JP2628702B2 - オーステンパー用球状黒鉛鋳鉄 - Google Patents
オーステンパー用球状黒鉛鋳鉄Info
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- JP2628702B2 JP2628702B2 JP18893588A JP18893588A JP2628702B2 JP 2628702 B2 JP2628702 B2 JP 2628702B2 JP 18893588 A JP18893588 A JP 18893588A JP 18893588 A JP18893588 A JP 18893588A JP 2628702 B2 JP2628702 B2 JP 2628702B2
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- Japan
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- cast iron
- spheroidal graphite
- graphite cast
- austempering
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- Refinement Of Pig-Iron, Manufacture Of Cast Iron, And Steel Manufacture Other Than In Revolving Furnaces (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、オーステンパー処理により、優れた強靭性
を発揮するところの、安価なオーステンパー用球状黒鉛
鋳鉄に関する。
を発揮するところの、安価なオーステンパー用球状黒鉛
鋳鉄に関する。
(従来の技術及びその問題点) 球状黒鉛鋳鉄製のクランク軸、歯車等強靭性を必要と
する部材においては、その強靭性向上のためにオーステ
ンパー処理される場合がある。
する部材においては、その強靭性向上のためにオーステ
ンパー処理される場合がある。
周知のようにオーステンパー処理は組織をベイナイト
組織として優れた強靭性を付与する熱処理であるが、被
処理材質の焼入性によって製品の質量に制約がある。つ
まり焼入性が大きくなければ製品質量も大きくできない
のである。
組織として優れた強靭性を付与する熱処理であるが、被
処理材質の焼入性によって製品の質量に制約がある。つ
まり焼入性が大きくなければ製品質量も大きくできない
のである。
ところで球状黒鉛鋳鉄の通常成分のうち焼入性に大き
く関与する成分はMnであり、Mn量の増加で焼入性の増す
ことはよく知られており、一方0.3%以上の含有で伸び
率の低下を招くこともまた公知である。
く関与する成分はMnであり、Mn量の増加で焼入性の増す
ことはよく知られており、一方0.3%以上の含有で伸び
率の低下を招くこともまた公知である。
従って従来のオーステンパー処理対象の球状黒鉛鋳鉄
としてはMn量を低くし、そのため低下する焼入性の向上
を図ってNi−Mo、あるいはNi−Cu等の合金を添加したも
のが費用されてきた。しかしこれらNi、Mo等の添加成分
は高価であり、経済性の面で問題であった。
としてはMn量を低くし、そのため低下する焼入性の向上
を図ってNi−Mo、あるいはNi−Cu等の合金を添加したも
のが費用されてきた。しかしこれらNi、Mo等の添加成分
は高価であり、経済性の面で問題であった。
本発明は以上の実情から、上記の高価成分の添加によ
らず、安価で焼入性がよく、オーステンパー処理により
優れた強度及び伸び、すなわち強靭性を発揮する球状黒
鉛鋳鉄の提供を目的としてなされたものである。
らず、安価で焼入性がよく、オーステンパー処理により
優れた強度及び伸び、すなわち強靭性を発揮する球状黒
鉛鋳鉄の提供を目的としてなされたものである。
(問題点を解決するための手段) すなわち上記目的達成のために、本発明で採用した特
徴的手段は、 化学成分が重量百分率で、 C:3.0〜4.0%、Si:2.0〜3.0% Mn:0.4〜0.6%、S:0.02%以下 P:0.06%以下、Cu:0.4〜0.8% Sb:0.01〜0.03%、Mg:0.03〜0.06% 残部Feおよび不可避的不純物から成るとした点にある。
徴的手段は、 化学成分が重量百分率で、 C:3.0〜4.0%、Si:2.0〜3.0% Mn:0.4〜0.6%、S:0.02%以下 P:0.06%以下、Cu:0.4〜0.8% Sb:0.01〜0.03%、Mg:0.03〜0.06% 残部Feおよび不可避的不純物から成るとした点にある。
(実施例) 以下に本発明を詳述する。
先ず本発明における成分の限定理由を述べる。
C:3.0〜4.0% Si:2.0〜3.0% 球状黒鉛鋳鉄を得るために通常配合される範囲であ
る。
る。
Mn:0.4〜0.6% 0.4%未満では焼入性が悪く、0.6%越えた場合、硬度
が高くなり過ぎて加工性を悪くしたり、また伸びの低下
をきたす。
が高くなり過ぎて加工性を悪くしたり、また伸びの低下
をきたす。
S:0.02%以下 球状黒鉛鋳鉄を得る為に通常用いられている範囲であ
る。
る。
P:0.06%以下 伸びを粗害する元素として従来より知られているもの
で、通常の範囲である。
で、通常の範囲である。
Cu:0.4〜0.8% 0.4%未満では焼入性が不充分となり、0.8%を越えた
場合、硬度が高くなり過ぎ加工性困難となり、又経済的
にも不利である。
場合、硬度が高くなり過ぎ加工性困難となり、又経済的
にも不利である。
Sb:0.01〜0.03% 0.01%未満では効果が見られず、0.03%を越えた場
合、伸びに関して効果が逆にマイナスとなる。
合、伸びに関して効果が逆にマイナスとなる。
Mg:0.03〜0.06% 球状黒鉛鋳鉄を得る為に通常添加される範囲である。
なお残部はFeおよび不可避的に混入する不純物であ
る。
る。
以上のような成分組成を有する球状黒鉛鋳鉄鋳構造品
のオーステンパー処理は、オーステナイト組織状態に加
熱して後、250〜400℃の熱浴(塩浴やPb浴等)に浸漬し
て恒温変態を行わせるが通例である。
のオーステンパー処理は、オーステナイト組織状態に加
熱して後、250〜400℃の熱浴(塩浴やPb浴等)に浸漬し
て恒温変態を行わせるが通例である。
次に本発明実施例を、比較材、従来材等と比較して第
1表および第2表に示す。
1表および第2表に示す。
すなわち第1表は、上記各材質の成分組成を、第2表
には、上記材質の鋳造品(球状黒鉛鋳鉄鋳造品・30φ
棒)を、900℃に加熱し同温度で1時間保持して後、350
℃の塩浴中で2時間浸漬するオーステンパー処理を行
い、基地組織をベイナイト組織とした処理材から採取し
た試験片(JIS4号試験片)について、引張試験を行った
結果である。
には、上記材質の鋳造品(球状黒鉛鋳鉄鋳造品・30φ
棒)を、900℃に加熱し同温度で1時間保持して後、350
℃の塩浴中で2時間浸漬するオーステンパー処理を行
い、基地組織をベイナイト組織とした処理材から採取し
た試験片(JIS4号試験片)について、引張試験を行った
結果である。
上表の、比較材1はSbを含まない他は実施例と同様の
限定範囲に入るMn,Cuを含むもの、比較材2はSbが限定
範囲を越え、他の成分は限定範囲内のものであり、従来
材はMnが少なく、Ni,Moを含むものである。
限定範囲に入るMn,Cuを含むもの、比較材2はSbが限定
範囲を越え、他の成分は限定範囲内のものであり、従来
材はMnが少なく、Ni,Moを含むものである。
上表から明らかなように、本発明の実施例は優れた強
さおよび伸びを有し、Ni,Moを含む従来材に匹敵する強
靭材であることが知られる。
さおよび伸びを有し、Ni,Moを含む従来材に匹敵する強
靭材であることが知られる。
これに対し、Sbを含まない比較材1およびSbを限定範
囲以上に含む比較材2は、強さ、伸び共に実施例より劣
っている。
囲以上に含む比較材2は、強さ、伸び共に実施例より劣
っている。
(発明の効果) 本発明は以上のとおりであり、実質的に通常の球状黒
鉛鋳鉄の成分組成に、0.01〜0.03%という微量のSbと0.
4〜0.8%のCuを添加した成分組成としたことによって、
Mn量を特に減ずることなく、その焼入性向上効果を生か
して、オーステンパー処理により優れた強さ、伸びを兼
備した強靭材とすることができた。つまり、本発明によ
って従来のようにNi,Mo等の高価成分を添加することな
く、安価で強靭性の優れた球状黒鉛鋳鉄の提供を可能と
したのであり、本発明の工業的価値は著大である。
鉛鋳鉄の成分組成に、0.01〜0.03%という微量のSbと0.
4〜0.8%のCuを添加した成分組成としたことによって、
Mn量を特に減ずることなく、その焼入性向上効果を生か
して、オーステンパー処理により優れた強さ、伸びを兼
備した強靭材とすることができた。つまり、本発明によ
って従来のようにNi,Mo等の高価成分を添加することな
く、安価で強靭性の優れた球状黒鉛鋳鉄の提供を可能と
したのであり、本発明の工業的価値は著大である。
Claims (1)
- 【請求項1】化学成分が重量百分率で、 C:3.0〜4.0%、Si:2.0〜3.0% Mn:0.4〜0.6%、S:0.02%以下 P:0.06%以下、Cu:0.4〜0.8% Sb:0.01〜0.03%、Mg:0.03〜0.06% 残部Feおよび不可避的不純物から成ることを特徴とする
オーステンパー用球状黒鉛鋳鉄。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18893588A JP2628702B2 (ja) | 1988-07-27 | 1988-07-27 | オーステンパー用球状黒鉛鋳鉄 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18893588A JP2628702B2 (ja) | 1988-07-27 | 1988-07-27 | オーステンパー用球状黒鉛鋳鉄 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0238542A JPH0238542A (ja) | 1990-02-07 |
JP2628702B2 true JP2628702B2 (ja) | 1997-07-09 |
Family
ID=16232474
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP18893588A Expired - Fee Related JP2628702B2 (ja) | 1988-07-27 | 1988-07-27 | オーステンパー用球状黒鉛鋳鉄 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2628702B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN101914721B (zh) * | 2010-08-09 | 2012-04-25 | 江苏吉鑫风能科技股份有限公司 | 兆瓦级风电高强高韧低温球铁件制备方法 |
CN102330011A (zh) * | 2011-09-30 | 2012-01-25 | 刘成文 | 不加铁合金、不等温淬火生产高强度、高韧性球铁曲轴方法 |
-
1988
- 1988-07-27 JP JP18893588A patent/JP2628702B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0238542A (ja) | 1990-02-07 |
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