JP2623614B2 - 磁気記録媒体 - Google Patents

磁気記録媒体

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JP2623614B2
JP2623614B2 JP30205887A JP30205887A JP2623614B2 JP 2623614 B2 JP2623614 B2 JP 2623614B2 JP 30205887 A JP30205887 A JP 30205887A JP 30205887 A JP30205887 A JP 30205887A JP 2623614 B2 JP2623614 B2 JP 2623614B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、磁気テープ等の磁気記録媒体に関するもの
であり、さらに詳細には非磁性支持体上に形成される磁
性層に含まれる結合剤の改良に関するものである。
〔発明の概要〕
本発明は、非磁性支持体上に強磁性粉末と結合剤とを
主体とする磁性層が形成されてなる磁気記録媒体におい
て、上記磁性層を構成する結合剤に分子中に極性基とし
てエポキシ基を有するポリウレタン系樹脂と第3級アミ
ノ基を有する塩化ビニル系共重合体を用いることによ
り、耐久性に優れた磁気記録媒体を提供しようとするも
のである。
〔従来の技術〕
近年、磁気記録媒体、特にVTR(ビデオテープレコー
ダ)用の磁気記録媒体においては、短波長記録を行った
場合にも高再生出力を得るために、磁気特性,電磁変換
特性等の向上が要望されている。そして、その方策とし
て、磁性粉末の微粒子化、高磁力化が図られるととも
に、磁性層中における磁性粉末の充填密度,いわゆるパ
ッキングデンシティを増大させる傾向が強くなってい
る。そのため、磁性塗膜中に結合剤の占める割合が非常
に少なくなっている。このように少量の結合剤を含有し
た磁性塗膜では、磁気記録媒体とした時に磁性層の剥が
れを生じる虞があり、このような磁性塗膜の強度劣化を
防止するためには、結合剤の強度を向上させる必要があ
る。そのためには磁性塗膜中の結合剤を架橋させること
により磁性塗膜の機械的強度を向上させることが提案さ
れている。
上述のように架橋構造を形成して磁性塗膜の機械的強
度を増加させる結合剤としては、分子中に電子線感応結
合を有する化合物を用いて架橋構造を形成するもの、あ
るいは分子中の水酸基の活性水素とイソシアネートとの
反応を利用して架橋構造を形成するもの等が提案されて
いる。
しかし、例えば上記電子線感応結合を有する化合物か
らなる結合剤は架橋構造を形成するのに設備的に非常に
高価なものが必要であり実用性に乏しい。
一方、前述の水酸基の活性水素がイソシアネート化合
物等と反応して架橋構造を形成する結合剤ではその反応
は、 を目的としているのに対して、実際の反応では、 −NCO+H2O→−NH2+CO2 と言うようにイソシアネートが水分と反応し、さらにこ
の反応によってできたアミノ基が と言うように他のイソシアネートと反応してしまう。し
たがって、イソシアネート化合物を水酸基と反応させる
際に有効な−NCO基が上記反応式の如く水分の影響を受
け、架橋に寄与する−NCO基の量が減少してしまい充分
架橋構造を形成することができないことから耐久性に劣
るものとなっている。
〔発明が解決しようとする問題点〕
以上のように、電子線感応結合により架橋構造を形成
させ塗膜の機械的強度を増加させる結合剤、あるいはイ
ソシアネートと水酸基との反応を利用し架橋構造を形成
させ塗膜の機械的強度を増加させる結合剤等は、設備的
な問題から実用性に欠けたり、反応自体が水分の影響を
受けやすく良好な架橋構造を形成しないため、これらを
結合剤として用いた磁気記録媒体は充分な耐久性が得ら
れないといった問題を有している。
そこで本発明は、当該技術分野の前記欠点を解消する
ために提案されたものであって、架橋構造を形成する際
の反応時に水分の影響を受けずに良好な架橋構造を有す
る結合を提供し、耐久性に優れ磁気特性,電磁変換特性
の良好な磁気記録媒体を提供することを目的とするもの
である。
〔問題点を解決するための手段〕 本発明者等は、上述の目的を達成せんものと長期に亘
り鋭意の研究の結果、エポキシ基を有するポリウレタン
系樹脂と第3級アミノ基を有する塩化ビニル系共重合体
とからなる結合剤が優れた耐久性を示すことを見出し本
発明を完成するに至ったものである。
すなわち、本発明は非磁性支持体上に強磁性粉末と結
合剤とを主体とする磁性層が形成されてなる磁気記録媒
体において、前記結合剤はエポキシ基をポリウレタン系
樹脂と、第3級アミノ基を有する塩化ビニル系共重合体
を含有することを特徴とするものである。
本発明において結合剤として使用されるエポキシ基を
有するポリウレタン系樹脂は、ポリウレタン系樹脂中に
エポキシ基を導入したものである。
上記ポリウレタン系樹脂は、ポリヒドロキシ化合物と
ポリイソシアナートとの反応によって得られるが、樹脂
の主体となるポリヒドロキシ化合物,ポリイソシアナー
トとしては分子量約500〜5000の長鎖ジオール、分子量
約50〜500の短鎖ジオール、有機ジイソシアナートを用
いることが好ましい。
上記長鎖ジオールは、例えばポリエステルジオール、
ポリエーテルジオール及びポリエーテルエステルグリコ
ール等に大別される。ポリエステルジオールとしては、
具体的には例えばコハク酸、アジピン酸、セバシン酸、
アゼライン酸等の脂肪族ジカルボン酸、テレフタル酸、
イソフタル酸等の芳香族ジカルボン酸またはそれらの低
級アルコールエステルと、エチレングリコール、1,3−
プロピレングリコール、1,4−ブチレングリコール、1,6
−ヘキサングリコール、ジエチレングリコール、ネオペ
ンチルグリコール、あるいはビスフェノールAのエチレ
ンオキサイド付加物等又はこれらの混合物とを反応して
得られるポリエステルジオール類又はε−カプロラクト
ン等のラクトンを開環重合して得られるラクトン系のポ
リエステルジオール等が挙げられる。ポリエーテルジオ
ールとしては、例えばポリエチレングリコール、ポリプ
ロピレンエーテルグリコール、ポリテトラメチレンエー
テルグリコール類又はこれらの共重合ポリエーテルグリ
コール等が挙げられる。また、ポリエーテルエステルグ
リコールとしては、上記ポリアルキレンエーテルグリコ
ールをポリオール成分として脂肪族又は芳香族ジカルボ
ン酸と反応させて得られるポリエステルグリコール類が
挙げられる。この長鎖ジオールの分子量が余り小さすぎ
ると、得られるポリウレタン系樹脂のウレタン基濃度が
大きくなりすぎて樹脂の柔軟性が乏しくなり、また溶剤
に対する溶解性が悪くなり、磁気記録媒体の結合剤とし
て用いるのには余り好ましくない。また、長鎖ジオール
の分子量が余り大きすぎるときは、樹脂中の長鎖ジオー
ル含有量が多くなりすぎて相対的にウレタン基濃度が非
常に小さくなるため、樹脂の耐摩耗性及び耐熱性が低下
する。
上記短鎖ジオールは、例えばエチレングリコール、プ
ロピレングリコール、1,4−ブチレングリコール、1,6−
ヘキサングリコール、ネオペンチルグリコール等の脂肪
族グリコールあるいはビスフェノールAのエチレンオキ
サイド付加物またはプロピオンオキサイド付加物、ハイ
ドロキノンのエチレンオキサイド付加物等の芳香族ジオ
ール等があり、ポリウレタン樹脂の性質に応じてこれら
を単独または種々の量比で混合して使用できる。
さらに、グリセリン、グリセリンのエチレンオキサイ
ド付加物、2−メチルプロパン−1,2,3−トリオール、
4−〔ビス(2−ヒドロキシエチル)〕−2−ヒドロキ
シペンタン、3−メチルペンタン−1,3,5−トリオー
ル、1,2,6−ヘキサントリオール、1−ビス(2−ヒド
ロキシエチル)アミノ−2−プロパノール、ジエタノー
ルアミンのプロピオンオキサイド付加物等のトリオール
を併用することも可能である。
上記有機ジイソシアナートとしては、テトラメチレン
ジイソシアナート、ヘキサメチレンジイソシアナート等
の脂肪族ジイソシアナート、m−フェニレンジイソシア
ナート、p−フェニレンジイソシアナート、2,4−トリ
レンジイソシアナート、2,6−トリレンジイソシアナー
ト、ジフェニルメタンジイソシアナート、3,3−ジメト
キシ−4,4′−ビフェニレンジイソシアナート、3,3′−
ジメチル−4,4′−ビフェニレンジイソシアナート、4,
4′−ジイソシアナートジフェニルエーテル、1,5−ナフ
タレンジイソシアナート、2,4−ナフタレンジイソシア
ナート等の芳香族ジイソシアナート、1,3−ジイソシア
ナートメチルシクロヘキサン、1,4−ジイソシアナート
メチルシクロヘキサン、4,4′−ジイソシアナートジシ
クロヘキシルメタン、イソホロンジイソシアナート等の
脂環族ジイソシアナート等があげられる。
なお、本発明において言うポリウレタン系樹脂とは、
前述のポリウレタン系樹脂の他、ポリウレア樹脂、ポリ
ウレタンウレア樹脂も含むものとする。上記ポリウレア
樹脂、ポリウレタンウレア樹脂は、ポリウレタン系樹脂
を構成する有機ジイソシアナートの一部または全部を有
機ジアミンとすることによって得られる。
上記ポリウレタン系樹脂にエポキシ基を導入するに
は、ポリウレタン系樹脂を合成する際のウレタン化反応
時に末端に存在する−NCOをグリシドール(C3H6O2)の
ような分子内に水酸基とエポキシ基の双方を含有してい
るような化合物で変性すればよい。これによりポリウレ
タン系樹脂の主鎖の中にエポキシ基が導入されて、所望
するエポキシ基を有するポリウレタン系樹脂となる。な
お、ここでポリウレタン系樹脂に含まれるエポキシ基の
量としては0.01〜2mmol/gであることが好ましい。この
エポキシ基の量が少ない場合には耐久性が劣化してしま
い、多い場合には塗料化が困難となってしまう。
一方、本発明において結合剤に含有される塩化ビニル
系共重合体は、塩化ビニル系共重合体の側鎖に極性基
(第3級アミノ基)を導入したものであって、一般式 (式中Xは塩化ビニルと共重合可能なビニル基を有する
モノマーを表し、Yは塩化ビニルと共重合可能なビニル
基と第3級アミノ基とを有するモノマーを表し、i,j,k
はそれぞれ重合度を表す。)で示される化合物である。
なお、上記一般式において、化合物の各成分は順次規則
的に配列しているように便宜的に記載しているが、上記
一般式で示した場合以外に、各成分は一定割合ずつ規則
的に繰り返し配列されていてもよいし、または、ランダ
ムに配列されていてもよいのは当然である。
ここで、上記塩化ビニル系共重合体の重合度(i+j
+k)は100≦(i+j+k)≦1000の範囲内であるこ
とが好ましい。この値が100未満であると、得られる塗
膜の耐久性が劣化し、逆に1000を越えると、溶剤への溶
解性が劣化し塗料化が困難なものとなる。
上記塩化ビニル系共重合体に含まれる塩化ビニル成分
の占める割合は、50〜95重量%であることが好ましい。
この値が50重量%未満では耐久性が劣化し、逆に95重量
%を越えると熱劣化が起こり易くなる。
上記塩化ビニル系共重合体に含まれる第3級アミノ基
の量としては0.01〜1.0m mol/g程度であることが好まし
い。この値が0.01m mol/g未満では架橋促進性並びに分
散性が劣化し、逆に1.0m mol/gを越えると溶剤への溶解
性が低下すると同時に塗膜形成時の耐湿性が劣化する。
次に、上記モノマーX,Yについて順に説明する。
まず上記モノマーXとしては、酢酸ビニル,ビニルア
ルコール,マレイン酸,無水マレイン酸,アクリル酸,
アクリル酸エステル,メタクリル酸,メタクリル酸エス
テル,アクリロニトリル,塩化ビニリデン,プロピオン
酸ビニル等の他、2ヒドロキシエチルメタクリレート,2
ヒドロキシエチルアクリレート,2ヒドロキシプロピルア
クリレート等の水酸基含有モノマー等が挙げられる。こ
れらは溶剤への溶解性や、架橋性の改良,塗膜強度の改
良等の点から適宜添加されるものであり、2種以上を混
合して用いても良い。
次に、塩化ビニルと共重合可能なビニル基と第3級ア
ミノ基を有するモノマーYであるが、これはたとえば以
下のような物質を挙げることができる。
(ただし、式中Rは炭素原子数1〜3のアルキル基を表
し、R′は水素またはメチル基をそれぞれ表す。)等が
挙げられる。
上記第3級アミノ基を含有する塩化ビニル系共重合体
は、他の結合剤と混合して用いても良い。かかる結合剤
としては、磁気記録媒体の結合剤として従来から使用さ
れているものが使用可能であって、塩化ビニル−酢酸ビ
ニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコ
ール共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−マレイン酸共
重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体、塩化ビ
ニル−アクリロニトリル共重合体、アクリル酸エステル
−アクリロニトリル共重合体、アクリル酸エステル−塩
化ビニリデン共重合体、メタクリル酸エステル−塩化ビ
ニリデン共重合体、メタクリル酸エステル−スチレン共
重合体、熱可塑性ポリウレタン樹脂、フェノキシ樹脂、
ポリ弗化ビニル、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共
重合体、ブタジエン−アクリロニトリル共重合体、アク
リロニトリル−ブタジエン−メタクリル酸共重合体、ポ
リビニルブチラール、セルロース誘導体、スチレン−ブ
タジエン共重合体、ポリエステル樹脂、フェノール樹
脂、エポキシ樹脂、熱硬化性ポリウレタン樹脂、尿素樹
脂、メラミン樹脂、アルキド樹脂、尿素−ホルムアルデ
ヒド樹脂またはこれらの混合物などが挙げられる。なか
でも、柔軟性を付与するとされているポリウレタン樹
脂,ポリエステル樹脂,アクリロニトリルブタジエン共
重合体等が好ましい。また、架橋剤として、例えば3官
能イソシアネート化合物,トリメチロールプロパン1モ
ルとトリレンジイソシアネート3モルとの反応生成物等
を併用すれば、耐久性等をさらに向上することができ
る。
なお、ポリウレタン系樹脂と塩化ビニル系共重合体と
の比率としては、ポリウレタン系樹脂/塩化ビニル系共
重合体=1/9〜9/1の割合であることが好ましい。
上述のエポキシ基含有ポリウレタン系樹脂及び第3級
アミノ基含有塩化ビニル系共重合体は、その他の結合剤
と混合して用いてもよい。
かかる他の結合剤としては、磁気記録媒体の結合剤と
して従来から使用されているものが使用可能であって、
塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体,塩化ビニル−酢酸ビ
ニル−ビニルアルコール共重合体,塩化ビニル−酢酸ビ
ニル−マレイン酸共重合体,塩化ビニル−塩化ビニリデ
ン共重合体,塩化ビニル−アクリロニトリル共重合体,
アクリル酸エステル−アクリロニトリル共重合体,アク
リル酸エステル−塩化ビニリデン共重合体,メタクリル
酸エステル−塩化ビニリデン共重合体,メタクリル酸エ
ステル−スチレン共重合体,熱可塑性ポリウレタン樹
脂,ポリ弗化ビニル,塩化ビニリデン−アクリロニトリ
ル共重合体,ブタジエン−アクリロニトリル共重合体,
アクリロニトリル−ブタジエン−メタクリル酸共重合
体,ポリビニルブチラール,セルロース誘導体,スチレ
ン−ブタジエン共重合体,ポリエステル樹脂,フェノー
ル樹脂,エポキシ樹脂,熱硬化性ポリウレタン樹脂,尿
素樹脂,メラミン樹脂,アルキド樹脂,尿素−ホルムア
ルデヒド樹脂またはこれらの混合物等が挙げられる。な
かでも、柔軟性を付与するとされているポリウレタン樹
脂,ポリエステル樹脂,アクリロニトリルブタジエン共
重合体等が好ましい。
以上のように、本発明においては、前記エポキシ基を
有するポリウレタン系樹脂と前記第3級アミノ基を有す
る塩化ビニル系共重合体、もしくはその他の樹脂とを組
み合わせることにより、塩化ビニル系共重合体中に含ま
れる第3級アミノ基がポリウレタン系樹脂中に含まれる
エポキシ基の開環反応を促進する。その結果上記エポキ
シ基とポリウレタン系樹脂,塩化ビニル系共重合体もし
くはその他の樹脂に含まれる活性水素との間で反応が促
進され架橋構造が発現する。この架橋構造が磁気記録媒
体の耐久性向上に寄与するものと考えられる。
本発明の磁気記録媒体で使用される結合剤には、架橋
促進剤として第3アミン化合物を単独で添加してもよ
い。この第3アミン化合物を併用することにより、ポリ
ウレタン系樹脂に含有されるエポキシ基の開環反応をよ
り一層促進することができる。
また、本発明の磁気記録媒体で使用される結合剤に
は、ポリイソシアナートを硬化剤として加え、このポリ
イソシアナートとポリウレタン系樹脂中の水酸基もしく
はビニル系共重合体中の水酸基との反応を利用して架橋
構造を形成することも可能であり、エポキシ基による架
橋構造と併用することによって、より一層強度に優れた
磁性塗膜が得られる。
上記エポキシ基含有ポリウレタン系樹脂もしくは第3
級アミノ基含有塩化ビニル系共重合体あるいは併用する
その他の結合剤には、さらに分散性を向上させる目的か
ら親水性極性基を導入してもよい。上記親水性極性基と
しては、−SO3M基、−OSO3M基、−PO(OM′)2基、−CO
OM基、−NG3J基(但し、Mは水素原子又はアルカリ金属
原子を、M′は水素原子,アルカリ金属線原子又は炭化
水素原子を、Gはアルキル基を、Jはハロゲンをそれぞ
れ表す。)等が挙げられる。
本発明の磁気記録媒体において、磁性層は、例えば強
磁性粉末を上述の結合剤中に分散し有機溶剤に溶かして
調製される磁性塗料を非磁性支持体の表面に塗布して形
成される。
ここで、上記非磁性支持体の素材としては、通常この
種の磁気記録媒体に使用されるものであれば如何なるも
のであってもよく、例えばポリエチレンテレフタレート
等のポリエステル類、ポリエチレン,ポリプロピレン等
のポリオレフィン類、セルローストリアセテート,セル
ロースダイアセテート,セルロースアセテートブチレー
ト等のセルロース誘導体、ポリ塩化ビニル,ポリ塩化ビ
ニリデン等のビニル系樹脂、ポリカーボネート,ポリイ
ミド,ポリアミド,ポリアミドイミド等のプラスチッ
ク、紙、アルミニウム,銅等の金属、アルミニウム合
金,チタン合金等の軽合金、セラミックス、単結晶シリ
コン等が挙げられる。この非磁性支持体の形態として
は、フィルム,テープ,シート,ディスク,カード,ド
ラム等のいずれでも良い。
また、上記磁性層に用いられる強磁性粉末には通常の
ものであればいずれも使用することができる。したがっ
て、使用できる強磁性粉末としては、強磁性酸化鉄粒
子、強磁性二酸化クロム、強磁性合金粉末、六方晶系バ
リウムフェライト微粒子、窒化鉄等が挙げられる。
上記強磁性酸化鉄粒子としては、一般式FeOxで表した
場合、xの値が1.33≦x≦1.50の範囲にあるもの、即ち
マグヘマイト(γ−Fe2O3,x=1.50)、マグネタイト(F
e3O4,x=1.33)及びこれらの固溶体(FeOx,1.33<x<
1.50)である。さらに、これら強磁性酸化鉄には、抗磁
力をあげる目的でコバルトを添加してもよい。コバルト
含有酸化鉄には、大別してドープ型と被着型の2種類が
ある。
上記強磁性二酸化クロムとしては、CrO2あるいはこれ
らに抗磁力を向上させる目的でRu,Sn,Te,Sb,Fe,Ti,V,Mn
等の少なくとも一種を添加したものを使用できる。
強磁性合金粉末としては、Fe,Co,Ni,Fe−Co,Fe−Ni,F
e−Co−Ni,Co−Ni,Fe−Co−B,Fe−Co−Cr−B,Mn−Bi,Mn
−Al,Fe−Co−V等が使用でき、またこれらに種々の特
性を改善する目的でAl,Si,Ti,Cr,Mn,Cu,Zn等の金属成分
を添加しても良い。
さらに上記磁性層には、前記の結合剤、強磁性粉末の
他に添加剤として分散剤、潤滑剤、研磨剤、帯電防止
剤、防錆剤等が加えられても良い。これら分散剤、潤滑
剤、研磨剤、帯電防止剤、防錆剤としては、従来公知の
ものがいずれも使用可能である。
上述の磁性層の構成材料は、有機溶剤に溶かして磁性
塗料として調製され、非磁性支持体上に塗布されるが、
その磁性塗料の溶剤としては、アセトン,メチルエチル
ケトン,メチルイソブチルケトン,シクロヘキサノン等
のケトン系溶剤、酢酸メチル,酢酸エチル,酢酸ブチ
ル,乳酸エチル,酢酸グリコールモノエチルエーテル等
のエステル系溶剤、グリコールジメチルエーテル,グリ
コールモノエチルエーテル,ジオキサン等のグリコール
エーテル系溶剤、ベンゼン,トルエン,キシレン等の芳
香族炭化水素系溶剤、ヘキサン,ヘプタン等の脂肪族炭
化水素系溶剤、メチレンクロライド,エチレンクロライ
ド,四塩化炭素,クロロホルム,エチレンクロロヒドリ
ン,ジクロロベンゼン等の有機塩素化合物系溶剤が挙げ
られる。
〔作用〕
エポキシ基含有ポリウレタン系樹脂と第3級アミノ基
含有塩化ビニル系共重合体樹脂を併用することにより、
塩化ビニル系共重合体中の第3級アミノ基が触媒効果を
発揮し、ポリウレタン系樹脂のエポキシ基の開環反応が
促進され、上記ポリウレタン系樹脂の活性水素との間、
もしくは塩化ビニル系共重合体の活性水素との間に架橋
構造が発現する。
また、上述の第3級アミノ基の作用により架橋する反
応は水分の影響をほとんど受けることなく進行する。し
たがって、良好な架橋構造が形成され優れた耐久性を有
する結合剤となる。
〔実施例〕
以下、本発明の具体的な実施例について説明するが、
本発明がこれら実施例に限定されるものではない。
本実施例で結合剤として使用したポリウレタン系樹脂
を第1表に、塩化ビニル系共重合体を第2表に示す。
なお、第2表において第3級アミノ基成分としてはア
クリルアミドプロパンジメチルアミンを使用し、水酸基
成分としては2−ヒドロキシエチルメタクリレートを使
用した。
上記第1表に示すポリウレタン樹脂と第2表に示す塩
化ビニル系共重合体とを結合剤として用いて磁気記録媒
体を作製した。
実施例1 Co被着γ−Fe2O3 100重量部 (比表面積40m2/g) ポリウレタン系樹脂A−1 12重量部 塩化ビニル系共重合体B−1 12重量部 カーボンブラック(帯電防止剤) 2重量部 Cr2O3(研磨剤) 2重量部 ジメチルシリコン(潤滑剤) 1重量部 ブチルステアレート(潤滑剤) 1重量部 メチルエチルケトン 100重量部 トルエン 60重量部 シクロヘキサノン 60重量部 上記組成物をボールミルにて24時間混合し、3μmの
フィルタで濾過した後、これを14μm厚のポリエチレン
テレフタレートフィルム上に乾燥後の膜厚が6μmとな
るように塗布した。次いで、磁場配向処理を行った後、
乾燥して巻き取った。さらにスーパーカレンダー処理を
行った後、さらに75℃にて24時間加熱処理を行い、1/2
インチ幅に裁断してサンプルテープを作製した。
実施例2〜実施例6 磁性塗料の組成中ポリウレタン系樹脂を第1表で示し
たポリウレタン系樹脂の何れかとし、また塩化ビニル系
共重合体を第2表で示した塩化ビニル系共重合体の何れ
かとし、その種類を第3表に示すように変えて、他は実
施例1と同様の方法によりサンプルテープを作製した。
比較例1〜比較例4 磁性塗料の組成中ポリウレタン系樹脂を第1表で示し
たポリウレタン系樹脂の何れかとし、また塩化ビニル系
共重合体を第2表で示した塩化ビニル系共重合体の何れ
かとし、その種類を第3表に示すように変えて、他は実
施例1と同様の方法によりサンプルテープを作製した。
実施例2〜実施例6及び比較例1〜比較例4で使用し
たポリウレタン系樹脂と塩化ビニル系共重合体の種類を
第3表に示した。
得られた各サンプルテープについて、それぞれスチル
特性,粉落ちを測定した。
なお、上記スチル特性はサンプルテープに4.2MHz映像
信号を記録し、再生出力が50%に減衰するまでの時間と
した。また、粉落ちは60分シャトル100回走行後のヘッ
ドドラム,ガイド等への粉落ち量を目視して観察し、減
点法(−5〜0)で評価した。結果を第4表に示す。
上記第4表から明らかなように、本発明に係る各サン
プルテープにあっては、粉落ちが少ないばかりであく、
スチル特性が大幅に向上したことが分かる。
〔発明の効果〕
以上の説明からも明らかなように、本発明において
は、エポキシ基を含有するポリウレタン系樹脂と第3級
アミノ基を含有する塩化ビニル系共重合体を用いること
により、塩化ビニル系共重合体中の第3級アミノ基の作
用によってポリウレタン系樹脂のエポキシ基の開環反応
が促進され、ポリウレタン系樹脂と塩化ビニル系共重合
体との間で架橋反応が発現し、機械的強度に優れた結合
剤となる。
また、この反応は水分の影響をほとんど受けずに進行
するため、非常に良好な耐久性を有する結合剤とするこ
とができる。
したがって、この結合剤を用いることにより、電磁変
換特性等を劣化させることなく、耐久性に優れた磁気記
録媒体を提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C09D 163/00 PJE C09D 163/00 PJE 175/04 PHM 175/04 PHM

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】非磁性支持体上に強磁性粉末と結合剤とを
    主体とする磁性層が形成されてなる磁気記録媒体におい
    て、 前記結合剤はエポキシ基を有するポリウレタン系樹脂
    と、第3級アミノ基を有する塩化ビニル系共重合体とを
    含有することを特徴とする磁気記録媒体。
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