JP2627987B2 - 下水道における既設人孔の補修方法 - Google Patents

下水道における既設人孔の補修方法

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JP2627987B2
JP2627987B2 JP3226220A JP22622091A JP2627987B2 JP 2627987 B2 JP2627987 B2 JP 2627987B2 JP 3226220 A JP3226220 A JP 3226220A JP 22622091 A JP22622091 A JP 22622091A JP 2627987 B2 JP2627987 B2 JP 2627987B2
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誠 伊集院
伸一 縄田
有紀夫 堺本
康雄 宮崎
明 神出
良太 宇賀
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筒中プラスチック工業株式会社
株式会社大阪防水建設社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、下水道における既設
孔の補修方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、下水道における既設人孔(いわゆ
るマンホール)は、長い年月の経過による腐食、周りか
らの外圧、あるいは流体中に含まれるタンパク質の腐食
で発生した硫化水素とコンクリート成分中のアルカリ成
分との反応で生じた膨脹性化合物等に起因して、不測の
亀裂や損傷を生じることがある。
【0003】そして、これらの亀裂や損傷を生じると、
地下水等の浸入により、とくに雨天時には、下水道処理
場の処理能力を越える下水量が流入するおそれが出てく
る。しかしながら、例えば交通量の多い交差点内の地下
に設けられた人孔は、それ自体をやり替えるとなると、
道路の一部を長期間閉鎖する必要があり、交通渋滞が生
じるため、実際上、施工困難であった。
【0004】このため、既設人孔の補修は、近時、熱可
塑性樹脂板を、例えば既設人孔の底部の表面形状を再現
する形状に成形加工し、これらの補修部材により底部表
面を密閉被覆することによって行なっていた。
【0005】すなわち、例えば図9に示すように、既設
人孔(21)の底部(21a) は略半円形の2つの平面部(22)お
よび溝形の曲面部(23)からなり、通常、人孔(21)の開口
部の直径が底部(21a) の内径より小さいものとなされて
いる。
【0006】従って、長い年月を経て損傷を受けた既設
人孔(21)の底部(21a) を補修するには、この底部(21a)
を表面切削やモルタル塗装等により仕上げた後、同図に
示すように、熱可塑性樹脂の平板から切断または成形加
工により略半円形あるいは溝形の数個に分割された補修
部材(25)(26)を製作して、これらの補修部材(25)(26)を
既設人孔(21)内に投入し、人孔(21)の底部(21a) を補修
部材(25)(26)により被覆した後、これらの部材(25)(26)
の接合部を溶接して、平面部分にアンカー(27)を打ち込
むことにより、補修部材(25)(26)を底部(21a) に固定し
ていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところが、一般に既設
孔の底部は規格化された一定の表面形状および大きさ
を有するものではなく、モルタル等による補修が何回も
繰り返し行なわれた結果、現場毎に、その表面形状が異
なっており、従って熱可塑性樹脂製の補修部材をその表
面形状に合わせて、かつ数個に分割して、現場毎に製作
する必要があり、このため補修作業に要する時間が長く
なるとともに、該補修人孔の上流側での流体の汲み上げ
期間が長くなり、コスト高になるという問題があった。
【0008】また、補修の対象となる人孔は、地下水が
連続して流入している場合が多く、そのため、インバー
ト部(下水路の底部の逆アーチ部)を削ると、さらに多
量の水が吹き出し、しかも地下水の吹出し口の止水作業
は非常に煩わしいという問題があった。
【0009】この発明の目的は、上記の従来技術の問題
を解決し、既設人孔の表面形状が現場毎に異なっている
にもかゝわらず、現場作業が非常に少なくてすみ、従っ
てきわめて簡単に、しかも確実に、既設人孔の補修をす
ることができて、補修作業の迅速化を果たし得るととも
に、補修コストが安くつき、また、補修作業の迅速化に
より補修後の通水を早期に行なうことができ、従って例
えば交通量の多い交差点においても、交通渋滞を最小限
にとどめて、既設人孔の補修作業を実施することができ
る、下水道における既設人孔の補修方法を提供しようと
するにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】この発明は、上記の目的
を達成するために、下水道における既設人孔の底部の表
面形状および大きさに合わせて、未硬化の紫外線硬化型
ガラス繊維強化不飽和ポリエステル樹脂製の補修用シー
トを裁断し、裁断された補修用シートを人孔の底部に被
せる工程と、該シートに紫外線を照射してガラス繊維強
化不飽和ポリエステル樹脂を硬化せしめ、人孔の底部に
これを密閉被覆する底部補修壁を形成した後、通水部分
に孔をあける工程と、既設人孔の内壁に対応する形状を
有すると ともに、上壁にスチーム導入口および空気等排
出口があけられている合成樹脂製の有底筒形ライニング
材を用意し、このライニング材を小さく折り畳んで、既
設人孔の上端開口部より挿入する工程と、挿入後、導入
口より折畳み状有底筒形ライニング材の内部に加熱スチ
ームを入れて、ライニング材の構成樹脂を軟化せしめ、
ライニング材を有底筒形に復元し、ついで加熱スチーム
を圧縮空気に切り替えて、ライニング材を冷却固化せし
めた後、ライニング材の上壁および底壁を切断して除去
する工程と、筒形となされたライニング材の下端部、お
よび底部補修壁周辺の立上がり壁を、前者を内側として
相互に重なり合わせ、これらの重なり合わせ部分に補修
用帯状シートを全周にわたって被せて、補修用帯状シー
トを、これらライニング材下端部および底部補修壁の立
上がり壁の間に渡すようにして接合せしめる工程と、既
設人孔の周壁および筒形ライニング材同士の間の間隙に
充填剤を流し込み、これを硬化せしめて、筒形ライニン
グ材を周壁内面に固定する工程とよりなる、下水道にお
ける既設人孔の補修方法を要旨としている。
【0011】上記において、紫外線硬化型ガラス繊維強
化不飽和ポリエステル樹脂製の補修用シートは、不飽和
ポリエステル樹脂を主成分とし、これにガラス繊維、紫
外線硬化剤(例えばジサルファイド系の硬化剤)、希釈
剤(例えばスチレン)等を配合したもので、紫外線照射
前の未硬化の状態では、軟弱で変形自在であるが、紫外
線を照射すると、紫外線硬化剤が増感し、速やかに硬化
して強靭な硬化物となるものである。なおこの場合、照
射する紫外線ランプとしては、365〜400nmの波
長を出すものが好適であり、その照射時間は、補修用シ
ートを構成するガラス繊維強化不飽和ポリエステル樹脂
の厚みが5〜6mm以下であれば、20〜30分以内で
充分である。
【0012】上記既設人孔の周壁を補修する有底筒形ラ
イニング材を構成する合成樹脂としては、例えば0.9
15〜0.935g/cm 3 の平均密度を有する直鎖状
低密度ポリエチレンを使用するのが、望ましい。
【0013】また、補修用帯状シートとしては、上記底
部補修用シートと同じ未硬化の紫外 線硬化型ガラス繊維
強化不飽和ポリエステル樹脂よりなる補修用シートを、
帯状に裁断したものを使用することができる。
【0014】
【作用】上記補修方法によれば、補修用シートとして、
未硬化の紫外線硬化型ガラス繊維強化不飽和ポリエステ
ル樹脂製の軟質シートを取り扱うので、既設人孔の底部
の表面形状が現場毎に異なっている場合でも、各現場に
応じて補修用シートを容易に成形することができ、複雑
な形状の底部にも充分対応することができて、作業性が
損なわれることがない。しかも、紫外線硬化型樹脂製の
補修用シートの特性により、該シートは硬化後に底部と
の密着性が良く、従って既設人孔の底部の補修を確実に
行ない得る。また、現場毎に形状の異なる補修部材を製
作する必要がなく、補修部材同士の溶接やアンカーの打
ち込みを省略できるので、補修作業に要する時間が短く
てすみ、かつ補修人孔の上流側での流体の汲み上げ期間
が短くてすむ。
【0015】また、補修の対象となる人孔の底部におい
て、インバート部を削る作業を省略することができるの
で、地下水の吹出し口の止水作業を行なう必要がない。
【0016】また上記既設人孔の底部の補修後に、既設
人孔の内壁に対応する形状を有する合成樹脂製の有底筒
形ライニング材および補修用帯状シートを用いて、既設
人孔の周壁を補修する。
【0017】すなわち、既設人孔の底部の補修後に、人
孔の内壁に対応する形状を有するとともに、上壁にスチ
ーム導入口および空気等排出口があけられている合成樹
脂製の有底筒形ライニング材を用意する。
【0018】このライニング材を小さく折り畳んで、既
設人孔の上端開口部より挿入する。
【0019】挿入後、導入口より折畳み状有底筒形ライ
ニング材の内部に加熱スチームを入れて、ライニング材
の構成樹脂を軟化せしめ、ライニング材を有底筒形に復
元し、ついで加熱スチームを圧縮空気に切り替えて、ラ
イニング材を冷却固化せしめた後、ライニング材の上壁
および底壁を切断して除去する。
【0020】こうして、筒形となされたライニング材の
下端部、および底部補修壁周辺の立上がり壁を、前者を
内側として相互に重なり合わせ、これらの重なり合わせ
部分に補修用帯状シートを全周にわたって被せる。
【0021】そして、補修用帯状シートを、これらライ
ニング材下端部および底部補修壁の立上がり壁の間に渡
すようにして接合せしめる。
【0022】既設人孔の周壁および筒形ライニング材同
士の間の間隙に充填剤を流し込み、これを硬化せしめ
て、筒形ライニング材を周壁内面に固定するものであ
る。
【0023】このように、既設人孔の底部の補修後に、
既設人孔の内壁に対応する形状を有する合成樹脂製の有
底筒形ライニング材および補修用帯状シートを用いて、
既設人孔の周壁を補修するものであるから、補修作業の
迅速化を果たし得て、補修後の通水を早期に行なうこと
ができ、従って例えば交通量の多い交差点においても、
交通渋滞を最小限にとどめて、既設人孔の補修作業を実
施することができる。
【0024】
【実施例】つぎに、この発明の実施例を図面に基づいて
説明する。
【0025】図1〜図3は、この発明による下水道にお
ける既設人孔の補修方法のうち、まず底部の補修を示す
ものである。
【0026】すなわち、図1において、下水道における
既設人孔(1) は、例えば開口部(1b)の直径が600m
m、および底部(1a)の直径が900mmで、底部(1a)の
大きさが開口部(1b)よりも大きいものとなされている。
この既設人孔(1) の底部(1a)の表面形状および大きさに
合わせて、厚さ5mmの未硬化の紫外線硬化型ガラス繊
維強化不飽和ポリエステル樹脂よりなる補修用シート
(商品名パラプレグ、BASF社製)(2) を、予め裁断
する。この実施例では、底部(1a)の直径900mmより
も大きい直径980mmに裁断する。そしてこのシート
(2) を巻いて、巻物状とし、これを既設人孔(1) の開口
部(1b)より内部に入れる。
【0027】つぎに、図2に示すように、この巻物状の
補修用シート(2) を巻き戻し、図3に示すように、人孔
(1) の底部(1a)に被せて、コテ(図示略)などで型押し
ゝ、補修用シート(2) の周辺に高さ30mmの立上がり
部(2a)を形成するとともに、底部(1a)の凹溝(6) の内面
に沿う断面U形の曲面部(2b)を形成する。
【0028】そしてさらに、図3に示すように、補修用
シート(2) に、波長400nmの紫外線ランプ(4) を用
いて紫外線を30分間照射し、ガラス繊維強化不飽和ポ
リエステル樹脂を硬化せしめ、人孔(1) の底部(1a)にこ
れを密閉被覆する底部補修壁(3) を形成し、しかる後、
断面U形の曲面部(2b)両端の通水部分に孔(5) をあける
ものである。
【0029】上記の方法によれば、既設人孔(1) の底部
(1a)の表面型押し作業性は、未硬化のガラス繊維強化不
飽和ポリエステル樹脂製の軟質の補修用シート(2) を取
り扱うので、成形容易であり、底部(1a)の複雑な形状に
も充分対応することができ、作業性が損なわれることが
ない。しかも紫外線硬化型樹脂製の補修用シート(2)の
特性により、硬化後の底部補修壁(3) は、底部(1a)との
密着性が良く、補修を確実に行なうことができる。ま
た、従来のような数個に分割された補修部材を用いるこ
となく、裁断された1枚の補修用シート(2) を用いるだ
けであるから、現場作業の大幅な削減が可能であり、補
修作業が非常に簡単である。
【0030】上記方法においては、現場施工において、
補修用シート(2) の裁断、挿入、および型押しの工程で
30分、紫外線照射による硬化工程で30分かゝり、こ
れに準備と仕上げ工程を含めても、約1時間30分で補
修作業が終了することができる。従って、補修開始より
約1時間30分後に、通水が可能である。
【0031】つぎに図4〜図8は、上記既設人孔(1) の
底部(1a)の補修に続いて、人孔(1)の周壁(1c)を合成樹
脂製の筒形ライニング材(11)を用いて、補修する工程
示すものである。
【0032】すなわち、上記のようにして底部(1a)が補
修された既設人孔(1) の、さらに周壁(1c)を補修する
めに、例えば図7に示すように、底壁以外は既設人孔
(1) の内壁に対応する形状を有する合成樹脂製の有底筒
形ライニング材(11)を、予め回転成形により製造する。
【0033】このようなライニング材(11)を構成する合
成樹脂としては、直鎖状低密度ポリエチレンであって、
0.915〜0.935g/cm3 の平均密度を有する
ものを使用するのが、望ましい。
【0034】ライニング材(11)は、底壁(12)および上壁
(13)を有し、かつ上壁(13)には、スチーム導入口(14)
と、空気等排出口(15)があけられている。
【0035】つぎに図8に示すように、このライニング
材(11)を小さく折り畳んで、既設人孔(1) の上端開口部
(1b)より挿入する(図4参照)。挿入後、導入口(14)よ
り折畳み状有底筒形ライニング材(11)の内部に加熱スチ
ームを入れて、ライニング材(11)の構成樹脂を軟化せし
め、ライニング材(11)を、図7に示すような有底筒形に
復元する。
【0036】ついで、加熱スチームを圧縮空気に切り替
えて、ライニング材(11)を冷却固化せしめた後、ライニ
ング材(11)の上壁(13)および底壁(12)を切断して除去す
る。これによライニング材(11)は、上下両端部が開口
した筒形となる(図5参照)
【0037】図6に詳しく示すように、上記のよう
て筒形となされたライニング材(11)の下端部(11a) と、
底部補修壁(3) 周辺の立上がり壁(3a)とは、前者を内側
として相互に重なり合っており、これらライニング材下
端部(11a) および底部補修壁(3) の立上がり壁(3a)の間
の間隙をシールするために、補修用の帯状シート(16)を
両者に渡すようにして接合せしめる
【0038】こで、補修用帯状シート(16)としては、
上記底部補修用シート(2) と同じ厚さ5mmの未硬化の
紫外線硬化型ガラス繊維強化不飽和ポリエステル樹脂よ
りなる補修用シート(商品名パラプレグ、BASF社
製)を、帯状に裁断したものを使用した
【0039】して、この補修用帯状シート(16)を、上
記の場合と同様に、波長400nmの紫外線ランプ(4)
を用いて紫外線を照射し、ガラス繊維強化不飽和ポリエ
ステル樹脂を硬化せしめた。
【0040】さらに硬化後の帯状シート(16)よりなる補
修壁の上下両側縁部にシール材(17)を施し、シールを行
なった。
【0041】そして最後に、図5と図6に示すように、
既設人孔(1) の周壁(1c)と、筒形ライニング材(11)との
間の間隙に、エマルジョン系ポリマーセメント・ペース
ト(いわゆるセメントミルク)等よりなる充填剤(18)を
流し込み、これを硬化せしめて、筒形ライニング材(11)
を周壁(1c)内面に固定し、これによって既設人孔(1)の
底部(1a)および周壁(1c)の補修を完了するものである。
【0042】このように、この発明の方法によれば、現
場作業が非常に少なく、従ってきわ めて簡単にかつ確実
に、既設人孔(1) の補修をすることができる。
【0043】また上記のように、下水道補修の迅速化が
可能であるから、例えば交通量の多い交差点において、
既設人孔の補修作業を実施しても、交通渋滞を最小限に
とどめることができる。
【0044】
【発明の効果】この発明の下水道における既設人孔の
修方法は、上述のように、下水道における既設人孔の
部の表面形状および大きさに合わせて、未硬化の紫外線
硬化型ガラス繊維強化不飽和ポリエステル樹脂製の補修
用シートを裁断し、裁断された補修用シートを人孔の
部に被せる工程と、該シートに紫外線を照射してガラス
繊維強化不飽和ポリエステル樹脂を硬化せしめ、人孔の
底部にこれを密閉被覆する底部補修壁を形成した後、通
水部分に孔をあける工程と、既設人孔の内壁に対応する
形状を有するとともに、上壁にスチーム導入口および空
気等排出口があけられている合成樹脂製の有底筒形ライ
ニング材を用意し、このライニング材を小さく折り畳ん
で、既設人孔の上端開口部より挿入する工程と、挿入
後、導入口より折畳み状有底筒形ライニング材の内部に
加熱スチームを入れて、ライニング材の構成樹脂を軟化
せしめ、ライニング材を有底筒形に復元し、ついで加熱
スチームを圧縮空気に切り替えて、ライニング材を冷却
固化せしめた後、ライニング材の上壁および底壁を切断
して除去する工程と、筒形となされたライニング材の下
端部、および底部補修壁周辺の立上がり壁を、前者を内
側として相互に重なり合わせ、これらの重なり合わせ部
分に補修用帯状シートを全周にわたって被せて、補修用
帯状シートを、これらライニング材下端部および底部補
修壁の立上がり壁の間に渡すようにして接合せしめる工
程と、既設人孔の周壁および筒形ライニング材同士の間
の間隙に充填剤を流し込み、これを硬化せしめて、筒形
ライニング材を周壁内面に固定する工程とよりなるもの
で、この発明の方法によれば、人孔の底部の補修用シー
トとして、未硬化のガラス繊維強化不飽和ポリエステル
樹脂製の軟質シートを取り扱うので、既設人孔の底部の
表面形状が、現場毎に異なっているにもかゝわらず、各
現場に応じて補修用シートを容易に成形することがで
き、複雑な形状の底部にも充分対応することができて、
作業性が損なわれることがない。
【0045】しかも、紫外線硬化型樹脂製の補修用シー
トの特性により、該シートは硬化後に底部との密着性が
良く、従って既設人孔の底部の補修を確実に行ない得
る。
【0046】また、現場毎に形状の異なる補修部材を製
作したり、補修部材同士を溶接したり、さらにはアンカ
ーを打ち込んで補修部材を止めたりする必要がないの
で、補修作業に要する時間が短くてすみ、かつ補修人孔
の上流側での流体の汲み上げ期間が短くてすむため、補
修コストが安くつく。
【0047】また上記既設人孔の底部の補修後に、既設
人孔の内壁に対応する形状を有する合成樹脂製の有底筒
形ライニング材および補修用帯状シートを用いて、既設
人孔の周壁を補修するものであるから、補修作業の迅速
化を果たし得て、補修後の通水を早期に行なうことがで
き、従って例えば交通量の多い交差点においても、交通
渋滞を最小限にとどめて、既設人孔の補修作業を実施す
ることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の方法において、裁断して巻いた補修
用シートを、既設人孔の開口部より内部に入れる状態を
示す断面図である。
【図2】巻物状の補修用シートを巻き戻して、人孔の底
部に被せる状態を示す部分断面図である。
【図3】巻き戻した補修用シートに、紫外線ランプを用
いて紫外線を照射する状態を示す部分断面図である。
【図4】小さく折り畳んだライニング材を、既設人孔の
内部に挿入した状態を示す断面図である。
【図5】補修後の既設人孔の概略断面図である。
【図6】補修後の既設人孔の要部拡大断面図である。
【図7】有底筒形ライニング材の部分切欠き正面図であ
る。
【図8】同ライニング材の折り畳み状態の斜視図であ
る。
【図9】従来法により、既設人孔の開口部より各種形状
の補修用部材を入れる状態を示す部分斜視図である。
【符号の説明】
1 既設人孔 1a 底部1b 上端開口部 1c 周壁修用シート 3 底部補修壁3a 立上がり壁 4 紫外線ランプ 通水孔 11 有底筒形ライニング材11a ライニング材下端部 12 底壁 13 上壁 14 スチーム導入口 15 空気等排出口 16 補修用帯状シート 18 充填剤
フロントページの続き (72)発明者 宮崎 康雄 大阪市東成区大今里南2−16−6 (72)発明者 神出 明 東大阪市西岩田1−10−21 (72)発明者 宇賀 良太 東大阪市山手町9−4 (56)参考文献 特開 昭61−117343(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下水道における既設人孔(1) の底部(1a)
    の表面形状および大きさに合わせて、未硬化の紫外線硬
    化型ガラス繊維強化不飽和ポリエステル樹脂製の補修用
    シート(2) を裁断し、裁断された補修用シート(2) を人
    孔(1) の底部(1a)に被せる工程と、該シート(2) に紫外
    線を照射してガラス繊維強化不飽和ポリエステル樹脂を
    硬化せしめ、人孔(1) の底部(1a)にこれを密閉被覆する
    底部補修壁(3) を形成した後、通水部分に孔(5) をあけ
    る工程と、既設人孔(1) の内壁に対応する形状を有する
    とともに、上壁(13)にスチーム導入口(14)および空気等
    排出口(15)があけられている合成樹脂製の有底筒形ライ
    ニング材(11)を用意し、このライニング材(11)を小さく
    折り畳んで、既設人孔(1) の上端開口部(1b)より挿入す
    る工程と、挿入後、導入口(14)より折畳み状有底筒形ラ
    イニング材(11)の内部に加熱スチームを入れて、ライニ
    ング材(11)の構成樹脂を軟化せしめ、ライニング材(11)
    を有底筒形に復元し、ついで加熱スチームを圧縮空気に
    切り替えて、ライニング材(11)を冷却固化せしめた後、
    ライニング材(11)の上壁(13)および底壁(12)を切断して
    除去する工程と、筒形となされたライニング材(11)の下
    端部(11a) 、および底部補修壁(3) 周辺の立上がり壁(3
    a)を、前者を内側として相互に重なり合わせ、これらの
    重なり合わせ部分に補修用帯状シート(16)を全周にわた
    って被せて、補修用帯状シート(16)を、これらライニン
    グ材下端部(11a) および底部補修壁(3) の立上がり壁(3
    a)の間に渡すようにして接合せしめる工程と、既設人孔
    (1) の周壁(1c)および筒形ライニング材(11)同士の間の
    間隙に充填剤(18)を流し込み、これを硬化せしめて、筒
    形ライニング材(11)を周壁(1c)内面に固定する工程と
    りなる、下水道における既設人孔の補修方法。
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