JP2631019B2 - マイクロカプセルトナー及びその製造方法 - Google Patents

マイクロカプセルトナー及びその製造方法

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JP2631019B2 JP1294037A JP29403789A JP2631019B2 JP 2631019 B2 JP2631019 B2 JP 2631019B2 JP 1294037 A JP1294037 A JP 1294037A JP 29403789 A JP29403789 A JP 29403789A JP 2631019 B2 JP2631019 B2 JP 2631019B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、電子写真法,静電印刷法,磁気記録法など
に用いられるトナーに関し、特にマイクロカプセルトナ
ーおよびその製造方法に関する。
[従来の技術] 近年の電子写真応用技術の多目的化に伴ない、複写画
像を形成する現像剤に関して、その目的に応じた技術開
発が数多くなされ続けている。トナーは画像を形成する
粉体であるが、画像形成が正確になされる為にはトナー
粒子に数多くの機能を持たせなければならない。例えば
帯電性,搬送性,定着性,保存性等々である。これらを
全て満足させる物質は常識的には存在せず、通常トナー
は各種材料の混合物として作製される。一般的なトナー
の製造方法としては、被転写材に定着させるための結着
用樹脂、トナーとしての色味を出させる各種着色剤、粒
子に電荷を付与させるための荷電制御剤、又特開昭54−
42141号公報,特開昭55−18656号公報に示されるような
いわゆる一成分現像法においては、トナー自身に搬送性
等を付与するための各種磁性材料を用い、他に必要に応
じて離型剤,流動性付与剤を乾式混合し、しかる後ロー
ルミル,エクストルダーなどの汎用混練装置にて温度を
かけながら均一に混練し、冷却した後にスピードミル,
ジェットミル等の各種粉砕装置により微砕化し、DS分級
機,MS分級機など各種風力分級機により分級を行なうこ
とにより、トナーとして必要な粒径にそろえる。これに
必要に応じて流動化剤や滑剤等々を乾式混合しトナーと
する。またいわゆる2成分現像方法に用いる場合は各種
磁性キャリアと混ぜあわせた後トナーとして画像形成に
供するわけである。
このようなトナー粒子のひとつとして米国特許4,016,
099号明細書,米国特許3,788,994号明細書、等に見られ
るような、マイクロカプセル型トナーという粒子の形態
が提案されている。これは機能分離型トナーとも呼称さ
れるものである。即ち定着性や搬送性を有するコアと称
される芯材粒子を、帯電機能を有する、より固い材料に
よる外壁で包み込んだ形態を有するトナーであり、外壁
にコア中に含まれる帯電性に不利に働く材料や軟質物質
の持つ問題点をとり除く保護の役割も持たせている。
即ち、例えば圧力定着トナーにおいて結着用材料は定
着性の上ではより軟質であることが好ましい。しかしな
がらこのような軟質材料は保存性が悪く、又現像器内や
感光体表面に融着現象を起こす原因となる。この軟質材
料を含む芯材をより硬い材料による外壁で包み込むこと
により、これらの相反する性質を解消することが可能と
なる。
このようなマイクロカプセルトナーに関する提案は数
多くなされている。例えば机上の構成から言えばいかな
る材料の構成も考え得るし、マイクロカプセルトナーの
製造方法としても、スプレードライ法,界面重合法,コ
アセルベーション法,相分離法,in−situ重合法,乾式
カプセル法など様々な方法が知られている。
しかし一般的には好ましい機能を持った材料を用い前
記の様々な方法を利用しても、好ましい性能を持つマイ
クロカプセルトナーが簡単に得られるわけではない。多
くの場合、外壁形成が不完全であったり、芯材と外壁材
との接着が不完全で物理的,機械的な力で外壁がはがれ
てしまったりトナー粒子が合一してしまったりといった
問題がある。
前記各種カプセル化方法の中で、特開昭58−154852
号、特開昭59−82942号、特開昭60−69659号などの提案
に見られるような相分離法を用いることにより、外壁形
成の不完全さや、粒子同志の合一のほとんどない安定し
たマイクロカプセル粒子が得易い。
通常マイクロカプセルトナーでは外壁を形成する樹脂
に摩擦帯電性を持たせることが可能である。例えば外壁
を形成する樹脂の高分子側鎖に窒素原子を有するものは
ポジに帯電し易い。
このようにマイクロカプセルトナーでは外壁に帯電機
能を持たせることが可能である。しかしながら複写プロ
セスにおいては、トナーに要求される更に多くの要素が
あり、マイクロカプセルトナーの外壁においても単に芯
材を保護する作用や摩擦帯電機能のみならず、他の多く
の目的を持たせる必要があり得る。例えば研摩性、滑
性、流動性等々である。
これらの点の改良を目的として芯材と外壁の間又は外
壁中にさまざまな添加物を入れようとする試みがなされ
開示されている技術も多い。例えば特開昭58−200244
号、同59−189359号、同61−088272号、同58−211165
号、同59−79257号、同61−99154項、同60−3647号、同
60−173553号、同60−175056号、同61−175059号、同61
−6657号等々である。これらの方法によってもその目的
をそれなりには発揮し得るが、十分性能的に満足なマイ
クロカプセルトナーが得られているとは言い難い。
[発明が解決しようとする課題] 本発明の目的は、上述の如き欠点を解決したマイクロ
カプセルトナーを提供することにある。
即ち、本発明の目的は、定着性、保存性、ブロッキン
グ性、耐久性が良好で、流動性、帯電性等のトナー特性
に優れ、しかも感光ドラムの研摩効果を有し、且つ現像
装置等を汚染しないマイクロカプセルトナーを提供する
ことにある。
更に本発明の目的は、外壁形成が完全で複写特性の低
下を起こさないマイクロカプセルトナーの製造方法を提
供することにある。
[課題を解決するための手段及び作用] 本発明は、少なくとも結着材料と着色材料を含有する
芯材及び相分離法により形成された該芯材を取り囲む外
壁を有するマイクロカプセルトナーにおいて、 該外壁は、該外壁を形成する殻材が溶解され、かつ該
芯材が分散されている溶液からの相分離法による該殻材
の析出時から析出した該殻材が該芯材に付着し固化する
までの間にのみ、微粉体が分散されている分散液を該溶
液中に添加することにより、相分離法によって該殻材を
析出させて該芯材を取り囲むように形成されたものであ
り、 該殻材は、相分離法による析出点の異なる2種以上の
樹脂を含み、該外壁において、析出点の早い樹脂が該芯
材側に位置し、析出点の遅い樹脂が表面側に位置してお
り、 該外壁中には、微粉体が分散されており、かつ該外壁
の表面において、該微粉体が一部表面に露出するか及び
/又は、該微粉体の表面が該殻材の薄膜にて被覆されて
いることを特徴とするマイクロカプセルトナーに関す
る。
また、本発明は、少なくとも結着材料と着色材料を含
有する芯材に相分離法により外壁を形成するマイクロカ
プセルトナーの製造方法において、 該外壁を形成する殻材が溶解され、かつ該芯材が分散
されている溶液からの相分離法による該殻材の析出時か
ら析出した該殻材が該芯材に付着し固化するまでの間に
のみ、微粉体が分散されている分散液を該溶液中に添加
し、相分離法により該殻材を析出させて該芯材を取り囲
むように該外壁を形成し、該芯材を取り囲む該外壁中に
該微粉体の分散されているマイクロカプセルトナーを得
ることを特徴とするマイクロカプセルトナーの製造方法
に関する。
本発明者は、上記課題を解決するべく鋭意検討した結
果、例えばマイルロカプセルトナーにコロイダルシリカ
等とともに微粉体を外添混合して用いた場合には、この
微粉体が自由な粒子として挙動するために、現像スリー
ブ上或は現像器内に蓄積され現像性を悪化させたり、ド
ラム上に現像されたトナーが転写材に転写された後にド
ラム上に残る転写残中に含まれる外微粉体がドラムクリ
ーニング用のブレードによりこすられることによって感
光ドラム上のキズや融着、フィルミング、更にはクリー
ニング不良、画像流れの原因になり易い。
樹脂溶液中に芯材とともに該微粉体を分散し、スプレ
ードライをする方法はスプレードライ自体に係る問題
点、例えば凝集粒子ができ易い、微粉体と殻材のみから
なるカプセル粒子ができ易い、微粉、粗粉の分級が必要
となる等、生産性が悪いなどの問題点がある。
マイクロカプセルトナー表面に例えば微粉体を更に外
から分離的な外力により埋め込む方法は、硬い外壁と軟
らかい芯という構成上カプセルの破壊や融着が起こる可
能性が高く達成しがたい。
又芯物質の表面近傍に導電性微粒子を外添して付着固
定させた後にカプセル化を行なう方法では、確かに0.1
μm程度の薄い膜厚においては、その目的は達成され得
るが、カプセル強度保持のためにより厚い膜厚にした場
合は結果として芯材表面近傍の微粉体がトナー表面から
は遠くなってしまい、その効果は消失されていく。
即ち、これらの微粉体がカプセルトナーの表面或はそ
の近傍に存在し、好ましくは外壁中に均一に分散し、し
かも殻材にはさまれ、或は囲まれることによりトナーか
ら遊離していかないことが好ましい。又これらの微粉体
成分がトナーをとり囲んでしまうことは、微粉体の持つ
好ましくない性質が現われる、或は殻材の持つ機能が損
われる等の問題があって好ましくない。
例えば研摩材は感光ドラム表面をこすり、トナー融
着、画像流れ等を防止或は除去する役割を果たすが、ト
ナーから遊離した微粒子が多いと、研摩材がトナー中で
偏在しはじめ、その現像性等に問題を生じたり、感光体
表面の削り過ぎ、トナー融着等の原因となる。
又電荷制御剤が自由な状態でいた場合、キャリア汚染
や現像スリーブへの汚染を起こし易く、画像濃度低下の
原因となる。又芯材に添加或は外添混合して用いた場合
は電荷制御の効果が薄い。
離型剤は定着時のオフセット現象を防止するためには
重要な材料であるが、定着時すみやかに流動化し、定着
用部材、たとえば熱ローラー表面に流動化状態で存在す
ることが好ましいが芯材中に含有させると、トナー表面
へ流出する時間がかかり、必要以上の添加が要求される
等の問題がある。又これら離型性物質で表面が被われた
カプセルトナーは離型剤により定着性が悪化したり、現
像性が悪化したりし易い。
また滑剤が自由な状態でいると、現像スリーブに固着
し易く、トナーの現像スリーブへのコートが悪くなり、
現像スリーブ上にムラを発生し易い。
顔料が自由な状態でいるとキャリア汚染、現像スリー
ブ汚染等の問題が発生し、トナー現像性を低下させる等
の問題が発生し易い。
更には低表面エネルギー物質は一般に摩擦帯電性を持
つことが多く、自由な状態でいると、現像器内でトナー
とともに撹拌されることにより、トナー自体の摩擦帯電
を促進あるいは妨害し、現像性に問題が生じる恐れがあ
る。
上記の如く検討を続けた結果、外壁を形成する殻材が
溶解され、かつ芯材が分散されている溶液からの相分離
法により外壁を形成するマイクロカプセル化時におい
て、溶液中の外壁となる殻材が、分離析出する時から芯
材に付着し固化するまでの間にのみ、微粉体が分散され
ている分散液を前記溶液中に添加することによって、相
分離法により殻材を析出させて芯材を取り囲むように外
殻を形成したマイクロカプセルトナー粒子がより優れた
性能を有することを見出した。微粉体を殻材が析出する
以前、或は固化した後では、微粉体は、外壁中にほとん
ど取り込まれず溶液中に残ってしまい、固液分離工程で
トナー中から取り除かれない微粉体は、外添混合して使
用した場合とほぼ同様の挙動を示す。
本発明に用いる微粉体としては研摩剤、荷電制御剤、
離型剤、滑剤、着色剤、低表面エネルギー物質等公知の
物質が利用できる。
例えば研型剤微粉末としては、モース硬度が8以上で
ある金属酸化物、窒化物、炭化物が好ましく用いられ、
その具体例を挙げれば、酸化セリウム、酸化ジルコニウ
ム、酸化アルミニウム、チタン酸カルシウム、チタン酸
ストロンチウム、チタン酸バリウム、四三窒化チタン、
窒化ホウ素、窒化ケイ素、窒化チタン、炭化ホウ素、炭
化ケイ素、炭化タングステン、炭化チタンなどが挙げら
れる。
又電荷制御剤としては、従来公知の正或は負の荷電制
御材料或はそれらを含有する粒子が使用可能である。そ
のような材料としては、例えば、ニグロシン、炭素数2
〜16のアルキル基を含むアジン系染料、塩基性染料、レ
ーキ顔料、ベンジルメチル−ヘキサデシルアンモニウム
クロライド、デシル−トリメチルアンモニウムクロライ
ド或は、ジブチル、ジオクチルなどのジアルキルチン化
合物などが正荷電性の荷電制御剤として挙げられる。
負電荷性を制御するものとして、例えば、モノアゾ染
料の金属錯塩、スルホン化した銅フタロシアニン顔料、
サリチル酸、ナフトエ酸、ジカルボン酸のZn,Al,Co,Cr,
Fe等の金属錯体が挙げられる。
本発明に用いる荷電制御剤粒子は、その表面を各種カ
ップリング剤又は、樹脂などにより処理したものでも使
用可能であり更には樹脂等に分散させ微粉体化したもの
を用いてもよい。
又離型剤粒子としては、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン等の重合微粒子や粉砕等により作成した微粒子が好ま
しく用いられる。
また滑剤としては、従来公知のものが使用可能であ
り、例えば、金属セッケン、高級脂肪酸、高級アルコー
ル、炭化水素系滑剤、脂肪族アミド、エステル系滑剤な
どが使用でき、1種で或は2種以上混合して用いること
もできる。
また着色剤微粒子としては、下記に示す染顔料をその
ままで、或はこれら染顔料を含有する微粒子として用い
ることが可能である。
このような染、顔料としては、例えば、カーボンブラ
ック、ニグロシン染料、ランプ黒、スーダンブラックS
M、ファースト・エローG、ベンジジン・エロー、ピグ
メント・エロー、インドファースト・オレンジ、イルガ
ジン・レッド、パラニトロアニリン・レッド、トルイジ
ン・レッド、カーミンFB、パーマネント・ボルドーFR
R、ピグメント・オレンジR、リソール・レッド2G、レ
ーキ・レッドC、ローダミンFB、ローダミンBレーキ、
メチル・バイオレットBレーキ、フタロシアニンブル
ー、ピグメントブルー、ブリリヤント・グリーンB、フ
タロシアニングリーン、オイルイエローGG、ザポン・フ
ァーストエローCGG、カヤセットY963、カヤセットYG、
スミプラスト・エローGG、ザポンファーストオレンジR
R、オイル・スカーレット、スミプラストオレンジG、
オラゾール・ブラウンB、ザポンファーストスカーレッ
トCG、アイゼンスピロン・レッド・BEH、オイルピンクO
Pなどが適用できる。
本発明に用いる着色剤は、その表面を各種カップリン
グ剤又は、樹脂などにより処理したものでも使用可能で
ある。
低表面エネルギー物質樹脂としては、従来公知のフッ
素系、シリコン系樹脂が挙げられるが、好ましくは臨界
表面張力30dyne/cm以下のものが良い。
例えば、ポリフッ化ビニル(臨界表面張力γc=28dy
ne/cm)、ポリトリフルオロエチレン(γc=22dyne/c
m)、ポリテトラフルオロエチレン(γc=18dyne/c
m)、ポリヘキサフルオロプロピレン(γc=16.2dyne/
cm)、等の臨界表面張力30dyne/cm以下のものが使用可
能である。
この他にはフッ化ビニリデンとアクリル単量体の共重
合体、フッ化ビニルとフッ化ビニリデンとの共重合体、
フッ化ビニリデンとテトラフルオロエチレンとの共重合
体、フッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレンとの
共重合体、テトラフルオロエチレンとフッ化ビニリデン
及び非フッ素化単量体の共重合体のようなフルオロ共重
合体が使用可能である。これらの低表面エネルギー物質
は、特に形状はこだわらず、繊維状物質であってもかま
わない。
又界面活性物質の使用も可能である。
これら微粉体の平均粒径としては好ましくは2μm以
下より好ましくは1μm以下のものが好ましい。
本発明の芯材に用いる結着樹脂としては従来公知の材
料が使用できる。
例えば圧力定着用或は低温定着用結着材料としては、
ワックス類(密ろう,カルナバワックス,マイクロクリ
スタリンワックスなど),高級脂肪酸(ステアリン酸,
パルミチン酸,ラウリン酸など),高級脂肪酸金属塩
(ステアリン酸アルミニウム,ステアリン酸鉛,ステア
リン酸バリウム,ステアリン酸マグネシウム,ステアリ
ン酸亜鉛,バルミチン酸亜鉛など),高級脂肪酸誘導体
(メチルヒドロキシステアレート,グリセロールモノヒ
ドロキシステアレートなど),ポリオレフィン(低分子
量ポリエチレン,低分子量ポリプロピレン,酸化ポリエ
チレン,ポリイソブチレン,ポリ4弗化エチレンな
ど),オレフィン共重合体(エチレン−アクリル酸共重
合体,エチレン−アクリル酸エステル共重合体,エチレ
ン−メタクリル酸共重合体,エチレン−メタクリル酸エ
ステル共重合体,エチレン−塩化ビニル共重合体,エチ
レン−酢酸ビニル共重合体,アイオノマー樹脂など),
スチレン系樹脂(低分子量ポリスチレン,スチレン−ブ
タジエン共重合体(モノマー重量比5〜30:95〜70),
スチレン−アクリル系化合物共重合体など),エポキシ
樹脂,ポリエステル樹脂(酸価10以下),ゴム類(イソ
ブチレンゴム,ニトリルゴム,塩化ゴムなど),ポリビ
ニルピロリドン,ポリアミド,クマロン−インデン樹
脂,メチルビニルエーテル−無水マレイン酸共重合体,
マレイン酸変性フェノール樹脂,フェノール変性テルペ
ン樹脂,シリコン樹脂などがあり、これらの中から単独
または組合せて用いることができる。
又一般式的な加熱定着用の結着用樹脂としては、ポリ
スチレン及びその置換体の単重合体:スチレン−アクリ
ル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステ
ル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、ス
チレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共
重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合
体などのスチレン系共重合体:アクリル樹脂、メタクリ
ル樹脂、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、フラン樹
脂、エポキシ樹脂、などが代表的なものとして例示する
ことができる。
本発明のカプセルトナーの芯材中には一般に、着色剤
として各種の染、顔料が含まれる。このような染、顔料
としては、例えば、カーボンブラック、ニグロシン染
料、、ランプ黒、スーダンブラックSM、ファースト・エ
ローG、ベンジジン・エロー、ピグメント・エロー、イ
ンドファースト・オレンジ、イルガジン・レッド、パラ
ニトロアニリン・レッド、トルイジン・レッド、カーミ
ンFB、パーマネント・ボルドーFRR、ピグメント・オレ
ンジR、リソール・レッド2G、レーキ・レッドC、ロー
ダミンFB、ローダミンBレーキ、メチル・バイオレット
Bレーキ、フタロシアニンブルー、ピグメントブルー、
ブリリヤント・グリーンB、フタロシアニングリーン、
オイルイエローGG、ザポン・ファーストエローCGG、カ
ヤセットY963、カヤセットYG、スミプラスト・エローG
G、ザポンファーストオレンジRR、オイル・スカーレッ
ト、スミプラストオレンジG、オラゾール・ブラウン
B、ザポンファーストスカーレットCG、アイゼンスピロ
ン・レッド・BEH、オイルピンクOPなどが適用できる。
トナーを磁性トナーとして用いるために、芯材中に磁
性粉を含有せしめても良い。このような磁性粉として
は、磁場の中に置かれて磁化される物質が用いられ、
鉄、コバルト、ニッケルなどの強磁性金属の粉末、もし
くはマグネタイト、ヘマタイト、フェライトなどの合金
や化合物がある。この磁性粉の含有量はトナー重量に対
して15〜70重量%が良い。
殻材としては、公知の樹脂が使用可能である。例え
ば、次の様なモノマー類から成る樹脂がある。スチレ
ン,P−クロルスチレン,P−ジメチルアミノ−スチレンな
どのスチレン及びその置換体;アクリル酸メチル,アク
リル酸エチル,アクリル酸ブチル,メタクリル酸メチ
ル,メタクリル酸エチル,メタクリル酸ブチル,メタク
リル酸N,N−ジメチルアミノエチルエステルなどのアク
リル酸或はメタクリル酸のエステル;無水マレイン酸或
は無水マレイン酸のハーフエステル,ハーフアミド或は
ジエステルイミド,ビニルピリジン,N−ビニルイミダゾ
ールなどの含窒素ビニル;ビニルホルマール,ビニルブ
チラールなどのビニルアセタール;塩化ビニル,アクリ
ロニトリル,酢酸ビニルなどのビニルモノマー;塩化ビ
ニリデン,フッ化ビニリデンなどのビニリデンモノマ
ー;エチレン,プロピレンなどのオレフィンモノマーで
ある。又、ポリエステル,ポリカーボネート,ポリスル
ホネート,ポリアミド,ポリウレタン,ポリウレア,エ
ポキシ樹脂,ロジン,変成ロジン,テルペン樹脂,フェ
ノール樹脂,脂肪族又は脂環族炭化水素樹脂,芳香族石
油樹脂,メラミン樹脂,ポリフェニレンオキサイドのよ
うなポリエーテル樹脂或はチオエーテル樹脂,などの単
独重合体、或は共重合体、更にそれらの混合物が使用で
きる。
本発明における相分離カプセル化の方法としては、殻
材料を良溶媒に分散溶解させ、芯材を該溶液中に分散さ
せた後、貧溶媒を加えて殻材を相分離させ芯材に固着さ
せる方法、或いは、殻材料が溶解されかつ芯材が分散さ
れている前記溶液のpHを変化させて殻材を相分離させ芯
材に固着させる方法などが挙げられる。
本発明において微粉体は外壁中に分散して存在する
が、相分離法において、外壁を形成する殻材は溶媒中か
ら分離する際にミセル様の小滴として析出し芯材にたか
るように付着する。更に本発明において微粉体は前記ミ
セル滴が粘着性或は合一性を有する状態において添加さ
れ、ミセル滴間に取り込まれるようにして芯材に付着す
る。(第3図参照)。更に芯材に付着した殻材からの脱
溶媒が進行し、殻材は固化してカプセル膜となる。析出
時には不連続であった殻材小滴は芯材に付着し固化した
後は連続層となる(第5図参照)、ここにおいて、もし
も微粉体が相分離前の樹脂溶液中にあらかじめ分散され
ている場合は、芯材表面へ取り込まれる割合が非常に低
くカプセル化終了後も微粉体はフリーな状態で存在する
ものが多く、シェル膜中には取り込まれにくい。又殻材
の芯材への付着が終わり固化が進行してから微粉体を投
入してもやはり殻材中には取り込まれることはない。微
粉体はカプセル化反応時に直接粉体のまま投入するより
も、微粉体の分散状態を良くするためには、カプセル化
反応槽への投入前に微粉末を溶媒に分散しておくことが
良い。
又本発明においてカプセル化に使用する殻材を2種類
以上用いることも良い。単一の殻材樹脂を用いた場合で
も前述の如く、均一に微粉体を殻材中に分散させること
が可能であるが、2種類以上の樹脂を用いた場合更なる
効果を発揮させる場合がある。この2種類以上の樹脂は
相分離カプセル化時において析出点又は芯材へ付着する
点の異なる樹脂であることが好ましい。即ち、第1の樹
脂の析出及び芯材への付着更には固化に伴ない取り込ま
れた微粉体の一部は、マイクロカプセルトナー粒子の殻
材の表面に一部現われて存在することになる。これに対
し、続く第2の樹脂の析出、付着更には固化によりこの
表面に存在する微粉体を薄膜で被う状態又はトナー表面
の微粉体を埋め込んだような状態にすることができ(第
4図参照)、外添時や、現像剤として用いた際の現像器
内での撹拌により、該微粉体が外殻中から遊離すること
を防ぐことができる。
本発明を更に詳述する。相分離カプセル化法におい
て、相分離が始まり殻材の小滴が析出し始めると反応系
の見かけの粘度は上昇し始める。更に析出が進行し、芯
材に付着すると系の粘度は今度は下降し始め殻材からの
脱溶媒が終り固化することにより系の粘度は下がる。例
えばローター式の粘度計で測定したカプセル化時の粘度
変化を模式的にグラフに示すと第1図及び第2図(2種
類の樹脂の析出点が離れている場合)の如くである。
第1図はカプセル化が行なわれる際の反応槽内の系の
見かけの粘度変化を模式的に示した図であり、Aはカプ
セル化開始前、Bは殻材の析出の開始、Cは殻材が芯材
に付着し終った時期にほぼ対応する。
第2図は、同様に本文中に述べた析出点の異なる2種
の殻材を用いた場合を模式的に示したものであり、Dは
カプセル開始前、Eは第1樹脂の析出、Fは第2の樹脂
の析出、Gはすべての樹脂が芯材に付着し終った時期に
ほぼ対応する。
本発明で言う、殻材の析出時から析出した壁材が芯材
に付着し固化する間というのは、ほぼ図の山の部分と一
致する(ピークとは限らない)。例えば、良溶媒に貧溶
媒を添加することにより相分離させるカプセル化法にお
いて平均分子量の大きく異なる(例えばMw=20,000とMw
=5000)2種類の外壁形成用樹脂を併用した場合、両樹
脂は析出点が異なってくるためふたつの粘度ピークを示
す。即ち壁形成の時期が異なってくることにより前述し
たような外壁の構造をもったマイクロカプセルトナーが
得られるのである。
また樹脂溶液のpHを変化させて相分離させる方法にお
いても使用する2種以上の樹脂が析出するpH値が異なれ
ば同様の現象が起こる。
本発明のマイクロカプセルトナーは、必要ならばコロ
イダルシリカ等を外添混合してトナーとして供する。ま
た2成分トナーとして用いる場合は、キャリアと混合し
て現像剤とする。
[実施例] 以下具体例をもって本発明を説明する。
実施例1 上記成分をアトライター(三井三池社製)にて、100
℃にて1時間溶融混練分散を行ない溶融混合物を得た。
これをヒーターを装着したステンレスヒーターに移し、
120℃に保持した。
これとは別に有効容量20のアジホモミキサー(特殊
機化社製)に水16を入れ93℃に加熱保持した。ここに
日本アエロジール社のコロイダルシリカ,アエロジール
#300 65gを入れ撹拌し十分に分散させた後、ホモミキ
サーを8500r.p.mにし、ここに前記溶融混合物3kgを投入
し、12分間撹拌を行ない微粒化を行なった。微粒化後こ
の分散液をあらかじめ用意しておいた氷30kg中に排出
し、この微粒子を急冷、固化させた。この分散液に水酸
化ナトリウム600gを投入し、プロペラミキサーにて室温
で24hr撹拌を行ないコロイダルシリカを溶解させた後、
遠心過機により過を行ないアルカリ液を除去した。
更にこのスラリーを水で2回水洗,過をくり返した後
通風乾燥機により乾燥させて芯材粒子を得た。この粒子
の体積平均粒径は10.5μmであった。平均粒径の測定は
コールターカウンター(100μmアパーチャー使用)に
て行なった。
上記成分によりカプセル化用調合液を作成した。容量
20の冷却可能なジャケットつきの反応槽にホモミキサ
ーを取りつけ撹拌可能なカプセル化反応槽を用意した。
上記調合液7.2kgを反応槽中に投入し、撹拌下−25℃に
冷却した。次にここに前記芯材2.0kgを投入し、ホモミ
キサーで十分に分散した後、更に酢酸110gを投入し撹拌
を続け、温度は−25℃に保持した。これとは別に酸化セ
リウム25gをDMF100g中に加えサンドミルにて分散を行な
った分散液を調整した。続いて前記樹脂溶液に10g/min
の滴下スピードにて1℃の水を滴下した。水を250g滴下
したところで前記酸化セリウムのDMF分散液を−25℃に
冷却した状態で投入した。更に水の滴下を進め3000gま
で滴下を行なった。その後このカプセル化液を過し、
分離したカプセル粒子を水30kgにより2回水洗,過を
くり返した後、40℃にて乾燥した。この粒子をFE−SEM
にて観察したところ、酸化セリウムが外壁中に均一に分
散されているのが観察された。更に表面を拡大して観察
したところ、酸化セリウムの一部がトナー表面に顔を出
した状態であったが、樹脂にはさまった状態で存在し
た。又遊離した微粉末はほとんど見られなかった。この
マイクロカプセルトナー100重量部に対し、疎水性コロ
イダルシリカ1.0重量部を添加混合し、現像剤とした。
このトナーをキヤノン社製NP−150Zの現像装置に入れ
空回転テストを行なった。3hr空回転後この現像剤をと
り出し再びFE−SEMにて観察したところ酸化セリウム粒
子のシェルからの離脱は見られなかった。
この現像剤をさらにNP150Z改造機(定着ローラーを剛
体ローラーとした。)により耐久試験を行なった。32.5
℃,85%RHの高温高湿下で耐久画出しを行なったとこ
ろ、1万枚までの画像濃度は1.40〜1.60であり良好な画
像であった。更にドラムへのトナー融着は全く発生しな
かった。又通常環境(23%,65%RH)においても1.50〜
1.70の高い画像濃度を保持した。
比較例1 実施例1において酸化セリウム/DMF分散液を投入しな
い他は、実施例1と同様にして酸化セリウムを含まない
シェルのマイクロカプセルトナーを得た。コロイダルシ
リカを外添した後、この現像剤を高温高湿環境で耐久画
出試験を行なった結果、画像濃度は実施例1と同様に1.
40〜1.60と良好であったが、2000枚でドラム融着が発生
した。
比較例2 比較例1のマイクロカプセルトナーにコロイダルシリ
カとともに酸化セリウム1重量パーセントを外添し、現
像剤として用いた。この現像剤は高温高湿環境では画像
濃度が1.20〜1.40と低く、更に3000枚耐久後の朝1番の
画像には画像流れが発生した。
比較例3 実施例1において、樹脂溶液に水を滴下する前に、あ
らかじめ酸化セリウム/DMF分散液を樹脂溶液に添加混合
した後、この樹脂溶液に水を滴下することを除いては、
実施例1と同様にしてマイクロカプセル粒子を得た。こ
の粒子をFE−SEMにて観察したところ、酸化セリウムは
外壁中にところどころ分散されている程度であり、酸化
セリウムの遊離物が確認された。
この遊離物を含むマイクロカプセル粒子にコロイダル
シリカを外添した現像剤は、高温高湿環境では画像濃度
が、1.20〜1.40と低く、更に3000枚耐久後の朝1番の画
像には画像流れが発生した。
比較例4 実施例1において、樹脂溶液に水を滴下した後に、酸
化セリウム/DMF分散液を樹脂溶液に添加混合することを
除いては、実施例1と同様にしてマイクロカプセル粒子
を得た。この粒子をFE−SEMにて観察したところ、酸化
セリウムは外壁中にはほとんど観察されず、酸化セリウ
ムの遊離物が確認された。
この遊離物を含むマイクロカプセル粒子にコロイダル
シリカを外添した現像剤は、高温高湿環境では画像濃度
が、1.10〜1.30と低く、更に3500枚耐久後の朝1番の画
像には画像流れが発生した。
比較例5 実施例1において、樹脂溶液に水を滴下するのと同時
に、酸化セリウム/DMF分散液125gを樹脂溶液に2分15秒
間隔で1回1gづつ添加し、水の滴下とほぼ同時に酸化セ
リウム/DMF分散液の添加を終了したことを除いては、実
施例1と同様にしてマイクロカプセル粒子を得た。この
粒子をFE−SEMにて観察したところ、酸化セリウムは外
壁中に若干観察されたものの、酸化セリウムの遊離物も
確認された。
この遊離物を含むマイクロカプセル粒子にコロイダル
シリカを外添した現像剤は、高温高湿環境では画像濃度
が、1.30〜1.50と若干低かった。
実施例2 芯材としては実施例1で作成したものと同様のものを
用いた。
上記成分によりカプセル化用調合液を作成した。この
調合液7.2kgを実施例1で用いたカプセル化反応槽を用
い実施例1と同様にカプセル化を行なった。ただし酢酸
量は125g,カプセル化温度は−27℃にて行なった。
ステアリン酸亜鉛粉末25gをDMF中にサンドミルにて分
散し、−27℃に冷却した分散液を用意した。水の滴下が
200g行なわれたところで前記ステアリン酸亜鉛分散液を
投入し、水の滴下を2500gまで続けた。
更に実施例1と同様な後処理を行ないマイクロカプセ
ル粒子を得た。この粒子をFE=SEMにて観察したとこ
ろ、実施例1と同様にステアリン酸亜鉛がシェル中に均
一に分散していた。このマイクロカプセルトナーに疎水
性コロイダルシリカ1.0重量パーセントを外添混合し、
現像剤とした。
この現像剤を前記NP150Z改造機にて高温高湿環境(3
2.5℃,85%RH)にて耐久画出試験をしたところ画像濃度
は1.40〜1.60と良好であり、朝1番の画像の画像流れも
発生しなかった。
比較例6 ステアリン酸亜鉛をシェル中に入れない事を除けば実
施例2と同様の組成、同様の方法にてマイクロカプセル
トナーを作成し、これに疎水性コロイダルシリカを外添
混合し、現像剤とした。この現像剤を実施例2と同様に
高温高湿環境にて耐久を行なったところ画像濃度は良好
であったが3000枚時点で朝1画像流れが発生した。
比較例7 比較例6のマイクロカプセルトナーに疎水性コロイダ
ルシリカと同時にステアリン酸亜鉛1.0重量パーセント
を外添混合し、同様な耐久画出試験を行なった。画像濃
度は1.30〜1.50とほぼ良好であり、朝1画像流れも発生
しなかった。次に実施例2,比較例6,比較例7のサンプル
とNP150Zの現像器により15℃,10%RHの低温低湿下で空
回転テストを行なった。実施例2及び比較例6のサンプ
ルは3時間空回転後もきれいなトナー層のコーティング
状態が観察されたが、比較例7のサンプルは1.5時間で
波状のムラが発生した。このようなムラは実焼に供する
と画像上に汚れとなって現われるものである。
実施例3 芯材としては分子量約3000のポリエチレンを冷凍粉砕
して12.5μmに分級したものを用意した。
実施例2においてステアリン酸亜鉛25gをフタロシア
ニンブルー35gに変えた以外は同様の組成、同様の方法
にてマイクロカプセルトナーを得た。これにアミノシラ
ンカプリング剤で処理した疎水性コロイダルシリカ1.0
重量パーセントを外添混合した後、樹脂コートキャリア
と混合して現像剤とした。
比較例8 実施例3においてフタロシアニンブルーを添加しない
でカプセル化したマイクロカプセルトナーを得た。これ
に実施例3の処理シリカ1.0重量パーセントとフタロシ
アニンブルー0.5重量パーセントを外添混合した後、樹
脂コートキャリアと混合して現像剤とした。
実施例のサンプルと比較例8のサンプルをキヤノン社
製NP1215の色トナー現像用現像装置を用いて23℃,65%R
Hの環境で空回転テストを行ない、トナーのトリボの経
時変化を見た。実施例3のサンプルはスタート1分後の
トリボが11.5μc/gであり30分後、1時間後はそれぞれ1
2.8μc/g,12.6μm/gであった。比較例8のサンプルは1
分後に既に6.5μc/gでしかなく、5分後には1.4μc/gで
あった。ふるいを用いてキャリアとトナーを分離したと
ころキャリアは真青になっていた。
実施例4 芯材としては実施例1で使用したものと同様の芯材を
用いた。
上記成分によりカプセル化用調合液を作成した。これ
を実施例1で用いた反応容器を用いカプセル化を行なっ
た。上記調合液5.6kgを用い、これに芯材を分散せしめ
た。ここに酢酸130gを投入し、溶液温度を−24℃にあわ
せた後、水の滴下を開始した。水の滴下は8g/minにて行
なった。水を180g滴下したところであらかじめ作成して
おいたポリフッ化ビニリデン微粉末15gをDMF75gに分散
させ−24℃に冷やした分散液を投入した。水の滴下が45
0gになったとろこで滴下スピードを30g/minに上げ、水
の全滴下量が2250gになるまで滴下をつづけ滴下終了後
この分散液を過し、更に過水洗を2回行なった後、
通風乾燥機により乾燥を行ないマイクロカプセルトナー
を得た。このマイクロカプセルトナーをFE−SEMにて観
察したところ、実施例1と同様にポリフッ化ビニリデン
が殻材中に均一に分散している様子が観察された。その
表面においてポリフッ化ビニリデン粒子は表面に顔を出
しているが、殻材でしっかり固定された状態に見られ
た。これに疎水性コロイダルシリカ1.0重量パーセント
を外添混合し、現像剤とした。このサンプルを実施例1
で用いたNP150Z改造機を用いて15℃,10%RHの低温低湿
環境で1万枚の耐久画出試験を行なった。画像濃度は1.
60〜1.70と高く、耐久時の画像濃度低下や、トナー補給
時の画像濃度低下は見られなかった。更に高温高湿環境
で同様の耐久画出試験を行なったところ、1万枚まで1.
40〜1.60の画像濃度を有し、クリーニング不良,ドラム
融着等の発生はなかった。
比較例9 実施例4においてポリフッ化ビニリデン微粉末を添加
する以外は実施例4と同様にシェル中にポリフッ化ビニ
リデンを含有しないマイクロカプセルトナーを作成し
た。このトナーに同様に疎水性コロイダルシリカを外添
し現像剤とした。このトナーについても同様に耐久画出
試験を行なったところ高温高湿において1.30〜1.50とや
や画像濃度が低く、更に7000枚付近でドラム上にフィル
ミングが発生した。
比較例10 比較例9のマイクロカプセルトナーに疎水性コロイダ
ルシリカと同時にポリフッ化ビニリデン微粉末を0.5重
量パーセント外添混合して現像剤とした。高温高湿下で
のフィルミング及び画像濃度低下は起こらなかった。一
方低温低湿環境で耐久画出試験を行なったところ、カブ
リが実施例4より悪く、約3000枚時には現像スリーブ上
に波状のムラがあらわれ、画像上に波模様の画像汚れが
現われた。
[発明の効果] 以上の通り、本発明によると、トナー特性に優れたマ
イクロカプセルトナーが得られ、現像装置内の汚染もな
く高画質の複写画像を安定して供給することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図はカプセル化が行なわれる際の反応槽内の系の見
かけの粘度変化を模式的に示した図であり、第2図は同
様に析出点の異なる2種の殻材を用いた場合の見かけの
粘度変化を模式的に示したものである。 第3〜5図は本発明にかかるマイクロカプセルトナーの
カプセル化の様子を示した図である。

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも結着材料と着色材料を含有する
    芯材及び相分離法により形成された該芯材を取り囲む外
    壁を有するマイクロカプセルトナーにおいて、 該外壁は、該外壁を形成する殻材が溶解され、かつ該芯
    材が分散されている溶液からの相分離法による該殻材の
    析出時から析出した該殻材が該芯材に付着し固化するま
    での間にのみ、微粉体が分散されている分散液を該溶液
    中に添加することにより、相分離法によって該殻材を析
    出させて該芯材を取り囲むように形成されたものであ
    り、 該殻材は、相分離法による析出点の異なる2種以上の樹
    脂を含み、該外壁において、析出点の早い樹脂が該芯材
    側に位置し、析出点の遅い樹脂が表面側に位置してお
    り、 該外壁中には、微粉体が分散されており、かつ該外壁の
    表面において、該微粉体が一部表面に露出するか及び/
    又は、該微粉体の表面が該殻材の薄膜にて被覆されてい
    ることを特徴とするマイクロカプセルトナー。
  2. 【請求項2】微粉体として研摩剤、荷電制御剤、離型
    剤、滑剤、着色剤、低表面エネルギー物質から選ばれる
    一種を用いることを特徴とする請求項(1)に記載のマ
    イクロカプセルトナー。
  3. 【請求項3】少なくとも結着材料と着色材料を含有する
    芯材に相分離法により外壁を形成するマイクロカプセル
    トナーの製造方法において、 該外壁を形成する殻材が溶解され、かつ該芯材が分散さ
    れている溶液からの相分離法による該殻材の析出時から
    析出した該殻材が該芯材に付着し固化するまでの間にの
    み、微粉体が分散されている分散液を該溶液中に添加
    し、相分離法により該殻材を析出させて該芯材を取り囲
    むように該外壁を形成し、該芯材を取り囲む該外壁中に
    該微粉体の分散されているマイクロカプセルトナーを得
    ることを特徴とするマイクロカプセルトナーの製造方
    法。
  4. 【請求項4】外壁を形成する該殻材が2種以上の樹脂を
    含む請求項(3)に記載のマイクロカプセルトナーの製
    造方法。
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