JP2636430B2 - 永久磁石付き回転子及びその製造方法 - Google Patents
永久磁石付き回転子及びその製造方法Info
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- JP2636430B2 JP2636430B2 JP1206106A JP20610689A JP2636430B2 JP 2636430 B2 JP2636430 B2 JP 2636430B2 JP 1206106 A JP1206106 A JP 1206106A JP 20610689 A JP20610689 A JP 20610689A JP 2636430 B2 JP2636430 B2 JP 2636430B2
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- permanent magnet
- reinforcing ring
- yoke
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Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、回転電機の磁性材からなる円筒状継鉄の
外周に磁極を形成する永久磁石を円周方向に複数配設し
てなる永久磁石付き回転子及びその製造方法に関する。
外周に磁極を形成する永久磁石を円周方向に複数配設し
てなる永久磁石付き回転子及びその製造方法に関する。
〔従来の技術〕 回転電機の永久磁石付き回転子の従来例を第5図にも
とづいて説明する。この図において、回転軸1に嵌着し
た磁性材からなる円筒状継鉄2の外周に磁極を形成する
永久磁石3が円周方向に複数配設されている。この永久
磁石3は継鉄2の外周に密接するように断面形状が弓形
に湾曲した板状に形成され、隣接する磁極ごとに径方向
に交互に反対方向に着磁されている。前記永久磁石3は
位置決め治具等により円周方向の位置精度を出して位置
決めした後接着剤等で継鉄2の外周に固着される。
とづいて説明する。この図において、回転軸1に嵌着し
た磁性材からなる円筒状継鉄2の外周に磁極を形成する
永久磁石3が円周方向に複数配設されている。この永久
磁石3は継鉄2の外周に密接するように断面形状が弓形
に湾曲した板状に形成され、隣接する磁極ごとに径方向
に交互に反対方向に着磁されている。前記永久磁石3は
位置決め治具等により円周方向の位置精度を出して位置
決めした後接着剤等で継鉄2の外周に固着される。
また、永久磁石3を継鉄2の外周に固着させるには、
前記のように接着剤を用いるほかに、特開昭61−1246号
(以下、文献という)に示されるように、継鉄の外周上
に配置した永久磁石の外周面に熱硬化性樹脂を含浸した
ガラス繊維を1又は2層巻き回して加熱硬化して固着さ
せることにより、超高速回転時の遠心力に耐えるように
したものが知られている。
前記のように接着剤を用いるほかに、特開昭61−1246号
(以下、文献という)に示されるように、継鉄の外周上
に配置した永久磁石の外周面に熱硬化性樹脂を含浸した
ガラス繊維を1又は2層巻き回して加熱硬化して固着さ
せることにより、超高速回転時の遠心力に耐えるように
したものが知られている。
前記第5図の構造では継鉄2の大きさおよび磁極数に
より多数の位置決め治具を用意する必要があり、また接
着剤等で固着する際に位置ずれが生じると位置精度を出
すことが困難になり特に磁極が大きくなって多数の永久
磁石3で磁極を形成する必要のある場合には位置決め固
定作業に多くの手数を要するという欠点があった。さら
に回転子の固定子への組み込み時に永久磁石3をその吸
引力で固定子鉄心等の硬いものにぶつけたりすると希土
類、フェライト等からなる永久磁石3では材質がもろい
ので欠損することがある。永久磁石3が欠損すると吸引
力が減るのみでなく破片が鉄心等に付着して除去作業に
多くの手数を要し、さらに破片を回転子と固定子の関隙
に取残すと回転子を正常に回転させることができなくな
るという多くの欠点があった。
より多数の位置決め治具を用意する必要があり、また接
着剤等で固着する際に位置ずれが生じると位置精度を出
すことが困難になり特に磁極が大きくなって多数の永久
磁石3で磁極を形成する必要のある場合には位置決め固
定作業に多くの手数を要するという欠点があった。さら
に回転子の固定子への組み込み時に永久磁石3をその吸
引力で固定子鉄心等の硬いものにぶつけたりすると希土
類、フェライト等からなる永久磁石3では材質がもろい
ので欠損することがある。永久磁石3が欠損すると吸引
力が減るのみでなく破片が鉄心等に付着して除去作業に
多くの手数を要し、さらに破片を回転子と固定子の関隙
に取残すと回転子を正常に回転させることができなくな
るという多くの欠点があった。
また、前記文献には前述の永久磁石の位置決めと欠損
については何も示すことがないので、同様な欠点が存在
すると思われるほか、文献に示す構造では、樹脂を含浸
したガラス繊維の巻回は作業時間が長い。また超高速回
転数における遠心力に関しては、硬化した樹脂とガラス
繊維の引張強さ、並びに巻回数に依存して使用回転数に
限界がある。
については何も示すことがないので、同様な欠点が存在
すると思われるほか、文献に示す構造では、樹脂を含浸
したガラス繊維の巻回は作業時間が長い。また超高速回
転数における遠心力に関しては、硬化した樹脂とガラス
繊維の引張強さ、並びに巻回数に依存して使用回転数に
限界がある。
この発明の目的は、円筒状継鉄の外周に磁極を形成す
る複数の永久磁石を簡易な構造で円周方向の位置精度を
出しかつ欠損防止可能に取付けることができ、遠心力に
基く使用回転数を大きくすることができ、あわせて着磁
済の希土類等からなる永久磁石の磁力が回転子の製造工
程で減磁することがないような永久磁石付き回転子及び
その製造方法を提供することにある。
る複数の永久磁石を簡易な構造で円周方向の位置精度を
出しかつ欠損防止可能に取付けることができ、遠心力に
基く使用回転数を大きくすることができ、あわせて着磁
済の希土類等からなる永久磁石の磁力が回転子の製造工
程で減磁することがないような永久磁石付き回転子及び
その製造方法を提供することにある。
発明1の永久磁石付き回転子は、 磁性材からなる円筒状継鉄の外周に磁極を形成する永
久磁石を円周方向に複数配設してなる永久磁石付き回転
子において、 円筒の外周部に前記永久磁石を位置決めして挿入する
挿入穴を円周方向に複数設けた非磁性材からなるかご状
体を前記継鉄の外周にはめ込み、 前記永久磁石の厚さより前記かご状体の厚さを大きく
し、このかご状体と前記挿入穴に挿入した前記永久磁石
との外側に非磁性材からなる円筒状の補強環を嵌合して
固着し、前記継鉄と前記補強環との間の前記永久磁石の
周辺に硬化性樹脂を充填するものである。
久磁石を円周方向に複数配設してなる永久磁石付き回転
子において、 円筒の外周部に前記永久磁石を位置決めして挿入する
挿入穴を円周方向に複数設けた非磁性材からなるかご状
体を前記継鉄の外周にはめ込み、 前記永久磁石の厚さより前記かご状体の厚さを大きく
し、このかご状体と前記挿入穴に挿入した前記永久磁石
との外側に非磁性材からなる円筒状の補強環を嵌合して
固着し、前記継鉄と前記補強環との間の前記永久磁石の
周辺に硬化性樹脂を充填するものである。
発明2の永久磁石付き回転子の製造方法は、 円筒状継鉄の外周に着磁済みの永久磁石を配置し、こ
の永久磁石を囲む補強環を焼ばめして前記永久磁石を前
記継鉄の外周に固着する永久磁石付き回転子の製造方法
において、 焼ばめのために温度を上げた前記補強環の外周を着脱
可能な磁性材からなる円筒状の保持具で保持し、この保
持具で保持された前記補強環の内側に前記着磁済みの永
久磁石を仮着けした前記継鉄を挿入し、前記補強環の温
度が下って焼ばめが完了した後に、前記保持具を前記補
強環から取り外すものである。
の永久磁石を囲む補強環を焼ばめして前記永久磁石を前
記継鉄の外周に固着する永久磁石付き回転子の製造方法
において、 焼ばめのために温度を上げた前記補強環の外周を着脱
可能な磁性材からなる円筒状の保持具で保持し、この保
持具で保持された前記補強環の内側に前記着磁済みの永
久磁石を仮着けした前記継鉄を挿入し、前記補強環の温
度が下って焼ばめが完了した後に、前記保持具を前記補
強環から取り外すものである。
発明1においては、 前記かご状体により位置決め治具を使用することなく
円周方向の位置精度を出して永久磁石を取付けできるの
みでなく永久磁石を保護して欠損を防止することもでき
る。また、例えばオーステナイト系のステンレス鋼等の
非磁性材からなる補強環は永久磁石の遠心力を保持し、
磁束分布を変化させない。硬化性樹脂は、永久磁石の円
周方向、軸方向及び径方向の寸法誤差による隙間を埋め
て、永久磁石をかご状体の挿入穴に固定するとともに、
各永久磁石自身が遠心力によって受ける曲げ力を負担し
て磁石が破断することを防止する。
円周方向の位置精度を出して永久磁石を取付けできるの
みでなく永久磁石を保護して欠損を防止することもでき
る。また、例えばオーステナイト系のステンレス鋼等の
非磁性材からなる補強環は永久磁石の遠心力を保持し、
磁束分布を変化させない。硬化性樹脂は、永久磁石の円
周方向、軸方向及び径方向の寸法誤差による隙間を埋め
て、永久磁石をかご状体の挿入穴に固定するとともに、
各永久磁石自身が遠心力によって受ける曲げ力を負担し
て磁石が破断することを防止する。
発明2においては、 補強環を焼ばめする時に、永久磁石を囲む補強環の外
側に磁性材でなる保持具を取り付けるようにしているの
で、永久磁石に伝達される熱によって永久磁石の温度が
熱減磁温度限界を超えても、磁性材でなる保持具を通る
磁気回路が形成されて磁気抵抗が減少することによっ
て、磁気回路のパーミアンス係数が大きくなり、高温時
の磁束の減少をおさえ、予め着磁した個々の永久磁石を
回転子に取付けられ、回転子組立後に着磁する必要がな
い。
側に磁性材でなる保持具を取り付けるようにしているの
で、永久磁石に伝達される熱によって永久磁石の温度が
熱減磁温度限界を超えても、磁性材でなる保持具を通る
磁気回路が形成されて磁気抵抗が減少することによっ
て、磁気回路のパーミアンス係数が大きくなり、高温時
の磁束の減少をおさえ、予め着磁した個々の永久磁石を
回転子に取付けられ、回転子組立後に着磁する必要がな
い。
第1図は実施例1の斜視図、第2図は第1図の軸に直
角な部分断面図、第3図は第1図の組立工程図であり、
第4図は実施例2の組立工程図である。いずれも第5図
と同一符号を付けるものはおよそ同一機能を持つ。
角な部分断面図、第3図は第1図の組立工程図であり、
第4図は実施例2の組立工程図である。いずれも第5図
と同一符号を付けるものはおよそ同一機能を持つ。
実施例1を示す第1図ないし第3図において、円筒の
外周部に永久磁石3を位置決めして挿入する挿入穴21a
を円周方向に複数設けたかご状体21が円筒状継鉄2の外
周に焼ばめ又はすきまばめではめ込まれる。この図では
個々の磁極を多数の永久磁石3で形成するものを示した
が、これに限定されるものではない。前記かご状体21は
オーステナイト系ステンレス鋼、アルミニウム、しんち
ゅう合成樹脂等の非磁性材からなり、挿入穴21aは永久
磁石3をぴったりはめ込むことのできる寸法で形成され
ている。図では回転子が細長いので継鉄2の中央の突起
2aの両隣りにかご状体21が使用される。
外周部に永久磁石3を位置決めして挿入する挿入穴21a
を円周方向に複数設けたかご状体21が円筒状継鉄2の外
周に焼ばめ又はすきまばめではめ込まれる。この図では
個々の磁極を多数の永久磁石3で形成するものを示した
が、これに限定されるものではない。前記かご状体21は
オーステナイト系ステンレス鋼、アルミニウム、しんち
ゅう合成樹脂等の非磁性材からなり、挿入穴21aは永久
磁石3をぴったりはめ込むことのできる寸法で形成され
ている。図では回転子が細長いので継鉄2の中央の突起
2aの両隣りにかご状体21が使用される。
ここまでの構成で、永久磁石3は、かご状体21により
位置決め治具を使用することなく円周方向の位置精度を
出して取付けできるのみならず、同時にかご状体21によ
って保護されて組立途上での欠損が防止される。
位置決め治具を使用することなく円周方向の位置精度を
出して取付けできるのみならず、同時にかご状体21によ
って保護されて組立途上での欠損が防止される。
そして上記の構成に加えて、永久磁石3の厚さよりか
ご状体21の厚さを大きく、その外側に非磁性材で引張強
さの大きい、例えばオーステナイト系ステンレス鋼等か
らなる円筒状の補強環4を嵌合し、固着される。固着に
は焼ばめが簡便であるが、かご状体21の挿入穴21aのな
い骨格部分を貫通して非磁性の図示しない複数のねじで
継鉄2に対し固着してもよく、補強環4を焼ばめして固
着するとかご状体21も同時に固着できるようにしてもよ
い。
ご状体21の厚さを大きく、その外側に非磁性材で引張強
さの大きい、例えばオーステナイト系ステンレス鋼等か
らなる円筒状の補強環4を嵌合し、固着される。固着に
は焼ばめが簡便であるが、かご状体21の挿入穴21aのな
い骨格部分を貫通して非磁性の図示しない複数のねじで
継鉄2に対し固着してもよく、補強環4を焼ばめして固
着するとかご状体21も同時に固着できるようにしてもよ
い。
継鉄2と補強環4との間であって永久磁石3の周辺は
硬化性樹脂5が充填される。充填には熱硬化性又は常温
硬化性のエポキシ系等の樹脂を真空含浸法で充填する。
そのための注入口6が例えばかご状体21の端面の外周に
設けられ、注入口61が隣り合う挿入穴21aの外周に設け
られる。注入口6等に代り、注入口62を継鉄2に設けた
り、補強環4の外周に径方向の穴を設けて注入口63とし
たりできる。
硬化性樹脂5が充填される。充填には熱硬化性又は常温
硬化性のエポキシ系等の樹脂を真空含浸法で充填する。
そのための注入口6が例えばかご状体21の端面の外周に
設けられ、注入口61が隣り合う挿入穴21aの外周に設け
られる。注入口6等に代り、注入口62を継鉄2に設けた
り、補強環4の外周に径方向の穴を設けて注入口63とし
たりできる。
かご状体21は永久磁石3より厚いと前述したが、それ
は永久磁石3が一般に焼結で形成され、硬くて研削等が
しにくく、寸法誤差があるからである。厚さ方向すなわ
ち径方向だけでなく円周方向、軸方向にも挿入穴21aに
対し隙間を予め設けるようにし、それらの径方向、円周
方向、軸方向の隙間を埋めるため硬化性樹脂5が使用さ
れる。
は永久磁石3が一般に焼結で形成され、硬くて研削等が
しにくく、寸法誤差があるからである。厚さ方向すなわ
ち径方向だけでなく円周方向、軸方向にも挿入穴21aに
対し隙間を予め設けるようにし、それらの径方向、円周
方向、軸方向の隙間を埋めるため硬化性樹脂5が使用さ
れる。
この硬化性樹脂5の効用には、個々の永久磁石3自身
を遠心力から保護することである。すなわち第3図に例
示するように永久磁石3が一点で補強環4に接している
とき、永久磁石3は遠心力Fで曲げ力を受けるが、充填
した硬化性樹脂がその力を負担し永久磁石の破断を防止
する。例えば希土類系磁石の強さは約14kg/mm2であり、
高速回転数での使用には遠心力による曲げ力は考慮しな
ければならない事項となる。
を遠心力から保護することである。すなわち第3図に例
示するように永久磁石3が一点で補強環4に接している
とき、永久磁石3は遠心力Fで曲げ力を受けるが、充填
した硬化性樹脂がその力を負担し永久磁石の破断を防止
する。例えば希土類系磁石の強さは約14kg/mm2であり、
高速回転数での使用には遠心力による曲げ力は考慮しな
ければならない事項となる。
実施例2を示す第4図は前記実施例1において補強環
4を焼ばめ固着し、かつ焼ばめ前に永久磁石3が着磁済
の場合に有効な製造方法を示す。回転子組立後に着磁す
るには極めて大きな着磁装置が必要であるのに対し、永
久磁石ごとに着磁しておく場合の着磁装置は小形でよ
い。
4を焼ばめ固着し、かつ焼ばめ前に永久磁石3が着磁済
の場合に有効な製造方法を示す。回転子組立後に着磁す
るには極めて大きな着磁装置が必要であるのに対し、永
久磁石ごとに着磁しておく場合の着磁装置は小形でよ
い。
図において、軸1を持つ継鉄2には、予め着磁された
円周上に複数に分割された永久磁石3が実施例1のよう
にかご状体付きで又はなしで配置されている。一方、非
磁性材からなる補強環4は焼ばめのために例えば200〜4
00℃に温度を上げ、ねじ8により締めつけた磁性材から
なる円筒状の保持具7(7a、7b)で保持されている。補
強環4と保持具とは一体にして焼ばめ温度に昇温するの
がよいが、別々に昇温して保持してもよい。
円周上に複数に分割された永久磁石3が実施例1のよう
にかご状体付きで又はなしで配置されている。一方、非
磁性材からなる補強環4は焼ばめのために例えば200〜4
00℃に温度を上げ、ねじ8により締めつけた磁性材から
なる円筒状の保持具7(7a、7b)で保持されている。補
強環4と保持具とは一体にして焼ばめ温度に昇温するの
がよいが、別々に昇温して保持してもよい。
このように保持具7で保持され昇温させた補強環4に
前記着磁済の永久磁石3を仮着けした継鉄2を挿入し、
温度が下って焼ばめが完了してから、前記保持具7のみ
をねじ8を外して補強環4から取り外す。
前記着磁済の永久磁石3を仮着けした継鉄2を挿入し、
温度が下って焼ばめが完了してから、前記保持具7のみ
をねじ8を外して補強環4から取り外す。
円筒状の保持具は図示のものに限らず、例えば円筒状
のものを1の母線又は180゜離れた2個所の母線で切離
して軸方向の対をなすフランジを設けたりしてもよい。
のものを1の母線又は180゜離れた2個所の母線で切離
して軸方向の対をなすフランジを設けたりしてもよい。
前記の製造方法によれば、焼ばめの時に加熱された補
強環4から永久磁石3に熱が伝達され、永久磁石3が熱
減磁限界を超える温度になっても、せっかく着磁した永
久磁石の磁束が減少することがおさえられる。
強環4から永久磁石3に熱が伝達され、永久磁石3が熱
減磁限界を超える温度になっても、せっかく着磁した永
久磁石の磁束が減少することがおさえられる。
その理由は、例えば焼ばめ温度は200〜300℃であり、
永久磁石の熱減磁温度は、NK鋼では約500℃、希土類磁
石では約200℃であり、中でも例えばネオジム(原子記
号;Nd)系希土類磁石では約100℃である。このように熱
減磁温度を超える焼ばめ温度では、補強環4のみを磁石
に当てがうと着磁済の永久磁石3の磁束は熱減磁してし
まう。
永久磁石の熱減磁温度は、NK鋼では約500℃、希土類磁
石では約200℃であり、中でも例えばネオジム(原子記
号;Nd)系希土類磁石では約100℃である。このように熱
減磁温度を超える焼ばめ温度では、補強環4のみを磁石
に当てがうと着磁済の永久磁石3の磁束は熱減磁してし
まう。
それに対し、補強環4の外周に磁性材からなる保持具
7を取り付けることにより、保持具7を通る磁気回路が
形成されて磁気抵抗が減少するので、高温時での磁気回
路のパーミアンス係数(=磁束密度/起磁力)は磁性材
の保持具7がない場合に比べ大きくなり、高温時の磁束
の減少をおさえるのである。
7を取り付けることにより、保持具7を通る磁気回路が
形成されて磁気抵抗が減少するので、高温時での磁気回
路のパーミアンス係数(=磁束密度/起磁力)は磁性材
の保持具7がない場合に比べ大きくなり、高温時の磁束
の減少をおさえるのである。
この発明1の永久磁石付き回転子は、 磁性材からなる円筒状継鉄の外周に磁極を形成する永
久磁石を円周方向に複数配設してなる永久磁石付き回転
子において、 円筒の外周部に前記永久磁石を位置決めして挿入する
挿入穴を円周方向に複数設けた非磁性材からなるかご状
体を前記継鉄の外周にはめ込み、 前記永久磁石の厚さより前記かご状体の厚さを大きく
し、このかご状体と前記挿入穴に挿入した前記永久磁石
との外側に非磁性材からなる円筒状の補強環を嵌合して
固着し、前記継鉄と前記補強環との間の前記永久磁石の
周辺に硬化性樹脂を充填するようにしたので、 永久磁石を簡易な構造で位置決め治具を使用すること
なく円周方向の位置精度を出して回転速度の脈動がなく
かつ欠損防止可能に取付けることができる。また、永久
磁石の遠心力は補強環で保持され、かつ永久磁石の形状
寸法誤差により生じる個々の永久磁石自身の遠心力によ
る曲げ力は硬化性樹脂で負担されることにより超高速回
転数での使用に耐えるという効果がある。
久磁石を円周方向に複数配設してなる永久磁石付き回転
子において、 円筒の外周部に前記永久磁石を位置決めして挿入する
挿入穴を円周方向に複数設けた非磁性材からなるかご状
体を前記継鉄の外周にはめ込み、 前記永久磁石の厚さより前記かご状体の厚さを大きく
し、このかご状体と前記挿入穴に挿入した前記永久磁石
との外側に非磁性材からなる円筒状の補強環を嵌合して
固着し、前記継鉄と前記補強環との間の前記永久磁石の
周辺に硬化性樹脂を充填するようにしたので、 永久磁石を簡易な構造で位置決め治具を使用すること
なく円周方向の位置精度を出して回転速度の脈動がなく
かつ欠損防止可能に取付けることができる。また、永久
磁石の遠心力は補強環で保持され、かつ永久磁石の形状
寸法誤差により生じる個々の永久磁石自身の遠心力によ
る曲げ力は硬化性樹脂で負担されることにより超高速回
転数での使用に耐えるという効果がある。
発明2の製造方法は、 円筒状継鉄の外周に着磁済みの永久磁石を配置し、こ
の永久磁石を囲む補強環を焼ばめして前記永久磁石を前
記継鉄の外周に固着する永久磁石付き回転子の製造方法
において、 焼ばめのために温度を上げた前記補強環の外周を着脱
可能な磁性材からなる円筒状の保持具で保持し、この保
持具で保持された前記補強環の内側に前記着磁済みの永
久磁石を仮着けした前記継鉄を挿入し、前記補強環の温
度が下って焼ばめが完了した後に、前記保持具を前記補
強環から取り外すようにしたので、 焼ばめ温度が希土類磁石のような磁石の減磁温度を超
えるような場合には、パーミアンス係数の大きい磁気回
路の構成により磁束の減少をおさえて、回転子を小形に
できるという効果があり、予め永久磁石ごとに着磁する
ので着磁装置が小形になるという効果がある。
の永久磁石を囲む補強環を焼ばめして前記永久磁石を前
記継鉄の外周に固着する永久磁石付き回転子の製造方法
において、 焼ばめのために温度を上げた前記補強環の外周を着脱
可能な磁性材からなる円筒状の保持具で保持し、この保
持具で保持された前記補強環の内側に前記着磁済みの永
久磁石を仮着けした前記継鉄を挿入し、前記補強環の温
度が下って焼ばめが完了した後に、前記保持具を前記補
強環から取り外すようにしたので、 焼ばめ温度が希土類磁石のような磁石の減磁温度を超
えるような場合には、パーミアンス係数の大きい磁気回
路の構成により磁束の減少をおさえて、回転子を小形に
できるという効果があり、予め永久磁石ごとに着磁する
ので着磁装置が小形になるという効果がある。
第1図は実施例1の斜視図、第2図は第1図の軸に直角
な部分断面図、第3図は第1図の組立工程図であり、第
4図は実施例2の組立工程図であり、第5図は従来例の
斜視図である。 2……継鉄、3……永久磁石、4……補強環、5……硬
化性樹脂、6,61,62,63……注入口、7a,7b……保持具、2
1……かご状体、21a……挿入穴。
な部分断面図、第3図は第1図の組立工程図であり、第
4図は実施例2の組立工程図であり、第5図は従来例の
斜視図である。 2……継鉄、3……永久磁石、4……補強環、5……硬
化性樹脂、6,61,62,63……注入口、7a,7b……保持具、2
1……かご状体、21a……挿入穴。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−114353(JP,A) 実開 昭61−68654(JP,U)
Claims (2)
- 【請求項1】磁性材からなる円筒状継鉄の外周に磁極を
形成する永久磁石を円周方向に複数配設してなる永久磁
石付き回転子において、 円筒の外周部に前記永久磁石を位置決めして挿入する挿
入穴を円周方向に複数設けた非磁性材からなるかご状体
を前記継鉄の外周にはめ込み、 前記永久磁石の厚さより前記かご状体の厚さを大きく
し、このかご状体と前記挿入穴に挿入した前記永久磁石
との外側に非磁性材からなる円筒状の補強環を嵌合して
固着し、前記継鉄と前記補強環との間の前記永久磁石の
周辺に硬化性樹脂を充填することを特徴とする永久磁石
付き回転子。 - 【請求項2】円筒状継鉄の外周に着磁済みの永久磁石を
配置し、この永久磁石を囲む補強環を焼ばめして前記永
久磁石を前記継鉄の外周に固着する永久磁石付き回転子
の製造方法において、 焼ばめのために温度を上げた前記補強環の外周を着脱可
能な磁性材からなる円筒状の保持具で保持し、この保持
具で保持された前記補強環の内側に前記着磁済みの永久
磁石を仮着けした前記継鉄を挿入し、前記補強環の温度
が下って焼ばめが完了した後に、前記保持具を前記補強
環から取り外すことを特徴とする永久磁石付き回転子の
製造方法。
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