JPH10339735A - 走査型プローブ顕微鏡 - Google Patents
走査型プローブ顕微鏡Info
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- JPH10339735A JPH10339735A JP14881097A JP14881097A JPH10339735A JP H10339735 A JPH10339735 A JP H10339735A JP 14881097 A JP14881097 A JP 14881097A JP 14881097 A JP14881097 A JP 14881097A JP H10339735 A JPH10339735 A JP H10339735A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 走査型プローブ顕微鏡において、xy方向の
走査幅およびz方向の測定域を広く、測定時間を短くす
る。 【解決手段】 走査型プローブ顕微鏡の試料とプローブ
とを相対的に移動させて三次元方向の走査を行う走査手
段1を、二次元方向走査部2と一次元方向変位部の3二
つの駆動部分で構成し、各駆動部の圧電素子の構造を異
ならせるものであり、二次元方向の走査を行う二次元方
向走査部2を中空状圧電素子21で構成し、前記二次元
方向と直交する一次元方向の変位を行う一次元方向変位
部3を中実状圧電素子31で構成する。これによって、
二次元方向走査部の走査幅と、一次元方向変位部の応答
性の両特性を持つ走査手段を構成を得る。
走査幅およびz方向の測定域を広く、測定時間を短くす
る。 【解決手段】 走査型プローブ顕微鏡の試料とプローブ
とを相対的に移動させて三次元方向の走査を行う走査手
段1を、二次元方向走査部2と一次元方向変位部の3二
つの駆動部分で構成し、各駆動部の圧電素子の構造を異
ならせるものであり、二次元方向の走査を行う二次元方
向走査部2を中空状圧電素子21で構成し、前記二次元
方向と直交する一次元方向の変位を行う一次元方向変位
部3を中実状圧電素子31で構成する。これによって、
二次元方向走査部の走査幅と、一次元方向変位部の応答
性の両特性を持つ走査手段を構成を得る。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、走査型プローブ顕
微鏡に関する。
微鏡に関する。
【0002】
【従来の技術】微細な表面形状の分析を行う装置とし
て、従来より走査型プローブ顕微鏡があり、この走査型
プローブ顕微鏡(SPM)として、プローブと試料表面
との間に流れるトンネル電流を用いる走査型トンネル顕
微鏡(STM)や、プローブと試料表面間に働く原子間
力を測定する原子間力顕微鏡(AFM)が知られてい
る。
て、従来より走査型プローブ顕微鏡があり、この走査型
プローブ顕微鏡(SPM)として、プローブと試料表面
との間に流れるトンネル電流を用いる走査型トンネル顕
微鏡(STM)や、プローブと試料表面間に働く原子間
力を測定する原子間力顕微鏡(AFM)が知られてい
る。
【0003】走査型トンネル顕微鏡(STM)は、探針
を試料表面に近づけて探針または試料を三次元方向に移
動可能とし、探針を試料表面との間に流れるトンネル電
流が一定となるように試料表面と探針との間をサブナノ
メータオーダーで制御することによって、原子レベルの
分解能で三次元形状を測定し、物質表面の原子配列の観
察や、物質表面の表面形状の観察を行うものである。ま
た、原子間力顕微鏡(AFM)は、探針および探針を支
持するカンチレバーと、このカンチレバーの曲がりを検
出する変位測定系とを備え、探針と試料との間の原子間
力(引力または斥力)を検出し、この原子間力が一定と
なるように制御することによって、試料表面の形状を観
察するものであり、生物,有機分子,絶縁物等の非導電
物質の観察を行うことができる顕微鏡である。
を試料表面に近づけて探針または試料を三次元方向に移
動可能とし、探針を試料表面との間に流れるトンネル電
流が一定となるように試料表面と探針との間をサブナノ
メータオーダーで制御することによって、原子レベルの
分解能で三次元形状を測定し、物質表面の原子配列の観
察や、物質表面の表面形状の観察を行うものである。ま
た、原子間力顕微鏡(AFM)は、探針および探針を支
持するカンチレバーと、このカンチレバーの曲がりを検
出する変位測定系とを備え、探針と試料との間の原子間
力(引力または斥力)を検出し、この原子間力が一定と
なるように制御することによって、試料表面の形状を観
察するものであり、生物,有機分子,絶縁物等の非導電
物質の観察を行うことができる顕微鏡である。
【0004】走査型プローブ顕微鏡では、観察位置の走
査を行うために、試料表面とプローブとをxyz方向に
三次元的に相対移動させる走査手段を用いている。走査
手段として、軸方向に変位する圧電素子をxyz方向に
組み合わせた構成や、一体構成の円筒状圧電素子を用い
たxy方向の湾曲変位とz方向の軸方向変位によって、
xy方向の走査域を拡大する構成が知られている。
査を行うために、試料表面とプローブとをxyz方向に
三次元的に相対移動させる走査手段を用いている。走査
手段として、軸方向に変位する圧電素子をxyz方向に
組み合わせた構成や、一体構成の円筒状圧電素子を用い
たxy方向の湾曲変位とz方向の軸方向変位によって、
xy方向の走査域を拡大する構成が知られている。
【0005】図6,7,8は走査型プローブ顕微鏡に使
用する走査手段を説明するための概略図,および断面図
である。図に示す走査手段9は、円筒状圧電素子91の
表面に電極92X,92Y,および94を配置しこれら
の電極に電圧を印加することによって、走査手段9上に
配置された試料をxyz方向に変位させている。図7
は、図6中の円筒状圧電素子91のA−A’断面であ
り、x方向走査を行う一対の対向電極を示し、図8は、
図6中の円筒状圧電素子91のB−B’断面であり、x
方向走査を行う一対の対向電極92Xとy方向走査を行
う一対の対向電極92Yを示している。
用する走査手段を説明するための概略図,および断面図
である。図に示す走査手段9は、円筒状圧電素子91の
表面に電極92X,92Y,および94を配置しこれら
の電極に電圧を印加することによって、走査手段9上に
配置された試料をxyz方向に変位させている。図7
は、図6中の円筒状圧電素子91のA−A’断面であ
り、x方向走査を行う一対の対向電極を示し、図8は、
図6中の円筒状圧電素子91のB−B’断面であり、x
方向走査を行う一対の対向電極92Xとy方向走査を行
う一対の対向電極92Yを示している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】走査型プローブ顕微鏡
では、広い測定域を短時間で測定することが求められて
いる。しかしながら、従来のxyz方向に組み合わせた
圧電素子は、各方向の変位量が小さいためxy方向の走
査幅が狭く、z方向の測定域も狭いという問題点があ
る。
では、広い測定域を短時間で測定することが求められて
いる。しかしながら、従来のxyz方向に組み合わせた
圧電素子は、各方向の変位量が小さいためxy方向の走
査幅が狭く、z方向の測定域も狭いという問題点があ
る。
【0007】また、円筒状圧電素子は、圧電素子の組み
合わせ構造に対してxy方向の走査幅は改善されるもの
の依然として不十分な走査幅であり、z方向の測定域も
狭いという問題点がある。円筒状圧電素子は、軸方向に
長い圧電素子を製造することは、その円筒形状から困難
であるため長さが制限され、また、走査型プローブ顕微
鏡への実装の点でも圧電素子の軸方向長さに制限があ
る。
合わせ構造に対してxy方向の走査幅は改善されるもの
の依然として不十分な走査幅であり、z方向の測定域も
狭いという問題点がある。円筒状圧電素子は、軸方向に
長い圧電素子を製造することは、その円筒形状から困難
であるため長さが制限され、また、走査型プローブ顕微
鏡への実装の点でも圧電素子の軸方向長さに制限があ
る。
【0008】さらに、このような長さに制限のある円筒
状圧電素子において、xy方向の走査に用いる圧電部分
とz方向の変位に用いる圧電部分とを、一体の円筒状圧
電素子上で軸方向に分割して形成しているため、円筒状
圧電素子の長さを各方向の走査幅や変位量に十分に活用
することができない。また、一体構造であるため、xy
方向の走査幅を広げるために円筒状圧電素子を長くする
と、z方向の変位の応答が遅くなって高速の走査が困難
となり、走査時間が長くなるという問題点もある。
状圧電素子において、xy方向の走査に用いる圧電部分
とz方向の変位に用いる圧電部分とを、一体の円筒状圧
電素子上で軸方向に分割して形成しているため、円筒状
圧電素子の長さを各方向の走査幅や変位量に十分に活用
することができない。また、一体構造であるため、xy
方向の走査幅を広げるために円筒状圧電素子を長くする
と、z方向の変位の応答が遅くなって高速の走査が困難
となり、走査時間が長くなるという問題点もある。
【0009】そこで、本発明は前記した従来の走査型プ
ローブ顕微鏡の持つ問題点を解決し、xy方向の走査幅
およびz方向の測定域が広く、測定時間が短い走査型プ
ローブ顕微鏡を提供することを目的とする。
ローブ顕微鏡の持つ問題点を解決し、xy方向の走査幅
およびz方向の測定域が広く、測定時間が短い走査型プ
ローブ顕微鏡を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の走査型プローブ
顕微鏡は、三次元方向の走査において、二次元方向走査
と一次元方向の変位の特性を異ならせることによって、
限定された大きさの走査型プローブ顕微鏡の中で、大き
な走査幅ないし測定域と高応答性の相反する特性を実現
するものである。
顕微鏡は、三次元方向の走査において、二次元方向走査
と一次元方向の変位の特性を異ならせることによって、
限定された大きさの走査型プローブ顕微鏡の中で、大き
な走査幅ないし測定域と高応答性の相反する特性を実現
するものである。
【0011】本発明の走査型プローブ顕微鏡は、上記し
た二次元方向走査と一次元方向の変位において異なる特
性を得るために、走査型プローブ顕微鏡の試料とプロー
ブとを相対的に移動させて三次元方向の走査を行う走査
手段を、二次元方向走査部と一次元方向変位部の二つの
駆動部分で構成し、各駆動部の圧電素子の構造を異なら
せるものであり、二次元方向の走査を行う二次元方向走
査部を中空状圧電素子で構成し、前記二次元方向と直交
する一次元方向の変位を行う一次元方向変位部を中実状
圧電素子で構成する。これによって、二次元方向走査部
の走査幅と、一次元方向変位部の応答性の両特性を持つ
走査手段を構成を得る。
た二次元方向走査と一次元方向の変位において異なる特
性を得るために、走査型プローブ顕微鏡の試料とプロー
ブとを相対的に移動させて三次元方向の走査を行う走査
手段を、二次元方向走査部と一次元方向変位部の二つの
駆動部分で構成し、各駆動部の圧電素子の構造を異なら
せるものであり、二次元方向の走査を行う二次元方向走
査部を中空状圧電素子で構成し、前記二次元方向と直交
する一次元方向の変位を行う一次元方向変位部を中実状
圧電素子で構成する。これによって、二次元方向走査部
の走査幅と、一次元方向変位部の応答性の両特性を持つ
走査手段を構成を得る。
【0012】二次元方向走査部を構成する中空状圧電素
子は、内部が中空の圧電素子で形成される軸部材であ
り、軸方向の長さを周上の位置で異ならせることによっ
て軸方向と直交する方向に湾曲させ、これによって、二
次元方向の走査を行うものである。
子は、内部が中空の圧電素子で形成される軸部材であ
り、軸方向の長さを周上の位置で異ならせることによっ
て軸方向と直交する方向に湾曲させ、これによって、二
次元方向の走査を行うものである。
【0013】また、一次元方向変位部を構成する中実状
圧電素子は、内部が圧電素材でつまった中実の圧電素子
で形成される部材であり、厚さ方向に伸縮させ、これに
よって、一次元方向の変位を行うものである。
圧電素子は、内部が圧電素材でつまった中実の圧電素子
で形成される部材であり、厚さ方向に伸縮させ、これに
よって、一次元方向の変位を行うものである。
【0014】本発明の走査型プローブ顕微鏡によれば、
走査手段の二次元方向走査部は、製造上や走査型プロー
ブ顕微鏡の大きさ等の制限内で実現可能な軸方向長さを
有する中空状圧電素子を用い、その中空状圧電素子を二
次元方向の走査のみに使用することによって、中空状圧
電素子の軸方向長さを実質的に延長し、二次元方向の走
査幅を広げることができる。
走査手段の二次元方向走査部は、製造上や走査型プロー
ブ顕微鏡の大きさ等の制限内で実現可能な軸方向長さを
有する中空状圧電素子を用い、その中空状圧電素子を二
次元方向の走査のみに使用することによって、中空状圧
電素子の軸方向長さを実質的に延長し、二次元方向の走
査幅を広げることができる。
【0015】また、走査手段の一次元方向変位部は、高
い応答性を得ることができる中実状圧電素子を用い、そ
の中実状圧電素子を用いることによって、二次元方向と
直交する一次元方向の変位の応答性を高めることができ
る。
い応答性を得ることができる中実状圧電素子を用い、そ
の中実状圧電素子を用いることによって、二次元方向と
直交する一次元方向の変位の応答性を高めることができ
る。
【0016】本発明の第1の実施態様は、中空状圧電素
子を円筒状圧電素子で構成し、円筒状圧電素子の二対の
直交する対向側面に電極を設けることによって、軸方向
と直交方向に湾曲させ二次元方向の走査を行わせるもの
であり、これによって、大きな走査幅を確保することが
できる。
子を円筒状圧電素子で構成し、円筒状圧電素子の二対の
直交する対向側面に電極を設けることによって、軸方向
と直交方向に湾曲させ二次元方向の走査を行わせるもの
であり、これによって、大きな走査幅を確保することが
できる。
【0017】本発明の第2の実施態様は、中実状圧電素
子を積層圧電素子で構成し、厚み方向の伸縮変位させる
ものであり、これによって、良好な応答性を得るもので
ある。
子を積層圧電素子で構成し、厚み方向の伸縮変位させる
ものであり、これによって、良好な応答性を得るもので
ある。
【0018】本発明の第3の実施態様は、中実状圧電素
子を積層圧電素子とし、プローブの検出信号を中実状圧
電素子にフィードバックさせることによって、試料に対
してプローブの所定高さへの移動速度を高めることがで
き、これによって、プローブと試料との接触を防止する
とともに、測定時間を短縮させることができる。
子を積層圧電素子とし、プローブの検出信号を中実状圧
電素子にフィードバックさせることによって、試料に対
してプローブの所定高さへの移動速度を高めることがで
き、これによって、プローブと試料との接触を防止する
とともに、測定時間を短縮させることができる。
【0019】本発明の第4の実施態様は、二次元方向走
査部を試料支持部に設け、一次元方向変位部をプローブ
支持部に設ける構成とし、二次元方向走査部によって試
料をプローブに対して走査させ、一次元方向変位部によ
って試料に対するプローブの深さ方向位置を定める。
査部を試料支持部に設け、一次元方向変位部をプローブ
支持部に設ける構成とし、二次元方向走査部によって試
料をプローブに対して走査させ、一次元方向変位部によ
って試料に対するプローブの深さ方向位置を定める。
【0020】本発明の第5の実施態様は、二次元方向走
査部と一次元方向変位部を試料支持部に設ける構成と
し、二次元方向走査部によって試料をプローブに対して
走査させ、一次元方向変位部によってプローブに対する
試料の位置を定める。
査部と一次元方向変位部を試料支持部に設ける構成と
し、二次元方向走査部によって試料をプローブに対して
走査させ、一次元方向変位部によってプローブに対する
試料の位置を定める。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図を
参照しながら詳細に説明する。本発明の実施の形態の構
成例について、図1の本発明の走査型プローブ顕微鏡の
実施形態を説明する概略図を用いて説明する。本発明の
走査型プローブ顕微鏡は、走査型トンネル顕微鏡(ST
M)や原子間力顕微鏡(AFM)に適用することがで
き、以下、原子間力顕微鏡を例として説明する。なお、
走査型プローブ顕微鏡の構成は周知であるため、図1で
は走査型プローブ顕微鏡の概略のみを示し、詳細な構成
については省略する。
参照しながら詳細に説明する。本発明の実施の形態の構
成例について、図1の本発明の走査型プローブ顕微鏡の
実施形態を説明する概略図を用いて説明する。本発明の
走査型プローブ顕微鏡は、走査型トンネル顕微鏡(ST
M)や原子間力顕微鏡(AFM)に適用することがで
き、以下、原子間力顕微鏡を例として説明する。なお、
走査型プローブ顕微鏡の構成は周知であるため、図1で
は走査型プローブ顕微鏡の概略のみを示し、詳細な構成
については省略する。
【0022】図1において、走査型プローブ顕微鏡は、
試料s上でプローブ走査を行わせるための走査手段1
と、試料sの表面測定を行うための測定系4と、測定信
号によって測定や走査制御を行う信号処理系5を備え
る。
試料s上でプローブ走査を行わせるための走査手段1
と、試料sの表面測定を行うための測定系4と、測定信
号によって測定や走査制御を行う信号処理系5を備え
る。
【0023】走査手段1は、二次元方向の走査を行う二
次元方向走査部2と、二次元方向と直交する一次元方向
の変位を行う一次元方向変位部3を備え、二次元方向走
査部2はX,Y走査制御装置54で制御され、一次元方
向変位部3はフィードバック制御装置53で制御され
る。
次元方向走査部2と、二次元方向と直交する一次元方向
の変位を行う一次元方向変位部3を備え、二次元方向走
査部2はX,Y走査制御装置54で制御され、一次元方
向変位部3はフィードバック制御装置53で制御され
る。
【0024】二次元方向走査部2は、試料sを探針33
等のプローブに対してx,y向の二次元方向に走査させ
る駆動手段であり、円筒状圧電素子等の内部が中空状態
の中空状圧電素子を用いて構成し、該中空状圧電素子を
軸方向と直交する方向に湾曲させることによって二次元
方向の走査を行う。
等のプローブに対してx,y向の二次元方向に走査させ
る駆動手段であり、円筒状圧電素子等の内部が中空状態
の中空状圧電素子を用いて構成し、該中空状圧電素子を
軸方向と直交する方向に湾曲させることによって二次元
方向の走査を行う。
【0025】また、一次元方向変位部3は、試料sに対
して探針33等のプローブをZ方向(前記二次元方向と
直交する方向)に変位させる駆動手段であり、カンチレ
バー32の先端に探針33を設けるとともに、カンチレ
バー32に積層圧電素子等の内部が中実状態の中実状圧
電素子31を取り付けた構成とし、該中実状圧電素子を
軸方向に伸縮させることによって一次元方向の変位を行
う。
して探針33等のプローブをZ方向(前記二次元方向と
直交する方向)に変位させる駆動手段であり、カンチレ
バー32の先端に探針33を設けるとともに、カンチレ
バー32に積層圧電素子等の内部が中実状態の中実状圧
電素子31を取り付けた構成とし、該中実状圧電素子を
軸方向に伸縮させることによって一次元方向の変位を行
う。
【0026】測定系4は、半導体レーザー41等の光源
と、レーザー光を試料s上に照射するためのレンズ42
やビームスプリッタ43等の光学系とを含む送光部分
と、試料sから反射光を受光するミラー44等の光学系
と4分割フォトダイオード45とを含む受光部分とを備
える。
と、レーザー光を試料s上に照射するためのレンズ42
やビームスプリッタ43等の光学系とを含む送光部分
と、試料sから反射光を受光するミラー44等の光学系
と4分割フォトダイオード45とを含む受光部分とを備
える。
【0027】信号処理系5は、4分割フォトダイオード
45の測定信号を信号増幅するプリアンプ51と、測定
信号を用いて各種の演算を行う信号演算部52と、一次
元方向変位部3に負帰還して試料sと探針33と間隙を
所定距離に制御するといった位置制御を行うフィードバ
ック制御装置53と、二次元方向走査部2を制御して試
料sに対してプローブ位置を定めるX,Y走査制御装置
54と、フィードバック制御装置53およびX,Y走査
制御装置54を制御する制御装置55と、モニター56
を備える。なお、測定系4および信号処理系5の動作
は、周知の走査型プローブ顕微鏡と同様であるため、こ
こでの説明は省略する。
45の測定信号を信号増幅するプリアンプ51と、測定
信号を用いて各種の演算を行う信号演算部52と、一次
元方向変位部3に負帰還して試料sと探針33と間隙を
所定距離に制御するといった位置制御を行うフィードバ
ック制御装置53と、二次元方向走査部2を制御して試
料sに対してプローブ位置を定めるX,Y走査制御装置
54と、フィードバック制御装置53およびX,Y走査
制御装置54を制御する制御装置55と、モニター56
を備える。なお、測定系4および信号処理系5の動作
は、周知の走査型プローブ顕微鏡と同様であるため、こ
こでの説明は省略する。
【0028】次に、走査手段の構成例を図2〜5を用い
て説明する。図2は走査手段の第1の構成例を説明する
ための概略図である。なお、図2の概略図に示す走査手
段1は、前記図1と同様の走査手段である。図2におい
て、走査手段1は試料sをプローブに対してx,y方向
に走査させる二次元方向走査部2と、探針33を試料s
に対してZ方向に変位させる一次元方向変位部3を備え
る。
て説明する。図2は走査手段の第1の構成例を説明する
ための概略図である。なお、図2の概略図に示す走査手
段1は、前記図1と同様の走査手段である。図2におい
て、走査手段1は試料sをプローブに対してx,y方向
に走査させる二次元方向走査部2と、探針33を試料s
に対してZ方向に変位させる一次元方向変位部3を備え
る。
【0029】二次元方向走査部2は、内部が軸方向に中
空に形成される円筒状圧電素子21で構成され、該円筒
状圧電素子の直交する対向側面に電極22X,22Yを
設け、この電極対の電圧を印加し、円筒状圧電素子21
の軸方向の長さを周上の位置で異ならせることによっ
て、軸方向と直交する方向に湾曲させ、これによって二
次元方向の走査を行う。
空に形成される円筒状圧電素子21で構成され、該円筒
状圧電素子の直交する対向側面に電極22X,22Yを
設け、この電極対の電圧を印加し、円筒状圧電素子21
の軸方向の長さを周上の位置で異ならせることによっ
て、軸方向と直交する方向に湾曲させ、これによって二
次元方向の走査を行う。
【0030】二次元方向走査部2の走査幅は、軸方向の
長さを長くする程大きくすることができる。したがっ
て、本発明の円筒状圧電素子21は、軸方向長さ全体を
二次元方向の走査に使用する構成であるため、走査幅を
従来の二次元方向走査部と比較して大きくすることがで
きる。
長さを長くする程大きくすることができる。したがっ
て、本発明の円筒状圧電素子21は、軸方向長さ全体を
二次元方向の走査に使用する構成であるため、走査幅を
従来の二次元方向走査部と比較して大きくすることがで
きる。
【0031】また、第1の構成例では、一次元方向変位
部3をプローブ側に設ける構成とする。一次元方向変位
部3は、内部が中実に形成される圧電素子31で構成
し、該圧電素子31の周囲に電極を設け、この電極の電
圧を印加することによって、圧電素子31の厚さ方向に
伸縮させて一次元方向の変位を行う。この変位は、カン
チレバー32を介して探針33に伝えられ、試料sと探
針33との間隙の制御が行われる。圧電素子31は、中
実の圧電素子で形成することによって、高い応答性を得
ることができる。また、圧電素子単体の厚さ方向の変位
は、応答性は高いが伸縮量は小さい。そこで、厚さ方向
の変位量を多くとるために、圧電素子を積層することに
よって変位量を増加させることもできる。
部3をプローブ側に設ける構成とする。一次元方向変位
部3は、内部が中実に形成される圧電素子31で構成
し、該圧電素子31の周囲に電極を設け、この電極の電
圧を印加することによって、圧電素子31の厚さ方向に
伸縮させて一次元方向の変位を行う。この変位は、カン
チレバー32を介して探針33に伝えられ、試料sと探
針33との間隙の制御が行われる。圧電素子31は、中
実の圧電素子で形成することによって、高い応答性を得
ることができる。また、圧電素子単体の厚さ方向の変位
は、応答性は高いが伸縮量は小さい。そこで、厚さ方向
の変位量を多くとるために、圧電素子を積層することに
よって変位量を増加させることもできる。
【0032】図3は走査手段の第2の構成例を説明する
ための概略図であり、図4,5は断面図である。
ための概略図であり、図4,5は断面図である。
【0033】図3において、走査手段1は試料sをプロ
ーブに対してx,y方向に走査させる二次元方向走査部
2と、試料sを探針33に対してZ方向に変位させる一
次元方向変位部3を備える。
ーブに対してx,y方向に走査させる二次元方向走査部
2と、試料sを探針33に対してZ方向に変位させる一
次元方向変位部3を備える。
【0034】二次元方向走査部2は、前記図2に示した
第1の構成例と同様に、内部が軸方向に中空に形成され
る円筒状圧電素子21で構成され、図4に示すように、
円筒状圧電素子の直交する対向側面に電極22X,22
Yを設け、この電極対の電圧を印加し、円筒状圧電素子
21の軸方向の長さを周上の位置で異ならせることによ
って、軸方向と直交する方向に湾曲させ、これによって
二次元方向の走査を行う。この円筒状圧電素子21は、
軸方向長さ全体を二次元方向の走査に使用する構成であ
るため、走査幅を従来の二次元方向走査部と比較して大
きくすることができる。
第1の構成例と同様に、内部が軸方向に中空に形成され
る円筒状圧電素子21で構成され、図4に示すように、
円筒状圧電素子の直交する対向側面に電極22X,22
Yを設け、この電極対の電圧を印加し、円筒状圧電素子
21の軸方向の長さを周上の位置で異ならせることによ
って、軸方向と直交する方向に湾曲させ、これによって
二次元方向の走査を行う。この円筒状圧電素子21は、
軸方向長さ全体を二次元方向の走査に使用する構成であ
るため、走査幅を従来の二次元方向走査部と比較して大
きくすることができる。
【0035】第2の構成例では、一次元方向変位部3を
プローブ側に設けず、二次元方向走査部2側に設ける構
成とする。一次元方向変位部3は、図5に示すように、
内部が中実に形成される柱状圧電素子35で構成し、柱
状圧電素子35の周囲に電極を設け、この電極の電圧を
印加することによって柱状圧電素子35の厚さ方向に伸
縮させて、二次元方向走査部2とともにプローブに対す
る一次元方向の変位を行う。柱状圧電素子35は、第1
の構成例と同様に、中実の圧電素子で形成することによ
って高い応答性を得ることができ、また、圧電素子を積
層することによって変位量を増加させることもできる。
プローブ側に設けず、二次元方向走査部2側に設ける構
成とする。一次元方向変位部3は、図5に示すように、
内部が中実に形成される柱状圧電素子35で構成し、柱
状圧電素子35の周囲に電極を設け、この電極の電圧を
印加することによって柱状圧電素子35の厚さ方向に伸
縮させて、二次元方向走査部2とともにプローブに対す
る一次元方向の変位を行う。柱状圧電素子35は、第1
の構成例と同様に、中実の圧電素子で形成することによ
って高い応答性を得ることができ、また、圧電素子を積
層することによって変位量を増加させることもできる。
【0036】本発明の走査型プローブ顕微鏡の実施の形
態によれば、圧電素子も軸方向長さを二次元方向の走査
のみに使用することができるため、従来と同長の圧電素
子を使用した場合であっても走査幅を大きくすることが
でき、また、走査型プローブ顕微鏡のサイズの拡大を防
ぐことができる。
態によれば、圧電素子も軸方向長さを二次元方向の走査
のみに使用することができるため、従来と同長の圧電素
子を使用した場合であっても走査幅を大きくすることが
でき、また、走査型プローブ顕微鏡のサイズの拡大を防
ぐことができる。
【0037】本発明の走査型プローブ顕微鏡の実施の形
態によれば、プローブの検出信号を中実状圧電素子にフ
ィードバックさせることによって、試料に対するプロー
ブの所定高さへの移動速度を高めることができる。これ
によって、試料とプローブの間隙が大きいときには高速
で接近させ、間隙が小さいときには低速で接近させる等
の速度制御を行うことができ、プローブと試料との接触
を防止するとともに、測定時間を短縮させることができ
る。
態によれば、プローブの検出信号を中実状圧電素子にフ
ィードバックさせることによって、試料に対するプロー
ブの所定高さへの移動速度を高めることができる。これ
によって、試料とプローブの間隙が大きいときには高速
で接近させ、間隙が小さいときには低速で接近させる等
の速度制御を行うことができ、プローブと試料との接触
を防止するとともに、測定時間を短縮させることができ
る。
【0038】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の走査型プ
ローブ顕微鏡によれば、xy方向の走査幅およびz方向
の測定域を広く、測定時間を短くすることができる。
ローブ顕微鏡によれば、xy方向の走査幅およびz方向
の測定域を広く、測定時間を短くすることができる。
【図1】本発明の走査型プローブ顕微鏡の実施形態を説
明する概略ブロック線図である。
明する概略ブロック線図である。
【図2】本発明の走査手段の第1の構成例を説明するた
めの概略図である。
めの概略図である。
【図3】本発明の走査手段の第2の構成例を説明するた
めの概略図である。
めの概略図である。
【図4】本発明の走査手段の第2の構成例を説明するた
めの断面図である。
めの断面図である。
【図5】本発明の走査手段の第2の構成例を説明するた
めの断面図である。
めの断面図である。
【図6】従来の走査手段を説明するための概略図であ
る。
る。
【図7】従来の走査手段を説明するための断面図であ
る。
る。
【図8】従来の走査手段を説明するための断面図であ
る。
る。
【符号の説明】 1…走査型プローブ顕微鏡、2…二次元方向走査部、3
…一次元方向変位部、4…測定系、5…信号処理系、2
1…円筒状圧電素子、22,34…電極、31…中実状
圧電素子、32…カンチレバー、33…探針、35…柱
状圧電素子、41…半導体レーザー、42…レンズ、4
3…ビームスプリッタ、44…ミラー、45…4分割フ
ォトダイオード、51…プリアンプ、52…信号演算
部、53…フィードバック制御装置、54…X,Y走査
制御装置、55…制御装置、56…モニター、s…試
料。
…一次元方向変位部、4…測定系、5…信号処理系、2
1…円筒状圧電素子、22,34…電極、31…中実状
圧電素子、32…カンチレバー、33…探針、35…柱
状圧電素子、41…半導体レーザー、42…レンズ、4
3…ビームスプリッタ、44…ミラー、45…4分割フ
ォトダイオード、51…プリアンプ、52…信号演算
部、53…フィードバック制御装置、54…X,Y走査
制御装置、55…制御装置、56…モニター、s…試
料。
Claims (1)
- 【請求項1】 試料とプローブとを相対的に移動させる
走査手段を備えた走査型プローブ顕微鏡において、走査
手段は中空状圧電素子を有し二次元方向の走査を行う二
次元方向走査部と、中実状圧電素子を有し前記二次元方
向と直交する一次元方向の変位を行う一次元方向変位部
を備え、二次元方向走査部および一次元方向変位部によ
って、試料上においてプローブを三次元走査させること
を特徴とする走査型プローブ顕微鏡。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14881097A JPH10339735A (ja) | 1997-06-06 | 1997-06-06 | 走査型プローブ顕微鏡 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14881097A JPH10339735A (ja) | 1997-06-06 | 1997-06-06 | 走査型プローブ顕微鏡 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10339735A true JPH10339735A (ja) | 1998-12-22 |
Family
ID=15461227
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP14881097A Pending JPH10339735A (ja) | 1997-06-06 | 1997-06-06 | 走査型プローブ顕微鏡 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10339735A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009008661A (ja) * | 2007-05-31 | 2009-01-15 | Sii Nanotechnology Inc | 位置決め装置及びこれを用いた走査型プローブ顕微鏡 |
US8001831B2 (en) | 2007-05-31 | 2011-08-23 | Sii Nano Technology Inc. | Positioning apparatus and scanning probe microscope employing the same |
-
1997
- 1997-06-06 JP JP14881097A patent/JPH10339735A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009008661A (ja) * | 2007-05-31 | 2009-01-15 | Sii Nanotechnology Inc | 位置決め装置及びこれを用いた走査型プローブ顕微鏡 |
US8001831B2 (en) | 2007-05-31 | 2011-08-23 | Sii Nano Technology Inc. | Positioning apparatus and scanning probe microscope employing the same |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Effective date: 20040405 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20051027 |
|
A02 | Decision of refusal |
Effective date: 20060303 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 |