JP2630354B2 - 衣 服 - Google Patents

衣 服

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JP2630354B2
JP2630354B2 JP5343473A JP34347393A JP2630354B2 JP 2630354 B2 JP2630354 B2 JP 2630354B2 JP 5343473 A JP5343473 A JP 5343473A JP 34347393 A JP34347393 A JP 34347393A JP 2630354 B2 JP2630354 B2 JP 2630354B2
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thread
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sewing thread
acetate
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彰 土屋
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SUMERU KK
TOYOBO MISHIN ITO KK
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ONWAADO KASHAMA KK
SUMERU KK
TOYOBO MISHIN ITO KK
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  • Yarns And Mechanical Finishing Of Yarns Or Ropes (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ミシン糸によってボタ
ンを取り付けた衣服に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、衣服にボタンを付ける作業は手作
業で行うか、または工業用ボタン付けミシンによって機
械作業で行なっていた。
【0003】手作業によりボタンを付ける場合はボタン
をしっかりと止め付けることができるが、手作業のため
手間が掛り、問題である。
【0004】一方、工業用ミシンにより機械的にボタン
付けを行なう場合は、ボタンを取付けるミシン糸の最終
側端部は手作業の場合のように衣服の生地の裏側に引き
出されてこぶを作るのではなく、衣服の表側において止
めているだけである。
【0005】しかし、このようにミシンによりボタンを
付けたものにおいては、衣服を着用しているとミシン糸
の端部がほつれてきてボタンが落ちてしまうという問題
があった。
【0006】このような問題を解決することが特開平3
−170190号公報において提案されている。この公
開公報においてはボタンと衣服との間に弾性糸(エラス
トマープラスチック材料で作られた糸)を緊張状態で巻
きつけて根巻き部分とし、この根巻き部分に弾性糸の端
部を食い込ませるようにしている。更に、この公開公報
にはセルローズ・アセテートの糸によってボタンを取付
け、このアセテート糸をアセトンによって溶解して、根
巻き部分を固めるようにすることが従来方法として開示
されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】この公開公報に開示さ
れている方法で、弾性糸を使う場合は弾性糸がボタンを
衣服に縫付ける縫い糸とは別な糸であり、しかもミシン
糸としては特殊なな糸であって、実際に工業的に実施し
難いという問題がある。また、その公開公報に従来例と
して書いてあるアセテートを溶かすという方法について
は、アセテート自体が糸の強度が弱く、従来でもミシン
糸としては使用されておらず、しかもアセトンによって
溶かした状態では、より一層糸強度が弱くなり、ボタン
付け糸としては不適当である。
【0008】
【発明の目的】本発明は、工業用ミシンでボタン付けが
行なえるようなミシン糸を使用して衣服にボタンを取付
け、このミシン糸のほつれを防止するようにした衣服を
提供することを目的とする。
【0009】
【0010】また、本発明では、衣服に取付けた状態の
ミシン糸をほつれないようにするために、ミシン糸の一
部を溶かすような溶剤を滴下するための装置を提供する
ことをも目的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、ボタンがミシ
ン糸によって取着された衣服において、前記ミシン糸は
ナイロン糸またはポリエステル糸とアセテート糸との合
撚糸であり、衣服の生地とボタンとの間のミシン糸の少
なくとも一部において前記アセテート糸が溶解・固化し
た状態であることを特徴とする衣服によって前述の目的
を達成した。
【0012】また、本発明は、ナイロン糸またはポリエ
ステル糸とアセテート糸とを引揃えて下撚を掛け、下撚
を掛けた糸を複数本引揃えて上撚を掛けて合撚糸とし、
該合撚糸を熱セットし、熱セットした糸をナイロン糸用
染料またはポリエステル糸用染料とアセテート糸用染料
とにより染色し、該合撚糸を用いて衣服にボタンを取着
し、衣服の生地とボタンとの間の合撚糸の少なくとも一
部における前記アセテート糸を溶解・固化することを特
徴とする衣服の製造方法によって前述の目的を達成し
た。
【0013】
【0014】また、本発明によればミシン糸中のアセテ
ートを溶解する溶剤を貯留する溶剤タンク、一端が該溶
剤タンクに接続された可撓性の溶剤供給チューブ、およ
び該溶剤供給チューブの他端に接続され往復移動可能な
バルブからなり、該バルブは円筒形状をしており、一端
が前記溶剤供給チューブに連なり、他端の先端近傍に弁
座を有するシリンダ体、該シリンダに摺動可能に挿着さ
れ前記シリンダ体の弁座に着座する弁体を有するととも
にその先端がシリンダ体の先端から突出している弁部材
および該弁部材の弁体を前記シリンダ体の弁座に付勢す
るスプリングからなることを特徴とするボタン付け用ミ
シン糸溶解用の溶剤滴下装置によって達成した。
【0015】
【作用】本発明の衣服においては、ボタン付け用ミシン
糸として、ナイロン糸またはポリエステル糸とアセテー
ト糸で構成された合撚糸を用いている。ナイロン糸また
はポリエステル糸は糸強度が強く、アセテート糸はこれ
らの糸に比べて強度は弱いが、溶剤で容易に溶けて固ま
る性質を有しており、これらの糸からなる合撚糸は両者
の特徴を併せ持ち、しかもミシン糸として充分な糸強度
を有するので工業用ミシンを用いてボタン付けを行うこ
とができる。
【0016】その製造方法において、合撚した糸を熱セ
ットすることにより、染色する際の収縮熱によるの差を
なくすようにしている。
【0017】また、衣服に工業用ミシンでボタンを付け
た後、衣服の生地とボタンとの間の糸をアセトンを滴下
してミシン糸中のアセテート成分を溶解する。溶剤であ
るアセトンは直ぐに揮発するのでアセテートは直ちに固
化し、ポリエステル糸またはナイロン糸の回りに付着
し、糸端部が解けないように固着される。この結果、糸
がほつれなくなり、糸のほつれによるボタン落ちがなく
なる。一方、ポリエステル糸またはナイロン糸はアセト
ンには不溶であるので、そのまま残り、ボタンを衣服の
生地にしっかりと留めつけた状態で、しかも十分な強度
を有している。
【0018】溶剤滴下装置においては、衣服とボタンと
の間のミシン糸に接触することにより滴下装置のバルブ
が開くようにしているので、確実に衣服とボタンの間の
糸に溶剤が滴下され、また上下運動により、その滴下量
も適切に調整できる。
【0019】
【実施例】以下、実施例について具体的に説明する。
【0020】本発明の衣服に用いるボタン付け用ミシン
糸は、ナイロン糸またはポリエステル糸とアセテート糸
とを合撚したボタン付け用ミシン糸である。合撚糸の太
さは200〜1000デニールである。アセテートの比
率が少なすぎると糸端の固定がし難く、多すぎると糸強
度が低下するので、合撚糸におけるアセテートの比率を
10〜70%とする。好ましくはアセテートの比率は3
0〜60%である。
【0021】ナイロン糸またはポリエステル糸とアセテ
ート糸とを合撚する場合、それらの本数や合撚の仕方は
特に限定されないが、合撚糸においてアセテートが均一
に分布していることが好ましい。従って、好ましくは、
ナイロン糸またはポリエステル糸とアセテート糸とを引
揃えて下撚を掛け、この下撚を掛けた糸を複数本引揃え
て上撚を掛けて、合撚糸とする。
【0022】例えば、ナイロン66(100デニール、
34本フィラメント)1本とアセテート糸(100デニ
ール、25本フィラメント)1本を引揃え下撚を掛け
る。下撚は例えば550回/mの撚とする。その後、下
撚を掛けた糸を3本引揃えて上撚を掛ける。この上撚は
例えば450回/mとする。このようにしてナイロン糸
とアセテート糸からなる合撚糸を先ず作る。
【0023】この場合、ナイロン糸を2本とし、アセテ
ート糸を1本として下撚を掛けて、これを3本引揃えて
上撚を掛けるようにすると、より太い糸ができる。
【0024】次に、前述のように撚糸した糸をジュラル
ミンのシリンダに巻き直して、真空窯で115℃、30
分で熱セットする。この熱セットは、ナイロン糸とアセ
テート糸が異素材のため、後の染色工程において熱によ
り糸が収縮する際の収縮差により壁撚が生じるのを防ぐ
ために行う。
【0025】熱セット後、糸を染色のために綛状に巻き
直す。
【0026】この綛状にした糸を分散染料および酸性染
料を用いて、100℃で30分の染色を行なう。染色温
度は上述した熱セット工程における熱セット温度よりも
低くして、糸が熱収縮しないようにする。なお、酸性染
料はナイロン糸を染めるためであり、分散染料はアセテ
ート糸およびナイロン糸を染めるための染料である。合
撚糸を構成する糸の素材が違うため、異なる染料でなけ
れば染り難いので、均一に染上げるために2種類の染料
を混ぜた染色浴で染める。
【0027】染色後は、通常のミシン糸と同様に、糸の
堅牢度を上げるためフィックス処理を行なうとともにオ
イリングを行なう。オイリングは綛状態で行ない、余分
なオイルを脱水して仕上げる。
【0028】綛状に仕上がった糸をチーズ状に巻き直
し、その後、規定の巻長にボビンに巻き直して、ミシン
糸として完成する。
【0029】前述した説明ではナイロン糸とアセテート
糸を組み合わせたが、ナイロン糸の代りにポリエステル
糸を使用して、ポリエステル糸とアセテート糸とを組み
合わせることもできる。
【0030】このようにして製造されたミシン糸を、従
来から使用している工業用ボタン付けミシンによって衣
服にボタンを取付ける。
【0031】図1および図2を参照してボタン付けの工
程を簡単に説明する。図1(a)〜(c)は4つ穴また
は2つ穴ボタンにおける取付け手順を示す説明図であ
り、図2(a)はボタンに対応する針位置を示す平面図
であり、図2(b)はボタン付け動作の運針順序を示す
説明図である。
【0032】先ず2枚の布地1、1′を2つ折りにし、
その先端の部分にボタン2を置き、ミシンを掛ける。ボ
タン2とミシンの針の位置は相対的にジグザグに移動
し、ボタン付けが行われる。その糸の軌跡を図1に示し
た。ボタン付け動作が終わると、ボタン2を図1(b)
に示すような状態とし、力糸が掛かるように針が動く。
このボタン2と針とは相対運動し、そのボタン2と針位
置との関係を図2に示している。図2(b)はボタン付
け針数6針、力糸針数1針、根巻き針数5針のものを表
わす。
【0033】力糸が巻き終わると根巻きが行われる。図
2(b)の*印部の根巻き時には、図2(a)に示すL
2の領域を1針毎に→の方向にずらしながら運針す
る。このようにすることにより、根巻きは布地1とボタ
ン2との間のボタン付け糸の回りを取り囲むような形で
根巻きが行われる。
【0034】その後、止め工程が行われる。この止め工
程においては図2(a)、(b)の針位置に示すように
糸は根巻き部を貫通して止められる。止めが終わると、
止めと針との間で糸を切る。
【0035】このように工業用ミシンを用い、本発明の
ボタン付用ミシン糸3によりボタン2を衣服の布地1に
付けた後、溶剤滴下装置によって根巻き部分または衣服
生地1とボタン2との間のミシン糸にアセテートを溶解
する溶剤を滴らして、ミシン糸3中のアセテートを溶か
す。そして、アセテート糸の一部分3aが溶けてナイロ
ン糸またはポリエステル糸に付着し、この状態で溶剤が
揮発するとアセテートが溶解状態のまま固化し、従って
合撚糸を構成する糸が互いに固着し、糸端がほつれない
ようになる(図3参照)。
【0036】上述のように、本発明のボタン付け用ミシ
ン糸を用いてボタンを衣服に取付けた後、このミシン糸
中のアセテート成分の一部または全部を溶剤(アセト
ン)により溶解してボタン付け用ミシン糸を固定する場
合に、このように溶剤を付与する装置においては各ボタ
ンの取付けごとに一定量の溶剤が確実に且つ簡単に滴下
できる必要がある。このような目的のために本発明にお
いては図示した実施例のような特別な装置を提案する。
【0037】以下この装置を図面を参照して詳細に説明
する。図4は本発明に係る溶剤の滴下装置の一部断面と
した側面図であり、この装置においてはアセテートを溶
解する溶剤(アセトン)を貯留する溶剤タンク12がフ
レーム10の頭部に設けられ、下部にL字状のブラケッ
ト11および溶剤滴下の駆動装置13が設けられてい
る。
【0038】駆動装置13は、回転軸14aが水平にな
るようにブラケット11に横向きに取付けられた減速機
付直流モータ14を含んでいる。回転軸14aの先端に
半径方向に所定長さを有するアーム15が嵌着され、止
めビス16によって回転軸14aに固定されている。
【0039】図4、図5に示すように、アーム15の半
径方向の先端部に連接棒18をピン17によって回動可
能に連結している。連接棒18の他端部はスライダー2
0に回動可能にピン19結合されている。
【0040】ブラケット11の上部外面にコの字状をし
た一対のレール21、21′が、その凹部が互いに対向
するようにして設けられ、スライダー20がこのレール
21、21′の間を上下に移動可能である。なお、レー
ル21、21′とスライダー20の間には、リニアベア
リングの名称で販売されているスライド用ベアリング
(図示せず)が設けられ、スライダー20が滑らかに移
動するようにしている。
【0041】この構造によりモータ14が回転すると、
その回転によりアーム15が回転され、アーム15の回
転は連接棒18を介してスライダー20に伝えられ、ス
ライダー20は一対の案内レール21、21′間を上下
に移動することになる。
【0042】図4において、スライダー20にはクラン
ク形状をしたバルブ取付け用のレバー22が取着されて
おり、レバー22の先端にバルブ23が止めビス34
(図6参照)により取付けられている。バルブ23の詳
細構造は後に詳述する。
【0043】バルブ23と溶剤タンク12の間は可撓性
のチューブ35により連結されており、溶剤タンク12
からバルブ23に溶剤が供給されるようになっている。
溶剤タンク12の出口側には溶剤を止めるための手動操
作閉止弁36が設けられている。
【0044】バルブ23は図7に示すように円筒状をし
たシリンダ体24と、シリンダ体24の中空部24aに
摺動可能に装着された弁部材25と、弁部材25を下向
きに押圧するスプリング26からなっている。シリンダ
体24の上端24bは上述した溶剤供給チューブ35に
連結されている。またシリンダ体24の下端部には、筒
状のプラグ27が捩じ込まれ、プラグ27の上部には弁
座27aが形成され、プラグ27の下部は細長い管状に
突出しておりその内部で弁部材25を案内するようにな
っている。弁部材25は全体が細長い棒状をしており、
その中間部にはプラグ27の弁座27aと係合して出口
を閉じたり開いたりするための弁体25aが設けられて
いる。弁体25aは図においては円板形状をしている。
【0045】弁部材25の下端部は図6においては小さ
な円板状の平らな板25bとなっている。弁部材25の
弁体25aの上側がスプリング受けとなっており、上述
したスプリング26がシリンダ体24の上部と弁部材2
5の上部のスプリング受けとの間に装着されており、ス
プリング26によって弁部材25は常時下側に付勢さ
れ、図7(a)に示すように弁部材25の弁体25aが
シリンダ体24の弁座27aに着座し閉じるようになっ
ている。また、弁部材25の下端部25bが押し上げら
れると、スプリング26の力に抗して弁部材25は上
り、弁体25aが弁座27aから離れ(すなわち、バル
ブ23が開かれ)、これによりシリンダ体24に供給さ
れた溶剤がシリンダ体24の先端から弁部材25を伝っ
て滴下される。
【0046】また図6に示すように上記バルブ23の下
方にはU字形凹部28aを有する受台28が設けられて
いる。受台28の凹部28aに衣服とボタンとの間のボ
タン付け用ミシン糸(根巻き部)を置き、この状態でモ
ータ14が回転することによりバルブ23が下降し、そ
れにより弁部材25の下端部25bが糸に当り、弁部材
25は押し上げられ、シリンダ体24から溶剤が浸みだ
して糸に浸み込み糸のアセテート成分を溶解し固化させ
る。
【0047】溶剤の滴下量は、滴下時間、すなわち、バ
ルブ23の弁部材25の下端部25bがボタン付用糸に
当たってバルブ23を開いている時間により調節され
る。弁部材25の下端部25bがボタン付け用ミシン糸
に当たっている時間は、モータ14の回転速度により決
まる。そこで、本実施例においては、フレーム10に設
けた手動ダイアル(図示せず)を操作して直流モータ1
4に供給される直流電圧を変えて、モータ速度を変える
ことができるようにしている。
【0048】また、モータ14を連続回転させておき、
バルブ23が上がったときに(すなわち、スライダー2
0が上死点位置に位置したときに)、受台28上のボタ
ンを交換(すなわち、用材を付着したボタンを受台28
から外して、新たなボタンを受台28に載置する)して
もよいが、スイッチ(図示せず)をオンするとモータ1
4が1回転するようにし、1回転を終了すると、バルブ
23が上がった状態(すなわち、スライダー20が上死
点位置に位置した状態)で、モータ14が停止するよう
にしてもよい。
【0049】上述した図7に示すバルブ23の構造は、
特に、ボタン付けをした糸に根巻き部がある場合に非常
に有効である。根巻きをしていない場合には、溶剤をボ
タン付け用ミシン糸に確実に案内するために、弁部材2
5の先端を図8に示すようにU字状形状(二又状)25
cとし、このU字状部25cにより糸を押さえながら滴
下した溶剤が糸に浸み込むようにすることが好ましい。
このようにすることにより図9(a)に示すようにボタ
ン、特に根巻きをしないメタルボタンのメタル部分およ
び/または衣服とボタンとの間のミシン糸部分をU字状
をした先端部で押さえ、これにより図9(b)に示すよ
うにしてノズル先端から糸に溶剤を滴下し、ミシン糸中
のアセテートを溶解させることができる。
【0050】
【発明の効果】本発明によれば、衣服のボタン付け用ミ
シン糸として、ナイロン糸またはポリエステル糸とアセ
テート糸で構成された合撚糸を用いている。ナイロン糸
またはポリエステル糸は糸強度が強く、アセテート糸は
これらの糸に比べて強度は弱いが、溶剤で容易に溶けて
固まる性質を有しており、これらの糸からなる合撚糸は
両者の特徴を併せ持ち、しかもミシン糸として充分な糸
強度を有するので工業用ミシンを用いてボタン付けを行
うことができる。
【0051】本発明によれば、衣服へのボタン付けに先
立って、ボタン付け用ミシン糸として合撚した糸を染色
前に熱セットすることにより、染色する際の熱による収
縮差をなくすことができる。
【0052】また、衣服に工業用ミシンでボタンを付け
た後、衣服の生地とボタンとの間の糸をアセトンを滴下
してミシン糸中のアセテート成分を溶解する。溶剤であ
るアセトンは直ぐに揮発するのでアセテートは直ちに固
化し、ポリエステル糸またはナイロン糸の回りに付着
し、糸端部が解けないように固着される。この結果、糸
がほつれなくなり、糸のほつれによるボタン落ちがなく
なる。一方、ポリエステル糸またはナイロン糸はアセト
ンには不溶であるので、そのまま残り、ボタンを衣服の
生地にしっかりと留めつけた状態で、しかも十分な強度
を有している。
【0053】本発明の溶剤滴下装置においては、衣服と
ボタンとの間のミシン糸に接触することにより滴下装置
のバルブが開くようにしているので、衣服とボタンの間
の糸に溶剤が確実に滴下され、またその滴下量も適切に
調整できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】工業用ミシンでボタン付する手順を説明する図
面であり、(a)〜(c)は概略側面図である。
【図2】工業用ミシンの運針を説明する図面であり、
(a)は平面図、(b)は時間−運針線図である。
【図3】本発明によるボタン取付状態を示す斜視図であ
る。
【図4】本発明の溶剤滴下装置の一実施例の一部断面と
した正面図である。
【図5】図4のV−V断面図である。
【図6】図4の正面図である。
【図7】図4に用いているバルブの一実施例の断面図で
あり、(a)は正面図、(b)は側面図である。
【図8】バルブの他の実施例の断面図であり、(a)は
正面図、(b)は側面図である。
【図9】図8の実施例の使用状態を示し、(a)は平面
図、(b)は正面図である。
【符号の説明】
1 布地 1′ 布地 2 ボタン 3 ミシン糸 3a 溶解部分
フロントページの続き (72)発明者 土屋 彰 埼玉県川越市連雀町6−1 株式会社オ ンワード縫製川越工場内 (72)発明者 臼井 敏夫 東京都中央区日本橋小舟町9番7号 東 洋紡ミシン糸株式会社内 (56)参考文献 特開 平4−257334(JP,A) 特開 平4−91245(JP,A) 特開 平5−186925(JP,A) 特開 平3−170190(JP,A)

Claims (14)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ボタンがミシン糸によって取着された衣
    服において、前記ミシン糸はナイロン糸またはポリエス
    テル糸とアセテート糸との合撚糸であり、衣服の生地と
    ボタンとの間のミシン糸の少なくとも一部において前記
    アセテート糸が溶解・固化した状態であることを特徴と
    する衣服。
  2. 【請求項2】 ボタンがミシン糸によって取着された衣
    服において、前記ミシン糸はナイロン糸またはポリエス
    テル糸とアセテート糸との合撚糸であり、衣服の生地と
    ボタンとの間のミシン糸の根巻き部の少なくとも一部に
    おいて前記アセテート糸が溶解・固化した状態であるこ
    とを特徴とする衣服。
  3. 【請求項3】 ボタン付け用ミシン糸である前記合撚糸
    の太さが200〜1000デニールであり、該合撚糸に
    おけるアセテートの比率が10〜70%であることを特
    徴とする請求項1または2記載の衣服。
  4. 【請求項4】 ボタン付け用ミシン糸である前記合撚糸
    の太さが200〜1000デニールであり、該合撚糸に
    おけるアセテートの比率が10〜70%であり、該合撚
    糸が熱セットされた糸であることを特徴とする請求項1
    または2記載の衣服。
  5. 【請求項5】 ボタン付け用ミシン糸である前記合撚糸
    の太さが200〜1000デニールであり、該合撚糸に
    おけるアセテートの比率が10〜70%であり、該合撚
    糸が熱セットされ、染色されていることを特徴とする請
    求項1または2記載の衣服。
  6. 【請求項6】 前記ボタン付け用ミシン糸が、ナイロン
    糸を1本または複数本とアセテート糸1本または複数本
    とが引揃えられて下撚が掛けられ、この下撚が掛けられ
    た糸が3本引揃えられて上撚が掛けられてた合撚糸であ
    ることを特徴とする請求項1から5の何れか1項に記載
    の衣服。
  7. 【請求項7】 下撚を掛けられるナイロン糸1本とアセ
    テート糸1本の太さがほぼ同じであることを特徴とする
    請求項6記載の衣服。
  8. 【請求項8】 ナイロン糸またはポリエステル糸とアセ
    テート糸とを引揃えて下撚を掛け、下撚を掛けた糸を複
    数本引揃えて上撚を掛けて合撚糸とし、該合撚糸を熱セ
    ットし、熱セットした糸をナイロン糸用染料またはポリ
    エステル糸用 染料とアセテート糸用染料とにより染色
    し、該合撚糸を用いて衣服にボタンを取着し、衣服の生
    地とボタンとの間の合撚糸の少なくとも一部における前
    記アセテート糸を溶解・固化することを特徴とする衣服
    の製造方法。
  9. 【請求項9】 ミシン糸中のアセテートを溶解する溶剤
    を貯留する溶剤タンク、一端が該溶剤タンクに接続され
    た可撓性の溶剤供給チューブ、および該溶剤供給チュー
    ブの他端に接続され往復移動可能なバルブからなり、該
    バルブは円筒形状をしており、一端が前記溶剤供給チュ
    ーブに連なり、他端の先端近傍に弁座を有するシリンダ
    体、該シリンダに摺動可能に挿着され前記シリンダ体の
    弁座に着座する弁体を有するとともにその先端がシリン
    ダ体の先端から突出している弁部材および該弁部材の弁
    体を前記シリンダ体の弁座に付勢するスプリングからな
    ることを特徴とする衣服のボタン付け用ミシン糸溶解用
    の溶剤滴下装置。
  10. 【請求項10】 電動モータの回転軸に取着されたアー
    ム、一端がアームにピン結合された連接棒、該連接棒の
    他端にピン結合されたスライダー、該スライダーを直線
    状に案内するガイドを有し、前記バルブが該スライダー
    に取着されていることを特徴とする請求項9に記載の
    服のボタン付け用ミシン糸溶解用の溶剤滴下装置。
  11. 【請求項11】 前記ガイドとスライダーの間にリニア
    ベアリングが設けられていることを特徴とする請求項1
    0に記載の衣服のボタン付け用ミシン糸溶解用の溶剤滴
    下装置。
  12. 【請求項12】 前記弁部材の先端に対向してボタン付
    したミシン糸を受ける受台が設けられていることを特徴
    とする請求項9〜11の何れか1項に記載の衣服のボタ
    ン付け用ミシン糸溶解用の溶剤滴下装置。
  13. 【請求項13】 前記弁部材の先端が平坦となっている
    ことを特徴とする請求項12に記載の衣服のボタン付け
    用ミシン糸溶解用の溶剤滴下装置。
  14. 【請求項14】 前記弁部材の先端が二又状になってい
    ることを特徴とする請求項12に記載の衣服のボタン付
    け用ミシン糸溶解用の溶剤滴下装置。
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