JP2624008B2 - 走査型トンネル顕微鏡 - Google Patents

走査型トンネル顕微鏡

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は走査型トンネル顕微鏡に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、ミクロンオーダー領域の表面形状
観察には、走査型電子顕微鏡が多く用いられている。最
近では、ビニッヒ他,フィジカルレビューレターズ
(G.Binning et al.,Physica
l Review Letters)第49巻,57頁
(4982年)に開示された走査型トンネル顕微鏡が用
いられるようになってきた。従来の走査型トンネル顕微
鏡のブロック図を図2に示す。
【0003】圧電素子12に固定された金属の探針10
を試料11の表面から1nm程度に近づけ、バイアス電
圧を印加することにより観測可能な大きさのトンネル電
流が流れる。従って圧電素子12を用いて探針10を試
料表面に沿って走査することにより、試料11の表面形
状を画像化することができる。圧電素子12の駆動には
圧電駆動回路13を用い、探針10と試料11のあいだ
に流れるトンネル電流はトンネル電流検出回路14によ
って検出する。圧電素子駆動回路13とトンネル電流検
出回路14の制御はコンピュータ16によって制御す
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
走査型トンネル顕微鏡では、探針のフィードバック制御
がz軸方向のみであるために、垂直に切り立った段差や
表面粗さの大きい試料の表面形状を観察すると探針と試
料が接触して探針を破壊することや段差等の表面形状に
対して正確に追従することができないなどの重大な問題
点があった。
【0005】すなわち従来の走査型トンネル顕微鏡で
は、図4に示すように、圧電素子のz軸に印加した電圧
の信号線30Aは、試料31の段差形状を忠実に反映し
ない場合があった。
【0006】本発明の目的は、上記問題点を解決するた
めに、探針をx軸,y軸の2次元方向に走査する際に、
探針を3次元方向に微小変動させることによりトンネル
電流が流れている探針の部分を認識し、探針に3次元デ
ジタルフィードバック制御を行い、探針と試料との接触
を防止し、さらに表面形状を正確に追従しうる安定かつ
高精度の走査型トンネル顕微鏡を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の走査型トンネル
顕微鏡は、探針と、この探針を3次元方向に移動させる
圧電素子と、この圧電素子を駆動させる圧電素子駆動回
路と、前記探針と測定試料との間に電圧を加えた際に流
れるトンネル電流を検出するトンネル電流検出回路と、
前記圧電素子駆動回路と前記トンネル電流検出回路とを
制御するコンピュータとを有する走査型トンネル顕微鏡
において、探針をx軸y軸の2次元方向に走査する際に
探針が3次元方向に微小変動するように前記圧電素子駆
動回路から出力される信号に微小変調をかける微小変調
回路を設けたものである。
【0008】
【作用】走査型トンネル顕微鏡において、探針と試料間
のバイアス電圧の値が1V、トンネル電流の値が1nA
のとき、探針と試料間の最近接距離はおおよそ1nmで
ある。したがって、デジタルフィードバックをかけると
きの探針の走査移動距離を1nm以下にすれば1回の探
針移動によって探針を試料に接触させることはない。探
針を1回走査するごとに3次元方向に微小変動すなわち
x軸,y軸およびz軸方向に1nm以下の距離移動さ
せ、そのときのトンネル電流の変化率を測定すれば、探
針と試料との間でトンネル電流が流れている位置を知る
ことができる。xy平面に対してx軸方向に探針を走査
している場合、y軸およびz軸方向の微小変動に対して
トンネル電流の変化がなく、x軸方向の微小変動に対し
てトンネル電流の変化があった場合、走査方向に段差が
あり、探針の前面でトンネル電流が流れていることにな
る。このときは、次の走査をx軸方向に行わず、z軸方
向に行うようにする。このように3次元デジタルフィー
ドバックを行うことにより探針を試料と接触させず表面
形状に対して正確に追従させることができる。
【0009】
【実施例】次に、本発明の実施例について図面を参照し
て説明する。図1は本発明の一実施例のブロック図であ
る。
【0010】図1において、試料11の表面を測定する
探針10は、3次元方向に移動可能な圧電素子12に固
定されている。この圧電素子12は圧電素子駆動回路1
3により駆動されるが、この圧電素子駆動回路13に
は、探針10をx軸とy軸の2次元方向に走査する際に
探針10が3次元方向に微小変動するよう圧電素子駆動
回路から出力される信号に微小変調をかけるための微小
変調回路15が接続されている。試料11と探針10と
の間に流れるトンネル電流は、トンネル電流検出回路1
4により検出され、各回路ともコンピュータ16により
制御される。
【0011】以下、この実施例を用いた試料の測定を具
体的に説明する。探針10は直径0.3mmのタングス
テン針を電解研磨したものを用いた。先端の曲率半径は
0.1μmであった。探針10を3次元的に移動させる
圧電素子12にはチタン酸バリウムのチューブ型のもの
を用い、加える電圧と伸びの関係は、x軸方向51.3
nm/V、y軸方向54.2nm/V、Z軸方向3.8
nm/Vであった。圧電素子駆動回路13は、コンピュ
ータにデジタル/アナログ(D/A)コンバータを接続
し、そのD/Aコンバータの出力±10Vをブースター
回路により±200Vに増幅し、プログラマブル電源と
した。トンネル電流検出回路14は、探針10と試料1
1間のトンネル電流を10-5A/Vの比率で電流/電圧
変換し、±10Vでリミッターをかけ、アナログ/デジ
タル(A/D)変換をしてパーソナルコンピュータに入
力した。また、バイアス電圧は±10V出力の安定化電
源を用いた。微小変調回路15は、コンピュータにD/
AコンバータとA/Dコンバータを接続したものを用い
た。
【0012】探針10の3次元デジタルフィードバック
は次のようにして行った。x軸,y軸,z軸微小変調に
よるトンネル電流の変化率xt ,yt ,zt をそれぞれ
測定する。
【0013】(1)x軸走査の場合 xt <(Zt /10)のときは、圧電素子のz軸方向に
フィードバックをかけ、(Zt /10)≦xt <10z
t のときは、x軸およびz軸方向にフィードバックをか
ける。
【0014】10Zt ≦xt のときはx軸方向にフィー
ドバックをかける。
【0015】(2)y軸走査の場合 yt <(zt /10)のときは、圧電素子のz軸方向に
フィードバックをかける。
【0016】(Zt /10)≦yt <10zt のとき
は、y軸およびz軸方向にフィードバックをかける。
【0017】10zt ≦yt のときはy軸方向にフィー
ドバックをかける。
【0018】本実施例を用いた試料表面の観察方法によ
り測定した結果を図3に示す。測定試料は、幅1μm,
高さ2μmのラインアンドスペースパターンを用いた。
図3における30は本実施例による走査型トンネル顕微
鏡により測定したものであり、圧電素子のz軸に印加し
た電圧の信号線である。31は走査型電子顕微鏡により
測定したラインアンドスペースパターンを有する試料の
断面である。段差の形状が正確に測定できていることが
わかる。また、探針と試料との接触もまったく発生しな
かった。
【0019】図4に示した従来の走査型トンネル顕微鏡
では段差形状を忠実に反映しておらず、凹部の両方の角
の角度が鈍角で測定されていることがわかる。また、探
針と試料の接触による探針の変形は、走査回数200回
に1回の割合で発生した。
【0020】
【発明の効果】以上説明したように本発明は、走査型ト
ンネル顕微鏡に微小変調回路を設けることにより、3次
元デジタルフィードバックを用いることができるため、
安定かつ高精度で表面形状の観察を行うことができると
いう効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例のブロック図。
【図2】従来の走査型トンネル顕微鏡のブロック図。
【図3】実施例により測定した試料の断面図。
【図4】従来の走査型トンネル顕微鏡により測定した試
料の断面図。
【符号の説明】
10 探針 11 試料 12 圧電素子 13 圧電素子駆動回路 14 トンネル電流検出回路 15 微小変調回路 16 コンピュータ 30,3A 信号線 31 試料

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 探針と、この探針を3次元方向に移動さ
    せる圧電素子と、この圧電素子を駆動させる圧電素子駆
    動回路と、前記探針と測定試料との間に電圧を加えた際
    に流れるトンネル電流を検出するトンネル電流検出回路
    と、前記圧電素子駆動回路と前記トンネル電流検出回路
    とを制御するコンピュータとを有する走査型トンネル顕
    微鏡において、探針をx軸y軸の2次元方向に走査する
    際に探針が3次元方向に微小変動するように前記圧電素
    子駆動回路から出力される信号に微小変調をかける微小
    変調回路を設けたことを特徴とする走査型トンネル顕微
    鏡。
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