JP2625275B2 - 粘着テープもしくはシート及びその表面加工方法 - Google Patents

粘着テープもしくはシート及びその表面加工方法

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JP2625275B2
JP2625275B2 JP3104430A JP10443091A JP2625275B2 JP 2625275 B2 JP2625275 B2 JP 2625275B2 JP 3104430 A JP3104430 A JP 3104430A JP 10443091 A JP10443091 A JP 10443091A JP 2625275 B2 JP2625275 B2 JP 2625275B2
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昌彦 五藤
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ポリオレフィン樹脂か
らなる基材層の片面に粘着層が積層された粘着テープも
しくはシート及びその表面加工方法に関し、更に詳しく
は、巻重体とした場合の巻戻し性(展開力)が良好な粘
着テープもしくはシート及びその表面加工方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】ポリオレフィン樹脂からなる基材層の片
面に粘着層が積層された粘着テープもしくはシートは、
公知である。この粘着テープ等の製品形態としては、こ
れらをコイル状に巻上げた巻重体が一般的である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、粘着テープ
等の巻重体に於いては、外側の粘着テープ等の粘着層と
その内側の粘着テープ等の基材の背面とが比較的強い接
着力で密着しており、この儘では使用に当たり粘着テー
プ等を巻重体から巻戻す際に、引剥がすのが困難であ
る。そこで、粘着テープ等を巻重体から巻戻す際に、粘
着剤の内側の粘着テープ等の基材背面への移行やブロッ
キング、基材の層割れ等を来すことなく、容易に巻戻し
が出来るように、通常は基材の背面に所謂離型処理が行
われている。この離型処理としては、従来、基材の背面
に予め離型剤を塗布する方法がよく行われている。
【0004】しかし、離型剤の性質として、基材の背面
に強固に固着させ且つ粘着層には適当に離れ易くすると
いう矛盾した特性を持たせることは甚だ困難である。そ
の為、特殊な離型剤を用いたり、基材の背面に下塗を施
したり、或いは基材の背面にコロナ放電処理を施してお
く等の対策が必要である。
【0005】離型剤としては、直鎖アルキル基含有ポリ
マー(例えばポリビニルエステルアリルカルバメー
ト)、シリコーン系ポリマー、パーフロロ系ポリマー等
が用いられている。しかしながら、このように離型剤を
使用する方法では、材料費が離型剤の分だけ高くつき、
又煩雑な離型剤塗布工程が必要である為、生産費が嵩
み、更には得られた粘着テープ巻重体に於いても離型剤
が粘着層に移行して粘着力の低下を招くというという品
質上の問題があった。
【0006】ところで、表面保護フィルムに於いてでは
あるが、特開昭61−103975号公報には、基材と粘着層と
を共押出法により同時に成形積層する方法が提案されて
おり、工程の簡略化、基材と粘着層との密着性の改善が
実現される。しかしながら、共押出法の場合にも、良好
な巻戻し性を得るには、やはり基材の背面に離型処理を
施す必要があるが、予め基材の背面に離型処理を施して
おくことは出来ず、離型処理に時期的な制約がある点だ
け、問題はより深刻である。
【0007】本発明は上記の如き実情に鑑みてなされた
ものであり、その目的は、離型剤を使用することなく、
簡単な工程で良好な巻戻し性(展開力)を有し、長期に
亙って良好な剥離性を維持し、品質面にも悪影響を及ぼ
すことのない粘着テープもしくはシートを提供すること
にある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、前記従来
技術の有する問題点を克服する為に鋭意研究を重ねた結
果、基材のポリオレフィン樹脂からなる表面に、例え
ば、固体物質との接触による滑り摩擦を生じさせて平行
に加わる剪断力を与えることにより、表面の微細な形状
及び/又は結晶形態等が変化し、その結果、該表面処理
された面を背面とする粘着テープもしくはシートを巻重
体とした場合、展開力が顕著に改善され、然も展開力や
粘着層の初期粘着力の経時変化がないことを見出した。
【0009】本発明は、このような知見に基づいて完成
するに至ったものである。即ち、本発明による粘着テー
プもしくはシートは、ポリオレフィン樹脂からなる基材
層の片面に、所望により中間層を介して、粘着層が積層
された粘着テープもしくはシートに於いて、基材層の背
に平行に加わる剪断力与えられて表面加工されたも
のである。
【0010】本発明に於ける粘着テープもしくはシート
(以下粘着シートと略記する)に於いては、基材層と粘
着層との間に中間層を設けてもよく、中間層の材料とし
ては、従来粘着シートの基材として用いられているクラ
フト紙、布、合成樹脂フィルム等が好適に使用出来る。
これらの中間層は、ポリオレフィン樹脂からなる基材層
と共に基材を構成する。又、中間層は、基材層と粘着層
の層間接着強度を改善する為、基材層及び粘着層の双方
と相溶性のよい材質のものを選択することが出来る。
【0011】本発明に於いて基材層を構成するポリオレ
フィン樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、
エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−エチルアク
リレート共重合体等及びこれらの混合物が挙げられる。
ポリオレフィン樹脂フィルムは、未延伸であっても、一
軸又は多軸に延伸されていてもよい。
【0012】本発明に於ける粘着層を形成する材料とし
ては、特に限定されず、ゴム系(熱可塑性エラストマー
を含む)、アクリル系、シリコーン系の粘着剤やエチレ
ン−酢酸ビニル共重合体系の接着剤等が採用される。こ
れらの粘着剤の組成は、通常、弾性体に、粘着性付与樹
脂、軟化剤、充填剤、老化防止剤等を適宜配合したもの
である。
【0013】本発明に於ける基材として用いられるポリ
オレフィン樹脂及び粘着剤には、必要に応じて酸化防止
剤、紫外線吸収剤、光安定剤、顔料等を添加してもよ
い。基材及び粘着層の厚みは、使用目的に応じて適宜設
定出来るが、前者は通常10〜 500μm、後者は通常5〜
100μm程度である。
【0014】基材の背面に平行に加わる剪断力与えら
れて表面加工される時期は、特に限定されないが、粘着
シートを巻重体に巻取るより以前に、行う必要がある。
生産性等を考えると、基材に粘着層を形成する前に、予
め基材単独で行うか、粘着層形成後、粘着シートを巻取
る前に行うことが望ましい。特に共押出法を用いる場合
には、後者によるのが好ましい。
【0015】基材の背面に平行に加わる剪断力を与える
方法としては、特に限定されないが、例えば、基材表面
を固体物質で物理的に摩擦し、基材の流れ方向に対し
て、平行に剪断力を付与する方法が挙げられる。
【0016】粘着シートを製造する工程は、通常、一連
のロール群を通過する連続巻取工程を含むので、該工程
中で行うのが最も好ましい。固体物質として、ロール状
の押えによって保持された繊維又は繊維成形体製の無端
帯もしくはロール状の固体物質(以下単にロールと略記
する)を用いて、ロールを逆回転させるか、順回転、或
いは固定(停止)させた状態で粘着シートに接触させて
もよい。粘着シートの流れ速度(ラインスピード)は2
00m/分以下、無端帯もしくはロールの周回速度(ロ
ールスピード)は500m/分以下とするのが好まし
い。
【0017】ロールの材質は、特に限定されず、例え
ば、金属製ロールの表面にガーゼもしくは布等の繊維又
は繊維成形体を巻付けたもの、或いは紙、ゴム、合成樹
脂よりなる表面層を積層したもの、ステンレス製もしく
は表面にメッキ処理を施した金属製であって、ロールの
表面層とポリオレフィン樹脂からなる基材層との間の滑
り摩擦係数が 0.3〜 0.9であるものが挙げられる。
【0018】ロールの形状は、必ずしも円筒形である必
要はなく、固定して用いられる場合には、例えば半円柱
状のように、粘着シートの基材背面が当接する部分に突
起等がなく、滑動可能な形状であればよい。
【0019】
【0020】基材の背面に平行に加わる剪断力を付与す
る手段は、複数の手段を併用してもよい。本発明に於い
て、基材層の背面に平行に加わる剪断力を与えて表面加
工することで、該背面に剥離効果(展開力改善効果)が
与えられる理由については、次のように推定出来る。
【0021】通常、基材の製造は、ポリオレフィン樹脂
を材料とし、押出機を用い、インフレーション法又はT
ダイ法で押出成形することによってなされるが、このと
き、チューブ状又はシート状に押出された溶融樹脂が冷
却される過程で、基材の表面で結晶が生成し、結晶化し
た部分とそうでない部分が出来ることが一般に知られて
いる。結晶化した部分の割合を結晶化度として表すこと
が出来る。ポリエチレン、ポリプロピレンの表面に剪断
力を与えると、その表面の結晶学的な形態が変化するこ
とが甲本等の報告により知られている(Wear,75(1982)1
73〜182)。
【0022】ところで、粘着シートの巻重体の巻戻し力
(展開力) が大きい場合、例えば展開力が1000gf/50mm
(巻戻し速度30m/分で測定)である場合に、巻戻した
後の基材層の表面がどのようになっているかを観察した
ところ、表面の形態が冷却直後と比べて大きく変化して
いることが確認された。この形態の変化は、基材層の表
面に剪断力を与えたときと非常に酷似している。
【0023】このように、巻重体の展開力が大きい理由
の一つとして、巻戻しに際し、基材層の表面に於ける形
態を変化させる力が必要であることが挙げられる。基材
層の表面に平行に加わる剪断力を与え、予め表面の形態
を変えておくことで、その変化に必要な力が要らなくな
り、結果として展開力が軽くなると推定出来る。
【0024】基材の表面に平行に加わる剪断力は、通
常、ポリオレフィン樹脂フィルムがネックイン等の変形
をしない範囲に留められるべきである。基材の表面加工
に於いて、平行に加わる剪断力によってなされる仕事量
は10J以上である。10J未満であると、展開力の低
減が不十分で、温度、時間の変化によって展開力が上昇
することがある。
【0025】表面加工された基材層の背面の流れ方向
(長手方向)に平行に形成される筋の間隔は、5〜20
μm、好ましくは7〜15μm程度である。
【0026】ロールを用いて粘着シートの基材層の背面
平行に加わる剪断力を与える場合、その剪断力の調整
は、粘着シートに掛ける張力によって行う。張力と共に
生じるロールと粘着シートとの間の抗力による滑り摩擦
力が平行に加わる剪断力となる。しかし、一般的に、粘
着シートに掛ける張力が大き過ぎる場合には、シートが
変形することになる。そこで、基材層の背面を、粘着層
側から1〜50kg/cm2 の気体流、一般的には空気
流を当てることによって、固体物質に接触させ、該基材
層背面とロールとの接触部分において、張力と回転力に
よって生じる滑り摩擦力に加えて、更に気体圧による滑
り摩擦力を加えることが出来、粘着シートを変形させる
ことなく、基材層の背面に平行に加わる剪断力を与える
ことが出来る。上記粘着層側から当てる空気圧が1kg
/cm2 未満であると、得られる滑り摩擦力が小さ過
ぎ、50kg/cm2 を超えるとシートが変形してしま
う。好ましくは3〜20kg/cm2 、更に好ましくは
5〜15kg/cm2 である。
【0027】本発明の粘着テープもしくはシートは、基
材のポリオレフィン樹脂からなる背面に平行に加わる
断力が与えられて表面加工されたものであるので、基材
表面の形態及び/又は押出成形された溶融ポリオレフィ
ン樹脂が冷却される過程で基材表面に生成する結晶形態
等を予め変えておくことによって、巻戻し時に必要な基
材表面の形態及び/又は結晶形態等を変化させる力が不
要となり、結果として展開力が軽くなると推定出来る。
【0028】
【実施例】基材の背面に平行に加わる剪断力を与える具
体的な方法及び装置に関し、図1及び図2を参照しなが
ら説明する。
【0029】図1は、粘着シートの基材の背面に平行に
加わる剪断力を与える一実施態様を示す説明図である。
1はポリオレフィン樹脂フィルムよりなる基材の片面に
粘着層が形成された粘着シートであって、矢印の方向
(上面)は基材の背面を示す。前工程で作成された粘着
シート1は、コイル状に巻上げて巻重体とされるが、そ
の前の段階で、一連のロール群を通過する。即ち、案内
ロール2を経て、ロール4上に配置された逆回転する金
属製ロール5に接触させることにより、基材の背面とロ
ール5との間に滑り摩擦を生じさせて、基材の背面に
行に加わる剪断力を付与する。ロール5の前後には、ロ
ール3、7を配置して、粘着シート1に張力を付与す
る。かくして表面処理された粘着シート1はピンチロー
ル8及び9の間を通して巻重体とされる。
【0030】ロール5は、固定(停止)していてもよい
し、又、粘着シートの流れ方向と同方向に、順回転させ
てもよく、その場合には、通常ラインスピードよりもロ
ールスピードを速くする。
【0031】図2は別の実施態様を示す説明図である。
粘着シート1は、ピンチロール21、22の間を通過して左
右のターンロール23、25で張力を加えられつつ、逆(も
しくは順)回転するロール24と接触させて、粘着シート
1の基材背面とロール24表面との間に滑り摩擦を生じさ
せる。次いで、ピンチロール26、27の間を通して巻重体
とされる。
【0032】ピンチロール21、22は、必ずしも設ける必
要はないが、ロール24を逆回転させる場合には、粘着シ
ート1の流れ方向と逆方向の摩擦力が加わる為、粘着シ
ート1が弛んだり、所望の張力を加えることが困難とな
るので、設けるのが好ましい。又、ピンチロール21、22
の粘着シート1の送出速度を、実際のラインスピードよ
りも遅くして、粘着シート1に張力が掛かるようにする
のが好ましい。又、粘着シート1に一定の張力が掛かる
ようなダンサーロールとしてもよい。
【0033】ターンロール23、25は、上下に平行移動可
能として、粘着シート1に掛かる張力或いはロール24と
粘着シート1の基材背面との接触面積を調節する。ロー
ル24は、金属製とするか、或いはその表面に繊維又は繊
維成形体、紙、ゴム、合成樹脂フィルム等の層を設けて
もよい。
【0034】28は、空気等の気体吹出口であって、基材
背面とロールとの接触部分に、所望により1〜50kg/cm
2 の気体流を当てることにより、張力と回転力によって
生じる滑り摩擦力に加えて、更に気体圧による滑り摩擦
力を加えることが出来るようなされている。
【0035】図3は、金属製ロール15の表面に繊維又は
繊維成形体6を巻付けたバフロールの例であり、更に、
ロール15の表面層は、金属、紙、ゴム、合成樹脂フィル
ム等としてもよい。
【0036】図4はユニットバフ体であり、布を繊維方
向に対して斜め45度に一定幅に裁断し端部で継いで、金
属板51の周囲に円筒状に巻回して円板状に形成してい
る。ユニットバフ体を複数個揃え、軸孔52に軸を嵌挿し
て金具で固定してバフロールを構成する。ユニットバフ
体を使用したバフロールは、金属製ロールに比し、基材
との接触により発生する歪みを殆ど吸収出来る利点を有
する。又、ユニットバフ体の材料としては、綿布製より
もポリエステル、ナイロン等の合成繊維のような長繊維
の方が糸屑が発生しないのでより好ましい。
【0037】基材の背面に平行に加わる剪断力の付与手
段は、2種以上を適宜組合わせてもよい。以下本発明の
実施例を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例
のみに限定されるものではない。
【0038】実施例1 予め厚み90μmのクラフト紙のかためんにポリエチレ
ン(三井石油化学工業社製「ミラソン16」)を厚み1
5μmとなるように押出ラミネートした基材の該ポリエ
チレン面と反対側の面に、スチレン−ブタジエン−スチ
レンブロック共重合体の水素添加物(シェル化学社製
「カリフレックスTR1102」)100重量部と粘着
付与樹脂(安原油脂工業社製「クリアロンP100」)
100重量部との混合物を、トルエンに溶解することな
く固形分厚みが40μmとなるように塗布乾燥した。得
られた粘着シート1を、粘着層と反対側の表面(背面)
を、図1の矢印表示とは逆方向に順回転する金属製ロー
ル5にて該背面に平行に加わる剪断力を与える表面加工
を行い、ピンチロール8、9を経て内径3インチの紙芯
に巻取り、巻重体を得た。
【0039】基材の背面に平行に加わる剪断力を与える
条件としては、ラインスピード10m/分、ロールスピ
ード110m/分、シートに掛けた張力20kg/m、
金属製ロールと粘着シートのポリエチレン面との滑り摩
擦係数は0.7であった。
【0040】実施例2 インフレーション法で成形された厚み60μmのポリエチ
レン(三井石油化学工業社製「ミラソン16」) フィルム
からなる基材の片面に、スチレン−ブタジエン−スチレ
ンブロック共重合体の水素添加物(シェル化学社製「ク
レイトンG1652」)100重量部と粘着性付与樹脂(安原油
脂工業社製「クリアロンP100 」) 20重量部との混合物
をトルエンにて均一溶液(固形分濃度20重量%) とした
粘着剤溶液を、固形分厚みが10μmとなるように塗布乾
燥したこと以外は実施例1と同様にして巻重体を得た。
【0041】実施例3 実施例2と同一のポリエチレンと、スチレン−ブタジエ
ン−スチレンブロック共重合体の水素添加物と粘着性付
与樹脂との混合物(トルエンは使用せず)とをTダイ法
で共押出して粘着シートとしたこと以外は実施例2と同
様にして巻重体を得た。
【0042】実施例4 基材の背面に平行に加わる 剪断力を与える条件として、
ラインスピード10m/分、ロールスピード40m/
分、シートに掛けた張力4kg/mに変更し、図2の気
体吹出口28から基材層の背面を、粘着層側から垂直に
10kg/cm2の空気流を吹付けてロールに接触させ
こと以外は実施例2と同様にして巻重体を得た。
【0043】実施例5 インフレーション法で成形された厚み100μmのポリ
エチレン(三井石油化学工業社製「ハイゼックス330
0F」)フィルムからなる基材の片面に、実施例1と同
一の混合物をトルエンにて均一溶液(固形分濃度40重
量%)とした粘着剤溶液を、固形分厚みが40μmとな
るように塗布乾燥した。得られた粘着シート1を、図3
に示すように、粘着層と反対側の表面(背面)をナイロ
ン製布6を貼着した逆回転するロール15にて該基材の
背面に平行に加わる剪断力を与える表面加工を行い、ピ
ンチロール8、9を経て内径3インチの紙芯に巻取り、
巻重体を得た。
【0044】基材の背面に平行に加わる剪断力を与える
条件としては、ラインスピード10m/分、ロールスピ
ード90m/分、シートに掛けた張力8kg/mであっ
た。実施例6 実施例5と同一のポリエチレンと、スチレン−ブタジエ
ン−スチレンブロック共重合体の水素添加物と粘着性付
与樹脂との混合物(トルエンは使用せず)とをTダイ法
で共押出して粘着シートとしたこと以外は実施例5と同
様にして巻重体を得た。
【0045】実施例7 Tダイ法で成形された厚み60μmのポリエチレン(三
井石油化学工業社製「ミラソン12」)フィルムからな
る基材の片面に、スチレン−ブタジエン−スチレンブロ
ック共重合体の水素添加物(旭化成工業社製「タフテッ
クH1052」)100重量部と粘着性付与樹脂(荒川
化学工業社製「アルコンP125」)40重量部との混
合物をトルエンにて均一溶液(固形分濃度30重量%)
とした粘着剤溶液を、固形分厚みが10μmとなるよう
に塗布乾燥した。得られた粘着シート1を、粘着層と反
対側の表面(背面)を綿布で出来た逆回転する外径30
0mmの図4のようなユニットバフ体(光陽社製センタ
ー金具付バイヤス綿バフM−0)を組合せたユニットバ
フロールにて、図3に示すように、基材の背面に平行に
加わる剪断力を与える表面加工を行い、除電して表面に
付着した綿埃を吸引除去し、ピンチロール8、9を経て
内径3インチの紙芯に巻取り、巻重体を得た。
【0046】基材の背面に平行に加わる剪断力を与える
条件としては、ラインスピード20m/分、ロールスピ
ード90m/分であった。実施例8 ナイロン製の長繊維からなるユニットバフ体をバフロー
ルに使用したこと以外は実施例7と同様にして巻重体を
得た。
【0047】ユニットバフロールからの糸屑の発生はな
く、シートの変形、皺、傷等も見られなかった。比較例1 剪断力を与えないこと以外は実施例3と同様にして巻重
体を得た。
【0048】比較例2 剪断力を与えないこと以外は実施例6と同様にして巻重
体を得た。比較例3 剪断力を与えないこと以外は実施例7と同様にして巻重
体を得た。
【0049】上記実施例及び比較例に於いて得られた粘
着シート巻重体について3種類の組合わせ条件下に放置
し、下記の方法で巻戻し時の展開力及び初期粘着力を測
定した。この測定結果を表1に纏めて示す。 展開力 :30m/分の速度で粘着シートを巻重体から
巻戻したときに要する力をg/50mm幅換算値で示す。 初期粘着力:巻重体から巻戻した粘着シートをラミネー
ターでJIS Z0237に規定するステンレス板に貼付
け、23℃で30分放置後、23℃で 300mm/分の速度で 180
°の角度で引剥がすのに要する力をg/50mm幅換算値で
示す。
【0050】
【表1】
【0051】上記の通り、実施例1〜8で得られた粘着
シート巻重体では、巻重体から引剥がす際にシートが伸
長変形することがなく、引剥がし後の初期粘着力も変化
がないことが判る。これに対し、比較例1〜3で得られ
た粘着シート巻重体では、経時的に展開力が高くなり、
シートが伸長変形し、事実上使用出来ないことが判る。
【0052】
【発明の効果】本発明の粘着テープもしくはシートは、
離型剤を使用しないので製造工程が簡略化され、離型処
理に要する工程も簡単でインライン化することが出来、
且つ経時後も巻戻し性が良好で長期に亙ってその剥離性
を維持することが出来、被着体の表面を汚染する等の品
質面への悪影響がない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明粘着テープもしくはシートの基材背面に
平行に加わる剪断力を付与する一実施態様を示す説明図
である。
【図2】本発明粘着テープもしくはシートの基材背面に
平行に加わる剪断力を付与する他の実施態様を示す説明
図である。
【図3】本発明粘着テープもしくはシートの基材背面に
平行に加わる剪断力をバフロールを用いて付与する実施
態様を示す説明図である。
【図4】本発明粘着テープもしくはシートの基材背面に
平行に加わる剪断力を付与するユニットバフ体の一例を
示す側面図である。
【符号の説明】
1 粘着シート 2 案内ロール 5 ロール 6 繊維又は繊維成形体 8 ピンチロール 9 ピンチロール 15 バフロール 21 ピンチロール 22 ピンチロール 23 ターンロール 24 逆(又は順)回転ロール 25 ターンロール 26 ピンチロール 27 ピンチロール 28 気体吹出口
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C09J 7/02 JLA C09J 7/02 JLA // B29C 61/06 7639−4F B29C 61/06 B29L 7:00

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリオレフィン樹脂からなる基材層の片
    面に、所望により中間層を介して、粘着層が積層された
    粘着テープもしくはシートに於いて、基材層の背面に平
    行に加わる剪断力与えられて表面加工されたものであ
    ることを特徴とする粘着テープもしくはシート。
  2. 【請求項2】 基材層の背面が、基材と固体物質との間
    に滑り摩擦を生じさせることにより平行に加わる剪断力
    与えられて表面加工されたものである請求項1記載の
    粘着テープもしくはシート。
  3. 【請求項3】 固体物質がロール状であって、その表面
    層が繊維、繊維成形体又は金属である請求項2記載の粘
    着テープもしくはシート。
  4. 【請求項4】 固体物質がバフロールである請求項2記
    載の粘着テープもしくはシート。
  5. 【請求項5】 表面加工された基材層の背面に、長手方
    向に沿って平行な5〜20μm間隔の筋が形成されてい
    る請求項1、2、3又は4記載の粘着テープもしくはシ
    ート。
  6. 【請求項6】 基材層の背面を、粘着層側から1〜50
    kg/cm2 の気体を当てて固体物質に接触させ、該接
    触部分において、基材と固体物質との間に滑り摩擦を生
    じさせることにより基材層の背面に平行に加わる剪断力
    与えられて表面加工されたものである請求項2、3、
    4又は5記載の粘着テープもしくはシート。
  7. 【請求項7】 ポリオレフィン樹脂からなる基材層の片
    面に、所望により中間層を介して、粘着層が積層された
    粘着テープもしくはシートの背面に、固体物質を接触さ
    せて、基材と固体物質との間に滑り摩擦を生じさせて
    行に加わる剪断力を与えることを特徴とする粘着テープ
    もしくはシートの表面加工方法。
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