JP2633330B2 - 複合機能素子の製造方法 - Google Patents

複合機能素子の製造方法

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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、SrTiO3系半導体磁器を主成分とし、その結
晶粒界に高抵抗層を形成したバリスタ機能及びコンデン
サ機能を有する複合機能素子の製造方法に関する。
〔従来の技術〕
近年、種々の電子機器においてマイクロコンピュータ
が搭載されるようになってきており、その場合ノイズに
よる機器の誤動作等が大きな問題となっている。従っ
て、電圧ノイズを吸収するためのバリスタの需要が増加
してきている。
バリスタ材としては、結晶粒界に高抵抗酸化物層を形
成した半導体磁器が知られており、従来より、ZnO系、S
iC系及びSrTiO3系のもの等が用いられている。
〔発明が解決しようとする技術的課題〕 しかしながら、実用化の進んでいるZnO系バリスタ
は、電圧非直線性に優れているが、高速のノイズに対す
る応答が悪く、静電気ノイズ等の吸収には効果が小さい
という問題があった。
他方、SiC系のものでは、電圧非直線性がさほど良く
なく、ノイズ電圧を吸収しきれない場合があった。
従って、SrTiO3系のバリスタが注目されてきている。
SrTiO3系半導体磁器を用いたバリスタの最大特徴は、静
電容量が大きいことであり、ZnO系半導体磁器に比べて1
0倍近い静電容量を有する。従って、高速ノイズの吸収
能に優れているものである。
しかしながら、バリスタ特性、すなわち電圧非直線性
については、SrTiO3系半導体磁器は、SiC系半導体磁器
に比べて2倍程度の性能を有するが、ZnOに比べると1/2
〜1/5とかなり劣る。よって、電圧抑制効果が小さいの
で、SrTiO3系半導体磁器の使用を考える上で大きな問題
となっていた。
また、マイクロコンピュータの駆動電圧は3〜5V程度
であり、現状では、この低い駆動電圧に対応し得るバリ
スタも存在しない。従って、このような低駆動電圧に対
応し得るバリスタの登場が望まれている。
よって、本発明の目的は、高速ノイズの吸収能に優
れ、かつ電圧非直線性も高められており、さらに所望の
バリスタ電圧を容易に得ることが可能SrTiO3系複合機能
素子の製造方法を提供することにある。
〔技術的課題を解決するための手段〕
本発明の製造方法は、SrTiO3を主成分とする焼結体の
結晶粒界にガラスを拡散させる複合機能素子の製造方法
において、SrTiO3を主成分とし、希土類元素、Nb、W及
びTaの各酸化物からなる群から選択した少なくとも1種
を半導体化剤として含む焼結体に対して、1重量%以下
の割合で上記焼結体の表面にB及びSiのうち少なくとも
1種並びにFe、Mn、Co、Ni、Cr及びVのうち少なくとも
1種を含むガラスを付着させた後、900〜1200℃の温度
範囲で熱処理することを特徴とする。
望ましくは、Fe、Mn、Co、Ni、Cr及びVは、それぞ
れ、Fe2O3、MnO、Co2O3、NiO,Cr2O3及びV2O5の形態でガ
ラス組成中に1〜30重量%添加含有されている。
上記構成のうち、希土類元素、Nb、W及びTaの各酸化
物を含有させているのは、SrTiO3系磁器の粒界に高抵抗
層を形成し、半導体化するためである。
〔発明の作用及び効果〕
従来より、SrTiO3を主成分とした半導体磁器の作成に
際し、Bi、Pb、Zn、Cu、Na、B、Si等を用いて酸化拡散
することにより、SrTiO3系のバリスタやコンデンサを作
成し得ることが知られていた。
そこで、本願発明者たちは、このようなSrTiO3系半導
体磁器の特性を活かしつつ、より電圧非直線性に優れた
複合機能素子を得るべく鋭意検討した結果、特定のガラ
スを、結晶粒界に拡散させれば、より優れた電圧非直線
性を有する複合機能素子の得られることを見出し、本発
明に至ったものである。
すなわち、本発明によれば、Bi、Pb、Znのうち少なく
とも1種、B、Siのうち少なくとも1種、並びにFe、M
n、Co、Ni、Cr及びVのうち少なくとも1種の各ガラス
酸化物が結晶粒界に拡散されるので、拡散量を調整する
ことによりバリスタ電圧を容易にコントロールすること
ができる。すなわち、上記SrTiO3を主成分とし、希土類
元素、Nb、W及びTaの各酸化物からなる群から選択した
少なくとも1種を半導体化剤として含む特定の焼結体に
対して、1重量%以下の割合で該焼結体の表面に上記特
定のガラスを付着させた後、上記特定の温度範囲で熱処
理することにより、ガラスが上記特定の焼結体において
結晶粒界に確実に拡散される。このように、本発明の複
合機能素子の製造方法は、特定の焼結体に特定のガラス
を付着させた後、熱処理することにより、ガラスを拡散
させているので、該ガラスの拡散量を容易に調整するこ
とができ、かつバリスタ電圧を容易にコントロールする
ことができることを特徴とするものである。従って、低
電圧対応のバリスタを容易に得ることができる。しか
も、SrTiO3系半導体磁器の大きな静電容量を有するとい
う特性を維持したままで、優れた電圧非直線性が実現さ
れる。よって、高速のノイズを効果的に吸収することが
でき、また高周波ノイズの吸収性及びサージ波頭の吸収
効果に優れた複合機能素子を得ることが可能となる。
〔実施例の説明〕
SrCO3とTiO2とを、SrTiO3を得る比率に配合し、半導
体化剤としてY2O3が全重量の0.05重量%となるように混
合したものを用意した。このようにして調整された混合
物を、1000℃〜1200℃の温度で約3時間、予備焼成し、
しかる後粉砕した。得られた微粉末原料に有機質バイン
ダとして、ポリビニルアルコールを混入し、造粒した。
次に、造粒された粉末を500Kg/cm2〜2トン/cm2程度
の圧力で成形し、直径7mm、肉厚0.5mmの円板状の成形体
とした。この成形体を1100℃〜1200℃の範囲の温度で空
気中において焼成し、さらにN2:H2=95モル%:5モル%
の還元性雰囲気中で1400℃〜1500℃の温度で3時間焼成
した。
得られた焼結体の表面に、下記の第1表に示す組成の
酸化物をガラス化して得られたガラス酸化物を0.1重量
%塗布し、900℃〜1200℃の温度で2時間熱処理した。
最後に、このユニットの表面にインジウム−ガリウム合
金を電極材として付与し、バリスタ電圧(V1mA)、電圧
非直線係数(α)、静電容量(C)、誘電損失(tan
δ)を測定した。結果を第1表に併せて示す。
なお、第1表においては、Bi2O3、PbO、ZnO、ZiO2
びB2O3の割合はモル%で、Fe2O3、MnO、Co2O3、NiO、Cr
2O3及びV2O5については重量%で示してある。また、ΔV
1mAは、8×20μ秒、500Aピークのパルスを5分間隔で
2回印加した後のV1mAの変化率を示す。
第1表から明らかなように、Fe2O3、MnO、Cr2O3及びV
2O5を加えたものでは、添加量が増すに連れてバリスタ
電圧の上昇することがわかる。他方、この場合、静電容
量の方は大きく変動しない。従って、バリスタ電圧のみ
を、添加物量によりコントロールし得ることがわかる。
また、Co2O3、NiOは、バリスタ電圧を低下させる効果
があり、この場合には静電容量は添加に伴って増加する
ことがわかる(試料番号9〜12及び試料番号13〜16のデ
ータを参照されたい)。
従って、Fe2O3、MnO、Cr2O3及び/またはV2O5の添加
量と、Co2O3及び/またはNiOの添加量とを調整すること
により、バリスタ電圧を簡単にコントロールすることが
でき、またサージ耐量も若干向上させ得ることがわか
る。
しかしながら、いずれのガラス酸化物を用いた場合で
あっても、添加量が30重量%を超え、50重量%では電圧
非直線係数αの低下が大きく、αは10未満となった。従
って、Fe、Mn、Co、Ni、CrまたはVの各酸化物の添加量
は、ガラス酸化物全体の30重量%以下であることが好ま
しい。
次に、第1表の試料番号2、14、22を用いた各ユニッ
トについて、Fe、Mn、Co、Ni、Cr及びVの添加物量を変
動させ、バリスタ電圧を測定した。結果を、第1図に示
す。第1図から明らかなように、これらの添加割合がガ
ラス酸化物の1重量%を超えると、電圧非直線係数αが
小さくなり、バリスタ特性が低下することがわかる。
なお、図中の実線はバリスタ電圧、破線は電圧非直線
係数を示す。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の実施例におけるバリスタ電圧及び電圧
非直線係数と、Fe、Mn、Co、Ni、Cr及びVの酸化物の添
加量との関係を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 加地 敏晃 京都府長岡京市天神2丁目26番10号 株 式会社村田製作所内 (72)発明者 米田 康信 京都府長岡京市天神2丁目26番10号 株 式会社村田製作所内 (56)参考文献 特開 昭56−169316(JP,A) 特開 昭62−282413(JP,A) 特開 昭61−271802(JP,A) 特開 昭63−55903(JP,A) 特開 昭53−115095(JP,A)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】SrTiO3を主成分とする焼結体の結晶粒界に
    ガラスを拡散させる工程を含む複合機能素子の製造方法
    であって、 SrTiO3を主成分とし、希土類元素、Nb、W及びTaの各酸
    化物からなる群から選択した少なくとも1種を半導体化
    剤として含む焼結体に対し、1重量%以下の割合で前記
    焼結体の表面にB及びSiのうち少なくとも1種並びにF
    e、Mn、Co、Ni、Cr及びVのうち少なくとも1種を含む
    ガラスを付着させた後、900〜1200℃の温度範囲で熱処
    理することを特徴とする、複合機能素子の製造方法。
  2. 【請求項2】前記ガラスのうち、Fe、Mn、Co、Ni、Cr及
    びVは、Fe2O3、MnO、Co2O3、NiO、Cr2O3及びV2O5の形
    態で1〜30重量%添加することを特徴とする、請求項1
    に記載の複合機能素子の製造方法。
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