JPH08308934A - 医療用のチューブ - Google Patents

医療用のチューブ

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JPH08308934A
JPH08308934A JP7146735A JP14673595A JPH08308934A JP H08308934 A JPH08308934 A JP H08308934A JP 7146735 A JP7146735 A JP 7146735A JP 14673595 A JP14673595 A JP 14673595A JP H08308934 A JPH08308934 A JP H08308934A
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JP
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tube
shape memory
tip
memory alloy
alloy tube
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JP7146735A
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Inventor
Tsutomu Kato
勉 加藤
Masatoshi Fujiwara
正利 藤原
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Piolax Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 基部側では適度な剛性を有し、先端部では柔
軟性に優れていて、血管等の体腔内への挿入が容易であ
り、しかも耐圧性に優れ、外径に比べて内径を大きくと
れる医療用チューブを提供する。 【構成】 形状記憶合金チューブ32の先端部の変態点
が基部側に比べて高くなるように、好ましくは基部側の
変態点が20℃以下、先端部の変態点が40℃以上とな
るように形成する。そして、形状記憶合金チューブ32
の先端部に、連続した螺旋状の溝34、又は、全体とし
て螺旋状又は所定間隔で配列された環状をなし、ところ
どころが連結部によって途切れた形状をなす溝を形成
し、この金属チューブ32の外周を樹脂チューブ33又
は樹脂被膜で被覆して医療用チューブ31を構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、各種用途に用いられる
カテーテルなどとして好適な医療用のチューブに関す
る。
【0002】
【従来の技術】周知のように、カテーテルは、例えばガ
イドワイヤに導かれて、血管等の体腔内に挿入され、そ
の先端を目的の部位に到達された後、造影剤などを投与
して各種の検査を行ったり、先端にバルーンをつけて各
種の治療を行ったり、カッター等を挿入して動脈硬化症
の治療を行ったり、超音波センサをつけて超音波断層写
真をとったり、先端に電極を設けて心臓のペースメーカ
ーにしたりするのに用いられている。
【0003】カテーテルは、一般にフッ素樹脂やウレタ
ン樹脂などの樹脂チューブからできているが、樹脂チュ
ーブだけでは、特に基部側の剛性が不足して血管等の体
腔内への押し込みがしづらく、また、ねじり剛性が不足
して基部側を回動させることにより先端を所望の方向に
向けることが困難となるため、挿入作業を迅速に行えな
いという不都合があった。更に、造影剤やバルーン用液
体の注入の際に、内圧に対して膨らんでしまい、圧力損
失が起こるという問題があった。
【0004】しかし、カテーテルは、その一方では、血
管等の挿入経路に沿って容易に変形し、血管等の内壁に
損傷を与えないようにするため、特に先端部における柔
軟性が要求される。
【0005】このような問題を解決するため、特公平6
−26574号には、図7に示すカテーテルが提案され
ている。このカテーテル11は、可撓性の内管部12
と、同じく可撓性の外管部13との間に、ワイヤ層14
を介装したもので、ワイヤ層14の基端部14aは密に
編まれており、先端部14bは粗に編まれていることを
特徴としている。そして、ワイヤ層14によって、ねじ
り剛性を高め、ワイヤ層14の先端部14bを粗にする
ことにより、先端部の柔軟性を付与している。また、ワ
イヤ層14によって、造影剤等の注入の際の耐圧性を高
めている。
【0006】また、本出願人による実開平3−1228
50号には、図8に示す医療用ガイドワイヤが開示され
ている。このガイドワイヤ21は、形状記憶合金チュー
ブ22の先端部に螺旋溝23を形成し、最先端に曲面状
の頭部24を形成したものからなっている。また、螺旋
溝23は、先端に近づくにつれてピッチを狭めることに
より、先端に向かうに従ってより柔軟になるようにして
いる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】特公平6−26574
号に開示された図7に示すカテーテル11は、ワイヤ層
14によってねじり剛性を付与し、かつ、ワイヤ層14
の先端部を粗にすることによって先端部の柔軟性を付与
しているものの、ワイヤ層14と、それを挟む内管部1
2及び外管部13とによって肉厚をとられるため、カテ
ーテルの内径を大きくとることができず、その結果、必
要とされる内径を得ようとすると外径が大きくなり、細
い血管等には挿入できないという問題があった。
【0008】一方、実開平3−122850号に開示さ
れた図8に示すガイドワイヤ21は、ガイドワイヤとし
て用いることを主目的としているため、先端に頭部24
が設けられていて、薬液や各種の用具を先端から出しに
くいという問題があった。また、形状記憶合金チューブ
そのものを用いているため、血管等の体腔内での滑り性
が悪いという問題があった。
【0009】本発明は、上記従来技術の問題点を解決す
るためになされたもので、その目的は、血管等の体腔内
への押し込みに対する剛性、及び先端を所望の方向へ向
けるときのねじり剛性に優れ、しかも血管等の組織を損
傷しないように先端部には十分な柔軟性が付与されてお
り、造影剤等を注入する際の耐圧性に優れると共に、外
径に比べて内径を大きくとることができ、血管等の体腔
内での滑り性がよい医療用のチューブを提供することに
ある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明による医療用のチューブは、先端部に柔軟性
を付与するための溝が形成された形状記憶合金チューブ
と、この形状記憶合金チューブの外周に被覆された樹脂
チューブ又は樹脂被膜とを備え、前記形状記憶合金チュ
ーブの先端部の変態点が、基部側の変態点よりも高くな
っていることを特徴とする。
【0011】本発明において、前記溝は、連続した螺旋
状の溝であるか、あるいは、全体として螺旋状又は所定
間隔で配列された環状をなし、ところどころが連結部に
よって途切れた形状をなす溝であることが好ましい。こ
のような形状の溝は、例えばエッチングによる方法や、
切削、レーザー加工等の機械加工による方法等で形成す
ることができる。
【0012】本発明においては、形状記憶合金チューブ
の先端部の変態点が、基部側の変態点に比べて高くされ
ている。好ましくは基部側の変態点が36℃未満、先端
部の変態点が36℃以上、より好ましくは基部側の変態
点が20℃以下、先端部の変態点が40℃以上となるよ
うにされている。このように、形状記憶合金チューブの
基部側と先端部とで変態点を変える方法としては、形
状記憶合金チューブの形状記憶処理の際、基部側は45
0〜520℃、先端側は400〜480℃で、30分以
上加熱する方法や、形状記憶合金チューブ全体を45
0〜520℃で30分以上加熱して記憶処理した後、先
端側のみを400℃程度で30分〜8時間加熱して時効
処理する方法などが採用できる。
【0013】更に、本発明において、形状記憶合金チュ
ーブは、その先端部がテーパ状に薄肉とされていること
が好ましい。なお、形状記憶合金チューブの先端部を薄
肉に形成する方法としては、エッチングによる方法や、
センタレス研磨による方法などが好ましく採用できる。
なお、形状記憶合金チューブの先端部を薄肉とする度合
いは、形状記憶合金チューブの最先端での肉厚が、基部
の肉厚の0.2 〜0.8 倍となるようにすることが好まし
い。
【0014】
【作用】本発明の医療用のチューブは、形状記憶合金チ
ューブを芯材としているので、基部側での剛性に優れ、
体腔内への押し込み時に必要とされる剛性や、手元側で
回転させたときの先端部における追従性、すなわち回転
伝達性が優れている。このため、体腔内へ挿入するとき
の操作がしやすく、作業を迅速に行うことができる。ま
た、芯材として形状記憶合金チューブを用いているの
で、造影剤などを注入したときの耐圧性に優れている。
【0015】また、形状記憶合金チューブの先端部に
は、例えば、連続した螺旋状の溝、あるいは、全体とし
て螺旋状又は所定間隔で配列された環状をなし、ところ
どころが連結部によって途切れた形状をなす溝が形成さ
れており、しかも、形状記憶合金チューブの先端部の変
態点が基部側の変態点に比べて高くなっているので、先
端部における柔軟性に優れており、血管等の体腔内組織
を損傷することを防止できる。
【0016】なお、形状記憶合金は、その変態点以上に
おいて急激に剛性が高くなるので、基部側の変態点を例
えば20℃以下と低くし、先端部の変態点を例えば40
℃以上と高くすることにより、体温下において、基部側
は変態点以上となって超弾性となり、先端部は変態点以
下となって塑性変形しやすくなる。したがって、形状記
憶合金チューブの先端部を基部側に比べて柔軟にするこ
とができる。
【0017】更に、形状記憶合金チューブの外周には、
樹脂チューブ又は樹脂被膜が被覆されているので、形状
記憶合金チューブだけの場合に比べて、血管等の体腔内
での滑り性が良好となる。
【0018】更にまた、形状記憶合金チューブは、筒状
のメッシュなどと比べて、薄肉でも十分な剛性を有し、
内部でばらけたり剥れたりすることがないので内管と外
管とで挟んだ構造とする必要がなく、その結果、外径に
比べて内径を大きくとることができ、脳血管等に挿入さ
れる極めて細い医療用のチューブでも製造が可能とな
る。
【0019】
【実施例】図1、2には、本発明の医療用のチューブの
一実施例が示されている。図1は同医療用のチューブの
側断面図、図2は同医療用のチューブに用いられる形状
記憶合金チューブを示す側面図である。
【0020】図1に示すように、この医療用のチューブ
31は、形状記憶合金チューブ32と、その外側に被覆
された樹脂チューブ33とで構成されている。形状記憶
合金チューブ32は、図1中Dで示される領域にある先
端部の変態点が、基部側の変態点よりも高くなるよう
に、好ましくは基部側の変態点が36℃未満、先端部の
変態点が36℃以上、より好ましくは基部側の変態点が
20℃以下、先端部の変態点が40℃以上となるように
されている。
【0021】上記のような変態点を有するようにするた
めの方法としては、前述した、の方法が挙げられ
る。すなわち、の方法は、形状記憶合金チューブ32
を温度勾配を有する加熱炉に入れて、基部側は450〜
520℃、先端側は400〜480℃になるようにして
30分以上加熱処理すればよく、の方法は、形状記憶
合金チューブ32を加熱炉に入れて全体を450〜52
0℃で30分以上加熱した後、先端部のみを電気炉やソ
ルトバスに入れて400℃程度で30分〜8時間加熱し
て時効処理すればよい。
【0022】また、この実施例の場合、形状記憶合金チ
ューブ32の先端部は、その外周がテーパ状に細くなっ
て、チューブの肉厚が次第に薄くなるように形成され、
それによって先端部の柔軟性がより増加するようにされ
ている。この場合、薄肉とする度合いは、最先端の厚さ
aが基部側の厚さbの0.2 〜0.8 倍となるようにするこ
とが好ましい。このような加工は、エッチングによる方
法や、センタレス研磨による方法で行うことができる。
【0023】また、図2に示すように、形状記憶合金チ
ューブ32の先端部には、チューブ内外に貫通した螺旋
溝34が形成され、柔軟性が付与されている。螺旋溝3
4の先端34aは、形状記憶合金チューブ32の先端3
2aには至らない位置で止まっており、それによって先
端部のばらけが防止されている。螺旋溝34は、先端に
向かうに従って次第にピッチを狭められており、それに
よって、螺旋溝34によって形成されたコイル部分にお
いて、基部側の幅Aが5〜20mm、先端側の幅Bが0.1 〜
2mmとなるようにされている。なお、この螺旋溝34
は、例えばエッチングによる方法、機械加工による方法
等で形成することができ、機械加工による方法として
は、切削、レーザー加工等が好ましく採用される。
【0024】一方、樹脂チューブ33としては、例えば
ウレタン樹脂、フッ素樹脂などが好ましく採用される。
形状記憶合金チューブ32と樹脂チューブ33との接合
は、樹脂チューブ33の成形に際して、形状記憶合金チ
ューブ32を一体に成形するとか、形状記憶合金チュー
ブ32の外周に樹脂チューブ33を被せた後、樹脂チュ
ーブ33を加熱収縮させることにより、形状記憶合金チ
ューブ32の外周に被着させる方法などが採用できる。
【0025】樹脂チューブ33の外周には、更に親水性
樹脂膜がコーティングされていてもよい。このような親
水性樹脂膜としては、例えば特公平4−14991号に
開示された樹脂などが使用できる。
【0026】樹脂チューブ33の先端部は、形状記憶合
金チューブ32の先端より所定長さ突出している。この
突出長さCは、2〜30mmが好ましい。なお、この突出部
33aの内周又は外周に、放射線不透過性材料、例えば
金、白金、それらの合金等からなるリングやコイル等を
配置し、樹脂チューブ33に接着又は溶着によって固定
するか、あるいは形状記憶合金チューブ32の先端にろ
う付け等の方法で固着してもよい。
【0027】形状記憶合金チューブ32の外径は、0.4
〜2.0 mmが好ましく、樹脂チューブ33の外径は、0.5
〜2.6 mmが好ましい。更に、形状記憶合金チューブ32
の基部側の厚さbは、0.05〜0.2 mmが好ましく、樹脂チ
ューブ33の厚さcは、0.05〜0.3 mmが好ましい。更
に、医療用のチューブ31全体の長さは、500 〜2000mm
が好ましく、形状記憶合金チューブ32に螺旋溝34が
設けられ、柔軟性が付与された先端部の長さDは、100
〜600 mmが好ましい。
【0028】この医療用のチューブ31は、形状記憶合
金チューブ32を芯材としたことにより、押し込み時の
剛性及び先端を所望の方向に向けるための回転時におけ
るねじり剛性に優れている。また、形状記憶合金チュー
ブ32の先端部の変態点を基部側よりも高くし、先端部
の厚さを次第に薄くし、更に先端部に螺旋溝34を設け
たことにより、先端部は十分な柔軟性を有しており、し
たがって血管等の体腔内への挿入作業を迅速かつ確実に
行うことができた。
【0029】なお、この医療用のチューブ31の体腔内
への挿入に際しては、予めガイドワイヤを目的とする位
置まで挿入しておき、このガイドワイヤに沿って挿入さ
せることが好ましいが、ガイドワイヤを用いることなく
それ自体を直接体腔内に挿入して目的とする位置に導く
ことも可能である。
【0030】図3には、本発明の医療用のチューブに用
いられる形状記憶合金チューブの他の例が示されてい
る。この形状記憶合金チューブ42は、前記実施例と同
様に、先端部の変態点が基部側よりも高くなるように形
成されており、先端部が次第に肉薄とされ、先端部に螺
旋溝44が設けられており、螺旋溝44の先端44aが
形状記憶合金チューブ42の先端に至らない位置で止ま
っている。ただし、この実施例では、螺旋溝44のピッ
チが一定とされ、その代わりに螺旋溝44の溝幅が先端
に向かうに従って太くなるように形成されており、その
結果、螺旋溝44によって形成されたコイル部分におい
て、基部側の幅Gが5〜20mm、先端側の幅Hが0.1 〜2
mmとなるようにされている。
【0031】図4には、本発明の医療用のチューブの他
の実施例が示されている。この医療用のチューブ51
は、前記実施例と同様な形状記憶合金チューブ52を有
する。形状記憶合金チューブ52の先端部の変態点は、
前記実施例と同様に基部側よりも高くなるようにされて
いる。また、形状記憶合金チューブ52の先端部は、そ
の外周がテーパ状に細くなって、チューブの肉厚が次第
に薄くなるように形成されている。
【0032】更に、形状記憶合金チューブ52の先端部
には、全体として螺旋状をなす溝53が形成されてい
る。螺旋状の溝53は、ところどころが連結部54によ
って途切れており、溝53の間に形成されたコイル部分
が、上記連結部54で軸方向に連結されている。この場
合、連結部54の1つの幅Wは、形状記憶合金チューブ
32の周長の1/15〜1/5とすることが好ましく、ま
た、連結部54は、螺旋状の溝53の一周当たり0.5 〜
2箇所に設けられていることが好ましい。また、螺旋状
の溝53は、形状記憶合金チューブ52の先端に向かう
に従ってそのピッチが狭められている。
【0033】また、形状記憶合金チューブ52の外周に
は、ウレタン樹脂、フッ素樹脂などの樹脂被膜55が形
成され、それによって体腔内での滑り性を向上させてい
る。この樹脂被膜55は、例えばスプレー塗布、ディッ
ピング等によって形成することができる。樹脂被膜55
の厚さは、2〜10μmが好ましい。なお、形状記憶合
金チューブ52の螺旋状の溝53に上記のような連結部
54を設けたことにより、螺旋状の溝53によって形成
されたコイル状の部分が伸び切ってしまうことはない。
【0034】図5には、本発明の医療用のチューブの更
に他の実施例が示されている。この医療用のチューブ6
1は、前記実施例と同様な形状記憶合金チューブ62を
有し、形状記憶合金チューブ62の先端部の変態点は、
基部側よりも高くなるように形成され、また、形状記憶
合金チューブ52の先端部は、その外周がテーパ状に細
くなって、チューブの肉厚が次第に薄くなるように形成
されている。
【0035】更に、形状記憶合金チューブ62の先端部
には、全体として環状の溝63が、軸方向先端に向かっ
て次第に間隔が狭くなるように複数並んで形成され、こ
の環状の溝63は、連結部64によってところどころが
途切れていて、それによって溝63の間に形成された環
状の部分が軸方向に連結されている。そして、形状記憶
合金チューブ62の外周には、先端部を除いて樹脂チュ
ーブ65が被覆されている。
【0036】図6には、本発明の医療用のチューブの更
に他の実施例が示されている。この医療用のチューブ7
1は、形状記憶合金チューブ72と、その外周に被覆さ
れた樹脂チューブ73とで構成されている。前記実施例
と同様に、形状記憶合金チューブ72の先端部の変態点
は、基部側よりも高くなるように形成され、また、形状
記憶合金チューブ72の先端部は、その外周がテーパ状
に細くなって、チューブの肉厚が次第に薄くなるように
形成されている。
【0037】また、形状記憶合金チューブ72の先端部
には、全体として螺旋状をなす溝74が形成され、この
溝74はところどころが連結部75によって途切れてお
り、溝74の間に形成されたコイル部分が、上記連結部
75で軸方向に連結されている。更に、螺旋状の溝74
は、そのピッチは一定であるが、形状記憶合金チューブ
72の先端部に向かうに従って広くなるように形成され
ており、それによって溝74の間に形成されたコイル部
分の幅が、形状記憶合金チューブ72の先端部に向かう
に従って狭くなるように形成されている。
【0038】なお、前記各実施例の医療用のチューブ
は、基端から先端まで直線状をなしているが、先端部を
例えばアングル形状に曲げ形成しておいてもよく、それ
によって血管等の分岐部において基部側を回転させたと
き、先端を所望の方向に向けやすくすることができる。
【0039】試験例 形状記憶合金の変態点を変えることにより、その剛性が
どの程度変化するかを試験した。すなわち、直径1mm
であって、変態点が16℃、20℃、36℃、40℃、
46℃の5種類の形状記憶合金の線材を用意した。これ
らの線材について、試験温度36℃(ほぼ体温に近い温
度)にて引張り試験を行った。その結果を図9に示す。
【0040】図9に示されるように、36℃にて試験し
た場合、変態点が低いほど、ひずみに対する応力が高
く、すなわち剛性が高くなっていることがわかる。因み
に、ひずみが1%のときの応力において、変態点36℃
のものを100%としたときの相対値(剛性比)を求め
ると下記表1のようになる。
【0041】
【表1】
【0042】これらの結果から、本発明の医療用チュー
ブに用いる形状記憶合金チューブにおいて、その基部側
の変態点を20℃以下、先端部の変態点40℃以下にす
れば、基部側に比べて先端部を柔軟にする効果が十分に
得られることがわかる。
【0043】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の医療用の
チューブによれば、先端部に溝を形成すると共に、先端
部の変態点を基部側よりも高くした形状記憶合金チュー
ブと、その外周を被覆する樹脂チューブ又は樹脂被膜と
で構成されるので、基部側においては適度な剛性が得ら
れ、先端側においては十分な柔軟性が付与される。ま
た、樹脂チューブ又は樹脂被膜によって血管等の体腔内
での滑り特性も向上する。したがって、血管等の体腔内
への挿入作業を、安全かつ容易に行うことが可能とな
る。また、形状記憶合金チューブを用いたことにより、
比較的薄い厚さのものでも十分な剛性及び耐圧性が得ら
れることから、従来のカテーテル等と比べて内径を大き
くとれるので、脳血管等に挿入される極めて細い医療用
のチューブでも製造が可能となる。したがって、本発明
による医療用のチューブは、造影剤などを投与するため
のカテーテル、先端にバルーンをつけて各種の治療を行
うためのバルーンカテーテル、動脈硬化症の治療を行う
ためのアテレクトミー、先端に超音波センサをつけて超
音波断層写真をとるためのカテーテル、先端に電極を設
けて心臓のペースメーカーにするための電極カテーテル
など、各種用途の医療用のチューブに用いることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の医療用のチューブの一実施例を示す側
断面図である。
【図2】同医療用のチューブに用いられる形状記憶合金
チューブを示す側面図である。
【図3】本発明の医療用のチューブに用いられる形状記
憶合金チューブの他の例を示す側面図である。
【図4】本発明の医療用のチューブの他の実施例を示す
一部断面側面図である。
【図5】本発明の医療用のチューブの更に他の実施例を
示す一部断面側面図である。
【図6】本発明の医療用のチューブの更に他の実施例を
示す一部断面側面図である。
【図7】従来のカテーテルの一例を示す一部を剥離した
部分側面図である。
【図8】従来のガイドワイヤの一例を示す部分側面図で
ある。
【図9】変態点の異なる形状記憶合金の線材を用いて行
った引張り試験の結果を示す図表である。
【符号の説明】
31、51、61、71 医療用のチューブ 32、42、52、62、72 形状記憶合金チューブ 33、65、73 樹脂チューブ 55 樹脂被膜 34、44、53、74 螺旋状の溝 63 環状の溝 54、64、75 連結部

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 先端部に柔軟性を付与するための溝が形
    成された形状記憶合金チューブと、この形状記憶合金チ
    ューブの外周に被覆された樹脂チューブ又は樹脂被膜と
    を備え、前記形状記憶合金チューブの先端部の変態点
    が、基部側の変態点よりも高くなっていることを特徴と
    する医療用のチューブ。
  2. 【請求項2】 前記溝は、連続した螺旋状の溝である請
    求項1記載の医療用のチューブ。
  3. 【請求項3】 前記溝は、全体として螺旋状又は所定間
    隔で配列された環状をなし、ところどころが連結部によ
    って途切れた形状をなす溝である請求項1記載の医療用
    のチューブ。
  4. 【請求項4】 前記形状記憶合金チューブは、その基部
    側の変態点が20℃以下、先端部の変態点が40℃以上
    とされている請求項1〜3のいずれか1つに記載の医療
    用のチューブ。
  5. 【請求項5】 前記形状記憶合金チューブは、その先端
    部が基部側に比べて薄肉となるように形成されている請
    求項1〜4のいずれか1つに記載の医療用のチューブ。
JP7146735A 1995-05-22 1995-05-22 医療用のチューブ Pending JPH08308934A (ja)

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Cited By (27)

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