JP2631105B2 - 窒化珪素質焼結体 - Google Patents
窒化珪素質焼結体Info
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Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は高温での抗折強度及び耐酸化性に優れた窒化
珪素質焼結体に関するものである。
珪素質焼結体に関するものである。
〔背景技術〕 従来、ガスタービン等の高温熱機関用窒化珪素材料に
ついて、焼結に際して周期律表第III a族元素の酸化物
を添加することにより高融点を有する窒化珪素との化合
物を粒界に生成させ、高温における耐酸化性及び抗折強
度の改善が試みられ特に焼成後の焼結体中に存在する過
剰酸素、即ち焼結体中の全酸素量から第III a族元素に
化学量論的に結合する酸素を差し引いて求められる酸素
量を低減することにより、高温特性を向上させることが
検討されている。
ついて、焼結に際して周期律表第III a族元素の酸化物
を添加することにより高融点を有する窒化珪素との化合
物を粒界に生成させ、高温における耐酸化性及び抗折強
度の改善が試みられ特に焼成後の焼結体中に存在する過
剰酸素、即ち焼結体中の全酸素量から第III a族元素に
化学量論的に結合する酸素を差し引いて求められる酸素
量を低減することにより、高温特性を向上させることが
検討されている。
そこで、本出願人は先に周期律表第III a族元素が酸
化物換算で6重量%以下、過剰酸素量が1.5重量%以下
である窒化珪素質焼結体(特願昭60−245581)と、Sc,Y
b,Er,HoおよびDyの群から選ばれる少なくとも1種の元
素を酸化物換算(M2O3)で1〜5モル%と、過剰酸素を
10モル%以下の割合で含有し、且つ過剰酸素/M2O3(モ
ル比)が2以下である窒化珪素質焼結体(特願昭62−12
4663)とにより、高温(1400℃)中24時間における酸化
重量増(以下、高温耐酸化性を称す)が0.2Kg/cm2以下
であり、且つ高温(1400℃)抗折強度が50Kg/cm2以上で
ある窒化珪素質焼結体を提案した。
化物換算で6重量%以下、過剰酸素量が1.5重量%以下
である窒化珪素質焼結体(特願昭60−245581)と、Sc,Y
b,Er,HoおよびDyの群から選ばれる少なくとも1種の元
素を酸化物換算(M2O3)で1〜5モル%と、過剰酸素を
10モル%以下の割合で含有し、且つ過剰酸素/M2O3(モ
ル比)が2以下である窒化珪素質焼結体(特願昭62−12
4663)とにより、高温(1400℃)中24時間における酸化
重量増(以下、高温耐酸化性を称す)が0.2Kg/cm2以下
であり、且つ高温(1400℃)抗折強度が50Kg/cm2以上で
ある窒化珪素質焼結体を提案した。
しかし乍ら、前者の焼結体の場合は焼結助剤として使
用される周期律表第III a族元素の内イオン半径の大き
い側(0.97Åを越える)を使用すると耐酸化性が劣る傾
向にあり、またY(イットリウム)を使用した場合には
焼結体表面に色むらが発生し易くなるとともに強度のバ
ラツキが生じる。
用される周期律表第III a族元素の内イオン半径の大き
い側(0.97Åを越える)を使用すると耐酸化性が劣る傾
向にあり、またY(イットリウム)を使用した場合には
焼結体表面に色むらが発生し易くなるとともに強度のバ
ラツキが生じる。
後者の焼結体の場合(前者の一部を含み)、使用され
る焼結助剤(Sc,Yb,Er,HoおよびDy)が良好であり、高
温耐酸化性に優れ且つ色むらの発生は少ないが組成比及
び焼成条件により1000℃近傍での酸化重量増(以下中温
耐酸化性)が充分でないところに欠点がある。
る焼結助剤(Sc,Yb,Er,HoおよびDy)が良好であり、高
温耐酸化性に優れ且つ色むらの発生は少ないが組成比及
び焼成条件により1000℃近傍での酸化重量増(以下中温
耐酸化性)が充分でないところに欠点がある。
中温(1000℃)又は高温(1400℃)におけるSi3N4−M
2O3−SiO2系焼結体の酸化挙動については結晶粒界相組
成の差により次の様な特徴を示すことが明らかと成って
いる。(ここでSiO2とは過剰酸素がSiO2の形で存在する
と仮定した。)中温域(1000℃近傍)においてはY−Si
−ONガラス及び/又はその結晶は酸化によりクリストバ
ライトやY−シリケートを生成するが、この温度域には
十分に緻密なガラス膜を形成せず、酸化被膜は多孔質と
なり、この隙を通じて焼結体の酸化が進行する。そのた
め長時間この温度域に曝すと著しい強度の劣化及び腐蝕
が生じる。
2O3−SiO2系焼結体の酸化挙動については結晶粒界相組
成の差により次の様な特徴を示すことが明らかと成って
いる。(ここでSiO2とは過剰酸素がSiO2の形で存在する
と仮定した。)中温域(1000℃近傍)においてはY−Si
−ONガラス及び/又はその結晶は酸化によりクリストバ
ライトやY−シリケートを生成するが、この温度域には
十分に緻密なガラス膜を形成せず、酸化被膜は多孔質と
なり、この隙を通じて焼結体の酸化が進行する。そのた
め長時間この温度域に曝すと著しい強度の劣化及び腐蝕
が生じる。
これに対し、高温域(1400℃)にては焼結体の表面に
緻密なガラス及び/又は結晶質の保護被膜が生成され、
焼結体の酸化の進行を防止する。従って、中温域及び高
温域における酸化の挙動は第1図に示す如く著しく異な
ったものとなる。
緻密なガラス及び/又は結晶質の保護被膜が生成され、
焼結体の酸化の進行を防止する。従って、中温域及び高
温域における酸化の挙動は第1図に示す如く著しく異な
ったものとなる。
第1図は時間の経過に伴う酸化重量増を示すもので、
A線は1000℃における酸化の挙動、B線は1400℃におけ
る酸化の挙動を示す。
A線は1000℃における酸化の挙動、B線は1400℃におけ
る酸化の挙動を示す。
ガスタービン等高温熱機関においては、高速回転時の
高温域での使用と、アイドリング時等の中温域での使用
と両温度域においても優れた抗折強度及び耐酸化性が要
求される。
高温域での使用と、アイドリング時等の中温域での使用
と両温度域においても優れた抗折強度及び耐酸化性が要
求される。
本発明においては常温抗折強度(4点曲げ抗折強度)
が60Kg/mm2以上、1400℃における高温抗折強度(4点曲
げ抗折強度)が50Kg/mm2以上、高温酸化増量(1400℃×
24時間)が0.3mg/cm2以下であって、特に中温耐酸化性
(1000℃×100時間)が0.5mg/cm2以下である窒化珪素質
焼結体を得ることを目的とする。
が60Kg/mm2以上、1400℃における高温抗折強度(4点曲
げ抗折強度)が50Kg/mm2以上、高温酸化増量(1400℃×
24時間)が0.3mg/cm2以下であって、特に中温耐酸化性
(1000℃×100時間)が0.5mg/cm2以下である窒化珪素質
焼結体を得ることを目的とする。
本発明者等は上記問題点に鑑み鋭意研究の結果、焼結
助剤として用いる周期律表第III a族元素の化合物の内
種類に依っては焼結体特性が異なることを見出し、特に
Yb,Er,Ho及びDyの群から選ばれる少なくとも1種以上の
元素化合物を選択し、これら元素の酸化物換算(M2O3)
における含有量と、過剰酸素をSiO2換算したモル数/M2O
3(モル比)とが一定の範囲にあり、かつ高融点化合物
が結晶化された一定の結晶相がSi3N4の粒界に主相とし
て生成された窒化珪素質焼結体が上記目的を達成するこ
とを見出した。
助剤として用いる周期律表第III a族元素の化合物の内
種類に依っては焼結体特性が異なることを見出し、特に
Yb,Er,Ho及びDyの群から選ばれる少なくとも1種以上の
元素化合物を選択し、これら元素の酸化物換算(M2O3)
における含有量と、過剰酸素をSiO2換算したモル数/M2O
3(モル比)とが一定の範囲にあり、かつ高融点化合物
が結晶化された一定の結晶相がSi3N4の粒界に主相とし
て生成された窒化珪素質焼結体が上記目的を達成するこ
とを見出した。
即ち、本発明によれば、3成分基準でβ−Si3N4を85
〜99モル%と、Yb,Er,Ho及びDyの群から選ばれる少なく
とも1種の元素(M)の化合物を酸化物換算(M2O3)で
1〜5モル%と、過剰酸素(O)とを含有し、かつ過剰
酸素のSiO2換算モル数/M2O3モル数が0.8以下である焼結
体であって、β−Si3N4の粒界相の主結晶相がメリライ
トである高温抗折強度(1400℃ 4点曲げ抗折強度)が
50Kg/mm2以上、中温酸化増量(1000℃×100時間)が0.5
mg/cm2以下の窒化珪素質焼結体が提供される。
〜99モル%と、Yb,Er,Ho及びDyの群から選ばれる少なく
とも1種の元素(M)の化合物を酸化物換算(M2O3)で
1〜5モル%と、過剰酸素(O)とを含有し、かつ過剰
酸素のSiO2換算モル数/M2O3モル数が0.8以下である焼結
体であって、β−Si3N4の粒界相の主結晶相がメリライ
トである高温抗折強度(1400℃ 4点曲げ抗折強度)が
50Kg/mm2以上、中温酸化増量(1000℃×100時間)が0.5
mg/cm2以下の窒化珪素質焼結体が提供される。
本発明において用いられるYb,Er,HoおよびDyの元素は
いずれも周期律表第III a族元素であり、その中でもイ
オン半径が比較的小さい元素(0.97Å以下)である。
いずれも周期律表第III a族元素であり、その中でもイ
オン半径が比較的小さい元素(0.97Å以下)である。
これらの元素の特徴としては焼成時にSiO2及び/又は
Si3N4と反応してSi3N4の粒界に高融点化合物が生成され
る。これらの金属元素を含む高融点化合物は他の周期律
表第III a族元素含有高融点化合物と比べ高温における
耐酸化性が優れている。
Si3N4と反応してSi3N4の粒界に高融点化合物が生成され
る。これらの金属元素を含む高融点化合物は他の周期律
表第III a族元素含有高融点化合物と比べ高温における
耐酸化性が優れている。
また、従来から周期律表第III a族元素として最も一
般的に使用されているY2O3を焼結助剤として用いた場
合、平均的には特性は良好ではあるが焼結体の表面およ
び内部に助剤成分の偏析等によると思われるシミが発生
し易く、均質な組成が得られない傾向があるのに対し、
前述した元素においてはこれらの現象が少なく、常に均
質な組成の焼結体が得られる。この理由は、今だ明確で
はないが、比較的小さいイオン半径の為に焼成時高い拡
散係数を示すことが考えられ、これにより焼結体中にお
けるイオンの不均一が緩和されるためと推測される。
般的に使用されているY2O3を焼結助剤として用いた場
合、平均的には特性は良好ではあるが焼結体の表面およ
び内部に助剤成分の偏析等によると思われるシミが発生
し易く、均質な組成が得られない傾向があるのに対し、
前述した元素においてはこれらの現象が少なく、常に均
質な組成の焼結体が得られる。この理由は、今だ明確で
はないが、比較的小さいイオン半径の為に焼成時高い拡
散係数を示すことが考えられ、これにより焼結体中にお
けるイオンの不均一が緩和されるためと推測される。
さらに、本発明者等の研究によれば、焼結助剤として
選択された前記各元素の酸化物換算(M2O3)としての焼
結体中の含有量と、焼結体中の全酸素量から前記各元素
の化学量論的に酸化物として結合する酸素を差引いて求
められる過剰酸素量と、これら過剰酸素量のSiO2換算モ
ル数/M2O3モル数の比が一定の範囲内であって、且つSi3
N4の粒界に生成される主結晶相(X線回折強度測定にお
けるβ−Si3N4ピークを除いて一番高いピークを有する
結晶相)がメリライトである焼結体は常温、高温抗折強
度及び中温、高温耐酸化性が優れていることが判明し
た。
選択された前記各元素の酸化物換算(M2O3)としての焼
結体中の含有量と、焼結体中の全酸素量から前記各元素
の化学量論的に酸化物として結合する酸素を差引いて求
められる過剰酸素量と、これら過剰酸素量のSiO2換算モ
ル数/M2O3モル数の比が一定の範囲内であって、且つSi3
N4の粒界に生成される主結晶相(X線回折強度測定にお
けるβ−Si3N4ピークを除いて一番高いピークを有する
結晶相)がメリライトである焼結体は常温、高温抗折強
度及び中温、高温耐酸化性が優れていることが判明し
た。
焼結助剤として選択された各元素の酸化物換算(M
2O3)における窒化珪素質焼結体中への含有量が1モル
%未満であると前記各元素に結合する酸素以外の酸素量
が少なくなるため、焼結せず自ずと低融点のガラス相が
多くなりそのため高温抗折強度が極端に劣化する一方、
5モル%を越えると常温高温の抗折強度及び耐酸化性が
劣化する。
2O3)における窒化珪素質焼結体中への含有量が1モル
%未満であると前記各元素に結合する酸素以外の酸素量
が少なくなるため、焼結せず自ずと低融点のガラス相が
多くなりそのため高温抗折強度が極端に劣化する一方、
5モル%を越えると常温高温の抗折強度及び耐酸化性が
劣化する。
また過剰酸素量(SiO2換算)/M2O3(モル比)が0.8以
下であり、この割合が0.8を越えるとβ−Si3N4粒界にメ
リライト以外の粒界結晶相が主結晶相となり易くなる。
下であり、この割合が0.8を越えるとβ−Si3N4粒界にメ
リライト以外の粒界結晶相が主結晶相となり易くなる。
本発明の焼結体を製造する場合には、まずSi3N4,Si3N
4粉末としてはα型、β型のいずれでも良く、特にBET比
表面積が10m2/g以上、酸素含有量3重量%以下のものを
用いるのが望ましい。
4粉末としてはα型、β型のいずれでも良く、特にBET比
表面積が10m2/g以上、酸素含有量3重量%以下のものを
用いるのが望ましい。
上記のSi3N4粉末とYb,Er,Ho及びDyの群から選ばれる
金属の化合物のそれぞれを焼結体中においてβ−Si3N4
が85〜99モル%、上記金属元素化合物を酸化物換算で1
〜5モル%となるように秤量し、調合する。なお調合の
際に用いる金属化合物としては、酸化物、炭化物、窒化
物、酸窒化物、ホウ化物、硝酸塩、炭酸塩、酢酸塩又は
シュウ算塩等の化合物を用いることができるが、これら
の中でも酸化物が好ましい。
金属の化合物のそれぞれを焼結体中においてβ−Si3N4
が85〜99モル%、上記金属元素化合物を酸化物換算で1
〜5モル%となるように秤量し、調合する。なお調合の
際に用いる金属化合物としては、酸化物、炭化物、窒化
物、酸窒化物、ホウ化物、硝酸塩、炭酸塩、酢酸塩又は
シュウ算塩等の化合物を用いることができるが、これら
の中でも酸化物が好ましい。
なお、過剰酸素調整用としてSiO2を添加してもよい。
調合後、混合した粉末に適当なバインダ等を混合し、
公知の成形方法、例えばプレス成形、鋳込み成形、押し
出し成形、インジェクション成形等によって所望の形状
に成形した後、焼成される。
公知の成形方法、例えばプレス成形、鋳込み成形、押し
出し成形、インジェクション成形等によって所望の形状
に成形した後、焼成される。
焼成は1600〜2300℃の焼成温度で窒素ガス、窒素ガス
と水素ガスあるいは不活性ガスとの混合ガス等の窒素含
有非酸化性雰囲気中で行われる。
と水素ガスあるいは不活性ガスとの混合ガス等の窒素含
有非酸化性雰囲気中で行われる。
焼成方法としては常圧焼成法ガス圧焼成法(GPS)、
熱間静水圧焼成法(HIP)、ホットプレス法(HP)によ
って行うことができる他、Si粉末と第III a族元素化合
物と、或いはこれにSi3N4粉末を加えた系を窒素雰囲気
で焼成した反応焼結体を前述の焼成方法で再度焼成する
ことも可能である。
熱間静水圧焼成法(HIP)、ホットプレス法(HP)によ
って行うことができる他、Si粉末と第III a族元素化合
物と、或いはこれにSi3N4粉末を加えた系を窒素雰囲気
で焼成した反応焼結体を前述の焼成方法で再度焼成する
ことも可能である。
尚、本発明において焼結体中の過剰酸素量の制御は焼
成条件の設定によって行われ、過剰酸素量を前述した範
囲内に設定することによりメリライトの結晶が優先的に
生成される。
成条件の設定によって行われ、過剰酸素量を前述した範
囲内に設定することによりメリライトの結晶が優先的に
生成される。
過剰酸素量は通常、原料粉末中の不可避的不純物に結
合する酸素であり、Si3N4粉末には例えばSiO2として混
入している。これらの酸素は比較的に低融点化合物とし
て存在することから焼成工程中に1900℃以上の温度にて
焼成することによって焼結体中より揮散させることがで
きる他、炉中にSiO2或いはSi3N4粉を共存させることに
より雰囲気中にSiOガスを生成させ、平衡圧によって制
御できる。さらに、結晶化促進のためには焼成後の1000
℃までの冷却速度を約1000℃/hr以下の速度で行うと良
い。
合する酸素であり、Si3N4粉末には例えばSiO2として混
入している。これらの酸素は比較的に低融点化合物とし
て存在することから焼成工程中に1900℃以上の温度にて
焼成することによって焼結体中より揮散させることがで
きる他、炉中にSiO2或いはSi3N4粉を共存させることに
より雰囲気中にSiOガスを生成させ、平衡圧によって制
御できる。さらに、結晶化促進のためには焼成後の1000
℃までの冷却速度を約1000℃/hr以下の速度で行うと良
い。
〔実施例1〕 比表面積14m2/g、酸素含有量3重量%以下の窒化珪素
粉末にYb,Er,Ho,Dy及びYの酸化物を各々5重量%配合
し、ボールミルにて24時間混合した。得られたスラリー
を乾燥造粒した後、プレス成形し、真空中で脱バインダ
後1700〜1900℃N2雰囲気中で焼成し、各々5本の試料を
得た。得られた各試料の切断面を観察し、色むらの発生
状況を評価した。
粉末にYb,Er,Ho,Dy及びYの酸化物を各々5重量%配合
し、ボールミルにて24時間混合した。得られたスラリー
を乾燥造粒した後、プレス成形し、真空中で脱バインダ
後1700〜1900℃N2雰囲気中で焼成し、各々5本の試料を
得た。得られた各試料の切断面を観察し、色むらの発生
状況を評価した。
Yb,Er,Ho及びDyの酸化物を配合した試料は5本中0〜
1本程度にしか色むらの発生が認められないのに対し、
Yの酸化物を配合した試料では5本中4本に色むらの発
生が認められた。
1本程度にしか色むらの発生が認められないのに対し、
Yの酸化物を配合した試料では5本中4本に色むらの発
生が認められた。
〔実施例2〕 比表面積14m2/g、酸素含有量2重量%以下のα−Si3N
4粉末にYb,Er,Ho及びDyから選ばれた酸化物と、過剰酸
素量調整用としてSiO2とを適宜配合し、これらをボール
ミルにて24時間混合した。得られたスラリーを乾燥造粒
した後プレス成形し、真空中で脱バインダ後第1表
(b)に示す焼成条件において焼結させ第1表(a)の
試料番号1〜10の組成の焼結体を得た。なお、いずれも
1000℃までの冷却速度は400℃/hrで行った。
4粉末にYb,Er,Ho及びDyから選ばれた酸化物と、過剰酸
素量調整用としてSiO2とを適宜配合し、これらをボール
ミルにて24時間混合した。得られたスラリーを乾燥造粒
した後プレス成形し、真空中で脱バインダ後第1表
(b)に示す焼成条件において焼結させ第1表(a)の
試料番号1〜10の組成の焼結体を得た。なお、いずれも
1000℃までの冷却速度は400℃/hrで行った。
なお、試料No.2においては焼結体組成が第1表(a)
になるようにSi粉末,M2O3粉末およびSi3N4粉末を重量比
で40:47:13の割合で混合し、成形したものを1300℃の窒
素雰囲気で焼成してSiを窒化させ反応焼結体を得、これ
を第1表(b)および第2表(b)の条件で本焼成を行
った。
になるようにSi粉末,M2O3粉末およびSi3N4粉末を重量比
で40:47:13の割合で混合し、成形したものを1300℃の窒
素雰囲気で焼成してSiを窒化させ反応焼結体を得、これ
を第1表(b)および第2表(b)の条件で本焼成を行
った。
得られた各試料につき常温及び1400℃におけるJIS−R
1601四点曲げ抗折強度試験と、1000℃×100時間及び140
0℃×24時間経過後における重量増(mg/cm2)による焼
結体の酸化重量増即ち、中温及び高温の耐酸化性を測定
し第1表(a)に示した。
1601四点曲げ抗折強度試験と、1000℃×100時間及び140
0℃×24時間経過後における重量増(mg/cm2)による焼
結体の酸化重量増即ち、中温及び高温の耐酸化性を測定
し第1表(a)に示した。
尚、過剰酸素量はLECO社の酸素、窒素同時分析装置に
よってまず全酸素量を測定し、次にICP分析によって焼
結体中の第III a族化合物を測定し、それに基づき酸化
物換算における酸素量を算出し、全酸素量からその酸素
量を差し引くことによって算出した。
よってまず全酸素量を測定し、次にICP分析によって焼
結体中の第III a族化合物を測定し、それに基づき酸化
物換算における酸素量を算出し、全酸素量からその酸素
量を差し引くことによって算出した。
さらに、X線回析法により焼結体中に生成した焼結相
を同定し、各X線強度のピークを比較し、β−SiN4ピー
クを除いて一番高いピークを有する結晶相を第1表
(a)に同様に示した。
を同定し、各X線強度のピークを比較し、β−SiN4ピー
クを除いて一番高いピークを有する結晶相を第1表
(a)に同様に示した。
第1表(a)から理解されるように実施例1により得
られる窒化珪素質焼結体は夫々常温抗折強度が60Kg/mm2
以上、1400℃における高温抗折強度が50Kg/mm2以上、10
00℃×100時間における中温酸化増量が0.5mg/cm2以下、
1400℃×24時間における高温酸化増量が0.3mg/cm2以下
であり、特に高温抗折強度が優れている。
られる窒化珪素質焼結体は夫々常温抗折強度が60Kg/mm2
以上、1400℃における高温抗折強度が50Kg/mm2以上、10
00℃×100時間における中温酸化増量が0.5mg/cm2以下、
1400℃×24時間における高温酸化増量が0.3mg/cm2以下
であり、特に高温抗折強度が優れている。
実施例2と同様の粉末にYb,Dy,La及びNdの化合物と、
過剰酸素量調整用としてSiO2とを配合し、これらをボー
ルミルにて24時間混合した。得られたスラリーを乾燥造
粒した後プレス成形し、真空中で脱バインダ後第2表
(b)に示す焼成条件において焼結させ第2表(a)の
試料番号5〜8の組成の焼結体を得た。
過剰酸素量調整用としてSiO2とを配合し、これらをボー
ルミルにて24時間混合した。得られたスラリーを乾燥造
粒した後プレス成形し、真空中で脱バインダ後第2表
(b)に示す焼成条件において焼結させ第2表(a)の
試料番号5〜8の組成の焼結体を得た。
得られた各試料につき実施例2と同様の測定を行い第
2表(a)にその結果を示した。
2表(a)にその結果を示した。
第2表(a)及び第2表(b)から理解されるよう
に、本発明で含有される金属元素の酸化物換算が1〜5
モル%の範囲外のものSiO2/M2O3のモル比が0.8を越える
もの、粒界が結晶化していないもの及び本発明の金属元
素(イオン半径≦0.97Å)よりもイオン半径の大きい金
属元素La(イオン半径=1.06Å)とNd(イオン半径=0.
99Å)を含むものは夫々常温、高温における抗折強度又
は中温、高温における耐酸化性の何れかが劣化している
ことが理解される。
に、本発明で含有される金属元素の酸化物換算が1〜5
モル%の範囲外のものSiO2/M2O3のモル比が0.8を越える
もの、粒界が結晶化していないもの及び本発明の金属元
素(イオン半径≦0.97Å)よりもイオン半径の大きい金
属元素La(イオン半径=1.06Å)とNd(イオン半径=0.
99Å)を含むものは夫々常温、高温における抗折強度又
は中温、高温における耐酸化性の何れかが劣化している
ことが理解される。
本発明においては特に中温域における耐酸化性が0.5m
g/cm2以下で、高温における抗折強度が50Kg/mm2以上で
ある高温特性に優れた窒化珪素質焼結体を得ることがで
きる。
g/cm2以下で、高温における抗折強度が50Kg/mm2以上で
ある高温特性に優れた窒化珪素質焼結体を得ることがで
きる。
図面はSi3N4−M2O3−SiO2系焼結体における中温(1000
℃)及び高温(1400℃)での時間の経過に伴う酸化重量
増の挙動を示す特性図である。
℃)及び高温(1400℃)での時間の経過に伴う酸化重量
増の挙動を示す特性図である。
Claims (1)
- 【請求項1】3成分基準でβ−Si3N4を85〜99モル%
と、Yb、Er、Ho及びDyの群から選ばれる少なくとも1種
の元素(M)の化合物を酸化物換算(M2O3)で1〜5モ
ル%と、過剰酸素(O)とを含有し、かつ(過剰酸素の
SiO2換算モル数/M2O3モル数)が0.8以下である焼結体で
あって、β−Si3N4の粒界相の主結晶相がメリライトで
ある高温抗折強度(1400℃・4点曲げ抗折強度)が50kg
/mm2以上、中温酸化増量(1000℃×100時間)が0.5mg/c
m2以下の窒化珪素質焼結体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62218342A JP2631105B2 (ja) | 1987-08-31 | 1987-08-31 | 窒化珪素質焼結体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62218342A JP2631105B2 (ja) | 1987-08-31 | 1987-08-31 | 窒化珪素質焼結体 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS6461358A JPS6461358A (en) | 1989-03-08 |
JP2631105B2 true JP2631105B2 (ja) | 1997-07-16 |
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ID=16718366
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP62218342A Expired - Fee Related JP2631105B2 (ja) | 1987-08-31 | 1987-08-31 | 窒化珪素質焼結体 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2631105B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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JPH1059773A (ja) * | 1996-08-20 | 1998-03-03 | Ngk Insulators Ltd | 窒化珪素焼結体及びその製造方法 |
JP3933345B2 (ja) * | 1999-05-21 | 2007-06-20 | 日本特殊陶業株式会社 | 発熱抵抗体及びセラミックヒータ用発熱抵抗体並びにその製造方法、及びセラミックヒータ |
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JPS6296368A (ja) * | 1985-10-23 | 1987-05-02 | 日本特殊陶業株式会社 | 高耐食性窒化ケイ素焼結体の製造方法 |
JP2631104B2 (ja) * | 1987-08-31 | 1997-07-16 | 京セラ株式会社 | 窒化珪素質焼結体 |
JPS6456368A (en) * | 1987-08-27 | 1989-03-03 | Kyocera Corp | Silicon nitride sintered body |
-
1987
- 1987-08-31 JP JP62218342A patent/JP2631105B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
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JPS6461358A (en) | 1989-03-08 |
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