JP2623581B2 - 硬化性樹脂組成物 - Google Patents

硬化性樹脂組成物

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JP2623581B2 JP62183525A JP18352587A JP2623581B2 JP 2623581 B2 JP2623581 B2 JP 2623581B2 JP 62183525 A JP62183525 A JP 62183525A JP 18352587 A JP18352587 A JP 18352587A JP 2623581 B2 JP2623581 B2 JP 2623581B2
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【発明の詳細な説明】 〔発明の目的〕 (産業上の利用分野) 本発明は、新規にして有用なる硬化性樹脂組成物に関
する。さらに詳細には、本発明は、カルボニル炭素原子
を除く、主鎖炭素原子または側鎖炭素原子に結合したシ
ロキシ基を有するフルオロオレフィン系重合体と、該重
合体が生成する水酸基と反応性を有する硬化剤と、シロ
キシ基の加水分解用触媒とを含有することから成る、と
りわけ、貯蔵安定性、低温硬化性ならびに耐候性などに
優れた硬化性樹脂組成物に関する。
(従来の技術) 近年、高耐候性のメインテナンスフリー塗料用とし
て、水酸基を有するフルオロオレフィン系重合体の溶液
とポリイソシアネートから成る組成物が普及しつつあ
る。しかし、かかる塗料用組成物は比較的短時間に増粘
しゲル化するために、高度の安定性が要求される工場内
でのライン塗装には適さないという欠点がある。また、
前記水酸基を有するフルオロオレフィン系重合体にブロ
ックイソシアネートを配合した組成物は安定性に優れる
ものの、低温での硬化性が低いためにプラスチッック等
の耐熱性の低い素材には塗装できないという欠点があ
る。
(発明が解決しようとする問題点) 本発明者らは、上述したような従来型技術における種
々の欠点を改良するべく、鋭意、検討を重ねた結果、カ
ルボニル炭素原子を除く、主鎖炭素原子または側鎖炭素
原子に結合したシロキシ基を有するフルオロオレフィン
系重合体に水酸基と反応性を有する硬化剤と、シロキシ
基の加水分解用触媒とを配合せしめた形の樹脂組成物
が、とりわけ、貯蔵安定性と、低温硬化性とに優れる
し、高度の耐候性などをも併せ有する硬化物を与えると
いうことを見出すに及んで、ここに、本発明の完成させ
るに到った。
〔発明の構成〕
(問題点を解決するための手段) 本発明を概説すれば、本発明は、カルボニル炭素原子
を除く、主鎖炭素原子または側鎖炭素原子に結合した、
次の一般式(I)で示されるシロキシ基を有するフルオ
ロオレフィン系重合体(A)、 (ただし、式中のR1およびR2は、それぞれ、同一であっ
ても異なっていてもよい、アルキル基、アリール基また
はハロゲン原子を、また、R3はアルキル基またはアリー
ル基を表わすものとする。) 水酸基と反応性を有する硬化剤(B)、 および前記シロキシ基の加水分解用触媒(C) を含有することから成る、硬化性樹脂組成物を提供しよ
うとするものである。
以下に、本発明の構成について、詳細に説明をするこ
とにするが、まず、本発明において用いられる、上記し
た、シロキシ基を有するフルオロオレフィン系重合体
(A)は、 それぞれ、上記した、シロキシ基を有するビニル系
単量体と、フルオロオレフィンとを必須の成分とする単
量体混合物を重合するという方法、あるいは 予め調製した、水酸基を有するフルオロオレフィン
系重合体に、塩基性物質の存在下に、次の一般式(II)
で示されるハロシラン化合物を反応させるという方法 (ただし、式中のR1およびR2は、それぞれ、同一であっ
ても異なっていてもよい、アルキル基、アリール基また
はハロゲン原子を、R3はアルキル基またはアリール基
を、また、Xはハロゲン原子を表わすものとする。) などにより調製されるが、前記した方法のうちでも、経
済性と調製の簡便さとの面から、の方法が望ましい。
本発明で使用するシロキシ基を有するフルオロオレフ
ィン系重合体(A)の調製法を前記の方法により以下
に具体的に説明するが、本発明はこれに限定されないこ
とはいうまでもないことである。
前記の方法でフルオロオレフィン系重合体(A)成
分を調製する際に用いる前記一般式(I)で表わされる
シロキシ基を有するビニル系単量体は、各種の水酸基を
含有するビニル系単量体をトリエチルアミンやピリジン
の如き酸捕捉剤の存在下に前記一般式(II)で表わされ
るハロシラン類と反応させれば良い。
この様にして合成されるシロキシ基を有するビニル系
単量体の具体例としては、2−トリメチルシロキシエチ
ルビニルエーテル、2−トリエチルシロキシエチルビニ
ルエーテル、2−トリブチルシロキシエチルビニルエー
テル、3−トリメチルシロキシプロピルビニルエーテ
ル、3−トリエチルシロキシプロピルビニルエーテル、
4−トリメチルシロキシブチルビニルエーテル、4−ト
リエチルシロキシブチルビニルエーテル、4−トリブチ
ルシロキシブチルビニルエーテル、4−ジフェニルメチ
ルシロキシブチルビニルエーテル、4−フェニルジメチ
ルシロキシブチルビニルエーテル、4−トリフェニルシ
ロキシブチルビニルエーテル、4−エチルジメチルシロ
キシブチルビニルエーテル、4−メチルジフルオロシロ
キシブチルビニルエーテル、2−クロロジメチルシロキ
シエチルビニルエーテル、2−トリメチルシロキシエチ
ル(メタ)アクリレート、3−トリメチルシロキシプロ
ピル(メタ)アクリレート、4−トリメチルシロキシブ
チル(メタ)アクリレート、2−トリエチルシロキシエ
チル(メタ)アクリレート、3−トリブチルシロキシプ
ロピル(メタ)アクリレート、2−トリフェニルシロキ
シエチル(メタ)アクリレート、2−トリメチルシロキ
シエチルアリルエーテル、4−トリメチルシロキシブチ
ルアリルエーテル、2−トリメチルシロキシ−1−プロ
ペン、4−トリエチルシロキシブチルアリルエーテルな
どが挙げられ、これらは単独でも2種以上の併用であっ
てもよい。かかる単量体のうち、後述のフルオロオレフ
ィン類との共重合性の点および経済性の点からトリメチ
ルシロキシアルキルビニルエーテルを使用するのが特に
好ましい。
次に、前記したシロキシ基を有するビニル系単量体と
共重合されるフルオロオレフィン類としては、フッ化ビ
ニル、フッ化ビニリデン、トリフルオロエチレン、テト
ラフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン、ブ
ロモトリフルオロエチレン、ペンタフルオロプロピレ
ン、ヘキサフルオロプロピレン、またはトリフルオロメ
チル・トリフルオロビニルエーテル、ペンタフルオロエ
チル・トリフルオロビニルエーテル、ヘプタフルオロプ
ロピル・トリフルオロビニルエーテル、トリフルオロエ
チル・トリフルオロビニルエーテル、テトラフルオロプ
ロピル・トリフルオロビニルエーテルもしくはペンタフ
ルオロブチル・トリフルオロビニルエーテルの如き(パ
ー)フルオロアルキル・パーフルオロビニルエーテルな
どが代表的なものであり、就中、テトラフルオロエチレ
ン、フッ化ビニリデン、フッ化ビニル、クロロトリフル
オロエチレンまたはヘキサフルオロプロピレンの使用が
好ましい。これらのフルオロオレフィン単量体は単独で
も2種以上の併用であってもよい。
また、本発明においては、(A)成分の調製に当り前
記したフルオロオレフィン類のほかに、他の共重合する
ことのできる単量体を用いることができる。
このような共重合性の単量体としては、メチルビニル
エーテル、エチルビニルエーテル、n−プロピルビニル
エーテル、イソプロピルビニルエーテル、n−ブチルビ
ニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、tert−ブチ
ルビニルエーテル、n−ペンチルビニルエーテル、n−
ヘキシルビニルエーテル、n−オクチルビニルエーテ
ル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、クロロメチル
ビニルエーテル、クロロエチルビニルエーテル、ベンジ
ルビニルエーテルまたはフェニルエチルビニルエーテル
の如きアルキルビニルエーテルもしくは置換アルキルビ
ニルエーテル類;シクロペンチルビニルエーテル、シク
ロヘキシルビニルエーテルまたはメチルシクロヘキシル
ビニルエーテルの如きシクロアルキルビニルエーテル
類;トリフルオロメチルビニルエーテル、ペンタフルオ
ロエチルビニルエーテル、テトラフルオロエチルビニル
エーテル、テトラフルオロプロピルビニルエーテル、ヘ
プタフルオロプロピルビニルエーテルの如き(パー)フ
ルオロアルキルビニルエーテル類;エチレン、プロピレ
ンもしくはブテン−1の如きα−オレフィン類;塩化ビ
ニルもしくは塩化ビニリデンの如き、フルオロオレフィ
ンを除く各種ハロゲン化オレフィン類;スチレン、α−
メチルスチレンもしくはビニルトルエンの如き芳香族ビ
ニル化合物;メチルメタアクリレート、エチルメタアク
リレート、ブチルメタアクリレートもしくはシクロヘキ
シルメタアクリレートの如きメタアクリル酸エステル
類;メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチル
アクリレートもしくはシクロヘキシルアクリレートの如
きアクリル酸エステル類;アリルアルコールもしくはア
リルグリシジルエーテル;フマル酸もしくはマレイン酸
の如き、不飽和結合含有多塩基酸のジ−ないしはモノエ
ステル;(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリル
アミドもしくはN−ブトキシメチル(メタ)アクリルア
ミドの如き含窒素単量体類;または(無水)マレイン酸
もしくは(無水)イタコン酸の如き不飽和結合含有(無
水)多塩基酸;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸
ビニル、カプロン酸ビニル、カプリル酸ビニル、カプリ
ン酸ビニル、ラウリン酸ビニルまたはステアリン酸ビニ
ルの如き直鎖状のカルボン酸ビニル;イソ酪酸ビニルま
たは2−メチルブタン酸ビニルの如きsec−アルキル基
を有するカルボン酸ビニル;ビニル−2,2−ジメチルプ
ロパノエート、ビニル−2,2−ジメチルブタノエート、
ビニル−2,2−ジメチルペンタノエート、ビニル−2,2−
ジメチルヘキサノエート、ビニル−2,2−ジエチルブタ
ノエート、ビニル−2−エチル−2−メチルブタノエー
ト、ビニル−2−エチル−2−メチルペンタノエートも
しくはビニル−3−クロロ−2,2−ジメチルプロパノエ
ート、またはシエル化学社製のC9なるtert−アルキルカ
ルボン酸混合物のビニルエステル、同上社のC10なるter
t−アルキルカルボン酸混合物のビニルエステルもしく
は同上社のC11なるtert−アルキルカルボン酸混合物の
ビニルエステルの如きtert−アルキルカルボン酸のビニ
ルエステル;シクロヘキサンカルボン酸ビニル、4−メ
チルシクロヘキサンカルボン酸ビニル、4−tert−ブチ
ルカルボン酸ビニルまたはシクロペンタンカルボン酸ビ
ニルの如き脂環族カルボン酸のビニルエステル;あるい
は安息香酸ビニル、4−メチル安息香酸ビニル、4−te
rt−ブチル安息香酸ビニル、4−クロロ安息香酸ビニル
またはナフタレン−2−カルボン酸ビニルの如き芳香族
カルボン酸のビニルエステル類などがある。
さらに、本発明の特徴を損なわないというような範囲
で、すなわち、本発明においては、後述する、水酸基と
反応性を有する硬化剤(B)を必須の成分として用いる
が、これとの関連で、貯蔵安定性などを勘案して、2−
ヒドロキシエチルビニルエーテル、4−ヒドロキシブチ
ルビニルエーテルまたは2−ヒドロキシエチル(メタ)
アクリレートなどのような種々の水酸基含有単量体を使
用することも可能である。
こうした共重合可能な単量体の中でも、共重合時の収
率を高めたり、硬化物の硬度を高くしたりするという面
からは、アルキルビニルエーテル、シクロアルキルビニ
ルエーテルおよび/またはカルボン酸のビニルエステル
などを共重合させるというのが望ましい。
前記した各単量体からフルオロオレフィン系重合体
(A)成分を調製するに際して、硬化性および耐候性の
点などから使用する各単量体成分の比率としては、シロ
キシ基を有するビニル系単量体は2−50重量%、好まし
くは4〜40重量%,フルオロオレフィンは10〜80重量
%、好ましくは20〜70重量%,そして他の共重合可能な
ビニル系単量体は0〜80重量%、好ましくは5〜70重量
%に管理される。
以上に掲げられた各単量体類から、フルオロオレフィ
ン系重合体(A)成分を得るには、ラジカル重合開始剤
を用いて、塊状重合または溶液重合などの公知の技術を
駆使して重合させればよい。
かかるラジカル重合開始剤としては、アセチルパーオ
キサイドもしくはベンゾイルパーオキサイドの如きジア
シルパーオキサイド類;メチルエチルケトンパーオキサ
イドもしくはシクロヘキサノンパーオキサイドの如きケ
トンパーオキサイド類;過酸化水素、t−ブチルハイド
ロパーオキサイドもしくはクメンハイドロパーオキサイ
ドの如きハイドロパーオキサイド類;ジ−t−ブチルパ
ーオキサイドもしくはジクミルパーオキサイドの如きジ
アルキルパーオキサイド類;t−ブチルパーオキシアセテ
ートもしくはt−ブチルパーオキシピバレートの如きア
ルキルパーオキシエステル類;アゾビスイソブチロニト
リルもしくはアゾビス(2,4−ジメチルパレロニトリ
ル)の如きアゾ系開始剤類;または過硫酸アンモニウム
もしくは過硫酸カリウムの如き過硫酸塩などが用いら
れ、さらに必要に応じて亜硫酸水素ナトリウムもしくは
ピロ亜硫酸ナトリウムの如き無機の還元剤、またはナフ
テン酸コバルトもしくはジメチルアニリンの如き有機の
還元剤もまた用いられる。
共重合反応方法としては、前記した如き公知の各種方
法が可能だが、そのうちでも、溶液加圧重合法が簡便で
ある。そのさいに用いられる溶剤としては、トルエン、
キシレン、シクロヘキサン、n−ヘキサンもしくはオク
タンの如き炭化水素系;酢酸メチル、酢酸エチルもしく
は酢酸ブチルの如きエステル系;アセトン、メチルエチ
ルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン
もしくはメチルアミルケトンの如きケトン系;ジメチル
ホルムアミドもしくはジメチルアセトアミドの如きアミ
ド系溶剤類がある。
前記した溶剤類のうち、後述する水酸基と反応性を有
する硬化剤(B)成分として、ブロックイソシアネー
ト、アミノ樹脂あるいは多価金属アルコキシドの如き化
合物を用いる場合にはメタノール、エタノール、n−プ
ロパノールもしくはn−ブタノールの如きアルコール系
の溶剤も使用することができる。
かくして得られるフルオロオレフィン系重合体(A)
は数平均分子量(▲▼が500〜100,000なる範囲が好
ましい。当該重合体(A)の▲▼が500未満である
場合には硬化物の機械的強度が不十分であるし、逆に10
0,000を越えるときは本発明の硬化性樹脂組成物の粘度
が高くなるために作業性に劣るので好ましくない。
次に、本発明の硬化性樹脂組成物を構成する(B)成
分の水酸基と反応性を有する硬化剤について説明する。
本発明で使用するかかる硬化剤(B)成分としては、従
来公知のものが、いずれも使用可能である。かかる硬化
剤の具体的なものとしては、トリレンジイソシアネー
ト、ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジ
イソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘ
キサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシア
ネート、メチルシクロヘキサン−2,4−(ないしは2,6
−)ジイソシアネート、4,4′−メチレンビス(シクロ
ヘキシルイソシアネート)もしくは1,3−ジ(イソシア
ネートメチル)シクロヘキサンの如きジイソシアネート
類;4−イソシアナートメチルオクタメチレンジイソシア
ネートの如きトリイソシアネート類;前記ジイソシアネ
ート類とエチレングリコール、プロピレングリコール、
ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパンもし
くは水酸基含有ポリエステルの如きポリヒドロキシ化合
物とを反応させて得られるポリイソシアネート樹脂;前
記ジイソシアネート類と水を反応して得られるビュレッ
ト結合を有するポリイソシアネート樹脂あるいは前記ジ
イソシアネート類を環化重合して得られるイソシアヌレ
ート環を有するポリイソシアネート樹脂;メチルエーテ
ル化メチロールメラミン、n−ブチルエーテル化メチロ
ールメラミン、n−ブチルエーテル化ベンゾグアナミン
等のアミノ樹脂;前記ポリイソシアネートまたはポリイ
ソシアネート樹脂類をアルコール、フェノール、メチル
エチルケトオキシムもしくはε−カプロラクタムの如き
活性水素を有する化合物でブロックして得られるブロッ
クイソシアネート類;テトラブトキシチタン、トリブト
キシアルミニウムもしくはテトラブトキシジルコニウム
の如き多価金属アルコキシド類;前記多価金属アルコキ
シドをアセチルアセトンもしくはアセト酢酸エチルの如
きキレート化剤と反応して得られる多価金属キレート化
合物などがある。
これらの各種硬化剤のうち、長期の貯蔵安定性に優れ
るという本発明の特徴を発揮させる点からすれば、ポリ
イソシアネート、アミノ樹脂、多価金属アルコキシドも
しくは多価金属キレート化合物を使用することが特に好
ましい。
次に、本発明の硬化性樹脂組成物を構成する(C)成
分であるシロキシ基の加水分解用触媒について説明す
る。(C)成分は、本発明の硬化性樹脂組成物が空気中
の水分に曝された時に、(A)成分中のシロキシ基を効
率良く加水分解して硬化剤(B)成分と反応し得る水酸
基を生じさせる機能を有するもので、従来公知の加水分
解性シリル基の加水分解用触媒のいずれもが使用でき
る。
かかるシロキシ基の加水分解用触媒(C)成分の具体
例としては、燐酸、燐酸エステル、亜燐酸エステル、不
飽和基含有燐酸エステルならびにp−トルエンスルホン
酸、及びそのアミン塩、安息香酸、トリクロル酢酸、ト
リフルオロ酢酸、ナフタリンジスルフォン酸及びそのア
ミン類などの酸性触媒、エチレンジアミン、γ−(N−
β−アミノエチル)アミノプロピロピルトリメトキシシ
ラン、ブチルアミン、ジブチルアミン、t−ブチルアミ
ン、ヘキシルアミン、トリエチルアミンなどのアミン
類、水酸化カリウム、水酸化リチウム、水酸化ナトリウ
ムなどのアルカリ触媒、アルキルチタン酸塩、ジブチル
錫ジラウレート、及びオクチル酸鉛などのカルボン酸の
金属塩、モノブチル錫サルファイド、ジオクチル錫メル
カプタイドなどのスルフィド型、メルカプチド型有機錫
化合物、テトラエチルアンモニウムフルオライド、フッ
化セシウムなどのフッ素イオンを生じる化合物が有効で
ある。
以上に掲げた(A),(B)および(C)成分から本
発明の硬化性樹脂組成物を得るには、硬化剤(B)がポ
リイソシアネート、ブロックポリイソシアネート、多価
金属アルコキシドまたは多価金属キレート化合物のとき
は(A)成分中のシロキシ基1当量に対して硬化剤中の
反応性基が0.2〜3当量程度となる様に配合し、硬化剤
(B)がアミノ樹脂のときは、アミノ樹脂を(A)成分
に対して10〜40重量%程度配合することが好ましく、シ
ロキシ基の加水分解用触媒(C)成分は、(A)成分に
対して0.001〜10重量%添加すれば良い。
また本発明の硬化性樹脂組成物は、大気中に曝露され
ない限り硬化剤と反応しうる水酸基を生成しないので、
一液型で安定性の良い塗料となすことができる。しか
し、長期の保存安定性を確保するためには、何らかの理
由により侵入する微量の水分を捕捉してやればよい。す
なわち水分と反応性を有する水結合剤を添加することに
より長期の安定性が確保される。またこの水結合剤をフ
ルオロオレフィン系重合体(A)を製造する際に、あら
かじめ初期に混入して使用してもさしつかえない。この
水分と反応性を有する水結合剤としては、オルトギ酸ト
リメチル、オルトギ酸トリエチル、オルトギ酸トリブチ
ルなどの如きオルトギ酸トリアルキル類;オルト酢酸ト
リメチル、オルト酢酸トリエチル、オルト酢酸トリブチ
ルの如きオルト酢酸トリアルキル類;オルトホウ酸トリ
ブチル、オルトホウ酸トリエチルの如きオルトホウ酸ト
リアルキル類;テトラメチルシリケート、テトラエチル
シリケート、テトラブチルシリケート、テトラ(2−メ
トキシエチル)シリケートもしくはテトラ(2−クロロ
エチル)シリケートの如きテトラ(置換)アルキルシリ
ケート類単体;テトラフェニルシリケート、テトラベン
ジルシリケートの如き上記テトラ(置換)アルキルシリ
ケート類の同効物質(以下、同効単体と略記する);ま
たはテトラエチルシリケートのダイマー、トリマー、テ
トラマー、もしくはヘキサマー「エチルシリケート40」
(コルコート社製品、テトラエチルシリケートのテトラ
マー、ペンタマーおよびヘキサマーの混合物)などの上
掲の各テトラ(置換)アルキルシリケート類単体や、該
シリケート類の同効単体の縮合物などの加水分解性エス
テル化合物類、フェニルイソシアネート、p−クロロフ
ェニルイソシアネート、ベンゼンスルフォニルイソシア
ネート、p−トルエンスルフォニルイソシアネート、イ
ソシアナートエチルメタアクリレートなどのイソシアネ
ート基を有する化合物類などがある。これらの水結合剤
の使用量としては、フルオロオレフィン系重合体(A)
に対して0.1〜30重量%、好ましくは0.5〜20重量%程度
でよい。
本発明の硬化性樹脂組成物は、(A)成分を調製する
際に使用した如き溶剤類を含む溶液型の組成物として
も、溶剤を含まない無溶剤の組成物としても使用するこ
とができる。
かくして得られた本発明の硬化性樹脂組成物は、その
ままクリヤー組成物として使用することもできるし、さ
らに顔料,充填剤等を混合して着色組成物として使用す
ることもできる。さらに、本発明の硬化性樹脂組成物
は、必要に応じてレベリング剤,紫外線吸収剤,酸化防
止剤,顔料分散剤,可塑剤などの各種の慣用の添加剤、
あるいは公知慣用のセルロース系化合物、アクリル樹
脂、またはポリエステル樹脂などの他の樹脂類を添加す
ることもできる。
本発明の硬化性樹脂組成物の塗布(施工)方法として
はハケ塗り,スプレー塗装,またはロール塗装などの如
き常用の方法が採用できるし、硬化方法としても常温乾
燥から加熱乾燥までの幅広い範囲で、フルオロオレフィ
ン系重合体(A)成分と硬化剤(B)成分の組合わせに
応じた最適の硬化条件を設定することができる。
本発明の硬化性樹脂組成物はコンクリート,ガラス,
硅カル板もしくはスレート瓦の如き無機質系の基材や
鉄,アルミニウムもしくはステンレスなどの各種金属系
基材、ABS樹脂,ポリスチレンもしくはポリ塩化ビニル
などのプラスチック類の塗装用として、あるいはシーリ
ング剤用等多岐に亘って利用することができるが、就
中、一液型で貯蔵安定性と低温硬化性の要求される分野
においてその効果が顕著である。
(実施例) 次に、本発明を参考例、実施例および比較例により具
体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り以
下の実施例のものに限定されない。なお部および%は特
に断わりのない限り、すべて重量基準である。
参考例1(シロキシ基を有するフルオロオレフィン系重
合体の調製例) 窒素で充分置換した2のステンレス製オートクレー
ブにメチルイソブチルケトン(MIBK)430g,エチルビニ
ルエーテル48g、トリメチルシロキシエチルビニルエー
テル132g,シクロヘキシルビニルエーテル338g,アゾビス
(2,4−ジメチルバレロニトリル)(ABNV)10g,p−トル
エンスルホニルイソシアネート20gおよびt−ブチルパ
ーオキシオクトエート(TBO)10gを仕込んだ。次いで、
液化採取したクロロトリフルオロエチレン482gを圧入
し、攪拌しながら60℃で12時間反応させてから85℃に昇
温し4時間反応を行なって、不揮発分(N.V.)67.2%,
数平均分子量(▲▼)28,000,ガードナーカラー
(G.C.)1以下なるシロキシ基を有するフルオロオレフ
ィン系重合体の溶液を得た。これを以後(A−1)と略
称する。
参考例2〜5(同上) 共重合させる単量体として第1表に記載したものを使
用する以外は参考例1と同様にしてシロキシ基を有する
フルオロオレフィン系重合体の溶液(A−2)〜(A−
5)を得た。
第1表に性状もあわせて示す。
比較参考例1(水酸基を含有する重合体の調製例) 参考例1と同様の反応器に、4−ヒドロキシブチルビ
ニルエーテル100g,n−ブチルビニルエーテル100g,ベオ
バー9 300g,MIBK430g,ABNV10g,TBO10gおよび4−ヒドロ
キシ2,2,6,6−テトラメチルピペリジンとセバシン酸の
エステル(モル比2:1)10gを仕込んだ。次いで、液化採
取したヘキサフルオロプロピレン500gを圧入した後、実
施例1と同様に反応を行ない、N.V.67.5%,▲▼1
7.000,G.C.2なる水酸基を含有する共重合体の溶液を得
た。以下、この重合体溶液を(A′−1)と略称する。
実施例1〜5/比較例1 以上の各参考例で得られたビニル系共重合体溶液につ
いて諸物性を評価するために、第2表に記載する処方
で、慣用の塗料化法に従ってPWC35%の白色塗料を得
た。次いで、各塗料をトルエン/キシレン/セロソルブ
アセテート/酢酸ブチル=20/40/20/20(重量比)なる
混合溶剤でスプレー粘度にまで希釈し、厚さ0.6mmのリ
ン酸亜鉛処理鋼板にスプレー塗装し、第2表の註に記載
の条件で硬化せしめて膜厚約50μの白色塗膜を得た。次
いで同表に示すような各項目について物性試験を行なっ
た。それらの結果をまとめて同表に示す。
(第2表の註) 1) バーノックDN−980:大日本インキ化学工業(株)
製非黄変型ポリイソシアネート樹脂,イソシアネート含
有率15% 2) タイペークCR−93:石原産業(株)ルチル型酸化
チタン 3) 硬化条件:硬化剤にバーノックDN−980を使用し
た時は80℃で20分間焼付けた後、室温に3日間放置し
た。硬化剤にヘキサメトキシメチルメラミンを使用した
時は120℃で20分間焼付けた後、室温に3日間放置し
た。
4) 耐シンナー性:ラビングテスターを使用し、キシ
レンを浸み込ませたフェルトで塗膜を30回(往復)ラビ
ングした後の外観を目視判定した。
5) 促進耐候性,光沢保持率:サンシャインウェザオ
メーターに3000時間曝露した後の光沢値を、曝露前の光
沢値で割って100倍したもの。
6) 塗料の貯蔵安定性:前記混合溶剤で不揮発分40%
に希釈した塗料をブリキ缶に入れて密閉し、40℃に1ケ
月間放置した後の塗料の粘度を貯蔵前の粘度で割った値
で表示した。この値が小さい程良いことを示す。
〔発明の効果〕 本発明に係る、シロキシ基を有するフルオロオレフィ
ン系重合体、水酸基を反応性を有する硬化剤および此の
シロキシ基の加水分解用触媒を必須の構成成分とする硬
化性樹脂組成物は、貯蔵安定性にも優れると共に、低温
硬化性が良好であり、しかも、とりわけ、耐候性などに
も優れるという、極めて実用性の高い硬化物を形成する
ことが出来る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08K 5/29 KJK C08K 5/29 KJK C09D 127/12 PFH C09D 127/12 PFH PFJ PFJ //(C08L 27/12 61:20) (C08F 214/18 216:16 230:08 218:04) (C09D 127/12 161:20)

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】カルボニル炭素原子を除く、主鎖炭素原子
    または側鎖炭素原子に結合した、下記一般式(I)で表
    わされるシロキシ基を有するフルオロオレフィン系重合
    体(A)、 (ただし、式中のR1およびR2は、それぞれ、同一であっ
    ても異なっていてもよい、アルキル基、アリール基また
    はハロゲン原子を、また、R3はアルキル基またはアリー
    ル基を表わすものとする。) 水酸基と反応性を有する硬化剤(B)、 および前記シロキシ基の加水分解用触媒(C) を含有することを特徴とする、硬化性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】前記したフルオロオレフィン系重合体
    (A)が、テトラフルオロエチレン、フッ化ビニル、フ
    ッ化ビニリデン、クロロトリフルオロエチレンおよびヘ
    キサフルオロプロピレンよりなる群から選ばれる、少な
    くとも1種のフルオロオレフィンを重合させて得られる
    重合体である、特許請求の範囲第1項に記載の組成物。
  3. 【請求項3】前記した水酸基と反応性を有する硬化剤
    (B)が、ポリイソシアネート、アミノ樹脂、多価金属
    アルコキシドおよび多価金属キレート化合物よりなる群
    から選ばれる、少なくとも1種の化合物である、特許請
    求の範囲第1項に記載の組成物。
  4. 【請求項4】前記したフルオロオレフィン系重合体
    (A)が、カルボニル炭素原子を除く、主鎖炭素原子ま
    たは側鎖炭素原子に結合した、下記一般式(I)で表わ
    されるシロキシ基を有するビニル系単量体と、テトラフ
    ルオロエチレン、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン、ク
    ロロトリフルオロエチレンおよびヘキサフルオロプロピ
    レンよりなる群から選ばれる、少なくとも1種のフルオ
    ロオレフィンとを必須成分とする単量体混合物を共重合
    して得られる重合体である、特許請求の範囲第1項に記
    載の組成物。 (ただし、式中のR1およびR2は、それぞれ、同一であっ
    ても異なっていてもよい、アルキル基、アリール基また
    はハロゲン原子を、また、R3はアルキル基またはアリー
    ル基を表わすものとする。)
  5. 【請求項5】前記したシロキシ基がトリメチルシロキシ
    基である、特許請求の範囲第1項または第4項に記載の
    組成物。
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