JP2628833B2 - 保護膜形成方法及びその装置 - Google Patents

保護膜形成方法及びその装置

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英明 東条
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、液状のストリッパブル
ペイントを塗装完成品に塗布して保護膜を形成する方法
及びその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、完成した自動車を出荷する場合に
は、自動車の塗装表面に塵埃等が付着するのを防止する
ために液状防錆ワックスを塗装表面に塗布して保護膜を
形成していた。
【0003】しかし、最近では出荷先におけるワックス
除去作業の負荷軽減や環境保護等の観点から、例えば特
開平3−267171号公報に記載されているように、
完成車の塗装表面に再剥離型感圧粘着剤を有するプラス
チックフィルムを真空を利用して圧着せしめ、車体を包
覆することによって、完成車の塗装面を一時的に保護す
る塗膜保護方法が知られている。また、小物部品に対し
てはストリッパブルペイントを塗布することも行われて
いる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、プラスチック
フィルムで車体を包覆する場合には、保護フィルムで自
動車全体を覆うためウインドガラス等の本来保護する必
要のない部分まで保護フィルムを貼着することによって
コストアップになるという問題点を有していた。
【0005】また、ストリッパブルペイントを使用する
場合には、保護したい部分のみ塗布することは可能であ
るが、対象物が自動車等のように大きいと、例えば乾燥
不均一による保護膜厚の不均一や付着物による保護膜の
破れ等が生じるという問題点を有していた。
【0006】本発明は、従来の技術が有するこのような
問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とすると
ころは、ストリッパブルペイントの塗布及び乾燥によっ
て保護膜厚が均一に形成される保護膜形成方法及びその
装置を提供しようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決すべく請
求項1に係る保護膜形成方法は、自動車ボディ等の大型
塗装完成品にストリッパブルペイントを塗布して保護膜
を形成する方法であって、前記塗装完成品に前記ストリ
ッパブルペイントを塗布する工程と、前記塗布工程の下
流に配置されたセッティング工程と、前記塗装完成品に
塗布された前記ストリッパブルペイントを予備乾燥する
工程と、予備乾燥した前記塗装完成品を本乾燥する工程
とからなり、前記ストリッパブルペイントを塗布した前
記塗装完成品を、乾燥温度60〜90°Cで上記乾燥工
程で乾燥させるようにしたことを特徴とする。
【0008】請求項2に係る保護膜形成装置は、自動車
ボディ等の大型塗装完成品にストリッパブルペイントを
塗布して保護膜を形成する装置であって、前記塗装完成
品に前記ストリッパブルペイントを塗布する塗布ブース
と、塗布ブースの下流に設けられたセッティングブース
と、前記塗装完成品に塗布された前記ストリッパブルペ
イントを予備乾燥する赤外線乾燥炉と、予備乾燥した前
記塗装完成品を本乾燥する本乾燥炉とからなることを特
徴とする。
【0009】記ストリッパブルペイントを塗布した塗
装完成品の乾燥温度は、上述のように60〜90°C
よい。また前記予備乾燥炉は、上述のように赤外線乾燥
炉がよい。
【0010】
【作用】ストリッパブルペイントが塗布ブースで大型塗
装完成品に塗布され、次に大型塗装完成品に塗布された
ストリッパブルペイントが予備乾燥炉で予備乾燥され、
更に本乾燥炉で本乾燥されて、大型塗装完成品の表面に
保護膜が均一に形成される。
【0011】
【実施例】以下に本発明の実施例を添付図面に基づいて
説明する。図1は本発明に係る保護膜形成方法及びその
装置の構成説明図である。
【0012】塗装完成車の塗装表面に保護膜を形成する
保護膜形成方法は、図1に示すように塗装完成車にスト
リッパブルペイントを塗布する塗布工程1と、次に塗装
完成車に塗布したストリッパブルペイントを予備乾燥す
る予備乾燥工程2と、更に予備乾燥した塗装完成車を本
乾燥する本乾燥工程3によって行われる。
【0013】また、保護膜を塗装完成車の塗装表面に形
成する保護膜形成装置は、図1に示すように塗装完成車
にストリッパブルペイントを塗布する塗布ブース4及び
セッティングブース5と、塗装完成車に塗布したストリ
ッパブルペイントを予備乾燥する炉である赤外線乾燥炉
6と、予備乾燥した塗装完成車を本乾燥する炉である熱
風乾燥炉7とから構成される。なお、8は塗装完成車を
塗布ブース4、セッティングブース5、赤外線乾燥炉
6、熱風乾燥炉7の順に搬送するための搬送装置であ
る。
【0014】塗布ブース4の構造は、通常の塗装ブース
と相違ないが、水溶性ストリッパブルペイント(例え
ば、関西ペイント社製ラップガード)を使用する時に
は、ブース温度10〜25℃、ブース湿度50〜80%
が望ましい。この温度及び湿度の範囲外では、水溶性ス
トリッパブルペイントによる保護膜が形成されない虞が
ある。塗布手段には、特に限定は無く、刷毛塗り、ロー
ラ刷毛塗りや噴霧ガン等が用いられる。
【0015】セッティングブース5は、通常雰囲気温度
15〜30℃、湿度50〜80%で使用される。
【0016】予備乾燥炉として赤外線乾燥炉6が用いら
れるのは、保護膜の内部からの乾燥を促進させるためで
ある。特に、水溶性ストリッパブルペイントに対しては
波長2〜4μmの赤外線を30〜60秒当てると良い。
このように保護膜の内部からの乾燥を促進させるのは、
保護膜の表面から乾燥を開始すると、内部から発生して
くる溶剤又は水のため保護膜の表面に穴又は割れが生
じ、保護性能が低下するためである。
【0017】本乾燥炉としては熱風乾燥炉7が用いされ
るのは、被塗装物全体を均一に加熱するためである。
燥工程における乾燥温度は、60〜90°Cがよい。こ
れはストリッパブルペイントの塗布は完成車に対して行
われ、完成車が備える各種電装品等の附属品保護の観点
から、乾燥工程における乾燥温度は60〜90°Cが望
ましい。
【0018】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、液
状ストリッパブルペイントの塗布及び乾燥を適切且つ連
続的に行え、保護膜を均一に形成出来る。また、水溶性
ストリッパブルペイントの乾燥に際し、予備乾燥工程を
成す赤外線乾燥炉から成る予備乾燥炉を設けたので保護
膜を厚く且つ均一に形成出来る。特に、乾燥工程におけ
る乾燥温度を60〜90°Cとしたので、塗装を完了し
た完成車に対して行われるストリッパブルペイントの塗
布、乾燥に対し、完成車が備える各種電装品等の附属品
保護上好まししいストリッパブルペイントの塗布、乾燥
が行える。 更に本発明では、赤外線乾燥炉で完成車に対
して行われるストリッパブルペイントの塗布後の乾燥を
行うので、塗布されたストリッパブルペイントの内部か
らの乾燥を促進することが出来、形成される保護膜の割
れ、穴等を発生を防止し、保護膜の保護性能が高い完成
車の塗装保護膜を得ることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る保護膜形成方法及びその装置の構
成説明図
【符号の説明】
1…塗布工程、2…予備乾燥工程、3…本乾燥工程、4
…塗布ブース、5…セッティングブース、6…赤外線乾
燥炉(予備乾燥炉)、7…熱風乾燥炉(本乾燥炉)、8
…搬送装置。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 自動車ボディ等の大型塗装完成品にスト
    リッパブルペイントを塗布して保護膜を形成する方法で
    あって 記塗装完成品に前記ストリッパブルペイントを塗布す
    る工程と 前記ストリッパブルペイント塗布工程の下流に配置され
    たセッティング工程と、 前記セッティング工程の下流に配置され、前 記塗装完成
    品に塗布された前記ストリッパブルペイントを予備乾燥
    する工程と 予備乾燥工程の下流に配置され、予備乾燥された 前記塗
    装完成品を本乾燥する工程とからなり、 前記ストリッパブルペイントを塗布した前記塗装完成品
    を、乾燥温度60〜90°Cで上記乾燥工程で乾燥させ
    るようにした、 とを特徴とする保護膜形成方法。
  2. 【請求項2】 自動車ボディ等の大型塗装完成品にスト
    リッパブルペイントを塗布して保護膜を形成する装置で
    あって 記塗装完成品に前記ストリッパブルペイントを塗布す
    る塗布ブースと、前記塗布ブースの下流に設けられたセッティングブース
    と、 前記セッティングブースの下流に設けられ、 前記塗装完
    成品に塗布された前記ストリッパブルペイントを予備乾
    燥する赤外線乾燥炉と、 前記赤外線乾燥炉の下流に設けられ、 予備乾燥した前記
    塗装完成品を本乾燥する本乾燥炉とからなる、 とを特徴とする保護膜形成装置。
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