JP2631728B2 - 紙送り装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、紙送り装置に係わり、紙送りローラに巻付
けて搬送する第１の紙パスと底部から用紙を曲げないで
搬送する第２の紙パスを備えた２パス方式の紙送り装置
の紙検出手段に関するものである。

〔従来の技術〕

従来の紙送り装置を第９図に示すが、該装置において
は、第１の紙パスとして紙送りローラ１に後方より挿入
された印字用紙２が、紙送りローラ１の下側を通り、前
方の紙押さえ板３に押さえられながら上方へと搬送され
るように構成されている。また、第２の紙パスとしてベ
ース４に設けられた挿入用の開口部4aより、ボトムパス
により、印字用紙2aが下から上に搬送されるようになっ
ている。

なお、本願における印字用紙は、紙のみならずプラス
チック薄板など記録画像が形成される記録媒体全般を支
持するものである。

そこで、印字用紙の有無を検出するために、第１の紙
パスに対しては紙送りローラ１の中心を向くように反射
型のフォトインタラプタ５が取付けられている。また、
第２の紙パスに対しては、紙押さえ板３に直角に検出用
の光が投射されるように反射型フォトインタラプタ６が
取付けられている。

〔発明が解決しようとする問題点〕

しかしながら、上述した従来の構成においては、各紙
パス用に２個の反射型フォトインタラプタ５、６が必要
になる。このため、回路や配線部材が同様に必要とな
り、かつCPUのI/Oポートも必要となり、その結果高価に
になるばかりかCPUが２個の反射型フォトインタラプタ
５、６を検知できる状態にしておかねばならず、制御も
複雑になっていた。

本発明の目的は上述した欠点に鑑みなされたもので、
安価でしかも制御の容易な紙送り装置を提供するにあ
る。

〔問題点を解決するための手段〕

前記目的を達成するために、本発明は、紙送りローラ
の後方より印字用紙を挿入して巻付けて送る第１の紙パ
スと、底部より印字用紙を平面のまま送る第２のパスを
備えた紙送り装置において、前記第１の紙パスと第２の
紙パス近接部に１個の反射型フォトインタラプタを、第
１の紙パスの紙送りローラに対向させて配置すると共
に、第２の紙パスからの反射光に対向した位置に反射板
を設けた構成としたものである。

〔作用〕

このように本発明に係わる紙送り装置は、１個の反射
型フォトインタラプタと、反射板により、２つの紙パス
での印字用紙の有無を検出するようにしたので、検出器
に必要な配線部材を削減でき、安価な構成で、しかも制
御も容易できる。

〔実施例〕

以下、図に示す実施例を用いて本発明の詳細を説明す
る。

第１図は本発明に係わる紙送り装置の一実施例を示す
全体斜視図、第２図は反射型フォトインタラプタ拡大斜
視図、第３図、第４図（ａ）、（ｂ）は本発明の動作説
明図である。紙送りローラ10はゴム等の弾性材料で形成
されており、紙無し時に反射しにくいように表面が黒色
でマット処理されている。該紙送りローラ10の中心には
紙送りローラ軸11が貫通固着されており、図示しない側
板に回転自在に支持されている。

ペーパーパン12は、前記紙送りローラ10の後方より下
側を手前側に印字用紙13を案内しており、ベース14に取
付けられている。該ベース14にはボトムパス用に、用紙
挿入用の開口部14aが設けられている。また、紙押さえ
板15は前記ベース14に取付けられていると共に、薄板状
のばね部材で形成されており、前記紙送りローラ10に所
定の圧力で圧接している。また、該紙押さえ板15の所定
の位置には検出用の開口部15aが穿設されている。さら
に、前記ベース14にはセンサ台16が取付けられている。
反射型フォトインタラプタ17（以下、センサと称する）
は、前記センサ台16に所定の角度をもって取付けられて
おり、入射光が前記紙送りローラ10の中心部に向かうよ
うに設定されている。

第２図に該センサ17の詳細を示しているが、同図にお
いて、符号17aはLED等の発光素子の光能動素子より成る
発光部である。該発光部17aおよび受光部17bはセンサホ
ルダ17cに所定の角度で取付けられており、前記紙送り
ローラ10に巻付いた印字用紙13の表面と同じ距離で反射
したとき受光部17bに入射し得るようになっている。ま
た、符号17dは反射板であり、前記発光部17aより投射し
た光は第２の紙パスを通過する印字用紙21の表面で反射
すると共に、前記反射板17dで反射し、更に印字用紙21
もしくは別の反射板に反射して受光部17bの面に直角に
入射するようになっている。前記反射板17dは、センサ
ホルダ17cに直接反射処理（例えば、銀蒸着やニッケル
メッキ）して構成してもよいし、また白色に成形しても
よい。第１図において、ガイド軸18は前記紙送りローラ
10に平行に２本設けられており、その両端部は図示しな
い側板に取付けられている。また、キャリア19は前記ガ
イド軸18に摺動自在に支持されており、図示しない駆動
機構により印字桁方向に走査されるよう構成されてい
る。印字ヘッド20は該キャリッジ19に搭載されている。
また前記印字用紙13は第１の紙パスより挿入されるよう
になっており、さらに印字用紙21は第２の紙パスより挿
入されるようになっている。

次に、以上のように構成された本発明の実施例の動作
を説明する。まず、印字用紙13、21が入っていない場合
は、第３図に示すように、センサ17からの投射光は、紙
送りローラ10の表面で大部分が吸収され、受光部17bに
入射する光量が少ない。このため、出力レベルはスレッ
シュホールドより低く、紙無し状態が検出できる。

次に、印字用紙13、21がセットされている場合につい
て述べる。まず、第４図（ａ）で示すように、第１の紙
パスで紙送りローラ10に印字用紙13が巻付いている場
合、センサ17の発光部17aより投射された光は印字用紙1
3で反射され、発光部17bに入射するので、印字用紙13が
検知できる。

一方、第４図（ｂ）に示すように、第２の紙パスより
印字用紙21が挿入された場合、投射光は、まず、印字用
紙21の表面で反射し、取付角度から上方に反射する。次
に、反射板17dで反射し、再度、印字用紙21の表面で反
射し、発光部17bに入射するので、これによって、印字
用紙21が検知できる。

今、前記光路を第２図に示す。光路Ａが第１の紙パス
の印字用紙13を検知する場合であり、光路Ｂが第２の紙
パスの印字用紙21を検知する場合である。

第５図は本発明の第２の実施例を示す図であり、全体
は上述した第１の実施例と同じである。本実施例におい
ては、紙押さえ板15に設けられた開口部15aに、屈曲性
を有した材料（例えば、ポリプロピレンやポリエステル
ステンレス等）で形成した薄板22が取付けられている。
該薄板22の屈曲面22aは折れ部22bの箇所で折れ曲がるよ
うになっているが、常時はその弾性力により第５図に示
すように若干折れた形を維持している。なお、前記屈曲
面22aは、その表面を反射効率の良い処理にしておくと
よい。

また、ペーパーパン12には、上述した薄板22が、所定
の角度を維持するように、対応した部分が切り欠かれて
いる。

次に、本実施例の動作を述べると、第６図（ａ）に示
すように、第２の紙パスより印字用紙21が入ってこない
場合、薄板22は折れ曲がった状態となっており、第１の
紙パス（つまり紙送りローラ10に巻付いている）の印字
用紙13の有無を検出できる。次に、第２の紙パスに印字
用紙21が挿入された場合、薄板22は第６図（ｂ）に示す
ように、印字用紙21に押されて、紙押さえ板15と同じ一
平面になる。センサ17の光路は、上述した第１の実施例
と同様に３回反射して受光部17bに入射するが、印字用
紙21の表面では１回のみ反射し、残りの２回は、反射板
17dと薄板22の屈曲面22aとで反射する。このため、光量
の低下がわずかですむ。また、印字用紙21上で１回反射
するため、第１の紙パスでの反射と同レベルの出力値が
得られ、検出回路が容易になるという利点を有する。

第７図は本発明の第３の実施例を示す図である。

センサ台16はベース14に対し、紙送りローラ10と平行
に移動可能な状態に取付けられている。また、センサ台
ばね23は、センサ台16を常に矢印Ｃ方向に付勢してい
る。また、前記ベース14にはセンサ台ばね23の一端を押
さえるばね押さえ24が固定されている。紙セットガイド
板25はヒンジ25aにより、ベース14に回動自在に取付け
られており、90度開いたときに、該ベース14の開口部14
aが露出して、第２の紙パス（ボトムパス）より用紙21
を挿入する時のガイドの役目をするようになっている。
また、スライドピン26は、前記紙セットガイド板25の所
定の位置に固着されており、閉めた時にベース14に設け
られた開口部14bより内部に突出して、前記センサ台16
の端部を押圧すると共に、前記センサ台ばね23を圧縮し
て、所定の位置に移動するようになっている。

次に、本発明の実施例の動作を説明する。紙セットガ
イド板25が閉められると、センサ台16は、第７図に示す
ように、スライドピン26で押されており、紙押さえ板15
の開口部15aに対応した位置に設定されている。この
時、第１の紙パスより印字用紙13の検知は、上述したよ
うに１回の印字用紙13からの反射で、センサ17の受光部
17bで検知される（第８図（ａ））。次に、第２の紙パ
スに印字用紙21を挿入する場合、まず、紙セットガイド
板25を開くため、センサ17はＣ方向に移動し、所定の位
置で停止する。なお、停止のためのストッパは図示して
いない。

この状態での光路は印字用紙21の表面で反射した後、
反射板17d、紙押さえ板15に反射してセンサ17の受光部1
7bに入る（第８図（ｂ）参照）。この場合も、第２の実
施例と同様に印字用紙13、21での反射は１回であるた
め、同様の効果が得られる。なお、紙押さえ板15の反射
部は反射を良くるために光沢のシールを貼ってもよい。

〔発明の効果〕

以上の説明したように本発明によれば、１個のセンサ
により、紙送りローラに巻付けた第１の紙パスと、底部
より挿入される第２の紙パスの両方の印字用紙の有無が
検出できるので、回路や配線部材が節約でき、安価で、
しかも制御が容易な紙送り装置の紙無し検出手段が提供
できるという優れた効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に係わる紙送り装置の第１の実施例を示
す全体斜視図、第２図は同紙送り装置のセンサ部の拡大
斜視図、第３図、第４図（ａ）、（ｂ）は同紙送り装置
の動作説明図、第５図は本発明に係わる紙送り装置の第
２の実施例を示す一部斜視図、第６図（ａ）、（ｂ）は
第２の実施例装置の動作説明図、第７図は本発明に係わ
る紙送り装置の第３の実施例を示す要部斜視図、第８図
（ａ）、（ｂ）は第３の実施例装置の動作説明図。第９
図は従来の紙送り装置を示す斜視図である。 10……紙送りローラ、14……ベース、15……紙押え板、
16……センサ台、17……反射型フォトインタラプタ、17
d……反射板、13、21……印字用紙、22……薄板、22a…
…反射面、25……紙セットガイド板。

Claims (3)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】紙送りローラの後方より印字用紙を挿入し
   て巻付けて送る第１の紙パスと、底部より印字用紙を平
   面のまま送る第２のパスを備えた紙送り装置において、
   前記第１の紙パスと第２の紙パス近接部に１個の反射型
   フォトインタラプタを、第１の紙パスの紙送りローラに
   対向させて配置すると共に、第２の紙パスからの反射光
   に対向した位置に反射板を設けて成ることを特徴とする
   紙送り装置。
2. 【請求項２】前記第２の紙パスからの印字用紙により変
   位する反射板を設けたことを特徴とする請求項１記載の
   紙送り装置。
3. 【請求項３】前記第２の紙パスに対し案内するガイド部
   材を設けることにより、前記反射型フォトインタラプタ
   が所定量移動するように構成したことを特徴とする請求
   項１記載の紙送り装置。