JP2626968B2 - 医療用ガイドワイヤ及びその製造方法 - Google Patents

医療用ガイドワイヤ及びその製造方法

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JP2626968B2 JP5326115A JP32611593A JP2626968B2 JP 2626968 B2 JP2626968 B2 JP 2626968B2 JP 5326115 A JP5326115 A JP 5326115A JP 32611593 A JP32611593 A JP 32611593A JP 2626968 B2 JP2626968 B2 JP 2626968B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば、血管、尿管、
気管などにカテーテルを挿入したり、血管の動脈瘤内な
どに体内留置具を挿入したりする用途に用いられる医療
用ガイドワイヤ及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、例えば心臓カテーテル検査などで
は、血管を切開することなく、経皮的にカテーテルを挿
入し、血管に造影剤などの薬剤を投与する技術が多く採
用されるようになってきた。
【0003】この経皮的にカテーテルを挿入する手順を
動脈穿刺を例に第7図の図面に従って説明すると、ま
ず、穿刺針1で動脈2を穿刺し(a)、次いで、この穿
刺針1にガイドワイヤ3を挿通し、このガイドワイヤ3
を動脈2内に残して上記穿刺針1を抜く(b)。
【0004】次いで、上記ガイドワイヤ3の外周に拡張
器4を装着し、この拡張器4の先端を上記ガイドワイヤ
3に沿って滑らせて動脈2の中へ押込む(c)。こうし
て、拡張が終了したら、上記拡張器4を抜去し(d)、
その後、カテーテル5を上記ガイドワイヤ3に沿って滑
らせて(e)、このカテーテル5を動脈2内へ挿入する
(f)。
【0005】そして、上記カテーテル5が上記動脈2の
所定の位置まで挿入されたら、上記ガイドワイヤ3を抜
き、次いで、カテーテル5を介して動脈2へ造影剤など
の薬液を投与する。
【0006】このように、カテーテル5の挿入に際して
は、これをガイドするガイドワイヤ3が用いられてい
る。なお、カテーテル5は、上記のような血管の検査、
治療ばかりでなく、尿管、気管などの人体のあらゆる管
状器官の検査、治療に用いられている。
【0007】上記のようなガイドワイヤとして、特開昭
61−106173号には、図8に示すように、形状記
憶合金(TiNi合金)からなる芯線42の先端部42
aを細くして、その外周を合成樹脂膜43で覆ってなる
ガイドワイヤ41が提案されている。このガイドワイヤ
41は、形状記憶合金の超弾性によりしなやかさをもた
すとともに、芯線42の先端部を細くして先端部を更に
柔軟にした点に特徴がある。
【0008】また、ガイドワイヤとしては、先端部を細
くした芯線の外周にコイルを装着した、いわゆるコイル
ガイドワイヤも知られている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】血管や気管にガイドワ
イヤを挿入する場合、これらはところどころで分岐して
いるため、ガイドワイヤの先端を、分岐点で目指す管内
に導く必要がある。このため、ガイドワイヤを挿入する
とき、その先端を患者に合わせてその場で適宜くせ付け
することが行なわれている。
【0010】すなわち、図9に示すように、ガイドワイ
ヤ41の先端を芯金44に巻き付けると、第10図に示
すように、先端が円弧状に曲がった形にくせ付けするこ
とができる。このように、先端の形状をくせ付けするこ
とによって、ガイドワイヤ41の挿入がしやすくなる。
【0011】第11図は、血管にガイドワイヤを導く状
態を示している。ここで、ガイドワイヤ41を挿入する
血管45は、その先方が枝管46、47に分岐し、更に
枝管47の先方が枝管48、49に分岐している。そし
て、目的とする検査又は治療箇所が枝管49にあると
き、ガイドワイヤ41の先端を図に示すようにくせ曲げ
しておくことにより、図の矢印に沿ってガイドワイヤ4
1の先端を移動して目的とする枝管49に容易に導くこ
とができる。
【0012】しかしながら、上記のように芯線を形状記
憶合金で形成した場合、その先端部を細くして柔軟性を
もたせても、形状記憶合金の超弾性により塑性変形せ
ず、先端部を所望の方向に曲げてくせ付けすることがで
きなかった。
【0013】また、第11図に示すようにガイドワイヤ
を導く場合、ガイドワイヤ41の先端を所望の方向に向
けるため、ガイドワイヤの基端部を回しながら操作を行
っている。このとき、ガイドワイヤの基端部における回
転操作が、ガイドワイヤの先端部に正確に伝達されるこ
と、すなわち、回転伝達性が良好であることが望まれて
いる。
【0014】ところが、従来のガイドワイヤでは、基端
部の回転角度に応じて先端部が回転せず、基端部をある
程度の角度まで回したところで、先端部が急激に回転す
る傾向がある。このため、ガイドワイヤの挿入操作がし
ずらく、時間がかかる原因となっていた。
【0015】したがって、本発明の目的は、回転伝達性
が良好な医療用ガイドワイヤ及びその製造方法を提供す
ることにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成するために鋭意研究した結果、ガイドワイヤの回
転伝達性は、ガイドワイヤの芯線の直線性に大きく影響
されること、ガイドワイヤは、通常うず巻き状のチュー
ブに挿入されて保存されるため、初期の直線度が良好で
もチューブに保存した後には直線性が損なわれてしまう
が、機械的な伸直線加工を施した後、引き続いて熱直線
加工を行うことにより、チューブに保存した後でも直線
度が高い芯線が得られることを見出し、これらの事実に
基づいて本発明を完成するに至った。
【0017】すなわち、本発明の第1は、複数の矯正ロ
ーラ間を引き回す伸直線加工と、該伸直線加工に引き続
いて線材を引張りながら熱処理する熱直線加工と、該熱
直線 加工を施した後に巻取りローラに巻取る工程とによ
って加工され、本体をなす太軸部と、この太軸部の先端
部に形成したテーパ部と、テーパ部に続く細軸部とを有
するバネ用弾性材料からなる芯線と、前記テーパ部の、
前記太軸部寄り位置の外側において前記芯線と固定さ
れ、前記細軸部の外周を覆って前記細軸部の先端まで伸
びるコイルと 前記細軸部先端をその中心に、前記コイ
ルをその外周に固定した頭部とを備えていることを特徴
とする医療用ガイドワイヤを提供するものである。
【0018】本発明の第2は、前記第1の発明におい
て、前記コイルは、金又は白金を含む医療用ガイドワイ
ヤを提供するものである。
【0019】本発明の第3は、前記第1又は第2の発明
において、前記コイルは、タングステンコイルの表面に
金メッキを施してなる医療用ガイドワイヤを提供するも
のである。
【0020】本発明の第4は、バネ用弾性材料からなる
線材を複数の矯正ローラ間に引き回して伸直線加工し、
引き続いて該線材を引張りながら熱処理して熱直線加工
を行い、その後巻取りローラに巻取って得られる線材
を、所定長さに切断することによって芯線を形成し、こ
の芯線の先端部にテーパ部と該テーパ部に続く細軸部と
を形成して、前記芯線の基部側の残りの部分を太軸部と
すると共に、前記テーパ部の前記太軸部寄り位置の外側
にコイルの基端を固定し、このコイルを前記細軸部の外
周を覆って前記細軸部の先端まで伸ばし、 前記コイルの
先端に頭部を形成して、前記コイルの先端を前記頭部の
外周に固着すると共に、前記細軸部の先端を前記頭部の
中心に固着することを特徴とする医療用ガイドワイヤの
製造方法を提供するものである。
【0021】以下、本発明について、更に詳細に説明す
る。本発明の医療用ガイドワイヤは、本体をなす太軸部
と、この太軸部の先端部に 形成したテーパ部と、テーパ
部に続く細軸部とを有するバネ用弾性材料からなる芯線
と、 前記テーパ部の、前記太軸部寄り位置の外側におい
て前記芯線と固定され、前記細軸部の外周を覆って前記
細軸部の先端まで伸びるコイルと、 前記細軸部先端をそ
の中心に、前記コイルをその外周に固定した頭部とを備
えている。
【0022】発明のガイドワイヤの芯線としては、ス
テンレス、炭素鋼、形状記憶合金などのバネ用弾性材料
からなる線材が用いられるが、特にステンレス、炭素鋼
などのバネ用鋼線を用いることが好ましい。これらの線
材は、次のような方法で直線加工される。
【0023】従来、直線加工としては、図2に示すよう
に、送り出しローラ12と巻き取りローラ13との間に
複数の矯正ローラ14を配置し、線材11を引っ張りな
がら矯正ローラ14の間にジグザグ状に通し、機械的に
矯正して直線にする伸直線加工が知られている。
【0024】また、図3に示すように、送り出しローラ
12と巻き取りローラ13との間に加熱装置15を設
け、線材11を引っ張りながら加熱装置15に通して熱
処理をする熱直線加工も知られている。
【0025】ところが、このような直線加工単独では、
本発明の目的を達成できる芯線が得られないことがわか
った。
【0026】すなわち、図12は、ガイドワイヤを保存
するケースを示すものであるが、ガイドワイヤ51は、
直径20cmほどのうず巻き状に巻かれたチューブ52
に挿入されて保存されている。伸直線加工を施した線材
は、加工直後においては十分な直線度が得られるが、上
記のようなチューブ52に入れて保存しておくと、へた
りを生じて湾曲してしまい、直線性が損なわれてしま
う。
【0027】また、熱直線加工を施した線材では、上記
のようなチューブ52に入れて保存してもへたりを生じ
にくいが、本発明の目的を達成し得る程度の十分な直線
度が得られない。
【0028】このため、本発明では、図1に示すよう
に、送り出しローラ12と巻き取りローラ13との間
に、複数の矯正ローラ14と加熱装置15とを配置し、
送り出しローラ12から引き出された線材11を、矯正
ローラ14に通して機械的に伸直線加工した後、加熱装
置15に通して熱処理する方法が採用される。
【0029】その結果、直線性が良好で、うず巻き状の
チューブに挿入して保存しても、直線性が損なわれない
芯線を得ることができる。
【0030】本発明において、芯線の直線度は、次のよ
うな方法によって測定することができる。すなわち、図
4に示すように、芯線21の長さAを1800mmと
し、この芯線21を直径200mmのループに巻いて7
2時間保持し、その一端をホルダ22により把持して吊
り下げたときの直線部に対して最も離れている距離長さ
Bを求め、この距離Bによって直線度を表した。
【0031】上記の直線度の測定方法によれば、次のよ
うな利点が得られる。すなわち、市場では、A4サイズ
に類似の梱包袋に収めて流通するのが−般的である。そ
の際の荷姿は、略200mmの直径に巻付けられて梱
包、保管、流通される。このような、製造後使用される
までの間で最悪条件の屈曲条件を選定して検査条件とす
ることで、検査成績=医師が使用開始する時の状態、を
保証でき、”検査成績は優秀だが医師が使用する際には
悪化している”ことを防止できる。
【0032】また、芯線は、直径略200mmのループ
に巻くことによって、多少の曲がりくせを付けられてし
まう傾向があり、その程度は保管時間が長いほど顕著に
なるが、72時間程度を経ると、それ以上経過してもも
はや進行せず、曲がりくせは 飽和状態になる。したがっ
て、保持時間を72時間としたことにより、市場で医師
が使用開始する時点を予め予測するに最短で十分な精度
を両立できる。
【0033】本発明のガイドワイヤの芯線としては、上
記直線度が10mm以下、好ましくは5mm以下のもの
が用いられる。上記直線度が10mmを超えると、回転
伝達性が悪くなり、操作性のよいガイドワイヤを得るこ
とができない。
【0034】なお、得られた芯線の回転伝達性の評価
は、図5に示すような方法で行った。すなわち、長さ1
800mmに作成された芯線21を、直径200mmの
ループに1回巻きされたカテーテル53に挿入し、芯線
21の先端部にロータリーエンコーダ54を接続し、芯
線21の基端部を徐々に回転させて、基端部の回転角に
対する先端部の回転角を測定した。
【0035】ところで、本発明において、芯線として
は、ステンレス、炭素鋼などのバネ用鋼線が好ましく、
形状記憶合金の線材を用いることもできるが、次のよう
な理由からあまり好ましくない。
【0036】超弾性材を直線記憶するには、直線状態
に機械的に保持した状態で記憶温度に加熱するが、通常
実施されているテンションアニール方式では、加熱時間
が短いため真直性の優れたものを得ることは困難であ
る。
【0037】形状記憶合金の記憶メカニズムは、加熱
中に合金内の内部歪をキャンセルするように結晶の並び
換えが発生して記憶されることにあり、前もって機械加
工により真直性を出していても、熱処理によってその効
果が失われるため、初期の真直性は得られない。
【0038】熱処理だけで優れた真直性を得るために
は、伸線中の残留歪を0にしなければならず、この処理
として、形状記憶合金の再結晶温度域まで昇温させた
後、急冷し、更にすべり限界値を向上するため時効処理
を実施するが、このとき、線材は何らかの力を加えて直
線状態を維持しておかねばならず、製造コストが極めて
高くなる。
【0039】超弾性効果をより良く発揮させるために
は、上記以外の方法の場合、伸線時の加工歪を極力多
く残す必要があるが、このためには低温度、短時間熱処
理にしなければならず、そのため伸線時の加工率の均一
化が必要で、これを満たすには困難である。
【0040】本発明のガイドワイヤにおいて、芯線の太
さは0.15〜0.7mm程度が好ましく、長さは50
0〜3000mm程度が好ましい。なお、芯線の先端部
は、本体をなす太軸部と、この太軸部の先端部に形成し
たテーパ部と、テーパ部に続く細軸部とを有する形状に
する。この芯線のテーパ部及び細軸部の長さは、50〜
400mmであることが好ましい。
【0041】そして、上記芯線のテーパ部の太軸部寄り
位置の外側に、コイルの一端を固定し、コイルの他端
は、細軸部の外周を覆って細軸部の先端まで伸ばし、コ
イルの先端には、細軸部先端をその中心に、コイルをそ
の外周に固定した丸い頭部を形成する。コイルは、X線
不透過性の金、白金で形成するか、金、白金でめっきさ
れた線材、特にタングステンコイルの表面に金メッキを
施したもので形成することが好ましい。
【0042】
【作用】本発明の第1によるガイドワイヤは、高い直線
度を有するので、後述する試験例に示されるように優れ
た回転伝達性が得られる。また、コイルを、太軸部より
も小径のテーパ部内で芯線に接続したので、コイルの外
径が芯線の太軸部に比べて大径化することがない。更
に、コイルを、太軸部寄りのテーパ部端部寄りで芯線に
接続したので、コイルの長さを十分に確保でき、細軸部
とあいまって、先端の柔軟性が確保できる。したがっ
て、挿入操作を容易にして作業時間を短縮させることが
できる。
【0043】また、ガイドワイヤは、通常、図12に示
したうず巻き状のチューブ52に挿入されて運搬、保存
されるが、本発明のガイドワイヤは、そのような形態で
保持されても上記直線度が損なわれることがない。
【0044】本発明の第2によるガイドワイヤは、前記
コイルが金又は白金を含むため、X線によって先端部の
位置を確認しながら挿入することができるので、操作性
を向上させることができる。
【0045】本発明の第3によるガイドワイヤは、タン
グステンコイルの表面の金メッキによって上記X線不透
過性を得ることができるだけでなく、次のような利点が
もたらされる。すなわち、芯線の先端部をくせ曲げした
際にも、タングステンのコイルは、高い強度によって塑
性変形しにくい。よって、細軸部の先端部の芯線が塑性
変形によって急激な折れ曲がり形状となる場合において
も、その周りの塑性変形しにくいタングステンコイルが
滑らかに包んで先端部全体のくせ曲げ形状が滑らかとな
り、前述したように直線度が良いこと等と相まって、挿
入性がなお一層向上する。
【0046】本発明の第4によるガイドワイヤの製造方
によれば、機械的な伸直線加工を施した後、引き続い
熱直線加工を行うことにより、優れた直線度を有する
芯線を容易に製造することができる。
【0047】
【実施例】実施例 直径0.4mmのステンレス線を、図1に示した方法に
より、機械的に伸直線加工し、かつ、熱直線加工した。
なお、熱処理は、400℃で30分間施した。この線材
を長さ1800mmに切断して芯線を得た。
【0048】こうして得られた芯線は、製造直後に図4
に示す方法でBの長さを求めたところ2mmであった。
更に、この芯線を直径200mmのループに巻いて72
時間保持し、その後、図4に示す方法でBの長さを求め
たところ5mmであった。
【0049】図13に示すように、この芯線62の先端
部を所定長さでテーパ状に細く形成することにより、本
体をなす太軸部62aと、この太軸部62aの先端部に
形成したテーパ部62bと、テーパ部62bに続く細軸
部62cとを有する形状にした。この先端部の外周に、
タングステンコイルの表面に金メッキを施してなるコイ
ル64を装着し、コイル64の基部をろう材65で芯線
62のテーパ部62bの太軸部62a寄り位置に固着
し、コイル64及び芯線62の先端をろう材66で固着
して丸い頭部63を形成した。
【0050】こうして得られたガイドワイヤは、図12
に示したうず巻き状のチューブに保存した後でも優れた
回転伝達性を有しており、先端部をくせ曲げすることも
容易であった。
【0051】比較例1 直径0.4mmのステンレス線を、図2に示した方法に
より、機械的に伸直線加工した。この線材を長さ180
0mmに切断して芯線を得た。
【0052】こうして得られた芯線は、製造直後に図4
に示す方法でBの長さを求めたところ1mmであった。
更に、この芯線を直径200mmのループに巻いて72
時間保持し、その後、図4に示す方法でBの長さを求め
たところ35mmであった。
【0053】比較例2 直径0.4mmのステンレス線を、図3に示した方法に
より、600℃で15秒間熱直線加工した。この線材を
長さ1800mmに切断して芯線を得た。
【0054】こうして得られた芯線は、製造直後に図4
に示す方法でBの長さを求めたところ70mmであっ
た。更に、この芯線を直径200mmのループに巻いて
72時間保持し、その後、図4に示す方法でBの長さを
求めたところ、やはり70mmであった。
【0055】試験例 直径0.4mmのステンレス線を、図1に示した方法に
より、機械的に伸直線加工し、かつ、熱直線加工した。
ただし、熱処理の条件を変えて8種類の線材を作製し
た。これらの線材を長さ1800mmに切断して芯線を
得た。
【0056】こうして得られた芯線について、直径20
0mmのループに巻いて72時間保持した後、図4に示
す方法でBの長さを求めたところ、2mm、5m
m、6mm、7mm、10mm、13mm、
18mm、35mmの8種類であった。
【0057】これらの芯線について、図5に示した方法
で回転伝達性を測定した結果を、図6に示す。なお、図
6中の〜は、上記〜に対応している。
【0058】このように、芯線の直線度が高いほど、芯
線の基部側の回転角に比例して先端側が回転する傾向が
高くなり、ガイドワイヤにしたときの操作性が向上する
ことがわかる。
【0059】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のガイドワ
イヤによれば、芯線が高い直線度を有するので、優れた
回転伝達性が得られる。また、コイルを、太軸部よりも
小径のテーパ部内で芯線に接続したので、コイルの外径
が芯線の太軸部に比べて大径化することがない。更に、
コイルを、太軸部寄りのテーパ部端部寄りで芯線に接続
したので、コイルの長さを十分に確保でき、細軸部とあ
いまって、先端の柔軟性が確保できる。したがって、挿
入時の操作性のよいガイドワイヤを提供することができ
る。
【0060】また、本発明のガイドワイヤの製造方法に
よれば、機械的な伸直線加工を施した後、引き続いて熱
直線加工を行うことにより、高い直線度を有する芯線を
容易に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のガイドワイヤに用いる芯線の製造法の
一例を示す説明図である。
【図2】機械的な伸直線加工方法を示す説明図である。
【図3】熱直線加工方向を示す説明図である。
【図4】本発明における芯線の直線度の測定方法を示す
説明図である。
【図5】回転伝達性の測定方法を示す説明図である。
【図6】各種芯線の回転伝達性を測定した結果を示す図
表である。
【図7】一般的なカテーテルの挿入方法を示す説明図で
ある。
【図8】従来のガイドワイヤの一例を示す断面図であ
る。
【図9】ガイドワイヤの先端をくせ曲げする方法を示す
説明図である。
【図10】ガイドワイヤの先端をくせ曲げした状態を示
す説明図である。
【図11】ガイドワイヤを血管内に導くときの1例を示
す説明図である。
【図12】ガイドワイヤを保存するためのチューブを示
す平面図である。
【図13】本発明のガイドワイヤの1実施例を示す部分
断面図である。
【符号の説明】
11 線材 12 送り出しローラ 13 巻き取りローラ 14 矯正ローラ 15 加熱装置 21 芯線 53 カテーテル 54 ロータリーエンコーダ 61 ガイドワイヤ 62 芯線62a 太軸部 62b テーパ部 62c 細軸部 63 頭部 64 コイル 65、66 ろう材

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の矯正ローラ間を引き回す伸直線加
    工と、該伸直線加工に引き続いて線材を引張りながら熱
    処理する熱直線加工と、該熱直線加工を施した後に巻取
    りローラに巻取る工程とによって加工され、本体をなす
    太軸部と、この太軸部の先端部に形成したテーパ部と、
    テーパ部に続く細軸部とを有するバネ用弾性材料からな
    る芯線と、前記テーパ部の、前記太軸部寄り位置の外側において前
    記芯線と固定され、前記細軸部の外周を覆って前記細軸
    部の先端まで伸びる コイルと 前記細軸部先端をその中心に、前記コイルをその外周に
    固定した頭部とを備えている ことを特徴とする医療用ガ
    イドワイヤ。
  2. 【請求項2】 前記コイルは、金又は白金を含む請求項
    1記載の医療用ガイドワイヤ。
  3. 【請求項3】 前記コイルは、タングステンコイルの表
    面に金メッキを施してなる請求項1又は2記載の医療用
    ガイドワイヤ。
  4. 【請求項4】 バネ用弾性材料からなる線材を複数の矯
    正ローラ間に引き回して伸直線加工し、引き続いて該線
    材を引張りながら熱処理して熱直線加工を行い、その後
    巻取りローラに巻取って得られる線材を、所定長さに切
    断することによって芯線を形成し、 この芯線の先端部にテーパ部と該テーパ部に続く細軸部
    とを形成して、前記芯線の基部側の残りの部分を太軸部
    とすると共に、前記テーパ部の前記太軸部寄り位置の外
    側にコイルの基端を固定し、このコイルを前記細軸部の
    外周を覆って前記細軸部の先端まで伸ばし、 前記コイルの先端に頭部を形成して、前記コイルの先端
    を前記頭部の外周に固着すると共に、前記細軸部の先端
    を前記頭部の中心に固着することを特徴とする医療用ガ
    イドワイヤの製造方法。
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