JP2631927B2 - 胛被材一体のライニング及びこれを使用したスラッシュ成形靴の製造方法並びにスラッシュ成形靴 - Google Patents

胛被材一体のライニング及びこれを使用したスラッシュ成形靴の製造方法並びにスラッシュ成形靴

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JP2631927B2 JP3329486A JP32948691A JP2631927B2 JP 2631927 B2 JP2631927 B2 JP 2631927B2 JP 3329486 A JP3329486 A JP 3329486A JP 32948691 A JP32948691 A JP 32948691A JP 2631927 B2 JP2631927 B2 JP 2631927B2
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  • Footwear And Its Accessory, Manufacturing Method And Apparatuses (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、特に靴製造能率の向
上,デザインの多様化等を図る胛被材一体のライニング
及びこれを使用したスラッシュ成形靴の製造方法並びに
スラッシュ成形靴に関する。
【0002】
【従来の技術】スラッシュ成形においては、まず、靴型
モールドにPVC等のペーストを流し込み、モールドを
短時間加熱して該モールドに接触している部分のペース
トをゲル化する。つぎに、ゲル化していない余分のペー
ストをモールド外に排出した後、更に加熱して上記ゲル
化した部分を完全に固化して外被スキンを成形する。そ
して、固化した外被スキンをモールドから脱型した後、
履口側の余分な部分を切断し、別途用意した靴下状のラ
イニングを該外被スキンに貼着等により取り付ける。こ
のようなスラッシュ成形靴は、靴底と胛被とが連続一体
に形成されるので、手縫い・手張り靴あるいは射出成形
靴のように、降雨,降雪時等に靴底と胛被との縫合部等
から水が靴内部にしみ込むという不都合はない。また、
スラッシュ成形靴は、成形面上に手縫い・手張り靴の表
面の絞,縫着糸等を精密に表現できるという利点を有し
ている。
【0003】しかし、スラッシュ成形に使用されるモー
ルドは筒状のものであるため、外被スキンの全体形状は
単調とならざるを得ず、例えば履口パッド,砂除,水除
等を外被スキンの一部として胛被と一体に成形すること
は不可能ないし極めて困難である。このため、スラッシ
ュ成形靴は、これまでは主として防寒,防水等を目的と
するブーツタイプの靴に適用され、その多くは比較的簡
単な構造とされている。ところが最近では、外被スキン
の外面処理や裁断,縫製等の各種技術が進歩してきたた
め、上記スラッシュ成形靴をファッショナブルタイプま
たはスポーティータイプの靴としても使用しようとする
試みがなされている。このようなタイプの靴では、外被
スキンに、該外被スキンとは別個に製造した同様素材ま
たは質感,色彩等が異なる異素材から構成された履口パ
ッド,砂除,水除等の装用部材をデザイン,用途等に応
じて取り付けることも行われる。
【0004】図7(A)〜(C)は、このような装用部
材(この場合には、砂除及び履口パッド)が取り付けら
れたスラッシュ成形靴の製造方法の従来例を示してい
る。まず、図7(A)に示すように、靴下状のライニン
グ1と、スラッシュ成形により形成された外被スキン2
とが用意される。同図(A)上図に示すように、ライニ
ング1は、例えばボア布,トリコット布,ラミネート布
等により縫製されたアッパーライニング材3(底部に、
ボア,フェルト,帆布,レザーボード,合成皮革,天然
皮革,一般繊維布等からなる中底布9を有している)と
レザーボード等から成る中底4とが縫合,融合,接着等
により接合されて構成される。つぎに、上記ライニング
1が、図7(A)下図に示すような上部が適宜形状に切
断されて成る外被スキン2内に吊り込まれ、貼着等によ
り取り付けられる。この従来例のスラッシュ成形靴で
は、外被スキン2は図7(A)下図に示すようにその履
口部高さが低くなるように切断され、同図(B)に示す
ように該履口部上端から履口パッド5が大きく露出する
ようにデザインされている。この履口パッド5は、ライ
ニング1を外被スキン2に取り付けた後に、同図(C)
に示すように靴の内側から外被スキン2の履口部に縫着
(縫着部を7で示す)される。
【0005】また、図7(B)に示すように、外被スキ
ン2の胛部に形成された開口部に、別途作られた別部材
である砂除6が配置され、この砂除6が図7(C)に示
すように、外被スキン2に位置決めされた外被スキン2
に縫着(縫着部を8で示す)される。履口パッド5,砂
除6の他、水除その他の装用部材を外被スキンに装着す
る場合も上記と同様、ライニング1とは別部材として装
着される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、スラッシュ
成形では、上記のように、外被スキン2にライニング1
を取り付けた後に、別部材としての装用部材(履口パッ
ド5や砂除6)を所定部位に装着しているため、靴の製
造ライン上に該装用部材を多数備えておく必要があり、
部品管理が面倒となる。しかもこれらの装用部材を外被
スキン2に装着する際のセットや位置決め、あるいは仮
止めや縫製作業等に多くの手間がかかり、該装用部材の
装着工程で製造ラインの流れが停滞し、製造能率が低下
するという問題がある。
【0007】また、装用部材のセット不良や位置決め不
良が生じた場合には、縫着糸の蛇行や外れ、該部材の位
置ずれや捩れ、または縫着ミスによる皺発生等の不具合
が生じ、スラッシュ成形靴自体の品質低下を招来すると
いう問題がある。
【0008】さらに、外被スキンとして使用される素材
はPVC等に限られるため、色彩や質感が単調となる傾
向が強い。このため、外被スキン表面に色彩を施すこと
でデザインに変化を持たせているが、着色により靴自体
のデザインを多様化するには限界がある。
【0009】本発明はこのような事情を考慮してなされ
たもので、履口パッド,砂除,水除等の装用部材の外被
スキンへの装着の際の作業能率の向上及びスラッシュ成
形靴の品質向上を図り、かつ従来とは異なる方法で胛被
本体の色彩,質感等に変化を与えることによりスラッシ
ュ成形靴のデザインの自由度を飛躍的に向上させる、胛
被材一体のライニング及びこれを使用したスラッシュ成
形靴の製造方法並びにスラッシュ成形靴を提供すること
を目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の胛被材一体のラ
イニングは、スラッシュ成形により形成された外被スキ
ンに取り付けられるライニングであって、アッパーライ
ニング材(以下、単に「ライニング材」と言う)の所定
部位に前記外被スキンに接合される前記胛被材の一部が
装着されてなることを特徴とする。また、上記胛被材の
一部が、胛被本体の一部分を含んでおり、または胛被の
装用部材であることを特徴とする。さらに、本発明のス
ラッシュ成形靴の製造方法は、上記胛被材一体のライニ
ングを外被スキンに取り付けた後、ライニング材に装着
された胛被材の一部を外被スキンの所定部位に接合する
ことを特徴とする。加えて、本発明のスラッシュ成形靴
は、胛被本体が二以上の部材から成り、少なくとも靴底
及び該靴底に連続する胛被部分がスラッシュ成形により
形成されてなることを特徴とする。
【0011】なお、本発明において、「装用部材」と
は、接着,縫着,融着等により外被スキン本体に一般に
装着され得る履口パッド,砂除,水除,胛ゴム,ファス
ナー等の胛被材、およびカウンター,先芯,中底等の胛
被内側に装着される胛被材を言い、「胛被本体」とは胛
被のうち上記「装用部材」を除く部分(すなわち、胛被
のうち、従来スラッシュ成形により形成されていた部
分)を言う。また、「接合」とは縫着,接着,融着等の
各種結合手段を言う。
【0012】
【作用】本発明では、ライニングはその縫製段階で、胛
被材の一部(履口パッド,砂除,水除等の装用部材や胛
被本体の一部分)をライニング材に装着することで製造
される。また、ライニングを外被スキンに吊り込んで取
り付けた場合には、ライニング材に装着された胛被材の
一部は、外被スキンの所定部位にセットされることにな
る。これにより、その後の工程において、該胛被材の外
被スキンへの縫合等による接合が容易に行われる。な
お、上記ライニングをスキンに取り付ける場合、例え
ば、フリーな状態で取り付けてもよいし、貼着状態で取
り付けてもよい。
【0013】胛被材の一部が、履口パッド,砂除,胛ゴ
ム,ファスナー,カウンター,先芯,中底等の装用部材
である場合、該装用部材をスラッシュ成形から靴の製品
化に至るラインに独立した部品として備えておく必要が
ないので、該ライン上に備えるべき部品点数が減少す
る。これにより、ラインにおける装用部材の管理の必要
がなくなる。また、装用部材の外被スキンへの取付け工
程が簡略化され、該装用部材のセットや位置決め等に要
する注意や手間が軽減される。これにより一層の作業能
率の向上が図られる。
【0014】胛被材の一部が胛被本体の一部分を含んで
いる場合、該胛被部分の素材として外被スキンと同様の
ものを使用することもできるし、外被スキンとは色彩,
質感等が異なるもの(異素材)を使用することもでき
る。これにより、従来行われていた方法とは異なる方法
で胛被本体のデザインの多様化等を図ることができる。
【0015】加えて、少なくとも靴底及び該靴底と連続
する胛被部分とがスラッシュ成形により形成されて成る
本発明のスラッシュ成形靴では、上記製造方法により製
造されると否とに関わらず、デザインの多様化に対処で
きる。また、従来のスラッシュ成形靴と同様の防水性が
担保される。
【0016】
【実施例】図1及び図2は本発明による胛被材一体のラ
イニングの一実施例を示しており、図1はライニングの
構成部材の分解状態を、図2は組立て後の状態をそれぞ
れ示している。図1及び図2に示すように、本実施例の
ライニング11は、ライニング材12(底部に中底布1
3を有している)と、ライニング材12の胛部への装用
部材である砂除14と、ライニング材12の履口部への
装用部材である履口パッド15と、該ライニング11の
底部に装用部材として接合される中底16とから構成さ
れる。なお、中底16としては、不踏部にアーチクッシ
ョンを有していたりするなど、各種構造品が考えられ
る。また、図1及び図2には示さないが、ライニング材
12の踵部にカウンターを取り付けたり、爪先部に先芯
を取り付けたりすることもできる。ライニング材12
は、例えばボア布、トリコット布等の吸汗性布材の外表
面に発泡材をラミネートしたラミネート布によって構成
され、胛部に開口部Hが形成されるとともに、該開口部
Hの下端部に、砂除14の装着用片17が胛被形状に沿
って手前上向きに突出形成されている。中底布13は、
例えばフェルト,帆布,レザーボンド,合皮,ボア,一
般繊維布等で作られ、本実施例ではその周囲部がライニ
ング材12に縫着により取り付けられる。なお、この取
付け手段としては、縫着以外に融合、接着等の各種の取
付け手段が採用される。
【0017】砂除14は、開口部Hよりも幅広な矩形状
を成している。また、この砂除14は複合布構造,単体
布構造の何れとすることもでき、その素材として、例え
ば合成皮革,天然皮革,一般繊維布,ラミネート布,ボ
ンディング布等の各種素材が採用される。本実施例で
は、砂除14は表材14aと、吸汗性布材からなる砂除
裏付パッド14bとがボンディングされた複合布構造と
されている。また、砂除裏付パッド14bの裏面側略下
半分に、補助布18が縫着(縫着部を19で示す)によ
り取り付けられている。この補助布18の下端側は縫着
されていないので、砂除裏付パッド14bと補助布18
間に下端側が開口する袋部20が形成される。そして、
この袋部20がライニング材12の前記装着用片17に
被嵌される。この状態で、砂除14はライニング材12
に縫着,接着等の適宜手段を用いて装着される。
【0018】また、履口パッド15は履口全体を覆う長
さ、または足首保護に必要な長さを有し、発泡材等から
なる柱状の弾性体22を厚手の表布23と薄手の裏布2
4とで被覆した複合構造とされている。この履口パッド
15は、ライニング材12の履口上端部に装着される。
なお、砂除14及び履口パッド15の上記ライニング材
12への装着は、必ずしも強固である必要はなく、仮装
着的なものであってもよい。例えば、前記袋部20の内
面や履口パッド15の裏布24に接着面を形成してお
き、砂除14を装着用片17に、また履口パッド15を
ライニング材12の履口部に仮装着するようにしてもよ
い。本実施例では、砂除14及び履口パッド15はそれ
ぞれ縫着(縫着部を21及び25で示す)により取り付
けられている。
【0019】一方、外被スキン26は、スラッシュ成形
により形成され、図2に仮想線で示すように、胛被履口
部の高さが低い形状とされ、胛部上側には砂除14を接
合するための接合用片27が突出するように切断加工が
なされている。このような外被スキン26内に前記ライ
ニング11が吊り込まれると、履口パッド15は、外被
スキン26の履口の縁部28に位置し、砂除14は接合
用片27部位に位置することになる。この吊り込みの際
に、例えば中底布13の底面及び中底16の両面並びに
外被スキン26の底部内面に接着材を塗布しておき、中
底布13と中底16及び中底16と外被スキン26の底
部内面が接合されるようにしてもよい。また、図示は省
略するが、中底16単体を直接、中底布13を有しない
ライニング材12に接合したり、中底布13と中底16
の複合体を直接、底部を有しないライニング材に接合
し、該複合体を外被スキン26の底部内面と接合するこ
ともできる。
【0020】このような状態において、袋部20を砂除
接合用片27に容易に被嵌することができる。そして、
砂除14は接合用片27に縫着等により容易に接合さ
れ、また履口パッド15は前記外被スキン26の縁部2
8に同じく縫着等により容易に接合される。上記のライ
ニング材12には、砂除14及び履口パッド15が予め
装着されているので、スラッシュ成形から製品完成に至
る一連のライン上に、砂除14や履口パッド15を備え
ておく必要はなく、工程簡素化の一助となる。
【0021】なお、図3(A)〜(D)は、上記履口パ
ッド15の各種構成例を示している。図3(A)の履口
パッド15はクッション材22を直接ライニング材12
に取り付けて折返した構成、同図(B)の履口パッド1
5はクッション材22を被覆布31を介してライニング
材12に取り付けて折返した構成、同図(C)の履口パ
ッド15はクッション材22を直接ライニング材12に
取り付けて立ち上らせた構成、同図(D)の履口パッド
15はクッション材22を被覆布31を介してライニン
グ材12に取り付けて立ち上らせた構成をそれぞれ示し
ている。
【0022】図4(A),(B)は、前記のライニング
11を用いた本発明のスラッシュ成形靴の製造方法の手
順概略を示している。まず、図4(A)上図に示すよう
に、靴下状のライニング材12に装用部材砂除14及び
履口パッド15を装着することによりライニング11を
予め適宜数製造しておき、スラッシュ成形による製造工
程の吊り込み工程に用意しておく。そして、製造ライン
において、スラッシュ成形された外被スキンを裁断し、
図4(A)下図に示す外被スキン26を製造する。そし
て図4(B)に示すように、ライニング11を外被スキ
ン26内に吊り込んで取り付ける。このとき、砂除14
及び履口パッド15は外被スキン26の接合用片27の
部位及び縁部28に位置することになる。ついで、これ
らの砂除14及び履口パッド15を上記砂除接合用片2
7及び縁部28に縫着(縫着部を29,30で示す)す
る。
【0023】上記製造方法では、ライニング11の外被
スキン26への取付けと同時に、砂除14及び履口パッ
ド15が外被スキン26の所定部位に位置することにな
る。したがって、ライニング11の外被スキン26への
取付け工程に連続する工程(必ずしも、直後の工程であ
る必要はない)で、砂除14及び履口パッド15を外被
スキン26に容易に(すなわち、外被スキン26に簡単
な位置合わせのみで)取る付けることができる。これに
より、砂除14及び履口パッド15の外被スキン26へ
の取り付け作業の能率の向上が図れるとともに、位置決
め等に要する注意や手間が軽減される。また、砂除14
や履口パッド15が所定部位から離脱するという不都合
がないので、縫着糸の蛇行や外れ、あるいは砂除14及
び履口パッド15のずれや捩れ、縫着ミスによる皺発生
等の可能性が大幅に少なくなり、製品の品質の向上が図
られる。なお、図示はしないが、水除,胛ゴム,ファス
ナー等の装用部材をライニング材12に取り付けておく
ことができることは勿論である。また、同じく図示はし
ないが、ライニング材12のアキレス腱部分に装用部材
としてのドッグイヤー(アキレス腱サポート)を装着し
ておき、上記と同様、ライニングを外被スキンに吊り込
んだ後に該ドッグイヤーを外被スキンに接合することも
できる。
【0024】図5(A),(B)及び図6(A)〜
(D)は胛被材の一部が胛被の一部分を含む場合の実施
例を示している。図5(A)は本実施例におけるライニ
ング11′を示しており、同図(B)は該ライニング1
1′が取り付けられる外被スキン26′を示している。
本実施例では、ライニング11′はその下部が、底部に
中底布13を有するライニング材12′と該中底布13
に取り付けられた中底16とにより構成され、その上部
が鳩目補強部41,ストラップ42,衿パッド(図6
(B)に示すようにウレタン材44が内装されて肉厚と
なっている)43等を有する胛被部分40により構成さ
れるとともに、踵部に合成樹脂やパルプ等により構成さ
れたカウンター45が取り付けられている。そして、胛
被部分40はライニング材12′に接着,縫着等の手段
により装着(同図(A)では縫着により装着)されてお
り、胛被部分40には装用部材としての砂除14が取り
付けられている。なお、砂除14は、表材14aと砂除
裏付パッド14bにより構成されている。
【0025】この胛被部分40は、胛被本体の一部(本
実施例では、胛被本体の概略上半分)を成しており、ス
ラッシュ成形では作り得ない立体的な造作(例えば図6
(B)に示す衿パッド43の断面を参照)がなされてい
る。このライニング材12′は履口部分にまで延在して
いてもよいし(図6(B)参照)、該ライニング材1
2′の上端が胛被部分40の下端付近までのサイズとし
てもよい。一方、外被スキン26′は靴底及び胛被本体
の概略下半分を構成しており、スラッシュ成形により形
成された外被スキンを適宜手段により切断することによ
り図示の形状とされる。
【0026】図6(A)は上記ライニング11′を上記
外被スキン26′に取り付けた状態を示しており、同図
(B),(C)及び(D)は(A)におけるα−α′断
面,β−β′断面及びγ−γ′断面をそれぞれ示してい
る。この場合には、外被スキン26′のL1′部を胛被
部分40のL1部に被せ、胛被部分40のL2部を外被
スキン26′のL2′部に被せるように縫着により接合
している(L1,L2及びL1′,L2′については、
図5(A)及び(B)を参照)。
【0027】上記実施例では、胛被本体を上下に概略二
分した場合を説明したが、本発明はこれに限定されず、
例えばモカタイプの靴に適用する場合こともできる。こ
の場合には、胛被本体のうち合成皮革,天然皮革,一般
繊維布等からなる胛部分をライニング材に予め装着して
おき、これを胛の部位を切除した外被スキンに吊り込
み、ライニング材に装着された胛部分を外被スキンの上
記切除部分に縫着等により接合する。
【0028】
【発明の効果】上述のように、本発明によれば以下の効
果を奏することができる。 (1)履口パッド,砂除等の装用部材をライニング材に
予め装着することにより、独立した装用部材を、スラッ
シュ成形から靴完成に至る製造ラインに備えておく必要
がなくなる。これにより該ラインに備えるべき部品点数
が減少し、取扱い上の繁雑さの解消及び部品管理の容易
化等を図ることができる。
【0029】(2)ライニングを外被スキンに取り付け
ると同時に、ライニング材に装着された装用部材あるい
は胛被本体の一部分は外被スキンの所定部位にセットさ
れる。したがって、外被スキンへのライニング取付け工
程に連続する工程(必ずしも直後の工程である必要はな
い)において、前記装用部材あるいは胛被本体の一部分
の位置決め及び外被スキンへの接合を容易に行うことが
でき、製造工程の簡略化,作業能率の向上等を図ること
ができる。また、これに付随して縫着糸の蛇行や外れ、
あるいは部材のずれ,捩れ,縫着の際の皺等の発生を防
止でき、スラッシュ成形靴の品質向上を図ることができ
る。
【0030】(3)履口パッド,砂除等の装用部材ある
いは胛被本体の一部分を外被スキンと同様の素材により
構成することもできるし、これらを外被スキンとは質
感,色彩等が異なる素材により構成することもできるの
で、スラッシュ成形靴のデザインや機能の多様化を図る
ことができる。また、特に胛被材一体のライニングを胛
被本体の一部分とするスラッシュ成形靴においては、従
来単調になりがちな胛被本体のデザインをより一層多様
化することができると共に、上記胛被本体の一部分のみ
を変更することで、同一モールドから成形される外被ス
キンに対しても、素材や形状が異なる防水性,防寒性に
優れた靴を容易に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるライニングの一実施例を示す分解
斜視図である。
【図2】同実施例を示す断面図である。
【図3】(A)〜(D)は本発明の応用例を示す図であ
る。
【図4】本発明による靴製造方法の手順を示す説明図で
ある。
【図5】(A)は本発明のライニングの他の実施例を示
す説明図、(B)はこのライニングが取り付けられる外
被スキンを示す説明図である。
【図6】本発明のスラッシュ成形靴の一実施例を示す図
であり、(A)は図5(A),(B)に示すライニング
及び外被スキンにより製造されたスラッシュ成形靴の側
面図、(B),(C)及び(D)は(A)におけるα−
α′,β−β′及びγ−γ′断面をそれぞれ示す図であ
る。
【図7】従来例による靴製造方法の手順を示す説明図で
ある。
【符号の説明】
11,11′ ライニング 12,12′ ライニング材 13 中底布 14 砂除 15 履口パッド 16 中底 26,26′ 外被スキン 27 砂除接合用片 28 縁部 40 胛被部分(胛被本体の一部分)
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B29L 31:50

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スラッシュ成形により形成された外被ス
    キンに取り付けられるライニングであって、アッパーラ
    イニング材の所定部位に前記外被スキンに接合される胛
    被材の一部が装着されてなることを特徴とする胛被材一
    体のライニング。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の胛被材の一部が、胛被本
    体の一部分を含んでなることを特徴とする同項記載の胛
    被材一体のライニング。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の胛被材の一部が、胛被の
    装用部材であることを特徴とする同項記載の胛被材一体
    のライニング。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至3の胛被材一体のライニン
    グを外被スキンに取り付けた後、アッパーライニング材
    に装着された胛被材の一部を外被スキンの所定部位に接
    合することを特徴とするスラッシュ成形靴の製造方法。
  5. 【請求項5】 胛被本体が二以上の部材から成り、少な
    くとも靴底及び該靴底に連続する胛被部分がスラッシュ
    成形により形成されてなることを特徴とするスラッシュ
    成形靴。
JP3329486A 1991-11-18 1991-11-18 胛被材一体のライニング及びこれを使用したスラッシュ成形靴の製造方法並びにスラッシュ成形靴 Expired - Lifetime JP2631927B2 (ja)

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