JP2634193B2 - ヒトプロアポリポタンパク質a−1の発現 - Google Patents

ヒトプロアポリポタンパク質a−1の発現

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Description

【発明の詳細な説明】 発明の分野 本発明は、ヒトアポリポタンパク質A−Iをコードす
る配列から構成される新規な組換えDNA配列、これらのD
NA配列を含有するクローニングおよび発現ベクター、こ
れらの発現ベクターで形質転換した宿主細胞、ならびに
新規な組換えDNA配列、ベクターおよび形質転換体を用
いてヒトプロアポリポタンパク質を製造する方法に関す
る。
発明の背景 ヒトプロアポリポタンパク質A−I(アポA−I)は
高密度リポタンパク質(HDL)およびリンパカイロミク
ロンの主要タンパク質構成成分である。肝臓および小腸
がアポタンパク質合成の一次部位である。これらの臓器
ではアポA−Iはプレカーサータンパク質(プレプロア
ポA−I)として合成される。このペプチドの共翻訳切
断が細胞内で起こり、プロアポA−Iが血漿およびリン
パ中に分泌される。
プロアポA−IはアポA−Iのアミノ末端に付着した
さらに6個のアミノ酸(Arg−His−Phe−Trp−Gln−Gl
n)を有する。血管空隙に達するとプロアポA−Iは特
異的なタンパク質分解酵素(アポA−Iプロペプチダー
ゼ)によつてin vivoで切断され、成熟アポA−Iを生
成する。
成熟アポA−Iは単一のグリコシル化されていないポ
リペプチドであり、243個のアミノ酸残基からなる配列
が知られている(H.B.Brewerほか:Biochem.Biophys.Re
s.Commun.,80:623−630,1978)。これは血漿酵素レシチ
ン、コレステロールアシルトランスフエラーゼの補因子
として働き、血漿中における大部分のコレステロールエ
ステルの生成に関係している。アポリポタンパク質構成
または生合成の欠陥は血漿リピド輸送系の異常を生じ、
冠動脈疾患の発症を招く。血漿中のアポA−IおよびHD
Lレベルの低下は、心臓発作(心筋梗塞)および他の動
脈硬化性血管疾患の強力な危険因子であることが明らか
にされている。すなわち、アポA−Iをコードする遺伝
子の突然変異は、HDLレベルの低下および冠動脈疾患の
早発を伴う。アポA−IおよびHDLは末梢組織(動脈)
から肝臓へ、体外への排泄のためのコレステロール輸送
(いわゆる逆コレステロール輸送)を分担している主要
な血漿成分である。動脈へのコレステロールの蓄積は、
動脈硬化の特質であり最も重要な過程であるから、アポ
A−Iの供給による逆コレステロール輸送の刺激は動脈
硬化過程を遅延または逆転させ、したがつて心臓発作の
発現率を低下させることができる。
プロアポA−IのアポA−Iへの成熟は、血液中にお
ける滞留時間12時間未満内に定量的に細胞外で起こる。
プロアポA−Iは、唯一ではないとしても、成熟アポA
−Iへの主要なプレカーサーであるので、たとえば先天
性または後天性欠損によつてHDLレベルが低下したとき
は常に、置換療法に使用することが可能である。アポA
−Iの一般的な治療的有用性のために、研究者達によつ
てアポA−Iを大量に生産する方法が探求されてきたの
である。古くは、血漿からのアポA−Iの精製が行われ
ていた。また、プレプロアポA−Iをコードする相補的
DNAをよく知られた遺伝子操作技術によつて取得できる
ことがいくつかの文献に示されている(P.Cheung & L.
Chan:Nucleic Acide Res.11:3703−3715,1983:J.J.Seil
hamerほか:DAN,:309−317,1984および日本特許出願第
96998/86号)。R.Lorenzettiら(FEBS Lett.194:343−3
46,1986)はE.coli中、β−ガラクトシダーゼとの切断
不能の融合タンパク質としてアポA−Iを発現できるこ
とを明らかにしている。しかしながら、成熟アポA−I
を非融合タンパク質として発現させる試みは成功してい
ない。
上述の日本特許特許出願第96998/86号には、アポA−
I構造遺伝子をtacプロモーターの制御下に含有するプ
ロスミドPHAIE−Iで形質転換したE.coli中におけるヒ
トアポリポタンパク質A−I様タンパク質の発現が記載
されている。しかしながら、構造遺伝子は完全ではな
く、ATG翻訳開始コドンに続くアミノ酸+4〜+243のコ
ドンから構成されている。その結果、得られた発現生成
物はN末端メチオニンを含有し(ATGコドンに相当す
る)、治療に使用した場合に副次的作用を生じる可能性
が考えられる。J.B.Malloryら(J.Biol.Chem.262:4241
〜4247,1987;PCT国際特許出願WO86/04920およびWO87/02
062)には、チヤイニーズハムスター卵巣細胞中におけ
る(動物細胞培養)ヒトアポリポタンパク質A−Iの発
現が開示されている。用いる構築体は全ヒトプレプロア
ポリポタンパク質A−I遺伝子を含有しているが、分泌
されるアポA−Iタンパク質のわずか5〜10%がプロア
ポA−Iであり、残部は成熟アポA−Iタンパク質であ
ることから、チヤイニーズハムスター卵巣細胞はプロア
ポ型を処理して成熟アポ型にするものと思われる。この
系の産生能は比較的低く、0.55×106個の細胞が24時間
中にわずか25〜30μg/mlのアポA−Iを分泌するにすぎ
ない。PCT国際特許出願WO87/02062には、一部の実施例
で、他の宿主たとえばE.coli(細胞宿主)およびS.cere
visiae(酵母)におけるヒトアポリポタンパク質A−I
の発現が記載されている。しかしながら、使用された構
築体はプロアポ型に関する遺伝情報を含んでおらず、得
られたタンパク質はヒトプロアポリポタンパク質A−I
ではない。
発明の要約 本発明は、組換えDNA技術によつてヒトプロアポリポ
タンパク質A−I、すなわち特異的タンパク分解アポA
−Iプロペプチダーゼ酵素によつて切断されやすい成熟
プロアポA−Iタンパク質を製造する手段および方法を
意図するものである。本明細書において用いられる「成
熟」の語は、ヒトプロアポA−I自体を意味するが、同
時に、その発現ベクター構造中におけるATG翻訳開始コ
ドンのために存在する最初のアミノ酸としてメチオニン
が先行する相当するタンパク質をも包含する。本発明
は、ヒトプロアポA−IをコードするDNA配列からなる
クローニングおよび発現ベクターの構築に関する。この
ベクターは増幅が可能で、したがつて成熟ヒトプロアポ
A−Iタンパク質、ならびにそのMet−,融合、シグナ
ルN末端抱合体の発現が可能である。同様に、本発明
は、このようなベクターを含有することによつて遺伝子
が変化し、ヒトプロアポA−Iポリペプチドを産生でき
る生存細胞培養物または微生物に関する。さらに、本発
明は、天然環境または原料中に存在するまたはそれから
単離される状態とは異なる物理的状態におけるヒトプロ
アポA−Iを提供する。本発明における製造方法によれ
ば、ヒトプロアポA−Iは通常の内因性タンパク質およ
び他の天然物質を含まない。本発明は、ヒトプロアポA
−Iの組換えDNAによる製造のすべての態様を意図する
ものであつて、これは本明細書に記載された特定の細部
によつて限定されるものではなく、本発明の範囲に包含
される。
本発明の基本的態様の一つは成熟ヒトプロアポA−I
から構成されるまたはそれを含有し、したがつてアポA
−Iプロペプチダーゼのタンパク分解作用によつて成熟
ヒトマポA−Iにin vitroおよびin vivoで変換できる
タンパク質の製造である。治療の目的には、ヒトプロア
ポA−I生成物をそのまま使用することもできるし、ま
たメチオニン残基の存在が医薬的に許容されるものであ
ればMet−プロアポA−Iも使用できる。これらの生成
物は血流中において、天然のプロペプチダーゼにより自
然に効率的に変換されて成熟ヒトアポA−Iを生成でき
るからである。所望により、ヒトプロアポA−I生成物
は、N−末端メチオニンを処理できる、すなわちアミノ
末端メチオニンを欠く型のヒトプロアポA−I生成物を
産生できる選ばれた微生物または培養細胞中で製造する
こともできる。また、ヒトプロアポA−I生成物は、そ
れがアミノ末端メチオニン残基をもつかもたないかとは
関係なくin vitroで切断して、治療目的に使用できる成
熟ヒトアポA−Iを得ることも可能である。これは融合
およびシグナルN末端抱合体についてもいえる。切断す
ればN末端メチオニンを欠く標準ヒトアポA−Iが生成
する。
本発明の第二の重要な態様は、ヒトプロアポA−I分
子の少なくとも一部についての修飾された暗号配列の使
用である。この修飾された暗号配列はヘアピン形成を低
減あるいは防止することにより翻訳効率を改善する。Lo
renzettiら(FEBS Lett.194:343〜346)が非融合成熟ア
ポA−Iタンパク質の発現を検知できなかつたのは、多
分、そのDNA構築体がヘアピン構造をかなり形成しやす
く、その結果、発現の効率が著しく悪かつたことによる
と考えられる。本発明者らは、ヒトプロアポA−Iのア
ミノ酸−6〜+14の暗号配列中の数個のコドンを適当に
修飾することによつて、驚くべきことに効率的な発現が
保証されることを発現し、本発明を完成した。本明細書
において用いられる「適当な修飾」の語は一部の天然コ
ドンを別のコドンすなわち遺伝子コードに従い同一のア
ミノ酸を表すコドンに置換すること、さらにその修飾が
同時にヘアピン生成の低減または防止さえももたらすこ
とを意味する。DNA配列の修飾がプロペプチダーゼ切断
部位の性質に影響を与えず、プロペプチダーゼによつて
認識されるアミノ酸配列が構造中に保持されていること
がこの場合重要である。
タンパク質レベルにおいては、本発明は、遺伝子を変
化させた細胞の培養物または微生物の生成物であるヒト
プロアポA−Iに関する。このヒトプロアポA−Iは成
熟プロアポA−Iの形でも、メチオニン残基が前につい
ている成熟プロアポA−Iの形でも、融合タンパク質た
とえば融合β−ガラクトシダーゼ−プロアポA−Iタン
パク質の形でも、またプレプロアポA−I生成物の形で
あつてもよい。生成物は通常の内因性タンパク質または
この関係タンパク質の天然原料(血漿)に共通する他の
天然物質を実質的に含まないものである。この製造に使
用される細胞培養物または微生物は特定の細胞系および
生物に限定されるものではなく、原核生物および真核生
物細胞の両者が、動物およびヒト細胞系を含めて利用で
きる。全く例示のみの目的で、本明細書においては、E.
coliバクテリア(原核生物細胞の代表として)および酵
母Saccharomyces cerevisiaeならびにバクロウイルス感
染昆虫細胞(真核生物細胞の代表として)における発現
を例示する。
タンパク質レベルでは、本発明はまた、上記ヒトプロ
アポA−IのA−Iプロペプチダーゼ処理により得られ
るヒトアポA−Iに関する。このヒトアポA−Iは成熟
ヒトアポA−Iの標準型と同一で、アミノ末端メチオニ
ン残基を欠くものである。
使用のレベルにおいては、本発明は上記ヒトプロアポ
A−Iおよび/または上記ヒトアポA−I、およびさら
に少なくとも1種の医薬的に許容される担体、溶媒、希
釈剤または賦形剤を投与経路および医薬組成物の処方に
関する通信の配慮によつて適当に選択して含有する医薬
組成物に関する。
DNAレベルにおいては、本発明は、ヒトプロアポA−
Iをコードする配列において、天然暗号配列の一部が同
じアミノ酸をコードするがヘアピンの形成を低減または
防止するように異なるヌクレオチド配列で置換された組
換えDNA配列に関する。とくに好ましい態様において
は、プロアポA−Iのアミノ酸−6から+14までをコー
ドする天然配列が、次の配列(一本鎖のみを示す) 5′−ATGAGACATTTCTGGCAGCAGGACGAACCTCCACAATCTCCTTG
GGATAGAGTTAAGGACTTG−3′ で置換されている。この配列は、添加されたATG翻訳開
始コドンならびにアミノ酸残基−6,−1,+1,+3,+4,+
5,+6,+7,+10,+11および+14の修飾コドンからな
る。
DNAレベルにおいては、本発明はまた、ヒトプロアポ
A−Iをコードする上述の組換えDNAからなる複製可能
なクローニングまたベクターおよび発現ベクターに関す
る。本発明はとくに、以下にその構造を記述する組換え
プラスミドpULB9291,pULB9292,pULB9296,pULB9299,pNIV
1612およびpNIV1613に関する。はじめに挙げたプラスミ
ドpULB9291およびpULB9292は、修飾プロアポA−I構造
遺伝子と、その前部にATGコドンを含有し、フアージラ
ムダPLプロモーターの制御下にある。これらのプラスミ
ドは、E.coliに適当な発現ベクターであり、プロペプチ
ダーゼで切断されて標準成熟ヒトアポA−Iを生成でき
るヒトプロアポA−Iの合成を意図するものである。プ
ラスミドpULB9296はE.coli中に導入した場合、β−ガラ
クトシダーゼとヒトプロアポA−Iからなる融合タンパ
ク質を、E.coli lacプロモーター領域の制御下に発現す
るものである。融合生成物はなおプロペプチダーゼ切断
部位を含有するので、切断されて標準成熟ヒトアポA−
Iを生成することが可能である。
プラスミドpULB9299酵母種における発現ベクターとし
て適当で、酵母での効率的な発現を実現するためにARG3
プロモーターと転写ターミネーター領域からなる。この
場合も、ヒトプロアポA−I生成物はプロペプチダーゼ
で切断され、標準成熟ヒトアポA−Iを生成することが
できる。プラスミドpULB1612はE.coli ompAタンパク質
シグナルペプチドのDNA配列に融合したプロポアA−I
構造遺伝子を含有し、lpp(リポタンパク質)プロモー
ターおよびlacプロモーター−オペレーターの制御下に
ある。構造は、プロアポA−I配列の前にompAシグナル
ペプチドをコードする配列があつて、ATG翻訳開始コド
ンは含まれていない。このプラスミドはE.coliに適当な
分泌ベクターであつて、N末端メチオニンをもたず、ペ
リプラズムに分泌されるヒトプロアポA−Iの合成を意
図するものである。プラスミドpNIV1613はヒトプロアポ
A−I cDNA配列をバクロウイルス中に導入するための輸
送ベクターである。これはバクロウイルスのポリヘドリ
ンプロモーターとプロアポA−I構造遺伝子からなり、
ATG翻訳開始コドンを含有する。野生型バクロウイルス
(Autographa California,核多角体病ウイルス、AcNP
V)とともに、プラスミドpNIVは昆虫細胞中でのプロア
ポA−Iの合成を意図するものである。これは昆虫細胞
中での翻訳後修飾によりメチオニンを除去できる。
最後に本発明は、上述のクローニングベクターまたは
発現ベクターで形質転換された培養細胞および微生物、
とくにヒトプロアポA−Iを産生できる形質転換培養細
胞および微生物に関する。本明細書において用いられる
「形質転換された」の語は、遺伝子が変化したという広
い意味を有するものであり、バクテリア形質転換のせま
い概念に限定されるものではない。使用するベクターの
種類およびそのために選択された宿主に応じて、求める
遺伝子変化を得るのに適した任意の遺伝子操作技術が使
用できる。たとえば、トランスフエクシヨン、トランス
ダクシヨン等が包含される。本発明によつて製造された
培養細胞および微生物はヒトプロアポリタンパク質A−
Iの工業的規模における発酵生産に使用することができ
る。
好ましい態様の説明 本明細書に記載された発明は、とくに、微生物E.coli
K12株MM294(endoA thi−,hsd R,sup E)を使用して
実施された。この株はAmerican Type Culture Collecti
onに寄託されていて(ATCC33625号)、自由に入手でき
る。しかしながら、各種の他の微生物株が有用である。
公知のE.coli株たとえばE.coil B,E.coli x1776(ATCC3
1537号、1979年7月3日寄託、制限なし)、E.coli AR5
8an N99(ATCC33956号)のC III-,CI857,bio-,デルタH
機能欠損ラムダ誘導体(PL−Pharmaciaから市販されて
いる:J.E.Mottほか:proc.Natl.Acad.Sci.USA,82:88〜9
2,1985;G.Devareら:Cell,36:43〜49,1984)、E.coli JM
101(ATCC33876号)(J.Messingら:Nucleic Acids Res.
:309〜321,1981)またはE.coli JA221(lpp-,hdsM+,t
rp E5,leu B6,lacY,rec AI/F′,lac Iq,lac+,pro+
(J.Ghrayebほか:EMBO J.,:2437〜2442,1984)、また
そのほか公認された微生物寄託機関たとえばAmerican T
ype Culture Collection(ATCC)に寄託され、入手可能
なな場合が多い他の微生物株(ATCCカタログ参照)が使
用できる。これらの他の微生物としては、たとえばBaci
llus subtilisのようなBacilliおよび他の腸内細菌たと
えばSalmonella TyphimuriumおよびSeriatia marcesans
があり、異種遺伝子配列を複製し、発現できるプラスミ
ドが用いられる。
バクテリアたとえばE.Coli用の発現プラスミドはいず
れも、ベクターとしてpBR322(ATCCに寄託番号37017号
として寄託されている)を用いて誘導され、共通のまた
は合成により作成した制限部位を利用して、機能的プロ
モーターとともに操作可能な読み取り枠で異種遺伝子な
らびに翻訳開始および停止コドンを適当に挿入して作成
される。ベクターには1種または2種以上の表現型選択
特性遺伝子および複製オリジンを、宿主内での増幅を保
証するために、含有させることもできる。この場合も、
異種挿入体をたとえばlacシステム遺伝子から誘導でき
る融合プレ配合ともに発現するように配置することも可
能である。
バクロウイルス発現ベクターたとえばpacRP6またはpA
cYM1(Y.Matsuuraほか:J.Gen.Virol.68:1233〜1250,198
7)と野生型バクロウイルス(Autographa californica
核多角体病ウイルス,AcNPV)が現在では広く用いられて
いる。これらは文献に詳細に記載されていて、Texas Ag
ricultural Experiment Stationから入手することがで
きる。
本発明によればまた、適合性あるいは発現ベクターの
宿主として各種の昆虫細胞、たとえばSpodoptera frugi
perda細胞、Sf9(M.D.Summer & G.E.Smith.A Manual o
f Methods for Baculovirus Vectors and Insect cell
culture Procedures,Texas University,College Statio
n(1987):ATCC CRL1711)を使用することもできる。
本発明によればまた、適合性ある発現ベクターの宿主
として、各種の酵素株、たとえばE.coliおよび酵母の両
者とくにSaccharomyces cerevisiae中で選択および複製
が可能なプラスミドYPp7(D.T.stinchcombほか:Nature,
282:39〜43,1979)も使用できる。有用な酵母株として
はAmerican Type Culture Collectionに制限なしで寄託
されている(ATCC44076号)RH218株(G.Miozzariほか:
J.Bacteriol.134:48〜59,1978)、leu2−3,leu2−112,p
ep4−3遺伝子型(M.Hoylaertsほか:FEBS Lett.204:83
〜87,1986)を有する10S44C株(T.Cabezonほか:Proc.Na
tl.Acad.Sci.USA,81:6594〜6598,1984)、およびIc1697
d株(argJ.leu2−1)アルギニンブラドトロフ(ATCC20
631号)を挙げることができる。
図面の簡単な記述 第1A図および第1B図はヒトプレプロアポA−Iのヌク
レオチドおよびアミノ酸配列を示す。ヒトプレプロアポ
A−I mRNAのヌクレオチド配列は、cDNAク5ローンpULB
1609のDNA配列解析によつて決定した。シグナルペプチ
ド、プロペプチドおよび成熟アポA−Iポリペプチドの
予測されるアミノ酸を示し、アポA−Iタンパク質の最
初のアミノ酸残基から番号を付した。クローンの単離の
ために用いた合成DNAプローブに相当する領域には下線
を付す。
アミノ酸残基の一文字略号は、A,アラニン;C,システ
イン;D、アスパラギン酸;E,グルタミン酸;F,フエニルア
ラニン;G,グリシン;H,ヒスチジン;I,イソロイシン;K,リ
ジン;L,ロイシン;M,メチオニン;N,アスパラギン;P,プロ
リン;Q,グルタミン;R,アルギニン;S,セリン;T,スレオニ
ン;V,バリン;W,トリプトフアン;およびY,チロシンであ
る。
第2図は、プロペプチドの6個のアミノ酸および成熟
アポA−Iポリペプチドの最初の14個のアミノ酸をコー
ドするDNAフラグメントと開始ATGコドンの構築のための
オリゴヌクレオチドアダプターの合成図である。矢印は
65/61bp Nco I−Bal Iフラグメントを合成するために用
いたオリゴヌクレオチドを示している。
第3図は、PLラムダ調節領域とプロアポA−Iヌクレ
オチド配列を有するpULB9291の構築を示している。
第4図は、E.coli lacプロモーターと融合β−カラク
トシダーゼ−プロアポA−Iヌクレオチド配列を有する
pULB9296の構築を示している。
第5図は、酵母ARG3調節領域とプロアポA−Iヌクレ
オチド配列を有するpULB9299の構築を示す。
第6A図、第6B図、第6C図は、lacおよびlpp調節領域、
ompAシグナルペプチドをコードする配列およびプロアポ
A−Iヌクレオチド配列を有するpNIV1612の構築を示
す。
第7図は、ポリヘドリン遺伝子調節領域およびプロア
ポA−Iヌクレオチド配列を含有するpNIV1613の構築を
示す。
発明の詳細な記述 RNAプレパレーシヨン:ヒト肝臓総RNAはグアニジニウ
ムクロライド法によつて製造した(R.A.Cox,Methods En
zymol.XII,part B,120〜129,1968)。この総RNAプレパ
レーシヨンをついでオリゴ(dT)セルロースカラムに通
して総ポリA+RNAを得た(T.Maniatisほか:Molecular Cl
oning,Cold Spring Harbor Laboratory,Cold Spring Ha
rbor,New York,1982)。ヒト肝臓10gからポリA+RNA200
μgが得られた。
相補的DNA(cDNA)のin vitroでの合成 総ポリA+RNA0.1〜0.5μgを含有する逆転写反応液を
オリゴ(dT)12〜18(約1μg,入手先:Boethringer)で
プライミングした。ついで一本鎖cDNAを同じ逆転写酵素
で二本鎖分子(cDNAds)に変換した。このcDNAdsプレパ
レーシヨン通常は1μgをS1ヌクレアーゼで処理してブ
ラント末端を作成した。操作は本技術分野においてよく
知られているとおりで、詳細はT.Maniatisら(前出)に
記載されている。次にcDNAdsをL.Villa・Komaroffら(P
roc.Natl.Acad.Sci.USA,75:3727〜3731,1978)によつて
記載された方法でオリゴ(dC)テールを付した。通常cD
NAds100ngを酵素、末端デオキシヌクレオチジルトラン
スフエラーゼで処理する。一般に、cDNAds分子の3′末
端に15塩基の延長が行われる。
テールを付したcDNAdsのプラスミドベクターpBR322への
クローニング pBR322プラスミドDNAを酸素Pst Iによつて線状とし、
R.M.Lawnら(Nucleic Acids Res.:6103〜6114,1981)
によつて記載されたようにしてオリゴ(dG)テールを付
した。オリゴ(dC)テールを付したcDNAdsをオリゴ(d
G)テールを付したpBR322DNAと等モル比で混合した。通
常、混合物50μgをアニーリングして、プラスミドを再
び環化した。条件は本技術分野においてよく知られてい
るとおりで、R.M.Lawnら(前出)によつて詳述されてい
る。次にアニーリング混合物を用い、R.M.Lawnら(前
出)によつて記載されたようにしてコンピーテントE.co
li細胞、MM294株を形質転換した。テトラサイクリン上
で生育させることにより数百の形質転換体が得られた。
この抗生物質に対する抵抗性はpBR322プラスミドによつ
て付与されたものである。形質転換体はアンピシリンに
対する感受性によつてアツセイした。このベクターへの
異種DNAの挿入はアンピシリン遺伝子を不活性化するの
で、感受性のものはキメラプラスミドを含有する。
cDNAライブラリーのスクリーニング E.coli形質転換体を、アポA−I遺伝子のフラグメン
トに相当する合成オリゴヌクレオチドの32P5′末端標識
体でスクリーニングした。ヒトアポA−Iのヌクレオチ
ド配列は公知である(P.Cheugのほか:前出およびJ.J.S
eilhamerほか:前出参照)。したがつて、遺伝子の5′
末端に相当する22塩基長のオリゴヌクレオチドプローブ
をN.D.Sinhaら(Nucleic Acds.Res.12:4539〜4557,198
4)の方法によつて化学的に合成するのが便利である。
選択された配列は、5′−GCTGCGGTGCTGACCTTGGCCG−
3′である。合成オリゴヌクレオチドは、ハイブリダイ
ゼーシヨン実験に使う前に、T4ポリヌクレオチドキナー
ゼ(P−L Biochemicals)および〔γ−22P〕ATPを用い
てその5′末端をホスホリル化した。標識およびハイブ
リダイゼーシヨンの条件は本技術分野においてよく知ら
れているとおりで、T.Maniatisら(前出)およびA.Boll
enら(DNA,:255〜264,1983)によつて詳細に記載され
ている。
発現プラスミドの構築 DNAの製造、DNAフラグメントの単離の操作、ならびに
制限酵素解析およびフラグメントのリゲーシヨンの条件
は本技術分野においてよく知られているとおりで、R.M.
Lawnほか(前出)およびT.Cabezonら(前出)によつて
詳細に記載されている。これらが本発明の場合にも適用
できる。発現ベクターのプロモーターと遺伝子の5′末
端を接続するフラグメントの合成は以下に述べる。
Nco I−Bal Iフラグメントの合成 65/60bp Nco I−Bal Iフラグメントの合成に使用され
る35−mer,30−mer,18merおよび43−merオリゴヌクレオ
チドの設計の基本になる原理は第2図に詳細に示す。30
−merおよび18−mer合成フラグメントの5′末端をT4ポ
リヌクれオチドキナーゼ(P−L Biochemicals)を用い
てホスホリル化した。非ホスホリル化35−merおよび43
−merを含めて各1μgのオリゴヌクレオチドを一緒
に、300mM酢酸ナトリウム(pH7.0)中、95℃に3分間加
熱しついで4℃まで徐々に冷却して、アニーリングし
た。アニーリング反応液はそのまま、発現プラスミド構
築のためのクローニング操作に使用した。
DNA配列決定 DNA配列解析は、A.M.Maxam & W.Gilbert(Proc.Nat
l.Acad.Sci.USA,74:560〜564,1977)およびF.Sangerら
(Proc.Natl.Acad.Sci.USA,74:5463〜5467,1977)の方
法によつて実施した。
タンパク質分析 ヒトプロアポA−I発現プラスミドpULB9291,pULB929
2,pULB9296およびpULB9299(それぞれE.coli株AR58,JM1
01または酵母株10S44cを形質転換)を有する株の発酵中
様々な段階で10D630単位を含有する細胞ペレツトを採取
した。各サンプルを、2%ドデシル硫酸ナトリウム(SD
S)、6M尿素、10%グリセロールおよび5%2−メルカ
プトエタノールを含有する50mM Tris−HCl緩衝液pH6.8
に再懸濁し、3分間煮沸した。サンプルU.K.Laemmli(N
ature,227:680〜685,1970)のポリアクリルアミドゲル
中電気泳動に付した。全タンパク質をクーマシーブリリ
アントブルー染色によつて発色させ、合成されたヒトプ
ロアポA−Iはウエスタンブロツト解析(A.Bollenほ
か:前出)によつて同定した。
ヒトプロアポA−Iのバクテリア、酵母およびバクロウ
イルス感染昆虫細胞中での発現のための組換えベクター
の構築 1. ヒトプレプロアポA−Iのための初期cDNAクロー
ン:pULB1609(第1図) ヒト肝ポリA+RNAに相当するcDNAdsのbBR322Pst I部位
へのクローニングから誘導された数百の形質転換体を上
述の22−merアポA−I合成プローブでスクリーニング
した。クローンのひとつがアツセイにおいて強力なハイ
ブリダイゼーシヨンシグナルを与えた。pULB1609と命名
したこのクローンを回収し、組換えプラスミド中に存在
するDNA挿入体の特性をDNA配列解析で調べた。その長さ
は878塩基対(bp)で、プレプロアポA−Iポリペプチ
ドの全長をコードしていることが明らかにされた。第1
図に示ように、クローン化cDNAフラグメントは、5′お
よび3′非暗号領域(それぞれ19bpおよび55bp)、プレ
カーサーペプチドをコードする54bpの配列(aa−24〜aa
−7)、プロペプチドをコードする18bpの配列(aa−6
〜aa−1)および成熟アポAIをコードする−732bpの配
列(aa1〜aa243)ならびに翻訳停止コドンを有する。DN
A配列から帰納されるタンパク質配列は、タンパク質か
ら得られたアミノ酸配列およびプレプロアポA−Iの独
立に単離されたcDNAクローンからの配列と完全に一致し
た(W.C.Barkerほか:Comp.Biochem.Physiol.57B309〜31
5,1977;日本特許出願96998/86号;P.Cheung & L.Chan:
前出、およびJ.J.Seilhamerほか:前出) 2. ヒトプロアポA−I cDNA配列を含むバクテリア発現
ベクターの構築(第2、3図) ヒトプロアポA−Iを産生するプラスミド、pULB9291
は、調節可能なPLラムダプロモーターの後にクローンpU
LB1609から誘導されたセグメントを配置することにより
構築された。この発現プラスミドの構築には、Nco I切
断部位、ATG翻訳開始コドンおよびヒトプロアポA−I
構造遺伝子のアミノ末端におけるアミノ酸をコードする
ヌクレオチド配列、最初の唯一の制限部位Bal Iまでか
らなるDNAフラグメントの合成が必要である(第2
図)。このアダプターは化学的操作によつて合成された
(N.D.Sinhaほか:前出)。4個の合成オリゴヌクレオ
チドが合成された。アニーリングすると、それらはATG
翻訳開始コドンに相当するメチオニン、プロペプチドに
相当する6個のアミノ酸および成熟ヒトアポA−Iの最
初の14個のアミノ酸をコードする(第2図)。合成アダ
プターは遺伝子の5′末端における二次構造を最小にす
るように設計された。このためにアミノ酸残基−6,−1,
1,3,4,5,6,7,10,11および14をコードするように選ばれ
たコドンはpULB1609cDNAクローン中に認められる天然の
コドンと一致しない。
上述の合成アダプターはpULB1609から誘導された744p
b DNAフラグメントを発現プラスミドpULB1221中のPL
ムダプロモーターに接続するために使用された。
発現ベクターpULB1221の構築はヨーロツパ特許出願第
186,643号に記載されている。それはプラスミドpCQ V2
に出発する3つの主要工程からなるものである。プラス
ミドpCQ V2ははC.Queenにより、J.Mol.Appl.Genet.:1
〜10,1983に記載されていて、自由に入手できる。この
特定のベクターの選択は必須ではない。プロモーターと
その下流に適当なNco I部位を有する任意の他のベクタ
ーが使用できる。上述のアニーリングされた合成フラグ
メント約0.1μgを、T4DNAリガーゼを用いて、pULB1609
から誘導される744bp Bal I−Pst Iフラグメント約1μ
gおよびNco IとBal Iで切断したベクターpULB1221約1
μgにリゲーシヨンした。リゲーシヨンに先立ち、744p
b Bal I−Pst IフラグメントをT4DNAポリメラーゼで処
理して3′突出末端を平滑化した。この操作は本技術分
野においてよく知られているとおりで、T.Maniatisら
(前出)により詳細に記載されている。
E.coli AR58コーピーテント細胞中で増幅した再構築
プラスミドの性質は、制限部位解析および合成部分と接
合部位のDNA配列解析によつて調べた。1個の再構築プ
ラスミドpULB9291がすべての基準を満足し、フラグメン
トを正しい順序、方向に含有することを示した。これを
発現の研究に使用することとした。
3. β−カラクトシダーゼおよびヒトプロアポA−Iに
相当する融合配列を含有するバクテリア発現ベクターの
構築:pULB9296(第4図) この構築においては、ヒトプロアポA−Iをコードす
るDNA配列をβ−ガラクトシダーゼのDNA配列の下流に正
しい読み取り枠で融合した。β−カラクトシダーゼの遺
伝子は、自由に入手できるE.coil発現プラスミドpUR288
(U.Ruther & B.Muller−Hill:EMBO J.:1791〜1794,
1983)上に存在する。このプラスミドは、効率的に誘導
されるlacプロモーターとβ−ガラクトシダーゼ配列中
への適当な制限部位を含有する。適当な組換えプラスミ
ドは第4図に示すようにして構築された。まずpUR288プ
ラスミドDNAを順次、Bam H I切断、T4DNAポリメラーゼ
処理、Sal Iによる再度の切断に付した。第二に805bp D
NAフラグメントをpULB9291から、順次、Kpn I消化、T4D
NAポリメラーゼ処理ついでSal I消化を行つて誘導し
た。2個のフラグメント等モル比のT4 DNAリガーゼを用
いてたがいにリゲーシヨンし、生成したプラスミドを用
いて、E.coliコンピーテント細胞、広く自由に入手でき
る株、JM101株(ATCC33876号)の形質転換に使用した。
形質転換体は、ヒトプロアポA−I配列のβ−ガラクト
シダーゼ遺伝子に対する正しい方向生、および2個の配
列の接続点における再構築BamH I部位の存在についての
制限解析によつてチエツクした。これにより、ヒロプロ
アポA−I配列はβ−ガクトシダーゼDNA配列に対し下
流に、正しい読み取り枠で融合していることが示され
た。形質転換体の一つ、pULB9296はすべての基準を満足
し、発現実験に使用された。
4. ヒトプロアポA−I cDNA配列を有する酵母発現プラ
スミドの構築:pULB9299(第5図) この構築には、ヒトプロアポA−IをコードするcDNA
配列が、酵母発現プラスミドのものプロモーターおよび
ターミネータシグナルの間にクローン化された。実験に
は酵母発現ベクターpRIT10774を選んだ。発現プラスミ
ドpRIT10774の構築はヨーロツパ特許出願第151,102号に
記載されている。それはひとつには、ブタペスト条約に
よつてATCCに寄託番号第39133号として寄託されている
プラスミドpRIT10749に出発して、また他方ではATCCか
ら寄託番号37115号で入手できるJ.R.Broachら(Gene,
:121〜133,1979)の報告したE.colis−S cerevisiae
シヤトルベクターYEp13に出発して構築された。ベクタ
ーpRIT10774は、E.coliおよび酵母の両者内で複製可能
で、それ自身のATG翻訳開始コドンを有する異種DNAの挿
入に便利な唯一のBamH I制限部位によつて分離されたオ
ルニチンカルバモイルトランスフエラーゼ(ARG3)プロ
モーターおよび転写ターミネーターを含有する。さらに
このベクターは、酵母2μ配列、酵母内選択のための代
謝マーカーおよびE.coli内におけるシヤトリングのAmpA
選択マーカーを含有する。これは酵母中でのヒトプロア
ポA−Iの発現に使用できるのみでなく、調節シグナル
をもつ任意の他の酵母ベクターが使用でき、量的に類似
の結果が得られる。第5図に示した構築は以下のように
進められる。pRIT10774プラスミドDNAを酵素BamH Iで線
状とし、T4DNAポリメラーゼで処理した。一方、810bpDN
Aフラグメントは、pULB9291から酵素Asp718およびSal I
による消化についでT4DNAポリメラーゼ処理によつて誘
導した。このフラグメントはヒトプロアポA−Iをコー
ドし、ATG翻訳開始コドンを包含する。上述のようにし
て得られた2個のフラグメント等モル比をT4DNAリガー
ゼを用いてリゲーシヨンさせ、この混合物を用いてE.co
li MM294コンピーテント細胞を形質転換した。形質転換
体は、プロアポA−IDNA配列のARG3プロモーター配列に
対する正しい方向性を確認するため制限解析によつてチ
エツクした。形質転換体のひとつが組換えプラスミドpU
LB9299を有し、この条件を満足した。プラスミドpULB92
99をE.coli中で増幅させ、酵母Saccharomyces cerevisi
ae10S44C株(pep4−3,leu2−3,leu2−112);(T.Cabez
onほか:前出)のスフエロプラストの形質転換に用い
た。株IC1679d(ATCC20631号)の使用でも量的に類似の
結果が得られる。酵母形質転換体は次にヒトプロアポA
−Iの発現について調べた。
5. ヒトプロアポA−I cDNA配列を含有するバクテリア
分泌ベクターの構築:pNIV1612(第6A図、第6B図および
第6C図) この構築には、ヒトプロアA−IをコードするDNA配
列を、E.coli Ompaタンパク質シグナルペプチドのDNA配
列に、その下流に正しい読み取り枠で融合した。この実
験には分泌ベクターPIN−III−ompA−2を選択した(J.
Ghrayebほか:EMBO J.:2437〜2442,1984)。このベク
ターおよびその宿主株JA221は、Stony Brookのニユーヨ
ーク州立大学、生化学教室から請求により入手できる。
分泌ベクターは強力なlpp(リポタンパク質)プロモ
ーター、lacプロモーター−オペレーターフラグメン
ト、lacレプレツサーのLac I配列および適当な制限部位
を、cmpAシグナルペプチドをコードする配列の直後に含
有する。適当な組換えプラスミドは、第6A図、第6B図お
よび第6C図に示すようにして構築された。最初に、分泌
ベクターpIN−III−ompA−2をEcoR Iで線状とし、T4DN
Aポリメラーゼで処理した。第二に805bp DNAフラグメン
トは、pULB9291を順次、制限酵素Kpn IおよびSal Iによ
る消化、ついでT4DNAポリメラーゼ処理に付して誘導し
た。このフラグメントはヒトプロアポA−Iをコード
し、ATG翻訳開始コドンを含有する。上述のようにして
得られた2種のフラグメントを等モル比でT4DNAリガー
ゼを用いてリゲーシヨンし、この混合物を用いて、トリ
プトフアン(20mg/)、ロイシン(20mg/)、乳糖
(2g/)およびアンピシリン(50mg/)を含有するM9
メジウム(J.H.Miller:Experiments in Molecular Gene
tics,Cold Spring Harbor Laboratory,Cold Spring Har
bor,New York,1972,p.143)中で、E.coli JA221コンピ
ーテント細胞を形質転換した。
形質転換体はそのアンピシリン抵抗性によつて選択
し、18−mer合成オリゴヌクレオチド(同じものをアダ
プターの合成に用いた。第2図参照)でスクリーニング
した。選択された形質転換体は制限解析でチエツクし、
プロアポA−I DNA配列が、分泌ベクターのもつシグ
ナルペプチド配列に対して正しい方向性を示すことを確
認するため、低減解析によつてチエツクした(再構築さ
れたEcoR I部位が2個の配列の接合部にある)。形質転
換体のひとつが組換えプラスミドを有し、この条件を満
足した。構築後リンカーによる余分の配列は以下のヌク
レオチド配列に下線を付した。
この配列はオリゴヌクルオチドによる特定部位の突然
変異誘発によつて除去した。この目的には、12個の余分
の塩基を欠く24−merオリゴヌクレオチド を合成し12塩基リンカー配列の除去に使用した。
突然変異誘発にはAmershamシステムを使用する。この
システムはF.Ecksteinらの方法(Nucleic Acids Res.1
3:8765〜8785,1985)に基づくものである。この方法で
はプラークの高収率および95%までの最高の効率が得ら
れる。まず、突然変異を誘発すべきDNAの領域をM13ベク
ター中にクローニングする。このためには、プロアポA
−Iを有する組換えプラスミドPIN−III−ompA−2のXb
a I−Bal I DNAフラグメントをXba IとHing IIで切断
したM13mp19ベクター中に挿入する。ベクターM13mp19は
市販されていてAmersham(Buckinghamshire,England)
から得られる。次に突然変異誘発物質24−merオリゴヌ
クレオチドを一本鎖鋳型にアニーリングし、T4DNAリガ
ーゼの存在下にDNAポリメラーゼのクレノウフラグメン
トにより延長し、突然変異体ヘテロ二重鎖を生成させ
る。
非突然変異体鎖の選択的除去はin vitro合成時、突然
変異鎖中にチオヌクレオチドを導入し、非ホスホロチオ
ネートのNCi Iによるニツキングによつて可能である。
このようなニツクは、非突然変異体鎖を消化するエキソ
ヌクレアーゼIIIの部位を提供する。突然変異鎖を次に
鋳型として用いて二重鎖環状分子を構築し、ホモ二重鎖
突然変異体分子を作成する。
突然変異誘発はシグナルペプチドの接合部とプロアポ
A−I遺伝子の最初の配列決定によりチエツクした。組
換えプラスミドpNIV1612はPIN−III−ompA−2ベクター
のXba I−Hind IIIフラグメントを、余分12個の塩基を
予め欠失させたXba I−Bal I DNAフラグメントおよびプ
ロアポA−I遺伝子のBal I−Hing IIIフラグメントと
リゲーシヨンして再構築した。3種のフラグメントをT4
DNAリガーゼでリゲーシヨンし、この混合物を用いて上
述のE.coli JA221コンピーテント細胞を形質転換した。
形質転換体はそのアンピシリン抵抗性によつて選択し、
上述の18−merオリゴヌクレオチドでスクリーニングし
た。形質転換体のひとつは組換えプラスミドpNIV1612を
含有した。最終の構築体はATGコドンをもたない完全プ
ロアポA−I配列に先行するompAシグナルペプチドをコ
ードする配列を有する(第6A、6B、6C図)。次にE.coil
形質転換体についてヒトプロアポA−Iの発現をアツセ
イした。
6. ヒトプロアポA−I cDNA配列のバクロウイルス中へ
の導入のための輸送ベクターの構築:pNIV1613(第7
図) ヒトプロアポA−I DNA配列を有するプラスミド、p
NIV1613は、クローンpULB9291から誘導されるセグメン
トをバクロウイルスのポリヘドリン遺伝子プロモーター
の下流に置くことにより構築した(第7図)。バクロウ
イルス輸送ベクターpAcRP6(Y.Matsudaほか:J.Gen.Viro
l.67:1515〜1529,1986)を実験に用いた。これはオタワ
大学の微生物および免疫部門から入手できる。このプラ
スミドは、5′リーダー配列中にヌクレオチド−7まで
のポリヘドリン遺伝子プロモーターを有する。これはポ
リヘドリンATGコドンおよびポリヘドリン暗号配列の最
初の170個のヌクレオチドを欠いている。便利なBam I部
位はヌクレオチド−7の下流に位置する。第7図に記載
した構築は以下のように進められる。pAcRP6プラスミド
DNAをBamH Iで線状化した。一方、810bpDNAフラグメン
トをpULB9291から、制限酸素Asp718およびSal Iでの消
化によつて誘導した。このフラグメントはヒトプロアポ
A−Iをコードし、ATG翻訳開始コドンを包含する。2
種のフラグメント等モル比をT4DNAポリメラーゼで処理
し、T4DNAリガーゼでリゲーシヨンし、E.coli AR58コン
ピーテント細胞の形質転換に使用した。形質転換体をそ
のアンピシリン抵抗性によつて選択し、アポA−I DN
A配列の部分に相当する32P−標識合成35−merオリゴヌ
クレオチド(第2図参照)でスクリーニングし、制限解
析でチエツクして、プロアポA−IDNA配列のポリヘドリ
ン遺伝子プロモーターに対する正しい方向性を確認し
た。形質転換体のひとつが組換えプラスミドpNIV1613を
有し、この条件を満足し、発現実験に使用された。
7. ヒトプロアポA−Iの形質転換微生物による製造 pULB9291およびpULB9296でそれぞれ形質転換したE.co
li AR58またはJM101株の20ml培養体を50μg/mlのアンピ
シリンを含有する栄養メジウム中で(LB培地、実験の詳
細についてはT.Maniatisら:前出参照)で、630nmにお
ける光学密度(OD630)が0.6に達するまで生育させた。
pULB9291の場合は、PLラムダプロモーターの誘導は、培
養を初期の生育条件(30℃)から42℃に変化させてPL
ムダプロモーターのレプレツサーを不活性化することに
よつて行われた(M.Rosenbergほか:Methods Enzymol.10
1:123〜138,1983)。誘導は20分間実施した。pULB9296
の場合は、lacプロモーターの誘導は37℃で生育させて
いる培養液に化学インデューサーIPTG(イソプロピル−
β−D−チオガラクトシド)を最終濃度1mMになるよう
に添加して行つた(Lorenzettiのほか:前出)。誘導は
60分実施した。他方、pLUB9299で形質転換した酵母細胞
10S44Cの培養体20mlはグルコール(1%)を補給した酵
母窒素ベースメジウム(Difco)中37℃でOD630が0.3に
なるまで生育させた。この特定の場合には発現は構造依
存性でインデューサーは不必要であつた。上記培養液の
サンプル1mlを集めて15,000gで5分間遠心分離した。得
られたペレツトを煮沸したドデシル硫酸ナトリウム(SD
S)中で次のように溶解させた。ペレツトをSDSサンプル
緩衝液(50mlTris−HCl,pH6.8,2%SDS,6M尿素,5%2−
メルカプトエタノールおよび10%グリセロール)50μ
に再懸濁し、100℃で3分間煮沸した。抽出液を次に15,
000gで10分間遠心分離した。サンプルをそのまま15%ま
たは7.5%SDS−ポリアクリルアミドスラブゲル上、変性
条件で電気泳動解析に付した(U.K.Laemmli前出)。
電気泳動後、ポリアクリルアミドスラブゲルを40mlの
蒸留水および50mMリン酸ナトリウム緩衝液(pH7.5)40m
lで軽く洗浄した。タンパク質をゲルからニトロセルロ
ースろ紙上に、同じリン酸緩衝液中、60V,1.5Aで2時間
電気的に処理して移した(T.Cabezonほか:前出)。ニ
トロセルロースろ紙を50mMリン酸ナトリウム緩衝液(pH
7.5)中アルブミン(1%)で飽和し、ついで1/500希釈
ウサギ抗−ヒトアポA−I血清(pULB9296の場合は、マ
ウス抗−β−ガラクトシダーゼモノクローナル抗体)の
存在下、同じであるがアルブミンを含まない緩衝液中、
室温で一夜インキユベーシヨンした。
ろ紙を同じリン酸塩緩衝液40mlで5回洗浄し、40mlの
リン酸塩緩衝液中、ペルオキシダーゼ標識ヤギ抗−ウサ
ギ(または抗−マウス)血清(10μg/ml)とインキユベ
ーシヨンした。4時間室温でインキユベーシヨンしたの
ち、ろ紙を40mlのリン酸塩緩衝液で5回再び洗浄し、最
後に50mlの発色原基溶液(10mgジアミノベンゼン、100
μ過酸化尿素(10%)、100mM Tris−HCl,pH7.6)50m
lを加えて発色させた。抗−ヒトアポA−I抗体と反応
する単一の生成物が、pULB9291およびpULB9299の場合に
見出された。その分子量は標準天然アポA−Iのそれに
一致する。pULB9296の場合は、抗−ヒトアポA−I血清
および抗−β−ガラクトシダーゼ血清と反応する融合ポ
リペプチドが、β−ガラクトシダーゼとプロアポA−I
ポリペプチドを合わせた期待させるサイズ(144kDa)に
見出された。サイズは、細胞エキスと同じゲル上に展開
した分子量標準の移動に基づく検量線によつて決定し
た。
他の実験では、pNIV1612で形質転換したE.coil株JA22
1の培養液20mlをアンピシリン50μg/mlを補充した栄養
倍地中で(LB培地、T.Maniatisほか、前出参照)、630n
mにおける光学密度が0.6に達するまで生育させた。lac
プロモーターの誘導は、37℃で生育させている培養液に
化学インデユーサーIPTG(イソプロピル−β−D−チオ
ガラクトシド)を最終濃度2mMになるように添加して行
つた。誘導は60分間実施した。培養液のサンプル1mlを
集め、15,000gで5分間遠心分離した。得られたペレツ
トを緩和な浸透圧シヨツクに付し、ペリプラスム分画に
放出させた(D.Koshland & D.Botstein:Cell,20:749〜
760,1980)。放出した分画を上述のSDSサンプル緩衝液
(尿素は含まない)に再懸濁し、遠心分離し、12.5%SD
S−ポリアクリルアミドゲル電気泳動に付し、ついでウ
エスタンブロツト解析を行つた。合成965プロアポA−
Iの分画は細胞中に見出され、ペレプラズムには認めら
れなかつた。これは、一部のプロアポA−Iが分泌され
ないかまたは浸透圧シヨツクの効率が至適ではなかつた
たことのいずれかであろう。プロアポA−Iの主分画は
浸透圧シヨツク後メジウム中に放出され、このタンパク
質が細胞によつて分泌されることを示している。
8. バクロウイルス感染昆虫細胞によるヒトプロアポA
−Iの製造 組換えプラスミドpNIV1613を野生型バクロウイルスと
ともに用いて、培養液中のSpodoptora frugiperda細胞
を共感染させた。ポリヘドリン欠落組換えウイルスのス
クリーニングにより組換えプラークが得られた。プラー
クから精製された組換えウイルスを用いて昆虫細胞を感
染させた。操作は本技術分野においてよく知られている
とおりで、M.D.Summers & G.E.Smithににより“A Manu
al of Methods for Baculovirus Vectors and Insect c
ell culture Procedures"Texas University,College St
ation(1987)に記載されている。組換えウイルスにつ
いてプロアポA−Iの産生を、ウエスタンブロツト解
析、および、細胞をRIPA緩衝液(0.15M NaCl,1%Triton
X100,0.1%SDS,0.1%デオキシコール酸ナトリウムおよ
び1mMフエニルメチルスルホニルフルオライド(PMSF)
含有0.05M Tris−HCl緩衝液,pH7.2)で溶解し煮沸ドデ
シル硫酸ナトリウムで処理したのちの12.5%SDS−ポリ
アクリルアミドゲル上電気泳動によつてアツセイした。
抗−ヒトアポA−I抗体と反応する単一の生成物が見出
された。これは、標準天然アポA−Iのひとつと一致す
る分子量を含有し、発現されたタンパク質が総タンパク
質含量の主成分である。単一ラジアル免疫拡散(G.Manc
iniほか:Immunochem.:235〜254,1965)によつて測定
したプロアポA−Iの濃度は培養液1あたりプロアポ
A−I約100mgであつた。
9. ヒトプロアポA−IのE.coli中細胞質産生。限定最
小メジウムの使用 最小メジウム中E.coliでのヒトプロアポA−Iの細胞
質産生には、プラスミドpULB9292を使用した。pULB9292
は、PLラムダプロモーターをコードするプラスミドpULB
9291のEcoR I−Nco Iフラグメントを、プラスミドpOTS
(M.Rosenbergほか:Methods Enzymol.101:123〜138,198
3)の同じEcoR I−Nco Iフラグメントで交換することに
よつて構築した。pOTSベクターのEcoR I−Nco Iフラグ
メント(G.Devareほか:Cell,36:43〜49,1984)はまた、
効率的なフアージラムダの調節可能PLプロモーターも含
有する。pULB9292で形質転換したE.coli AR58株の培養
液20mlを限定最小メジウム中で生育させた。最小メジウ
ムの組成(1中)は、3g Na2HPO4・2H2O:3g KH2PO4:
0.5g NaCl;1g NH4Cl;1.37mM MgSO4・7H2O;29.5μM FeCl
3・6H2O;236μM MnSO4・H2O;10gグルコース;1mgビタミ
ンB1;50mgアンピシリン;LB培地1/20(v/v)である。細
胞をこの最小メジウム中でOD630が0.5になるまで生育さ
せた。PLラムダプロモーターの誘導は、培養体の初期の
生育条件30℃を42℃に変えて、PLラムダプロモーターの
レプレツサーを不活性化することによつて実施した(M.
Rosenbergほか:前出)。誘導は60分間実施した。培養
液のサンプル1mlを集め、フレチプレスに通すかまたは1
5,000gで3分間遠心分離した。得られた全細胞エキスま
たはペレツトを§7に記載したと同様にして煮沸SDSで
処理した。電気泳動についでウエスタンブロツト解析後
に、抗−ヒトアポA−I抗体と反応する単一の生成物が
見出された。その分子量は標準天然アポA−Iのそれと
一致する。限定最小メジウム中に発現したプロアポリポ
タンパク質A−Iの量は、総タンパク質含量の13.5%を
示す。すなわち、培養液1中のプロアポA−Iの濃度
は約270mgと評価された。
10. 形質転換微生物によつて産生されたヒトプロアポ
A−Iの単離、精製および特性 10.1. 単離および精製 組換えプロアポA−Iの粗エキスを4,000gで15分間遠
心分離して、ペレツトは捨てた。上澄液を100,000gで2
時間遠心分離した。得られたペレツトを、20mM Tris−H
Cl,pH7.5;1mM EDTA;100mM NaCl;1.75μg/mlPMSFおよび1
00μg/mlナトリウムメチルチオレート〔(O−カルボキ
シフエニル)チオ〕エチルマーキユリーナトリウム塩)
からなる緩衝液(TEN100)の最小容量に懸濁し、この懸
濁液および上澄液の容量を別個に同じ緩衝液で最初のエ
キスの容量に調整した。ついでイソプロピルアルコール
の濃度を増加させていつて、両懸濁液からタンパク質を
沈殿させた。ヒトアポA−I関連免疫活性の主要部分を
含有する各懸濁液の沈殿タンパク質分画をラジアル免疫
拡散(G.Maneiniほか:前出)によつて、市販のアポA
−Iを標準として測定した。このようにして得られた各
分画をSephacryl S200カラムを通し同じ緩衝液を溶出液
としたクロマトグラフイーによつて精製した。0.9mlの
フラクシヨンを集め、アポA−Iの免疫活性を有する総
タンパク質量を各フラクシヨンについてのラジアル免疫
拡散で定量した。フラクシヨン中の溶出タンパク質の分
子量は分子量標準、アルドース、ウシ血清アルブミン、
オバルブミン、キモトリプシノーゲンおよびシトクロー
ムC2によつてカラムを検量し、同一条件下で測定を行つ
た。主要な組換えプロアポA−I含有フラクシヨンにお
ける総タンパク質1mgあたりのプロアポA−Iの純度
は、標準の市販用に製造されているアポA−Iと同じ免
疫活性を有し、mg単位で発現されたタンパク質の場合、
95%と測定された。
10.2. 特性 10.2.1. 組換えプロアポA−Iの特理的特性 N.Catsimpoolasの操作(Anal.Biochem.26:54〜62,196
9)に従つて等電点フオーカシングに付し、pH4〜6の自
己生成勾配を適用した場合は、100,000g(上記10.1)で
遠心分離した。上澄液およびペレツトから単離、精製さ
れた組換えプロアポA−Iは、単一のバンドを示し、等
電点は4.95と判定された。
ヒト血漿アポA−Iはわずかながらもつと酸性を示
し、その等電点は4.75と判定された。組換えプロアポAI
と血漿アポA−Iの等電点の間のこの0.2pH単位の差
は、血漿アポA−Iと血漿プロアポA−Iの間の公知の
等電点の差とよく一致する。この場合の差は0.17と報告
されている(G.L.Millsほか:Lab.Tech.Biochem.Mol.Bio
l.14:244〜245,1984)。
分子量に関しては、ペレツトおよび上澄液の組換えプ
ロアポA−Iいずれも同一の分子量を有する1個の単一
ポリペプチド鎖から構成され、その値は29.9±1.4kDaで
あることが明らかにされた。ヒト血漿アポA−Iの分子
量はわずかに低く、29.3±1.3kDaであつた。
10.2.2. BNPS−スカトールによる組換えプロアポA−
Iのペプチド地図の作成 A.Fontana(Methods Enzymol.25:419〜423,1972)の
操作に従い、3−ブロモ−3−メチル−2−〔(2−ニ
トロフエニル)チオ〕−3H−インドール(BNPS−スカト
ール)による化学的切断を実施した。精製タンパク質プ
レパレーシヨン5〜10μgを、50%(v/v)酢酸水溶液1
00μに溶解した。ついで氷酢酸1mlあたり4.8mgのBNPS
−スカトールを含む溶液50μを加え、25℃で72時間イ
ンキユベーシヨンした。ついで50μの2−メルカプト
エタノールを添加したのち、2回目のインキユベーシヨ
ンを37℃で3時間行つた。サンプルを蒸発させ、水100
μに再溶解し、酢酸エチル200μで3回抽出した。
有機相を捨て、水相を凍結乾燥して、SDS−ポリアクリ
ルアミドゲル電気泳動で解析した。
BNPS−スカトールによる化学的切断の場合は、用いた
実験条件によりBNPS−スカトールはトリプトフアン残基
の後を切断するので、アポA−I誘導フラグメントの数
およびサイズはある程度予測できる。各切断部位におけ
る効率を100%と仮定すると、期待される最大のフラグ
メントは15.4kDaのC末端フラグメントである。他のフ
ラグメントの分子量は0.5から5.3kDaまでの範囲であ
り、検出するには小さすぎる。
不完全切断の場合、15.4kDaフラグメントはN末端の
方向に延長され、それぞれ20.7kDa,23.1kDaおよび27.6k
Daのフラグメントを生じることが予想される。これらの
期待は、ヒト血漿アポA−Iについて、また組換えプロ
アポA−Iの別の精製プレパレーシヨンについても完全
に実現するものである。
【図面の簡単な説明】
第1A図および第1B図はヒトプレプロアポA−Iのヌクレ
オチドおよびアミノ酸配列を示す模式図である。 第2図はオリゴヌクレオチドアダプターの構築を示す図
である。 第3図、第4図、第5図、第6A〜6C図および第7図は、
それぞれpULB9291,puLB9296,pULB9299,pNIV1612およびp
NIV1613の構築を示す図である。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 //(C12P 21/02 C12R 1:19)

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ヒトプロアポリポタンパク質A−Iをコー
    ドする配列からなる組換えDNA配列であって、プロアポ
    リポタンパク質A−Iのアミノ酸−6から+14までをコ
    ードする天然配列が次の配列(一本鎖のみを示す) 5′−ATGAGACATTTCTGGCAGCAGGACGAACCTCCACAATCTCCTTG
    GGATAGAGTTAAGGACTTG−3′ で置換され、その配列は付加されたATG翻訳開始コドン
    ならびにアミノ酸残基−6,−1,+1,+3,+4,+5,+6,+
    7,+10,+11および+14の修飾コドンからなる組換えDNA
    配列
  2. 【請求項2】特許請求の範囲第1項に記載の組換えDNA
    配列からなる複製可能なクローニングベクター
  3. 【請求項3】特許請求の範囲第1項に記載の組換えDNA
    配列からなり、これが調節DNA配列と機能可能に結合
    し、翻訳開始および停止シグナルに隣接している発現ベ
    クター
  4. 【請求項4】調節DNA配列はフアージラムダPLプロモー
    ター領域からなる特許請求の範囲第3項に記載の発現ベ
    クター
  5. 【請求項5】ヒトプロアポリポタンパク質A−I DNA
    配列がβ−ガラクトシダーゼDNA配列に下流で融合し、
    調節DNA配列はlacプロモーター領域からなる特許請求の
    範囲第3項に記載の発現ベクター
  6. 【請求項6】調節DNA配列は酵母ARG3プロモーターと転
    写ターミネーター領域からなる特許請求の範囲第3項に
    記載の発現ベクター
  7. 【請求項7】ATGコドンを欠くヒトプロアポリポタンパ
    ク質A−1 DNA配列をE.coli OmpAタンパク質シグナ
    ルペプチドのDNA配列に下流で融合し、調節DNA配列はlp
    pプロモーターおよびlacプロモーターオペレーター領域
    からなる特許請求の範囲第3項に記載の発現ベクター
  8. 【請求項8】調節DNA配列はバクロウイルスポリヘドリ
    ン遺伝子プロモーター領域からなる特許請求の範囲第3
    項に記載の発現ベクター
  9. 【請求項9】特許請求の範囲第3項から第8項までのい
    ずれか一つに記載の発現ベクターで形質転換された培養
    細胞または微生物
  10. 【請求項10】特許請求の範囲第9項に記載の形質転換
    された細胞または微生物を適当な培養条件下に培養し、
    得られたヒトプロアポリポタンパク質A−Iを採取する
    ことからなるヒトプロアポリポタンパク質A−1の製造
    方法
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