JP6749140B2 - 医療用処置具 - Google Patents

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Description

本発明は、医療分野において操作者が手許で与えた回転を先端側に効率的に伝える機構に関し、例えば、内視鏡手術において内視鏡レンズに付着した異物を除去する処置具や、体腔内に生じた異物や狭窄部を除去もしくは排除するために用いられる医療用処置具に応用できる。
内視鏡を体内に挿入して検査や処置を行う際に、対物レンズや照明レンズに体液や組織片等の異物が付着すると視野が不良になり、検査や処置に影響を及ぼすおそれがある。このため、従来は内視鏡のノズルからレンズに向かって送気または送水することによって付着物を除去していた(特許文献1)。それでも除去できない場合には、内視鏡を人体から抜去して対物レンズの付着物を綿棒や綿布などで直接拭き取っていた。しかし、拭き取り後に再び内視鏡を人体に挿入する必要があり、処置時間が長引くことになるため、患者の身体的負担や術者の集中力の低下を引き起こすおそれがあった。
そこで、内視鏡の使用中であっても対物レンズに付着した異物を除去可能な清掃具が開発されている。例えば、特許文献2には内視鏡の処置具挿通路よりも長い長尺部材であって、弾性を示し環状に形成された先端部を有する長尺部材と、先端部の少なくとも外周面を被覆し、光学部材を清掃する清掃部材を備えた内視鏡清掃具が記載されている。清掃部材は、長尺部材が処置具挿通路に挿し通されて先端部が処置具挿通路から突出したとき、内視鏡の先端面に対向するものである。
また別の例として、血管内に生じた狭窄部において、ガイドワイヤやマイクロカテーテルなどの貫通デバイスを狭窄部に通過させ、血管の狭窄部の解消、血管の再開通を行う処置がある。このような処置では、貫通デバイスは、狭窄の原因となる物質を押しのけて排除し、狭窄部に進入、通過することが求められる。狭窄部は狭く、狭窄部の原因物質が硬い場合もあって、貫通デバイスで狭窄部を押すだけでは狭窄部を通過できない場合もあり課題となっている。そこで、血管内狭窄の例で、先端形状を工夫することで狭窄部を通過できるようなガイドワイヤが提案されている(特許文献3)。
特開2012−120701号公報 特開2014−204843号公報 特表2007−530130号公報
しかし、従来の医療用処置具の付着物の除去性能は未だ改善の余地があった。また、血管狭窄部など体腔管内の通過の課題においても、狭窄部を通過できない事例があり、さらに優れた管内通過性を有する医療用処置具が望まれていた。そこで、本発明は、固着した異物であっても除去しやすい医療用処置具を提供することを目的とする。
本発明者は、医療用処置具の付着物の除去性能の改善、特に固着した異物を除去するためには、近位側の回転トルクを遠位側に効率良く伝達することが必要である点に着目した。検討の中で、長尺である線状物と、線状物を内側に配置する筒状部材との間の摩擦力を低減して線状物を回転しやすくするよりもむしろ線状物と筒状部材を積極的に接触させることによって、遠位側に伝達される回転トルクを溜めることができる処置具の構成を見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明(以下、「第1発明」と称する)の医療用処置具は、筒状部材と、該筒状部材内に配置されている線状物と、該線状物の遠位側に接続されている遠位部材と、線状物の近位側に接続されている回転部材と、を有しており、線状物を回転部材との接続部においてα回転させたときに遠位部材はβ回転し、線状物を回転部材との接続部においてαからさらにγ回転させたときに遠位部材はβからさらにδ回転するものであり、α>β、γ<δである点に特徴を有する。なお、α、β、γ、δは回転角度(単位:度)である。接続部の角度がαと小さいとき、遠位部材にトルクが十分伝達されないため、遠位部材は接続部に比べて小さい角度であるβしか回転しない。しかし、さらに接続部をγ回転させて接続部の回転角度をα+γにしたときに、当該回転によるトルクが一気に遠位側に伝達されて遠位部材は急激に回転する。したがって、従来の処置具に比べて、本発明の処置具は遠位部材を高速に回転させることができ、対象物表面に強固に付着した異物や体腔管内の異物、狭窄部でも除去、排除しやすいものである。
αが150度のときにβが75度以下であり、γが90度のときに、β+δが192度以上であることが好ましい。α+γが240度のときに回転トルクが遠位部材に一気に伝達されるため、遠位部材の過回転を抑制しつつ付着物を除去するのに適している。
この場合、αが180度のときにβが90度以下であることが好ましい。接続部を半回転(180度回転)させても遠位部材は回転しにくいものであるため、接続部の回転角度がα+γのときに遠位部材に伝達されるトルクを大きくすることができる。
接続部の回転角度を30度ずつn回以上増加させたときに、遠位部材での回転角度の変化量Vが、接続部の回転角度(n−1)×30度における遠位部材での回転角度の変化量Vn−1の2倍以上となる接続部の回転角度n×30度が存在することが好ましい。ただし、nは2以上の整数である。接続部の回転角度n×30度における遠位部材での回転角度の変化量が(n−1)×30度の場合に比べて2倍以上であれば、遠位部材の回転速度を上げることができるため、より一層異物を除去しやすくなる。
また、上記課題を解決した他の態様の本発明(以下、「第2発明」と称する)の医療用処置具は、筒状部材と、該筒状部材内に配置されている線状物と、該線状物の遠位側に接続されている遠位部材と、線状物の近位側に接続されている回転部材と、を有しており、回転部材を筒状部材内で回転させたときの線状物の最大回転直径が線状物の最小外径よりも大きい部分を有しているか、または筒状部材の内側に幅狭部を有していることを特徴とするものである。
線状物の最大回転直径が筒状部材の最小内径以上であることが好ましい。これにより、筒状部材の最小内径を形成する部分では、線状物と筒状部材が接触しやすくなる。
線状物の最大回転直径が筒状部材の最小内径以上である部分が、筒状部材の遠位側に配置されていることが好ましい。線状物と筒状部材の接触部から遠位部材までの距離を短くすることができ、トルクの伝達ロスを減少できるため好ましい。
筒状部材の内側面は、最小内径を形成する部分の表面粗さRaが0.8μm以上であることが好ましい。筒状部材の内側面の表面粗さを上記範囲に設定することによって、筒状部材と線状物との間に働く摩擦力を大きくできる。
線状物は径方向外側に凸となる部分を有していることが好ましい。これにより、線状物の上記凸となる部分で線状物と筒状部材が接触しやすくなる。
本発明の医療用処置具は、従来の処置具に比べて、遠位部材を高速に回転させることができるため、対象物表面に強固に付着した異物や体腔管内の異物、狭窄部でも除去、排除しやすいものである。
本発明の医療用処置具の平面図(一部断面図)を表す。 第1発明を説明する模式図を表す。 図1のA部分を拡大した平面図(一部断面図)を表す。 バルーン部を有する線状物の態様を示す平面図(一部断面図)を表す。 凸部を有する線状物の態様を示す平面図(一部断面図)を表す。 凸部を有する線状物の他の態様を示す平面図(一部断面図)を表す。 コイル部を有する線状物の態様を示す平面図(一部断面図)を表す。 コイル部を有する線状物と幅狭部を有する筒状部材の態様を示す平面図(一部断面図)を表す。 コイル部を有する線状物と幅狭部を有する筒状部材の他の態様を示す平面図(一部断面図)を表す。 屈曲部を有する線状物と貫通口を有する筒状部材の態様を示す平面図(一部断面図)を表す。 屈曲部を有する線状物と貫通口を有する筒状部材の態様を示す斜視図を表す。 屈曲部を有する線状物と貫通口を有する筒状部材の態様を示す斜視図を表す。 回転部材との接続部の回転角度に対する遠位部材の回転角度の変化量を示したグラフを表す。
以下、下記実施の形態に基づき本発明をより具体的に説明するが、本発明はもとより下記実施の形態によって制限を受けるものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。なお、各図面において、便宜上、ハッチングや部材符号等を省略する場合もあるが、かかる場合、明細書や他の図面を参照するものとする。また、図面における種々部材の寸法は、本発明の特徴の理解に資することを優先しているため、実際の寸法とは異なる場合がある。
本発明の医療用処置具は、内視鏡下での処置の際に、内視鏡レンズ面の異物の除去のために内視鏡の鉗子チャンネルを介して一部が体内に挿入される処置具や、血管内の狭窄部の貫通処置の際に、閉塞部の異物の除去、再開通のために血管内に挿入される処置具、カテーテル等の体内留置具を挿入しやすくするガイド用器具等として用いられるものである。本明細書では単に「処置具」と記載することもある。
本発明において、軸方向とは筒状部材や線状物の長軸方向を指し、軸方向において近位側とは使用者の手元側の方向を指し、遠位側とは近位側の反対方向を指す。また、本発明において径方向とは筒状部材や線状物の径方向を指し、径方向において内方とは筒状部材や線状物の中心側に向かう方向を指し、外方とは筒状部材や線状物の放射方向を指す。
図1は、本発明に係る処置具全体を示す平面図を表す。図1に示すように、本発明の処置具1は、筒状部材10と、該筒状部材10内に配置されている線状物20と、該線状物20の遠位側に接続されている遠位部材30と、線状物20の近位側に接続されている回転部材40と、を有している。
そして、第1発明の処置具1は、線状物20を回転部材40との接続部50において、α回転させたときに遠位部材30はβ回転し、線状物20を回転部材40との接続部50において、αからさらにγ回転させたときに遠位部材30はβからさらにδ回転するものであり、α>β、γ<δであることを特徴とするものである。なお、α、β、γ、δは回転角度(単位:度)である。接続部50の角度がαと小さいとき、遠位部材30にトルクが十分伝達されないため、遠位部材30は接続部50に比べて小さい角度であるβしか回転しないが、接続部50をγ回転させて接続部50の回転角度をα+γにしたときに、当該回転によるトルクが一気に遠位側に伝達されて遠位部材30は急激に回転する。したがって、従来の処置具1に比べて、本発明の処置具1は遠位部材30を高速に回転させることができ、対象物表面に強固に付着した異物や体腔管内の異物、狭窄部でも除去、排除しやすいものである。
また、第2発明の処置具1は、回転部材40を筒状部材10内で回転させたときの線状物20の最大回転直径が線状物20の最小外径よりも大きい部分を有しているか、または筒状部材10の内側に幅狭部12を有していることを特徴とするものである。これにより、筒状部材10と線状物20が接触しやすい部分(以下、「接触部60」という)が形成されて、筒状部材10と線状物20の間には摩擦力が働く。このため、回転部材40の回転角度が小さいときには、そのトルクは遠位部材30には伝達されにくいが、回転部材40の回転角度を大きくしていくと、回転トルクが上記摩擦力による制動トルクを超えて、線状物20の回転が一気に遠位部材30に伝達されるため、遠位部材30を高速に回転させることができる。
まず、第1発明、第2発明を構成する各部材について説明する。
(1)各部材の構成
(1−1)筒状部材
筒状部材10は、内腔に線状物20が配置されるものである。筒状部材10は、内視鏡の鉗子口から鉗子チャンネル内を通って異物の近くに搬送するまでの間に、遠位部材30が内視鏡内の鉗子口、鉗子チャンネル内、異物以外の体内組織等を傷付けることを防止する。
筒状部材は、体腔内の形状に沿って屈曲する可撓性と、処置対象組織まで確実に到達する剛性の両方をバランス良く兼ね備えていることが望ましい。このため、筒状部材は、例えば、合成樹脂から形成された筒体、コイル状の金属や合成樹脂によって形成された筒体や、短筒状の関節駒を軸方向に複数連結して回動可能にした筒体が用いられるが、中でも合成樹脂から形成された筒体が好ましく用いられる。また、筒状部材と線状物との位置関係を術者が目視で確認できるように、筒状部材は透明または半透明な材料から形成されていることが好ましい。また、筒状部材の内面は粗面処理を施されていることが好ましい。粗面処理の方法としては、筒状部材内にやすりを通す方法、薬剤による方法、サンドブラスト、筒状部材の製造時の押出成形機の押出用金型に凹凸をつける方法などが挙げられる。
筒状部材の肉厚は特に制限されないが、可撓性と剛性を両立するために、例えば、70μm以上であることが好ましく、150μm以上であることがより好ましく、200μm以上であることがさらに好ましく、また、400μm以下であることが好ましく、300μm以下であることがより好ましく、250μm以下であることがさらに好ましい。
筒状部材を形成する合成樹脂としては、例えば、ナイロン等のポリアミド樹脂、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)等のポリオレフィン樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)等のポリエステル樹脂、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)等の芳香族ポリエーテルケトン樹脂、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)等のフッ素樹脂、ポリイミド樹脂等の合成樹脂を用いることができる。
筒状部材の軸方向の長さは、内視鏡の鉗子口から穿刺対象の組織部位までの距離等を考慮して設定すればよく、例えば、2500mm、1950mm、1500mmにすることができる。
(1−2)線状物
線状物20は、筒状部材10内に配置されるものであり、線状物20の遠位側には遠位部材30が接続されており、近位側には回転部材40が接続されている。線状物は、近位側の回転部材40の回転トルクを遠位部材30に伝達する役割を有するとともに、遠位部材30を軸方向に進退可能にする。本発明の観点から、線状物20の直径は0.2から0.5mm程度であることが好ましい。
線状物は単線であってもよく、複数の単線から形成される撚り線であってもよい。線状物は、中実状であってもよく、中空状であってもよい。中空状の場合、内腔を通じて気体や液体を遠位側に放出することができる。さらに、弾性特性やコスト等を勘案して、複数の線状物が軸方向に接続されていてもよい。線状物同士は、ねじ、カシメ等の接続部材による機械的な固定の他、溶接や接着等の方法により接続されていてもよい。例えば、管状の接続具(図示せず)を介して、線状物同士が接続されていてもよい。
線状物は、弾性を有する材料から形成される。例えば、ステンレス鋼、医療用ステンレスである316Lステンレス、タンタル、Ni−Ti系合金、Fe−Mg−Si系合金、Co−Cr系合金、Co−Ni系合金、炭素鋼等の金属線材や、ポリアミド樹脂等の超弾性樹脂を用いることができる。特に、弾性特性、加工性、生体適合性に優れる点で、Ni−Ti系合金を好ましく用いることができる。また、Ni−Ti系合金の中でも、特に約50質量%〜約60質量%のニッケルを含む合金を好ましく用いることができる。
(1−3)遠位部材
遠位部材30は、線状物20の遠位側に接続されている部材であって、体内の異物や汚れを除去するものである。具体的には、バルーンやステントの挿通路を確保するために挿入されるガイドワイヤ;異物による狭窄または閉塞を解消するためのニードル、ドリル、ダイヤモンドチップを有するローターブレーダー等の除去部材;体内に挿入されている器具の清掃を行うためのブラシ、スポンジ、柔軟なプラスチック片、不織布等の清掃部材が挙げられる。遠位部材を血管内などの体腔管内を通過させる場合には、遠位部材は先端に螺旋状の溝が設けられたドリルや、針状の先端形状であってもよい。また、遠位部材の先端を粗面にしたり、硬度を高めるなどしてもよい。
ガイドワイヤや除去部材の材料としては、上記線状物と同様の材料が好ましく選択される。また、除去部材や清掃部材の材料は、ナイロン、ポリプロピレン、塩化ビニル、ポリアミド、ポリエステル、アクリル、ポリウレタン、ポリスチレン、ポリオレフィン、シリコーン、レーヨン、ゴム、ナイロンエラストマー、エステルエラストマー、ウレタンエラストマー、オレフィンエラストマー、綿、絹など、種々の材料を選択することができる。
異物を除去しやすくするために、遠位部材30は、線状物20の遠位端を含む部分に接続されていることが好ましい。
遠位部材30よりも近位側、例えば、内視鏡の対物レンズや照明レンズに付着している異物を除去する場合、遠位部材30が接続されている部分よりも近位側、または遠位部材30が接続されている部分で、線状物20が屈曲していてもよい。
他方、遠位部材30よりも遠位側にある異物を除去する場合には、線状物20の遠位端部は直線状であってもよく、屈曲していなくてもよい。
図1では、線状物20の遠位端部に清掃部材としてのブラシが接着剤により接続されている。このように、遠位部材30が線状物20と直接接続されていてもよい。また、遠位部材30が線状物20と間接的に接続されていてもよい。すなわち、図示しない連結具を介して遠位部材30が線状物20と接続されていてもよい。連結具は、例えば長手方向の両端部に中空部を有する棒状体や、長手方向に沿って内腔を有する管状体であってもよい。例えば、連結具の一方に線状物20の遠位側が接続されており、連結具の他方に遠位部材30が接続されていてもよい。連結具は、線状物20や遠位部材30の好ましい材料として列挙した材料から適宜形成される。
(1−4)回転部材
回転部材40は、線状物20に接続されている部材であって、遠位部材30を回転させるために設けられる。回転部材40と線状物20は直接接続されていてもよく、間接的に接続されていてもよい。図1に示すように、回転部材40は使用者が把持するハンドルとしての機能を兼ねていてもよい。使用者は、回転部材40を回転操作することにより、線状物20を介して遠位部材30を軸方向に回転させることができる。回転部材をハンドルとして使用する場合には、ハンドルを掴みやすくするために、回転部材の外径は、筒状部材10の外径よりも大きいことが好ましい。これにより、効率的に線状物20の近位側を回転させることができる。また、ハンドルの機能を兼ねる回転部材の大きさは、例えば、軸方向において1cm以上10cm以下、径方向において3mm以上3cm以下に設定できる。回転部材の材料としては、例えば、ABSやポリカーボネート等の合成樹脂や、ポリウレタン発泡体等の発泡プラスチックを用いることができる。
図示していないが、処置具1は、さらに回転部材40に接続されているハンドルを有していてもよい。使用者はハンドルを操作することにより回転部材40を回転可能であり、これにより線状物20を軸方向に回転可能であることが好ましい。
また、ギア(図示せず)を介して回転部材40と線状物20が接続されていてもよい。回転部材40の回転数よりも線状物20の回転数を大きくできるため、回転部材40を回転させるための術者の手元側の動きを小さな範囲に抑えつつ、遠位側の回転数を稼ぐことができる。
なお、本発明において、線状物20と回転部材40との接続部50は、線状物20と回転部材40が直接接続されているとき(図1)には互いに当接している部分を意味し、線状物20と回転部材40が他の部材を介して間接的に接続されているとき(図示せず)には、当該他の部材を意味する。
線状物20と遠位部材30や、線状物20と回転部材40、接続部50と他の部材は、ねじ、カシメ等の接続部材による機械的な固定の他、溶接や接着等の方法により接続されていてもよい。線状物20と遠位部材30は、単線の線状物20の遠位端部を折り返して、当該折り返した部分の2本の線状物20の間に遠位部材30を配置し、2本の線状物20を撚ることによって線状物20に遠位部材30を挟み込んでもよい。また、線状物20が複数の単線から形成されている撚り線であり、当該撚り線を形成する単線同士の間に遠位部材30が挟み込まれることにより、線状物20と遠位部材30が接続されていてもよい。
(2)第1発明
第1発明の処置具1について、図2に示す模式図を用いて説明する。第1発明の処置具1は、線状物20を回転部材40との接続部50において回転角度αで回転させたときの遠位部材30の回転角度をβとし、上記接続部50において回転角度αからさらにγ回転させたときに遠位部材30はβからさらにδ回転するものであり、α>β、γ<δである。
本発明において、線状物20を回転部材40との接続部50においてαからさらにγ回転させるとは、1回の回転操作で回転角度をγにすることだけでなく、複数回の回転操作の回転角度の和がγであることも含む。後者の場合、例えばαからさらに回転角度γ、γ、γと3回回転させた回転角度の合計がγ(つまり、γ=γ+γ+γ)であってもよい。
αの大きさは、βの大きさの2倍以上であることが好ましく、3倍以上であることがより好ましく、4倍以上であることがさらに好ましく、5倍以上であることが特に好ましい。αとβの差が大きいとは、接続部50の回転角度が小さいときには、遠位部材30が接続部50の回転に追従しにくいが、その分、接続部50の回転が所定角度(α+γ)に到達したときに遠位側に伝達されるトルクを大きくでき、遠位部材30の回転が速くなることを意味している。
接続部50の回転角度がα+γのときに遠位部材30に伝達されるトルクを大きくするためには、α〜δを次のように設定することができる。
αは、例えば、360度以下(1回転以下)であってもよく、240度以下であってもよく、180度以下(半回転以下)であってもよく、150度以下であってもよい。αは、10度以上であってもよく、20度以上であってもよく、30度以上であってもよい。
βはαの80%以下の回転角度であることが好ましく、より好ましくは65%以下、さらに好ましくは50%以下である。
γは、αよりも大きいことが好ましく、より好ましくはαの2倍以上、さらに好ましくはαの3倍以上、さらにより好ましくはαの4倍以上、特に好ましくはαの5倍以上である。
β+δ≧α+γであることが好ましく、β+δ>α+γであることがより好ましい。接続部50の回転トルクの遠位部材30側への伝達ロスが少なくなる。
α+γは、360度以上(1回転以上)であることが好ましく、720度以上(2回転以上)であることがより好ましく、1080度以上(3回転以上)であることがさらに好ましく、1440度以上(4回転以上)であることがさらにより好ましく、1800度以上(5回転以上)であることが特に好ましい。
αが150度のときにβが75度以下であり、γが90度のときに、β+δが192度以上(より好ましくは216度以上、さらに好ましくは228度以上)であることが好ましい。回転部材40との接続部50における回転角度、つまりα+γが240度のときに、回転トルクが遠位部材30に一気に伝達される。
αが180度のときにβが90度以下であることが好ましい。接続部50を半回転(180度回転)させても遠位部材30は回転しにくいものであるため、接続部50の回転角度がα+γのときに遠位部材30に伝達されるトルクを大きくすることができる。
本発明の処置具1は、回転部材40との接続部50を回転角度を徐々に増加させたときに、はじめは遠位部材30が回転部材40に追従して回転しにくいものであるが、所定の回転角度(α+γ)に到達したときに、回転トルクが一気に遠位部材30に伝達されるものであることが好ましい。したがって、接続部50の回転角度を30度ずつn回以上増加させたときに、遠位部材30での回転角度の変化量Vが、接続部50の回転角度(n−1)×30度における遠位部材30での回転角度の変化量Vn−1の2倍以上となる接続部50の回転角度n×30度が存在することが好ましい。ただし、nは2以上の整数である。接続部50の回転角度n×30度における遠位部材30での回転角度の変化量が(n−1)×30度の場合に比べて2倍以上であれば、遠位部材30の回転速度を高めることができるため、より一層異物を除去しやすくなる。接続部50の回転角度n×30度における遠位部材30での回転角度の変化量Vは、接続部50の回転角度(n−1)×30度における遠位部材30での回転角度の変化量Vn−1の3倍以上であることがより好ましく、さらに好ましくは4倍以上、特に好ましくは5倍以上である。
(3)第2発明
次に、第2発明の処置具1について説明する。第2発明に係る処置具1は、回転部材40を筒状部材10内で回転させたときの線状物20の最大回転直径20rmaxが線状物20の最小外径20rminよりも大きい部分を有しているか、または筒状部材10の内側に幅狭部12を有している。
線状物20は、回転部材40を筒状部材10内で回転させたときの最大回転直径20rmaxが最小外径よりも大きい部分を有していることが好ましい。回転部材40との接続部50を回転させたときに、線状物20の最大回転直径20rmaxを形成する部分と筒状部材10が接触しやすくなる。ここで、線状物20の最大回転直径20rmaxは、回転部材40を筒状部材10内で回転させたときに、回転部材40との接続部50よりも遠位側における線状物20の最大回転直径20rmaxを意味し、線状物20の最小外径20rminとは、回転部材40との接続部50よりも遠位側における線状物20の最小外径20rminを意味する。
線状物20と筒状部材10を接触しやすくするために、線状物20の最大回転直径20rmaxは、線状物20の最小外径20rminの2倍以上であることが好ましく、3倍以上であることがより好ましく、4倍以上であることがさらに好ましく、5倍以上であることが特に好ましい。
線状物20の最大回転直径20rmaxが最小外径20rminよりも大きい部分が、線状物20の遠位側に設けられることが好ましい。線状物20と筒状部材10の接触部60が線状物20の遠位側に配置されやすくなり、接触部60よりも近位側に蓄積されるトルクを大きくすることができる。また、接触部60から遠位部材30までの距離が短いほど、接続部50の回転角度を大きくしたときに遠位部材30側に伝達されるトルクの伝達ロスを減少できるため好ましい。
線状物20の最大回転直径20rmaxが、筒状部材10の最小内径以上であることが好ましい。これにより、筒状部材10の最小内径を形成する部分では、線状物20と筒状部材10が接触しやすくなる。より接触しやすくするためには、線状物20の最大回転直径20rmaxが、筒状部材10の最小内径よりも大きいことが好ましく、線状物20の最大回転直径20rmaxが、筒状部材10の最小内径の1.1倍以上であることがより好ましく、1.2倍以上であることがさらに好ましい。
線状物20の最大回転直径20rmaxが筒状部材10の最小内径以上である部分が、筒状部材10の遠位側に配置されていることが好ましい。線状物20と筒状部材10の接触部から遠位部材30までの距離を短くすることができ、トルクの伝達ロスを減少できるため好ましい。
次に、線状物20と筒状部材10を接触しやすくするための具体的な構成について説明する。
図3は、図1のA部分を拡大した平面図を表す。図3に示すように、線状物20は、回転部材40を筒状部材10内で回転させたときに径方向外側に凸となる屈曲部22を有していてもよい。屈曲部22は、線状物20を所望の角度で折り曲げることによって好ましく形成される。
線状物20の屈曲部22の形状は特に制限されないが、筒状部材10と接触しやすくするために、屈曲部22の一部が、筒状部材10の軸方向と平行であることが好ましい。
図3に示すように、製造容易性の観点から屈曲部22は1つであることが好ましい。図示していないが、線状物20と筒状部材10の接触面積を大きくするために、屈曲部22は複数設けられていてもよい。この場合、一の屈曲部22と他の屈曲部22とは、互いに周方向に並んで配置されていてもよく、軸方向に並んで配置されていてもよい。
線状物20の屈曲部22と筒状部材10を接触しやすくするために、図3に示すように、線状物20の屈曲部22は最大回転直径20rmaxを形成する部分21を有していることが好ましい。
屈曲部22の軸方向長さ(屈曲部22が複数設けられている場合は、最遠位にある屈曲部22の遠位端から最近位にある屈曲部22の近位端までの軸方向の距離)は、例えば、筒状部材10の軸方向の長さの5%以下であることが好ましく、より好ましくは3%以下、さらに好ましくは1%以下である。
別の態様としては、図4に示すように線状物20はバルーン部23を有していてもよい。具体的には、線状物20の外側に管状体が配置されており、管状体の内側面が線状物20の外側面に固定される結果、線状物20に径方向に拡縮可能なバルーン部23が形成されている。バルーン部23に送気または送液することによって径方向外方に膨張するため、バルーン部23で線状物20と筒状部材10を接触させやすくなる。また、バルーン部23内の気体または液体を抜くことによって、バルーン部23を収縮させることができるため、線状物20と筒状部材10との接触を解除することもできる。
図4に示すように、バルーン部23は、最大回転直径20rmaxを形成する部分21を有していることが好ましい。バルーン部23の軸方向長さは、上述した線状物20の屈曲部22と同様に設定することができる。
さらに別の態様として、図5〜図6に示すように、線状物20は、径方向外側に凸となる部分(以下、「凸部」と記載する)を有していることが好ましい。図5に示すように、凸部24は線状物20の外側面に直接設けられていてもよい。また、図6に示すように、環状部材25内に線状物20が配置されており、該環状部材25は外側面上に凸部26を有していてもよい。環状部材25の軸方向の位置を調整することによって、遠位部材30に伝達されるトルクの大きさを調節することができる。
筒状部材10の内側面との接触面積を大きくするために、凸部の外方端部は面状に形成されていることが好ましい。また、筒状部材10の内側面が過度に傷つけられることを抑制するために、回転部材40を回転させたときに、凸部の少なくとも外方端部の形状が、球体状もしくは楕円球体状、または球状部分が径方向外方を向くように配置される半球体状もしくは楕円半球体状であることが好ましい。
線状物20と筒状部材10の過度の接触を抑制し、回転部材40による回転操作を行いやすくするために、凸部は、線状物20の周方向の一部に設けられていることが好ましく、より好ましくは半周以下の領域、さらに好ましくは4分の1周以下の領域に設けられる。
図5〜図6では、線状物20に凸部が1つ設けられている例を示したが、線状物20と筒状部材10の接触面積を大きくするために、凸部が複数設けられてもよい。複数の凸部は、軸方向に互いに隣接して設けられていることが好ましい。軸方向において一の凸部と他の凸部と離間距離は、軸方向における最長の凸部の長さの2倍以下であることが好ましく、より好ましくは1.5倍以下、さらに好ましくは1倍以下である。複数の凸部が上記範囲で設けられれば、回転部材40を所定の角度で回転させたときに遠位部材30に伝達されるトルクの減衰を抑制できる。なお、凸部は弾性を有する材料から形成されていることが好ましい。同様に、環状部材は弾性を有する材料から形成されていることが好ましい。凸部は、最大回転直径20rmaxを形成する部分21を有していることが好ましい。凸部の軸方向長さは、上述した線状物20の屈曲部22と同様に設定できる。
またさらに別の態様として、図7に示すように、線状物20はらせん状に巻回されている部分(以下、「コイル部」という)を有していてもよい。コイル部27の外径は一定であってもよく、遠位側に向かって外径が小さくなっていてもよく、遠位側に向かって外径が大きくなっていてもよい。回転部材40を回転させるとコイル部27の近位側では外径が小さくなるため、筒状部材10と接触しにくくなる。したがって、コイル部27の外径は一定であるか、または遠位側に向かって外径が大きくなっていることが好ましい。これにより、回転部材40を回転させても、コイル部27の遠位側と筒状部材10が接触しやすいため、線状物20と回転部材40の接続部50における回転角度が所定の角度に到達したときに遠位部材30に伝達されるトルクを大きくすることができる。線状物20の巻回数は特に制限されないが、例えば、1回以上であることが好ましく、より好ましくは3回以上、さらに好ましくは5回以上、特に好ましくは10回以上である。筒状部材10との過接触を抑制するために、線状物20の巻回数は、30回以下であることが好ましく、より好ましくは25回以下、さらに好ましくは20回以下である。コイル部27は、最大回転直径20rmaxを形成する部分21を有することが好ましい。コイル部27の軸方向長さは、上述した線状物20の屈曲部22と同様に設定できる。
図8〜図9に示すように、第2発明は、筒状部材10の内側に幅狭部12を有していることを特徴とするものでもある。筒状部材10の幅狭部12は、内径が筒状部材10の最大内径10rmaxよりも小さい部分である。線状物20と筒状部材10を接触しやすくするために、幅狭部12は、筒状部材10の最小内径10rminを形成する部分11を有することが好ましい。また、幅狭部12の内径が、線状物20の最大回転直径20rmax以下の大きさであることが好ましい。
図8に示すように、筒状部材10の外径が一定であり、幅狭部12の肉厚が他の部分よりも厚く形成されていてもよい。このような筒状部材10は、例えば、筒状部材10の製造の押出し工程時に一部区間の内径を小さくすることにより形成することができる。また、図9に示すように、筒状部材10の肉厚は一定であって、幅狭部12の内径が小さくなるように形成されていてもよい。筒状部材10を外側から押圧して外径及び内径を小さくすることにより幅狭部12を形成することができる。
筒状部材10の軸方向に沿った断面において、幅狭部12の一部が段差を有していてもよい。線状物20は段差に引っ掛かりやすくなるため、線状物20と筒状部材10が接触しやすくなる。幅狭部12の一部が遠位側または近位側に向かって傾斜していてもよい。線状物20を軸方向に進退させるときに筒状部材10の幅狭部12に引っ掛かって抜けにくくなることを抑制できる。
幅狭部12を有する筒状部材10と、図3で示した屈曲部22を有する線状物20を組み合わせる場合、軸方向において、筒状部材10の幅狭部12は、線状物20の屈曲部22よりも長くてもよく、短くてもよく、同じ長さであってもよい。線状物20と筒状部材10を接触しやすくするためには、軸方向において、筒状部材10の幅狭部12は線状物20の屈曲部22よりも長いことが好ましい。同様の効果を得るためには、軸方向において、筒状部材10の幅狭部12は、線状物20の屈曲部22の最大回転直径20rmaxを形成する部分よりも長いことが好ましい。
幅狭部12を有する筒状部材10と、バルーン部23、凸部、コイル部27の少なくともいずれか一つを有する線状物20の軸方向長さの関係は、上記屈曲部22を有する線状物20と組み合わせる場合と同様に設定できる。
図示していないが、筒状部材10の内側面は、最小内径を形成する部分の表面粗さRaが0.8μm以上であることが好ましく、1.0μm以上であることがより好ましく、1.2μm以上であることがさらに好ましい。筒状部材10の内側面の表面粗さを上記範囲に設定することによって、筒状部材10と線状物20との間に働く摩擦力が大きくすることができる。これにより、回転部材40を回転させたときの線状物20の回転トルクを妨げる制動トルクが大きくなるため、遠位部材30が急激に回転する接続部50の回転角度を大きくすることができる。また、筒状部材10と線状物20との過接触を抑制するために上記表面粗さRaは例えば20μm以下であってもよい。
回転部材40を回転させたときに遠位部材30に伝達されずに蓄積されるトルクを大きくするために、筒状部材10の側面には、内側と外側を連通させる貫通口が形成されていることが好ましい。上記効果を得るために、筒状部材10の内側面に溝(図示せず)が形成されていてもよい。具体的には、筒状部材10の側面に貫通口または内側面に溝が形成されており、線状物20の最大回転直径20rmaxを形成する部分21が当該溝または貫通口に係合することが好ましい。以降で、貫通口および溝を「貫通口等」と称することがある。溝の場合には、筒状部材10の側部から線状物20が露出せず、安全上好ましい。他方、貫通口の場合には、線状物20と筒状部材10を係合させやすくなる。
図10は屈曲部22を有する線状物20と貫通口13を有する筒状部材10の態様を示す平面図を表し、図11〜図12は、屈曲部22を有する線状物20と貫通口13を有する筒状部材10の態様を示す斜視図を表し、図10〜図11は、線状物20と筒状部材10の係合状態を表し、図12は解除状態を表す。図10〜図11に示すように、線状物20が筒状部材10の貫通口13と係合していると、回転部材40との接続部50で線状物20を回転させても回転トルクは遠位部材30に伝達されにくいが、回転部材40側(線状物20の近位側)にはトルクが蓄積されやすい。所望の回転角度を得たところで、図12に示すように、線状物20を遠位側(C方向)に前進させて線状物20と筒状部材10の係合を解除すると、蓄積されていたトルクは一気に遠位部材30に伝達される。このため、筒状部材10に溝または貫通口13が設けられない態様と比較して、遠位部材30をより一層高速に回転させることができる。
筒状部材10の貫通口等の形状は、線状物20と係合するものであればよいが、例えば、筒状部材10の外側面から見て多角形状、円形状、楕円形状等にすることができる。
筒状部材10の溝の深さは、筒状部材10の厚みよりも浅く形成されている限り特に制限されず、例えば、30μm以上であることが好ましく、より好ましくは50μm以上、さらに好ましくは100μm以上である。また、筒状部材10の強度を確保するために、400μm未満であることが好ましく、より好ましくは300μm以下、さらに好ましくは200μm以下である。
筒状部材10の強度を確保するために、貫通口等は、筒状部材10の全周を100%としたときに、40%以下の範囲に設けられることが好ましく、より好ましくは30%以下である。線状物20と筒状部材10の係合操作を行いやすくするために、周方向において筒状部材10の全周を100%としたときに、貫通口等は5%以上の範囲に設けられることが好ましく、より好ましくは10%以上の範囲に設けられる。
貫通口等を有する筒状部材10と、図3で示した屈曲部22を有する線状物20を組み合わせる場合、軸方向において、筒状部材10の貫通口等は、線状物20の屈曲部22よりも長くてもよく、短くてもよく、略同じ長さであってもよい。筒状部材10と線状物20を係合しやすくするために、筒状部材10の貫通口等は、線状物20の最大回転直径20rmaxを形成する部分21以上の長さを有することが好ましい。
本実施例では、1箇所の幅狭部を有する筒状部材内に直線状の線状物が配置されており、線状物の近位側に回転部材が直接接続されており、遠位側に遠位部材が接続されている処置具を用いた。回転部材との接続部の回転角度を30度ずつ増加させたときの遠位部材の回転角度A、遠位部材の回転角度Bの計測結果と、今回の遠位部材の回転角度(B)と前回の遠位部材の回転角度(Bn−1)の差分値を変化量Cとして表1に示す。図13には、回転部材の接続部の回転角度Anと遠位部材の回転角度の変化量Cn(3回平均値)の関係を示す。本実験では、n=1でA=30度とした後は、Aの状態からさらに30度回転させてA=60度とし、次いでAの状態からさらに30度回転させてA=90度にする操作を行ったため、接続部の回転角度を毎回0度に戻す操作は行わなかった。
表1および図13に示すように、回転部材との接続部の回転角度Aが210度以下のときには、遠位部材の回転角度の変化量Cの3回平均値は5度〜23度と小さい。これに対して、回転部材との接続部の回転角度Aが240度(n=8)の場合、遠位部材の回転角度の変化量C(3回平均値)は157度であり、接続部の回転角度が210度(n=7)のときのCの約6.8倍以上の値になった。したがって、実施例1に係る処置具は、回転部材との接続部の回転角度を240度としたときに、回転トルクが一気に遠位側に伝わることにより遠位部材を高速に回転させることができる。なお、接続部の回転角度が270度のときには、遠位部材の回転角度の変化量は27度まで増加したが、これは接続部の回転角度が240度のときに遠位側にトルクが完全に伝達されずに僅かに残っていたため、n=1のときに比べて遠位部材の回転角度が大きくなったと考えられる。
1:医療用処置具
10:筒状部材
11:最小内径を形成する部分
12:幅狭部
13:貫通口
20:線状物
20rmax:線状物の最大回転直径
21:最大回転直径を形成する部分
22:屈曲部
23:バルーン部
24、26:凸部
25:環状部材
27:コイル部
30:遠位部材
40:回転部材
50:接続部
60:接触部

Claims (9)

  1. 筒状部材と、
    該筒状部材内に配置されている線状物と、
    該線状物の遠位側に接続されている遠位部材と、
    前記線状物の近位側に接続されている回転部材と、を有しており、
    前記線状物を前記回転部材との接続部においてα回転させたときに前記遠位部材はβ回
    転し、
    前記線状物を前記回転部材との接続部においてαからさらにγ回転させたときに前記遠
    位部材はβからさらにδ回転するものであり、
    α>β、γ<δであり、
    αが150度、γが90度のときに、βが75度以下であり、β+δが192度以上であり、
    前記線状物は径方向外側に凸となる凸部を有していることを特徴とする医療用処置具。
    なお、α、β、γ、δは回転角度(単位:度)である。
  2. αが180度のときにβが90度以下である請求項に記載の医療用処置具。
  3. 前記接続部の回転角度を30度ずつn回以上増加させたときに、
    前記遠位部材での回転角度の変化量Vnが、前記接続部の回転角度(n−1)×30度
    における前記遠位部材での回転角度の変化量Vn-1の2倍以上となる前記接続部の回転角度n×30度が存在する請求項1または2に記載の医療用処置具。
    ただし、nは2以上の整数である。
  4. 前記凸部は、屈曲部である請求項1〜3のいずれか一項に記載の医療用処置具。
  5. 前記凸部は、前記線状物の表面に設けられている突起である請求項1〜3のいずれか一項に記載の医療用処置具。
  6. 前記凸部は、前記線状物の径方向に拡縮可能なバルーン部である請求項1〜3のいずれか一項に記載の医療用処置具。
  7. 前記凸部は、前記線状物がらせん状に巻回されているコイル部である請求項1〜3のいずれか一項に記載の医療用処置具。
  8. 前記線状物を回転させたときに前記凸部が前記筒状部材と接触する請求項1〜7のいずれか一項に記載の医療用処置具。
  9. 前記凸部が前記線状物の長手方向の中途部に位置している請求項1〜8のいずれか一項に記載の医療用処置具。
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