、種々の方法により製剤化して
ヒトに投薬することができる。すなわち、本発明の薬剤
組成物は、そのまま顆粒剤として用いることができる
し、錠剤、カプセル剤、軟膏、貼布剤、座剤、シロップ
剤、トローチ剤などとして用いることもできる。これら
の製剤中には必要に応じて製剤上知られる賦形剤、崩壊
剤、滑沢剤等の種々の添加剤を配合することができる。
本発明の薬剤組成物は、次のような方法で製剤化する
ことができる。錠剤は、低分子量キトサンと難溶性薬剤
とを水、酸溶液あるいは適当な溶媒を用いて練合し、乾
燥、整粒、打錠を行う練合法、低分子量キトサンと難溶
性薬剤とを練合し、乾燥、整粒後、種々の添加剤を混合
し、打錠を行う半直打法などの湿式法、低分子量キトサ
ンの量を調整することにより乾式法あるいは共粉砕法等
により製造することができる。これらの中では湿式法に
より固体分散体とするのが好ましい。顆粒剤およびカプ
セル剤においても錠剤の場合と同様に湿式法により製剤
化するのが好ましいが、場合によっては乾式法や共粉砕
法あるいは噴霧造粒法等も採用するこができる。また、
錠剤および顆粒剤などの剤形においては、マスキング等
の目的でコーティングを施すこともできる。
以上のようにして製造した製剤は、従来のものに比べ
て難溶性薬剤の溶解度と溶出速度が改善されているた
め、バイオアベイラビリティの良好な医薬品となる。
〔発明の効果〕
本発明によれば、難溶性薬剤を低分子量キトサンと配
合するようにしたので、難溶性薬剤の水に対する溶解度
と溶出速度が改善された薬剤組成物を得ることができ
る。また、この薬剤組成物は湿式法、乾式法、共粉砕
法、噴霧造粒法等の種々の製剤法により種々の形態に製
剤化できる。さらに本発明の薬剤組成物からなる医薬品
は、難溶性薬剤の生体内への吸収速度および吸収量が改
善された医薬品となる。
〔実施例〕
次に、本発明の実施例について説明する。各例中、%
は重量%を示す。
参考例1 紅ずわいがにから常法によりキトサンを得た(以下、
C−0と略記する)。このキトサンを水に懸濁させ、pH
11.0、温度を70℃に保ち、撹拌しながら過酸化水素水を
過酸化水素として2.1〜40.0g/添加して、110〜300分
間反応させて低分子化した。低分子化した後脱塩精製
し、次いで凍結乾燥し、第1表に示す低分子量キトサン
C−1、C−2、C−3およびC−4を得た。また、同
様にキトサン(C−0)をpH8.0、温度を70℃に保ち、
撹拌しながら過酸化水素水を過酸化水素として40g/添
加して低分子化した。低分子化後濾過により固形分を除
き、次いでUF膜を用いて分子量分画を行い、凍結乾燥し
て低分子量キトサンC−5を得た。
このようにして得たキトサンの物性を第1表に示す。
第1表中の蒸発残分は、105℃で乾燥させた時の残渣で
あり、灰分は600℃で燃焼した時の残渣である。キトサ
ンの分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ
ーで測定した。すなわちキトサンを同量の酢酸と適当量
の水を用いて溶解し、この溶液2.0mlを0.2M酢酸−0.1M
酢酸ナトリウム緩衝液で50mlとし、これを東ソー(株)
製のTSK Gel.3000 PWXL(商標)からなる充填カラムに
注入し、0.2M酢酸−0.1M酢酸ナトリウム緩衝液で溶出し
た。なお、分子量既知のポリエチレングリコールを用い
て較正曲線を求め、キトサンの重量平均分子量を求め
た。
実施例1 参考例1で得たC−0ないしC−5のキトサンとフル
ルビプロフェン(以下、FPと略記する場合がある)とを
重量比1:1の割合で秤量し、キトサンの2倍量の水を添
加して1時間混練した。室温減圧下48時間乾燥し、100
メッシュ以下の粒子を固体分散体とした。この固体分散
体について、37℃の水中におけるFPの溶出速度を下記の
方法で測定した。
37℃に保った溶出試験器(富山産業(株)製溶出試験
器)に水500mlを入れ、上記の固体分散体をFPとして40m
g相当量加え、91rpmで撹拌した。一定時間毎に綿栓付き
ピペットで試料溶液を3ml採取し、0.45μmメンブラン
フィルターでろ過し、ろ液のFP濃度をクロロホルムで抽
出して定量した。結果を第1図に示す。
実施例2 ビタミンEまたはビタミンKと低分子量キトサンC−
5との組成物を下記の方法で調製し、ビタミンEまたは
ビタミンKの溶解度を下記の方法で測定した。
一定過剰量のビタミンEまたはビタミンKを5mg精秤
して試験管に取り、種々の濃度の参考例1で得たC−5
のキトサン水溶液を加えて密栓し、25℃で10日間振盪し
た。溶解平衡に達した各飽和溶液を綿栓付きピペットで
採取し、0.45μmメンブランフィルターでろ過し、クロ
ロホルムで抽出してUV法によりビタミンEまたはビタミ
ンKの濃度を定量した。
ビタミンEの結果を第2図、ビタミンKの結果を第3
図に示す。
実施例3 第2表に示す難溶性薬剤と低分子量キトサンC−5と
の組成物について、実施例2と同様にして各薬剤の溶解
度を測定した。結果をまとめて第4図(A)〜(L)に
示す。
第4図から分るように、各薬剤の溶解度は低分子量キ
トサンの濃度上昇とともに上昇した。特に酸性薬剤の場
合に著しい上昇が観察された。これは塩基性多糖である
低分子量キトサンと酸性薬剤との対イオン形成等の相互
作用が関与しているものと考えられるが、薬剤の解離を
あまり考慮しなくても良いステロイド剤であるジゴキシ
ンおよびフェニトインの場合にも溶解度が上昇した。ま
た、ベタメサゾンおよびトリアムシノロンの場合には薬
剤の溶解度の上昇部分、プラトー部分および下降曲線部
分を伴うBs型相図を与えた。これらの結果は、低分子量
キトサンが各薬剤と単に対イオンを形成するだけでな
く、何らかの相互作用をすることにより薬剤の溶解度を
上昇させているものと推定される。
実施例4 トリアムシノロン、ベタメサゾン、プレドニゾロン、
フルルビプロフェン、インドメタシン、ジゴキシンおよ
びフェニトインの各薬剤の固体分散体と薬剤単独物につ
いて溶出速度を測定した。
測定方法は、参考例1で得た低分子量キトサンC−5
を用いて、実施例1と同様(但し、薬剤は10〜30mg相当
量加え、溶出液60mlを57rpmで撹拌した)にして一定時
間毎に薬剤の溶出濃度を測定し、薬剤の溶出割合(全添
加量に対する溶出量)を算出した。結果をまとめて第5
図(A)〜(G)に示す。なお、フルルビプロフェンの
結果については、再掲載する。
さらに、溶出速度から算出した平均溶出時間を第3表
に示す。なお平均溶出時間の算出はchem.pharm.Bull.,V
ol 30,p1088(1982)の方法によった。
いずれの薬剤においても、固体分散体からの薬剤の溶
出速度は薬剤単独の場合に比べて著しく速くなった。酸
性薬剤の場合には、実施例3の結果から明らかなよう
に、薬剤の溶解度上昇に伴う溶出速度の増大が考えられ
るが、溶解度の上昇があまり認められなかった薬剤にお
いても著しい溶出速度の増大が観察された。
実施例5 フルルビプロフェンと参考例1で得た低分子量キトサ
ンC−5の粉末を重量比1:3の割合で単純に混合して得
た物理的混合物と、フルルビプロフェンとC−5の配合
割合を重量比1:3に代えた以外は実施例1と同様にして
得た固体分散体について、粉末X線回折を行った。粉末
X線は理学電気(株)製Geiger Flex 2102 X線回折装置
を使用し、Cu−Ka線、Niフィルターを用い、30kV、20m
A、時定数2sec、走査速度1℃/minで測定した。
インドメタシン、ジゴキシン、トリアムシノロンにつ
いても上記と同様にして粉末X線回折を行った。結果を
第6図(A)〜(D)に示す。
粉末X線回折パターンは薬剤の結晶系および充填状態
に関する情報を与える。第6図(A)〜(D)から分る
ように、低分子量キトサン単独は非晶質性物質であるた
め、物理的混合物の場合には薬剤特有の特性ピークが観
察された。酸性薬剤のフルルビプロフェンの場合には、
物理的混合物で観察された薬剤の特性ピークが固体分散
体では観察されず、フルルビプロフェンが低分子量キト
サン中に非晶質化して分散していることを示した。一方
他の3つの薬剤の固体分散体は物理的混合物と全く同じ
回折パターンを示し、低分子量キトサン添加による薬剤
の結晶性の低下は認められなかった。
実施例6 融点が低分子量キトサンより低いフルルビプロフェン
とインドメタシンについて示差熱量を測定した。測定に
使用した試料は、実施例5で得た物理的混合物、固体分
散体、低分子量キトサン単独物、薬剤単独物である。示
差熱量は、理学電気(株)製Thermoflex TG−8110を使
用し、試料は薬剤単独として5mgを昇温速度10℃/min
で、α−アルミナを標準物質に用いて測定した。結果を
第7図(A)、(B)に示す。
示差熱量は、薬剤の融解に基づく吸熱ピークを観察す
ることにより、固体中の薬剤の状態を知ることができ
る。第7図から分るように、フルルビプロフェンの固体
分散体の場合には、薬剤の融解に基づくピークが消失
し、フルルビプロフェンが低分子量キトサンとの固体分
散体中に結晶性を失って分散していることを示した。一
方インドメタシンの場合には、固体分散体においても薬
剤の融解ピークがみられ、インドメタシンは結晶性を保
ったまま固体分散体中に分散していることを示した。こ
れらの結果は実施例5の結果と一致しており、フルルビ
プロフェンは低分子量キトサンと固体状態において何ら
かの相互作用をして、低分子量キトサンとの固体分散体
中に非晶質化して存在するが、他の薬剤は低分子量キト
サンとほとんど相互作用せずに、結晶性を有したまま固
体分散体中に存在することが推定される。
実施例7 フルルビプロフェン、インドメタシン、およびトリア
ムシノロンについて薬剤粒子表面のぬれを測定した。測
定に使用した試料は、実施例5で得た固体分散体と薬剤
単独物である。ぬれはIR打錠機により直径2cmの錠剤を
成形し、その表面に50μの水を落して、接触角を測定
することにより求めた。結果を第4表に示す。
第4表から分るように、薬剤単独の接触角に比べて、
低分子量キトサンとの固体分散体のそれは低下した。こ
れらの結果から低分子量キトサンは薬物粒子表面水に対
するぬれを改善することにより溶出速度を上昇させるも
のと推定される。
実施例8 フルルビプロフェンと、参考例1で得た低分子量キト
サンC−2、C−4またはC−5との混練体(重量比で
1:1または1:5)からH−15(カカオ油脂)を基剤として
坐剤をつくり、この坐剤からのフルルビプロフェンの放
出率を測定した。結果を第8図に示す。
【図面の簡単な説明】
第1図は実施例1の結果を示すグラフ、第2図および第
3図は実施例2の結果を示すグラフ、第4図(A)〜
(L)は実施例3の結果を示すグラフ、第5図(A)〜
(G)は実施例4の結果を示すグラフ、第6図(A)〜
(D)は実施例5の結果を示すグラフ、第7図(A)、
(B)は実施例6の結果を示すグラフ、第8図は実施例
8の結果を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 今井 輝子 熊本県熊本市花立2丁目255番地

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】低分子量キトサンと難溶性薬剤とを含有す
    る薬剤組成物。
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