JP2628743B2 - 成形用アルミニウム合金材の製造方法 - Google Patents
成形用アルミニウム合金材の製造方法Info
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Description
法に関するものであり、さらに詳しくは、表面品質およ
び成形性に優れたアルミニウム合金材の製造方法を提供
するものである。
用アルミニウム合金材として3004系合金がよく用いられ
ており、その製造方法として、一般的には鋳造、均質化
処理、熱間圧延、焼鈍及び冷間圧延の工程が行われてい
る。このような方法の各種条件を設定することで耳率の
低減、強度の向上、成形性の向上をはかる方法が数多く
提案されている。
焼鈍を連続焼鈍ライン(以下、CALという)を用いて実
施する方法である。
たる目的としており、耳率の低減をはかるために最終冷
間圧延の圧延率を少なくするが、それによって生じる強
度の低下をCALを用いて補う方法である。すなわち、合
金中のSi、Mg、Cuを高温加熱により固溶させ、ベーキン
グ等による加熱で析出硬化させることで圧延率低減によ
り生じた強度不足を補っている。
問題はほぼ解決されたが、しごき加工を行った場合につ
いての成形性はまだ満足のいくものではなく、成形時に
黒い筋が発生したり、板材全体が薄黒く変色する等の表
面品質の低下の問題が未解決であった。
び成形加工性のさらに優れたアルミニウム合金板の製造
方法を提供する目的でなされたものである。
%,Cu 0.05〜0.4wt%、Mn 0.8〜1.5wt%及びMg 0.8〜1.
5wt%を含有し、残部Alを有するアルミニウム合金鋳塊
を均質化処理、熱間圧延したのち,昇温速度200℃/分
以上、保持温度460〜630℃、保持時間0.2〜300秒でかつ
水蒸気の露点が40℃以下である雰囲気中で焼鈍を行い、
さらに最終冷間圧延率が30%以上の範囲で冷間圧延を行
うことを特徴とする成形用アルミニウム合金材の製造方
法を提供するものである。
分の限定理由及び作用を説明する。
g、Cuとともに固溶し、後に析出硬化することで強度を
向上させる。さらに均質化処理時に生じる微細な析出物
をα−Al(Fe、Mn)Si相とし、鋳造時に生じた晶出物を
均質化処理時にα−Al(Fe、Mn)Si相に相変態させる。
これらα−Al(Fe、Mn)Si相、しごき加工時に成形性を
向上させる効果がある。Siが0.1wt%未満では上記効果
が不十分であり、0.5wt%を越えると逆に成形性が低下
する。
Fe−Mn系、Al−Fe系、Al−Fe−Mn−Si系等の晶出物を生
じさせる働きをする。これら晶出物は焼鈍時に再結晶核
発生サイトとなり、再結晶粒を微細にし成形性を向上さ
せる効果がある。Feの含有量が0.2wt%未満の場合上記
効果が不十分であり、0.6wt%を越えると粗大な晶出物
が数多く生じ、成形加工時に割れを生じるようになり加
工性が低下する。
ために添加する。含有量が0.05wt%未満ではその効果が
不十分であり、0.4wt%を越えると板が加工硬化し易く
なり成形性が低下する。
にα−Al(Fe、Si)Mn相等の析出相を微細に生じ、成形
時の潤滑性を向上させるとともに、強度を若干向上させ
る。Mn添加量が0.8wt%未満ではその効果が不十分であ
り、1.5wt%を越えると、析出相の量が増大しすぎ逆に
成形性が低下する。
って合金の強度を向上させるとともに、Mg2Siをベーキ
ング時等に生じ、時効硬化によって強度を向上させる。
Mg含有量は0.8wt%未満ではその効果が十分でなく、1.5
wt%を越えると表面品質が低下する。
う。均質化処理条件は、温度560〜620℃、保持時間1〜
20時間、500℃から560℃までの昇温速度500℃/時間以
下が好ましい。これは、上記条件で行った場合、500℃
までの昇温中に生じている0.03μm以下の析出物を再固
溶させ、析出物の平均粒径を0.1μm程度(0.07μm以
上)とするためである。このように析出物を適度に粗大
化させることにより、しごき加工での潤滑性を向上させ
る。
を行ってもかまわないが、上記均質化処理を行った後、
鋳塊を面削し、550℃以下の温度で加熱し、熱間圧延を
行った場合、さらに表面品質が向上する。
延終了時の板が部分再結晶組織であると耳率がさらに良
好となる。これは、部分再結晶の板を後述の焼鈍条件で
焼鈍を行うと、立方体方位の粒が優先的に成長するため
である。
う。焼鈍条件は、昇温速度200℃/分以上の速度で、保
持温度460〜630℃、保持時間を0.2〜300秒とする。まず
昇温速度を200℃/分以上と定めたのは、熱間圧延板の
組織が上記組織または部分再結晶組織のときに保持温度
まで急速に加熱を行うことで、昇温途中の比較的低い温
度で再結晶が進行することを防止するためである。すな
わち、昇温途中の低い温度域で再結晶が進行する場合、
再結晶の核発生サイトが晶出物周囲の高ひずみ領域等に
限られるため結晶粒が粗大化し、成形加工時に肌荒れ等
が生じ好ましくない。200℃/分以上の昇温速度の場
合、そのような再結晶が生じることがなく、高温で再結
晶が生じるため微細な組織となり成形性が向上する。昇
温速度は上記のように200℃/分以上であれば十分であ
るが、2000℃/分以上がさらに望ましい。これは2000℃
/分以上の昇温速度の場合、再結晶の進行すべてが所定
の保持温度で生じるため均一な組織が得られることによ
るものである。
溶体化が十分になされないため十分な強度が得られな
い。さらに再結晶粒が粗大化し成形上も好ましくない。
保持温度が630℃を越えると、板が溶融する危険性があ
り、また成形加工時に潤滑性作用を有するMn系析出相が
再固溶をはじめ、しごき加工性が低下する。以上の理由
により保持温度は460〜630℃と定めるが、均質化処理を
前記条件で行った場合に保持温度を500℃以上とすると
さらに成形性は向上する。これは500℃以上の保持温度
とした場合、熱間圧延中に生じた微細な析出物を再固溶
させることができ、それによって均質化処理時に目標と
した適度に粗大化した析出物の分布を得ることができる
ためである。
2秒未満では、前記溶体化処理が十分でなく、さらに完
全に再結晶が完了しない場合があり、300秒を越えると
2次再結晶により逆に再結晶粒が粗大化するためであ
る。ここで、保持時間とは460℃以上の温度になってか
ら460℃未満に冷却されるまでの時間のことである。
定しているが、焼鈍時における雰囲気中の水蒸気の露点
を40℃以下とする。
量が多いため、本発明の合金のようにMgを0.8%以上添
加している場合や焼鈍温度を450℃以上で行った場合、
板材表面の酸化皮膜が水蒸気と反応し酸化膜が厚くな
り、さらにその特性が変化し、その結果としてしごき加
工時に黒い筋が生じたり、加工後に全体的に薄黒くなる
等、表面品質上の問題が生じる。
られている連続焼鈍装置では達成容易ではない。これは
通常の連続焼鈍装置では、燃焼ガス雰囲気中で加熱を行
っており、水蒸気の露点が50〜100℃程度であるためで
ある。したがって、本発明は、雰囲気を間接的に加熱す
る連続焼鈍装置や電磁誘導加熱によって加熱を行うタイ
プの連続焼鈍装置等を用いる必要がある。その場合の雰
囲気はN2ガスやArガスもしくは還元性ガスが望ましい
が、大気中で行うこともできる。ただし、大気中で行う
場合、装置を設置してある付近の湿度が90%以下でなけ
ればならない。これは湿度が90%を越えた場合、板材表
面に結露を生じる場合があり、その状態で加熱を行うと
結露の生じた部分で前記と同様な酸化皮膜の反応が生じ
ること、及び連続焼鈍ラインを通板している途中徐々に
雰囲気の水蒸気量が増し、本発明の水蒸気量を上まわる
ことがあるが、90%以下であれば問題ない。
30%以上とするが、上限は90%以下が好ましい。これ
は、冷間圧延率が30%未満では強度が不十分であり、90
%を越えると耳率が高くなることがある。なお熱間圧延
板に焼鈍を行った後、最終板厚まで途中に中間焼鈍を施
すことなく冷間圧延を行うことが経済的に好ましいが、
上記最終冷間圧延率を満たせば途中に中間焼鈍を行って
もよい。この場合の中間焼鈍は本発明の熱間圧延後に行
う焼鈍条件の範囲内でなければならない。
して用いてもよいし、200℃付近の温度に加熱する安定
化焼鈍を行ってもよい。
程で面削、均質化処理、熱間圧延を行い、同表に示す板
厚の熱間圧延板を得た。得られた熱間圧延板から供試材
を作製し、それぞれにつき第3表の条件で焼鈍、冷間圧
延を行った。
ベーキング処理に対応させ200℃×10分の加熱を行った
後、その耐力、耳率(45°耳)、変色度合及び黒筋度合
について検査を行った。その結果を第4表に示す。
て評価を行ったものである。
たものは、良好な特性を示している。
優れたアルミニウム合金材が得られるとともに、その工
程も簡単であり製造コストの低減にもなる。本発明によ
るアルミニウム合金材は缶材等に特に好適である。
Claims (1)
- 【請求項1】Si 0.1〜0.5wt%、Fe 0.2〜0.6wt%,Cu 0.
05〜0.4wt%、Mn 0.8〜1.5wt%及びMg 0.8〜1.5wt%を
含有し、残部Alを有するアルミニウム合金鋳塊を均質化
処理、熱間圧延したのち昇温速度200℃/分以上、保持
温度460〜630℃、保持時間0.2〜300秒でかつ水蒸気の露
点が40℃以下である雰囲気中で焼鈍を行い、さらに最終
冷間圧延率が30%以上の範囲で冷間圧延を行うことを特
徴とする成形用アルミニウム合金材の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1065997A JP2628743B2 (ja) | 1989-03-20 | 1989-03-20 | 成形用アルミニウム合金材の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1065997A JP2628743B2 (ja) | 1989-03-20 | 1989-03-20 | 成形用アルミニウム合金材の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH02247364A JPH02247364A (ja) | 1990-10-03 |
JP2628743B2 true JP2628743B2 (ja) | 1997-07-09 |
Family
ID=13303158
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1065997A Expired - Lifetime JP2628743B2 (ja) | 1989-03-20 | 1989-03-20 | 成形用アルミニウム合金材の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2628743B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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CN109055788A (zh) * | 2018-09-18 | 2018-12-21 | 天津忠旺铝业有限公司 | 一种消除5系铝合金板材表面横纹的制备工艺 |
Family Cites Families (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS59182957A (ja) * | 1983-04-01 | 1984-10-17 | Sukai Alum Kk | 陽極酸化処理用アルミニウム合金材の製造方法 |
JPS61110744A (ja) * | 1984-11-02 | 1986-05-29 | Kobe Steel Ltd | 包装用a1合金板及びその製造方法 |
JPS62188760A (ja) * | 1986-02-14 | 1987-08-18 | Furukawa Alum Co Ltd | アルミニウム合金板の製造方法 |
JPS63125646A (ja) * | 1986-11-14 | 1988-05-28 | Kobe Steel Ltd | 開缶性に優れたアルミニウム合金板の製造法 |
-
1989
- 1989-03-20 JP JP1065997A patent/JP2628743B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH02247364A (ja) | 1990-10-03 |
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