JPH02262001A - 圧電素子駆動型探針装置およびその駆動方法 - Google Patents

圧電素子駆動型探針装置およびその駆動方法

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JPH02262001A
JPH02262001A JP8434889A JP8434889A JPH02262001A JP H02262001 A JPH02262001 A JP H02262001A JP 8434889 A JP8434889 A JP 8434889A JP 8434889 A JP8434889 A JP 8434889A JP H02262001 A JPH02262001 A JP H02262001A
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feedback
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JP8434889A
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Yasuhiro Torii
鳥居 康弘
Kenji Yamazaki
山崎 謙治
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Nippon Telegraph and Telephone Corp
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、走査型トンネル顕微鏡(STM)のように探
針を用いて試料表面の状態を観察する装置の主要部とな
る圧電素子駆動型探針装置およびその駆動方法に関する
ものである。
[従来の技術] 従来の走査型トンネル顕微鏡(STM)は、応用物理第
56巻No、9 (1987)1126頁から1137
頁に解説されているように、探針をチタン酸ジルコン酸
鉛系(PZT)の圧電セラミックスにとりつけ、トンネ
ル電流を測定して物質表面の電子状態を観測したり、ト
ンネル電流の変化に応じて探針を微小変位させ、探針と
試料表面との距離を一定に保つようにして表面形状を観
察したりしている。
この走査型トンネル顕微鏡は、もともと原子像のような
超微小領域の表面状態を非接触で観察するために開発さ
れたものであるが、近年その適用範囲は急速に広がって
いる。原子像を観察するために開発されている通常の走
査型トンネル顕微鏡は、0.1人程度のZ軸方向(試料
表面に垂直な方向)の分解能を有していた。
[発明が解決しようとする課題] しかしながら、上記従来の技術における走査型トンネル
顕微鏡(以下、STMと記す)では、表面の凹凸が大き
な試料表面を測定すると、表面の凹凸は観察できるが、
原子オーダの情報は表面の粗い凹凸の中に隠れてしまい
、原子像を得るのが困難になる問題点があった。これは
、表面の凹凸が大きくなると、深針をZ軸方向に駆動す
る圧電素子駆動において、測定対象の表面の原子オーダ
での変化に対するフィードバックが困難になり、深針を
忠実に原子オーダで追従させることが出来な(なるため
と考えられる。しかも、この傾向は高速に処理すればす
るほど実際の原子オーダの変化と圧電素子を制御する信
号との誤差が大きくなるため、高速な探針の走査によっ
て原子像を得るのはさらに困難である。
即ち、従来のSTMにおいては、高さ方向(試料表面の
仮の基準からの垂直方向の探針の位置、探針のZ座標)
の探針の変位については、■大きな凹凸(0,1−1μ
m程度)と原子オーダの分解能(0,1−1人程度)の
両立、■大きな凹凸試料での原子像の高速観察、などが
困難であった。
また、STM技術の応用が発展するにつれて、従来のS
TMでは機能が必ずしも充分でなく、より融通性に富ん
だZ軸の探針の構成とその制御方法が望まれていた。例
えば、 ■Z軸探針を一定周期で微小変位させながら、試料表面
と探針との距離の一定に保つような探針制御方法、 ■探針が急激な段差や突起などにぶつからないで、しか
も超微細形状を測定できる探針制御機構、などである。
本発明は、上記問題点や課題を解決するために創案され
たもので、高速度、高精度にZ軸方向の変位を制御でき
るようにするなど融通性に富む圧電素子駆動型探針装置
およびその駆動方法を提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段] 上記の目的を達成するための本発明の圧電素子駆動型探
針装置の構成は、 測定試料と間隔をおいて配置された探針と、該探針に接
続され少なくとも前記測定試料表面に垂直な方向の変位
を複数の圧電体の変位の総和として付与する複合圧電素
子部と、前記複数の圧電体に独立に変位を付与するため
に前記各圧電体に電圧を印加する駆動電圧印加部とを具
備することを特徴とする。
また、上記の目的を達成するための本発明の圧電素子駆
動型探針装置の制御方法の構成は、圧電素子駆動型探針
装置において、複合圧電素子部の各圧電体に2以上の異
なる制御信号を並行に印加することを特徴とする。
[作用] 本発明は、測定試料面上を走査する探針に対し、その測
定試料面に垂直な方向の変位を与える圧電素子部を複数
の圧電体で構成して、その変位を複数圧電体のそれぞれ
の変位の総和として与える。
ここで、これらの複数圧電体を、並行で独立にフィード
バック信号等の制御信号で駆動することによって、一方
の圧電体では測定試料の大きな凹凸に対応する変位を与
えたり、他方の圧電体では高速応答の圧電体で構成して
原子オーダ等の超微細構造に対応する変位を高速応答で
与えたりすることにより、融通性に富む探針構成や探針
制御を可能にする。
[実施例] 以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明する
〈実施例1〉 第1図は本発明の第1の実施例を示す構成図であって、
1は探針、2は測定試料、3は測定試料2を載せるステ
ージ、4は複合型Z軸圧型素子、5はX軸圧型素子、6
はY軸圧型素子、7はX軸圧型素子用走査信号、8はY
軸圧型素子走査信号、9.10は複合型Z軸圧型素子用
制御信号、11はトンネル信号、12はバイアス電圧、
13は信号処理系、14は計算機、15は表示装置であ
る。
上記において、X軸、Y軸は測定試料(以下試料と記す
)2表面に平行な直交座標軸を示し、Z軸はX軸とYl
lllで形成される平面即ち試料2表面に垂直な軸を示
す。探針1は、その先端と試料2との距離がトンネル領
域になるように接近して配置する。この探針lに対し、
複合型Z軸圧型素子4は変位方向がZ軸方向になるよう
に固定され、X軸圧型素子5は変位方向がX軸方向にな
るように、またY軸圧型素子6は変位方向がY軸方向に
なるようにそれぞれ固定される。複合型Z軸圧型素子4
は、例えば特性の異なる2つ以上の圧電素子4−1.4
−2から構成されていて、各圧電素子は独立に併行して
動作できる。すなわち、2つの変位を独立に制御する複
合圧電素子であって、複合型Z軸圧型素子4の変位は、
複合型Z軸圧型素子用制御信号9.10に対応する圧電
素子4−1゜4−2の変位の総和として生じる。圧電素
子41.4−2は、種々の特性のものを選択することが
できるが、典型的には±150Vの駆動電圧に対して、
0.1〜1μm以上の変位で分解能約lOpmを有する
ものである。X、Y軸圧型素子5゜6も、±150〜2
50■の駆動電圧に対して、1−10μm以上の走査範
囲で分解能約10pmを有するものである。信号処理系
13および計算機(CPU)14は本発明の駆動電圧印
加部の構成例であり、上記したX軸圧型素子5用の走査
信号7およびY軸圧型素子6用の走査信号8を出力して
探針lを走査するとともに、複合型Z軸圧型素子4を構
成する圧電素子4−1用の制御信号9および圧電素子4
−2用の制御信号lOを、探針lからのトンネル電流I
、を表わすトンネル信号11に基づいて出力することに
より、探針1と試料2との距離を一定に保つ。このとき
、トンネル電流■、を得るために信号処理系13からは
DA変換器13aを介して探針1と試料2の間に所定の
電圧VBを与える。信号処理系13はディジタル処理系
であり、各軸の圧電素子4−1.42.5.6に印加す
る電圧Vx、 Vv、 Vz+、 VztはDA変換器
13bとアンプ13cを介して与え、トンネル信号11
は、トンネル電流■、をアンプ13dとAD変換器13
eを通して信号処理系13に入力する。
以上の構成の第1の実施例は、以下のように動作する。
まず、試料2と探針lとを近づけ、試料2と探針1との
距離がトンネル領域になるように接近させる。この領域
で探針lと試料2との間に所定のバイアス電圧VBをか
け、探針目こ流れるトンネル電流It即ちトンネル信号
11が一定になるように、信号処理系13で発生する腹
合型Z軸圧型素子用制御信号9.IOでZ軸の圧電素子
4−1.4−2を制御すれば、探針lは試料2の表面形
状や試料2表面の原子゛に付随した電子の局所状態密度
の濃淡をなぞって動くことになる(仕事関数など物性が
均一な試料の場合には、探針lと試料2表面との間隔を
一定に保つことに相当する)。すなわち、表面状態が一
定なら試料2表面のトポグラフィを、表面が非常に平坦
なら電子状態密度を測定できる。このとき、X、Y軸の
走査信号7.8でX、Y軸の圧電素子5.6を制御して
、探針lをX、Y方向にテレビジョン受像機のラスタの
ように走査しながら、トンネル電流I。
が一定になるように複合型Z軸圧型素子4を制御し、そ
の圧電素子4−1または4−2の変位量即ち印加電圧変
化を切り出して画像化し表示すれば、表示装置10に3
次元像として画像化できる。勿論、探針1と試料2との
距離を一定にして、その間を流れるトンネル電流!、を
表示すれば、試料2表面の電子状態密度などが表示でき
、物質の表面構造や形状を約10pmの精度で求めるこ
とができる。
次に、上記実施例の基本構成部である複合型Z軸圧型素
子4の制御方法について述べる。一般に、トンネル信号
11の検出によって、探針1と試料2との距離を一定に
するSTMのフィードバック方式とし、■、を設定電流
とすると、 ■リニアのフィードバック(E=1.−1.の誤差信号
に比例して行うフィードバック)、■ログのフィードバ
ック(E = 12og(I t/ I −)の誤差信
号に比例して行うフィードバック)、■距離変換のフィ
ードバック(E=(I t −t、)/I、の誤差信号
に比例して行うフィードバック)などが使用されており
、本第1の実施例のようなデジタル方式のフィードバッ
ク機構では、上記のいずれかの方式に限定されることな
くいずれの方式をも選択できる。さらに、フィードバッ
クの大きさは、PfD制御とよばれている方式が一般に
用いられており、比例利得P (Z、=−PXE)。
積分利得1 (Zw=Zto  I X r XE) 
、微分利得D (ZD=−DX(E−EO)/T)を変
化させて、測定試料2の表面状態に応じて最適なフィー
ドバックをかけるようにしている。ここで、Zp。
Zs、Zoはそれぞれ比例要素、積分要素、微分要素に
対応するフィードバック信号、Eは前に示した誤差信号
に対応し、Eoは一つ前のサンプル時における誤差信号
、τはトンネル信号のサンプル間隔時間、ZIoは一つ
府のサンプル時における積分要素に対応するフィードバ
ック信号である。一般に、比例利得Pは微細な凹凸に対
し、積分利得Iはなだらかなゆっくりし・た変化に対し
、微分利得りは急激な大きな変化に対して重要な役割を
果たす。
このような構成になっているので、複合型圧電素子の構
成とその制御方法を選択することによって、種々の機能
を有する探針の制御方法を構成できる。例えば、 ■高速、広ダイナミックな制御方法 圧電素子4−1として、変位の大きな(応答速度は変位
の小さいものより一般には遅くなる)圧電素子を用い、
圧電素子4−2として、変位は小さいが応答速度の早い
・圧電素子を用いて、複合型Z軸圧型素子4を構成すれ
ば、高速で広ダイナミツクレンジの探針制御ができる。
即ち、圧電素子41のフィードバック信号Zlとして、
Z + −Z rを用い、圧電素子4−2のフィードバ
ック信号Z、として、Z t = Z pかもしくはZ
t=Zp+Zoを用いれば、平均的な大まかな凹凸に応
じて圧電素子4−1が動き、その状態で圧電素子4−2
が高速に微細な変化に追従するため、高速に走査しても
誤差の少ないフィードバックが可能になる。表示装置1
5に表示する場合に、Z−Z + 十Z tの信号に対
応して表示すれば、全体の表面の形状が観察される。2
=2.の信号に対応して表示すれば、大まかな平均的な
粗い表面形状を示し、Z ” Z tの信号に対応して
表示すれば、ゆっくりした変化を除いた微細な表面の形
状が観察できる。この上うに、Z軸方向の探針のフィー
ドバックを、粗い凹凸と原子オーダの超微細構造に分離
して制御することにより、1μm以上の粗い凹凸に対し
て、10pm程度の高分解能でしかも高速に処理できる
■急峻な段差、突起に対応した制御方式圧電素子4−1
と圧電素子4−2に、変位が大きくしかも出来るだけ高
速の圧電素子と変位は小さいが高速の素子を用いて、圧
電素子4−1のフィードバック信号Z、をZl−ZI+
Z[+とし、圧電素子4−2のフィードバック信号Z、
をZ t−Z pとすれば、急峻で大きな段差や突起に
対して、圧電素子4−1が追従できるため、探針Iは試
料に衝突することなく圧電素子4−2の動作により微細
な表面構造に対応した動作を行う。すなわち、Zlの信
号に対して、段差、突起などを含む大まかな試料の形状
を得ることが出来、Z2の信号よりよりおおまかな変化
を除いた超微細な表面状態の信号を得ることができる。
さらに、この2つの信号の和Z=Zl+Ztよげ全体の
表面状態を表示てきる。
■その他の制御方式 同じような概念を適用できる対象は多い。今までの説明
はPID制御によるフィードバック信号に対応して、圧
電素子4−1と4−2を動作させることを例にして説明
したが、本発明はこのような制御に限定されるものでは
ない。次にこのような例について述べる。
(A)変調信号を付加した制御方式 圧電素子4−1に通常のSTM用の素子を用い、圧電素
子4−2に微小高速に変位する素子を用いて、フィード
バック信号Z、に交流の変調信号をかけて圧電素子4−
2に周期的に変調した微小変位を生じさける。すなわち
、このように一定周期の微小変位を与えることにより、
表面の微細な形状信号とその近傍で探針lと試料2間隙
を変えた信号を得ることができる。例えば、変調した微
小変位に対応して得られる変調トンネル信号11を同期
検波して、PID制御信号としてZ + = Z p 
+ZI+ZI)を用いて圧電素子4−1を制御すれば、
S/Nの良い高精度の制御が可能になる。また、トンネ
ル信号11が得られない絶縁体の試料2に対しても、キ
ャパシタンスの変化として電流が検出できるので、同様
に圧電素子4−1をPID制御で駆動することにより分
解能は悪くなるが、表面の形状を観察できる。さらに、
検出したトンネル信号から周期的な微小変位に対応する
周波数成分を除去した信号をもとに、圧電素子4−1を
動作させることにより、各測定点におけるIt  Z特
性や試料2面におけるdlt/dZ特性を得ることがで
きる。また、この微小変位を音波領域の周波数にすれば
、この音波の試料2への伝播を検出し、フィードバック
をすることにより絶縁物の表面形状をも観察できる。
(B)その他の制御方式 ■トンネル信号11を高周波数成分と低周波数成分に分
離し、この分離した信号で圧電素子4−1゜4−2をフ
ィードバック制御して、より高速、高精度に探針を制御
する方法、 ■トンネル信号を大きな電流値と小さな電流値の2つの
信号の和に分解して、それぞれの信号で変位の大きな圧
電素子4−1と高速微小変位の特性を何する圧電索子4
−2をフィードバック制御して、より高速、高精度に探
針を制御する方法、などが可能である。
〈実施例2〉 第2図は本発明の第2の実施例を示す構成図である。第
1の実施例においては、説明の便宜上ディジタルフィー
ドバックについて説明したが、本発明はこれに限定され
ることなく、アナログ回路を用いたフィードバックでも
、同様の機能を実現できることはいうまでもない。その
例が第2図の実施例であり、16.17はX軸、Y軸圧
型素子走査信号、18.19は複合型Z軸圧型素子用制
御信号、20はトンネル信号、21は設定電流、22は
バイアス電圧、23.24はフィードバック信号の積分
(1)制御回路と比例(P)制御回路、25はインター
フェイスを含む計算機(制御装置)、26は表示”AI
、27はXY走査回路、28は比較部である。第1図と
同じ符号を付しである探針1.測定試料2.ステージ3
.複合型Z軸圧型素子4.X軸圧電素子5.Y軸圧型素
子6は、第1の実施例と同様に構成する。上記において
、探針lと測定試料2の間に流れるトンネル電流■、を
得るためのバイアス電圧22は、電圧源Vaより与える
。また、X軸圧型素子5の走査信号およびY軸圧型素子
6の走査信号はX、Y走査回路27より出力し、その走
査信号はインターフェイスを介して計算機25に取り込
まれ、計算機25は、その走査信号に同期して圧電素子
4−14−2への印加電圧2..2.を切り出し、画像
化を行い3次元像として表示装置26へ表示する。
探針1がX軸、Y袖の圧電素子5.6によって走査され
る間のトンネル電流I、はアンプ28aを通して比較部
28にトンネル信号20として入力され、この比較部2
8において設定電流21と比較されて、積分制御回路2
3および比例制御回路24に入力される。この差信号が
零となるように、積分制御回路23は、測定試料2表面
の粗い凹凸に対応して圧電素子4−1に対しアナログの
制御信号18を出力し、比例制御回路24は測定試料2
表面の原子オーダの微細な形状に対応して圧電素子4−
2に対しアナログの制御信号19を出力する。制御信号
18は、アンプ23aを介して複合型Z軸圧型素子4を
構成する一方の圧電素子41ヘフイードバツク信号Z1
として印加し、制御信号19はアンプ24aを介して他
方の圧電素子4−2へフィードバック信号Z、として印
加する。
以上のように第2の実施例は、第1図の第1の実施例の
ディジタルフィードバック系をアナログ回路によるリニ
アーフィードバック回路で置き換えたものであり、第1
の実施例の場合と同様にして、高速に走査しても、誤差
の少ない超微細信号を得ることができる。
〈実施例3〉 上記実施例に用いる複合型Z軸圧型素子の具体的な構成
例を第3図(a)、(b)、(c)に示す。第3図(a
)は複合型Z軸圧型素子を一つの圧電体31で構成し、
この圧電体31に電圧が印加される領域の長さを変えて
2つの領域で変位/電圧特性を変えた例である。この領
域の長さは、電極32.33の長さを変えることで実現
し、電圧が印加される圧電体の領域に比例して変位幅が
異なる。よって、同じ印加電圧に対する。伸縮の長さが
異なり、変位の精度は電極領域の小さい方が良い。なお
、Z軸変位の精度(分解能)さえあれば、なるべく低い
電圧で所望の変位をとった方が低電圧駆動で高速動作が
可能であるので、必ずしも印加される領域を短くする必
要がない。第3図(b)、(c)は、長さまたは応答速
度等の特性の異なる圧電素子34.35を絶縁体36等
を介して接続して、各圧電素子34.35の電極I7に
駆動電圧が印加できるように構成した例で、種々の特性
の圧電体を組み合わせて使用することができ、長さを変
えれば、上記のように2つの圧電素子34.35の変位
/電圧特性を異なる構成にすることができる。この様な
複合型圧電素子は、トライポット微動機構、十字型微動
構成、やぐら型微動機構のZ軸圧型素子に用いることに
より、本発明の圧電素子駆動型探針装置を構成できる。
〈実施例4〉 第4図は、本発明の別の圧電素子駆動型探針の具体的な
構成例でチューブ型の例である。本実施例は、圧電素子
41をチューブ型に形成し、一方の端面側に探針lを固
定する。この圧電素子41の周面上の探針lに近い方に
、X軸走査信号電圧±V8を印加するための電極42の
対とY軸走査信号電圧±Vyを印加するための電viA
43の対を交互に配置する。また、探針lをZ軸方向(
チューブの軸方向)に変位させる2つの電極44.45
を長さを変えて円筒状に2段に配置する。電極44には
フィードバック信号Vzlを、電極45にはフィードバ
ック信号v2tを印加する。これらフィードバック信号
V zl 、 V z2のコモン電圧はチューブ型の圧
電素子41の内周面に形成した電極(図示せず)に接続
する。以上の構成例を第1図または第2図の実施例に用
いて、電極44.45に対し、フィードバック信号■z
1.■□を独立して同時に印加することにより、第1図
または第2図の実施例における探針制御を行うことがで
き、同様の動作を行うことができる。
〈実施例5〉 第5図は異なる圧電微動機溝を組合せた圧電駆動型探針
の一実施例を示す斜視図である。51は十字型圧電微動
機構、52は高精度のチューブ型圧電微動機構であり、
本実施例はこれらを組み合せて構成する。即ち、十字型
圧電微動機構5Iは、X、Y、Zの各軸方向に変位する
圧電素子より成り、そのZ軸方向に変位するチューブ型
圧電微動機構52を取付け、さらにその先端に探針lを
固定する。チューブ型圧電微動機構52は、外形2mm
Φ、長さ10mm程度で、80人/■程度の特性の圧電
素子を構成できる。よって、±15Vで2400人の変
位が可能である。しかも、チューブ型圧電駆動機構52
は、非常に小型のため1OkF(以上の高速で応答する
ことができるので、高速の圧電アクチュエータとして使
用できる。このような構成例を第1図または第2図の実
施例に用いて、十字型圧電微動機構51のZ軸方向の変
位と、チューブ型圧電微動機構52の高精度なZ軸方向
の変位とを独立して同時に制御することにより、第1図
または第2図の実施例における探針制御を行うことがで
き、同様の動作を行うことができる。
〈実施例6〉 第6図は異なる圧電微動機構を組み合せた他の実施例を
示す斜視図である。本実施例は、第5図の実施例とは逆
に、チューブ型圧電微動機構61に板状のZ軸の微小圧
電素子62を組み合わせた例であり、通常のチューブ型
圧電微動機構61のZ軸方向の動作に微小なZ軸圧型素
子62のZ軸方向の変位を付加した形で動作できる。チ
ューブ型圧電微動機構61は、チューブ型圧電素子の周
面上に分割して交互に配置されたX軸走査信号士■8を
印加する電極63と、Y軸走査信号±V、を印加する電
極64とを、そのチューブ型圧電素子の周面上に交互に
配置し、Z軸方向のフィードバック信号Vzzを印加す
る電極をその内周面に設ける。このフィードバック信号
VZtのグランド側は、外部において±Vx、±Vvの
グランドへ接続する。
Z軸圧型素子62は、例えばX軸用の電極63に固着し
、板状表面の電極にフィードバック信号V21を印加し
、その先端に探針lを固定する。以上の構成例を第1図
または第2図の実施例に用いてチューブ型圧電微動機構
61のZ軸方向の変位と、Z軸圧型素子62の微小なZ
軸方向の変位とを独立して同時に制御することにより、
第1図または第2図の実施例における探針制御を行うこ
とができ、同様の動作を行うことかできる。
以上のように構成した実施例の作用を述べる。
従来技術のZ軸の圧電素子は、原理的には最大制御範囲
の10−4程度の制御性を有しており、】000人の変
位に対して、0.1人の分解能で制御できる特性を有し
ているが、実際には、粗い試料面に対して誤差が大きく
超微細構造の観察は困難であった。また、一般に高分解
能の像を得るためには、表面の凹凸が大きくなるにつれ
て走査速度を遅くする必要があった。そのため、表面凹
凸が大きくなるにつれて駆動圧電素子は、高速に走査で
きなくなるため、測定データを収集するのに益々長い時
間を要するという欠点があった。これは、通常使用され
ている圧電素子の構成、制御方式が、比例要素と積分要
素とを並列結合させたPI制御を使用しているため、こ
の2つの要素が混在している場合に忠実に比例要素に対
応する制御が精度よくできず、誤差として残るためと考
えられる。
それに対して、本発明はフォードバック信号の各要素信
号に対応して、並行で独立に各圧電素子部を変位させる
ため、非常に融通性のあるZ軸の探針制御ができる。例
えばP■制御の比例要素と積分要素とを分離して、各要
素に対応した制御信号を独立に圧電素子部に駆動、制御
できるので、各フォードパック成分に対して誤差を少な
く構成できる。すなわち、フォードバック信号を表面の
大きな凹凸と原子オーダの超微細構造に対応する信号に
分離すれば、表面の凹凸の大きな試料に対しても超高分
解能性を保つことができ、1μm以上の凹凸があっても
原子像を観察できる。さらに、表面の凹凸が大きくなっ
ても、比例要素に対応する圧電素子部の応答速度が早け
れば、誤差の少ない追従ができるので、走査速度を落と
すことなく超微細構造に対応する信号を収集することが
できる。
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、
2以上の異なる圧電素子または圧電微動機構を組み合わ
せることにより、探針のアクチュエータを構成しても良
いし、その組み合わせら自由である。このように、本発
明はその主旨に沿って種々に応用され、種々の実施態様
を取り得るものである。
[発明の効果] 以上の説明で明らかなように、本発明の圧電素子駆動型
探針装置およびその駆動方法によれば、2種以上の圧電
素子を組み合せて、各圧電素子を独立、並行に駆動でき
る複合型Z軸圧型制御素子を用いているため、トネンル
信号を検出、制御する探針を融通性高く、高精度に制御
できる、例えば、うねりや突起などをもった粗い面や段
差などを有する測定試料でも、高速・高精度に表面を観
察できる。その他、S/Nを向上したり、絶縁物の検出
などの測定試料表面の形状観察に有効な種々の機能を容
易に付加することが出来る。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の第1の実施例を示す構成図、第2図は
本発明の第2の実施例を示す構成図、第3図(a)、(
b)、(c)は複合型Z軸圧型素子の具体例を示す斜視
図、第4図、第5図、第6図は他の圧電駆動型探針の具
体例を示す斜視図である。 l・・・探針、2・・・測定試料、4・・・複合型Z軸
圧型素子、13・・・信号処理系、14・・・計算機、
15・・・表示装置、23・・・積分制御回路、24・
・・比例制御回路、28・・・比較部。 番 第6図 第8図

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)測定試料と間隔をおいて配置された探針と、該探
    針に接続され少なくとも前記測定試料表面に垂直な方向
    の変位を複数の圧電体の変位の総和として付与する複合
    圧電素子部と、 前記複数の圧電体に独立に変位を付与するために前記各
    圧電体に電圧を印加する駆動電圧印加部とを具備するこ
    とを特徴とする圧電素子駆動型探針装置。
  2. (2)複合圧電素子部が、応答速度または変位/電圧特
    性のいずれかの特性が異なる2つ以上の圧電素子で構成
    されていることを特徴とする請求項1に記載の圧電素子
    駆動型探針装置。
  3. (3)請求項1または請求項2に記載の圧電素子駆動型
    探針装置において、 複合圧電素子部の各圧電体に2以上の異なる制御信号を
    並行に印加することを特徴とする圧電素子駆動型探針装
    置の駆動方法。
  4. (4)制御信号が比例要素、積分要素、微分要素を適宜
    組み合わせた2つ以上のフィードバック信号から成るこ
    とを特徴とする請求項3に記載の圧電素子駆動型探針装
    置の駆動方法。
  5. (5)制御信号が探針を一定周期で微小変位する信号と
    該探針と測定試料表面との距離を一定にするフィードバ
    ック信号とからなっていることを特徴とする請求項3に
    記載の圧電素子駆動型探針装置の駆動方法。
  6. (6)制御信号が圧電体を変位させる速度の異なる2つ
    の信号かもしくは圧電体の最大変位幅の異なる2つの信
    号であることを特徴とする請求項3に記載の圧電素子駆
    動型探針装置の駆動方法。
JP8434889A 1989-04-03 1989-04-03 圧電素子駆動型探針装置およびその駆動方法 Pending JPH02262001A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
RU2497134C2 (ru) * 2011-12-05 2013-10-27 Закрытое акционерное общество "Инструменты нанотехнологии" Способ подвода зонда к образцу для сканирующего зондового микроскопа
CN105467159A (zh) * 2015-12-29 2016-04-06 中国科学院物理研究所 一种基于扫描探针技术的定位系统及其使用方法

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