JP2636680B2 - 2,3−ジクロル−1−プロパノールの精製方法 - Google Patents
2,3−ジクロル−1−プロパノールの精製方法Info
- Publication number
- JP2636680B2 JP2636680B2 JP17063993A JP17063993A JP2636680B2 JP 2636680 B2 JP2636680 B2 JP 2636680B2 JP 17063993 A JP17063993 A JP 17063993A JP 17063993 A JP17063993 A JP 17063993A JP 2636680 B2 JP2636680 B2 JP 2636680B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- dch
- distillation column
- layer
- dichloro
- distillation
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
Description
−プロパノール(以下CH2 ClCHClCH2 OHま
たはDCHと記す)、1,2,3−トリクロルプロパン
(以下CH2ClCHClCH2 ClまたはTCPと記
す)、2−クロルアクロレイン(以下CH2 =CClC
HOまたはCACと記す)及び塩酸水溶液との混合物か
ら蒸留塔を用い効率よくそのDCHを精製する方法に関
する。
有する物質の混合液から目的物質を分離、精製する方法
としては、混合液を蒸留塔に導入し、塔頂から目的物質
より低沸点を有する物質を留出させ、塔底から目的物質
を抜き出す方法が一般的である。さらに、分離効率を向
上させるために留出液の一部を蒸留塔に還流させる方法
が用いられる。塩酸水溶液存在下で塩素とアリルアルコ
ール(以下CH2 =CHCH2 OHまたはAALと記
す)を反応させ、その反応液から放散塔により塩化水素
を回収し、残液を冷却し水油二層分離した場合、その油
層中には主成分のDCHの他にDCHより低沸成分の主
なものとしてHCl、H2 O、DCHより低沸点の副生
成物としてTCP、CACが含まれる。
低沸成分を分離、除去する方法としては特開平4−77
443に示される方法が挙げられる。この方法では、D
CHが大量に塔頂に留出し、塔頂留出物を凝縮、冷却
し、水油分離した後の水層中にも大量のDCHが溶解す
る。これは、CAC、TCP、DCHがH2 Oと最低共
沸混合物を形成し、かつその共沸混合物の標準沸点はC
AC−H2 O<TCP−H2 O<DCH−H2 O(<H
2 O)であるため、H2 Oを除去する場合、H2Oは各
共沸混合物の形で留出され、その大部分はDCHとの共
沸混合物の形で留出され、さらに水油分離した場合のD
CHの水層への溶解度が大きいためである。水層は反応
工程原料中のH2 Oとのバランスにより系外に抜き出す
必要があり、その際、DCHの損失が大きく、かつ環境
に悪影響を与えないように廃棄するための設備も必要に
なるという欠点を有している。
は、DCHより低沸成分を蒸留分離する場合、H2 Oと
の共沸混合物形成のため大量のDCHも留出されその回
収、処理のために、工程が複雑化し、効率が悪い点であ
る。
水溶液存在下で塩素とAALからDCHを生成させた反
応溶液から放散塔に於いて塩化水素を回収し、その残液
を冷却し水油二液層に分離させ、その油層を第一蒸留塔
に導入する。さらに、DCH−H2 Oより低沸点のH2
O共沸混合物を形成し、H2 Oへの溶解度の小さく、か
つ反応副生成物でもあるTCPをエントレーナーとして
塔頂から供給し、TCP−H2 O共沸混合物としてH2
Oを塔頂に留出させ、DCHの留出を抑える。
を含有する水層とエントレーナーを主成分とする油層に
分離する。第一蒸留塔塔底液は別に設けた精製設備に導
入する。第一蒸留塔塔頂水層は廃棄処理すべく処理設備
に導入し、油層はエントレーナーを回収するため、第二
蒸留塔に導入する。第二蒸留塔において、TCPより低
沸点を有する物質を塔頂から留出させ、別に設けた処理
設備に導入し、塔底からTCPを主成分とする液を得、
第一蒸留塔のエントレーナーとして第一蒸留塔に戻す。
さらに第一蒸留塔塔底、第二蒸留塔塔頂からのTCPの
留出を抑える事により、外部からTCPを補給する事無
く反応副生成量のTCPのみで上記操作が可能となる。
的に説明する。 実施例1 図1は本発明に係るDCHの精製法の一実施例を示す図
で、図中符号1は第一蒸留塔、2,6は全縮器、3は液
−液分離器、4,7はリボイラー、5は第二蒸留塔であ
る。塩酸水溶液存在下で塩素とAALからDCHを生成
させた反応液から放散塔に於いて塩化水素を回収し、そ
の残液を冷却し水油二液層に分離させて得る油層11を
第一蒸留塔に導入し、塔頂からエントレーナーとしてT
CPを供給する。
共沸混合物の形で塔頂へ留出し、残りのH2 Oは塔頂か
ら供給されるTCPとDCH−H2 O共沸混合物より低
沸点のTCP−H2 O共沸混合物を形成し塔頂へ留出
し、塔頂留出分13となる。従って、H2 Oの大部分を
TCP−H2 O共沸混合物の形で留出させるため、DC
Hの塔頂への留出が抑制される。塔底液12は別に設け
た精製設備に導入する。塔頂留出液13は凝縮・冷却
し、水層14と油層15に分離する。水層14は別に設
けた処理設備へ送るが、塔頂へのDCHの留出が少な
く、油層15の主成分であるTCPの水層への溶解度は
小さいため、水層中のDCHの損失は小さく、処理設備
も小型でよい。油層15は第二蒸留塔へ導入し、塔底液
17としてTCPを回収し、第一蒸留塔のエントレーナ
ーとして第一蒸留塔へ戻す。塔頂留出分16は別に設け
られた処理設備に導入する。図1のフローに於いて、各
部における成分の重量%、油層11の量を100とした
場合の各部の流量を表1に示す。
で、図中符号1は第一蒸留塔、2,6は全縮器、3は液
−液分離器、4,7はリボイラー、5は第二蒸留塔であ
る。塩酸水溶液存在下で塩素とAALからDCHを生成
させた反応液から放散塔に於いて塩化水素を回収し、そ
の残液を冷却し水油二液層に分離させて得る油層11を
第一蒸留塔に導入し、塔頂留出分13として、DCHよ
り低沸点であるCAC、TCP、HCl、H2 Oを塔頂
に留出させる。
沸点であるH2 Oとの最低共沸混合物として留出する。
CAC、TCPと共沸混合物として留出しないH2 Oは
H2Oより低沸点であるDCH−H2 O共沸混合物とし
て留出する。塔底液12は別に設けた精製設備に導く。
塔頂留出分13は、凝縮・冷却し、水層14と油層15
に分離する。水層14には大量のDCHが溶解してお
り、これは別に設けた処理設備に導入し無害化処理する
ため、DCHの損失が大きく、大規模の処理設備が必要
となる。油層15は第二蒸留塔に導入し、塔底液17と
してDCHを回収し、第一蒸留塔塔底液と同様、別に設
けた精製設備に導入する。塔頂留出分16はDCHより
低沸成分が主成分であり、別に設けた処理設備に導入す
る。図2のフローに於いて、各部における成分の重量
%、油層11の量を100とした場合の各部の流量を表
2に示す。
Hの精製方法は、従来、DCHロス率及び、廃液処理量
が増大するのに対し、反応副生成物をエントレーナーと
して用いた共沸蒸留及び相互溶解度差を利用した二液相
分離を実施するため、蒸留工程が簡単となり、廃液処理
量の低下等の利点を有する。
ーの図である。
Claims (2)
- 【請求項1】 反応器を用いてアリルアルコールと塩素
とを塩酸水溶液の存在下で反応させ、その反応液を放散
塔に導入し、塩化水素を放散させ反応器に戻し、残液を
冷却して水層と油層に分離し、水層を反応器に戻し、油
層から2,3−ジクロル−1−プロパノールを分離する
精製方法について、前記油層を第一蒸留塔に導き、エン
トレーナーとして1,2,3−トリクロルプロパンを塔
頂から供給し、2,3−ジクロル−1−プロパノールの
留出を抑えながらHCl、H2O、2−クロルアクロレ
イン、1,2,3−トリクロルプロパン等の、2,3−
ジクロル−1−プロパノールより低沸点を有する物質を
塔頂から留出、除去させ、塔底液を、別に設けた精製設
備に導入する2,3−ジクロル−1−プロパノールの精
製方法。 - 【請求項2】 前記第一蒸留塔塔頂留出物を凝縮、冷却
させ水層と油層に分離し、水層は別に設けた処理設備に
導入し、油層は第二蒸留塔に導入し、塔頂から1,2,
3−トリクロルプロパンより低沸点を有する物質を留出
させ、塔底から1,2,3−トリクロルプロパンを回収
し、前記第一蒸留塔のエントレーナーとして用いる請求
項1記載の方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17063993A JP2636680B2 (ja) | 1993-07-09 | 1993-07-09 | 2,3−ジクロル−1−プロパノールの精製方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17063993A JP2636680B2 (ja) | 1993-07-09 | 1993-07-09 | 2,3−ジクロル−1−プロパノールの精製方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0725796A JPH0725796A (ja) | 1995-01-27 |
JP2636680B2 true JP2636680B2 (ja) | 1997-07-30 |
Family
ID=15908608
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP17063993A Expired - Fee Related JP2636680B2 (ja) | 1993-07-09 | 1993-07-09 | 2,3−ジクロル−1−プロパノールの精製方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2636680B2 (ja) |
Families Citing this family (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE60016314T2 (de) * | 1999-06-08 | 2005-12-01 | Showa Denko K.K. | Verfahren zur Herstellung von Epichlorohydrin und Zwischenprodukt davon |
JP2002322105A (ja) * | 2001-04-26 | 2002-11-08 | Showa Denko Kk | 2,3−ジクロル−1−プロパノール及びエピクロルヒドリンの製造法 |
SA07280020B1 (ar) | 2006-02-02 | 2011-04-24 | شوا دينكو كيه. كيه. | طريقة تقطير ازيوتروبية |
CN103524729B (zh) * | 2013-10-17 | 2015-09-16 | 宁波环洋化工有限公司 | 一种砂浆混凝土外加剂的生产方法 |
TWI547470B (zh) * | 2015-12-18 | 2016-09-01 | 長春人造樹脂廠股份有限公司 | 製造二氯丙醇之方法 |
-
1993
- 1993-07-09 JP JP17063993A patent/JP2636680B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0725796A (ja) | 1995-01-27 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP3934163B2 (ja) | アクリル酸ブチルの精製方法 | |
EP1943208A1 (en) | System and method for acetic acid dehydration | |
KR100414249B1 (ko) | 아세트산의정제방법 | |
JPH069589A (ja) | エピクロロヒドリンの製造法 | |
EP1654212A1 (en) | Process for separating and recovering 3-hydroxypropionic acid and acrylic acid | |
EP0395793A1 (en) | Process for the separation of 1,1-dichloro-1-fluoroethane and 1,1,1,3,3-pentafluorobutane | |
WO2000064853A2 (en) | Method of separating dimethyl carbonate and methanol | |
JP2636680B2 (ja) | 2,3−ジクロル−1−プロパノールの精製方法 | |
JP2021524502A (ja) | ジオキソランを製造するための方法 | |
EP0359331B1 (en) | A continuous process for the production of dichlorohydrin | |
JP2582127B2 (ja) | メタクリル酸メチルの精製法 | |
JP2924563B2 (ja) | 酢酸エチルの精製方法 | |
JP2517796B2 (ja) | アリルアルコ―ルの精製法 | |
EP1240128A1 (en) | Process for enhanced acetone removal from carbonylation processes | |
JP2021524503A (ja) | ジオキソランを製造するための方法 | |
EP0537846B1 (en) | Production of dichlorohydrin | |
JPH0120137B2 (ja) | ||
JPH09110749A (ja) | ベンジルクロリド、ベンジルアルコール、ジベンジルエーテル及び水性塩酸の混合物の分離法 | |
JPH05285303A (ja) | 使用済溶剤の再生方法 | |
JP2002239302A (ja) | 共沸混合物の分離 | |
JP3237682B2 (ja) | ヒドラジンの回収方法 | |
US4162201A (en) | Purification and recovery of ethylene dichloride | |
JP2002322105A (ja) | 2,3−ジクロル−1−プロパノール及びエピクロルヒドリンの製造法 | |
KR100251504B1 (ko) | 디클로로히드린의 생성방법 | |
JP2001226298A (ja) | 1,2−ジクロルエタンの精製方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080425 Year of fee payment: 11 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Year of fee payment: 12 Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090425 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100425 Year of fee payment: 13 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Year of fee payment: 13 Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100425 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110425 Year of fee payment: 14 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Year of fee payment: 14 Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110425 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Year of fee payment: 15 Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120425 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |