JP2625910B2 - ポリイミド積層膜の製造方法 - Google Patents

ポリイミド積層膜の製造方法

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JP2625910B2 JP63155803A JP15580388A JP2625910B2 JP 2625910 B2 JP2625910 B2 JP 2625910B2 JP 63155803 A JP63155803 A JP 63155803A JP 15580388 A JP15580388 A JP 15580388A JP 2625910 B2 JP2625910 B2 JP 2625910B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、ポリイミド積層膜の製造方法に関するもの
であり、さらに詳しくは多層配線構成体等の層間絶縁膜
や保護膜などに好適に使用されるポリイミド系樹脂層に
関するものである。
[従来の技術] ポリイミド系樹脂を絶縁膜として用いた配線構成体と
しては、LSIの多層配線構成体(例えば特公昭51−41554
号公報)やCu−ポリイミド多層配線構成体(例えば「日
経エレクトロニクス」145〜158頁、1984年8月27日号)
が知られている。また、低線膨張率ポリイミドを絶縁膜
に用いた多層配線構成体(例えば、特開昭60−143649号
公報)も知られている。
LSIの多層配線構成体の場合、加工工程の高い熱処理
温度(例えば、Al配線間のシンタリングの450℃に耐え
る必要があり、耐熱性の非常に高いポリイミドを用いる
必要がある。また、Cu−ポリイミド多層配線構成体の場
合、配線に流れる電流が大きく、配線層間の絶縁を確保
するのに、1層当り数+μmの膜厚が必要なケースが多
い。さらにこのような場合は、基板とポリイミド熱線膨
張率の差による残留応力を軽減するため、低熱線膨張率
ポリイミドの使用が不可欠である。しかし、これらの非
常に耐熱性の高いポリイミドや低熱線膨張率のポリイミ
ドは、通常、ガラス転移点がないため、下地との接着性
が悪く、信頼性が悪いという問題があった。特に、湿熱
処理(例えば、121℃、飽和スチーム下で行なう、プレ
ッシャークッカーテスト)すると、著しく信頼性が低下
する。
かかる問題に対し、本発明者らは先に上記絶縁膜がガ
ラス転移点を有するポリイミドとガラス転移点を有しな
いポリイミドからなる積層膜を用いることを提案(特願
昭61−273869号)した。
[発明が解決しようとする課題] ポリアミド酸と溶剤からなるポリアミド酸ワニスを基
板上に塗布し、熱処理を行ない数十μm厚のポリイミド
膜を得る場合、通常ポリアミド酸ワニスは、固形分濃度
を高くすると急激に溶液粘度が上昇するため、1回塗布
するのみで厚膜を形成することは困難である。従ってま
ず1層目を塗布した後、200℃以上に加熱しイミド化率
を上げたうえで、2層目を塗布する。従来はこの工程を
何回かくり返し所望の膜厚のものを得るという方法を取
らざるを得なかった。また、異なった種類のポリアミド
酸からなる積層膜を形成する場合も同様であり、1層目
を塗布し200℃以上に加熱し、イミド化率を上げたうえ
で、異種のポリアミド酸ワニスを塗布する。この工程を
くり返すことで積層膜を形成していた。ところが200℃
以上の高温加熱を行なう場合、溶媒蒸発や残留応用など
の問題から段階的に昇温する必要があり、非常に繁雑な
加熱工程を1層形成するたびごとにくり返さねばならな
いという問題があった。
またこのような厚膜や積層膜を、剥離工程の容易なポ
リ型フォトレジストを用いてパターン加工する場合、一
層ごとに位置合せをしながら加工しなければならず、工
程数が増し、コスト高になるという問題があった。
本発明は、かかる従来技術の諸欠点に鑑み創案された
もので、その目的は、簡単なプロセスでポリイミド積層
膜を形成し、しかも一層ごとに位置合せ不要なパターン
加工方法を提供せんとするものである。
[課題を解決するための手段] かかる本発明の目的は、基板上に少なくとも2層以上
のポリイミド膜を積層するに際し、次の(A)〜(C)
の工程を有することを特徴とするポリイミド積層膜の製
造方法により達成される。
(A)基板上にポリアミド酸と溶剤とアミン化合物とか
ら主としてなるポリアミド酸ワニスを塗布した後、50℃
〜150℃で熱処理して第1層目のポリアミド酸皮膜を形
成する工程、 (B)該第1層目のポリアミド酸皮膜上に、上記ポリア
ミド酸ワニスと同種または異種のポリアミド酸ワニスを
塗布した後、50℃〜150℃で熱処理してポリアミド酸皮
膜を形成する工程を少なくとも1回以上くり返して、ポ
リアミド酸積層膜を形成する工程、 (C)該ポリアミド酸積層膜を200℃〜450℃の範囲で加
熱してポリイミド積層膜に変換する工程。
すなわち、本発明の方法によれば、ポリアミド酸と溶
剤からなるポリアミド酸ワニスにアミン化合物を添加す
ることにより、ポリアミド酸皮膜状態での重ね塗りが可
能となり、簡略化されたプロセスでポリアミド酸積層膜
を形成することができる。
以下順を追って本発明の構成を説明する。
本発明におけるポリアミド酸とは、一般式(I) (ただし、式中R1は3価または4価の有機基、R2は2
価の有機基、mは1または2である。)で表わされるも
のであり、加熱あるいは適当な触媒によりイミド環や、
その他の環状構造を有するポリマ(以後、ポリイミド系
ポリマと呼ぶ)となり得るものである。
上記一般式(I)中、R1は2個以上の炭素原子を有す
る3価または4価の有機基である。ポリイミド系ポリマ
の耐熱性の面から、R1はポリマ主鎖のカルボニル基との
結合が芳香族環あるいは芳香族複素環から直接行なわれ
る構造を有するものが好ましい。したがって、R1として
は、芳香族または芳香族複素環を含有し、かつ炭素数6
〜30の3価または4価の基が好ましい。
R1のより好ましい具体例としては、 (式中、結合手はポリマ主鎖のカルボニル基との結合
を表わし、カルボキシル基は結合手に対してオルト位に
位置するが、この結合手は上記構造式には記載していな
い)。
などが挙げられるが、これらに限定されない。
また一般式(I)の構造単位を有するポリマは、R1
これらのうちただ1種から構成されていてもよいし、2
種以上から構成された共重合体であってもよい。
R1として特に望ましいものは、 である(ただし式中、結合手の定義については前述と同
様である)。
上記構造単位(I)中、R2は少なくとも2個以上の炭
素原子を有する2価の有機基であるが、ポリイミド系ポ
リマとした時の耐熱性の面から、ポリマ主鎖のアミド基
との結合が芳香族環あるいは芳香族複素環から直接行な
われる構造を有するものが好ましい。したがって、R2
しては、芳香族または芳香族複素環を含有し、かつ炭素
数6〜30の2価の基が好ましい。
R2のより好ましい具体例としては、 (式中、結合手は主鎖のアミド基との結合を表わす)
などが挙げられる。また、これらが、ポリイミド系ポリ
マの耐熱性に悪影響を与えない範囲内でアミノ基、アミ
ド基、カルボキシル基、スルホンアミド基などの核置換
基を有していても差し支えない。これらの核置換基を有
するものの中で特に好ましい例としては、 が挙げられる。
一般式(I)の構造単位を有するポリマは、R2がこれ
らのうちただ1種から構成されていてもよいし、2種以
上から構成される共重合体であってもよい。さらに、ポ
リイミド系ポリマの接着性を向上させるために、耐熱性
を低下させない範囲でR2として、シロキサン構造を有す
る脂肪族性の基を共重合させることも可能である。好ま
しい具体例としては、 などが挙げられる。
一般式(I)の構造単位を主成分とするポリマの具体
例としては、 ピロメリット酸二無水物と4,4′−ジアミノジフェニ
ルエーテル、 ピロメリット酸二無水物および3,3′,4,4′−ベンゾ
フェノンテトラカルボン酸二無水物と4,4′−ジアミノ
ジフェニルエーテル、 3,3′,4,4′−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無
水物と4,4′−ジアミノジフェニルエーテル、 3,3′,4,4′−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物
と4,4′−ジアミノジフェニルエーテル、 3,3′,4,4′−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物
および3,3′,4,4′−ベンゾフェノンテトラカルボン酸
二無水物と4,4′−ジアミノジフェニルエーテル、 ピロメリット酸二無水物と3,3′−ジアミノジフェニ
ルスルホン、 ピロメリット酸二無水物と3,3′,4,4′−ベンゾフェ
ノンテトラカルボン酸二無水物と3,3′(又は4,4′−)
ジアミノジフェニルスルホン、 3,3′,4,4′−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無
水物と3,3′(又は4,4′−)ジアミノジフェニルスルホ
ン、 3,3′,4,4′−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物
と3,3′(又は4,4′−)ジアミノジフェニルスルホン、 3,3′,4,4′−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物
および3,3′,4,4′−ベンゾフェノンテトラカルボン酸
二無水物と3,3′(又は4,4′−)ジアミノジフェニルス
ルホン、 ピロメリット酸二無水物と4,4′−ジアミノジフェニ
ルエーテルおよびビス(3−アミノプロピル)テトラメ
チルジシロキサン、 ピロメリット酸二無水物および3,3′,4,4′−ベンゾ
フェノンテトラカルボン酸二無水物と4,4′−ジアミノ
ジフェニルエーテルおよびビス(3−アミノプロピル)
テトラメチルジシロキサン、 3,3′,4,4′−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無
水物と4,4′−ジアミノジフェニルエーテルおよびビス
(3−アミノプロピル)テトラメチルジシロキサン、 3,3′,4,4′−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物
と4,4′−ジアミノジフェニルエーテルおよびビス(3
−アミノプロピル)テトラメチルジシロキサン、 3,3′,4,4′−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物
および3,3′,4,4′−ベンゾフェノンテトラカルボン酸
二無水物と4,4′−ジアミノジフェニルエーテルおよび
ビス(3−アミノプロピル)テトラメチルジシロキサ
ン、 ピロメリット酸二無水物および3,3′−(又は4,4′
−)ジアミノジフェニルスルホンおよびビス(3−アミ
ノプロピル)テトラメチルジシロキサン、 ピロメリット酸二無水物および3,3′,4,4′−ベンゾ
フェノンテトラカルボン酸二無水物と3,3′−(又は4,
4′−)ジアミノジフェニルスルホンおよびビス(3−
アミノプロピル)テトラメチルジシロキサン、 3,3′,4,4′−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無
水物と3,3′−(又は4,4′−)ジアミノジフェニルスル
ホンおよびビス(3−アミノプロピル)テトラメチルジ
シロキサン、 3,3′,4,4′−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物
と3,3′−(又は4,4′−)ジアミノジフェニルスルホン
およびビス(3−アミノプロピル)テトラメチルジシロ
キサン、 3,3′,4,4′−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物
および3,3′,4,4′−ベンゾフェノンテトラカルボン酸
二無水物と3,3′−(又は4,4′−)ジアミノジフェニル
スルホンおよびビス(3−アミノプロピル)テトラメチ
ルジシロキサン、 3,3′,4,4′−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物
と1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、 3,3′,4,4′−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物
と4,4′−(又は3,3′−)ジアミノジフェニルメタン、 3,3′,4,4′−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物
と1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼンおよび
3,3′,4,4′−ジアミノジフェニルスルホン、 3,3′,4,4′−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物
と4,4′−(又は3,3′−)ジアミノジフェニルメタンお
よび3,3′,4,4′−ジアミノジフェニルスルホン、 などから合成されたポリアミド酸が好ましく用いられ
る。
本発明に用いられる溶剤としては、ポリアミド酸の溶
解性の面から主として極性溶媒が好ましい。
具体的な例としては、N−メチル−2−ピロリドン、
ジメチルアセトアミドおよびジメチルホルムアミドなど
が好ましく用いられる。
また塗布特性を改良するために、上記良溶媒の一部を
炭化水素やエーテル、エステル、高級アルコール、ケト
ン類などと置き換えてもよい。
本発明の方法において、ポリアミド酸ワニスにアミン
化合物を添加する。かかる目的のために使用するアミン
化合物としては、炭素数1〜20の直鎖または分岐状アル
キル基からなるジアルキルアミンおよびトリアルキルア
ミンが好ましく、トリアルキルアミンの使用が特に好ま
しい。ここでアルキル基は同一のものであっても、異な
るものであってもよく、アルキル鎖中に炭素−炭素二重
結合を含むものであってもよい。アルキル基の水素原子
の1個または2個が−OH基、OCH3、−OC2H5基、RCO2
(Rは低級アルキル基)、CH2=CH−CO2−基、CH2=C
(CH3)CO2−基、RCO−基(Rは低級アルキル基)など
で置換されたアミン化合物も好ましく使用可能である。
またアルキル基の一部または全部が芳香族炭化水素基で
置換されたアミン化合物も好ましく使用できる。2個以
上のアミノ基がアルキル鎖を介して結合したポリアミン
化合物で、アミノ基に結合したアルキル基の構造が上記
のものに該当するものも、好ましく使用可能である。
このようなアミン化合物の具体例を以下に示すが、本
発明の方法はこれらの化合物に限定されるものではな
い。
トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリ−p−プ
ロピルアミン、トリ−n−ブチルアミン、メチルジエチ
ルアミン、ジメチル−n−プロピルアミン、N,N−ジ−
n−ブチル−2−エチルヘキシルアミン、N−メチルジ
アリルアミン、3−ジメチルアミノプロパノール、N−
イソブチルジエタノールアミン、ジメチル−3−ジメト
キシプロピルアミン、ジメチルアミノアセトアルデヒド
ジエチルアセタール、2−ジメチルアミノエチルアセテ
ート、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジメチル
アミノエチルアクリレート、ジエチルアミノエチルアク
リレート、ジエチルアミノエチルメタアクリレート、N,
N−ジメチルベンジルアミン、N,N−ジメチルアニリン、
N,N−ジエチルアニリン、N,N,N′,N′−テトラメチル−
1,2−ジアミノエタン、N,N,N′,N′−テトラアリル−1,
4−ジアミノブタン、N,N,N′,N′,N″−ペンタアリルジ
エチレントリアミン。
これらの化合物は単独でも使用可能であるが、2種以
上混合して使用してもよい。
アミン化合物の添加量は、ポリアミド酸のカルボキシ
ル基に対し0.1〜3.0倍当量が好ましく、0.3〜1.5倍当量
がより好ましい。下限の量未満では添加効果が十分に表
われず重ね塗りが不可能となる。また上限の量を越えて
添加した場合、添加効果の面で改善される所がないのみ
ならず、ポリアミド酸ワニスの保存安定性が悪くなる。
次に本発明によるポリアミド積層膜の製造方法につい
て説明する。
まず先に述べたポリアミド酸と溶剤とアミン化合物を
混合してポリアミド酸ワニスを作製する。
次に、このポリアミド酸ワニスをガラスやシリコン等
の基板上にロールコータ、スピンナー等を用いて所定厚
さに塗布する。次いで通風オーブン等を用いて乾燥を行
なう。乾燥温度は50℃〜150℃が好ましく、70℃〜120℃
がより好ましい。50℃未満では乾燥時間が長く生産効率
が悪くなる。また150℃を越える場合はイミド化反応が
進行してしまい、ポジ型フォトレジストによるパターン
加工が困難になる。以上の工程で第1層目のポリアミド
酸皮膜を形成する。続いて第1層目のポリアミド酸皮膜
の上に上記のものと同種または異種のポリアミド酸ワニ
スを前記と同様に塗布し、乾燥することにより第2層目
のポリアミド酸皮膜を形成する。以後必要に応じて同様
の工程をくり返して所望のポリアミド酸積層膜が形成す
る。
ここで同種のポリアミド酸ワニスとは、ポリアミド
酸、溶剤およびアミン化合物の三つの主成分中、ポリア
ミド酸の構造が同じものを表わし、溶剤およびアミン化
合物の構造は、同であっても異なったものでもよい。ま
た異種のポリアミド酸ワニスとは、ポリアミド酸の構造
が異なっているものであり、溶剤およびアミン化合物の
構造は同じであっても異なったものでもよい。また積層
膜の最上層はアミン化合物を含有するポリアミド酸ワニ
スであってもよいし、アミン化合物を含有していないポ
リアミド酸ワニスであってもよい。
次いで上記ポリアミド酸積層膜を200℃〜450℃の範囲
で段階的に昇温させてポリイミド積層膜に変換する。
またパターン加工が必要な場合は、上記ポリアミド酸
積層膜上に、通常の半導体加工に用いられるアルカリ現
像型のポジ型フォトレジスト、例えば東京応化(株)製
“OFPR800"、シプレイ・ファーイースト(株)製“マイ
クロポジット"S1400−31、ヘキスト・ジャパン(株)製
“AZ−1350"などを塗布し、所望のマスクを用い、高圧
水銀灯等で露光した後、該ポジ型フォトレジストをアル
カリ現像液を用いて現像後、該アルカリ現像液を用いて
同時にポリアミド酸積層膜をエッチングする。ここで使
用可能なアルカリ現像液の一例として、東京応化(株)
製“NMD−3"、シプレイ・ファーイースト(株)製“デ
ベロッパー"MF312等が挙げられる。
続いてケトン系やエステル系の有機溶剤、例えばアセ
トン、酢酸n−ブチル等を用いて該ポジ型フォトレジス
ト層を剥離する。剥離後、パターン加工した積層膜を20
0℃〜450℃の範囲で段階的に昇温加熱してポリイミド積
層膜に変換する。
また本発明においては、上記ポジ型フォトレジストの
代りに感光性ポリイミドコーティング剤を塗布し、パタ
ーン加工することも可能である。この場合は積層膜の最
上層にもアミン化合物を含有したポリアミド酸皮膜を用
いなければならない。
本発明において用いられる感光性ポリイミドコーティ
ング剤とはポリイミドまたはポリイミド前駆体に感光基
を導入、あるいは感光性化合物を混合し、紫外線、遠紫
外線、可視光線などの光に対する感応性を付与したもの
をいい、公知の各種の感光性ポリイミドコーティング剤
が使用しうる。ただしポリイミド前駆体とは熱処理によ
りポリイミドを与えるものである。
感光基とは、光により二量化または重合して、ポリイ
ミドまたはポリイミド前駆体のポリマの間に架橋を生ず
るもの、あるいは光によって生じるラジカル、イオンな
どの活性体が前記ポリマの間に架橋を生ずるもの、さら
にまた光によって生じる活性体が前記ポリマと反応して
前記ポリマの溶解性を変えるもの、などをいう。感光性
化合物は感光基を含む化合物をいう。
感光基の例として、炭素−炭素二重結合、アジド基、
キノンアジド基が挙げられる。感光性化合物の例とし
て、重クロム酸塩、ビスアジド化合物、ナフトキノンジ
アジド化合物、アミノ基を有するビニル化合物などが挙
げられる。
特に好ましい例としては、東レ(株)製感光性ポリイ
ミドコーティング剤“フオトニース”が挙げられる。ま
た“フォトニース”を用いてパターン加工する場合、ポ
ジ型フォトレジストの場合と同様、N−メチル−2−ピ
ロリドン系の現像液、例えば東レ(株)性現像液DV−50
5を用いることにより、感光性ポリイミドコーティング
剤層の現像と同時にポリアミド酸積層膜をエッチングす
ることができる。
[作用] 以上述べたようにポリアミド酸と溶媒とアミン化合物
とから主としてなるポリアミド酸ワニスは、低温の乾燥
処理のみで多層塗りが可能となる。またこのようにして
作製した積層膜は、アルカリ溶液等に溶解可能であるた
め、ポジ型フォトレジストや感光性ポリイミドコーティ
ング剤を用いて容易にパターン加工できる。
[発明の効果] この発明は、上述のごとく構成したので、低温熱処理
プロセスでポリイミド積層膜を簡単かつ確実に形成でき
る。従って厚膜塗布や各層ごとに物性の異なったポリア
ミド酸を用いて多くの要求特性を満足する絶縁膜や保護
膜を容易に得ることができる。また本発明で得られるポ
リアミド酸積層膜はポジ型フォトレジストを使用しアル
カリ溶液等で簡単にパターン加工できるため、一層ごと
に位置合せを行ないパターン加工する必要がなく、高歩
留りの加工が可能になる。
[実施例] 以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが本
発明はこれらに限定されない。
実施例1 N−メチル−2−ピロリドン(以下NMPという)溶媒8
18.6gを三ツ口2フラスコに秤取した。これに4,4′ジ
アミノジフェニルエーテル(以下4,4′−DAEという)80
gを50℃で溶媒を撹拌しながら加えて溶解させた。4,4′
−DAEが完全に溶解した処で、3,3′,4,4′−ビフェニル
テトラカルボン酸二無水物(以下BPDAという)115.2gを
少しずつ添加し、反応させた。50℃で4時間反応させ、
得られたワニスを東京計器(株)製E型粘度計で粘度を
測定したところ30ポイズ/30℃であった。
このポリアミド酸溶液100gにアミン化合物として2−
ジメチルアミノエチルアセテート10.0gを添加し、ポリ
アミド酸ワニス(A)を作製した。
次に4,4′−DAE110gと無水ピロメリット酸120gとジメ
チルアセトアミド900gを用いて、同様な操作にて、35ポ
イズ/30℃のポリアミド酸溶液を作製した。このポリア
ミド酸溶液100gにアミン化合物としてトリエチルアミン
7.5gを添加して、ポリアミド酸ワニス(B)を作製し
た。
さらにBPDA144.2gと3,3′−ジアミノジフェニルスル
ホン124.2gとNMP1100gから、同様な操作で17ポイズ/30
℃のポリアミド酸溶液を作製し、このポリアミド酸溶液
100gにアミン化合物としてトリ−n−プロピルアミン8.
0gを加えて、ポリアミド酸ワニス(C)を作製した。
次にシリコーンウエハ上に上記ポリアミド酸(A)を
スピンナーを用いて3000rpmで30秒間回転塗布した後、
通風オーブンを用いて80℃で30分乾燥を行なった。続い
てポリアミド酸(B)を同様な条件で塗布、乾燥を行な
った後、さらにポリアミド酸(C)を同様な条件で塗
布、乾燥し、(A)層、(B)層および(C)層からな
るポリアミド酸積層膜を得た後、この積層膜を150℃60
分、300℃で60分加熱して合計の厚さが12.5μmのポリ
イミド積層膜を得た。
実施例2 実施例1で得たポリアミド酸積層膜に、シプレイ・フ
ァーイースト(株)製ポジ型フォトレジスト“マイクロ
ポジット"S1400−31をスピンナーを用いて2000rpmで60
秒間回転塗布した後、80℃で30分乾燥し、厚さ2.5μm
のレジスト層を形成した。続いてキヤノン(株)製“マ
スクアライナー"PLA−501Fを用いて7秒間マスク露光を
行なった後、同じくシプレイ・ファーイースト(株)製
アルカリ現像液“ディベロッパー"MF312と蓄溜水の1:1
(体積比)混合液からなる現像液を用いて該レジスト層
の現像と該ポリアミド酸積層膜のエッチングを同時に行
なった後、酢酸n−ブチルを用いて該レジスト層の剥離
を行なった。続いて実施例1と同様な熱処理を行ないパ
ターン加工されたポリイミド積層膜を得た。
実施例3 実施例2のポジ型フォトレジストの代わりに東レ
(株)製感光性ポリイミドコーティング剤“フォトニー
ス"UR3100をスピンナーを用いて2000rpmで30秒回転塗布
した後、通風オーブンを用いて80℃で60分乾燥した。こ
の時の膜厚は5.3μmであった。続いて前記PLA−501−
F露光機を用いて10秒間露光した後、現像液として前記
DV−505を用いて現像と同時にエッチングを行なった。
次にそのまま実施例1と同様な加熱処理を行ない、4層
からなる厚さ約15.5μmのパターン加工されたポリイミ
ド積層膜を得た。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭50−45833(JP,A) 特開 昭57−209608(JP,A) 特開 昭61−83260(JP,A) 特開 昭63−297038(JP,A)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板上に少なくとも2層以上のポリイミド
    膜を積層するに際し、次の(A)〜(C)の工程を有す
    ることを特徴とするポリイミド積層膜の製造方法。 (A)基板上にポリアミド酸と溶剤とアミン化合物とか
    ら主としてなるポリアミド酸ワニスを塗布した後、50℃
    〜150℃で乾燥して第1層目のポリアミド酸皮膜を形成
    する工程、 (B)該第1層目のポリアミド酸皮膜上に、上記ポリア
    ミド酸ワニスと同種または異種のポリアミド酸ワニスを
    塗布した後、50℃〜150℃で乾燥してポリアミド酸皮膜
    を形成する工程を少なくとも1回以上くり返して、ポリ
    アミド酸積層膜を形成する工程、 (C)該ポリアミド酸積層膜を200℃〜450℃の範囲で加
    熱してポリイミド積層膜に変換する工程。
  2. 【請求項2】ポリアミド酸積層膜をポジ型フォトレジス
    トを用いてパターン加工した後、200℃〜450℃の範囲で
    加熱することを特徴とする請求項1記載のポリイミド積
    層膜の製造方法。
  3. 【請求項3】ポジ型フォトレジストが感光性ポリイミド
    コーティング剤であることを特徴とする請求項2記載の
    ポリイミド積層膜の製造方法。
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