JP2625817B2 - マレイミド樹脂組成物 - Google Patents

マレイミド樹脂組成物

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JP2625817B2
JP2625817B2 JP63028556A JP2855688A JP2625817B2 JP 2625817 B2 JP2625817 B2 JP 2625817B2 JP 63028556 A JP63028556 A JP 63028556A JP 2855688 A JP2855688 A JP 2855688A JP 2625817 B2 JP2625817 B2 JP 2625817B2
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、耐熱性の電子材料、特に半導体装置封止材
料として好適に用いられるマレイミド樹脂組成物に関す
る。
従来の技術及び発明が解決しようとする課題 従来から、IC,LSI,ダイオード,トランジスター,抵
抗器等の半導体装置の絶縁封止材料としては、エポキシ
樹脂成形材料が他の熱硬化性樹脂に比べて電気特性、機
械特性、接着性に優れ、かつ成形時に低圧でも十分な流
動性を有し、インサート物を変形させたり傷つけること
がないなどの特性を有することから巾広く使用されてい
る。
ところが近年、IC,トランジスター等の半導体装置は
自動車のエンジン周辺等の高温雰囲気にさらされる場所
にも使用されるようになり、高度な耐熱性を要求される
ようになってきている。しかし、従来のエポキシ樹脂封
止材料で絶縁封止された半導体装置では、高温下に長時
間放置すると樹脂が劣化し、半導体装置の特性が悪くな
るという問題がある。
また、最近ICの集積化が進んでチップサイズが大きく
なり、これによりエポキシ樹脂で封止した場合、チップ
及びリードフレームと封止樹脂との線膨張係数の差から
発生するチップクラック,樹脂クラックなどにより又は
チップにかかる応力によりICの特性が劣化する等の問題
が発生している。
他方、耐熱性及び機械的強度に優れる絶縁材料として
各種のマレイミド樹脂が広く用いられており、中でもビ
スマレイミドとジアミンとの反応生成物である付加型ポ
リイミド樹脂及びビスマレイミドとジイソシアネートと
の反応生成物であるビスマレイミド−トリアジン樹脂が
成形性、耐熱性、機械的強度に優れることから絶縁材料
として幅広く使用されている。
しかし、マレイミド樹脂を半導体装置の絶縁封止材料
として使用すると、硬化させるのに1〜2時間必要であ
り、エポキシ樹脂封止材料の場合の60〜120秒に比べて6
0倍以上の時間が必要である。また、マレイミド樹脂
は、高温高湿の雰囲気に長時間放置しておくと樹脂の電
気特性が極端に劣化する等の欠点を有しており、実用性
が非常に乏しい。このため、マレイミド樹脂は、高信頼
性が要求されるような半導体装置の封止には使用し難
く、単に耐熱性を要求される用途、例えば積層板等とし
て使用されているに過ぎない。
このため、エポキシ樹脂封止材料と同様に短時間で硬
化し得、高温高湿雰囲気下での電気特性に優れ、かつマ
レイミド樹脂と同様に優れた耐熱性を有する半導体装置
封止材料の開発が望まれる。
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、硬化性に
優れると共に、高温高湿雰囲気下での電気特性に優れ、
かつ耐熱性に優れる硬化体を与えるマレイミド樹脂組成
物を提供することを目的とする。
課題を解決するための手段及び作用 本発明者らは、上記目的を達成するため耐熱性に優れ
るマレイミド樹脂の硬化性及び耐湿性を向上させること
について検討を行った結果、マレイミド樹脂に分子中に
ケイ素原子に結合したビニル基を(CH2=CHSiO3/2
位として含有するビニル基含有シリコーン樹脂を添加
し、更にホスフィン化合物又は過酸化物を少量添加する
ことにより、マレイミドの炭素の二重結合とビニル基含
有シリコーンのビニル基との重合反応が過酸化物又はホ
スフィン化合物の存在下で促進されて硬化時間を極端に
短縮することができる上、耐湿性が向上し、しかもマレ
イミド樹脂の耐熱性も保持された硬化物を与えることが
でき、高信頼性が要求される半導体封止に好適に使用し
得るマレイミド樹脂組成物が得られることを知見し、本
発明を完成するに至ったものである。
以下、本発明につき更に詳しく説明する。
本発明のマレイミド樹脂組成物は、(A)マレイミド
樹脂、(B)ビニル含有シリコーン樹脂、(C)過酸化
物又はホスフィン化合物を含有してなるものである。
本発明の組成物を構成する(A)成分のマレイミド樹
脂とはビスマレイミドを原料とする樹脂を示し、具体的
にはビスマレイミドとジアミンとを反応させた樹脂(付
加型ポリイミド樹脂)、ビスマレイミドとジイソシアネ
ートとを反応させた樹脂(ビスマレイミド・トリアジン
樹脂)、ビスマレイミドをそのまま使用する樹脂を挙げ
ることができるが、特に付加型ポリイミド樹脂又はビス
マレイミド・トリアジン樹脂がトランスファー成形方式
で容易に成形することができることなどから好適であ
る。
ここで、上記付加型ポリイミド樹脂は、下記一般式
(1) (但し、式中R1は二価の有機基を示す。) で示されるN・N′置換ビスマレイミド化合物と下記一
般式(2) NH2−R2−NH2 …(2) (但し、式中R2は二価の有機基を示す。) で示されるジアミンとを反応させて予備重合したもので
ある。
この一般式(1)で示されるN・N′置換ビスマレイ
ミド化合物としては、具体的にはN・N′−エチレンビ
スマレイミド、N・N′−m−フェニレンビスマレイミ
ド、N・N′−p−フェニレンビスマレイミド、N・
N′−ヘキサメチレンビスマレイミド、N・N′−p・
p′−ジフェニルジメチルシリルビスマレイミド、N・
N′−p・p′−ジフェニルメタンビスマレイミド、N
・N′−p・p′−ジフェニルエーテルビスマレイミ
ド、N・N′−ジフェニルチオエーテルビスマレイミ
ド、N・N′−ジフェニルスルホンビスマレイミド、N
・N′−ジシクロヘキシルメタンビスマレイミド、N・
N′−m−キシリレンビスマレイミド、N・N′−p・
p′−ベンゾフェノンビスマレイミド、N・N′−(3
・3′ジクロロ−p・p′−ビフェニレン)ビスマレイ
ミド、N・N′−p・p′−ジフェニルエーテルビスエ
ンドメチレンテトラヒドロフタルイミド、N・N′−p
・p′−ジフェニルメタンビステトラヒドロフタルイミ
ド、N・N′−(3・3′ジクロロ−4・4′ジフェニ
ルオキシ)ビスマレイミドが用いられ、従って、上記式
(1)のR1の二価の有機基は、ここに具体的に示したN
・N′置換ビスマレイミド化合物の2個のマレイミド基
間を結合する二価の基として定義される。
また、このN・N′置換ビスマレイミドと反応させる
一般式(2)のジアミンにおいて二価の有機基を示すR2
としては、 (但し、式中R3は酸素,イオウ,−CO−,−CH2−,−C
ONH−,−NH−, −N=N−から選ばれる二価の原子又は基を示す。) で示される基である。
従って、上記(2)式で示されるジアミンとしては、
メタフェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、4
・4′−ジアミノジフェニルメタン、4・4′−ジアミ
ノジフェニルサルファイド、4・4′−ジアミノジフェ
ニルスルフォン、4・4′−ジアミノジフェニルエーテ
ル、2・6−ジアミノピリジン、ビス−(4−アミノフ
ェニル)ジメチルシラン、ベンチゾン、3・3′−ジク
ロロベンチジンなどを挙げることができる。
なお、耐クラック性を重視する場合には、下記一般式
(3) (但し、式中R4及びR6は二価の有機基、R5は一価の有機
基を示し、nは0〜300である。)で示される両末端ア
ミノ基のシリコーン化合物を併用することが効果的であ
る。
本発明で用いる付加型ポリイミド樹脂は、上述したよ
うに上記のN・N′置換ビスマレイミドとジアミンとを
反応させることにより予備重合したものであるが、その
重合方法としては、ビスマレイミドとジアミンとを溶融
反応させる方法又は溶媒の存在下でビスマレイミドとジ
アミンとを反応させ、その後溶媒を除去して反応生成物
を得る方法等が好適に採用される。この重合反応は重要
であり、この予備重合を行わずにN・N′置換ビスマレ
イミドとジアミンとを別々に配合して組成物を構成する
と、成形の際にバリが発生しやすくなるとか、ボイドが
発生するとかの欠点を有するようになる。一方、重合が
進みすぎて軟化点が高くなった樹脂を使用すると、組成
物の樹脂粘度が上がりすぎて半導体装置を封止した際、
金線の流れが発生するとか大型の金型には使用できなく
なる場合がある等の欠点を有するようになる。このた
め、軟化点が10〜120℃、特に30〜100℃となるように重
合させることが好ましい。軟化点が10℃未満であるとモ
ノマー分が多くなり、反応しないものと同様な結果とな
ってしまう。また、ジアミンとN・N′置換ビスマレイ
ミドとのモル比は、ジアミン1モルに対してN・N′置
換ビスマレイミド0.5〜2モル、特に1〜1.5モルとする
のが好ましい。モル比が0.5未満であると他の成分と混
合して組成物を構成した場合、その架橋密度が低下し、
耐熱性及び熱変形温度が低くなる場合があり、一方2モ
ルを超えると架橋度が高くなりすぎて非常に脆いものと
なってしまう場合がある。
また、本発明に用いるビスマレイミド・トリアジン樹
脂は上述した一般式(1)で示されるN・N′置換ビス
マレイミド化合物と下記一般式(4) NCO−R7−OCN …(4) (但し、式中R7は二価の有機基を示す。) で示されるジシアネートとを反応させて予備重合したも
のである。
ここで、上記一般式R7で示される二価の有機基として
は、 (但し、R9は酸素イオン、−CO−,−CH2−,−CONH
−,−NH−, −N=N−から選ばれる二価の原子又は基を示す。) で示される基である。
なお、N・N′置換ビスマレイミド化合物とジシアネ
ートとの重合方法は、N・N′置換ビスマレイミド化合
物とジシアネートとをモル比0.5〜2の範囲で反応さ
せ、軟化点が30〜200℃になるように予備重合すること
が好ましいが、その他はジアミンの代わりに上述したジ
シアネートを用いた以外は上記と同様であるのでその説
明を省略する。
更に、本発明に用いるビスマレイミドをそのまま使用
する樹脂としては、上記一般式(1)で示される上述の
N・N′置換ビスマレイミド化合物が用いられる。
なお、上述した(A)成分のマレイミド樹脂は、半導
体装置の特性を損なうようなNa,Cl分を極力低くするこ
とが好ましく、その場合Na,Cl分をそれぞれ30ppm以下、
特に1ppm以下とするのが好ましい。
本発明の組成物を構成する(B)成分のビニル基含有
シリコーン樹脂は、マレイミド樹脂の硬化性を向上させ
るために添加するものであり、分子中にケイ素原子に結
合したビニル基を(CH2=CHSiO3/2単位として含有す
る下記一般式(6) (但し、式中R12は、メチル基、エチル基、プロピル
基、ブチル基等のアルキル基又はフェニル基、R13は−H
C=CH2、a及びbは正の数で、0<a+b<4であ
る。) で示すものを使用する。
この(B)成分の配合量は、マレイミド樹脂100重量
部に対して1〜300重量部、特に5〜200重量部とするこ
とが好ましい。配合量が1重量部未満であると硬化性の
向上が不充分となり、一方200重量部を超えると機械的
強度が非常に悪くなる場合がある。
次に、(C)成分の過酸化物又はホスフィン化合物
は、マレイミド樹脂の硬化促進剤として本発明組成物に
配合されるものである。即ち、この(C)成分を配合す
ることにより、マレイミドの炭素の二重結合とビニル基
含有シリコーンのビニル基との重合反応が促進されるも
のである。
ここで、ホスフィン化合物として具体的には、第一ホ
スフィン,第二ホスフィン,第三ホスフィンが包含さ
れ、これにはエチルホスフィン,プロピルホスフィン,
ブチルホスフィン、更に長鎖アルキルホスフィン,フェ
ニルホスフィン,ジメチルホスフィン,ジエチルホスフ
ィン,ジプロピルホスフィン,ジアミルホスフィン、更
に少なくとも1個の長鎖アルキル基であるジアルキルホ
スフィン,ジフェニルホスフィン,メチルフェニルホス
フィン,エチルフェニルホスフィン,トリメチルホスフ
ィン,トリエチルホスフィン,トリブチルホスフィン、
更に少なくとも1個が長鎖アルキル基であるトリアルキ
ルホスフィン,トリフェニルホスフィン,アルキルジフ
ェニルホスフィン,ジアルキルフェニルホスフィンなど
が例示される。これらのホスフィン化合物の中でも第三
ホスフィン、特にトリフェニルホスフィンが好ましい。
また、過酸化物としては、ベンゾイルパーオキサイ
ド、ビス−2・4−ジクロロベンゾイルパーオキサイ
ド、ジクミルパーオキサイド、ジターシャリーブチルパ
ーオキサイド、2・5−ジメチル−2・5−ビス(t−
ブチルパーオキシ)ヘキサン、ジクミルパーオキサイド
等を挙げることができる。
この(C)成分の配合量は、(A)成分のマレイミド
樹脂100重量部に対して0.1〜10重量部が好ましい。配合
量が0.1重量部未満であると硬化性に劣り、また10重量
部を超えると電気特性及び流動性が悪くなる場合が生じ
る。また、この(C)成分の純度としては98%以上、特
に99%以上とするのが好ましい。純度が98%以下である
と電気特性及び硬化性が悪くなる場合がある。
本発明のマレイミド樹脂組成物は、上述した(A)成
分のマレイミド樹脂、(B)成分のビニル基含有シリコ
ーン樹脂及び(C)成分の硬化促進剤を混合することに
より得られるが、上記の3成分に加えて各種添加剤を添
加することができ、具体的には充填剤として石英粉末な
ど、耐湿改善剤としてシリコーン化合物、ワックス類、
ステアリン酸等の脂肪酸及びその金属塩、その他の離型
剤、カーボンブラック等の顔料、染料、難燃化剤、老化
防止剤などを添加し得、更に流動性及び機械的強度を向
上させるためにエポキシ樹脂、フェノール樹脂等を添加
することもできる。
これら添加剤のうち充填剤として用いられる石英粉末
は、これを添加することで組成物の成形性及び線膨張係
数を下げることができる。この石英粉末を添加する場
合、その添加量は(A)成分のマレイミド樹脂100重量
部に対して100〜600重量部、特に150〜300重量部とする
のが好ましい。添加量が100重量部未満であるとその効
果が充分に発揮されず、また600重量部を超えると組成
物の粘度が高くなりすぎてIC等を成形した時に金線の流
れが発生する場合がある。また、石英粉末の好ましい平
均粒子径の範囲は5〜50μ、より好ましくは10〜40μで
ある。平均粒子径が5μ未満であると組成物が粘度が上
がりすぎて金線の流れが発生する場合があり、一方50μ
を超えると、小さい成形物を成形するために金型におけ
るゲートを小さくした場合、成形の際にこのゲート口に
石英粉末が詰まり、成形できなくなる場合がある。また
粒子径200μ以上の粒子が存在しても同様の現象が発生
し、この200μ以上の粒子が0.2%以上あるとトランスフ
ァー成形した際の未充填発生率が非常に高くなり、半導
体封止用としては使用できなくなる場合がある。更に、
純度は98%以上、特に99%以上であるのが好ましく、98
%未満であると半導体装置を封止した場合、半導体素子
の特性を損なう場合がある。この石英粉末は非結晶性、
結晶性のいずれでもよいが、熱伝導性を向上させるには
結晶性石英を、線膨張係数を下げるには非結晶性石英を
使用するのが好ましい。また流動性を上げるためには球
状の非結晶シリカを使用するとより効果的である。
また、耐湿改善剤として配合されるシラン化合物は、
下記一般式(7) R15 aR16 bSi(OR17 ……(7) (但し、式中R15,R16,R17はそれぞれ水素原子又は一価
の有機基を示すが、互に異なっていても同じでもよく、
またcは1,2又は3を示し、a+b+c=4である。) で示すものを使用でき、具体的にはビニルトリエトキシ
シラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリス(β
−メトキシエトキシ)シラン、γ−グリシドキシプロピ
ルトリメトキシシラン、γ−メタアクリロキシプロピル
トリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミ
ノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチ
ル)アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミ
ノエチル)γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラ
ン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−
アミノプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。こ
れらの中でもビニル基及び/又はアミノ基を含有するシ
ラン化合物が特に好ましい。また、化合物中のCl,Na分
は30ppm以下、特に5ppm以下であるのが好ましく、Cl,Na
分が30ppmを超えると半導体装置を封止した場合、半導
体装置の特性を損なう場合がある。また添加量は(A)
成分のマレイミド樹脂100重量部に対して0.3〜10重量
部、特に0.7〜2重量部とするのが好ましい。添加量が
0.3重量部未満であると期待した耐湿性向上の効果が得
られない場合があり、また10重量部を超えると成形時に
成形品の外観が非常に悪くなる場合がある。
上記の石英粉末及びシリコーン化合物の添加方法とし
ては、上記シリコーン化合物をメタノール、水等で希釈
し、石英粉末の表面をこのシリコーン化合物とメタノー
ル又は水等との混合溶液でよく濡らし、その後乾燥し、
メタノール、水等をとばし、シリコーン化合物と石英粉
末との混合物として組成物中に添加する方法、組成物製
造の際、上記(A),(B),(C)及びその他の成分
を混合するときに添加する方法等があるが、いずれの方
法でもその効果は著しい。
本発明の組成物は、上述した各成分の所定量を均一に
撹拌、混合し、予め70〜95℃に加熱してあるロール,ニ
ーダーなどにより混練、冷却し、粉砕するなどの方法で
得ることができる。なお、各成分の配合順序に特に制限
はない。
また、本発明組成物を硬化する場合の条件は種々選定
され、通常トランスファー成形法、コンプレッション成
形法等の成形法を採用し、温度170〜200℃で60〜120秒
の成形条件を採用することができるが、これに限定され
るものではない。成形後はポストキュアを行うことが好
ましい。ポストキュアは例えば160〜220℃程度で2〜6
時間行うことができるが、勿論これに制限されない。
発明の効果 本発明のマレイミド樹脂組成物は、半導体封止用エポ
キシ樹脂組成物なみの硬化性を有し、その硬化体は高温
高湿雰囲気下で良好な電気特性を有し、かつ耐熱性に優
れ、かかる硬化体で封止された半導体は高信頼性を有す
るものである。
以下、実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説
明するが、本発明は下記実施例に制限されるものではな
い。
〔実施例1〜3及び比較例1〕 (i)付加型ポリイミド樹脂(マレイミド樹脂)の合成 4つ口フラスコにCl,Na分2ppmの4・4′−ジアミノ
フェニルメタン198g(1.0モル)を仕込み、更にN−メ
チル−2−ピロリドン200gを注入し、溶液の温度を120
℃に保ち、1時間撹拌を続けた。次にCl,Na分1ppmのN
・N′−4・4′−ジフェニルメタンビスマレイミドの
N−メチル−2−ピロリドン50%溶液860g(1.2モル)
を徐々に滴下し、20分間反応させた。次いで、反応溶液
を撹拌している水中に滴下してポリイミド樹脂を沈殿さ
せた。この沈殿物に対し過及び水洗を繰り返し、樹脂
中のCl,Na分を1.0ppm以下にした。水洗終了した樹脂を
減圧乾燥し、530gの付加型ポリイミド樹脂を得た(収率
95%)。この樹脂の軟化点は75℃であった。
(ii)マレイミド樹脂組成物の製造 上記付加型ポリイミド樹脂、 で示されるCH2=CH−基0.15モル/100g、軟化点80℃のビ
ニル基含有シリコーン樹脂、平均粒子径20μで200μ以
上の粒子が0.1%,純度99.5%の溶融石英、γ−アミノ
プロピルトリエトキシシラン、カルナバワックス、ジク
ミルパーオキサイド(純度98%)及びカーボンブラック
をそれぞれ第1表に示す配合量でよく混合し、100℃に
加熱した8インチロールで3分間混練した後冷却し、粉
砕して5種類の半導体封止用付加型ポリイミド組成物を
得た。
次に、これらの組成物につきトランスファー成形機に
てスパイラルフロー(金型温度180℃,射出圧力70kg/cm
2)、成形硬度(金型温度180℃,90秒及び180秒)を測定
した。更にトランスファー成形により円板、抗折棒を作
製し、180℃×4時間の後硬化を行い、その物性を測定
した。結果を第1表に示す。
第1表に示した結果より、付加型ポリイミド樹脂(マ
レイミド樹脂)に対し、ビニル基含有シリコーンを添加
することにより成形硬度が180℃×90secの硬化条件でも
良好となり、またPCT20hr後でのε/tanδ値及び吸水率
が良好となることがわかる。
〔実施例4〜10及び比較例2〕 ジクミルパーオキサイド又はその代わりに配合するト
リフェニルホスフィンの配合量を第2表に示す量とした
以外は実施例1と同様にして8種類の半導体封止用付加
型ポリイミド樹脂組成物を得た。次に、これら8種類の
組成物につきスパイラルフロー、成形硬度を調べた。結
果を第2表に示す。
〔実施例11〕 (i)ビスマレイミド・トリアジン樹脂(マレイミド樹
脂)の合成 4つ口フラスコに下記一般式 で示されるジシアネート334g(1.2モル)とN・N′−
4・4′−ジフェニルメタンビスマレイミド358g(1.0
モル)とを入れ、120℃で30分間撹拌しながら溶融反応
させ、冷却し、軟化点80℃の固形樹脂(マレイミド樹
脂)を得た。
(ii)マレイミド樹脂組成物の製造 上記で得られたビスマレイミド・トリアジン樹脂90重
量部、下記一般式 で示されるCH2=CH−基0.15mol/100g,軟化点80℃のビニ
ル基含有シリコーン樹脂10重量部、平均粒子径20μ,200
μ以上の粒子0%,純度99.5%の溶融石英233重量部、
γ−アミノプロピルトリエトキシシラン1.0重量部、カ
ルナバワックス2.0重量部、ジクミルパーオキサイド
(純度98%)1.0重量部、カーボンブラック2.0重量部を
良く混合し、100℃に加熱した8インチロールで3分間
混練りした後、冷却し、粉砕して半導体封止用ビスマレ
イミド・トリアジン樹脂組成物を得た。この組成物をト
ランスファー成形にて成形し、その特性を調べた。結果
を以下に示す。
スパイラルフロー:22インチ(金型温度180℃,射出圧力
70kg/cm2) 成形硬度:75〜80(金型温度180℃,成形時間90sec,パー
コール硬度計935で測定) 次に、上記組成物をトランスファー成形機にて成形
し、円板、抗折棒を作り、180℃×4時間の後硬化を行
い、樹脂板の物性を調べた。結果を以下に示す。
体積抵抗率:15×1017Ωcm(25℃),1.2×1014Ωcm(150
℃) Tg(2次転移温度):250℃ 線膨張係数:1.2×10-51/℃ 曲げ強度:12.0kg/mm2 ε/tanδ(60Hz):3.10/2.50×10-3 PCT200Hr後の特性ε/tanδ(60Hz):4.00/15.05×10-3 吸水率:0.9% Al腐蝕(PCT200Hr後のAl腐蝕率):0% 〔実施例12〕 で示されるCH2−CH−基0.15mol/100g,軟化点80℃のビニ
ル基含有シリコーン樹50重量部、N・N′−4・4′−
ジフェニルメタンビスマレイミド50重量部、平均粒子径
20μ,200μ以上の粒子含有率0%,純度99.5%の溶融石
英300重量部、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン
1.0重量部、ステアリン酸亜鉛2.0重量部、ジクミルパー
オキサイド(純度98%)1.0重量部、及びカーボンブラ
ック2.0重量部をよく混合し、100℃に加熱した8インチ
ロールで3分間混練した後、冷却し、粉砕して半導体封
止用マレイミド樹脂組成物を得た。この組成物をトラン
スファー成形にて成形し、その特性を調べた。結果を下
記に示す。
スパイラルフロー:25インチ(金型温度180℃,射出圧力
70kg/cm2) 成形硬度:60〜65(金型温度180℃,成形時間90sec,パー
コール硬度計935で測定) 次に、上記の組成物をトランスファー成形機にて成形
し、円板、抗折棒を作り、180℃×4時間の後硬化を行
い、樹脂板の物性を調べた。結果を以下に示す。
体積抵抗率:15×1017Ωcm(25℃),1.1×1014Ωcm(150
℃) Tg(2次転移温度):200℃ 線膨張係数:1.7×10-51/℃ 曲げ強度:11.0kg/mm2 ε/tanδ(60Hz):3.00/2.50×10-3 PCT200Hr後の特性ε/tanδ(60Hz):3.20/10.00×10-3 Al腐蝕(PCT200Hr後のAl腐蝕率):0%
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 79/08 LRE C08L 79/08 LRE 83/07 LRY 83/07 LRY (56)参考文献 特開 昭49−102785(JP,A) 特開 昭54−138100(JP,A) 特開 昭56−14556(JP,A) 特開 昭62−48708(JP,A) 特開 昭57−168944(JP,A) 特開 昭64−45463(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)(i)下記一般式(1) (但し、式中R1は二価の有機基を示す。) で示されるN・N′置換ビスマレイミド化合物と下記一
    般式(2) NH2−R2−NH2 …(2) (但し、式中R2は二価の有機基を示す。) で示されるジアミンとを反応させて得られた付加型ポリ
    イミド樹脂、 (ii)上記一般式(1)で示されるN・N′置換ビスマ
    レイミド化合物と下記一般式(4) NCO−R7−OCN …(4) (但し、式中R7は二価の有機基を示す。) で示されるジシアネートとを反応させて得られるビスマ
    レイミド・トリアジン樹脂、及び (iii)上記一般式(1)で示されるN・N′置換ビス
    マレイミド化合物から選ばれるマレイミド樹脂、 (B)下記一般式(6) (但し、式中R12は、アルキル基又はフェニル基を示
    し、R13は−HC=CH2、a及びbは正の数で、0<a+b
    <4である。) で示され、分子中にケイ素原子に結合したビニル基を
    (CH2=CHSiO3/2単位として含有するビニル基含有シ
    リコーン樹脂、 (C)過酸化物又はホスフィン化合物 を含有することを特徴とするマレイミド樹脂組成物。
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