JP2683927B2 - 記録装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、記録がなされる用紙の搬送路を複数備え、
複数の搬送路における用紙の有無の検知を反射型フォト
インタラプタによって行うように構成された記録装置に
関する。

〔従来の技術〕

従来、反射型フォトインタラプタは、第８図（ａ）に
示すように、LED（多くは赤外光）等の発光素子より成
る発光部１とフォトインタラプタやシリコンブルーセル
等の受光素子より成る受光部２とを所定の角度でホルダ
３に取付けて構成されている。また、被測定物４に対す
る距離L1で取付け角度が決まり、被測定物４で反射した
光が受光部２に入るように設定されている。

しかしながら、従来にあっては、発光部１と被測定物
４との距離L1が第８図（ｂ）に示すように変化してL2と
なった場合、被測定物４で反射した光は受光部２を外れ
た方向へ進んでしまい、被測定物４の検出が難しいとい
う欠点がある。

第９図は従来の反射型フォトインタラプタにおける被
測定物との距離Ｌに対するフォトトランジスタの出力Ｖ
の特性を例示するグラフである。

第９図から明らかなように、設定された距離L1では高
出力が得られるが、距離が変化すると出力Ｖが急激に低
下してしまい、検出不可能になる。

第10図は、紙無し検出器として上記の反射型フォトイ
ンタラプタを用いたプリンタ等の記録装置の従来例を示
す模式的縦断面図である。

第10図の記録装置においては、プラテン５に印字用紙
６を巻き付けて搬送する第１の紙パスと底部から上方に
向けて印字用紙6Aを曲げないで搬送する第２の紙パスの
複数の搬送路が設けられ、第１の紙パスに対しては、プ
ラテン５の中心を向くように反射型フォトインタラプタ
７が取付けられており、また、第２の紙パスに対して
は、紙押さえ板８に直角に検出用の光が投射されるよう
にして別の反射型フォトインタラプタ９が取付けられて
いる。

〔発明が解決しようとする問題点〕

このように、従来の反射型フォトインタラプタでは、
１つの位置での反射光の有無しか検知できず、複数箇所
の反射光を検知するためにはそれぞれの箇所ごとに複数
のフォトインタラプタを必要とする。

そのため、複数の搬送路における用紙の有無の検知を
反射型フォトインタラプタによって行う従来の記録装置
にあっては、各搬送路ごとに複数のフォトインタラプタ
を取付ける必要があり、装置構成が複雑で高価になると
いう問題があった。

本発明はこのような問題点に鑑みてなされたものであ
り、本発明の目的は、１個の反射型フォトインタラプタ
だけで複数の搬送路における用紙の有無を検知できるよ
うにして紙検知手段の構成の簡略化を図り、もって、記
録装置の小型化およびコスト低減を達成することであ
る。

〔問題点を解決するための手段〕

本発明の記録装置は、上記目的を達成するため、記録
がなされる用紙の搬送路を複数備え、前記複数の搬送路
のうちの一方の搬送路がプラテンに用紙が巻付けられて
なされる曲面的経路であり、他方の搬送路が前記一方の
搬送路と途中から合流する平面的経路であり、光源とし
て光を投射する発光素子と、該発光素子より投射され用
紙によって反射された光を屈折もしくは反射させる部材
と、受光を行う受光素子と、を有する反射型フォトイン
タラプタを、前記曲面的経路と前記平面的経路とが合流
する領域の近傍に具備し、前記一方の搬送路における用
紙の有無の検知を、前記発光素子より投射され用紙によ
って反射された光を前記受光素子によって受光すること
によって行い、前記他方の搬送路における用紙の有無の
検知を、前記発光素子より投射され用紙によって反射さ
れた光を前記部材によって屈折もしくは反射させ前記受
光素子によって受光することによって行うことにより、
前記複数の搬送路における用紙の有無の検知を前記反射
型フォトインタラプタによって共通して行うことを特徴
とする。

〔実施例〕

以下、図面を参照して本発明の実施例を説明する。

第７図は本発明を適用した記録装置の一実施例を示す
模式的縦断面図である。

第７図において、本実施例の記録装置では２方向から
印字用紙が供給されるように構成されており、一方の搬
送路からの印字用紙15はプラテン16に巻き付けられて送
給され、他方の搬送路は装置底部から略上方に向けて曲
げないで印字用紙15Aを送給するように構成されてい
る。

17は供給された印字用紙をプラテン16に圧接するため
の紙押さえ板であり、18はペーパーパンである。

前記紙押さえ板17の所定位置、つまり本実施例では上
記２方向からの搬送路の合流点の近傍位置には開口部17
aが設けられている。

この開口部17aの近傍には、該開口部から、プラテン1
6の周面に沿って搬送される一方向からの印字用紙15の
有無並びに底部から上向きに搬送される他方向からの印
字用紙15Aの有無の検知を行うための共通の反射型フォ
トインタラプタが配設されている。

ここで、12は反射型フォトインタラプタを構成する発
光部および受光部が取付けられたホルダを示す、14は発
光部より投射した光の反射光を屈折もしくは反射させる
ための反射鏡を示す。

つまり、本実施例においては、プラテン16に巻き付け
られた用紙15の場合は直接反射でその有無の検出を行
い、底部から入ってくる用紙15Aの場合はホルダ12お設
けた前記反射鏡14を使用する２回反射で有無を検出を行
うように構成されている。

以下に、本発明の記録装置において複数の搬送路にお
ける用紙の有無の検知に使用される反射型フォトインタ
ラプタの具体的構造について説明する。

第１図は本発明の記録装置で使用される反射型フォト
インタラプタの第１の実施例を示す全体斜視図、第２図
は第１図の反射型フォトインタラプタの模式的平面図で
ある。

第１図および第２図において、発光部10はLED等の発
光素子で構成されており、受光部11はフォトトランジス
タ等の受光素子で構成されている。

また、前記発光部10と前記受光部11は、ホルダ12によ
り所定の角度で互いに内側に傾斜させた状態で位置決め
保持されている。この傾斜角度（取付け角度）は、第１
の位置13にある被測定物（例えば第７図中の印字用紙1
5）との距離並びに発光部10と受光部11の間隔により、
発光部10からの投射光が反射して受光部11に向かうこと
ができるように決定されている。

被測定物13との距離は、発光部10および受光部11の素
子特性により決定され、多くは1mm〜5mm程度に設定さ
れ、各距離に合ったフォトインタラプタが選択されて使
用されている。

発光部10と受光部11との間には反射鏡14が配置されて
おり、この反射鏡14としては、通常のガラスに銀を蒸着
した鏡や、プラスチック（アクリルやポリカーボネート
等）に銀を蒸着したりニッケルメッキを施したものが使
用されている。

前記反射鏡14は、第２図に示すように、被測定物（例
えば第７図中の用紙15A）が第２の位置13Aにある時に、
該被測定物13Aと反射鏡14とで反射して受光部11に入り
ように、LA＝LBとなる位置に設定されている。

次に、以上のような反射型フォトインタラプタの動作
を説明する。

例えば第７図中の印字用紙15のように被測定物が第１
の位置13にある時は、発光部10からの投射光は実線Ａで
示すように被測定物13で反射して受光部11に入射する。

一方、第７図中の印字用紙15Aのように被測定物が第
２の位置13Aにある場合には、発光部10からの投射光
は、破線Ｂで示すように、先ず被測定物13Aで反射し、
次に反射鏡14で反射し、さらに被測定物13Aで反射して
受光部11に入射する。このときの入射角度は、受光部11
に対して直角に入射するため、反射部のロス以外は考慮
しなくてもよい。この場合、反射鏡14の反射率は100％
に近いため前記反射部のロスは無視できる。

第３図は第１図および第２図の反射型フォトインタラ
プタによる出力特性を例示するグラフである。

第３図において、被測定物との間隔が距離L1〜L2のと
きに出力Ｖのピークがあり、その間がつながっており、
これら２つの位置の間で用紙等の有無を検知することが
できる。また、破線で示す曲線は紙等の比較的反射率の
低い材質の場合の出力低下の状態を示しており、第２の
位置の被測定物13Aを検知する際には２回反射している
ことから出力が若干低下するが、その有無を検知するこ
とは十分に可能である。

第４図は本発明の記録装置で使用される反射型フォト
インタラプタの第２の実施例を示す全体斜視図である。

本実施例においては、反射鏡14として２個の反射鏡
（14a、14b）が使用されている。一方の反射鏡14aは発
光部10と受光部11との間に配置され、他方の反射鏡14b
は受光部11の前方に位置するようにホルダ12に取付けら
れている。

第４図のフォトインタラプタにおいては、被測定物
（第７図中の印字用紙15A）が第２の位置13Aにある場合
に、該被測定物での反射回数を１回だけとし、効率のよ
い反射鏡14a、14bでの反射回数を２回にすることができ
る。そのため、本実施例では、例えば第２の位置13Aに
ある被測定物の反射率が低い場合に特に有効である。

第５図は本発明の記録装置で使用される反射型フォト
インタラプタの第３の実施例を示す模式的平面図であ
る。

本実施例は、１個の反射鏡14を発光部10と受光部11と
の間に所定の角度を設けて取付けたものである。

本実施例によれば、被測定物（第７図中の印字用紙15
A）が第２の位置13Aにある場合の該被測定物での反射回
数を１回だけとするとともに、反射鏡14での反射回数も
１回だけとすることができる。したがって、本実施例
も、第２の位置13Aにある被測定物の反射率が低い場合
に特に有効である。

第６図は本発明の記録装置で使用される反射型フォト
インタラプタの第４の実施例の斜視図である。

本実施例は、ホルダ12の発光部10と受光部11の間の部
分12aを反射鏡としたものである。

つまり、ホルダ12の一部12aにメッキ処理や表面平滑
処理を施したり、該ホルダ12自体の色を白色等にするこ
とにより、該ホルダ12自体で反射鏡を形成し、部品の削
減を図ったものである。

以上説明した実施例によれば、発光部（発光素子）10
と被測定物（用紙）の距離Ｌが変化しても発光素子10よ
り投射した光の反射光を受光素子（受光部）11に確実に
入射させることができる。

したがって、第７図に示すように、記録がなされる用
紙15、15Aの搬送路を複数備えた記録装置における各搬
送路の用紙の有無の検知を反射型フォトインタラプタに
よって行うに際し、１個のフォトインタラプタのみで検
知することが可能になり、したがって、、従来のように
複数（第７図では２個）の反射型フォトインタラプタを
使用していたものに比べて回路や配線を減らすことがで
き、記録装置の小型化およびコスト低減を図ることが可
能になった。

〔発明の効果〕

以上の説明から明らかなごとく、本発明の記録装置に
よれば、記録がなされる用紙の搬送路を複数備え、前記
複数の搬送路のうちの一方の搬送路がプラテンに用紙が
巻付けられてなされる曲面的経路であり、他方の搬送路
が前記一方の搬送路と途中から合流する平面的経路であ
り、光源として光を投射する発光素子と、該発光素子よ
り投射され用紙によって反射された光を屈折もしくは反
射させる部材と、受光を行う受光素子と、を有する反射
型フォトインタラプタを、前記曲面的経路と前記平面的
経路とが合流する領域の近傍に具備し、前記一方の搬送
路における用紙の有無の検知を、前記発光素子より投射
され用紙によって反射された光を前記受光素子によって
受光することによって行い、前記他方の搬送路における
用紙の有無の検知を、前記発光素子より投射され用紙に
よって反射された光を前記部材によって屈折もしくは反
射させ前記受光素子によって受光することによって行う
ことにより、前記複数の搬送路における用紙の有無の検
知を前記反射型フォトインタラプタによって共通して行
う構成としたので、共通の発光部から投射された光であ
って、プラテン上の曲面的搬送路とこれに合流する平面
的搬送路といった異なる搬送路における用紙で反射した
全く異なる光路の光を、同一光路に復帰させることが可
能になることから、共通の反射型フォトインタラプタで
複数の搬送路の用紙の有無を検知することができ、複数
の搬送路に対する紙検知手段を簡略化して装置の小型化
およびコスト低減を図ることができる記録装置が提供さ
れる。

【図面の簡単な説明】 第１図は本発明による記録装置において用紙の有無の検
知に使用するのに好適な反射型フォトインタラプタの第
１の実施例を示す模式的斜視図、第２図は第１図の反射
型フォトインタラプタの模式的平面図、第３図は第１図
および第２図の反射型フォトインタラプタによる出力特
性を例示するグラフ、第４図は本発明による記録装置に
おいて用紙の有無の検知に使用するのに好適な反射型フ
ォトインタラプタの第２の実施例を示す模式的斜視図、
第５図は同じく反射型フォトインタラプタの第３の実施
例を示す模式的平面図、第６図は同じく反射型フォトイ
ンタラプタの第４の実施例を示す模式的斜視図、第７図
は本発明による記録装置の一実施例の要部構成を示す模
式的縦断面図、第８図（ａ）、（ｂ）は従来の反射型フ
ォトインタラプタの模式的平面図、第９図は第８図の反
射型フォトインタラプタによる出力特性を例示するグラ
フ、第10図は第８図の反射型フォトインタラプタを使用
する従来の記録装置の要部構成を示す模式的縦断面図で
ある。 10……発光部（発光素子）、11……受光部（受光素
子）、12……ホルダ、12a……ホルダ12の部分、13……
第１の位置にある被測定物（用紙）、13A……第２の位
置にある被測定物（用紙）、14……反射鏡、Ｌ……発光
部と被測定物の間の距離。

Claims (3)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】記録がなされる用紙の搬送路を複数備え、
   前記複数の搬送路のうちの一方の搬送路がプラテンに用
   紙が巻付けられてなされる曲面的経路であり、他方の搬
   送路が前記一方の搬送路と途中から合流する平面的経路
   であり、 光源として光を投射する発光素子と、該発光素子より投
   射され用紙によって反射された光を屈折もしくは反射さ
   せる部材と、受光を行う受光素子と、を有する反射型フ
   ォトインタラプタを、前記曲面的経路と前記平面的経路
   とが合流する領域の近傍に具備し、 前記一方の搬送路における用紙の有無の検知を、前記発
   光素子より投射され用紙によって反射された光を前記受
   光素子によって受光することによって行い、前記他方の
   搬送路における用紙の有無の検知を、前記発光素子より
   投射され用紙によって反射された光を前記部材によって
   屈折もしくは反射させ前記受光素子によって受光するこ
   とによって行うことにより、前記複数の搬送路における
   用紙の有無の検知を前記反射型フォトインタラプタによ
   って共通して行うことを特徴とする記録装置。
2. 【請求項２】前記光源はLEDからなる特許請求の範囲第
   １項に記載の記録装置。
3. 【請求項３】前記受光素子はフォトインタラプタからな
   る特許請求の範囲第１項に記載の記録装置。