JP2632429B2 - レーザープリンター用粘着紙 - Google Patents

レーザープリンター用粘着紙

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JP2632429B2
JP2632429B2 JP15399990A JP15399990A JP2632429B2 JP 2632429 B2 JP2632429 B2 JP 2632429B2 JP 15399990 A JP15399990 A JP 15399990A JP 15399990 A JP15399990 A JP 15399990A JP 2632429 B2 JP2632429 B2 JP 2632429B2
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邦男 野原
和男 池田
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、レーザープリンター用粘着紙に関するもの
である。特に、電子写真記録法の原理からなる複写機、
フアクシミリ機、プリンター等、就中、近年コンピユー
ターのアウトプツトに供されるレーザービームプリンタ
ー(以下、「レーザープリンター」という。)に好適な
レーザープリンター用粘着紙に関するもので、記録時に
カールの発生および静電気の発生がなく、記録機器のシ
ート走行適性等を有するレーザープリンター用粘着紙を
提供することを目的とするものである。
〔従来の技術〕
レーザープリンターの記録は、その原理からトナーを
定着させるために200℃近い温度をかけ、粘着紙上に転
写されたトナーを融着させてから冷却しながら定着させ
る方式(熱定着方式)を採用しているプリンターが多
い。そのため粘着紙にはプリンターでの走行性を阻害す
るような挙動、すなわち、静電気やカールの発生は不可
とされ、熱に対する寸法安定性の優れること等の特性が
要求されている。
レーザープリンターに供されている粘着紙としては、
上質紙、コート紙、キヤストコート紙及び半晒クラフト
紙等を原紙として粘着剤層を設けている。一方、粘着剤
層を保護する剥離紙としては、上質紙、未晒クラフト
紙、半晒クラフト紙、グラシン紙及び純白ロール紙等を
原紙としてバリヤー層としてポリエチレン、ポリプロピ
レン等のフイルムをラミネート、或るいはクレーコート
層を設け、バリヤー層上にシリコーン樹脂等の剥離剤層
を設けたものが使用されている。
〔発明が解決しようとする課題〕
この粘着紙は、適宜大きさに裁断されたカツト紙とし
てレーザープリンターにかけられる。その際、トナー定
着時の熱やプリンター内部で発生する熱でもつて原紙及
び剥離紙のもつ水分が飛散し、カールや曲りを起こし、
更に静電気を帯びてプリンター内での走行不良、排紙部
スタツカーでの紙揃え不良が起こり、カツト粘着紙の曲
りやシワが発生して機械自体の故障発生の原因となつて
いる。
従来、水分の飛散を防止するために、剥離紙の裏面に
合成樹脂エマルジヨンを塗布したり、ポリエチレンフイ
ルムをラミネートしたりしているが、静電気の発生防止
には効果は無く、更に上紙の水分飛散防止には不十分で
あつた。
また、上紙の対策としては、上質紙やキヤストコート
紙に変更することで実際に行なわれているが、剥離紙の
対策と組合わせても水分の飛散防止や静電気の発生防止
には不十分である。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者らは、従来のこれらの欠点を解消するために
鋭意検討した結果、問題を解決することに成功し、本発
明を完成させた。
すなわち、本発明は、上紙、粘着剤層及び剥離紙を主
構成要素とするレーザープリンター用粘着紙において、
該上紙用原紙及び剥離紙用原紙の片面又は両面に、顔
料、接着剤及び耐水化剤を主成分とする水性顔料塗料を
塗被、乾燥して耐水性を有する導電性顔料塗被層もしく
は該耐水性を有する導電性顔料塗被層上に、更にカチオ
ン系の導電性高分子層を設けてなるものであることを特
徴とするレーザープリンター用粘着紙である。
本発明のレーザープリンター用粘着紙においては、粘
着紙を構成する上紙及び剥離紙の原紙の片面又は両面
に、耐水性を有する導電性顔料塗被層を設け、或るいは
該導電性顔料塗被層上に、更にカチオン系の導電性高分
子化合物層を設けた剥離紙を用いるため、従来の剥離紙
を用いた粘着紙に比べて耐水性に優れ、また剥離紙の表
面電気抵抗値も低くなる。従つて、本発明のレーザープ
リンター用粘着紙をレーザープリンターに使用した場合
に、装置内部で発生する熱や定着時の加熱による水分低
下及びそれらに伴なうカールの発生が防止され、寸法安
定性に優れる。また、基紙及び剥離紙の裏面の表面電気
抵抗値が低いため、上記水分低下の防止と相俟つて、シ
ート走行時に摩擦による静電気が発生し難くなり、シー
ト走行適性にも優れたものである。
〔発明の作用および態様〕
本発明のレーザープリンター用粘着紙を構成する上紙
用原紙としては、上質紙を初めとして中質紙、再生紙、
微塗工紙、コート紙、キヤストコート紙等を使用するこ
とが出来る。その他、木材繊維と合成繊維、無機繊維等
との混抄紙であつても良い。
また、剥離紙用原紙としては、上質紙、中質紙、微塗
工紙、コート紙、キヤストコート紙、未晒クラフト紙、
半晒クラフト紙、グラシン紙等を使用することが出来
る。
これらの上紙及び剥離紙用原紙には、その片面もしく
は両面に顔料、接着剤及び耐水化剤を主成分とし、導電
剤を添加した水性顔料塗料を塗被、乾燥して耐水性を有
する導電性顔料塗被層が設けられ、それぞれ上紙及び剥
離基紙として供される。
この導電性顔料塗被層を設けるにあたり水性顔料塗料
を構成する顔料としては、クレー、炭酸カルシウム、酸
化チタン、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、硫酸バリウ
ム、水酸化アルミニウム、シリカ、合成顔料等通常のア
ート紙、コート紙製造の紙塗工に適用されている顔料を
使用することが出来る。勿論、これらの顔料は、単独で
あつても混合しても良い。
そして、接着剤としては、これも通常のアート紙、コ
ート紙製造の紙塗工に使用されている水溶性接着剤例へ
ばカゼイン、各種加工澱粉、カルボキシメチルセルロー
ス、メチルセルロース、ポリビニルアルコール等を挙げ
ることが出来る。また、ラテツクス類や合成樹脂エマル
ジヨンとしては、カルボキシ変性スチレン・ブタジエン
ラテツクス、アクリロニトリル・ブタジエンラテツク
ス、メチルメタクリル・ブタジエンラテツクス、アクリ
ルエマルジヨン、酢酸ビニル樹脂エマルジヨン等を挙げ
ることが出来る。
その他、顔料分散に通常使用されている分散剤や消泡
剤、塗料粘度調整剤、防腐剤、増粘剤、潤滑剤、保水剤
等その他の助剤も併用することが出来る。
また、耐水化剤としては、接着剤として使用されるラ
テツクス類や水溶性高分子化合物と架橋反応して耐水性
を付与できるものが使用される。例へば、メラミン・ホ
ルムアルデヒド樹脂、尿素・ホルムアルデヒド樹脂、ポ
リアミド系樹脂、エポキシ系樹脂、ジアルデヒド系樹脂
等を使用することが出来る。その他、水溶性樹脂の水酸
基やカルボキシル基と反応する塩化アンモニウムやグリ
オキザールの化合物、ジルコニウム系の化合物等もポリ
ビニルアルコール、澱粉、カゼイン等の耐水化剤として
使用することが出来る。
また、導電剤としては、イオン系の導電剤が好ましく
用いられ、例えば、ポリビニルアルコール、ポリアクリ
ルアミド、ポリエチレングリコールなどのアニオン系の
有機導電性化合物、カルボン酸やスルホン酸などのノニ
オン系の有機導電性化合物、さらに、食塩、アルミン酸
ソーダ、無機リン酸塩などの無機導電性化合物が例示さ
れる。
このような塗料構成成分を基に調製される水性顔料塗
料は、通常の紙塗工において使用されている各種塗工機
によつて上紙用原紙および剥離紙用原紙の表面に塗被、
乾燥されて耐水性を有する導電性顔料塗被層は設けられ
る。水性顔料塗料の塗布量は、3〜30gr/m2で、上紙用
原紙では望ましくは4〜15gr/m2である。そして、剥離
紙用原紙では望ましくは8〜20gr/m2である。
上紙及び剥離紙用原紙の表面に耐水性を有する導電性
顔料塗被層を設けた後、スーパーキヤレンダーやグロス
キヤレンダー等に掛けると十分な平滑性が得られ、ま
た、通気性がコントロールされて効果的である。
更に、本発明では、この上紙および剥離紙用原紙の表
面に設けられた耐水性を有する導電性顔料塗被層上に、
カチオン系の導電性高分子化合物層を設けるとより効果
的である。これは、耐水性を有する導電性顔塗被層の表
面電気抵抗が1010Ω・cm以上になつた時に有効で、その
塗布量は0.1〜2gr/m2で十分でる。本発明において使用
されるカチオン系の導電性高分子化合物としては、第4
級アンモニウム塩タイプが使用される。
剥離紙用原紙の表面に耐水性を有する導電性顔料塗被
層、更にその耐水性を有する導電性顔料塗被層上にカチ
オン系の導電性高分子化合物層を設けた剥離紙用基紙の
片面には、ポリビニルアルコール、でんぷん等の目止め
剤層やポリエチレンフイルム、ポリプロピレンフイルム
等のラミネートフィルム層を介して剥離剤層が設けられ
本発明のレーザープリンター用粘着紙に使用される剥離
紙は得られる。これらの中では、ポリエチレンフイルム
ラミネートが一般的で、厚さ10〜30μで、望ましくは12
〜20μでラミネートされる。ラミネートにあたつては、
予め原紙の表面をコロナ放電処理するとフイルムとの密
着に効果的である。そして、剥離剤としては、シリコン
樹脂、ポリエステル樹脂、フツソ樹脂等を使用すること
が出来、剥離紙の製造で通常実施されている方式で塗
布、乾燥することにより本発明で使用される剥離紙は得
られる。
かくして得られた剥離紙は、通常の粘着シートの製造
と同様に供され、本発明のレーザープリンター用粘着紙
は得られる。すなわち、剥離紙の剥離剤層上に粘着剤層
を介して上紙を積層することにより、本発明のレーザー
プリンター用粘着紙は得られる。
粘着剤については、通常の粘着加工に使用されている
ものを使用することが出来る。
〔実施例〕
さらに、実施例によつて本発明を説明する。
実施例1 顔料塗被層配合組成 重量部 クレー 100 無機導電剤(トリポリリン酸ソーダ) 2 酸化デンプン 5 カルボキシル変性スチレン・ ブタジエンラテツクス 25 水溶性メラミン・ホルム アルデヒド樹脂 5 上記顔料塗被層配合組成で固形分40%の水性顔料塗料
を調製し、エアーナイフコーターで坪量50gr/m2の半晒
クラフト紙の片面に4gr/m2塗布、乾燥して耐水性を有す
る導電性顔料塗被層を設けた後、スパーキヤレンダー処
理をして上紙を得た。
次いで、坪量50gr/m2の半晒クラフト紙を剥離紙用原
紙として、その両面に上記水性顔料塗料を同様にして、
片面当り8gr/m2塗布、乾燥して耐水性を有する導電性顔
料塗被層を設けた後、スーパーキヤレンダー処理をして
剥離紙用基紙を得た。
続いて、この剥離紙用基板の片面に剥離紙用シリコン
樹脂を0.3gr/m2バーコーターで塗布、乾燥して剥離紙を
得た。
次いで、この剥離紙のシリコン樹脂塗被面にアクリル
2液型粘着剤をナイフコーターにて20gr/m2塗布し、上
紙を貼合して本発明のレーザープリンター用粘着紙を得
た。
実施例2 顔料塗被層配合組成 重量部 クレー 70 炭酸カルシウム 30 カゼイン 10 アンモニア 1 アロンT−40(東亜合成化学製) 1.5 有機導電剤(ゴーセファイマーA−460) 1 (日本合成化学製) カルボキシ変性メチルメタクリル・ ブタジエンラテツクス 30 水溶性エポキシ樹脂 5 上記顔料塗被層配合組成で固形分35%の水性顔料塗料
を調製し、エアーナイフコーターで坪量40gr/m2の上質
紙の両面に、片面当り7gr/m2塗布、乾燥して耐水性を有
する導電性顔料塗被層を設けた後、スーパーキヤレンダ
ー処理をして上紙を得た。
次いで、坪量60gr/m2の半晒クラフト紙を剥離紙用原
紙として、その片面に上記水性顔料塗料をロールコータ
ーで18gr/m2塗布、乾燥して耐水性を有する導電性顔料
塗被層を設けた後、スーパーキヤレンダー処理をし、そ
の反対面に厚さ18μのポリエチレンフイルムをラミネー
トして剥離紙用基紙を得た。
続いて、この剥離紙用基紙のポリエチレンフイルム側
に剥離紙用シリコン樹脂を0.4gr/m2バーコーターで塗
布、乾燥して剥離紙を得た。
この剥離紙にアクリル系エマルジヨン粘着剤をナイフ
コーターにて23gr/m2塗布し、上紙を貼合して本発明の
レーザープリンター用粘着紙を得た。
実施例3 実施例1の上紙の耐水性を有する導電性顔料塗被層上
に、ロツドコーターでカチオン系の導電性高分子化合物
カヤクリルレジンEC003(日本化薬製)2.5%液を塗布量
0.2gr/m2塗布して上紙を得た。
以下、実施例1と同様にして本発明のレーザープリン
ター用粘着紙を得た。
実施例4 実施例2の上紙の耐水性を有する導電性顔料塗被層の
一面に、ロツドコーターでカチオン系の導電性高分子化
合物ケミスタツト6300(三洋化成製)5%液を塗布量2g
r/m2塗布して上紙を得た。
以下、実施例2と同様にして本発明のレーザープリン
ター用粘着紙を得た。
実施例5 実施例2の上紙の耐水性を有する導電性顔料塗被層上
の両面に、ロッドコーターでカチオン系の導電性高分子
化合物「ケミスタット6300」(三洋化成製)5%液を、
片面当り塗布量0.4gr/m2塗布して上紙を得た。
次いで、坪量40gr/m2のグラシン紙を剥離紙用原紙と
して、その両面に実施例2の水性顔料塗料をロールコー
ターで片面当り10gr/m2塗布、乾燥して耐水性を有する
導電性顔料塗被層を設けて剥離紙用基紙を得た。
続いて、この剥離紙用基紙の片面にロツドコーターで
カチオン系の導電性高分子化合物カヤクリルレジンEC00
3(日本化薬製)2.5%液を塗布量0.5gr/m2塗布した。一
方、その他面に同様にして塗布量0.8gr/m2塗布し、更に
剥離紙用シリコン樹脂を0.4gr/m2をグラビアコーターで
塗布、乾燥して剥離紙を得た。
この剥離紙のシリコン樹脂層面にアクリル系エマルジ
ヨン粘着剤をナイフコーターにて20gr/m2塗布し、上紙
を貼合して本発明のレーザープリンター用粘着紙を得
た。
比較例1 剥離紙用原紙として坪量50gr/m2の半晒クラフト紙を
用い、その片面に厚さ18μのポリエチレンフイルムをラ
ミネートし、次いで、シリコン樹脂を0.3gr/m2塗布して
剥離紙を得た。
この剥離紙を用いて以下実施例1と同様に粘着加工
し、上紙として坪量50gr/m2の半晒クラフト紙を貼合し
て比較用のレーザープリンター用粘着紙を得た。
比較例2 坪量60gr/m2の市販のグラシン剥離紙にアクリル2液
型粘着剤をナイフコーターにて20gr/m2塗布した後、坪
量60gr/m2の上質紙を貼合して比較用のレーザープリン
ター用粘着紙を得た。
比較例3 比較例1の剥離紙の裏面に塩化ビニリデンエマルジヨ
ンを15gr/m2塗布してバリヤー層を設けた剥離紙を用い
た他は、比較例1と同様にして比較用のレーザープリン
ター用粘着紙を得た。
各実施例および比較例で得られたレーザープリンター
用粘着紙をA−4判に切断し、各100枚を複写機(富士
ゼロックス製複写機5039)およびプリンター(日本IBM
製レーザープリンター3820)に通紙して比較した。
その結果は、第1〜2表の通りで、本発明のレーザー
プリンター用粘着紙は、比較品に比べて走行性が優れ、
カールや静電気の障害がなく、品質に問題のないもので
あることが判る。
カツト粘着紙の特性判定 ◎ :全く問題なし(優) ○ :殆ど問題なし(良) × :かなり問題あり(劣) ××:大いに問題あり(不可) 〔発明の効果〕 以上のように、本発明のレーザープリンター用粘着紙
は、電子写真記録方式の複写機やプリンターに通したと
きに粘着紙の走行不良や静電気障害および粘着紙を供給
後に発生するカールを防止することが出来、その効果の
大なることが判る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C09J 7/04 JHV C09J 7/04 JHV

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】上紙、粘着剤層及び剥離紙を主構成要素と
    するレーザープリンター用粘着紙において、該上紙用原
    紙及び剥離紙用原紙の片面又は両面に、顔料、接着剤及
    び耐水化剤を主成分とし導電剤を添加した水性顔料塗料
    を塗被、乾燥してなる耐水性を有する導電性顔料塗被層
    を設けてなるものであることを特徴とするレーザープリ
    ンター用粘着紙。
  2. 【請求項2】上紙、粘着剤層及び剥離紙を主構成要素と
    するレーザープリンター用粘着紙において、該上紙用原
    紙及び剥離紙用原紙の片面又は両面に、顔料、接着剤及
    び耐水化剤を主成分とし導電剤を添加した水性顔料塗料
    を塗被、乾燥してなる耐水性を有する導電性顔料塗被層
    と、更に該耐水性を有する導電性顔料塗被層上にカチオ
    ン系の導電性高分子化合物層を設けてなるものであるこ
    とを特徴とするレーザープリンター用粘着紙。
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