JP2625939B2 - カチオン電着塗料組成物 - Google Patents

カチオン電着塗料組成物

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JP2625939B2
JP2625939B2 JP19962788A JP19962788A JP2625939B2 JP 2625939 B2 JP2625939 B2 JP 2625939B2 JP 19962788 A JP19962788 A JP 19962788A JP 19962788 A JP19962788 A JP 19962788A JP 2625939 B2 JP2625939 B2 JP 2625939B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は新規なカチオン電着塗料組成物に関するもの
である。さらに詳しくいえば、本発明は、良好な低温硬
化性を有し、焼き付け温度が低くて非黄変性に優れた塗
膜を与えうる上、該塗膜の硬度や耐溶剤性、耐候性、耐
食性などが良好であるなど、優れた特徴を有するアクリ
ル系カチオン電着塗料組成物に関するものである。
[従来の技術] 近年、電着塗装は、塗り残しがない、塗膜にたれや流
れなどを生じない、塗料のロスが少ないなどの利点を有
することから、自動車、電気器具、事務用器具などの工
業分野における塗装に多く採用されている。特にカチオ
ン電着塗装は、被塗物が陰極で造膜されるために、金属
イオン、表面処理剤の溶出などが防止できる上、形成塗
膜が塩基性を呈するために、溶出物などによる着色がな
く、かつ耐食性に優れたワンコート仕上げの塗膜が得ら
れることなどから、最近アニオン電着塗装に代わり広く
用いられてきている。
このようなカチオン電着塗装に用いられる塗料の代表
的なものとしては、塗膜形成成分(バインダー樹脂)と
して、アクリル系樹脂と硬化剤であるアルコール、セロ
ソルブ、カプロラクタムなどで封鎖したブロック化イソ
シアネートとを含有するアクリル系カチオン電着塗料組
成物が知られている(特公昭61−44906号、特公昭62−4
3470号公報)。
しかしながら、このようなブロック化イソシアネート
を硬化剤として用いたアクリル系カチオン電着塗料組成
物においては、焼付温度が通常160〜180℃と高めため
に、経済的に不利である上、塗装塗膜が黄変したりして
外観が損なわれるなどの欠点があり、そこで焼付温度を
低くしようとすると、形成された塗膜の硬度、耐衝撃
性、可とう性、耐溶剤性、耐食性などの塗膜性能が低下
するのを免れない。
[発明が解決しようとする課題] 本発明は、このような従来のブロック化イソシアネー
トを硬化剤とするアクリル系カチオン電着塗料組成物が
有する欠点を克服し、低温での焼き付けが可能で、黄変
のない優れた外観を有する塗膜を形成することができ、
しかも焼付温度が低いにもかかわらず該塗膜の性能が良
好であるなど、優れた特徴を有するアクリル系カチオン
電着塗料組成物を提供することを目的としてなされたも
のである。
[課題を解決するための手段] 本発明者らは、低温硬化性に優れたアクリル系カチオ
ン電着塗料組成物について鋭意研究を重ねた結果、アセ
トアセチル基と第一級アミノ基によるエナミン型架橋硬
化反応に着目し、塗膜形成成分として、アセトアセチル
基を有する特定のアクリル系共重合体と架橋性第一級ア
ミノ基を有する樹脂とを水性媒体中に分散させて成る組
成物が、前記目的に適合しうることを見い出し、この知
見に基づいて本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、水性媒体中に、塗膜形成成分と
して、(A)第三級アミノ基を有するエチレン性不飽和
単量体単位とアセトアセチル基を有するエチレン性不飽
和単量体単位とを含有する水分散性共重合体、及び
(B)架橋性第一級アミノ基を有する水分散性樹脂を分
散させて成るカチオン電着塗料組成物を提供するもので
ある。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明組成物における(A)成分としては、第三級ア
ミノ基を有するエチレン性不飽和単量体単位とアセトア
セチル基を有するエチレン性不飽和単量体単位とを含有
する水分散性共重合体が用いられる。この水分散性共重
合体は、前記2種のエチレン性不飽和単量体単位を必須
単位として含有するものであればよく、所望に応じ、該
必須単位以外に、他のエチレン性不飽和単量体単位を含
有させたものも用いることができる。このような水分散
性共重合体の製造方法については特に制限はないが、通
常次に示す3種の方法によって製造することができる。
すなわち、第1の方法は、第三級アミノ基を有するエ
チレン性不飽和単量体とアセトアセチル基を有するエチ
レン性不飽和単量体と所望に応じて用いられるこれらと
共重合可能な他のエチレン性不飽和単量体とを共重合さ
せて該水分散性共重合体を製造する方法である。
前記第三級アミノ基を有するエチレン性不飽和単量体
としては、例えばN,N−ジメチルアミノエチルアクリレ
ート、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート、N,N
−ジエチルアミノエチルアクリレート、N,N−ジエチル
アミノエチルメタクリレート、N−ジメチルアミノエチ
ルアクリルアミド、N−ジメチルアミノエチルメタクリ
ルアミド、N−ジエチルアミノエチルアクリルアミド、
N−ジエチルアミノエチルメタクリルアミド、N−ジエ
チルアミノプロピルアクリルアミド、N−ジエチルアミ
ノプロピルメタクリルアミドなどが挙げられる。これら
のエチレン性不飽和単量体は1種用いてもよいし、2種
以上を組み合わせて用いてもよい。
また、前記アセトアセチル基を有するエチレン性不飽
和単量体としては、例えばアセトアセトキシエチルアク
リレート、アセトアセトキシエチルメタクリレート、ア
セトアセトキシプロピルアクリレート、アセトアセトキ
シプロピルメタクリレートなどを挙げられる。これらの
エチレン性不飽和単量体は1種用いてもよいし2種以上
を組み合わせて用いてもよい。さらに、共重合可能な他
のエチレン性不飽和単量体としては、例えばアクリル酸
又はメタクリル酸と炭素数1〜18のアルキル基を有する
アルコールとのエステル類、ヒドロキシアルキルアクリ
レート類又はヒドロキシアルキルメタクリレート類、芳
香族ビニル化合物、あるいは塩化ビニル、塩化ビニリデ
ン、アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどを挙げ
ることができる。該アクリル酸又はメタクリル酸と炭素
数1〜18のアルキル基を有するアルコールとのエステル
類の具体例としては、メチルアクリレート、メチルメタ
クリレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレー
ト、n−ブチルアクリレート、n−ブチルメタクリレー
ト、2−エチルヘキシルアクリレート、2−エチルヘキ
シルメタクリレート、シクロヘキシルアクリレート、シ
クロヘキシルメタクリレートなどが、ヒドロキシアルキ
ルアクリレート類又はヒドロキシアルキルメタクリレー
ト類の具体例としては、2−ヒドロキシメチルアクリレ
ート、2−ヒドロキシメチルメタクリレート、2−ヒド
ロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタ
クリレートなどが、芳香族ビニル化合物の具体例として
は、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、
ビニルキシレン、ビニルエチルベンゼン、p−t−ブチ
ルスチレンなどが挙げられる。これらの共重合可能な他
のエチレン性不飽和単量体は1種用いてもよいし、2種
以上を組み合わせて用いてもよい。
前記各エチレン性不飽和単量体を共重合させる方法に
ついては特に制限はなく、従来慣用されている方法を用
いることができる。例えば適当な溶媒中において、重合
触媒の存在下、前記の各エチレン性不飽和単量体を共重
合させることにより、(A)成分の水分散性共重合体を
得ることができる。この際、用いられる重合溶媒として
は、例えばイソプロピルアルコール、イソブチルアルコ
ール、n−ブチルアルコール、ジオキサン、テトラヒド
ロフラン、エチレングリコールモノエチルエーテル、エ
チレングリコールモノブチルエーテル、メチルイソブチ
ルケトン、トルエン、キシレン、酢酸ブチル、ジアセト
ンアルコールなどが挙げられる。これらの溶媒は1種用
いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。ま
た、重合触媒としては、例えばアゾビスイソブチロニト
リル、アゾビスイソ酪酸メチル、アゾビスシクロヘキサ
ンカルボニトリル、4,4′−アゾビス−4−シアノ吉草
酸、フェニルアゾトリフェニルメタンなどのアゾ系重合
触媒、ベンゾイルパーオキシド、ジ−t−ブチルポーオ
キシド、ジクミルパーオキシド、ジイソプロピルパーオ
キシジカーボネートなどの過酸化物系触媒などを用いる
ことができる。
第2の方法は、まず、第三級アミノ基を有するエチレ
ン性不飽和単量体とヒドロキシル基を有するエチレン性
不飽和単量体と所望に応じて用いられるこれらと共重合
可能な他のエチレン性不飽和単量体とを、前記の第1の
方法と同様にして共重合させ、次いで、この共重合体中
のヒドロキシル基にジケテンを反応させてアセトアセチ
ル基を導入させる方法である。該ヒドロキシル基を有す
るエチレン性不飽和単量体としては、例えば2−ヒドロ
キシメチルアクリレート、2−ヒドロキシメチルメタク
リレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒ
ドロキシエチルメタクリレートなどを好ましく挙げるこ
とができる。また第三級アミノ基を有するエチレン性不
飽和単量体及び所望に応じて用いられる共重合体可能な
他のエチレン性不飽和単量体としては、前記の第1の方
法の説明において挙げたものを用いることができる。
さらに、ジケテンを反応させる際には、通常該共重合
体をジケテンに対して不活性な溶媒に溶解して溶液状と
し、これにジケテンを添加して加熱する方法が用いられ
る。この反応は触媒の不在下に行うことができるが、例
えば第三級アミン、酸、塩基性塩、ジブチルスズジラウ
レートのような有機金属化合物などの触媒の存在下に行
うことが望ましい。
第3の方法は、前記第2の方法におけるヒドロキシル
基を有する共重合体の該ヒドロキシル基とアセト酢酸エ
ステルとをエステル交換反応させて、アセトアセチル基
を導入する方法であり、前記アセト酢酸エステルとして
は、例えばアセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、アセ
ト酢酸ブチルなどが用いられる。これらのアセト酢酸エ
ステルは、例えば酢酸亜鉛、酢酸亜鉛、酢酸カルシウ
ム、水酸化リチウムなどのエステル交換反応触媒の存在
下に反応させることが望ましい。
これらの方法はいずれも工業的に実施可能であるが、
これらの中で第1の方法が、工業的に最も有利である。
さらに、前記方法以外のアセトアセチル化方法であって
も、結果的にアセトアセチル基が共重合体中に導入でき
ればよく、例えばアセトアセチル基を有するエチレン性
不飽和単量体をグラフト重合させる方法、あるいはイミ
ノ基、カルボキシル基、スルホン基、エポキシ基、メル
カプト基などの官能基を有するエチレン性不飽和単量体
単位を含有する共重合体を用い、該官能基を利用してア
セトアセチル基を導入する方法なども用いることができ
るが、これらの方法は実用性の点で問題がある。
また、(A)成分の水分散性共重合体における第三級
アミノ基を有するエチレン性不飽和単量体単位を導入す
る方法としては、前記方法以外に、該第三級アミノ基を
有するエチレン性不飽和単量体の代わりに、グリシジル
基を有するエチレン性不飽和単量体を共重合させたの
ち、得られた共重合体と第二級アミンとを反応させて、
第三級アミノ基を有するエチレン性不飽和単量体単位を
共重合体中に導入する方法も用いるとができる。
前記グリシジル基を有するエチレン性不飽和単量体と
しては、例えばグリシジルアクリレート、グリシジルメ
タクリレート、アリルグリシジルエーテル、N−グリシ
ジルアクリルアミド、ビニルシクロヘキセンモノエポキ
シドなどが挙げられる。これらの単量体は1種用いても
よいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、
前記第二級アミンとしては、例えばジメチルアミン、ジ
エチルアミン、ジ−n−プロピルアミンなどの低級ジア
ルキルアミン類、ジエタノールアミン、ジイソプロパノ
ールアミンなどのジアルカノールアミン類、N−メチル
エタノールアミン、N−エチルエタノールアミンなどの
N−アルキルアルカノールアミン類、ピペリジン、モル
ホリン、N−メチルピペラジンなどの環状の二級アミン
類などを挙げることができる。
本発明組成物においては、(A)成分の水分散性共重
合体として、アセトアセチル基を有するエチレン性不飽
和単量体単位の含有量が1〜75重量%、好ましくは5〜
45重量%の範囲にあるものを用いることが望ましい。こ
の含有量が1重量%未満のものでは(B)成分の第一級
アミノ基を有する水分散性樹脂による架橋硬化が不十分
で、形成される塗膜の性能が劣るおそれがあるし、75重
量%を越えると塗料組成物の安定性が低下する傾向が生
じる。
本発明組成物においては、(B)成分として架橋性第
一級アミノ基を有する水分散性樹脂が用いられる。この
(B)成分の水分散性樹脂は、塗膜の焼付加熱時にその
架橋性第一級アミノ基が(A)成分の水分散性共重合体
中のアセトアセチル基と反応して塗膜性能の優れた架橋
硬化塗膜を与える作用を有している。該架橋性第一級ア
ミノ基としては、遊離の第一級アミノ基であってもよい
し、水性媒体中に分散させる際に、ブロックが外れて遊
離の第一級アミノ基をとなるようなブロック化第一級ア
ミノ基であってもよい。このような水分散性樹脂として
は、例えばケチミンブロック化第一級アミノ基含有ポリ
アミン樹脂(以下、単にポリアミン樹脂と称す)や、第
一級アミノ基含有ポリアミド樹脂(以下、単にポリアミ
ド樹脂と称す)などが挙げられる。
前記ポリアミン樹脂としては、例えばポリエポキシド
とケチミンブロック化第一級アミノ基含有ポリアミンと
の反応生成物が挙げられる。該ポリエポキシドは分子中
に1,2−エポキシ基を2個以上有する化合物であり、こ
のようなものとしては、例えばポリフェノールをアルカ
リの存在下にエピクロルヒドリンやジクロルヒドリンな
どによりエーテル化して成るオリフェノールのポリグリ
シジルエーテルなどが挙げられるこの際用いられるポリ
フェノールとしては、例えば2,2−ビス(4−ヒドロキ
シフェニル)プロパン(ビスフェノールA)、1,1−ビ
ス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2−メチル−1,
1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビ
ス(4−ヒドロキシ−3−t−ブチルフェニル)プロパ
ン、ビス(2−ヒドロキシナフチル)メタン、1,5−ジ
ヒドロキシナフタレンなどが挙げられる。また、ポリフ
ェノールのエチレンオキシド付加物やプロピレンオキシ
ド付加物のようなオキシアルキル付加物のポリグリシジ
ルエーテル、ノボラック系フェノール樹脂のポリグリシ
ジルエーテルなども該ポリエポキシドとして用いること
ができる。
その他のポリエポキシドとしては、エポキシ化ポリア
ルカジエン系樹脂やグリシジルアクリレート共重合体系
樹脂、グリシジルメタクリレート共重合体系樹脂、水酸
基含有樹脂のポリグリシジルエーテル、カルボキシル基
含有樹脂のポリグリシジルエステルなどが挙げられる。
これらのポリエポキシドは、連鎖延長剤を用いて反応
させることにより、その分子量をさらに増加させてもよ
い。該連鎖延長剤としては、例えばダイマー酸、ポリエ
ーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ヒダント
イン、ビスフェノールA、ポリアミド、アミノ酸などの
エポキシ基と反応性を有する活性水素含有化合物が挙げ
られる。
また、ケチミンブロック化第一級アミン基含有ポリア
ミンは、ポリエポキシドのエポキシ基と反応したのち、
水の添加によって、ケチミン基が加水分解され、その後
の硬化反応に有用な第一級アミノ基が形成されるもので
あり、このようなケチミンブロック化第一級アミノ基含
有ポリアミンとしては、例えばジエチレントリアミン、
モノメチルアミノプロピルアミン、ジプロピレントリア
ミン、ジブチレントリアミン、トリエチレンテトラアミ
ンなどのポリアミン中のアミノ基が、例えばアセトン、
メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケ
トンとの反応によってケチミンに変換されたものが挙げ
られる。
次に、該ポリアミン樹脂を製造するための好適な方法
の1例について説明すると、まず適当な有機溶媒中に、
前記ポリエポキシドを添加し、好ましくは窒素やアルゴ
ンなどの不活性ガス気流下に加熱して均一な溶液とした
のち、これに前記ポリアミンを、該溶液の温度を通常60
〜120℃、好ましくは80〜100℃の範囲に保持しながら添
加し、反応を行う、ポリアミンの添加方法については特
に制限はなく、例えば全量一括仕込み、分割仕込み、滴
下仕込みなど、任意の方法によって添加することができ
るし、また、工程上の時期に応じて、アミンの種類や量
を変えることもできる。この段階での反応時間は通常30
分ないし2時間程度である。
この際用いられる適当な有機溶媒としては、例えばト
ルエン、キシレン、メチルエチルケトン、メチルイソブ
チルケトン、ジイソプロピルケトン、ミネラルスピリッ
ト、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテー
ト、ジエチレングリコールジメチルエーテル、酢酸ブチ
ルなどが好ましく挙げられる。これらの溶媒は1種用い
てもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
次に、反応終了液中の未反応のポリアミンと有機溶媒
を、通常用いられている手段、例えば減圧蒸留などの方
法によって回収したのち、この残液に、水分散に適する
溶剤、例えばエチレングリコールモノブチルエーテル、
エチレングリコールモノエチルエーテル、ブチルアルコ
ール、イソプロピルアルコール、ジアセトンアルコール
などの溶剤を添加し、ポリアミン樹脂溶液を得る。
一方、ポリアミド樹脂としては、例えばアジピン酸、
フタル酸、セバチン酸、マロン酸、コハク酸、フマル
酸、マレイン酸、アゼライン酸、ドデシルコハク酸、二
量体脂肪酸などのジカルボン酸と第一級アミノ基を有す
るポリアミンとを縮合させて成るものや、ε−カプロラ
クタムなどのラクタムを開環重合させて成るオリゴマー
を該ポリアミンと反応させて得られるものなどが挙げら
れる。該第一級アミノ基を有するポリアミンとしては、
前記で挙げたものを用いることができる。
次に、前記ポリアミド樹脂の好適な製造方法の1例に
ついて説明すると、ジカルボン酸とポリアミンとを反応
させる場合は、ジカルボン酸のカルボキシル基1モルに
対し、ポリアミンを通常1〜20モルの割合で用い、また
ラクタムを開環重合させて成るオリゴマーとポリアミン
とを反応させる場合は、ラクタム1モルを開環重合させ
て成るオリゴマーに対し、ポリアミンを通常1モル以下
の割合で用い、不活性ガス気流中で好ましくは100〜250
℃の範囲の温度において反応させるか、あるいは減圧下
に、好ましくは70〜200℃の範囲の温度において、反応
生成水を系外に除去しながら反応させることにより、所
望のポリアミド樹脂を得ることができる。
本発明組成物において、(B)成分として用いられる
架橋性第一級アミノ基を有する水分散性樹脂としては、
前記のポリアミン樹脂やポリアミド樹脂以外に、例えば
一般式 (式中のR1、R2及びR3は、それぞれアルキル基であり、
それらは同一であってもよいし、たがいに異なっていて
もよく、nは1〜35の整数である) で表されるポリオキシアルキレンポリアミンなども使用
することができる。
本発明のカチオン電着塗料組成物は、水性媒体中に、
塗膜形成成分として、前記(A)成分の水分散性共重合
体と(B)成分の水分散性樹脂とを分散させて成るもの
であって、該(A)成分と(B)成分の使用割合は、通
常固定分量量比5:95ないし95:5の範囲で選ばれる。この
使用割合が前記範囲を逸脱すると塗料の低温硬化性が十
分でなく、得られる塗膜が黄変するおそれがあり、好ま
しくない。該(A)成分と(B)成分との好ましい使用
割合は、固形分重量比30:70ないし80:20の範囲で選ばれ
る。
また、該水性媒体としては、例えば水や、水とブチル
アルコール、イソプロピルアルコール、ジアセトンアル
コール、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチ
レングリコールモノブチルエーテルなどの親水性又は半
親水性溶剤との混合溶媒が用いられる。
本発明のカチオン電着塗料組成物は、(A)成分の水
分散性共重合体と(B)成分の水分散性樹脂とを前記の
割合で同時に水性媒体中に分散させることにより調製し
てもよいし、該(A)成分と(B)成分とを、それぞれ
水性媒体中に分散させて水性分散液としたのち、これら
の水性分散液を、(A)成分と(B)成分とが前記割合
になるように均一に混合することにより調製してもよい
が、前者の方法では一部ゲル化するおそれがあるので、
後者の方法が有利である。
後者の方法により、本発明のカチオン電着塗料組成物
を調製するには、まず(A)成分の水分散性共重合体及
び(B)成分の水分散性樹脂に含まれているアミノ基
を、それぞれ例えばホウ酸、リン酸、硫酸、塩酸などの
無機酸や、ギ酸、酢酸、乳酸などの有機酸で中和してカ
チオン性塩基に変換したのち、これを水性媒体で希釈す
ることにより、(A)成分を有する水性分散液及び
(B)成分を含有する水性分散液を得たのち、これらを
所定の割合で均一に混合することにより、本発明のカチ
オン電着塗料組成物を調製することができる。このよう
にして得られた組成物中の(A)成分と(B)成分との
固形分合計量は、通常該組成物の全重量に基づき10〜30
重量%の範囲で選ばれる。
本発明組成物には、必要に応じ着色顔料、体質顔料、
防錆顔料などを配合することができる。着色顔料として
は、例えば二酸化チタン、亜鉛華、鉛白などの白色系無
機顔料、カーボンブラック、アセチレンブラック、黒鉛
などの黒色系無機顔料、朱、カドミウム赤、アンチモン
朱、ベンガラなどの赤色系無機顔料、紺青、群青、コバ
ルト青などの青色系無機顔料、酸化クロム緑、ギナー
緑、クロム緑、亜鉛緑、緑土などの緑色系無機顔料、種
々の色調を有する酸化鉄系無機顔料、アゾ系、フタロシ
アニン系、スレン系、キナクリドン系、ジオキサジン
系、イソインドリノン系有機顔料などが挙げられ、体質
顔料としては、例えば白亜、沈降性炭酸カルシウム、ご
ふん、バライト粉、沈降性硫酸バリウム、クレイ、タル
ク、ケイ石粉、ケイソウ土、アルミナ、セッコウなどが
挙げられる。また、防錆顔料としては、例えば鉛丹、シ
アナミド鉛、塩基性クロム酸鉛、亜鉛末、亜酸化鉛、亜
鉛黄などが用いられる。
さらに、本発明組成物には、所望に応じ、従来カチオ
ン電着塗料組成物に慣用されている添加成分、例えば硬
化促進剤、消泡剤、増粘剤、可塑剤、界面活性剤、沈降
防止剤、タレ防止剤、色分かれ防止剤、顔料分散剤、レ
ベリング剤、皮張り防止剤、スリ傷防止剤、防カビ剤、
紫外線吸収剤、酸化防止剤、帯電防止剤などを、本発明
の目的を損なわない範囲で添加することができる。ま
た、本発明のカチオン電着塗料組成物は、それだけで十
分な低温硬化性を有し、非黄変性の品質の良好な塗膜を
与えることができるが、使用目的に応じ、ブロック化イ
ソシアネートなどの硬化剤を併用することもできる。
本発明のカチオン電着塗料組成物は、前記の(A)成
分を含有する水性分散液、(B)成分を含有する水性分
散液及び必要に応じて用いられる各種添加成分を、例え
ばディゾルバー、ホモミキサー、サンドグラインドミ
ル、アトライター、ロールミルなどの混合機や分散機な
どによって均一に、混合、分散することにより、調製す
ることができる。
[実施例] 次に、実施例により本発明をさらに詳細に説明する
が、本発明はこれらの例によってなんら限定されるもの
ではない。
なお、塗料組成物及び塗膜の特性は次にようにして評
価した。
(1)硬度 JIS K−5400 6.14の鉛筆引っかき試験に準拠して、三
菱ユニ鉛筆によるやぶれ硬度を求めた。
(2)耐衝撃性 JIS K−5400 6.13.3B法の衝撃試験法に準拠し、デュ
ポン式重さ500g、撃芯1/2インチで、異常のなかった高
さ(cm)を求めた。
(3)可とう性 JIS B−7777に準拠し、エリクセン試験により、次にの
判定基準で評価した。
0〜1mm 0点 1〜2mm 1点 2〜3mm 2点 3〜4mm 4点 5〜6mm 5点 6mm以上 6点 (4)塗膜外観 目視により観察し、異常がないものを○とした。
(5)安定性 塗料組成物を30℃で7日間撹拌したのち、塗層し、塗
膜の外観を目視により、次の判定基準に従って評価し
た。
○:異常なし、 ×:異常あり (6)耐溶剤性 キシレンをガーゼに浸み込ませ、手で25回往復してこ
すったのちの塗膜の外観を次の判定基準に従って評価し
た。
○:塗膜に変化がなく、かつガーゼに塗膜の付着がない ×:塗膜に異常が認められ、かつガーゼに塗膜の付着が
ある (7)耐食性 JIS K−5400 7.8塩水噴霧試験法に準拠し、塗膜にカ
ッターナイフの刃先で試験板の生地に達するように交差
する2本の対角線を引いて試験片とし、800時間試験し
てから、試験片を取り出して、20℃で24時間放置後、セ
ロハンテープ剥離試験を行ったのちのクロスカット部を
塗膜剥離幅(片側)(mm)を求めた。
製造例1 (A)成分共重合体溶液(a)の製造 温度計、撹拌機、還流冷却器、滴下ロート及び窒素ガ
ス吹込口を取り付けた反応容器に、イソプロピルアルコ
ール19.5重量部とイソブチルアルコール19.5重量部を仕
込み、窒素ガス流通下で撹拌しながら加熱して昇温し、
還流がはじまったら、アセトアセトキシエチルメタクリ
レート40重量部、ブチルメタクリレート50重量部、N,N
−ジメチルアミノエチルメタクリレート10重量部、アゾ
ビスイソブチロニトリル3重量部より成る混合物を2時
間かけて滴下ロートで添加し、滴下後還流温度で3時間
反応を続けた。反応終了後、エチレングリコールモノブ
チエーテル39重量部を加え、固形分58重量%の淡黄色の
(A)成分共重合体溶液(a)を得た。
製造例2 (A)成分共重合体溶液(b)の製造 製造例1と同様の容器に、メチルイソブチルケトン58
6重量部を仕込み、窒素ガス流通下で撹拌しながら加熱
して昇温し、還流がはじまったら、スチレン250重量
部、ブチルメタクリレート125重量部、N,N−ジメチルア
ミノエチルメタクリレート70重量部、2−ヒドロキシエ
チルメタクリレート125重量部、アゾビスイソブチロニ
トリル18重量部より成る混合物を3時間かけて滴下ロー
トで添加し、滴下後還流温度で3時間反応させて共重合
体溶液を得た。次いでこの共重合体溶液を90℃まで降温
しジブチルチンオキシド(DBTO)0.2重量部を添加した
のち、ジケテン81重量部を撹拌下に2時間かけて滴下
し、その後90℃で30分間保持して、ヒドロキシル基のア
セトアセチル化を行った。次に窒素ガスの供給を止め、
反応容器内を300〜600mmHgに減圧し、70〜90℃で40分間
減圧蒸留することにより未反応モノマー及びメチルイソ
ブチルケトンを留去したのち、この残液に、大気圧下、
75℃にエチレングリコールモノブチルエーテル160重量
部を加えて、固形分70重量%の淡黄色の(A)成分共重
合体溶液(b)を得た。
製造例3 (A)成分共重合体溶液(c)の製造 製造例1と同様の容器に、トルエン400重量部を仕込
み、窒素ガス流通下で撹拌しながら加熱して昇温し、還
流がはじまったら、2−ヒドロキシエチルメタクリレー
ト100重量部、ブチルメタクリレート500重量部、アセト
アセトキシエチルメタクリレート31.8重量部、グリシジ
ルメタクリレート142重量部、アゾビスイソブチロニト
リル20重量部より成る混合物を2時間かけて滴下ロート
より添加し、その後1時間還流温度で反応させた。次に
温度を80℃に冷却してN−メチルエタノールアミン72重
量部を加え、100℃まで昇温し、100℃で1.5時間反応さ
せた。反応終了後、反応容器内を製造例2と同様に減圧
し、未反応モノマーやアミン及びトルエンを除去したの
ち、この残液にエチレングリコールモノブチルエーテル
225重量部を加えて、固形分68重量%の淡黄色の(A)
成分共重合体溶液(c)を得た。
製造例4 (B)成分樹脂(d)の製造 温度計、撹拌機、還流冷却器及び窒素ガス吹込口を取
り付けた反応容器に、エチレングリコールモノブチルエ
ーテル469重量部、エポキシ当量186のビスフェノールA
型ポリエポキシド740重量部を仕込み、窒素ガス流通下
で撹拌しながら加熱し昇温して溶解させたのち、80℃に
冷却してモノケチミン(1モルのモノメチルアミノプロ
ピルアミンと1.2モルのメチルイソブチルケトンとの反
応により得られたもの)568重量部を添加した。次に、1
00℃に昇温し、この温度で1.5時間保持して反応させ、
固形分含量70重量%の(B)成分のケチミンブロック化
第一級アミノ基含有ポリアミン樹脂(d)を得た。
製造例5 (B)成分樹脂(e)の製造 製造例4と同様の反応容器に、エチレングリコールモ
ノブチルエーテル124重量部、エポキシ当量490のビスフ
ェノールA型ポリエポキシド719重量部、ジアミン[ヘ
キサメチレンジアミン1モルにカージュラーE−10(油
化シェルエポキシ(株)製、商品名)2モルを付加させ
たもの]247重量部を仕込み、窒素ガス流通下で撹拌し
ながら加熱して昇温し、80℃で3時間反応させた。次
に、この反応液にエピキュラH−1[ジケチミン、油化
シェルエポキシ(株)製、商品名]89重量部を加えて、
80℃で2.5時間反応させ、固形分70重量%の(B)成分
のケチミンブロック化第一級アミン含有ポリアミン樹脂
(e)を得た。
製造例6 (B)成分樹脂(f)の製造 製造例4と同様な反応容器に、メチルイソブチルケト
385重量部、エポキシ当量490のビスフェノールA型ポリ
エポキシド348重量部、エポキシ当量186のビスフェノー
ルA型ポリエポキシド216重量部、1,1−ジメチルアミノ
プロピルアミン33重量部、ジアミン(ヘキサメチレンジ
アミン1モルにカージュラーE−10(前出)2モルを反
応させたもの)300重量部を仕込み、窒素ガス流通下で
撹拌しながら加熱して昇温し、100℃で3時間反応させ
た。次に、80℃まで冷却したのち、モノケチミン(前
出)39.5重量部、ジケチミン(前出)50.9重量部を加え
て80℃で2.5時間反応させ、次いで窒素ガスの供給を止
め、反応容器内を300〜600mmHgに減圧し、70〜90℃で40
分間減圧蒸留して未反応アミン及びメチルイソブチルケ
トンを留去した。その後、反応容器内を常圧に戻し、こ
れに80℃でエチレングリコールモノブチルエーテル300
重量部を加えて十分に撹拌し、固形分含量73重量%の茶
褐色透明な(B)成分のケチミンブロック化第一級アミ
ン含有ポリアミン樹脂(f)を得た。
製造例7 (B)成分樹脂(g)の製造 製造例4と同様な反応容器に、アジピン酸392重量
部、ジエチレントリアミン250重量部を仕込み、窒素ガ
ス流通下で撹拌加熱し、水を留去したのち、190〜200℃
で3時間反応し、次いで100℃まで冷却した。次にこの
反応液に、エチレングルコールモノブチルエーテル200
重量部を加えて十分撹拌して室温とし、固形分70重量%
の(B)成分樹脂(g)を得た。
比較製造例1 共重合体溶液(h)の製造 製造例1と同様な反応容器に、イソプロピルアルコー
ル48重量部を仕込み、窒素ガス流通下で撹拌しながら加
熱して昇温し、還流がはじまったら、ブチルメタクリレ
ート36重量部、スチレン15重量部、2−ヒドロキシエチ
ルメタクリレート24重量部、N,N−ジメチルアミノエチ
ルメタクリレート17重量部、2−エチルヘキシルアクリ
レート28重量部、アゾビスイソブチロニトリル3.5重量
部より成る混合物を2時間かけて滴下ロートで添加し、
滴下後還流温度で3時間反応させた。反応終了後、これ
に、エチレングリコールモノブチルエーテル48重量部を
加えて、固形分72重量%の淡黄色共重合体溶液(h)を
得た。
比較製造例2 共重合体溶液(i)の製造 製造例1と同様の反応容器に、イソプロピルアルコー
ル30重量部、エチレングリコールエチルエーテル10重量
部を仕込み、窒素ガス流通下で撹拌しながら加熱して、
昇温し、還流がはじまったら、ブチルアクリレート30重
量部、シクロヘキシルメタクリレート15重量部、2−ヒ
ドロキシプロピルメタクリレート24重量部、N,N−ジメ
チルアミノエチルメタクリレート11重量部、2−エチル
ヘキシルメタクリレート30重量部、アゾビスイソブチロ
ニトリル5重量部より成る混合物を3時間かけて滴下ロ
ートで添加し、さらに、エチレングリコールモノブチル
エーテル25重量部にアゾビスイソブチロニトリル0.5重
量部を混合したものを滴下ロートで2時間かけて添加
し、還流温度で1時間反応させ、固形分62重量%の淡黄
色の共重合体溶液(i)を得た。
実施例1〜6 製造例で得た(A)成分共重合体溶液、ルチル型二酸
化チタン[JR−602、帝国化工(株)製、商品名]及び
エチレングリコールモノブチルエーテル(ブチルセロソ
ルブ)を所定の割合で混合し、サンドグラインドミルで
1時間分散した。次に、これに所定量の90重量%酢酸を
加えて十分に混合したのち、所定量の脱イオン水を少し
ずつ加えながらディゾルバーを用いて乳化分散し、固形
分15〜25重量%の水性分散液を調製した。
一方、製造例で得た(B)成分樹脂に、所定量の90重
量%酢酸を加えて十分に混合したのち、これに所定量の
脱イオン水を少しずつ加えながらディゾルバーを用いて
乳化分散して、固形分15〜25重量%の水性分散液を調製
した。
次に、このようにして得られた(A)成分を含有する
水性分散液と(B)成分を含有する水性分散液とを、水
で希釈しながら所定の割合で混合分散し、第1表に示す
組成を有する固形分15〜20重量%のカチオン電着塗料組
成物を調製した。
また、このようにして得られたカチオン電着塗料組成
物を、常法に従ってリン酸亜鉛処理した鋼板に塗装し、
140℃で25分間焼き付け、形成された硬化塗膜の各物性
を評価した。その結果を第3表に示す。なお、この際、
電着塗膜の膜厚は20±5μmになるように調節した。
比較例1〜6 比較製造例で得た共重合体溶液、触媒、各種硬化剤、
ルチル型二酸化チタン[JR−602、帝国化工(株)製、
商品名]、エチレングリコールモノブチルエーテル(ブ
チルセロソルブ)を、それぞれ所定の割合で混合したの
ち、実施例における(A)成分を含有する水性分散液を
調製する場合と同様の方法で乳化分散して、第2表に示
す組成を有する固形分濃度が10〜20重量%のカチオン電
着塗料組成物を調製した。
次に、この塗料組成物を用い、実施例と同様にして鋼
板に硬化塗膜を形成させ、この塗膜の物性を評価した。
その結果を第3表に示す。
第3表から明らかなように、本発明の塗料組成物は安
定性が良好である上に、塗膜の硬度、耐衝撃性、可とう
性、外観、耐溶剤性、耐食性などに優れている。
これに対し、アセトアセチル基を含有せず、第三級ア
ミノ基と水酸基とを有するエチレン性不飽和単量体単位
を必須単位とする共重合体(h)又は(i)とブロック
型イソシアネート化合物とから成る比較例1〜6(特公
昭61−44906号公報、特公昭62−43470号公報に相当)
は、実施例と同じ条件で焼き付け硬化させると、塗膜の
硬度、耐衝撃性、可とう性、耐溶剤性、耐食性などに劣
る。
[発明の効果] 以上、説明したように、本発明のカチオン電着塗料組
成物においては、従来のものが焼付温度160〜180℃で硬
化するのに対し、100〜150℃の範囲の温度で硬化するな
ど、低温硬化性に優れる上、得られた塗膜は外観、硬
度、耐溶剤性、耐候性、耐食性などに優れており、しか
も、電着塗料浴の安定性も十分に良好である。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】水性媒体中に、塗膜形成成分として、
    (A)第三級アミノ基を有するエチレン性不飽和単量体
    単位とアセトアセチル基を有するエチレン性不飽和単量
    体単位とを含有する水分散性共重合体、及び(B)架橋
    性第一級アミノ基を有する水分散性樹脂を分散させて成
    るカチオン電着塗料組成物。
  2. 【請求項2】水分散性共重合体がアセトアセチル基を有
    するエチレン性不飽和単量体単位1〜75重量%を含有す
    るものである請求項1記載の組成物。
  3. 【請求項3】(A)成分と(B)成分との固形分重量比
    が5:95ないし95:5である請求項1又は2記載の組成物。
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