JP3196447B2 - 走査型プローブ顕微鏡 - Google Patents

走査型プローブ顕微鏡

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JP3196447B2
JP3196447B2 JP22895993A JP22895993A JP3196447B2 JP 3196447 B2 JP3196447 B2 JP 3196447B2 JP 22895993 A JP22895993 A JP 22895993A JP 22895993 A JP22895993 A JP 22895993A JP 3196447 B2 JP3196447 B2 JP 3196447B2
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    • G01Q10/04Fine scanning or positioning

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  • Length Measuring Devices With Unspecified Measuring Means (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、走査型プローブ顕微鏡
に関し、特に探針と試料表面間を高精度に位置決めしな
がら試料表面を高精度に走査する微動機構に関する。
【0002】
【従来の技術】走査型プローブ顕微鏡として、例えばプ
ローブと試料表面との間に流れるトンネル電流を用いる
トンネル顕微鏡(STM)や、プローブと試料表面間に
働く原子間力を測定する原子間力顕微鏡(AFM)が知
られている。
【0003】例えば、トンネル顕微鏡は、探針を試料表
面に近づけて探針または試料の何れかを3次元方向に移
動可能とし、探針と試料表面との間に流れるトンネル電
流が一定となるように試料表面と探針先端部との間をサ
ブナノメータオーダーで制御して、試料の表面の凹凸を
観察する。原子レベルの分解能で試料表面を観察するに
は、探針または試料を原子スケールの精度で試料表面の
面内方向(X軸,Y軸方向)、及び試料表面の凹凸に沿
う方向(Z軸方向)に動作する微動機構が必要である。
【0004】この微動機構として、棒状の圧電素子をそ
れぞれが直交するように組み立てた構造のトライポッド
型、円筒状の圧電素子の内側と外側に電極を取り付けた
構造のチューブ型等が知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来の走査型プローブ
顕微鏡における微動機構は、圧電素子の持つヒステリシ
ス特性や、制御応答速度により、微小な動きに対しては
追従性は良いが、大きな動きに対してはヒステリシスが
大きくなって良好な追従性が得られず、試料表面に対す
る追従性に問題を有している。例えば、試料表面が大き
なうねりの上に微小な凹凸が乗ったような形状では、大
きなうねりと微小な凹凸との両方に追従性良く変動させ
ることは難しい。
【0006】そこで、従来この追従性の問題を解消する
ために、試料表面の大きなうねりが測定に影響を与えな
い程度の小面積を走査して、微小な凹凸のみを観察した
り、試料表面の微小な凹凸を無視して大きなうねりのみ
に追従して観察したり、あるいは走査速度を遅くして長
時間の走査時間により観察する等の方法がとられてい
る。しかしながら、この従来の観察方法では、表面あら
さの観察等の低い分解能で大きな面積を走査する場合
と、原子構造の観察等の高い分解能で小さな面積を走査
する場合を同一の微動機構により行なうことは困難であ
り、また、走査範囲、走査速度、及び試料の観察対象等
の所望の条件を満足させながら、大きな走査範囲を速い
走査速度で走査し、試料表面の大きなうねりとともに微
小変動をも観察することは困難である。
【0007】本発明は前記した従来の走査型プローブ顕
微鏡の問題点を解決し、追従性の高い微動機構により追
従性を向上させた走査型プローブ顕微鏡を提供すること
を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、圧電駆動部材
により構成される微動機構により走査を行う走査型プロ
ーブ顕微鏡において、圧電駆動部材を少なくとも1軸以
上において複数の駆動部分で構成し、該複数の駆動部分
を前記微動機構の駆動制御信号成分に対応したそれぞれ
異なる固有の周波数特性で駆動することにより前記目的
を達成する。
【0009】本発明の走査型プローブ顕微鏡は、圧電駆
動部材により構成される微動機構によって、探針と試料
表面間を高精度に位置決めしながら試料表面を高精度に
走査して、試料の表面の3次元形状の情報を得る装置で
あり、例えば、走査型トンネル顕微鏡や原子間力顕微鏡
がある。
【0010】また、本発明の微動機構を構成する圧電駆
動部材は、3次元方向の移動が可能となる3軸を有して
おり、その内の少なくとも1軸以上において駆動部分を
複数の部分により構成するものであり、それぞれの駆動
部分は制御信号により別個に制御可能とすることができ
るものである。この駆動部分を制御する制御信号は、微
動機構においてフィードバックされる駆動制御信号を周
波数選別して得られる特定の帯域の周波数成分を持つ信
号である。
【0011】
【作用】前記構成とすることにより、圧電駆動部材によ
り構成される微動機構により走査を行なう走査型プロー
ブ顕微鏡において、圧電駆動部材の少なくとも1軸以上
において、その圧電駆動部材を複数の駆動部分により構
成し駆動して追従性を向上させることにより、前記目的
を達成する。分割した複数の駆動部分に対しては、微動
機構の駆動制御信号の分割された特定の帯域の周波数成
分を持つ信号を入力して、その特定の帯域の周波数成分
に適合した特性の圧電駆動部材を駆動する。
【0012】本発明の走査型プローブ顕微鏡の微動機構
を構成する圧電駆動部材は、3次元の移動が可能となる
3軸の内の少なくとも1軸以上において駆動部分を駆動
特性の異なる複数の部分により構成し、微動機構におい
てフィードバックされる駆動制御信号を周波数選別して
得られる特定の帯域の周波数成分からなる制御信号を、
それぞれの駆動特性に適応する駆動部分に入力して、応
答性を向上させ、探針と試料表面間を高精度に位置決め
しながら試料表面を高精度に走査して、試料の表面の3
次元形状の情報を得ることができる。
【0013】
【実施例】以下、本発明の実施例を図を参照しながら詳
細に説明するが、本発明は実施例に限定されるものでは
ない。なお、以下の実施例においては、本発明の走査型
プローブ顕微鏡として走査型トンネル顕微鏡の場合につ
いて説明する。
【0014】(実施例の構成)図1は、本発明の実施例
1の構成を表すブロック図であり、走査型プローブ顕微
鏡の微動機構の部分のみを表し、また該微動機構を構成
する圧電駆動部材としてチューブ型のものを用いた例を
示している。
【0015】走査型トンネル顕微鏡の微動機構1は、試
料Sの試料表面の凹凸に沿って3次元の動作により、試
料Sと探針3との間隔の制御及び位置制御を行なうもの
であり、チューブ型の圧電駆動部材2に、X軸,Y軸方
向の走査を行なわせるためのX軸動作電極6とY軸動作
電極8を設けるとともに、試料Sと探針3との間隔であ
るZ軸方向の移動を行なわせるためのZ軸動作電極が設
けられている。そして、本発明の実施例1においては、
このZ軸動作電極は第1Z軸動作電極4と第2Z軸動作
電極5の2つの動作電極により構成されている。
【0016】XY走査回路11は、微動機構1のX軸方
向及びY軸方向の走査を行なわせる走査制御信号を出力
する回路であり、この走査制御信号を前記X軸動作電極
6とY軸動作電極8に入力して、圧電駆動部材2をX軸
方向、Y軸方向に湾曲させ、探針3と試料SとのXY平
面での移動を行なわせ、走査を行なう。また、このXY
走査回路11の走査制御信号は、メモリ16に入力され
て記憶される。
【0017】試料Sと探針3との間に微小電圧を印加す
ることにより流れるトンネル電流は、トンネル電流増幅
器12により増幅され、サーボ回路13を介して圧電駆
動部材2にフィードバックされ、前記トンネル電流が一
定となるように制御が行なわれる。本発明の実施例1で
は、このサーボ回路13を介した圧電駆動部材2へのフ
ィードバックにおいて、圧電駆動部材2に取り付けたZ
軸動作電極へのZ軸制御信号を周波数に応じて選別し、
周波数に応じて圧電駆動部材2のZ軸動作を行なわせて
いる。図1の実施例においては、サーボ回路13からの
駆動制御信号をローパスフィルタ(またはハイカットフ
ィルタ)14とハイパスフィルタ(またはローカットフ
ィルタ)15を通して、Z軸制御信号を低周波数成分と
高周波成分の帯域に分割して周波数選別し、この内の低
周波数成分を第1Z軸動作電極4に入力し、高周波数成
分を第2Z軸動作電極5に入力する。
【0018】また、このサーボ回路13からはフィード
バック信号であるZ軸制御信号をメモリ16に入力し、
前記XY走査回路11の走査制御信号とともに記憶す
る。このメモリ16に記憶された走査制御信号とZ軸制
御信号は試料Sの表面構造を示すデータであり、このデ
ータをマイクロコンピュータ17等の処理装置によりデ
ータ処理を施し、表示装置18等に表示する。
【0019】次に、図2の構成図を用いて、チューブ型
の圧電駆動部材を用いた圧電駆動部の一実施例の構成を
説明する。チューブ型の圧電駆動部材2は、例えばPZ
Tの圧電材料により形成される中空円筒形状の部材に、
中空円筒の軸方向(Z軸方向)に動作を行なわせるため
の2組の第1Z軸動作電極4及び第2Z軸動作電極5を
中空円筒の周上に設け、さらに、中空円筒の軸と直交す
る方向(X軸方向,Y軸方向)に動作するためのX軸動
作電極6a,6b,Y軸動作電極8a,8b(Y軸動作
電極8bは図示されていない)を設けている。そして、
その中空円筒の内面には、共通電極が設けられている。
【0020】ここで、前記第1Z軸動作電極4と第2Z
軸動作電極5の電極は、そのZ軸方向の幅を異ならせて
形成しており、図2においては第1Z軸動作電極4の電
極のZ軸方向の幅は第2Z軸動作電極5よりも幅広に形
成されている。なお、第1Z軸動作電極4と第2Z軸動
作電極5は、中空円筒の圧電駆動部材2の外周面の全周
上に形成されるため、第1Z軸動作電極4の電極は第2
Z軸動作電極5よりも広い面積で形成されることにな
る。この第1Z軸動作電極4と第2Z軸動作電極5は、
試料Sに対して探針3をZ軸方向に移動するものであ
り、この内、第1Z軸動作電極4の電極により大きな動
きに追従させ、第2Z軸動作電極5の電極により小さな
動きに追従させる。
【0021】また、X軸動作電極6a,6b、及びY軸
動作電極8a,8bは、同一面積で同一形状に形成され
るとともに、中空円筒の圧電駆動部材2の外周面に等分
割で配置され、X軸動作電極6aと6b、及びY軸動作
電極8aと8bはそれぞれ対向した位置に配置されてい
る。
【0022】この実施例の第1Z軸動作電極、及び第2
Z軸動作電極の電極幅は、例えば観察する対象の変動幅
に対応させて設計することができる。また、それぞれの
Z軸動作電極を複数個に分割し、合計した動作電極の幅
が最初に設定した幅となるように設定することもでき、
動作電極を複数個に分割した場合にはそれぞれの分割動
作電極に駆動制御信号の同一の帯域の周波数成分の信号
を入力することにより動作を同期させ、合計した圧電駆
動部材の延びが電極を分割しない場合と同一となるよう
制御する。また、この電極を複数個に分割した場合に
は、分割した電極の内、駆動制御信号を印加する電極の
個数を選択することにより、電極幅を実質的に変更する
ことができる。
【0023】図3の構成図は圧電駆動部のその他の実施
例を説明するものであり、トライポッド型の圧電駆動部
材を用いた圧電駆動部を示している。図3において、圧
電駆動部は互いに直交する3軸の圧電駆動部材22によ
り構成され、X軸方向には圧電駆動部材22(X)が設
けられ、Y軸方向には圧電駆動部材22(Y)が設けら
れ、Z軸方向には圧電駆動部材22(Z)が設けられて
いる。そして、これらの圧電駆動部材22には、それぞ
れ動作電極が設けられている。この実施例では、圧電駆
動部材22(Z)に設けられるZ軸動作電極は、第1Z
軸動作電極24と第2Z軸動作電極25の2つの動作電
極により構成されており、前記実施例と同様に第1Z軸
動作電極24と第2Z軸動作電極25の電極は、そのZ
軸方向の幅を異ならせて形成し、図3の第1Z軸動作電
極24の電極のZ軸方向の幅は第2Z軸動作電極25よ
りも幅広に形成され、第1Z軸動作電極24の電極によ
り大きな動きに追従させ、第2Z軸動作電極25の電極
により小さな動きに追従させる。
【0024】また、圧電駆動部材22(X)及び圧電駆
動部材22(Y)は、X軸,Y軸方向の走査を行なわせ
るためのX軸動作電極、及びY軸動作電極が設けられて
いる。このX軸動作電極、及びY軸動作電極は、同一面
積で同一形状に形成することも、また面積と形状を異な
らせて形成することも可能である。さらに、図3に示す
ように、前記Z軸動作部材(Z)と同様に、第1X軸動
作電極26と第2X軸動作電極27の2つの動作電極に
よりX軸動作電極を構成し、第1Y軸動作電極28と第
2Y軸動作電極29の2つの動作電極によりY軸動作電
極を構成して、それぞれの動作電極の幅を異ならせて形
成することも可能である。
【0025】次に、本発明の実施例2の構成について図
6を用いて説明する。図6は、本発明の実施例2の構成
を表すブロック図であり、前記実施例1と同様に、走査
型プローブ顕微鏡の微動機構の部分のみを表し、また該
微動機構を構成する圧電駆動部材としてチューブ型のも
のを用いた例を示している。実施例2の構成は、前記実
施例1の構成とほぼ同様であるので、以下では相違する
点についてのみ説明する。
【0026】実施例2は、実施例1の構成において、圧
電駆動部材2に設けるZ軸動作電極を、第1Z軸動作電
極4と第2Z軸動作電極5と第3Z軸動作電極7とする
ことによって3つの駆動部に分割し、それぞれのZ軸動
作電極に走査信号を3帯域に分割した周波数成分を入力
して駆動するものである。トンネル電流増幅器12によ
り得られるトンネル電流はサーボ回路13を介してフィ
ードバックされる。サーボ回路13からの駆動制御信号
は、ローパスフィルタ(あるいはハイカットフィルタ)
14とハイパスフィルタ(あるいはローカットフィル
タ)15と直流分を検出する直流分検出フィルタ10に
通され、Z軸制御信号の低周波数成分と高周波成分と直
流分の帯域に周波数選別され、この内の低周波数成分は
第1Z軸動作電極4に入力され、高周波数成分は第2Z
軸動作電極5に入力され、また直流分は第3Z軸動作電
極7に入力される。
【0027】また、このサーボ回路13からのZ軸制御
信号、XY走査回路11からの走査制御信号はメモリ1
6に入力され、このデータはマイクロコンピュータ17
等の処理装置によりデータ処理を施され、表示装置18
等に表示される。
【0028】なお、第3Z軸動作電極7の幅は、探針3
と試料Sとの間の一定距離を駆動するのに充分な値に設
定されるものである。
【0029】(実施例の作用)次に、本発明の実施例1
の走査型トンネル顕微鏡の作用を、図1及び図4の信号
の流れを説明する図を用いて説明する。
【0030】探針3から出力されトンネル電流増幅器1
2を介してフィードバックされる駆動制御信号は、試料
Sの凹凸に応じた周波数成分を有しており、その周波数
成分は通常、試料Sの大きなうねりで振幅が大きな成分
については低周波数成分となり、試料Sの微小変動で振
幅の幅の小さな成分については高周波数成分となる。こ
の周波数成分の信号は、駆動制御信号をローパスフィル
タ14及びハイパスフィルタ15に入力することにより
周波数選別して特定の帯域に分割することにより求めら
れ、例えば図4に示すような周波数成分となる。この周
波数選別して得られた周波数成分の内、低周波数成分を
本発明の圧電駆動部材の第1Z軸動作電極4に入力し、
高周波数成分を第2Z軸動作電極5に入力する。
【0031】第1Z軸動作電極4により駆動される圧電
駆動部材の動作特性は、応答速度は遅いが大きな動きに
対応することができるものであり、一方、第2Z軸動作
電極5により駆動される圧電駆動部材の動作特性は、応
答速度は速いが小さな動きに対応することができるもの
である。そして、周波数選別された低周波数成分を第1
Z軸動作電極4に入力することにより、微動機構をゆっ
くりと大きな変動幅で駆動し、高周波数成分を第2Z軸
動作電極5に入力することにより、微動機構を速く小さ
な変動幅で駆動し、全体として駆動制御信号に対応した
変動幅を得るものである。
【0032】したがって、圧電駆動部材の動作特性に対
応した特定の帯域の周波数成分を持つ信号で駆動するこ
とによって、応答性が向上する。
【0033】また、ヒステリシス特性については、圧電
駆動部材は、通常図5に示すようなヒステリシス特性を
有しており、変動幅が大きくなるほど電圧変位特性が歪
みが大きくなる。従来のように、駆動制御信号を周波数
選別することなく、低周波成分と高周波数成分とが混ざ
った状態で圧電駆動部材を駆動すると、変動幅が大き
く、ヒステリシス特性による電圧変位特性の歪みが大き
くなる。これに対して、本発明のように駆動信号を低周
波数成分と高周波数成分に周波数選別し、その周波数成
分を持つ信号に対応した圧電駆動部材を駆動すると、そ
れぞれの変動幅は駆動信号そのものの変動幅よりも小さ
いものとなるため、ヒステリシス特性による電圧変位特
性の歪みを小さく抑えることができる。
【0034】次に、本発明の実施例2の走査型トンネル
顕微鏡の作用を説明する。実施例2の作用は、ほぼ前記
実施例1の作用と同様であるので、相違する点について
のみ説明する。
【0035】駆動制御信号の周波数成分は、駆動制御信
号をローパスフィルタ14、ハイパスフィルタ15、及
び直流分検出フィルタ10に入力して周波数選別するこ
とにより求められ、この周波数選別して得られた周波数
成分の内、低周波数成分を本発明の実施例2の圧電駆動
部材の第1Z軸動作電極4に入力し、高周波数成分を第
2Z軸動作電極5に入力し、直流成分を第3Z軸動作電
極7に入力する。
【0036】前記したように、第1Z軸動作電極4によ
り駆動される圧電駆動部材の動作特性は、応答速度は遅
いが大きな動きに対応することがてきるものであり、第
2Z軸動作電極5により駆動される圧電駆動部材の動作
特性は、応答速度は速いが小さな動きに対応することが
できるものであるのに対して、第3Z軸動作電極7によ
り駆動される圧電駆動部材は直流分により一定の変位を
維持するものである。そして、直流分を第3Z軸動作電
極7に入力することにより分析中において探針と試料S
との間で変動しない一定距離を維持し、低周波数成分を
第1Z軸動作電極4に入力することにより微動機構をゆ
っくりと大きな変動幅で駆動し、高周波数成分を第2Z
軸動作電極5に入力することにより微動機構を速く小さ
な変動幅で駆動し、全体として駆動制御信号に対応した
変動幅を得る。
【0037】これにより、前記実施例1と同様に圧電駆
動部材の動作特性に対応した特定の帯域の周波数成分を
持つ信号で駆動することによって、応答性が向上し、ま
た、直流分のみによる移動量を固有の圧電駆動部材によ
り実現し、前記実施例1のように駆動信号を低周波数成
分と高周波数成分に周波数選別し、その周波数成分に対
応した圧電駆動部材を駆動すると、それぞれの変動幅は
駆動信号そのものの変動幅よりも小さいものとなるた
め、ヒステリシス特性による電圧変位特性の歪みを小さ
く抑えることができる。
【0038】前記実施例の微動機構を用いた走査型トン
ネル顕微鏡により、同一の微動機構により、表面あらさ
の観察等の低い分解能で大きな面積の走査と、原子構造
の観察等の高い分解能で小さな面積の走査を実施するこ
とが可能となり、また、異なる変動の周期の表面状態を
有する一つの大きな走査範囲内を、速い走査速度で走査
し、かつ、ヒステリシスによる歪み量を減少させた観察
が可能となる。
【0039】〔変形例〕なお、本発明は上記実施例に限
定されるものではなく、本発明の趣旨に基づき種々の変
形が可能であり、それらを本発明の範囲から排除するも
のではない。
【0040】走査信号の周波数成分により駆動するZ軸
方向の圧電駆動部材を、複数の駆動部分に分割する構成
として,前記実施例のように一つの圧電駆動部材に取り
付ける動作電極を軸方向に異なる長さで分割するものに
代えて、動作方向の長さが異なる複数の圧電駆動部材を
分割した複数の駆動部分とし、それらの複数の駆動部分
を動作方向が軸方向となるように積層した構成とするこ
とも可能である。
【0041】また、前記実施例1においては、圧電駆動
部材2に設けるZ軸動作電極を、第1Z軸動作電極と第
2Z軸動作電極の2つの駆動部に分割しているが、この
分割数を3以上の数とするとともに、駆動制御信号の周
波数選別の個数を3以上の数とし、複数個の周波数成分
を持つ信号で駆動することも可能である。
【0042】また、前記実施例においては、走査型トン
ネル顕微鏡について説明したが本発明を、プローブと試
料の表面原子間に働く原子間力を測定する原子間力顕微
鏡、ならびにその他の走査型プローブ顕微鏡に適用する
ことができる。
【0043】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
追従性の高い微動機構により追従性を向上させた走査型
プローブ顕微鏡を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の走査型プローブ顕微鏡の実施例1の構
成を表すブロック図である。
【図2】本発明のチューブ型の圧電駆動部材を用いた圧
電駆動部の一実施例の構成図である。
【図3】本発明のトライポッド型の圧電駆動部材を用い
た圧電駆動部の一実施例の構成図である。
【図4】本発明の実施例1の信号の流れを説明する図で
ある。
【図5】圧電駆動部材のヒステリシス特性図である。
【図6】本発明の走査型プローブ顕微鏡の実施例2の構
成を表すブロック図である。
【符号の説明】
1…微動機構、2,22…圧電駆動部材、3,23…探
針、4,24…第1Z軸動作電極、5…第2Z軸動作電
極、6…X軸動作電極、8…Y軸動作電極、7…第2Z
軸動作電極、10…直流分検出フィルタ、11…XY走
査回路、12…トンネル電流増幅器、13…サーボ回
路、14…ローパスフィルタ、15…ハイパスフィル
タ、16…メモリ、17…マイクロコンピュータ、18
…表示装置、26…第1X軸動作電極、27…第2X軸
動作電極、28…第1Y軸動作電極、29…第2Y軸動
作電極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01B 7/00 - 7/34 G01B 21/00 - 21/30 G01N 13/10

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧電駆動部材により構成される微動機構
    により走査を行う走査型プローブ顕微鏡において、 圧電駆動部材は少なくとも1軸以上において複数の駆動
    部分を備え、該複数の駆動部分は前記微動機構の駆動制
    御信号成分に対応したそれぞれ異なる固有の周波数特性
    で駆動することを特徴とする走査型プローブ顕微鏡。
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