JP2635766B2 - 板部材切断用数値制御プログラムの自動プログラミング装置および方法 - Google Patents

板部材切断用数値制御プログラムの自動プログラミング装置および方法

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JP2635766B2
JP2635766B2 JP1138887A JP13888789A JP2635766B2 JP 2635766 B2 JP2635766 B2 JP 2635766B2 JP 1138887 A JP1138887 A JP 1138887A JP 13888789 A JP13888789 A JP 13888789A JP 2635766 B2 JP2635766 B2 JP 2635766B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [発明の目的] (産業上の利用分野) この発明は、板部材の溶融切断に供される加工装置の
動作を制御する数値制御装置に対する動作指令用のプロ
グラム(即ち数値制御プログラム)を自動生成する自動
プログラミング装置および方法に関する。
(従来の技術) レーザ発振装置から出力されるレーザビームを利用し
てレーザ加工装置により板部材を切断するシステムで
は、レーザ加工装置の動作を、NC(数値制御)装置によ
りNCプログラムに従って制御するのが一般的である。こ
の種のシステムにおいて、板部材をレーザビームを利用
して切断する際の切断(加工)開始動作(いわゆるピア
シング加工動作)は、従来は第4図に示すように行われ
ていた。即ち、第1ステップで切断開始点Psに対する孔
明け41を、次の第2ステップで切断面アプローチ動作42
を行い、このアプローチ動作42でレーザビーム照射によ
り生じた溶融物を板部材の下方に落下させながら切断し
ていた。この板部材切断時の様子を、板部材がそれ程厚
くない場合について第5図(a)に示す。図から明らか
なように、板部材51がそれ程厚くない場合には、レーザ
ビーム52の照射により生じる板部材51の溶融物53は、上
記第1ステップの孔明け41(第4図参照)で形成された
孔(ピアシング孔)54から十分下方に落下する。したが
って第5図(a)の例では、切断周辺部分に燃焼(熱)
損傷を生じさせることなく、板部材51の正常に切断する
ことができる。一方、第5(b)に示すように板部材51
が厚い場合の切断では、レーザビーム52の照射により生
じる板部材51の溶融物53が大量に発生するため、板部材
51の下方にピアシング孔54を通して落下し切れず、図に
示すように板部材51の上面に付着する。この結果、レー
ザビーム52の照射で発生する熱の逃げ道が断たれて板部
材51の一部が発熱し、燃焼損傷55が生じる。なお、第4
図において、Peは切断終了点、43は切断軌跡、44は加工
形状であり、第5図(b)において56は発熱に伴って発
生する煙である。
(発明が解決しようとする課題) 上記したように、第1ステップで切断開始点に対する
孔明けを行い、次の第2ステップで切断面アプローチ動
作を行うように規定されたNCプログラムに従ってレーザ
加工装置を制御することで、板部材の切断を行う従来の
方式では、板部材が厚い場合にはレーザ照射による溶融
物の付着により、切断周辺部分に燃焼損傷が発生すると
いう問題があった。
この発明は上記事情に鑑みてなされたものでその目的
は、NC装置の制御下で動作するレーザ加工装置などによ
る厚板の切断を燃焼損傷を招くことなく行うためのNCプ
ログラムが簡単に生成することができる自動プログラミ
ング装置および方法を提供することにある。
[発明の構成] (課題を解決するための手段) この発明は、板部材を溶融切断加工するレーザ加工装
置などの加工装置をNC(数値制御)装置が制御するのに
供される板部材切断用NCプログラム(数値制御プログラ
ム)を自動生成する板部材切断用NCプログラムを自動プ
ログラミング装置において、上記板部材の切断加工条件
を入力された材質並びに板厚に応じて設定する加工条件
設定部であって、切断開始動作の第1ステップでの切断
開始点に対する孔明け動作によって形成される孔よりも
径大な円弧または多角形の大きさを示すパラメータ値
を、上記切断加工条件の1つとして設定する加工条件設
定部と、この加工条件設定部によって設定された切断加
工条件および入力された加工形状をもとに、上記板部材
切断用NCプログラムを生成するNCプログラム生成部(数
値制御プログラム生成部)であって、上記切断開始動作
として、上記第1ステップでの孔明け動作に加えて、次
の第2ステップで、上記パラメータ値で示される大きさ
の、上記第1ステップでの孔明け動作で形成される孔を
中心とする円弧または多角形の切断動作を、最後の第3
ステップで、上記加工形状での切断の開始位置への切断
面アプローチ動作を行う上記板部材切断用NCプログラム
を生成するNCプログラム生成部とを設けたことを特徴と
する。
(作用) 上記の構成によれば、切断対象となる板部材の材質並
びに板厚と、加工形状が指定されるならば、上記第1乃
至第3ステップから成る切断開始動作機能を含むNCプロ
グラムを自動生成することができる。しかも、このNCプ
ログラムには、孔明け(第1ステップ)と切断面アプロ
ーチ動作(第3ステップ)との間に孔明け位置を中心と
する上記孔よりも径大の円弧または多角形の切断動作
(第2ステップ)が定義されているため、同プログラム
を用いて厚板の切断を行うならば、レーザビーム等を用
いた溶融切断に際して生じる溶融物が上記第2ステップ
の切断動作で形成される孔を介して落下できるようにな
り、したがって厚板の溶融切断に伴う燃焼損傷が防止で
きる。
(実施例) 第1図はこの発明の一実施例に係る板部材切断用数値
制御プログラムの自動プログラミング装置(以下、単に
自動プログラミング装置と称する)の機能ブロック構成
図、第2図は第1図の自動プログラミング装置を適用す
るレーザ加工システムのシステム構成図である。
第2図において、21はレーザビーム22を発生するレー
ザ発振装置、23はレーザ発振装置21からのレーザビーム
22を利用して板部材の切断加工を行うレーザ加工装置で
ある。24はNC(数値制御)プログラム25に従う制御指令
26をレーザ加工装置23に出力して、同装置23の加工動作
を制御するNC装置、27はNC装置24の制御のためのNCデー
タを含むNCプログラム25を自動生成する自動プログラミ
ング装置である。
上記自動プログラミング装置27は、第1図に示すよう
に構成されている。同図において、11は板部材の切断加
工に必要な条件が設定される加工条件設定ファイル、12
は板部材を加工する形状を示す座標データ(図形デー
タ)が登録される図形データファイルである。13は切断
開始点から切断終了点までの切断順序を示すデータ(切
断シーケンスデータ)が登録される切断シーケンスデー
タファイル、14はNCデータを含むNCプログラムが登録さ
れるNCデータファイルである。15は板部材の切断加工条
件を加工条件設定ファイル11に設定する加工条件設定
部、15aは加工条件設定部15による加工条件設定に供さ
れる各種条件が、切断対象板部材の材質並びに板厚に対
応して登録されている条件テーブルである。16はユーザ
が所望する加工形状を定義する図形データを作成して図
形データファイル12に登録する加工図形作成部、17は加
工条件設定ファイル11および図形データファイル12の内
容をもとに、切断開始点から切断終了点までの切断順序
を決定して対応する切断シーケンスデータを生成し、切
断シーケンスデータファイル13に登録する切断シーケン
ス生成部である。18は加工条件設定ファイル11および切
断シーケンスデータファイル13の内容をもとにNCプログ
ラムを生成し、NCデータファイル14に登録するNCプログ
ラム生成部、19はNCデータファイル14に登録されている
NCプログラムをNCテープ等の記録媒体に出力するNCデー
タ出力部である。
次に、第1図の自動プログラミング装置27の動作を説
明する。
まず、加工条件設定部15は、切断対象となる厚板(板
部材)の材質並びに板厚がユーザ操作によって指定され
ると、条件テーブル15aを参照し、厚板切断の加工条件
として、切断開始移動パラメータ、更には第2図のレー
ザ加工装置23の特性を考慮した切断スピード、(第2図
のレーザ発振装置21の)レーザビーム発振周波数並びに
レーザビーム出力量を、加工条件設定ファイル11に設定
する。上記切断開始移動パラメータは、切断開始点に対
する孔明け動作と切断面アプローチ動作との間に設定さ
れる新規な切断動作で切断される微小円弧の半径rの値
と切断面アプローチの距離dから成る。この切断開始移
動パラメータを含む上記の各種加工条件は、板部材の材
質並びに板厚の種々の組合わせについて実験等を繰返す
ことで、その最適値を板部材の材質並びに板厚の組合わ
せ毎に予め求めておくことができる。そして、この求め
た最適な条件を板部材の材質並びに板厚に対応させて条
件テーブル15aに登録しておくことにより、ユーザは単
に切断対象となる板部材の材質並びに板厚を指定するだ
けで、加工条件設定部15による最適な加工条件設定が可
能となる。
加工条件設定部15による加工条件設定が終了すると、
加工図形作成部16に制御が渡される。加工図形作成部16
は、ユーザが指定する加工形状を座標データで定義した
図形データを作成し、図形データファイル12に登録す
る。なお、加工条件設定部15に先行して加工図形作成部
16の動作が行われても構わない。
加工条件設定部15および加工図形作成部16の動作が終
了すると、切断シーケンス生成部17に制御が移る。切断
シーケンス生成部17は、加工条件設定ファイル11に設定
されている切断開始移動パラメータ(r,a)および図形
データファイル12に登録されている加工形状を示す図形
データに従って、切断開始動作の開始点(切断開始点)
から切断終了点に至る軌跡、即ち切断開始動作(ここで
は、孔明け、微小円弧の切断および切断面アプローチか
ら成る動作)の軌跡と加工形状の軌跡を描いて切断順序
を決定し、そのための動作指令手段(切断シーケンス)
を示すデータ(切断シーケンスデータ)を生成する。そ
して加工条件設定部15は、生成した切断シーケンスデー
タを切断シーケンスデータファイル13に登録する。
切断シーケンス生成部17の動作が終了すると、NCプロ
グラム生成部18に制御が移る。NCプログラム生成部18
は、切断シーケンスデータファイル13に登録されている
切断シーケンスデータの示す動作指令手順と、加工条件
設定ファイル11に設定されている切断スピード、レーザ
ビーム発振周波数並びにレーザビーム出力量をもとに、
NCプログラムを生成し、NCデータファイル14に登録す
る。NCデータ出力部19は、NCデータファイル14によって
生成されたNCプログラムをNCデータファイル14から取出
し、同プログラムを第2図に示すNC装置24に渡すために
NCテープ等の記録媒体に出力する。
次に、以上のようにして自動プログラミング装置27に
より生成されたNCプログラムに従う、第2図のシステム
における厚板切断の特に切断開始動作について、第3図
(a),(b)の動作説明図を参照して説明する。な
お、第3図(d)は第3図(a)において符合Aで示さ
れる範囲の切断軌跡を拡大して示す図である。
まずレーザ加工装置23は、上記NCプログラムに従うNC
装置24の制御のもとで、切断開始動作の第1ステップを
実行する。この第1ステップでは、板部材の切断開始点
Psに対する孔明け31が、レーザ発振装置21から出力され
るレーザビーム22を用いて従来と同様に行われる。次に
レーザ加工装置23は、切断開始動作の第2ステップを実
行する。この第2ステップでは、従来と異なって、前記
した切断開始移動パラメータ(r,d)のrの値によって
決まる半径を持つ微小円弧を、第3図(b)に示すよう
に、H→I→Jの軌跡で切断し、レーザビーム22により
溶解した部材(溶融物)が板部材下方に確実に落下する
のに必要な半径rの(第1ステップの孔明け31によって
形成された孔よりも径大な)孔35を板部材に形成する。
次にレーザ加工装置23は、切断開始動作の最終ステップ
である第3ステップを実行する。この第3ステップで
は、前記した切断開始移動パラメータ(r,d)のdで示
される距離の切断面アプローチ動作32が行われる。そし
てレーザ加工装置23は、切断面アプローチ動作32を行う
と、第3図(a)において符合34で示されるユーザ指定
の加工形状の軌跡(切断軌跡)33を切断終了点Peに至る
まで描く。
なお、前記実施例では、板部材の溶融物を確実に落下
させるために、孔明け動作と切断面アプローチ動作との
間に、円弧を切断するものとして説明したが、これに限
るものではなく、例えば多角形でも可能である。また、
板部材の切断にレーザ加工装置を用いた場合について説
明したが、本発明はガス切断装置を用いて熱処理にて切
断を行う場合にも応用できる。
[発明の効果] 以上詳述したようにこの発明によれば、切断対象とな
る板部材の材質並びに板厚と、加工形状を指定するだけ
で、上記切断開始動作機能を含むNCプログラムを自動生
成することができる。しかも、このNCプログラムには、
孔明け(第1ステップ)と切断面アプローチ動作(第3
ステップ)との間に孔明け位置を中心とする上記孔より
も径大の円弧または多角形の切断動作(第2ステップ)
が定義されているため、同プログラムを用いて厚板の切
断を行うならば、レーザビーム等を用いた溶融切断に際
して生じる溶融物が上記第2ステップの切断動作で形成
される孔を介して落下できるようになり、したがって厚
板の溶融切断に伴う燃焼損傷が防止できる。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明の一実施例に係る自動プログラミング
装置(板部材切断用数値制御プログラムの自動プログラ
ミング装置)の機能ブロック構成図、第2図は第1図の
自動プログラミング装置を適用するレーザ加工システム
のシステム構成図、第3図は第1図の自動プログラミン
グ装置により生成されるNCプログラムを用いて実現され
る切断開始動作の一例を説明するための図、第4図は従
来の切断開始動作を説明するための図、第5図は上記従
来の切断開始動作による板部材切断時の様子を説明する
ための図である。 11……加工条件設定ファイル、12……図形データファイ
ル、13……切断シーケンスデータファイル、14……NCデ
ータファイル、15……加工条件設定部、15a……条件テ
ーブル、16……加工図形作成部、17……切断シーケンス
生成部、18……NCプログラム生成部、21……レーザ発振
装置、22……レーザビーム、23……レーザ加工装置、24
……NC装置、27……自動プログラミング装置、31……孔
明け、32……切断面アプローチ動作、33……切断軌跡、
34……加工形状、35……孔。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】板部材を溶融切断加工する加工装置を数値
    制御装置が制御するのに供される板部材切断用数値制御
    プログラムを自動生成する板部材切断用数値制御プログ
    ラムの自動プログラミング装置において、 上記板部材の切断加工条件を入力された材質並びに板厚
    に応じて設定する加工条件設定部であって、切断開始動
    作の第1ステップでの切断開始点に対応する孔明け動作
    によって形成される孔よりも径大な円弧または多角形の
    大きさを示すパラメータ値を、上記切断加工条件の1つ
    として設定する加工条件設定部と、 上記加工条件設定部によって設定された上記切断加工条
    件および入力された切断すべき加工形状をもとに、上記
    板部材切断用数値制御プログラムを生成する数値制御プ
    ログラム生成部であって、上記切断開始動作として、上
    記第1ステップでの上記孔明け動作に加えて、次の第2
    ステップで、上記パラメータ値で示される大きさの、上
    記第1ステップでの上記孔明け動作で形成される孔を中
    心とする円弧または多角形の切断動作を、最後の第3ス
    テップで、上記加工形状での切断の開始位置への切断面
    アプローチ動作を行う上記板部材切断用数値制御プログ
    ラムを生成する数値制御プログラム生成部とを具備する
    ことを特徴とする板部材切断用数値制御プログラムの自
    動プログラミング装置。
  2. 【請求項2】板部材を溶融切断加工する加工装置を数値
    制御装置が制御するのに供される板部材切断用数値制御
    プログラムを自動生成する板部材切断用数値制御プログ
    ラムの自動プログラミング方法において、 切断対象となる上記板部材の材質並びに板厚を入力し
    て、上記板部材の切断加工条件を上記入力した材質並び
    に板厚に応じて設定し、この切断加工条件設定の際に
    は、切断開始動作の第1ステップでの切断開始点に対す
    る孔明け動作によって形成される孔よりも径大な円弧ま
    たは多角形の大きさを示すパラメータ値を、上記切断加
    工条件の1つとして設定し、 しかる後に、上記板部材の切断すべき加工形状を入力
    し、上記設定した上記切断加工条件および上記入力した
    加工形状をもとに、上記切断開始動作として、上記第1
    ステップでの上記孔明け動作に加えて、次の第2ステッ
    プで、上記パラメータ値で示される大きさの、上記第1
    ステップでの上記孔明け動作で形成される孔を中心とす
    る円弧または多角形の切断動作を、最後の第3ステップ
    で、上記加工形状での切断の開始位置への切断面アプロ
    ーチ動作を行う上記板部材切断用数値制御プログラムを
    生成することを特徴する板部材切断用数値制御プログラ
    ムの自動プログラミング方法。
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