JP2631859B2 - チタニア繊維の製造方法 - Google Patents

チタニア繊維の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、断熱材、摩擦材、補強材等として有用なチ
タニア繊維の製造方法に関する。
〔従来の技術〕
チタニア(TiO2)繊維の製造方法として、二酸化チタ
ン(TiO2)と、加熱によりK2Oとなるカリウム化合物と
の混合物を出発原料とし、これを加熱溶融し、その溶融
物を冷却して、初生相繊維として二チタン酸カリウム結
晶体(K2O・2TiO2)からなる繊維物を生成させたのち、
該繊維物を酸水溶液で脱カリウム処理してカリウムの全
量を抽出することにより結晶質チタン酸繊維となし、つ
いで焼成処理を施してチタニア繊維に変換する方法が知
られている。また、その製造コストを低減するために、
出発原料調製用の二酸化チタン源として、高純度の精製
二酸化チタンに代え、天然産の安価で入手し易いルチル
サンドやアナターゼサンドを使用することも提案されて
いる。
〔発明が解決しようとする問題点〕 上記従来の製造方法により得られるチタニア繊維は一
般に繊維径が約10〜30μmと粗大であり、その繊維形態
(太さ、長さ)も不揃いで均質性に乏しい。これは、出
発原料の加熱溶融物を冷却させて得られる初生相繊維で
あるチタン酸カリウム繊維が一般に粗大で、しかもその
繊維形態が、冷却過程における冷却速度の部分的な差異
(例えば、冷却用金型に接する部分と、そうでない部
分)により異なったものとなり、その初生相繊維の形態
が、最終製品であるチタニア繊維の形態に強い影響を残
すことによる。従って、繊維径が細く、均質性にすぐれ
たチタニア繊維を得るには、加熱溶融物の冷却工程にお
いて、初生相繊維の粗大化やその形態のバラツキが生じ
ないように精密な冷却速度の制御を行うことが必要であ
る。しかし、そのような冷却速度の精密な制御を大量生
産・連続生産において実施することは甚だ困難である。
本発明は、上記従来法における問題点を解決するため
の改良されたチタニア繊維の製造方法を提供するもので
ある。
〔問題点を解決するための手段および作用〕
本発明に係るチタニア繊維の製造方法は、 加熱により二酸化チタン(TiO2)となるチタン化合物
と加熱により酸化カリウム(K2O)となるカリウム化合
物とを、TiO2/K2Oのモル比が1.5〜2.5となるように配合
した混合物を加熱溶融し、その溶融物を急冷して非晶質
固化物を得、該非晶質固化物に、二酸化チタンを、TiO2
/K2Oのモル比が3〜4となるように加えて均一な粉末混
合物となし、これを焼成処理して四チタン酸カリウム繊
維を生成させたのち、脱カリウム処理に付してカリウム
分の全量を抽出し、ついで400〜1100℃で焼成処理する
ことを特徴としている。
以下、本発明方法を工程順に説明する。
本発明における出発原料を調製するための二酸化チタ
ン源、すなわち、加熱により二酸化チタンとなるチタン
化合物としては、高純度精製酸化チタン、合成ルチル、
チタンスラグ、または天然産のルチルサンドやアナター
ゼサンド等が用いられる。天然産のルチルサンドやアナ
ターゼサンドは、一般式(Ti,M)O2〔式中のMは不純物
元素〕で示される安価な二酸化チタン原料である。その
組成は、TiO2が約95%で、不純物としてFe2O3,SiO2,Al2
O3,ZrO2,Cr2O3等がそれぞれ少量含まれている。
上記チタン化合物に配合されるカリウム化合物は、代
表的にはK2CO3であり、その他、KOH,KNO3,K2CO3,K2Oな
どが挙げられる。
チタン化合物とカリウム化合物との混合比は、TiO2/K
2Oのモル比で1.5〜2.5(二チタン酸カリウム相当組成)
の範囲が適当であり、その加熱溶融は、約950〜1100℃
と比較的低い温度域で行うことができる。
上記混合物を溶融炉内で加熱溶融し、その溶融物を急
冷処理(例えば106℃/秒以上の冷却速度)に付すこと
により、二チタン酸カリウム結晶の生成を阻止し、非晶
質固化物を得る。その急冷処理は、例えば双ロール法に
より行なわれる。金属双ロールを高速回転させながら、
双ロール間隙に溶融物を流下させることにより箔片状の
非晶質固化物を効率よく得ることができる。
上記急冷処理により得られた非晶質固化物を二酸化チ
タン(例えば、ルチルサンド、高純度精製酸化チタン粉
末等)と混合してTiO2/K2Oのモル比が3〜4(四チタン
酸カリウム相当組成)の混合物とし、これをディスクミ
ル等により粉砕して均一な粉末混合物となしたうえ、焼
成処理に付す。粉末の粒径は特に限定されないが、繊維
の収率を高め、かつ細径、長寸の繊維を成長させるため
には、微細粒である程よい。その好ましい粒径は10μm
以下である。焼成処理は800〜1200℃に適当時間(例え
ば30分間)保持することにより達成される。この焼成処
理において非晶質固化物粒子に二酸化チタンが固溶し、
その固溶物から初生相繊維として四チタン酸カリウム繊
維(K2O・4TiO2)が生成する。その繊維は、細く、かつ
均一な繊維形態を有している。このようにして得られた
四チタン酸カリウム繊維は、そのままでは、一部に繊維
同士が付着した束状の集合状態を呈しているが、これを
例えば水に懸濁させてミキサーで撹拌する解繊処理を施
せば、単繊維ごとに分離された繊維として回収される。
なお、出発原料のTiO2/K2Oのモル比を3〜4と、高め
に調整し、その溶融物を急冷して非晶質固化物(四チタ
ン酸カリウム相当組成)となし、これを熱処理して四チ
タン酸カリウム繊維を生成させることも可能ではあるれ
ども、その出発原料の融点が約1250℃と極めて高いた
め、溶解炉の炉材溶損・耐久性低下、および溶損炉材の
混入によるチタニア繊維の品質低下を逸れず、また溶融
物の非晶質化率の低下(結晶相の生成)により、得られ
るチタニア繊維の形態のバラツキが増大することとなる
ので採用できない。
上記焼成処理を経て得られた四チタン酸カリウム繊維
を脱カリウム処理に付してカリウム分の全量を抽出する
ことにより、その繊維組成をチタニア相当組成に変換す
る。その脱カリウム処理は、水または酸水溶液、好まし
くは酸水溶液(例えば、2〜10%の硫酸水溶液)を洗液
として行うことができる。
なお、上記工程中、非晶質固化物に二酸化チタンを加
え、その混合物を焼成して四チタン酸カリウム繊維を生
成させる工程を省略し、例えば非晶質固化物をそのまま
脱アルカリ処理に付してチタニア相当の組成に変換した
のち、熱処理を加えたチタニアの結晶構造に変換する
か、またはその脱カリウム処理と熱処理の順序を逆に
し、非晶質固化物(二チタン酸カリウム相当組成)を結
晶質の二チタン酸カリウム繊維に変換したのち、そのカ
リウム分の全量を抽出してチタニア相当組成に変換する
こととすれば、工程が簡略化されるけれども、前者の場
合、非晶質固化物には二チタン酸カリウムや四チタン酸
カリウム等のもつ層状構造が存在しないので、水洗・酸
処理等による脱カリウム処理が不可能であり、後者の場
合は非晶質固化物からの繊維化率が著しく低いため、チ
タニア繊維の収率も著しく低く、しかもの繊維は粗大で
均質性に欠けたものとなり、いずれも採用できない。
前記のように四チタン酸カリウム繊維を、脱カリウム
処理して得られる繊維の化学組成はチタニア組成に相当
しているが、結晶構造物には、もとの四チタン酸カリウ
ムの層状構造のなごりをとどめているので、これを脱水
・乾燥したのち、焼成処理に付して四チタン酸カリウム
の結晶構造から、チタニアの結晶構造に変換させる。そ
の焼成処理は、好ましくは、400〜1100℃に適当時間
(例えば、30分間)加熱保持することにより達成され
る。この場合に、焼成処理を800℃以下で行えば、アナ
ターゼ相のチタニア繊維が、また800℃をこえる温度で
行えばルチル相を有するチタニア繊維が、それぞれ得ら
れる。
本発明は、出発原料を加熱溶融した溶融物から直ちに
初生相繊維として二チタン酸カリウム繊維を生成させて
いる従来法と異なって、溶融物を急冷して一旦非晶質化
し、その非晶質固化物と二酸化チタンの混合粉末から四
チタン酸カリウム繊維を初生相繊維として生成させたう
え、脱アルカリによる組成変換と焼成による結晶構造変
換を行うこととしたので、得られるチタニア繊維は、直
径が約0.1〜1μmと従来のもの(10〜30μm)に比
し、著しく細径、長寸であり、かつそのバラツキも少な
く、またその収率も約60%以上とすぐれている。
〔実施例〕
実施例1 〔I〕原料調製 (1) チタン化合物:天然ルチルサンド(オーストラ
リア産)TiO2:95.6%,Fe2O3:0.6%,P:0.01%,S:0.02%,
ZrO2:0.7%,Cr2O3:0.3%,SiO2:0.6%,V2O5:0.7%,Nb
2O5:0.3%,Al2O3:0.4%,MnO:0.01%,CaO:0.03%,MgO:0.
03%,残部は微量のCo、Ga等。
(2) カリウム化合物:K2CO3(純度99.5%) (3) TiO2/K2O(モル比):2.0 〔II〕加熱溶融 原料混合粉末を白金るつぼに入れ、1100℃×40分間加
熱。
〔III〕急冷処理 溶融物を高速回転している金属双ロールに流下し、箔
片状の固化物を得る。
その固化物はX線回折により非晶質であることを確認
した。
〔IV〕焼成処理 上記非晶質固化物に、二酸化チタン粉末としてルチル
サンド(原料調製に使用したものと同じ)を、TiO2/K2O
のモル比が3.0となるように混合し、ディスクミルで粉
砕して均一な粉末混合物(平均粒径:5μm)となし、つ
いでその粉末混合物を、アルミナるつぼに装入し、1000
℃に0.5時間加熱保持した。
上記焼成処理物を、10倍量(重量比)の水に投入し、
ミキサーにて15分間を要して解繊したのち、脱水・乾燥
し、四チタン酸カリウム繊維を得た。その直径は0.2〜
1μm、長さは5〜20μmである。
〔V〕脱カリウム処理 硫酸水溶液(5%)を洗液とし、これに上記で得た四
チタン酸カリウム繊維を浸漬し(繊維1g/洗液10cc)、
約60分を要してK+イオンを溶出させ、ついで水洗・乾燥
した。
〔VI〕焼成処理 脱カリウム処理した繊維をアルミナるつぼに入れ、40
0℃に設定された炉中に装入し、約0.5時間を要して焼成
処理を完了した。
X線回折は、得られた繊維がチタニア繊維(アナター
ゼ相)であることを示す。出発原料からの収率(得られ
た繊維の重量/原料重量×100)は61%である。繊維形
態:直径0.1〜1μm,長さ:5〜20μm。
実施例2 前記実施例1中、〔VI〕の焼成処理を、1000℃×0.5
時間で行った点を除いて実施例1と同じ工程および条件
に従ってチタニア繊維(ルチル相)を得た。
繊維形態:直径0.1〜1μm、長さ5〜20μm、収率:
60%。
〔発明の効果〕
本発明方法により製造されるチタニア繊維は、従来の
ものに比し、細径・長寸で、均質性に富むので、多方面
の用途に供することができ、例えば耐熱材、断熱材、摩
擦材、濾過材、補強材等として、とりわけプラスチック
の充填補強材等として好適である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭60−259626(JP,A) 特開 昭61−21915(JP,A) 特開 昭61−21914(JP,A) 特開 昭56−17928(JP,A) 特開 昭55−113625(JP,A) 特開 平1−192727(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】加熱により二酸化チタン(TiO2)となるチ
    タン化合物と加熱により酸化カリウム(K2O)となるカ
    リウム化合物とを、TiO2/K2Oのモル比が1.5〜2.5となる
    ように配合した混合物を加熱溶融し、その溶融物を急冷
    して非晶質固化物を得、該非晶質固化物に、二酸化チタ
    ンを、TiO2/K2Oのモル比が3〜4となるように加えて均
    一な粉末混合物となし、これを焼成処理して四チタン酸
    カリウム繊維を生成させたのち、脱カリウム処理に付し
    てカリウム分の全量を抽出し、ついで400〜1100℃で焼
    成処理することを特徴とするチタニア繊維の製造方法。
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