JP2628385B2 - 横葺き屋根構造 - Google Patents

横葺き屋根構造

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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、建築物における横葺き屋根構造に関す
る。さらに詳しくは、特に、横葺き屋根板部材の相互を
係合させると共に、係合部を垂木部材上に試着させて、
棟側から軒側へ順次に葺き上げる横葺き屋根において、
上段棟側に位置する横葺き屋根板部材と下段軒側に位置
する横葺き屋根板部材との係合,止着構成部の高さを可
及的に小さく纏め上げるようにし、併せて、葺き上げ施
工の容易さを意図した横葺き屋根構造の改良に係るもの
である。
〔従来の技術〕
建築物の横葺き屋根構造において、横葺き屋根板部材
の相互を棟側から軒側、つまり、上方から下方へ順次に
係合して葺き上げ施工し得るようにした工法としては、
例えば、先の本発明者によって提唱された、いわゆる
“バッキング工法”と呼ばれる手段があり、葺き上げ施
工時、ならびに施工後にあって種々の利点を有すること
から、既に数多くの提案がなされている。
ここで、この種のバッキング工法による横葺き屋根構
造の一般的な形式としては、よく知られているように、
長尺金属薄鋼板の長手方向に沿う中央部に面板部を残し
て、一側部に棟側成形部,他側部に軒側成形部をそれぞ
れに形成した所要数の横葺き屋根板部材と、これに見合
った吊子部材とを用いる。
まず、上段棟側に配置される横葺き屋根板部材(以
下、単に上段側横葺き屋根板部材と呼ぶ)と屋根下地と
の間に、木毛セメント板などのバックアップ材を介在さ
せると共に、上記側横葺き屋根板部材での軒側成形部の
該当部分をバックアップ材の端部と共々に吊子部材によ
って仮に係止保持させた状態としておく。
ついで、この上段側横葺き屋根板部材の軒側成形部に
対して、下段軒側に配置される横葺き屋根板部材(以
下、単に下段側横葺き屋根板部材と呼ぶ)の棟側成形部
を内側下方から係合させた上で、吊子部材を屋根下地側
の垂木部材などに止着させる。
その後、この下段側横葺き屋根板部材の屋根下地との
間にもバックアップ材を挿入して介在させ、以上の操作
を順次に繰り返すことにより、所期通りに各横葺き屋根
板部材を棟側から軒側へかけて葺き上げるのである。
また、別の同種形式としては、上段側横葺き屋根板部
材の軒側成形部に、下段側横葺き屋根板部材の棟側成形
部を内側から係合させると共に、予め屋根下地側の垂木
部材などに止着させた吊子部材に対して、この下段側横
葺き屋根板部材の棟側成形部を、上方から押圧して弾性
嵌合させるようにし、前例と同様に、これらの各横葺き
屋根板部材を棟側から軒側へかけて葺き上げる手段も提
案されている。
〔発明が解決しようとする課題〕
従来の横葺き屋根板部材を棟側から軒側へかけて葺き
上げ横葺き屋根構造は、以上のように構成されており、
前者形式のバッキング工法を適用する場合の主要点は、
結局のところ、金属薄鋼板による横葺き屋根板部材の面
板部を裏面側から支持するバックアップ材の構成空間を
して、上段側横葺き屋根板部材の軒側成形部に係止させ
る吊子部材、ならびに下段側横葺き屋根板部材の棟側成
形部の係合のための操作空間として利用することで、所
期通りに通側から軒側へかけて葺き上げ得るようにする
ものである。
この横葺き屋根構造においては、一方で極めて優れた
種々の性能を有する反面、葺き上げ後における上段側お
よび下段側の各横葺き屋根板部材での係合構成、ならび
に止着構成部の仕上がり高さが必然的に大きくなって嵩
高にならざるを得ず、かつまた、係合部を垂木部材側に
止着させるために、一々、別の吊子部材を必要としてい
て、葺き上げ施工作業自体が極めて煩雑になるものであ
り、しかも、全体的に比較的複雑な構成であることか
ら、コスト高になるという不利を有している。
また、後者形式の場合にあっては、上段側横葺き屋根
板部材の軒側成形部に下段側横葺き屋根板部材の棟側成
形部を内側から係合させた状態で、この係合部を上方か
ら押圧することによって、下段側横葺き屋根板部材の棟
側成形部を吊子部材に弾性嵌合させるものであるため
に、この弾性嵌合に必要な上下方向の嵌合ストローク分
相当の高さ寸法が不可欠であって、ここでも同様に、葺
き上げ後における係合,止着構成部の仕上がり高さが大
きくなっていた。
かつここでも、別に吊子部材を必要とするほか、係合
部の止着に薄鋼板自体のもつスプリングバックによる弾
性嵌合を利用しているので、この薄鋼板素材の剛性が高
かったりすると、嵌合止着が困難になって作業性が悪
く、施工性が著しく低下するなどの好ましくない種々の
問題点があった。
この発明は、従来のこのような問題点を改善しようと
するものであって、その目的とするところは、葺き上げ
後における係合,止着構成部の仕上がり高さを可及的に
小さくして仕上り後の嵩高性を避け、併せて、構成自体
の簡略化により全体コストの低減を図ると共に、容易か
つ簡単に作業性よく施工し得るようにした、この種横葺
き屋根構造、ここでは、棟側から軒側へ順次に係合止着
して葺き上げ得る横葺き屋根構造を提供することであ
る。
〔課題を解決するための手段〕
請求項1に記載の発明は、長尺金属板素材の長手方向
に沿う中央部に面板部を残して、一側部側に棟側成形
部,他側部側に軒側成形部を有し、前記棟側成形部に
は、少なくとも面板部の表面側に開口される係合溝,お
よび面板部の裏面側に向けて折曲させた止着突片部を一
連に形成するとともに、係合溝、止着突片部間に棟軒方
向の所定間隔を与え、前記軒側成形部には、少なくとも
面板部の裏面側に向けて折曲されて、前記係合溝に対応
される係合突片部を一連に形成してなる横葺き屋根板部
材と、少なくとも屋根下地側に取付けられる取付け片
部,および前記止着突片部に対応される止着溝を裏面側
に形成した押え部からなり、かつ、押え部の長さを前記
係合溝と前記止着突片部間の間隔よりも短くした吊子部
材とを用い、屋根下地側の所定位置に、押え部が棟側を
向くようにして吊子部材を取付けると共に、この吊子部
材の押え部の止着溝に対して、下段軒側横葺き屋根板部
材の棟側成形部に形成された止着突片部を挿入止着さ
せ、かつその係合溝に対して、上段棟側横葺き屋根板部
材の軒側成形部に形成された係合突片部を挿入係合させ
たことを特徴とするものである。
この場合、請求項2の発明のごとく、横葺き屋根板部
材の棟側成形部に形成される係合溝と止着突片部との間
に、上方に膨出する頭頂部を設けるようにしてもよい。
また、請求項3に記載の発明は、長尺金属板素材の長
手方向に沿う中央部に面板部を残して、一側部側に棟側
成形部,他側部側に軒側成形部を有し、前記棟側成形部
には、少なくとも面板部の表面側に開口される係合溝,
および面板部の裏面側に向けて折曲させた止着突片部を
一連に形成するとともに、前記係合溝と前記止着突片部
とを、少なくとも一部が上下位置で重なり合うように
し、前記軒側成形部には、少なくとも面板部の裏面側に
向け折曲されて、前記係合溝に対応される係合突片部を
一連に形成してなる横葺き屋根板部材と、少なくとも屋
根下地側に取付けられる取付け片部,および前記止着突
片部に対応される止着溝を裏面側に形成した押え部から
なる吊子部材とを用い、屋根下地側の所定位置に、押え
部が棟側を向くようにして吊子部材を取付けると共に、
この吊子部材の押え部の止着溝に対して、下段軒側横葺
き屋根板部材の棟側成形部に形成された止着突片部を挿
入止着させ、かつその係合溝に対して、上段棟側横葺き
屋根板部材の軒側成形部に形成された係合突片部を挿入
係合させたことを特徴とするものである。
この場合、請求項4の発明のごとく、横葺き屋根板部
材の棟側成形部に形成される係合溝と止着突片部との間
に、上方に膨出する頭頂部を設けるようにしてもよい。
〔作用〕
請求項1に係る発明では、屋根下地側の所定位置、押
え部が棟側を向くようにして吊子部材を取付けると共
に、棟軒方向に所定間隔を与えられた下段軒側横葺き屋
根板部材の係合溝と止着突片部の間隙を介して、その間
隔よりも短くされた吊子部材の押え部が受け入れられ
て、その押え部の止着溝に対し下段軒側横葺き屋根板部
材の止着突片部を挿入止着させる。
また、前記係合溝に対して、上段棟側横葺き屋根板部
材の軒側成形部に形成された係合突片部を挿入係合させ
る。
従って、所期通りに各横葺き屋根板部材の棟側から軒
側への葺き上げが可能になり、また、上下段各横葺き屋
根板部材の相互係合と吊子部材に対する横葺き屋根板部
材の止着との各操作が、葺き上げ方向に平行してなさ
れ、前記係合溝と前記止着突片部とを棟軒方向に所定間
隔だけ離して位置させた構造と相俟って、それらの所要
高さを極めて低くすることができる。
さらに、葺上げ作業も、単なる下段軒側横葺き屋根板
部材の軒側への牽引操作によるのみで、極めて簡単かつ
容易に行うことができる。
一方、請求項3に係る発明では、請求項1に係る発明
と同様に、所期通りに各横葺き屋根板部材を棟側から軒
側へ葺上げることができると共に、係合溝と止着突片部
とを少なくも一部が上下位置で重なり合うようにしたの
で、各横葺き屋根板部材の相互係合構成部と吊子部材に
対する横葺き屋根板部材の止着構成部とを重ねて配置す
ることができ、これらの係合ならびに止着構成部を高剛
性化,コンパクト化することができる。
また、請求項2又は請求項4に係る発明の、係合溝と
止着突片部との間に上方に膨出する頭頂部を設けた構造
では、これらの係合ならびに止着構成部の剛性確保に合
わせて、内部屋根下地側への浸水を防止できる。
〔実 施 例〕
以下、この発明に係る建築物の横葺き屋根構造の各別
の実施例につき、第1図なしい第7図を参照して詳細に
説明する。
第1図(a),(b)はこの発明の第1実施例に係る
横葺き屋根板部材と吊子部材の概要構成を示すそれぞれ
に斜視図、第2図は同上各部材を用いて葺き上げた横葺
き屋根構造の係合構成を拡大して示す断面図、第3図
(a)ないし(d)は同上葺き上げ施工工程を順次に示
す説明図である。
また、第4図および第5図は第2実施例に係る横葺き
屋根板部材の概要構成を示す斜視図および同横葺き屋根
板部材と吊子部材を用いて葺き上げた横葺き屋根構造の
係合構成を拡大して示す断面図である。
また、第6図および第7図は第3実施例に係る横葺き
屋根板部材の概要構成を示す斜視図および同横葺き屋根
板部材と吊子部材を用いて葺き上げた横葺き屋根構造の
係合構成を拡大して示す断面図である。
まず、最初に、第1実施例による横葺き屋根構造につ
いて述べる。
この第1実施例構造の横葺き屋根板部材(1)につい
ては、第1図(a)に示されているように、長尺金属薄
鋼板を用い、その長手方向に沿う中央部に面板部(2)
を残して、一側部側に棟側成形部(3),他側部側に軒
側成形部(4)をそれぞれに成形させてある。
一方の棟側成形部(3)には、前記面板部(2)の一
側端部(2a)を上方内側に折返して、この面板部(2)
の表面部側相当の内側に開口される所定の係合長さ
(W1)をもつ係合溝(6)を形成した係合折返し部
(5)と、この係合折返し部(5)を所定の長さ(W3,
(W1+W2<W3),但し(W2)については後述する)相当
寸法分だけ上方外側に折返して、上部側に膨出するよう
に形成した頭頂部(7)と、この頭頂部(7)の外端部
を下方に折曲して形成した棟側垂下部(8)と、この棟
側垂下部(8)の下端部を所定の長さ(W2,(W1>W2/W1
=W2))相当寸法分だけ下方内側、つまり、面板部
(2)の裏面側相当の下方内側に折曲して形成した止着
突片部(9)と、この止着突片部(9)の端部を下方外
側に折返し延長して形成した当接部(10)とをそれぞれ
一連に設ける。
この第1実施例構成の場合には、前記係合溝(6)で
の内側該当の再奥部と、前記止着突片部(9)での外側
該当の始端部との間の間隔(W4)を、少なくとも(W4
W6,但し(W6)については後述する)の関係になってい
る。
他方の軒側成形部には、前記面板部(2)の他側端部
(2b)を下方に折曲して形成した軒側垂下部(11)と、
この軒側垂下部(11)の下端部を所定の長さ(W5,(W1
<W5))相当寸法分だけ下方内側に折曲して形成した係
合突片部(12)とをそれぞれ一連に設けてある。
また、前記横葺き屋根板部材(1)に組合せて適用さ
れる吊子部材(21)については、第1図(b)に示され
ているように、取付け片部(22)の一側端部に、段部
(23)を介して延長され、裏面側に所定の長さ(W6,(W
2<W6))寸法の止着溝(25)を形成する押え部(24)
を設けたものである。なお、この第1図(b)において
は、吊子部材(21)を長さの短い単一片状のものとして
表わしているが、横葺き屋根板部材(1)と同様に長尺
状のものにしてもよいことは勿論である。
しかして、前記のように形成されるそれぞれの横葺き
屋根板部材(1)と吊子部材(21)とは、第2図に示さ
れているように、例えば、屋根組み構造体に所定の屋根
勾配で並列して設置される複数本の各垂木部材(A)上
にあって、それぞれの各吊子部材(21)の取付け片部
(22)を、その押え部(24)が棟側,つまり、上方側を
向くようにして所定の間隔毎に取り付けておき、これら
の各吊子部材(21)の押え部(24)の裏面側に形成され
ている長さ寸法(W6)の止着溝(25)に対して、下段軒
側の横葺き屋根板部材(1)の棟側成形部(3)での長
さ寸法(W2)の止着突片部(9)を、間隔(W4)対応の
ストロークで挿入止着させると共に、同時に併せて、こ
の下段軒側の棟側成形部(3)での長さ寸法(W1)の係
合溝(6)に対して、上段棟側の横葺き屋根板部材
(1)の軒側成形部(4)での長さ寸法(W5)の係合突
片部(12)を、同様に、間隔(W4)対応のストロークで
挿入係合させて葺き上げるのである。
すなわち、このように構成される第1実施例の横葺き
屋根構造の場合には、止着溝(25)に対する止着突片部
(9)の挿入止着と、係合溝(6)に対する係合突片部
(12)の挿入係合とが、それぞれに素材薄鋼板の板厚対
応の可及的に薄く限定された範囲内において、棟軒方向
になされるために、これらの係合,止着構成部の仕上が
り高さを限界点まで低く設定し得ることになる。
ここで、前記垂木部材(A)上における横葺き屋根板
部材(1)と吊子部材(21)との葺き上げ手順を第3図
について述べる。
前記したように、屋根下地側としての各垂木部材
(A)上にあって、各吊子部材(21)の取付け片部(2
2)を、押え部(24)が棟側になるようにして予め取り
付けておく。
即ち、このように各吊子部材(21)をそれぞれに配置
させた状態では、これらの各吊子部材(21)が相互に並
列される各垂木部材(A)上において、横方向,換言す
ると、横方向に平行される横葺き屋根板部材(1)の各
列にそれぞれ対応して位置決め配置されることになる。
なお、この場合にあって、それぞれの各吊子部材(21)
については、必ずしも全ての垂木部材(A)上に取付け
ずに、適当する間隔毎に配置させてもよく、また、同様
に、全ての各吊子部材(21)を予め取付けずに、後述す
る棟側からの各横葺き屋根板部材(1)の葺き上げ毎に
取り付けてゆくようにしてもよい。
ここで、前記各吊子部材(21)の取付け配置後、ま
ず、上段棟側の横葺き屋根板部材(1)の棟側成形部
(3)を適宜に止着させるが、この状態では、止着され
た上段棟側の横葺き屋根板部材(1)の軒側成形部
(4)が、対応する吊子部材(21)の上部に差し掛けら
れるようにオーバーラップして位置され、その軒側成形
部(4)での係合突片部(12)の先端面と、吊子部材
(21)での押え部(24)の先端面との間の間隔(W7
が、(W7=W3−W1,またはW7>W3−W1)の関係にあるよ
うにされる(第3図(a))。
ついで、前記第3図(a)の状態において、前記上段
棟側の横葺き屋根板部材(1)の軒側成形部(4)を矢
印(31)に示すように上方へやや持上げ気味にして、前
記吊支部材(21)に上部側に下段軒側の横葺き屋根板部
材(1)の棟側成形部(3)を矢印(32)に示すように
挿入させるが、この状態では、前記各寸法を適切に選択
することで、この下段軒側の横葺き屋根板部材(1)で
の係合折返し部(5)と止着突片部(9)との間に、吊
子部材(21)の押え部(24)を受入れると共に、止着突
片部(9)の始端部に対して押え部(24)の裏面側の止
着溝(25)の開口端部を対向させ得るのである(第3図
(b))。
またその後、前記第3図(b)の状態において、前記
上方に持上げていた上段棟側の横葺き屋根板部材(1)
の軒側成形部(4)を一旦、降ろした上で、これを矢印
(33)に示すように下方へ押付け気味にすることによ
り、同状態に加えて、この上段棟側の横葺き屋根板部材
(1)の軒側成形部(4)の係合突片部(12)の先端部
を、下段軒側の横葺き屋根板部材(1)の棟側成形部
(3)の係合溝(6)の開口端部に対向させ得るのであ
る。(第3図(c))。
続いて、前記第3図(c)の状態のまま、下段軒側の
横葺き屋根板部材(1)を矢印(34)に示すように下方
軒側へ牽引操作することによって、吊子部材(21)の押
え部(24)での止着溝(25)に対しては、下段軒側の横
葺き屋根板部材(1)の棟側成形部(3)の止着突片部
(9)が挿入止着される。
これと同時に、上段棟側の横葺き屋根板部材(1)の
軒側成形部(4)の係合突片部(12)に対しては、この
下段軒側の横葺き屋根板部材(1)の棟側成形部(3)
の係合溝(6)が挿入係合されるのであり(第3図
(d))、以上の操作を繰返すことで、所期通りに各横
葺き屋根板部材(1)を棟側から軒側へ、つまり、上方
から下方へかけて容易に葺き上げ得るのである。
従って、この第1実施例構造によるときは、各吊子部
材(21)に対するところの、上段棟側および下段軒側の
各横葺き屋根板部材(1)の相互係合と止着との各操作
のそれぞれが、従来のように葺き上げ方向に直交する上
下方向でなく、葺き上げ方向に平行してなされ、かつ相
互係合と止着との各位置,ひいては、棟側成形部(3)
での係合溝(6)と止着突片部(9)との間が、吊子部
材(21)の押え部(24)を受け入れるだけ棟軒方向に離
されているために、これらの係合溝(6)と止着突片部
(9)とをほぼ同一面内に保持し得て、結果的には、前
記したように係合ならびに止着構成部での所要高さを限
界点までも低くできる。
また、棟側成形部(3)での上部側に膨出された頭頂
部(7)の存在は、この棟側成形部(3)自体の剛性化
と共に、葺き上げた後の軒側成形部(4)の剛性化を高
め、併せて、係合部から侵入する雨水などが屋根下地側
まで達するのを防止し、しかも、構造面でも全体的に簡
略かつ単純化が達成され、その葺き上げ施工についても
係合ならびに止着が同時に行われることから、これを頗
る作業性よく、かつ何らの熟練をも要せず極めて簡単か
つ容易に行い得るのである。
次に、第4図,第5図に示す第2実施例の横葺き屋根
板部材(1)では、前記第1実施例の横葺き屋根板部材
(1)において、棟側成形部(3)の棟側垂下部(8)
から下方内側に折曲される止着突片部(9)を、係合溝
(6)の下部側に入り込ませて上下位置で相互に重ね合
わされるようにし、また、当接部(10)を省略し、さら
に、頭頂部(7)の棟側垂下部(8)側をより以上に膨
出させて、上段側の軒側成形部(4)での面板部(2)
の他側端部(2b)の裏面に圧接させ得るようにしたもの
である。
そしてまた、第6図,第7図に示す第3実施例の横葺
き屋根板部材(1)では、この第2実施例の横葺き屋根
板部材(1)の構成に加え、さらに、係合折返し部
(5)と棟側垂下部(8)とを一体化形成させて、上方
へ山形状に膨出する頭頂部(7)としたものである。
従って、これらの第2および第3の各実施例構成の場
合にあっても、前記第1実施例構成と同様な操作によ
り、所期通りに各横葺き屋根板部材(1)を棟側から軒
側へ葺き上げることができて、ほぼ同等の作用,効果を
得られるほかに、係合溝(6)の下部側に止着突片部
(9)を入り込ませて上下位置で相互に重ね合わせてい
るために、係合ならびに止着部の構成が、より一層、コ
ンパクト化ならびに剛性化され、また、下段側の棟側垂
下部(8)での頭頂部(7)を上段棟側の軒側成形部
(4)での面板部(2)の他側端部(2b)の裏面に圧接
させることで、雨水などの侵入防止の完全化を図り得る
のである。
〔発明の効果〕
以上詳述したように、請求項1に係る発明では、屋根
下地側の所定位置に、押え部が棟側を向くようにして吊
子部材を取付けると共に、棟軒方向に所定間隔を与えら
れた下段軒側横葺き屋根板部材の係合溝と止着突片部の
間隙を介して、その間隔よりも短くされた吊子部材の押
え部が受け入れられて、その押え部の止着溝に対し下段
軒側横葺き屋根板部材の止着突片部が挿入止着させる。
また、前記係合溝に対して、上段棟側横葺き屋根板部
材の軒側成形部に形成された係合突片部を挿入係合させ
る。
従って、所期通りに各横葺き屋根板部材の棟側から軒
側への葺き上げが可能になり、また、上下段各横葺き屋
根板部材の相互係合と吊子部材に対する横葺き屋根板部
材の止着との各操作が、葺き上げ方向に平行してなさ
れ、前記係合溝と前記止着突片部とを棟軒方向に所定間
隔だけ離して位置させた構造と相俟って、それらの所要
高さを極めて低くすることができる。
さらに、葺上げ作業も、単なる下段軒側横葺き屋根板
部材の軒側への牽引操作によるのみで、極めて簡単かつ
容易に行うことができる。
一方、請求項3に係る発明では、請求項1に係る発明
と同様に、所期通りに各横葺き屋根板部材を棟側から軒
側へ葺上げることができると共に、係合溝と止着突片部
とを少なくも一部が上下位置で重なり合うようにしたの
で、各横葺き屋根板部材の相互係合構成部と吊子部材に
対する横葺き屋根板部材の止着構成部とを重ねて配置す
ることができ、これらの係合ならびに止着構成部を高剛
性化,コンパクト化することができる。
また、請求項2又は請求項4に係る発明の、係合溝と
止着突片部との間に上方に膨出する頭頂部を設けた構造
では、これらの係合ならびに止着構成部の剛性確保に合
わせて、内部屋根下地側への浸水を効果的に防止できる
などの優れた特長を有するものである。
【図面の簡単な説明】
第1図(a),(b)はこの発明の第1実施例を適用し
た横葺き屋根板部材と吊子部材の概要構成を示すそれぞ
れに斜視図、第2図は同上各部材を用いて葺き上げた横
葺き屋根構造の係合構成を拡大して示す断面図、第3図
(a)ないし(d)は同上葺き上げ施工工程を順次に示
す説明図であり、また、第4図および第5図は第2実施
例を適用した横葺き屋根板部材の概要構成を示す斜視図
および同横葺き屋根板部材と吊子部材を用いて葺き上げ
た横葺き屋根構造の係合構成を拡大して示す断面図、第
6図および第7図は第3実施例を適用した横葺き屋根板
部材の概要構成を示す斜視図および同横葺き屋根板部材
と吊子部材を用いて葺き上げた横葺き屋根構造の係合構
成を拡大して示す断面図である。 (1)……横葺き屋根板部材、 (2)……面板部、 (2a)……一側端部、 (2b)……他側端部、 (3)……棟側成形部、 (4)……軒側成形部、 (5)……係合折返し部、 (6)……係合溝(長さ(W1))、 (7)……頭頂部(長さ(W3))、 (8)……棟側垂下部、 (9)……止着突片部(長さ(W2))、 (10)……当接部、 (11)……軒側垂下部、 (12)……係合突片部(長さ(W5))、 (21)……吊子部材、 (22)……取付け片部、 (23)……段部、 (24)……押え部、 (25)……止着溝(長さ(W6))、 (A)……垂木部材。

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】長尺金属板素材の長手方向に沿う中央部に
    面板部を残して、一側部側に棟側成形部,他側部側に軒
    側成形部を有し、 前記棟側成形部には、少なくとも面板部の表面側に開口
    される係合溝,および面板部の裏面側に向けて折曲させ
    た止着突片部を一連に形成するとともに、係合溝、止着
    突片部間に棟軒方向の所定間隔を与え、 前記軒側成形部には、少なくとも面板部の裏面側に向け
    て折曲されて、前記係合溝に対応される係合突片部を一
    連に形成してなる横葺き屋根板部材と、 少なくとも屋根下地側に取付けられる取付け片部,およ
    び前記止着突片部に対応される止着溝を裏面側に形成し
    た押え部からなり、かつ、押え部の長さを前記係合溝と
    前記止着突片部間の間隔よりも短くした吊子部材とを用
    い、 屋根下地側の所定位置に、押え部が棟側を向くようにし
    て吊子部材を取付けると共に、この吊子部材の押え部の
    止着溝に対して、下段軒側横拭き屋根板部材の棟側成形
    部に形成された止着突片部を挿入止着させ、かつその係
    合溝に対して、上段棟側横葺き屋根板部材の軒側成形部
    に形成された係合突片部を挿入係合させたことを特徴と
    する横葺き屋根構造。
  2. 【請求項2】横葺き屋根板部材の棟側成形部に形成され
    る係合溝と止着突片部との間に、上方に膨出する頭頂部
    を設けたことを特徴とする請求項1記載の横葺き屋根構
    造。
  3. 【請求項3】長尺金属板素材の長手方向に沿う中央部に
    面板部を残して、一側部側に頭側成形部,他側部側に軒
    側成形部を有し、 前記棟側成形部には、少なくとも面板部の表面側に開口
    される係合溝,および面板部の裏面側に向けて折曲させ
    た止着突片部を一連に形成するとともに、前記係合溝と
    前記止着突片部とを、少なくとも一部が上下位置で重な
    り合うようにし、 前記軒側成形部には、少なくとも面板部の裏面側に向け
    折曲されて、前記係合溝に対応される係合突片部を一連
    に形成してなる横葺き屋根板部材と、 少なくとも屋根下地側に取付けられる取付け片部,およ
    び前記止着突片部に対応される止着溝を裏面側に形成し
    た押え部からなる吊子部材とを用い、 屋根下地側の所定位置に、押え部が棟側を向くようにし
    て吊子部材を取付けると共に、この吊子部材の押え部の
    止着溝に対して、下段軒側横葺き屋根板部材の棟側成形
    部に形成された止着突片部を挿入止着させ、かつその係
    合溝に対して、上段棟側横葺き屋根板部材の軒側成形部
    に形成された係合突片部を挿入係合させたことを特徴と
    する横葺き屋根構造。
  4. 【請求項4】横葺き屋根板部材の棟側成形部に形成され
    る係合溝と止着突片部との間に、上方に膨出する頭頂部
    を設けたことを特徴とする請求項3記載の横葺き屋根構
    造。
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