JP2630633B2 - 流体噴射式織機のよこ入れ装置 - Google Patents

流体噴射式織機のよこ入れ装置

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JP2630633B2 JP19969688A JP19969688A JP2630633B2 JP 2630633 B2 JP2630633 B2 JP 2630633B2 JP 19969688 A JP19969688 A JP 19969688A JP 19969688 A JP19969688 A JP 19969688A JP 2630633 B2 JP2630633 B2 JP 2630633B2
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克彦 杉田
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Tsudakoma Industrial Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 発明の技術分野 本発明は、流体噴射式織機のよこ入れ装置に関する。
従来技術 この種の流体噴射式織機において、測長貯留装置によ
って測長されたよこ糸は、よこ入れタイミングでよこ入
れノズルからの噴射流体によって、たて糸開口中によこ
入れされる。このときのよこ糸の張力は、よこ入れノズ
ルの牽引力と測長貯留装置側でのよこ糸の解舒抵抗とに
よって決定される。もし、解舒抵抗が大きければ、よこ
入れノズルによる牽引力がそれによって相殺されるた
め、よこ入れ時の飛走速度は、結果的に低くなり、また
よこ入れに必要なよこ入れ流体のエネルギーやその量も
増加することになる。
そこで、特公昭48−11786号や、特開昭51−58563号の
発明などは、測長貯留装置とよこ入れノズルとの間に、
ローラまたはニップローラを介在させ、このローラまた
はニップローラをよこ入れ時に回転させ、よこ糸をよこ
入れ方向に送り出すことによって、よこ糸の解舒抵抗を
軽減するようにしている。
ところが、上記の発明では、ローラまたはニップロー
ラがいずれも機械的な手段によって駆動されており、ロ
ーラの回転速度や、回転方向さらに回転量が機械的な駆
動系によって決定されてしまうため、ローラの回転方
向、回転速度さらに回転量などの可変、変更制御が実際
上不可能である。このような理由から、それらの装置
は、まだ実用化されていない。
発明の目的 したがって、本発明の目的は、上記ローラまたはニッ
プローラの駆動を電気的な駆動手段とし、その回転方
向、回転量および回転速度の制御を正確に、しかも柔軟
に変更できるようにすることである。
発明の解決手段 上記目的の下に、本発明は、ローラまたはニップロー
ラの駆動手段としてサーボモータを用い、このサーボモ
ータの回転方向、回転速度および回転量をデジタル制御
技術によって織機の主運動などに同期させるようにして
いる。すなわち、デジタル制御系は、回転指令部と駆動
部とによって構成されており、回転指令部は、織機の主
軸の回転角度と同期して、よこ入れ期間中に、モータの
回転速度および回転量をあらかじめ設定された速度パタ
ーンにもとづいて制御し、織機のよこ入れ運動やよこ糸
の飛走特性に最も適切な状態で制御していく。また、こ
の回転指令部は、必要に応じ、よこ入れ期間の経過後、
逆転方向に回転したり、またおさ打ち時に正転方向に回
転することによって、それぞれのタイミングで発生する
不都合な現象を抑え、織機の運動を円滑化するのにも有
効である。
発明の構成 第1図は、流体噴射式織機1との関連で、本発明のよ
こ入れ装置2の構成を示している。
よこ糸3は、給糸体4から引き出され、測長貯留装置
5で、係止ピン53によって係止されながら、回転アーム
51の回転運動によって、測長・貯留用のドラム52の外周
に巻き付けられて測長され、かつよこ入れタイミングま
で貯留されている。よこ入れタイミングで、係止ピン53
が後退すると、貯留状態のよこ糸3は、ドラム52から解
舒され、よこ入れノズル6によって、たて糸開口7中の
よこ入れされる。なお、よこ入れ後のよこ糸3は、おさ
9によって織り前10によこ打ちされ、よこ入れ側のカッ
ター8によって切断される。
そして、本発明のよこ入れ装置2は、特徴的な事項と
して、測長貯留装置5とよこ入れノズル6との間で、一
対のニップローラ11、12、これらを駆動するためのサー
ボモータ13、回転指令部14および駆動部15を備えてい
る。
一対のニップローラ11、12は、よこ糸3を摩擦的に挟
み込んだ状態で配置されており、そのうち一方のニップ
ローラ11はサーボモータ13に連結されている。回転指令
部14は、入力側で入力設定器16、シャフトエンコーダ17
およびメモリ18に接続された演算ユニット19と、この演
算ユニット19の出力側に接続されたパルス発振器20によ
って構成されている。なお、シャフトエンコーダ17は、
織機の主軸21に連結されている。また、駆動部15は、上
記パルス発振器20とサーボモータ13との間に直列に接続
されたアップダウン式のカウンタ22およびドライバー23
によって構成されている。また、サーボモータ13に連結
されたパルスジェネレータ24は、直接カウンタ22のダウ
ン入力端に、またF−V変換器25を介し、ドライバー23
の速度フィードバック入力端にも接続されている。な
お、このドライバー23は、正・逆転指令の入力端で演算
ユニット19の対応の出力端にも接続されている。
発明の作用 まず、オペレータは、入力設定器16を操作し、主軸21
の回転角度Θとの関連で、よこ入れ期間Tすなわちその
開始角度および終了角度を設定し、その区間での回転速
度Vを指定するとともに、回転量Rを設定する。ここ
で、よこ入れ期間Tおよび回転速度Vは、実際のよこ入
れ時のよこ糸3の飛走特性に合わせて設定する。この飛
走特性は、よこ糸3の種類や、よこ入れ条件例えばよこ
入れノズル6の流体圧や圧力流体の飛走速度などによっ
て決定される。このため、回転速度Vの速度パターン
は、複数用意され、メモリ18に格納される。また、回転
量Rは、よこ入れ長さすなわち織り幅に応じて設定され
る。
流体噴射式織機1の運転中に、シャフトエンコーダ17
は、主軸21の回転角度Θを検出し、その信号を演算ユニ
ット19に送り込んでいる。そこで、演算ユニット19は、
あらかじめ設定された速度パターンにもとづいて、パル
ス発振器20の発振タイミング、発振終了タイミングおよ
びその間の回転速度Vに比例する発振周波数、回転量R
に比例するパルス数などを演算により求め、これに基づ
いてパルス発振器20に指令を与える。このためパルス発
振器20は、よこ入れに必要なパルス出力をカウンタ22の
アップ入力端に与え、ドライバー23を駆動して、サーボ
モータ13を駆動する。このようにして、サーボモータ13
は、よこ入れ期間Tに渡って、所定の回転速度Vで正転
方向に、所定の回転量Rだけ回転することによって、一
対のニップローラ11、12をよこ糸3の送り込み方向に積
極的に回転させる。
このため、一対のニップローラ11、12は、それらの間
でよこ糸3を摩擦的に挟み込み、その周速度をよこ入れ
ノズル6によるよこ糸3の飛走速度に合わせて、よこ糸
3を積極的に送り出し、ドラム52からの解舒抵抗を軽減
するとともに、よこ入れノズル6による搬送力を高める
方向に働く。このようにして、一対のニップローラ11、
12の回転によってよこ糸3によこ入れ方向の搬送力が付
与されるため、よこ入れノズル6に必要な流体のエネル
ギーは、一対のニップローラ11、12によって加勢される
分だけ少なくてよいことになる。したがって、よこ入れ
に必要な流体のエネルギーが小さくてすみ、またよこ入
れ運動も高速化し、生産性が向上することにもなる。
この間のサーボモータ13の回転速度Vおよび回転量R
は、パルスジェネレータ24によって検出され、F−V変
換器25によって、回転速度Vに比例する電圧に変換さ
れ、ドライバー23に負帰還される。また、パルスジェネ
レータ24の出力パルスは、カウンタ22のダウン入力端に
フィードバックされ、目標の回転量Rとなるように制御
される。なお、サーボモータ13に動作遅れがあれば、そ
の補正は、演算ユニット19の部分で、あらかじめ補正さ
れる。
よこ入れ期間Tがが終了したのに、おさ打ちの時期
に、サーボモータ13が再び所定量だけ正転方向に回転す
ることによって、おさ打ち時のよこ糸3の張力の高まり
を防止し、糸切れなどの不都合を回避する。このあと、
カッター8によってよこ入れ後のよこ糸3がよこ入れ側
で切断される。この切断後、次回のよこ入れ待機中に、
サーボモータ13は、逆転方向に回転することによって、
一対のニップローラ11、12により、よこ糸3を所定の量
だけ引き戻す。これによって、よこ入れノズル6の先端
からはみ出ているよこ糸3は、たて糸開口7の部分から
離れ、次回のよこ入れに折り返した状態でよこ入れされ
ることもなくなる。また、この引き戻し操作は、多色よ
こ入れの場合に、隣り合うよこ入れノズル6の間でのよ
こ糸3の相互の干渉を防止するのに有効である。
なお、第2図は上記実施例について、主軸21の回転角
度Θとの関連でニップローラ11の回転速度V、パルス発
振器20のパルス出力およびニップローラ11の正、逆転指
令の動作例を示したものである。
発明の他の実施例 上記実施例は、よこ入れ期間Tの区間以外でも、サー
ボモータ13を正転または逆転させることによって、よこ
糸3の張力の異常な高まりや、よこ入れ待機中のよこ糸
3の干渉などを防止しているが、このよこ入れ期間T以
外の回転制御は、必要に応じて行われる。
また、上記実施例の一対のニップローラ11、12は、そ
れらの間でよこ糸3を摩擦的に挟み込んでいるが、この
よこ糸3は、第3図に示すように、一方の大きなニップ
ローラ11に対し、1または2以上巻き付けた後よこ入れ
ノズル6の方向に送り出すこともできる。このようにす
ると、よこ糸3とニップローラ11との間の摩擦が増加す
るため、送り出し量の誤差が少なくなる。
さらに第3図に示した一対のニップローラ11、12のう
ち、ローラ12を省略し、よこ糸3を1または2以上巻き
付けたローラ11のみの構成とすることもできる。この場
合であっても、よこ糸3は、ローラ11周面に対する摩擦
によりよこ入れノズル6の方向に送り出されることにな
る。また、上記実施例では、測長貯留装置5によって測
長されたよこ糸3をローラ11、12によって積極的に送り
出すようにしたが、測長貯留装置5を省略し、代わって
ローラ11、12に測長機能を持たせるようにしてもよい。
このときローラ11、12の上流側に必要に応じてよこ糸解
留装置、例えば貯留ドラムを設けることができるが、ロ
ーラ11、12によるよこ糸3の間欠的な引き出し動作につ
られて余分のよこ糸3が貯留ドラムから解舒されないよ
うに公知の制動部材を設けておくのが好ましい。よこ糸
貯留装置を用いずに、直線給糸体4からよこ糸を引き出
す場合も同様にして、例えばワッシャーテンサー等の公
知の制動部材を設けておくとよい。
発明の効果 本発明では、下記の特有の効果が得られる。
よこ入れ期間で、よこ糸がローラの摩擦的回転によっ
て、よこ入れ方向に積極的に送り出されるため、よこ入
れノズルに必要な牽引力が小さくてすみ、またそのよこ
入れに必要なエネルギーも軽減でき、さらによこ入れ運
動の高速化にも有効となる。
また、ローラ駆動用のサーボモータの回転速度、回転
方向および回転開始角度、終了角度および回転量などは
電気的な操作によって簡単に設定し、また変更できるた
め、従来の機械的な手段に比較して、よこ糸の飛走特性
やよこ糸の種類に適合した回転制御が可能となる。
特に、この電気的な制御において、パルス信号に基づ
くデジタル制御技術を採用すれば、よこ糸の飛走速度に
対応するローラの回転速度および織り幅に対応するロー
ラの回転量は、それぞれ予め設定されたパルス周波数お
よびパルス数に基づいて正確に制御することが可能にな
り、糸種に応じた安定したよこ入れが行えるとともによ
こ糸の測長誤差も小さく抑えることができる。
また、機械的な回転駆動方式によると、よこ入れ運動
の間欠的な動作と対応し、回転駆動系にクラッチなどの
引き離し手段が必要となり、回転力の伝達特性が不安定
になるが、電気的な回転量制御によると、回転運動の起
動停止が電気的に滑らかに設定でき、しかもクラッチな
どの手段を用いないでオン・オフ状態に設定できるた
め、回転運動の制御特性の点からも有利である。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の流体噴射式織機のよこ入れ装置のブロ
ック線図、第2図は動作説明図、第3図は他の実施例の
要部の平面図である。 1……流体噴射式織機、2……よこ入れ装置、3……よ
こ糸、4……給糸体、5……測長貯留装置、6……よこ
入れノズル、7……たて糸開口、11、12……ニップロー
ラ、13……サーボモータ、14……回転指令部、15……駆
動部、16……入力設定器、17……シャフトエンコーダ、
18……メモリ、19……演算ユニット、20……パルス発振
器、21……主軸、22……カウンタ、23……ドライバー。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】給糸体からよこ糸を引き出し、よこ入れタ
    イミングでよこ糸をよこ入れノズルによってたて糸開口
    中によこ入れする流体噴射式織機において、上記よこ入
    れノズルの上流側でよこ糸を摩擦的に保持するローラ
    と、このローラを駆動するサーボモータと、織機の主軸
    の回転角に応じてよこ入れ期間中によこ糸の飛走速度に
    対応する所定の回転速度および織り幅に対応する所定の
    回転量の回転指令信号を発生する回転指令部と、この回
    転指令部からの回転指令信号に応じて、上記サーボモー
    タを回転させる駆動部とからなることを特徴とするよこ
    入れ装置。
  2. 【請求項2】上記回転指令部は複数の速度パターンをあ
    らかじめ記憶させておくメモリを有することを特徴とす
    る特許請求の範囲第1項記載のよこ入れ装置。
JP19969688A 1988-08-10 1988-08-10 流体噴射式織機のよこ入れ装置 Expired - Lifetime JP2630633B2 (ja)

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JPH0253936A JPH0253936A (ja) 1990-02-22
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US5335700A (en) * 1992-03-24 1994-08-09 Nissan Motor Co., Ltd. Weft picking system for a fluid jet loom including a roller type traction device

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