JP2623266B2 - 加硫性ブレンドゴム組成物 - Google Patents

加硫性ブレンドゴム組成物

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、加硫性ブレンドゴム組成物に関する。更に
詳しくは、アクリルエラストマーの耐熱性および耐寒性
を改善せしめる加硫性ブレンドゴム組成物に関する。
〔従来の技術〕および〔発明が解決しようとする問題
点〕 アクリルエラストマーは、アクリル酸エステルを主成
分とする共重合性エラストマーであり、一般に耐熱性、
耐油性にすぐれたゴムとして、オイルシール、0リン
グ、パッキン、ホースなどの成形材料として用いられて
いる。
しかるに、昨今の機器、オイルなどの高性能化、省資
源化などのため、これ迄以上に耐熱性、耐寒性にすぐれ
た材料が望まれるようになってきているのが実情であ
る。
そこで、本発明者らは、かかる課題の解決方法を求め
て種々検討を重ねた結果、アクリルエラストマーをエチ
レン−エチルアクリレート共重合体とブレンドし、多官
能性単量体の存在下に有機過酸化物を用いて共加硫する
ことによって、かかる課題が効果的に解決されることを
見出した。
〔問題点を解決するための手段〕
従って、本発明は加硫性ブレンドゴム組成物に係り、
その加硫性ブレンドゴム組成物は、アクリルエラストマ
ー、エチレン−エチルアクリレート共重合体、多官能性
単量体および有機化酸化物を含有してなる。
ブレンドゴムの一方の成分であるアクリルエラストマ
ーとしては、次のようなものが用いられる。
(a)炭素数1〜8のアルキル基を有するアルキルアク
リレートおよび(b)炭素数2〜8のアルコキシアルキ
ル基を有するアルコキシアルキルアクリレートよりなる
群から選ばれた少くとも一種のアクリレート約50〜100
重量% 例えば、メチルアクリレート、エチルアクリレート、
n−またはイソ−プロピルアクリレート、n−またはイ
ソ−ブチルアクリレート、n−アミルアクリレート、n
−ヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレ
ート、n−オクチルアクリレート、2−シアノエチルア
クリレートなどのアルキルアクリレートで、好ましくは
エチルアクリレートまたはn−ブチルアクリレート、あ
るいはメトキシメチルアクリレート、エトキシメチルア
クリレート、2−メトキシエチルアクリレート、2−エ
トキシエチルアクリレート、2−ブトキシエチルアクリ
レートなどのアルコキシアルキルアクリレートで、好ま
しくは2−メトキシエチルアクリレート、2−エトキシ
エチルアクリレート (c)ジエン系単量体5〜0重量% 例えば、ジビニルベンゼン、ピペリレン、イソプレ
ン、ペンタジエン、ビニルシクロヘキセン、クロロプレ
ン、ブタジエン、メチルブタジエン、シクロペンタジエ
ン、メチルペンタジエン、エチレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)ア
クリレート、エチリデンノルボルネン、ビニリデンノル
ボルネン、アリル(メタ)アクリレート、2−ブテニル
(メタ)アクリレート、エチリデンノルボルネン(メ
タ)アクリレート、ジシクロペンタジエン(メタ)アク
リレート (d)架橋性基含有ビニル単量体約5〜0重量% 例えば、アリルグリシジルエーテル、グリシジル(メ
タ)アクリレート、ビニルグリシジルエーテルなどのエ
ポキシ基含有ビニル単量体、アクリル酸、メタクリル
酸、イタコン酸、マイレン酸、無水マレイン酸などのカ
ルボキシル基含有ビニル単量体、ヒドロキシアルキル
(メタ)アクリレート、ヒドロキシアルコキシアクリレ
ート、N−メチロールアクリルアミドなどの水酸基含有
ビニル単量体、2−クロルエチルビニルエーテル、モノ
クロル酢酸、クロルメチルスチレンなどの反応性ハロゲ
ン含有ビニル単量体 (e)これらの重合性単量体と共重合し得る少くとも一
種のオレフィン単量体以外の架橋性基非含有ビニル単量
体約40〜0重量% 例えば、塩化ビニル、塩化ビニリデン、アクリロニト
リル、スチレン、酢酸ビニル、エチルビニルエーテル、
ブチルビニルエーテル、アルキルメタクリレート、アル
コキシアルキルメタクリレート 以上の各成分は、任意の重合方法により共重合させる
ことができるが、好ましくはけん濁重合法または乳化重
合法が用いられる。
ブレンドゴムの他方の成分であるエチレン−エチルア
クリレート共重合体としては、一般にエチルアクリレー
ト含有量が約5〜60重量%であるものが用いられる。ま
た、この共重合体は、加圧重合法により製造される。
ブレンドゴムを形成するアクリルエラストマーとエチ
レン−エチルアクリレート共重合体とは、一般に約30/7
0〜95〜5の重量比で用いられる。アクリルエラストマ
ーがこれより多い割合で用いられると所期の改質効果が
得られなくなり、一方これより少ない割合ではゴム状を
呈さないようになる。
これらのゴム両成分は、有機過酸化物、例えばベンゾ
イルパーオキシド、2,4−ジクロル−ベンゾイルパーオ
キシド、1,1−ジ(第3ブチルパーオキシ)−3,3,5−ト
リメチルシクロヘキサン、n−ブチル−4,4−ビス(第
3ブチルパーオキシ)バレレート、ジクミルパーオキシ
ド、ジ第3ブチルパーオキシ−ジイソプロピルベンゼ
ン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(第3ブチルパーオキシ)
ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(第3ブチルパーオ
キシ)ヘキシン−3などを用いて共加硫される。
これらの有機過酸化物は、ブレンドゴム100重量部当
り約0.1〜10重量部、好ましくは約0.5〜5重量部の割合
で用いられる。これ以下の使用割合では、加硫が不十分
で満足すべき引張強度を有する加硫物が得られず、一方
有機過酸化物をこれ以上の割合で用いると、加硫物の伸
びの低下が大きくなる。
ブレンドゴムを有機過酸化物で共加硫する際、多官能
性単量体を共存させる。多官能性単量体としては、例え
ばトリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレー
ト、トリアリルトリメリテート、トリメチロールプロパ
ントリメタクリレート、ポリエチレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、m−フェニレンビスマレイミドなど
が、ブレンドゴム100重量部当り約0.1〜20重量部、好ま
しくは約1〜10重量部の割合で用いられる。これ以下の
使用割合では常態物性中100%モジュラスおよび引張強
さが著しく低下し、一方これより多く多官能性単量体を
用いると、加硫物の伸びの低下が大きくなる。
加硫性ブレンドゴム組成物の調製は、他の公知の配合
剤、例えば補強剤、充填剤、安定剤、可塑剤、滑剤など
と共に、以上の各成分をロール混合法、バンバリー混合
法など通常用いられる方法で混合することにより行われ
る。それの加硫は、一般に約150〜190℃、約5〜20分間
のプレス加硫および約150〜180℃、約2〜15時間の二次
加硫によって行われる。
〔発明の効果〕
本発明に係る加硫性ブレンドゴム組成物は、エチレン
−エチルアクリレート共重合体をブレンドして用いるこ
とにより、アクリルエラストマー単体を用いた場合と比
較して、長時間にわたる耐熱性にすぐれており、このこ
とは硬さ変化、引張強さ変化率、伸び変化率などの変化
幅の小さいことによって裏付けられ、また耐寒性の点に
おいてもすぐれている。
〔実施例〕
次に、実施例について本発明を説明する。
参考例 温度計、撹拌機、窒素導入管および減圧装置を備えた
セパラブルフラスコ中に、水150部(重量、以下同
じ)、硫酸ナトリウム0.1部、乳化剤(花王製品エマー
ル10、エマルゲン147、レベノールWZの1.5:2.0:2.0混合
物)5.5部および下記表1の単量体混合物を合計100部仕
込み、脱気、窒素置換をくり返しつつ系内の酸素を十分
に除去した後、ハイドロサルファイトナトリウム0.06
部、ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート0.06
部および第3ブチルハイドロパーオキシド0.03部を加
え、室温下に重合反応を開始させた。重合転化率が95〜
99%の範囲内になるように反応を6時間継続した後、反
応混合物を塩析し、十分水洗、乾燥し、アクリルエラス
トマーA〜Dを得た。
実施例1 上記アクリルエラストマーA80部、エチレン−エチル
アクリレート共重合体(日本ユニカー製品EEA MB−870
3エチルアクリレート含有量41重量%)20部、ステアリ
ン酸1部、HAFカーボンブラック45部、老化防止剤(ユ
ニロイヤル社製品ノーガード445、置換ジフェニルアミ
ン)2部、m−フェニレンビスマレイド3部およびジ第
3ブチルパーオキシ−ジイソプロピルベンゼン1部を冷
却下のオープンロールで混合し、調製された加硫性ブレ
ンドゴム組成物を180℃、10分間のプレス加硫および150
℃、15時間のギァーオーブン内での二次加硫を行なっ
た。
加硫物について、JIS K−6301に準じてその常態物
性を測定し、また175℃での長期耐熱老化試験を行な
い、硬さ変化、引張強さ変化率および伸び変化率をそれ
ぞれ測定すると共に、耐高熱油性(150℃のASTM No.3
油中に70時間浸漬した後の体積変化率)、圧縮永久歪お
よび脆化点の測定も行なった。
実施例2 実施例1において、アクリルエラストマーAの代り
に、同量のアクリルエラストマーBが用いられた。
実施例3 実施例1において、アクリルエラストマーAの代り
に、同量のアクリルエラストマーDが用いられ、またHA
Fカーボンブラックの配合量が50部に変更された。
実施例4 実施例1において、アクリルエラストマーAの代りに
60部のアクリルエラストマーCが用いられ、またエチレ
ン−エチルアクリレート共重合体の配合量が40部に変更
された。
実施例5 実施例4において、アクリルエラストマーCの代り
に、同量のアクリルエラストマーDが用いられた。
比較例1 アクリルエラストマーA100部、ステアリン酸1部、HA
Fカーボンブラック50部、老化防止剤(ノーガード445)
2部、ステアリン酸ナトリウム2.5部、ステアリン酸カ
リウム0.5部およびイオウ0.3部を用い、実施例1と同様
の操作が行われた。
比較例2 実施例2において、エチエン−エチルアクリレート共
重合体を用いずに、アクリルエラストマーBのみを100
部用い、またHAFカーボンブラックの配合量を50部に変
更した。
比較例3 アクリルエラストマーC100部、ステアリン酸1部、HA
Fカーボンブラック55部、老化防止剤(ノーガード445)
2部およびジメチルジチオカルバミン酸亜鉛2部を用
い、実施例1と同様の操作が行われた。
比較例4 実施例5において、エチレン−エチルアクリレート共
重合体を用いずに、アクリルエラストマーDのみを100
部用い、またHAFカーボンブラックの配合量を55部に変
更した。
以下の各実施例および比較例での測定結果は、次の表
2に示される。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)炭素数1〜8のアルキル基を有する
    アルキルアクリレートおよび(b)炭素数2〜8のアル
    コキシアルキル基を有するアルコキシアルキルアクリレ
    ートよりなる群から選ばれた少なくとも一種のアクリレ
    ート50〜100重量%、(c)ジエン系単量体5〜0重量
    %、(d)架橋性基含有ビニル単量体5〜0重量%およ
    び(e)これらの重合性単量体と共重合し得る少なくと
    も一種のオレフィン単量体以外の架橋性基非含有ビニル
    単量体40〜0重量%よりなるアクリルエラストマーとエ
    チレン−エチルアクリレート共重合体とが30/70〜95/5
    の重量比で用いられたブレンドゴム100重量部、多官能
    性単量体0.1〜20重量部および有機過酸化物0.1〜10重量
    部を含有してなる加硫性ブレンドゴム組成物。
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