JP2633349C - - Google Patents

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JP2633349C
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polypropylene
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blow molding
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Mitsui Chemicals Inc
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Mitsui Chemicals Inc
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【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 本発明は、射出二軸延伸法による樹脂容器の製造方法に関し、特に、衝撃強度
が高く、透明性に優れ、偏肉の少ないポリプロピレン系樹脂容器の製造方法に関
する。 <従来技術とその問題点> 従来、ポリプロピレン系樹脂容器を製造する際には、射出成形法、特に、二軸
延伸法が用いられることが多い。ところが、メルトフローレート(MFRという
ことがある)の低い樹脂材料では、延伸効果がなく、成形の途中で破れたり切れ
たりすることが多い。また、成形できても偏肉が多く、透明性も低いといった問
題がある。 MFRの高い樹脂では、比較的透明度の高いものが得られるが、溶融樹脂で作
成したプリフォームを金型に入れると温度が下がりブロー成形に到るまでに結晶
化が進行し、均一な膜厚の容器を得ることができなかった。また、成形できる形 状は、容器の口径と胴径の比が2.0倍以内の丸型で、容量は500ml程度の
ものである。 <課題を解決するための手段> 本発明の目的は、従来技術における上記欠点を解決し、衝撃強度が高く、透明
性に優れ、偏肉の少ない、多様な形状に成形できるポリプロピレン系樹脂容器の
製造方法を提供しようとする。 すなわち、本発明は、230℃でのメルトフローレート(MFR)が0.1g
/10分以上4g/10分未満の、ポリプロピレンに対しエチレン−α−オレフ
ィンコポリマーを1〜30重量部配合したポリプロピレン系樹脂を用い、射出成
形したプリフォームを、金型温度を前記樹脂の融点+10℃〜融点−60℃に温
度調節しつつ、水平方向に1.2〜2.0倍予備ブロー成形し、次いで垂直方向
に延伸しつつブロー成形を行うことを特徴とするポリプロピレン系樹脂容器の製
造方法を提供する。 以下に、本発明を詳細に説明する。 本発明に用いるポリプロピレン系樹脂は、ホモポリマーでもコポリマーでもよ
い。コポリマーとしては、ランダムコポリマー、ブロックコポリマーが例示され
るが、ランダムコポリマーが良い。 コポリマーを構成する他の成分としては、α−オレフィンが一般的であり、α
−オレフィン中では、エチレン、ブテン−1および4−メチルペンテン−1が透
明性の点から好ましい。他の成分量は、15重量%以下が好ましく、さらに好ま
しくは8重量%以下である。 本発明に用いるポリプロピレン系樹脂の例として、上記のポリプロピレンとエ
チレン−α−オレフィンコポリマーの混合物も挙げることができる。 ポリプロピレンに対し、エチレン−α−オレフィンコポリマーは、1〜40重
量部、好ましくは5〜30重量部配合される。30重量部を越えると偏肉等が生
じ成形が困難になる。エチレン−α−オレフィンコポリマーのα−オレフィンは
、プロピレン、ブテン−1が好ましく、該コポリマー中のα−オレフィンの含量
は10〜60モル%、好ましくは15〜40モル%である。1例を挙げると エチレン・プロピレンラバー、エチレン・ブテン−1ラバー等がある。 本発明のポリプロピレン系樹脂は、上記のポリプロピレンポリマーに、さらに
他の成分として、L−LDPE、LDPE、PB−1、エチレンまたはプロピレ
ンからなる共重合体の一方もしくは双方が不飽和脂肪酸もしくはその誘導体、特
に無水マレイン酸のグラフトによって変性された変性重合体等の各種樹脂成分、
各種エラストマー成分、これらに、安定剤、流滴剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤
、帯電防止剤、滑剤、着色剤等が添加混合されてもかまわない。また、溶融成形
のための造核剤としてジベンジリデンソルビトールまたはその誘導体が添加され
てもよく、添加量は0.01〜1.0重量%、好ましくは0.1〜0.5重量%
とする。 本発明に用いるポリプロピレン系樹脂は、230℃でのメルトフローレート(
MFR)がJIS K−7210の条件で測定して、0.1g/10分以上4g
/10分未満、好ましくは0.5〜3g/10分未満である。 本発明の製造方法は、上記のポリプロピレン系樹脂を用い、まず、射出成形し
てプリフォームを成形する。プリフォームの形状は成形する容器の形状にあわせ
て丸型、偏平型等とするのが好ましい。 射出成形は、好ましくは、200〜260℃で有底パリソンを成形し、射出成
形金型温度5〜20℃とする。 用いる射出成形装置は、日精ASB機械(株)製ASB250等のASBシリー
ズや、青木固研究所製SBシリーズが良い。 次に、金型温度を用いる樹脂の融点+10℃〜融点−60℃好ましくは融点+
5℃〜融点40℃に温度調節しつつ予備ブロー成形する。 予備ブロー成形は、予備ブロー延伸倍率:縦1.0〜1.8倍好ましくは1.
0〜1.6倍、横1.2〜2.0倍、好ましくは1.2〜1.8倍、延伸温度調
整金型温度:90〜150℃、好ましくは100〜150、予備ブロー空気圧力
:3〜10kg/cm2の条件とする。 本発明の製造方法は、予備ブロー成形を温度調節しつつ行うので、従来MFR
の高い樹脂では延伸温度調整金型温度が低いためにブロー成形に到るまで結晶化
が進行し、均一な膜厚の容器を得ることができなかった点が改善され、偏肉の少 ない樹脂容器を得ることができる。 また、MFRの低い樹脂では、延伸温度調整金型温度が低いため延伸効果がな
く成形が非常に困難であったがこの点が改善される。 本発明方法では、その第2ステージで口径の水平方向に1.2〜2.0倍、垂
直方向に1.0〜1.8倍予備ブロー成形を行うことにより胴型が丸型から角型
まで、胴部の膨比5.0倍の容器が成形可能となる。 また、予備ブロー成形時に水平方向の二軸(縦、横)の膨比を1.2〜2.0
倍にすることにより偏平型の容器も容易に成形可能となる。 予備ブロー成形された成形体は、次に垂直方向に延伸しつつブロー成形を行う
。 ブロー成形は、延伸ブロー延伸倍率:縦1.2〜3.5倍、横1.2〜6.0
倍、好ましくは1〜2倍、延伸ブロー空気圧力:4〜20kg/cm2の条件で行う。 <実施例> 以下に、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定さ
れるものではない。 (実施例1) MFR0.5g/10分のポリプロピレン樹脂(融点161℃)を、射出延伸
ブロー成形機ASB−250により、下記条件で成形して胴部直径90m/m、
内容量1,100mlの丸型容器を成形した。 射出成形温度 :220℃ 射出成形金型温度 : 15℃ 予備ブロー延伸倍率:縦1倍 横1.2倍 予備ブロー空気圧力:5kg/cm2 予備ブロー成形金型温度:140℃ 延伸ブロー延伸倍率:縦1.6倍 横3.3倍 得られた容器はその重量が35gで、偏肉の少ない、かつ透明性と落下強度が 極めて優れていた。 (実施例2) 実施例1において造核剤としてジベンジリデンソルビトール0.3重量%を加
えた以外は実施例1と同様にしてポリプロピレン容器を成形して、偏肉度、透明
度、強度について測定した。測定結果を表1に示す。 (実施例3) MFR1.0g/10分のポリプロピレンランダムコポリマー(融点140℃
)を用いて、実施例1と同様にしてポリプロピレン容器を成形して、偏肉度、透
明度、強度について測定した。測定結果を表1に示す。 (実施例4) 実施例3において、ポリプロピレンランダムコポリマー90重量部に対して、
エチレン・ブテン−1ラバーを10重量部配合した(融点140℃)以外は、実
施例3と同様にしてポリプロピレン容器を得た。測定の結果を表1に示す。 (比較例1) 実施例1において、MFRが4.0g/10分のポリプロピレン樹脂(融点1
61℃)を用いた他は、実施例1と同様にして射出延伸ブロー成形を行ったが、
偏肉度が大きく、かつ強度の弱いポリプロピレン容器が得られた。 (比較例2) 実施例3において、MFRが4.0g/10分のポリプロピレンランダムコポ
リマー(融点140℃)を用いて、実施例3と同様にしてポリプロピレン容器を
成形して、偏肉度、透明度、強度について測定した。その結果、比較例1よりも
透明性は良いが、偏肉度と強度は改良できなかった。 (比較例3) 実施例4において、MFRが4.0g/10分のプロピレンポリマー90重量
部に対して、エチレン・ブテン−1ラバーを10重量部配合した樹脂(融点14
0℃)を用いた以外は実施例1と同様にしてポリプロピレン容器を成形した。そ
の結果、透明性は良いが、偏肉が大きく、かつ、強度の弱い容器が得られた。 (比較例4) 実施例3において、MFRが10g/10分のポリプロピレンランダムコポリ
マー(融点140℃)を用いて、実施例2と同様にして、ポリプロピレン容器を
成形して、偏肉度、透明度、および強度について測定した。その結果、偏肉度が
比較例1〜3に比べてさらに大きく、かつ、強度も小さく使用できないものであ
った。 (比較例5) 予備ブロー成形金型温度を15℃とした以外は、実施例1と同様の条件で射出
成形したところ、成形体が破れて予備ブロー成形することができなかった。 本発明の製造方法によれば、表1の結果から以下のことがわかる。 偏肉度は1.5以下、好ましくは1.3に成形しうる。 透明性(ヘイズ)は20%以下になし得る。落下強度は、破壊本数ナシとしう
る。 このため、本発明で得られるポリプロピレン系樹脂容器は、輸液容器等の医療
容器、食器容器、洗剤容器、シャンプー容器、トイレタリー容器等に広く利用で
きる。 <発明の効果> 本発明によれば、MFRの小さいポリプロピレン樹脂で、透明性と強度が優れ
た、偏肉の少ない中空容器の製造が可能となった。従って、医療容器等に安価な
素材を提供するようになり、経済的効果は極めて大きい。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 (1)230℃でのメルトフローレート(MFR)が0.1g/10分以上4g
    /10分未満の、ポリプロピレンに対しエチレン−α−オレフィンコポリマーを
    1〜30重量部配合したポリプロピレン系樹脂を用い、射出成形したプリフォー
    ムを、金型温度を前記樹脂の融点+10℃〜融点−60℃に温度調節しつつ、水
    平方向に1.2〜2.0倍予備ブロー成形し、次いで垂直方向に延伸しつつブロ
    ー成形を行うことを特徴とするポリプロピレン系樹脂容器の製造方法。

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