JP2625168B2 - 研摩材料 - Google Patents

研摩材料

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JP2625168B2
JP2625168B2 JP21976088A JP21976088A JP2625168B2 JP 2625168 B2 JP2625168 B2 JP 2625168B2 JP 21976088 A JP21976088 A JP 21976088A JP 21976088 A JP21976088 A JP 21976088A JP 2625168 B2 JP2625168 B2 JP 2625168B2
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Description

【発明の詳細な説明】 発明の技術分野 本発明は、研摩材料に関し、さらに詳しくはパチンコ
球およびボールベアリング等の金属製の球状体の表面を
研摩する際に使用する材料に関する 発明の技術背景ならびにその問題点 パチンコ球およびボールベアリング等の金属製の球状
体(鋼球)は、その表面の付着物を除去することなどを
目的として、樹脂などを用いて研摩されながら使用され
ている。
特にパチンコ球は、わずかな錆や埃の付着によって釘
に対するパチンコ球の絡み具合等が微妙に変化して出球
率が変化するため、たとえば一日の操業が終了した後、
パチンコ球を研摩するのが一般的である。そして、この
ような研摩によってパチンコ球自体が磨耗して直径が小
さくなると出球率が高くなるので、パチンコ球自体は磨
耗せず、パチンコ球の表面に付着している不純物だけを
研摩除去するような硬度を有する研摩材料を使用するこ
とが必要である。
このような研摩材料として、従来はナイロンペレット
等の樹脂ペレットが使用されていた。
ところが、ナイロンペレットは、ナイロン自体の耐磨
耗性が良好でないため、パチンコ球を研摩する際にナイ
ロンペレット自体が相当磨耗されてしまう。また、ナイ
ロンは、耐加水分解性が低いため、水の混入によってナ
イロンペレットが加水分解をうけて、研摩材料としての
寿命が著しく短縮される虞がある。さらに、ナイロン
は、硬度が高いため、パチンコ球に研摩材料が充分にフ
ィットせず、パチンコ球を効率良く研摩することができ
にくいという問題点があった。
発明の目的 本発明は、上記のような従来技術に伴う問題点を解消
使用とするものであって、耐磨耗性、耐水性およびフィ
ット性等の特性に優れた研摩材料を提供することを目的
としている。
発明の概要 本発明に係る研摩材料は、135℃デカリン溶媒中で測
定した極限粘度が10〜40dl/gである超高分子量ポリオレ
フィンと、135℃デカリン溶媒中で測定した極限粘度が
0.1〜5dl/gである低分子量ないし高分子量ポリオレフィ
ンとを含むポリオレフィン組成物から実質的に形成され
てなり、 (i)上記超高分子量ポリオレフィンは、該超高分子量
ポリオレフィンと上記低分子量ないし高分子量ポリオレ
フィンとの総重量に対し、15〜40重量%の範囲にあり、 (ii)該ポリオレフィン組成物の135℃デカリン溶媒中
で測定した極限粘度[η]が3.5〜15dl/gの範囲にあ
り、かつ、 (iii)該ポリオレフィン組成物の溶解トルクTが4.5kg
・cm以下であることを特徴としている。
本発明に係る研摩材料は、特定の超高分子量ポリオレ
フィンと、特定の低分子量ないし高分子量ポリオレフィ
ンを含むポリオレィン組成物から形成されているため、
本発明に係る研摩材料を使用することにより、鋼球自体
を磨耗させることなく、鋼球表面を良好に研摩すること
ができる。
発明の具体的説明 以下本発明を具体的に説明する。
本発明に係る研摩材料は、たとえばパチンコ球のよう
な鋼球を研摩する際の研摩材料として好ましく用いら
れ、少なくとも下記に示すポリオレフィン(A)を含む
ポリオレフィン組成物をたとえば押出成形により得られ
るストランドを所定の大きさに切断することにより得る
ことができる。
ポリオレフィン(A) 本発明で用いられるポリオレフィン(A)は、超高分
子量ポリオレフィンと、低分子量ないし高分子量ポリオ
レフィンとからなっているが、以下に超高分子量ポリオ
レフィンと、低分子量ないし高分子量ポリオレフィンに
ついて説明する。
本発明で用いられる超高分子量ポリオレフィンの135
℃デカリン溶媒中で測定した極限粘度[η]は、10〜
40dl/g、好ましくは15〜35dl/gの範囲にある。この極限
粘度[η]が10dl/g未満であると、押出成形品として
の研摩材料の機械的性質が劣る傾向にあるため好ましく
なく、一方40dl/gを超えると、押出成形して得られる研
摩材料の外観が悪くなり、かつ層状剥離を生じるため好
ましくない。
本発明で用いられる低分子量ないし高分子量ポリオレ
フィンの135℃デカリン溶媒中で測定した極限粘度
[η]は、0.1〜5dl/g、好ましくは0.5〜3dl/gの範囲
にある。この極限粘度[η]が0.1dl/g未満である
と、分子量が低すぎて押出成形品としての研摩材料の表
面にブリードする虞があるため好ましくなく、一方5dl/
gを超えると、溶融流動性が下がるため、汎用のポリエ
チレン押出成形機をそのまま使用することは困難である
ため好ましくない。
上記のような超高分子量ポリオレフィンおよび低分子
量ないし高分子量ポリオレフィンは、たとえばエチレ
ン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキ
サン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、4−
メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテンなど
のα−オレフィンの単独重合体または共重合体からな
る。このうち、エチレンの単独重合体、またはエチレン
と他のα−オレフィンとからなり、エチレンを主成分と
してなる共重合体が望ましい。
本発明に係る研摩材料を構成するポリオレフィンにお
いては、上記超高分子量ポリオレフィンと、低分子量な
いし高分子量ポリオレフィンとは、上記超高分子量ポリ
オレフィンが両ポリオレフィンの総重量に対し、15〜40
重量%を占めるような割合で存在しており、換言すれ
ば、上記低分子量ないし高分子量ポリオレフィンが両ポ
リオレフィンの総重量に対し、85〜60重量%を占めるよ
うな割合で存在している。上記のような超高分子量ポリ
オレフィンは、両ポリオレフィンの総重量に対し、20〜
35重量%を占めるような割合で存在していることが好ま
しい。超高分子量ポリオレフィンの量が15重量%未満で
あると、得られる研摩材料の耐磨耗性が劣る傾向にある
ため好ましくなく、一方40重量%を超えると、得られる
研摩材料に層状剥離が発生し、結果として耐磨耗性が低
下するため好ましくない。
本発明で用いられるポリオレフィンは、上記のような
量的割合で存在する超高分量ポリオレフィンと、低分子
量ないし高分子量ポリオレフィンとから実質的になる。
しかして、本発明で用いられるポリオレフィンは、135
℃デカリン溶媒中で測定した極限粘度[η]が3.5〜1
5dl/gの範囲にあり、溶融トルクT(kg・cm)が4.5kg・
cm以下にある。なお、ここで溶融トルクTは、JSRキュ
ラストメーター(今中機械工業(株)製)を使用して、
温度240℃、圧力5kg/cm2、振幅3゜振動数6CPMの条件で
測定した値である。
上記の[η]が3.5dl/g未満であると、得られる押
出成形品としての研磨材料の機械的強度、とくに耐摩耗
性が劣る虞があるため好ましくなく、一方[η]が15
dl/gを超えると、得られる押出成形品としての研摩材料
に層状剥離が発生し、結果として耐摩耗性等の機械的強
度が低下するため好ましくない。
また溶融トルクTが4.5kg・cmを超えると、成形時に
ポリオレフィン組成物が通常のスクリューに喰い込ま
ず、汎用の押出成形機では押出成形不能であるため好ま
しくない。
本発明で用いられるポリオレフィンは、好ましくは
[η]が4.0〜10dl/gの範囲にある。
本発明で用いられるポリオレフィンは、超高分子量ポ
リオレフィンと低分子量ないし高分子量ポリオレフィン
とを上記のような割合で配合して調整することもできる
が、本発明者らの検討によれば、特定の高活性固体状チ
タン触媒成分および有機アルミニウム化合物触媒成分か
ら形成される触媒の存在下に、オレフィンを多段階で重
合せしめる下記のような多段階重合法により得られるポ
リオレフィンが優れた特性を有していることが分った。
このような多段階重合法は、マグネシウム、チタンお
よびハロゲンを必須成分とする高活性チタン触媒成分
(イ)と、有機アルミニウム化合物触媒成分(ロ)とか
ら形成されるチーグラー型触媒の存在下に、オレフィン
を多段階重合させることにより実施される。すなわち、
少なくとも1つの重合工程において極限粘度10〜40dl/g
の超高分子量ポリオレフィンを生成させ、その他の重合
工程において水素の存在下にオレフィンを重合させて極
限粘度が0.1〜5dl/gの低分子量ないし高分子量ポリオレ
フィンを生成させる。
使用される特定のチーグラー型触媒は、基本的には、
固定状チタン触媒成分と有機アルミニウム化合物触媒成
分とから形成される特定の性状の触媒である。該固定状
チタン触媒成分としては、たとえば粘度分布が狭く、平
均粒径が0.01〜5μm程度であって、微小球体が数個固
着したような高活性微粉末状触媒成分を用いるのが好適
である。かかる性状を有する高活性微粉末状チタン触媒
成分は、たとえば特開昭56−811号公報に開示された固
体状チタン触媒成分において、液状状態のマグネシウム
化合物と液状状態のチタン化合物とを接触させて固体生
成物を析出させる際に、析出条件を厳密に調整すること
によって製造することができる。具体的には、特開昭56
−811号公報に開示された方法において、塩化マグネシ
ウムと高級アルコールとを溶解した炭化水素溶液と、四
塩化チタンとを低温で混合し、次いで50〜100℃程度に
昇温して固体生成物を析出させる際に、塩化マグネシウ
ム1モルに対し、0.01〜0.2モル程度の微量のモノカル
ボン酸エステルを共存させるとともに強力な撹拌条件下
に該析出を行なうことにより、高活性微粉末状チタン触
媒成分を調整することができる。さらに必要ならば四塩
化チタンで洗浄してもよい。
このようにすると、優れた活性および粒子状態を有す
る固体触媒成分を得ることができる。かかる触媒成分
は、たとえばチタンを約1〜6重量%程度含有し、ハロ
ゲン/チタン(原子比)は約5〜90、マグネシウム/チ
タン(原子比)は約4〜50の範囲にある。
また、上記のようにして調整した該固体状チタン触媒
成分のスラリーを高速で剪断処理することにより得られ
る、粒度分布が狭く、しかも平均粒径が0.01〜5μm、
好ましくは0.05〜3μmの範囲にある微小球体も、高活
性微粉末状チタン触媒成分として好適に用いられる。高
速剪断処理の方法としては、具体的には、たとえば不活
性ガス雰囲気中で固体状チタン触媒成分のスラリーを市
販のホモミキサーにより適宜時間処理する方法が採用さ
れる。その際触媒性能の低下防止を目的として、予めチ
タンと当モル量の有機アルミニウム化合物とを添加して
おく方法を採用することもできる。さらに、処理後のス
ラリーを篩を用いて分級し、粗粒を除去する方法を採用
することもできる。これらの方法によって、前記微小粒
径の高活性微粉末状チタン触媒成分が得られる。
本発明で用いられるポリオレフィンは、上記のような
高活性微粉末状チタン触媒成分(イ)と有機アルミニウ
ム化合物触媒成分(ロ)とを用い、必要に応じて電子供
与体を併用して、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、灯油
などの炭化水素媒体中で、通常、0〜100℃の範囲の温
度条件下、少なくとも2段以上の多段階重合工程でオレ
フィンをスラリー重合することによって製造することが
できる。
有機アルミニウム化合物触媒成分(ロ)としては、た
とえばトリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミ
ニウムのようなアルキルアルミニウム、ジエチルアルミ
ニウムクロリド、ジイソブチルアルミニウムクロリドの
ようなジアルミニウムクロリド、エチルアルミニウムセ
スキクロリドのようなアルキルアルミニウムセスキクロ
リド、あるいはこれらの混合物が好適に用いられる。
該オレフィンの多段階重合工程には、少なくとも2個
以上の重合槽が通常は直列に連結された多段階重合装置
が採用され、たとえば2段重合法、3段重合法、…n段
重合法が実施される。また、1個の重合槽で回分式重合
法により多段階重合法を実施することも可能である。該
多段階重合工程のうち少なくとも1個の重合槽において
は、特定量の超高分子量ポリオレフィンを生成せること
が必要である。該超高分子量ポリオレフィンを生成させ
る重合工程は、第1段重合工程であってもよいし、中間
の重合工程であってもよいし、また2段以上の複数段で
あっても差しつかえない。第1段重合工程において超高
分子量ポリオレフィンを生成させることが、重合処理操
作を容易にさせ、しかも得られるポリオレフィンの物性
を容易に制御することができるため好ましい。該重合工
程においては、本発明で用いられるポリオレフィンの15
〜40重量%が、極限粘度[η](デカリン溶媒中で13
5℃で測定した値)が10〜40dl/gである超高分子量ポリ
オレフィンで占められるようにすることが必要であり、
さらには本発明で用いられるポリオレフィンの18〜37重
量%、とくに21〜35重量%が、極限粘度[η]が15〜
35dl/g、とくに18〜30dl/gである超高分子量ポリオレフ
ィンで占められるようにすることが好ましい。この重合
工程において、生成する超高分子量ポリオレフィンの極
限粘度[η]が10dl/g未満であっても、また該重合工
程で生成する超高分子量ポリオレフィンが15〜40重量%
の範囲を外れても、射出成形可能なポリオレフィンを得
ることは難しい。
該多段階重合工程において、超高分子量ポリオレフィ
ンを生成させる重合工程では、前記高活性チタン触媒成
分(イ)および前記有機アルミニウム化合物触媒成分
(ロ)らなる触媒の存在下に重合が実施される。重合は
気相重合法で実施することもできるし、液相重合法で実
施することもできる。いずれの場合にも、超高分子量ポ
リオレィンを生成させる重合工程では、重合反応は必要
に応じて不活性触媒の存在下に実施される。たとえば気
相重合法では必要に応じて不活性媒体からなる希釈剤の
存在下に実施され、液相重合法では必要に応じて不活性
媒体からなる溶媒の存在下に実施される。
該超高分子量ポリオレフィンを生成させる重合工程で
は、触媒として高活性チタン触媒成分(イ)をたとえば
媒体1当りのチタン原子として約0.001〜20ミリグラ
ム原子、好ましくは約0.005〜10ミリグラム原子、有機
アルミニウム化合物触媒成分(ロ)を、Al/Ti(原子
比)が約0.1〜1000、とくに約1〜500となるような割合
で使用するのがよい。前記超高分子量ポリオレフィンを
生成させる重合工程の温度は、通常、約−20〜120℃、
好ましくは約0〜100℃、とくに好ましくは約5〜95℃
の範囲である。また、重合反応の際の圧力は、前記温度
で液相重合または気相重合が可能な圧力範囲であり、た
とえば大気圧〜約100kg/cm2、好ましくは大気圧〜約50k
g/cm2の範囲である。また、重合工程における重合時間
は、前重合ポリオレフィンの生成量が該高活性チタン触
媒成分中のチタン1ミリグラム原子当り約1000g以上、
好ましくは約2000g以上となるように設定すればよい。
また、該重合工程において、前記超高分子量ポリオレフ
ィンを生成させるためには、該重合反応を水素の不存在
下に実施するのが好ましい。さらには、該重合反応を実
施後、重合体を不活性媒体雰囲気下で一旦単離し、保存
しておくことも可能である。
該超高分子量ポリオレフィンを生成させる重合工程に
おいて使用することのできる不活性媒体としては、たと
えばプロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタ
ン、オクタ、デカン、灯油などの脂肪族炭化水素;シク
ロペンタン、シクロヘキサンなどの脂環族炭化水素;ベ
ンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素;ジ
クロルエタン、メチレンクロリド、クロルベンゼンなど
のハロゲン化炭化水素;あるいはこれらの混合物などを
挙げることができる。とくに脂肪族炭化水素の使用が望
ましい。
また、本発明で用いられるポリオレフィンを製造する
際には、前記超高分子量ポリオレフィンを生成させる重
合工程以外の他の重合工程、すなわち低分子量ないし高
分子量ポリオレフィンを得るための重合工程において
は、水素の存在下に残余なオレフィンの重合反応が実施
される。超高分子量ポリオレフィンを生成させる重合工
程が第1段階重合工程であれば、第2段階以降の重合工
程が当該重合工程に該当する。当該重合工程が超高分子
量ポリオレフィン生成重合工程の後に位置している場合
には、当該重合工程には該超高分子量ポリオレフィンを
含むポリオレフィンが供給され、当該重合工程が超高分
子量ポリオレフィン生成重合工程以外の重合工程の後に
位置す場合には、前段階で生成した低分子量ないし高分
子量ポリオレフィンが供給され、いずれの場合にも連続
して重合が実施される。その際、当該重合工程には、通
常、原料オレフィンおよび水素が供給される。当該重合
工程が第1段階の重合工程である場合には、前記高活性
チタン触媒成分(イ)および有機アルミニウム化合物触
媒成分(ロ)からなる触媒が供給され、当該重合工程が
第2段階以降の重合工程である場合には、前段階で生成
した重合生成液中に含まれている触媒をそのまま使用す
ることもできるし、必要に応じて前記高活性チタン触媒
成分(イ)および/または有機アルミニウミ化合物
(ロ)を追加補充しても差しつかえない。
このようにして得られる低分子量ないし高分子量ポリ
オレフィンは、全重合工程で重合される全オレフィン成
分に対して5〜70重量%、好ましくは20〜60重量%、と
くに好ましくは25〜55重量%の範囲で存在している。
前記超高分子量ポリオレフィン生成重合工程以外の重
合工程における水素の供給割合は、当該各重合工程に供
給されるオレフィン1モルに対して、通常、0.01〜50
ル、好ましくは0.05〜30モルの範囲である。
前記超高分子量ポリオレフィン生成重合工程以外の重
合工程における重合槽内の重合生成液中の各触媒成分の
濃度は、重合容積1当り、前記処理した触媒をチタン
原子換算で約0.001〜0.1ミリグラム原子、好ましくは約
0.005〜0.1ミリグラム原子とし重合系のAl/Ti(原子
比)が約1〜1000、好ましくは約2〜500となるように
調整されることが好ましい。そのために必要に応じ、有
機アルミニウム化合物触媒成分(ロ)を追加使用するこ
とができる。重合系には、他に分子量、分子量分布等を
調節する目的で水素・電子供与体、ハロゲン化炭化水素
などを共存させてもよい。
重合温度はスラリー重合、気相重合が可能な温度範囲
で、かつ約40℃以上、より好ましくは約50〜100℃の範
囲が好ましい。また、重合圧力は、たとえば大気圧〜約
100kg/cm2、とくには大気圧〜約50kg/cm2の範囲が好ま
しい。そして重合体の生成量が、チタン触媒成分中のチ
タン1ミリグラム原子当り約1000g以上、とくに好まし
くは約5000g以上となるような重合時間を設定するのが
よい。
超高分子量ポリオレフィンを生成させるための重合工
程以外の重合工程は、同様に気相重合法で実施すること
もできるし、液相重合法で実施することもできる。もち
ろん各重合工程で異なる重合方法を採用することも可能
である。液相重合法のうちではスラリー懸濁重合法が好
適に採用される。いずれの場合にも、該重合工程では重
合反応は通常は不活性媒体の存在下に実施される。たと
えば気相重合法では不活性媒体希釈剤の存在下に実施さ
れ、液相スラリー懸濁重合法では不活性媒体溶媒の存在
下に実施される。不活性媒体としては前記超高分子量ポ
リオレフィンを生成させる重合工程において例示した不
活性媒体と同じものを例示することができる。
最終段階の重合工程で得られるポリオレフィン組成物
[η]が、通常、3.5〜15dl/g、好ましくは3.5〜15dl
/g、溶融トルクが4.5kg/cm以下となるように重合反応が
実施される。
前記多段階重合法は、回分式、半連続式または連続式
のいずれかの方法でも実施することができる。
前記多段階重合方法が適用できるオレフィンとして
は、前述のようにエチレン、プロピレン、1−ブテン、
1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセ
ン、1−ドデセン、1−メチル−1−ペンテン、3−メ
チル−1−ペンテンなどのα−オレフィンを例示するこ
とができ、これらのα−オレフィンの単独重合体の製法
に適用することもできるし、二種以上の混合成分からな
る共重合体の製法に適用することもできる。これらのα
−オレフィンのうちでは、エチレンまたはエチレンと他
のα−オレフィンとの共重合体であって、エチレン成分
を主成分とするエチレン系重合体の製法に前記多段階重
合方法を適用するのが好ましい。
無機充填材(B) 本発明に係る研摩材料を製造するのに好適なポリオレ
フィン組成物は、上記のようなポリオレフィン(A)に
加えて、無機充填剤(B)を含んでも良い。
無機充填材(B)としては、従来から研摩材として使
用されている公知のものが特に限定されることなく用い
られるが、特に本発明においては、モース硬度が通常1
〜10、好ましくは1〜9の範囲内にある無機粒子を用い
る。このようなモース硬度を有する無機粒子を配合する
ことにより、鋼球を研摩する際に鋼球自体が磨耗するこ
とがなく、しかも鋼球表面の付着物を非常に良好に除去
することができるようになる。
本発明において好適に使用することができる無機粒子
の例としては、タルク(モース硬度:1)、炭酸カルシウ
ム(同:3)、酸化チタン(同:5〜6)、窒化チタン(同
7〜8)、ケイ酸ジルコニウム(同:7〜8)、酸化ジル
コニウム(同:7〜8)、アルミナ(同:9)、炭化ホウ素
(同:9)、ガラス(同:5)および石英(同:7)等を挙げ
ることができる。このような無機粒子は単独で、あるい
は組み合わせて使用することができる。
無機粒子を使用する場合、使用する無機粒子の粒子径
は、通常0.5〜100μmの範囲内にある。
上記のような無機粒子のうち、特に本発明において
は、タルクを使用することが好ましい。
タルクのような無機粒子を使用する場合、ポリオレフ
ィン組成物中における無機粒子の含有率は、通常は20重
量%以下、好ましくは5〜15重量%の範囲にある。
なお、上記のような無機粒子の外に、本発明の目的を
損なわない範囲内でメラミン樹脂粉末あるいはグアナミ
ン樹脂粉末のような高硬度の樹脂粉末を配合して研摩性
能を改善することもできる。
帯電防止剤(C) 本発明に係る研摩材料を製造するのに好適なポリオレ
フィン組成物は、上記のようなポリオレフィン(A)に
加えて、帯電防止剤(C)を含んでも良い。また、上記
のようなポリオレフィン樹脂を用いてたとえば射出成形
法など採用してペレットを製造し、次いで、得られたペ
レットと帯電防止剤とを混合して帯電防止性能を賦与す
ることができる。
本発明において使用することができる帯電防止剤
(C)に特に限定はなく、従来から知られている非イオ
ン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤カチオン系界面
活性剤、両性系界面活性剤および帯電性樹脂等を挙げる
ことができる。具体的には非イオン系界面活性剤剤の例
としては、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオ
キシエチレンアルキルアミド、ポリオキシエチレンアル
キルエーテル、ポイリオキシエチレンアルキルフェニル
エーテル、グリセリン樹脂酸エステルおよびソルビタン
脂肪酸エステルを挙げることができ、アニオン系界面活
性剤の例としては、アルキルスルンホネート、アルキル
ベンゼンスルホネート、アルキルサルフェートおよびア
ルキルホスフェートを挙げることができ、カオン系界面
活性剤を例としては、第4級アンモニウムクロライド、
第4級アンモニウムサルフェートおよび第4級アンモニ
ウムナイトレートを挙げることができ、両性系界面活性
剤の例としては、アルキルベタイン系界面活性剤、アル
キルイミダリン型界面活性剤およびアルキルアラニン型
界面活性剤を挙げることができ、さらに、導電性樹脂の
例としては、ポリビニルベンゼン型カチオン樹脂および
ポリアクリル酸型カチオン樹脂を挙げることができる。
これらの帯電防止剤は、単独で使用することもできる
し、さらに帯電防止作用を損なわない組み合わせにおい
て2種類以上の帯電防止剤を組み合わせて使用すること
もできる。また、上記のような界面活性剤型および樹脂
型の帯電防止剤の外に、導電性カーボンあるいは導電性
金属粉末等を帯電防止剤として使用することもできる。
これらの帯電防止剤の内でも、本発明においては非イ
オン系界面活性剤を使用することが好ましい。
本発明において、上記のような帯電防止剤を使用する
場合、ポリオレフィン組成物中における帯電防止剤の含
有率は、通常0.05〜5重量%、好ましくは0.1〜5重量
%の範囲内にある。
このような帯電防止剤を使用することにより、本発明
に係る研摩材料の表面に発生する静電気を除去すること
ができるので、鋼球を研摩する際に周囲に存在する埃等
を呼込むとがなくなり、鋼球が埃などで汚染されること
を防止することができる。
その他の配合剤 本発明に係る研摩材料を製造するのに好適なポリオレ
フィン組成物は、上記のようなポリオレフィン(A)に
加えて、接触性改質剤(D)を含んでも良い。
接触性改質剤(D)としては、たとえば摩擦係数の低
い樹脂あるいは粉末を使用することができ、具体的に
は、グラファイト粉末、ポリテトラフルオロエチレン樹
脂(PTFE)、四フッ化エチレン−六フッ化プロピレン共
重合体樹脂(FEP)、四フッ化エチレン−パーフルオロ
アルコキシエチレン共重合体樹脂(PFA)、三フッ化塩
化エチレン樹脂(PCTFE)、四フッ化エチレン−エチレ
ン共重合体樹脂(ETFE)、フッ化ビニリデン樹脂などの
フッ素樹脂粉末、フッ化モリブデン粉末、硫化モリブデ
ン粉末、酸化チタン粉末、ポリフェニレンサルファイド
樹脂粉末などを挙げることができる。これらの化合物は
単独で、あるいは組み合わせて使用することができる。
なお、上記のような接触性改質剤(D)は、主に本発明
に係る研摩材料の表面の特性を改善するために用いられ
るが、これらの改質剤が帯電防止作用あるいは研摩作用
などを有していることもある。
これらの接触性改質剤(D)は、粉末状で用いられる
ことが好ましく、その粒子径は0.01〜500μm、好まし
くは0.05〜100μmであることが望ましい。
本発明に係る研摩材料を構成するポリオレフィン組成
物では、上記のような接触性改質剤(D)は、ポリオレ
フィン(A)100重量部に対して1〜70重量部、好まし
くは3〜50重量部さらに好ましくは5〜30重量部の量で
用いられるのが良い。
本発明に係る研摩材料を構成するポリオレフィン組成
物は、前記ポリオレフィン(A)に加えて、繊維状充填
剤(E)を含んでも良い。
繊維状充填剤(E)としては、従来繊維状充填剤とし
ての公知のものが特に限定されることなく用いられる
が、具体的には、ガラス繊維、カーボン繊維、ボロン繊
維、チタン酸カリウイスカー、金属繊維たとえばアルミ
ニウム繊維、エテンレス鋼繊維など、および 石綿、アラミド繊維、ポリエステル繊維、ポリアミド
繊維などを挙げることができる。
これらの繊維状充填剤(E)は、その繊維径が1〜30
μm、好ましくは5〜20μmであり、繊維長が1000〜10
000μm、好ましくは3000〜6000μmであり、アスペク
ト比は33〜10000、好ましくは150〜1200であることが望
ましい。
本発明に係る研摩材料を構成するポリオレフィン組成
物では、上記のような繊維状充填剤(E)は、ポリオレ
フィン(A)100重量部に対して1〜70重量部、好まし
くは3〜50重量部さらに好ましくは5〜30重量部の量で
用いられる。
安定剤 また、本発明に係る研摩材料を構成するポリオレフィ
ン組成物は、成形時あるいは保存時のポリオレフィン
(A)の劣化を防止するために、上記ポリオレフィン
(A)に加えて、フェノール系安定剤(G)、有機フォ
スファイト系安定剤(H)、チオエーテル系安定剤
(I)、高級脂肪酸の金属塩(J)を含んでも良い。
[フェノール系安定剤(G)] フェノール系化合物としては、従来公知のものが特に
限定されることなく用いられるが、具体的には、 2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、 2,6−ジ−シクロヘキシル−4−メチルフェノール、 2,6−ジイソプロピル−4−エチルフェノール、 2,6−ジ−t−アミル−4−メチルフェノール、 2,6−ジ−t−オクチル−4−n−プロピルフェノー
ル、 2,6−ジシクロヘキシル−4−n−オクチルフェノー
ル、 2,6−イソプロピル−4−メチル−6−t−ブチルフ
ェノール、 2−t−ブチル−2−エチル−6−t−オクチルフェ
ノール、 2−イソブチル−4−エチル−6−t−ヘキシルフェ
ノール、 2−シクロヘキシル−4−n−ブチル−6−イソプロ
ピルフェノール、 テトラキス[メチレン(3,5−t−ブチル−4−ヒド
ロキシ)ヒドロシンナメート]メタンなどを挙げること
ができる。
またフェノール系安定剤として、フェノール核を2個
以上有するフェノール系化合物を用いることもできる。
このようなフェノール核を2個以上有するフェノール系
化合物としては、具体的には、 2,2′−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチル
フェノール) 4,4′−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチ
ルフェノール) 4,4′−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェ
ノール) 2,2′−チオビス(4−メチル−6−t−ブチルフェ
ノール) 1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−
ブチル−4−ヒドロキシフェニル)ベンジルベンゼン、 1,3,5−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−
t−ブチルフェノール)メタン、 テトラキス[メチレン(3,5−ジ−tert−ブチル−4
−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、 β−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェ
ニル)プロピオン酸アルキルエステル、 2,2′−オキザミドビス[エチル−3−(3,5−ジ−te
rt−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネー
ト] などを挙げることができる。
これらの化合物の内、炭素数18以下のアルキル基を有
するβ−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフ
ェニル)プロピオン酸アルキルエステル、テトラキス
[メチレン(2,4−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフ
ェニル)プロピオネート]メタン、n−オクタデシル−
3−(4'−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルフェニ
ル)プロピオネート、2,6−ジ−tブチル−p−クレゾ
ール、2,4,6−トリス(3′,5′−ジ−t−ブチル−
4′−ヒドロキシベンジルチオノ−1,3,5−トリアジ
ン、2,2′−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチ
ルフェノール)、4,4′−メチレンビス(2,6−ジ−t−
ブチルフェノール)、2,2′−メチレンビス[6−(1
−メチルシクロヘキシル)P−クレゾール]、ビス[3,
5−ビス(4−ヒドロキシ−3−t−ブチルフェニル)
ブチリックアシド]グリコールエステル、4,4′−ブチ
リデンビス(6−t−ブチル−m−クレゾール)、1,1,
3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブ
チルフェニル)ブタン、1,3,5−トリス(2,6−ジメチル
−3−ヒドロキシ−4−t−ブチルベンジル)イソシア
ヌレート、1,3,5−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−
ヒドロキシベンジル)−2,4,6−トリメチルベンゼン、
1,3,5−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ
ベンジル)イソシアヌート、1,3,5−トリス[(3,5−ジ
−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニル
オキシエチル]イソシアヌレート、2−オクチルチオ−
4,6−ジ(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチル)フェ
ノキシ−1,3,5−トリアジン、4,4′−チオビス(6−t
−ブチル−m−クレゾール)などが好ましく使用され
る。
これらのフェノール系安定剤は、単独であるいは組合
わせて用いられる。
本発明に係る研摩材料を構成するポリオレフィン組成
物では、上記のようなフェノール系安定剤(B)は、ポ
リオレフィン(A)100重量部に対して0.005〜5重量
部、好ましくは0.01〜5重量部、さらに好ましくは0.05
〜0.2重量部の量で用いられる。
[有機フォスファイト系安定剤(H)] 有機ファスファイト系安定剤(H)としては、従来公
知のものが特に限定されることなく用いられるが、具体
的には、トリオクチルホスファイト、トリラウリルホス
ファイト、トリデシルホスファイト、オクチル−ジフェ
ニルホスファイト、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフ
ェニル)ホスファイト、トリフェニルホスファイト、ト
リス(プトキシエチル)ホスファイト、トリス(ノニル
フェニル)ホスファイト、ジステアリルタエリスリトー
ルジホスファイト、テトラ(トリデシル)−1,1,3−ト
リス(2−メチル−5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ
フエニル)ブタンジホスファイト、テトラ(C12〜C15
合アルキル)−4,4′−イソプロピリデンジフェニルジ
ホスファイト、テトラ(トリデシル)−4,4′−ブチリ
デンビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)
ジホスファイト、トリス(3,5−ジ−tert−4−ヒドロ
キシフェニル)ホスファイト、トリス(モノ・ジ混合ノ
ニルェニル)ホスファイト、水素化−4,4′−イソプロ
ピリデンジフェノールポリホスファイト、ビス(オクチ
ルフェニル)・ビス[4,4′−ブチリデンビス(3−メ
チル−6−tert−ブチルフェノール)]・1,6−ヘキサ
ンオールジホスファイト、フェニル・4,4′−イソプロ
ピリデンジフェノール・ペンタエリスリトールジホスフ
ァイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペン
タエリスリトールジホスァイト、ビス(2,6−ジ−tert
−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトール
ジホスファイト、トリス[4,4′−イソプロピリデンビ
ス(2−tert−ブチルフェノール)]ホスファイト、フ
ェニル・ジイソデシルホスファイト、ジ(ノニルフェニ
ル)ペンタエリスリトールジホスファイト、トリス(1,
3−ジ−ステアロイルオキシイソプロピル)ホスファイ
ト、4,4′−イソプロピリデンビス(2−tert−ブチル
フェノール)・ジ(ノニルフェニル)ホスファイト、9,
10−ジ−ヒドロ−9−オキサ−9−オキサ−10−ホスフ
ァフェナンスレン−10−オキサイド、テトラキス(2,4
−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,4′−ビフェニレン
ジホスファイトなどが挙げられる。
またビス(ジアルキルフェニル)ペンタエリスリトー
ルジホスファイトエステルは、下記の式(1)で示され
るスピロ型ないし式(2)で示されるゲージ形のものも
使用される。通常はこのようなホスファイトエステルを
製造する方法から生じる経済的理由のために両異性体の
混合物が最も多く使用される。
ここで、R1、R2は炭素原子数1〜9のアルキル基、と
くに分枝のあるアルキル基なかでもtert−ブチル基が好
ましく、またフェニル基におけるその置換位置は2,4位
が最も好ましい。好適なホスファイトエステルはビス
(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリト
ールジホスファイトである。
これらの有機フォスファイト形安定剤は、単独である
いは組合わせて用いられる。
本発明に係る研摩材料を構成するポリオレフィン組成
物では、上記のような有機フォスファイト系安定剤
(H)は、ポリオレフィン(A)100重量部に対して0.0
05〜5重量部、好ましくは0.01〜0.5重量部さらに好ま
しくは、0.05〜0.2重量部の量で用いられる。
[有機チオエーテル系安定剤(I)] 有機チオエーテル系安定剤(I)としては、従来公知
のものが特に制限されることなく用いられるが、具体的
には、ジラウリルー、ジミリスチルー、ジステアリルー
などのジアルキルジプロピオネート及びブチルー、オク
チルー、ラウリー、ステアリルーなどのアルキルチオプ
ロピオン酸の多価アルコール(例えばグリセリン、トリ
メチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエ
リスリトール、トリスヒドロキシエチルイソシアヌレー
ト)のエステル(例えばペンタエリスリトールテトララ
ウリルチオプロピオネート)が挙げられる。さらに具体
的には、ジラウリルチオジプロピオネート、ジミリスチ
ルチオジプロピオネート、ジステアリルチオジプロピオ
ネート、ラウリルステアリルチオジプロピオネート、ジ
ステアリルチオブチレートなどを挙げることができる。
これらの有機チオエーテル系安定剤は、単独であるい
は組合せて用いられる。
本発明に係る研摩材料を構成するポリオレフィン組成
物では、上記のような有機チオエーテル系安定剤(I)
は、ポリオレフィン(A)100重量部に対して0.005〜5
重量部、好ましくは0.01〜0.5重量部、さらに好ましく
は0.05〜0.2重量部の量で用いられる。
本発明に係る研摩材料を構成するポリオレフィン組成
物に、前述のポリオレフィン(A)に加えて、フェノー
ル系安定剤(G)、有機フォスファイト系安定剤
(H)、有機チオエーテル系安定剤(I)、もしくはこ
れらのうちの複数を含ませれば、射出成形時の熱安定性
および長期耐熱安定性が向上する。さらに高級脂肪酸の
金属塩(J)を添加することにより、射出成形時の熱安
定性および長期耐熱安定性に優れた研摩材料が得られ
る。
[高級脂肪酸の金属塩(J)] 高級脂肪酸の金属塩としては、ステアリン酸、オレイ
ン酸、ウラリン酸、カプリン酸、アラキジン酸、パルミ
チン酸、ベヘニン酸などの高級脂肪酸のマグネシウム
塩、カルシウム塩、バリウム塩などのアルカリ上類金属
塩、カドミウム塩、亜鉛塩、鉛塩、ナトリウム塩、カリ
ウム塩、リチュウム塩などのアルカリ金属塩などが用い
られる。具体的には、ステアリン酸マグネシウム、ラウ
リン酸マグネシウム、パルミチン酸マグネシウム、ステ
アリン酸カルシウム、オレイン酸カルシウム、ラウリン
酸カルシウム、ステアリン酸バリウム、オレイン酸バリ
ウム、ラウリン酸バリウムアラキジン酸バリウム、ベヘ
ニン酸バリウム、ステアリン酸亜鉛、オレイン酸亜鉛、
ラウリン酸亜鉛、ステアリン酸リチュウム、ステアリン
酸ナトリウム、パルミチン酸ナトリウム、ラウリン酸ナ
トリウム、ステアリン酸カリウム、ラウリン酸カリウ
ム、12−ヒドロキシステアリン酸カルシウムなどを挙げ
ることができる。
これらの高級脂肪酸の金属塩は、単独であるいは組合
せて用いられる。
本発明に係る研摩材料を構成するポリオレフィン組成
物では、上記のような高級脂肪酸の金属塩(J)は、ポ
リレフィン(A)100重量部に対して0.005〜5重量部、
好ましくは0.01〜0.5重量部、さらに好ましくは0.05〜
0.2重量部の量で用いられる。
なお、本発明では、研摩材料を構成するポリオレフィ
ン組成物には、上記の成分に加えてたとえば耐熱安定
剤、耐候安定剤、顔料、染料、滑剤、難燃剤、中性子遮
蔽剤等、通常、ポリオレフィンに添加混合される配合剤
を本発明の目的を損わない範囲で添加することができ
る。
上記のような超高分子量ポリオレフィンおよび高密度
ないし低密度ポリオレフィンと、所望により配合される
無機充填剤(B)、帯電防止剤(C)その他の充填剤
(D)〜(E)および安定剤(E)〜(I)とを配合し
てポリオレフィン組成物を製造し、このポリオレフィン
組成物を用いて、たとえば射出成形等を採用して所望の
形状にすることにより本発明に係る研摩材料を製造する
ことができる。
本発明に係る研摩材料の形状および大きさなどは、研
摩される鋼球の種類および大きさ等を考慮して適宜設定
することができるが、たとえばパチンコ球用の研摩材料
として使用する場合には、球状、円盤状、矩状若しくは
円柱状等の形状にすることが好ましい。
さらに、本発明に係る研摩材料1個の重量は、通常は
0.01〜0.05g、好ましくは0.02〜0.04gの範囲内にある。
なお、以上パチンコ球の研摩材料として本発明の研摩
材料について説明したが、本発明に係る研摩材料は、パ
チンコ球用の研摩材料として使用することができること
は勿論、その外にボールベアリング等のような金属性球
状体の研摩用材料として使用することもできる。
発明の効果 本発明に係る研摩材料は、特定の超高分子量ポリオレ
フィンと、特定の低分子量ないし高分子量ポリオレフィ
ンとを含むポリオレフィン組成物から形成されているた
め、本発明に係る研摩材料を使用することにより、鋼球
自体を磨耗させることなく、鋼球方面を良好に研摩する
ことができる。
すなわち、本発明に係る研摩材料では、耐磨耗性およ
び耐衝撃性等のような超高分子量ポリオレフィンの有し
ている優れた特性が特定の低分子量ないし高分子量ポリ
オレフィンを配合するすることにより非常に顕著にな
り、しかも特定の低分子量ないし高分子量ポリオレフィ
ンを配合することによって鋼球研摩材料と研摩される鋼
球とのフィット性が非常に良好になる。さらに、超高分
子量ポリオレフィンの硬度が、ナイロン等よりも高く、
かつ鋼球よりも低いので、鋼球自体の磨耗を有効に防止
しながら鋼球表面の付着物を研摩除去することができ
る。

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】135℃デカリン溶媒中で測定した極限粘度
    が10〜40dl/gである超高分子量ポリオレフィンと、135
    ℃デカリン溶媒中で測定した極限粘度が0.1〜5dl/gであ
    る低分子量ないし高分子量ポリオレフィンとを含むポリ
    オレフィン組成物から実質的に形成されてなり、 (i)上記超高分子量ポリオレフィンは、該超高分子量
    ポリオレフィンと上記低分子量ないし高分子量ポリオレ
    フィンとの総重量に対し、15〜40重量%の範囲にあり、 (ii)該ポリオレフィン組成物の135℃デカリン溶媒中
    で測定した極限粘度[η]が3.5〜15dl/gの範囲にあ
    り、かつ、 (iii)該ポリオレフィン組成物の溶解トルクTが4.5kg
    ・cm以下であることを特徴とする研摩材料。
  2. 【請求項2】上記ポリオレフィンは、マグネシウム、チ
    タンおよびハロゲンを必須成分とする高活性チタン触媒
    成分(イ)および有機アルミニウム化合物触媒成分
    (ロ)から形成されるチーグラー型触媒の存在下に、少
    なくとも1つの重合工程においてオレフィンを重合させ
    て極限粘度が10〜40dl/gの超高分子量ポリオレフィンを
    生成させ、その他の重合工程において水素の存在下にオ
    レフィンを重合させて極限粘度が0.1〜5dl/gの低分子量
    ないし高分子量のポリオレフィンを生成させる多段階重
    合法によって製造されたポリオレフィンであることを特
    徴とする請求項第1項に記載の研摩材料。
  3. 【請求項3】上記ポリオレフィン組成物は、無機充填材
    を含むことを特徴とする請求項第1項に記載の研摩材
    料。
  4. 【請求項4】上記無機充填材は、モース硬度が1〜10の
    範囲の無機粉末であることを特徴とする請求項第3項に
    記載の研摩材料。
  5. 【請求項5】上記研摩材中における無機充填剤の含有率
    が20重量%以下であることを特徴とする請求項第3項に
    記載の研摩材料。
  6. 【請求項6】上記ポリオレフィン組成物は、帯電防止剤
    を含むことを特徴とする請求項第1項に記載の研摩材
    料。
  7. 【請求項7】上記帯電防止剤は、非イオン系界面活性剤
    であることを特徴とする請求項第6項に記載の研摩材
    料。
  8. 【請求項8】上記研摩材中における帯電防止剤の含有率
    が5重量%以下であることを特徴とする請求項第6項に
    記載の研摩材料。
  9. 【請求項9】上記研摩材が、上記ポリオレフィン組成物
    の球状成形体、円盤状成形体、矩状成形体若しくは円柱
    状成形体であることを特徴とする請求項第1項ないし8
    項のいずれかの項に記載の研摩材料。
  10. 【請求項10】上記研摩材1個の重量さが、0.01〜0.05
    gの範囲にあることを特徴とする請求項第1項ないし8
    項のいずれかの項に記載の研摩材料。
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