JP3144645B2 - 熱可塑性の弾性体成形物、架橋弾性体組成物および架橋弾性体成形物 - Google Patents

熱可塑性の弾性体成形物、架橋弾性体組成物および架橋弾性体成形物

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アクリル系エラストマ
ーとポリフッ化ビニリデン樹脂の混合された熱可塑性の
弾性体成形物,架橋弾性体組成物および架橋弾性体成形
に関する。
【0002】
【従来の技術】最近、アクリル系エラストマーとポリフ
ッ化ビニリデン樹脂を混合することによりアクリル系エ
ラストマーにポリフッ化ビニリデン樹脂の優れた特性を
付与することが行われている。これらはいずれもアクリ
ル系エラストマーとポリフッ化ビニリデン樹脂の混合物
を、アクリル系エラストマーに共重合される架橋性モノ
マーに作用する特別な架橋剤、あるいは有機過酸化物で
架橋することにより、目的とする耐久性の優れた製品を
得るものであり、アクリル系エラストマーとポリフッ化
ビニリデン樹脂を含有する組成物を架橋することが必須
条件となっている。(特開昭60−208312号公
報、特開昭64−54050号公報、特開平1−152
016号公報、 特開平1−152133号公報、 特開平
1−152134号公報)
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
発明のアクリル系エラストマーとポリフッ化ビニリデン
樹脂の組成物は、架橋のための架橋剤が予め混入されて
いるため、高温の軟化温度を有する樹脂との積層物の製
造、貼り合わせ、共押出し物等を製造する際には、成形
途上で組成物内に加硫反応(以下、スコーチという)が
生じて成形が不能になることがあり、成形条件や架橋剤
の選定が著しく困難になることが多い問題点があった。
【0004】本発明者等は、このような問題点を解決す
るために、アクリル系エラストマーとポリフッ化ビニリ
デン樹脂の混合物について研究を進めた結果、アクリル
系エラストマーとポリフッ化ビニリデン樹脂の混合物に
おいては、アクリル系エラストマー中にポリフッ化ビニ
リデン樹脂がひげ状,繊維状または網目状に分散してい
る場合には、混合物を加硫して架橋しなくとも、アクリ
ル系エラストマーとポリフッ化ビニリデン樹脂を混合す
るだけで、引張り強さ,弾性および耐燃料油性などに優
れ、実用的な性能を発現することができる熱可塑性の弾
性体成形物,架橋弾性体組成物,架橋弾性体成形物を得
ることができることを見出し、本発明の完成に到った。
【0005】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明の第一
の発明は、アクリル系エラストマー100重量部とポリ
フッ化ビニリデン樹脂6重量部以上を含有しており、
クリル系エラストマーの中で、ひげ状,繊維状または網
目状に分散したポリフッ化ビニリデン樹脂を有すること
を特徴とする熱可塑性の弾性体成形物である。
【0006】
【0007】
【0008】
【0009】第二の発明は、アクリル系エラストマー1
00重量部とポリフッ化ビニリデン樹脂6重量部以上
含有し、架橋剤によって架橋されており、アクリル系エ
ラストマーの中で、ひげ状,繊維状または網目状に分散
したポリフッ化ビニリデン樹脂を有し、175℃におけ
るジエチレングリコールに対する不溶分が55%以上で
あることを特徴とする熱可塑性の架橋弾性体組成物であ
る。
【0010】第三の発明は、アクリル系エラストマー1
00重量部とポリフッ化ビニリデン樹脂6重量部以上
含有し、架橋剤によって架橋されており、アクリル系エ
ラストマーの中で、ひげ状,繊維状または網目状に分散
したポリフッ化ビニリデン樹脂を有し、175℃におけ
るジエチレングリコールに対する不溶分が55%以上で
あることを特徴とする熱可塑性の架橋弾性体成形物であ
る。
【0011】以下、本発明を詳細に説明する。本発明者
等は、アクリル系エラストマー100重量部に対しポリ
フッ化ビニリデン樹脂6重量部以上を混合し特定の温度
におくだけで、アクリル系エラストマーの熱可塑性の弾
性体成形物が得られ、またアクリル系エラストマー10
0重量部に対しポリフッ化ビニリデン樹脂6重量部以上
を、例えば架橋剤を存在させて混練しながら同時に架橋
剤を分解させてアクリル系エラストマーに架橋を生ぜし
めて、特定の温度におくことにより、熱可塑性の架橋弾
性体組成物及び架橋弾性体成形物が得られることを見出
した。
【0012】本発明は、従来のいわゆる加硫工程、すな
わち原料として用いるアクリル系エラストマーに対応す
る架橋剤を添加し、架橋剤の反応が速やかに行われる温
度に静置して、アクリル系エラストマーとポリフッ化ビ
ニリデン樹脂の組成物の架橋を形成させる加硫工程を必
要としない成形法により、成形物が得られることに特徴
がある。したがって、本発明の熱可塑性の弾性体成形
物,組成物および成形体は架橋剤を含有しないか、また
は架橋剤を含有していても架橋剤は実質的に分解してお
り、成形工程において成形途上でスコーチを生じる可能
性が全くなく、目的とする製品の性能に対応した幅広い
成形条件の選定が可能となる。
【0013】本発明の熱可塑性の弾性体成形物は、アク
リル系エラストマー100重量部とポリフッ化ビニリデ
ン樹脂6重量部以上を含有しており、ポリフッ化ビニリ
デン樹脂がアクリル系エラストマーの中で、ひげ状,繊
維状または網目状に分散してなるものである。
【0014】図1は、本発明の熱可塑性の弾性体成形物
の一例を示す概略説明図である。同図に示す様に、本発
明の熱可塑性の弾性体成形物は、アクリル系エラストマ
ー1の中にポリフッ化ビニリデン樹脂が分散しており、
2はポリフッ化ビニリデン樹脂が高濃度に存在する部分
であり、3はその2の部分からひげ状,繊維状または網
目状に伸びたポリフッ化ビニリデン樹脂を示し、全体と
してアクリル系エラストマー1の中にひげ状,繊維状ま
たは網目状に伸びたポリフッ化ビニリデン樹脂3を仲立
ちとして高濃度に存在するポリフッ化ビニリデン樹脂の
部分2が分散している構造からなる。
【0015】本発明で用いられるアクリル系エラストマ
ーは、アクリル酸アルキルエステル、アクリル酸アルコ
キシアルキルエステルを主成分とし、その他の成分とし
て共重合可能なエチレン性不飽和化合物、及び架橋性モ
ノマーを含有する重合体を示す。
【0016】アクリル酸アルキルエステルの例として
は、メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−プ
ロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、イソブ
チルアクリレート、n−ペンチルアクリレート、イソア
ミルアクリレート、n−ヘキシルアクリレート、2−メ
チルペンチルアクリレート、n−オクチルアクリレー
ト、2−エチルヘキシルアクリレート、n−デシルアク
リレート、n−ドデシルアクリレート、n−オクタデシ
ルアクリレート、シアノメチルアクリレート、1−シア
ノエチルアクリレート、2−シアノエチルアクリレー
ト、1−シアノプロピルアクリレート、2−シアノプロ
ピルアクリレート、3−シアノプロピルアクリレート、
4−シアノブチルアクリレート、6−シアノヘキシルア
クリレート、2−エチル−6−シアノヘキシルアクリレ
ート、8−シアノオクチルアクリレートなどが挙げられ
る。
【0017】アクリル酸アルコキシアルキルエステルの
例としては、2−メトキシエチルアクリレート、2−エ
トキシエチルアクリレート、2−(n−プロポキシ)エ
チルアクリレート、2−(n−ブトキシ)エチルアクリ
レート、3−メトキシプロピルアクリレート、3−エト
キシプロピルアクリレート、2−(n−プロポキシ)プ
ロピルアクリレート、2−(n−ブトキシ)プロピルア
クリレートなどが挙げられる。
【0018】共重合可能なエチレン性不飽和化合物とし
ては、必要に応じ種々の化合物を使用することができる
が、その例としては、アクリル酸、メタクリル酸、クロ
トン酸、2−ペンテン酸、マレイン酸、フマル酸、イタ
コン酸、などのカルボキシル基含有化合物、1,1−ジ
ヒドロペルフルオロエチル(メタ)アクリレート、1,
1−ジヒドロペルフルオロプロピル(メタ)アクリレー
ト、1,1,5−トリヒドロペルフルオロヘキシル(メ
タ)アクリレート、1,1,2,2−テトラヒドロペル
フルオロプロピル(メタ)アクリレート、1,1,7−
トリヒドロペルフルオロヘプチル(メタ)アクリレー
ト、1,1−ジヒドロペルフルオロオクチル(メタ)ア
クリレート、1,1−ジヒドロペルフルオロデシル(メ
タ)アクリレートなどの含フッ素アクリル酸エステル、
1−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒ
ドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエ
チル(メタ)アクリレートなどの水酸基含有化合物、ジ
エチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジブチルア
ミノエチル(メタ)アクリレートなどの第3級アミノ基
含有単量体、メチルメタクリレート、オクチルメタクリ
レートなどのメタクリレート、メチルビニルケトンのよ
うなアルキルビニルケトン、ビニルエチルエーテル、ア
リルメチルエーテルなどのビニルおよびアリルエーテ
ル、スチレン、α−メチルスチレン、クロロスチレン、
ビニルトルエンなどのビニル芳香族化合物、アクリロニ
トリル、メタアクリロニトリルなどのビニルニトリル、
エチレン、プロピレン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、
フッ化ビニル、フッ化ビニリデン、酢酸ビニル、プロピ
オン酸ビニル、アルキルフマレートなどが挙げられる。
【0019】架橋性モノマーの例としては、ジエン系化
合物、ジヒドロジシクロペンタジエニル基含有(メタ)
アクリル酸エステル、エポキシ基含有エチレン性不飽和
化合物、活性ハロゲン含有エチレン性不飽和化合物、カ
ルボキシル基含有エチレン性不飽和化合物および活性水
素基含有エチレン性不飽和化合物が挙げられ、その具体
例としては、ブタジエン、イソプレン、エチリデンノル
ボルネン、ジシクロペンタジエン、ジヒドロジシクロペ
ンタジエール(メタ)アクリレート、アリルグリシジエ
ーテル、グリシジルメタアクリレート、グリシジルアク
リレート、2−クロルエチルビニルエーテル、2−クロ
ルエチルアクリレート、2−クロルエチルアクリレー
ト、2−クロルエチルメタアクリレート、ビニルクロル
アセテート、アクリル酸、メタアクリル酸、マレイン
酸、フマル酸、マレイン酸のモノメチルエステル、フマ
ル酸のモノメチルエステル、N−メチロールアクリルア
ミド、アリルシアノアセテートなどが挙げられる。
【0020】ポリフッ化ビニリデン樹脂と混合して耐燃
料油性の性能を高度に得る目的で用いられるアクリル系
エラストマーには、エチレン0〜15重量%、カルボン
酸ビニル0〜40重量%、アクリロニトリル0〜20重
量%、アルコキシアルキルアクリレート60〜100重
量%を重合してなるものである。好ましいアクリル系エ
ラストマーは、アルコキシルアルキルアクリレート80
〜100重量%、アクリロニトリル0〜20重量%、エ
チレン0〜5重量%および脂肪酸ビニル0〜5重量%を
重合してなるものである。更に好ましいアクリル系エラ
ストマーはアルコキシアルキルアクリレート80〜10
0重量%及びアクリロニトリル0〜20重量%を重合し
てなるものであり、特に好ましいアクリル系エラストマ
ーはアルコキシアルキルアクリレート85〜95重量%
及びアクリロニトリル5〜15重量%を重合してなるも
のである。
【0021】本発明に用いられるポリフッ化ビニリデン
樹脂はポリフッ化ビニリデン及びフッ化ビニリデンと他
の共重合性モノマーとの共重合体を示す。他の共重合体
モノマーとしては、例えばヘキサフルオロプロピレン、
ペンタフルオロプロピレン、トリフルオロエチレン、ト
リフルオロクロロエチレン、テトラフルオロエチレンビ
ニルフロライド、パーフルオロ(メチルビニルエーテ
ル)、パーフルオロ(プロピルビニルエーテル)、その
他オレフィン類、アクリル酸エステルなどがあり、これ
らの1種または2種以上が共重合に用いられる。
【0022】ポリフッ化ビニリデン樹脂のアクリル系エ
ラストマーに対する混合量はアクリル系エラストマー1
00重量部に対し6重量部以上、好ましくは20重量部
以上、さらに好ましくは30〜80重量部が望ましく、
6重量部未満ではアクリル系エラストマー中のポリフッ
化ビニリデン樹脂のひげ状,繊維状または網目状の網目
の存在が十分でなく、ポリフッ化ビニリデン樹脂の網目
が相互に連なることが十分でないため混合物の引張強さ
が実用強度に達しない。また、ポリフッ化ビニリデン樹
脂が30重量部以上の混合物は良好な引張強さを与え
る。引張強度の発現においては、ポリフッ化ビニリデン
樹脂の含有量の上限はないが、ポリフッ化ビニリデン樹
脂の混合量が増加すると成形物の硬さが上昇していき、
また混合物のコストも上昇するのでエラストマーとして
の用途は次第に限定される。
【0023】上記に示した本発明の熱可塑性の弾性体成
形物の製造方法は、アクリル系エラストマー100重量
部とポリフッ化ビニリデン樹脂6重量部以上を混合して
得た混合物を成形して製造するが、アクリル系エラスト
マーとポリフッ化ビニリデン樹脂の混合から成形物を取
り出すまでの間に、該混合物または成形物をポリフッ化
ビニリデン樹脂の融点以上の温度に浴させることを必要
とする。この混合物または成形物をポリフッ化ビニリデ
ン樹脂の融点以上の温度に浴させることにより、ポリフ
ッ化ビニリデン樹脂がアクリル系エラストマーの中で、
ひげ状,繊維状または網目状に分散された構造が形成さ
れる。なお、アクリル系エラストマーは架橋されていな
いものを用いることができる。
【0024】アクリル系エラストマーとポリフッ化ビニ
リデン樹脂を混合する方法は、通常ゴムと熱可塑性樹脂
を混合する方法、即ち、ゴム工業や、熱可塑性樹脂の配
合物を作製する際に用いられるオープンロール、バンバ
リーミキサー等の密閉混合機、コニーダー等の押出機型
混合機を用いることができる。
【0025】アクリル系エラストマーとポリフッ化ビニ
リデン樹脂を混合して得た混合物またはその成形物をポ
リフッ化ビニリデン樹脂の融点以上の温度に浴させて成
形物を得る方法の具体例としては、ポリフッ化ビニリ
デン樹脂の融点以上の温度において、両者を混合した後
成形する方法、両者の混合物を、ポリフッ化ビニリデ
ン樹脂の融点以上の温度において成形する方法、ポリ
フッ化ビニリデン樹脂の融点より低い温度で両者を混合
し、次いで該混合物をポリフッ化ビニリデン樹脂の融点
以上の温度に浴した後、成形する方法、ポリフッ化ビ
ニリデン樹脂の融点より低い温度で両者を混合した後、
ポリフッ化ビニリデン樹脂の融点より低い温度で成形
し、次いで成形物をポリフッ化ビニリデン樹脂の融点以
上の温度に浴させる方法、等の方法を用いることができ
る。
【0026】本発明において用いるポリフッ化ビニリデ
ン樹脂は、その形態は特に制限する必要はないが、例え
ば粉体、粒状物、顆粒状、ブロック状、板状、またはシ
ート状等のものを用いることができる。
【0027】ポリフッ化ビニリデン樹脂が粉体の場合に
は、ポリフッ化ビニリデン樹脂の融点より低い温度でポ
リフッ化ビニリデン樹脂の粉体をアクリル系エラストマ
ーに混練して、予めアクリル系エラストマー中にポリフ
ッ化ビニリデン樹脂の粉体を固体のまま機械的に分散
し、その後この混合物をポリフッ化ビニリデン樹脂の融
点以上に加熱して混練を続けて、混合物を得る方法も有
効である。この方法はポリフッ化ビニリデン樹脂を予め
機械的に均一にアクリル系エラストマー中に分散させる
ことができる点で優れている。
【0028】また、ポリフッ化ビニリデン樹脂の粉体を
アクリル系エラストマーにポリフッ化ビニリデン樹脂の
融点より低い温度で混練した後、そのままポリフッ化ビ
ニリデン樹脂の融点以下でシーティングし、これを改め
て成形する時に、その成形工程の中でポリフッ化ビニリ
デン樹脂の融点以上に加熱する工程を設ける方法も有効
である。
【0029】次に、本発明においては、アクリル系エラ
ストマーを架橋するための架橋剤を含有していてもよ
く、その架橋剤を含有する本発明の熱可塑性の架橋弾性
体組成物について説明する。熱可塑性の架橋弾性体組成
物は、アクリル系エラストマー100重量部とポリフッ
化ビニリデン樹脂6重量部以上と架橋剤を含有し、該架
橋剤は実質的に分解されており、ポリフッ化ビニリデン
樹脂がアクリル系エラストマーの中で、ひげ状,繊維状
または網目状に分散しており、175℃におけるジエチ
レングリコールに対する不溶分が55%以上のものであ
る。
【0030】本発明の熱可塑性の架橋弾性体組成物を作
製するためにアクリル系エラストマーの架橋剤を用いる
場合には、架橋剤はそのアクリル系エラストマーに共重
合された架橋性モノマーに対応する架橋剤を用いるのが
一般的である。架橋性モノマーが共重合されていないア
クリル系エラストマーの場合には、有機過酸化物を用
い、これに更に多官能性単量体及びその他の添加剤を併
用することもできる。
【0031】架橋性モノマーがジエン化合物やジヒドロ
ジシクロペンタジエニル基含有(メタ)アクリル酸エス
テルの場合の架橋剤としては、有機過酸化物及び天然ゴ
ム等に用いられる加硫剤が一般的に用いられる。また、
架橋性モノマーがエポキシ基含有エチレン性化合物の場
合にはエポキシ樹脂に用いられる硬化剤の他、有機カル
ボン酸アンモニウム、ジチオカルバミン酸塩、第4級ア
ンモニウム塩、グアニジン、イオウ化合物、アルカリ土
類金属水酸化物、鉛酸化物、酸化亜鉛を用いることがで
きる。また、架橋性モノマーが活性ハロゲン含有エチレ
ン性化合物の場合には、有機カルボン酸アンモニウム、
有機カルボン酸アルカリ金属塩とイオウ化合物の組合せ
を用いることができる。架橋性モノマーがカルボキシル
基含有エチレン性不飽和化合物の場合には、グアニジン
系化合物等の有機アミン化合物を用いることができる。
【0032】架橋剤に有機過酸化物を用いる場合には、
有機過酸化物としては、一般にゴムの架橋に用いられる
ものが使用でき、特に制限しないが、例えばジ−t−ブ
チルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイ
ド、ジクミルパーオキサイド、α,α−ビス(t−ブチ
ルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、2,5−ジメチ
ル2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,
5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシヘキ
シン−3,1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−
3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、n−ブチル−
4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)バレレート、
2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン、2,2
−ビス(t−ブチルパーオキシ)オクタン等が挙げられ
る。
【0033】架橋剤の量は制限しないが、通常アクリル
系エラストマー100重量部に対し0.1〜10重量部
程度、好ましくは0.3〜5重量部の範囲で用いられ
る。0.1重量部未満では添加の効果が小さいことが多
く、10重量部を越えると得られた組成物の流動性が損
なわれる場合がある。
【0034】また、過酸化物を用いる場合には、多官能
性単量体を併用することがより効果的であり、その量は
アクリル系エラストマー100重量部に対し0.5重量
部以下が適量である。0.5重量部を越えると得られた
組成物の流動性が損なわれる場合がある。
【0035】多官能性単量体としては、トリメチロール
プロパントリメタアクリレート、トリメチロールプロパ
ントリアクリレートが最も効果的でトリアリルイソシア
ヌレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルトリメ
リテート、トリメチロールプロパントリアクリレート、
1,6−ヘキサンジオールアクリレート、トリエチレン
グリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジ
アクリレート、ジアリルフタレート、1,2−ポリブタ
ジエン等も適用可能である。
【0036】また、過酸化物を用いた架橋に際して、ラ
ジカル捕捉剤やチオ尿素誘導体を併用することは架橋物
の物性のバランスをとる上で有効である場合がある。ラ
ジカル捕捉剤はアクリル系エラストマー100重量部に
対して3重量部以下、チオ尿素誘導体は5重量部以下の
使用が望ましい。ラジカル捕捉剤を多量に用いると、過
酸化物を消費し、架橋物の物性のバランスをとる目的か
ら逸脱する。チオ尿素誘導体も多量に用いると架橋物の
物性が却って低下する逆効果を生じる。前述の範囲内で
単独あるいは併用するのが望ましい。
【0037】ラジカル捕捉剤としては、一般に重合禁止
剤又は、老化防止剤として用いられる化合物やイオウ又
はイオウ含有化合物が用いられ、代表例としてフェノチ
アジン、2−6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール及び
ゴム用加硫促進剤等のイオウ化合物が挙げられる。
【0038】この他に混合物の用途に適するように、一
般にゴム工業で用いられる種々の充填剤、可塑剤、加工
助剤又は安定剤を添加することができる。また必要に応
じて、ニトリルゴム、水素添加ニトリルゴム、エピクロ
ルヒドリンゴム、エチレンプロピレンゴム、ブチルゴ
ム、フッ素ゴム等を混合することも可能である。
【0039】充填剤の使用量はアクリル系エラストマー
100重量部に対して5〜300重量部添加すると混合
状態及び加工性が向上して、より効果的な混合が可能に
なる。5重量部未満では効果が低い場合が多く、300
重量部を越えると却って加工性が損なわれることある。
【0040】可塑剤としては、本発明の目的を損なわな
いもの、組成物に対して親和性のあるもの、例えばα−
オレフィンのオリゴマーあるいはポリブテン、ポリエー
テル、ポリエステル等が挙げられる。さらに、所望によ
りほかのゴム、例えば耐燃料油性のすぐれた他の種々の
ゴムとの混合も可能である。
【0041】上記に示した本発明の熱可塑性の架橋弾性
体組成物を製造する方法は、アクリル系エラストマー1
00重量部とポリフッ化ビニリデン樹脂6重量部以上と
架橋剤を含有する原料系から、(X)少なくともアクリ
ル系エラストマーとポリフッ化ビニリデン樹脂を含有す
る混合物をポリフッ化ビニリデン樹脂の融点以上の温度
に浴させる工程と、(Y)少なくともアクリル系エラス
トマーと架橋剤を含有する混合物の架橋剤を実質的に分
解させながら同時に剪断を与える工程、または少なくと
もアクリル系エラストマーを含有する系に架橋剤を混練
しながら同時に架橋剤を実質的に分解する工程のいずれ
か一方の工程を、(X)工程から(Y)工程の順、
(Y)工程から(X)工程の順、または(X)工程と
(Y)工程を同時に行なう方法により製造する。
【0042】上記の(X)工程においては、アクリル系
エラストマーとポリフッ化ビニリデン樹脂の混合には、
前述のゴム及び熱可塑性樹脂の混練で用いられる機器が
通常用いられ、また(X)工程には前述のアクリル系エ
ラストマーとポリフッ化ビニリデン樹脂を混合して得た
混合物をポリフッ化ビニリデン樹脂の融点以上の温度に
浴させる方法と同様の方法を用いることができる。
【0043】上記の(Y)工程は、少なくともアクリル
系エラストマーと架橋剤を含有する混合物の架橋剤を実
質的に分解させながら同時に剪断を与える工程(Y−1
工程)、または少なくともアクリル系エラストマーを含
有する系に架橋剤を混練しながら同時に架橋剤を実質的
に分解する工程(Y−2工程)のいずれか一方の工程が
用いられる。
【0044】Y−1工程の具体的な方法としては、架橋
剤を含有するアクリル系エラストマーとポリフッ化ビニ
リデン樹脂の混合物を、密閉混合機に投入して機械的な
剪断を与えながら架橋剤の分解温度に昇温して実質的に
架橋剤を分解させ、混合物中に175℃のジエチレング
リコールに対する不溶分55%以上を含有する組成物を
得る方法が挙げられる。
【0045】Y−2工程の具体的な方法としては、アク
リル系エラストマーを密閉混合機に投入し、剪断を与え
ながら架橋剤の分解温度に昇温した後、架橋剤を添加し
て混練し実質的に架橋剤を分解させ、更に他の架橋剤を
混練し、175℃のジエチレングリコールに対する不溶
分55%以上を含有する組成物を得る方法が挙げられ
る。
【0046】次に、本発明の熱可塑性の架橋弾性体成形
物は、アクリル系エラストマー100重量部とポリフッ
化ビニリデン樹脂6重量部以上と架橋剤を含有し、該架
橋剤は実質的に分解されており、ポリフッ化ビニリデン
樹脂がアクリル系エラストマーの中で、ひげ状,繊維状
または網目状に分散しており、175℃におけるジエチ
レングリコールに対する不溶分が55%以上であるもの
である。
【0047】この本発明の熱可塑性の架橋弾性体成形物
の製造方法は、上記の熱可塑性の架橋弾性体組成物から
成形物を製造する方法、あるいは上記の(X)工程から
(Y)工程の順、(Y)工程から(X)工程の順、また
は(X)工程と(Y)工程を同時に行って成形体を製造
する方法である。
【0048】本発明の熱可塑性の架橋弾性体組成物およ
び架橋弾性成形体は、アクリル系エラストマー中でポリ
フッ化ビニリデン樹脂がアクリル系エラストマーの中
で、ひげ状,繊維状または網目状に分散しており、かつ
該アクリル系エラストマーが架橋剤で架橋され、該架橋
剤は実質的に分解されている構造を有するために、圧縮
永久歪などの成形物の物性が良好である。
【0049】また、本発明の熱可塑性の架橋弾性体組成
物および架橋弾性体成形物は、175℃におけるジエチ
レングリコールに対する不溶分が55%以上、好ましく
は55%〜70%であることが望ましく、不溶分が55
%未満では優れた圧縮永久歪が得られにくい。また、7
0%を越えると圧縮永久歪は良いが、成形性が低下する
傾向にある。
【0050】さらに、本発明の熱可塑性の架橋弾性体組
成物および架橋弾性体成形物は、175℃におけるジエ
チレングリコールに22時間浸漬した後の体積変化(Δ
V)が50〜250%、好ましくは100〜200%の
範囲のものが望ましく、50%未満では成形性が悪く、
250%を越えると優れた圧縮永久歪が得られにくい。
【0051】本発明の熱可塑性の弾性体成形物,架橋弾
性体組成物,架橋弾性体成形物は、種々の工学用品を得
るのに好適な素材として有用であり、例えば、ダイヤフ
ラム、パッキン、ガスケット、ホース、チューブ等に適
用が可能である。
【0052】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明
する。 実施例1〜7および比較例1〜3 アクリル系エラストマーA及びポリフッ化ビニリデン樹
脂を用い、表1に示した配合処方及び成形方法により、
熱可塑性エラストマー組成物を成形し、成形物の物性を
測定した。その結果を表1に示す。アクリル系エラスト
マーA、ポリフッ化ビニリデン樹脂及び成形法、試験法
は末尾に示した。
【0053】表1の結果から、アクリル系エラストマー
100重量部にポリフッ化ビニリデン樹脂を6重量部以
上混合するにより、従来の加硫工程を経ずとも実用強度
が発現されることが認められる。
【0054】実施例8〜13および比較例4〜5 アクリル系エラストマーB及びポリフッ化ビニリデン樹
脂を用い、表2に示した配合処方及び成形方法により、
熱可塑性エラストマー組成物を成形し、成形物の物性を
測定した。その結果を表2に示す。アクリル系エラスト
マーB、ポリフッ化ビニリデン樹脂及び成形法、試験法
は末尾に示した。
【0055】表2の結果から、アクリル系エラストマー
100重量部にポリフッ化ビニリデン樹脂を6重量部以
上混合することにより、従来の加硫工程を経ずとも実用
強度が発現されることが認められる。また、通常のアク
リル系エラストマーの架橋剤を予め混練し、これをアク
リル系エラストマーとポリフッ化ビニリデン樹脂の混合
中に分解させて得た熱可塑性エラストマー組成物(実施
例10)も十分な性能を示すことが認められる。
【0056】(1)−1 アクリル系エラストマーAの
製造 130リットルのオートクレーブに、ポリビニルアルコ
ール2120gと酢酸ナトリウム86gを溶解して65
gになるように調整した水溶液を投入し、撹拌しなが
ら、酢酸ビニル8.6Kgと2−メトキシエチルアクリ
レート34.6Kgを加え乳化させ、オートクレーブ内
を窒素ガスで置換後、エチレンモノマーを上部から圧入
した。エチレン圧は重合温度55℃で45Kg/cm2
になるように調節した。別途注入口より重合開始剤水溶
液を数回にわたり分添し、約10時間で重合を停止し、
脱モノマー、ボラックス3%水溶液による凝固、脱水を
行い、脱水乾燥した重合体をアクリル系エラストマーA
とした。
【0057】(1)−2 アクリル系エラストマーBの
製造 130リットルのオートクレーブに水43Kg、アクリ
ロニトリル4Kg、アクリル酸メトキシエチル36K
g、ポリビニルアルコールとして電化ポバールB−05
とB−17各700g、酢酸ナトリウム60g、硫酸第
二鉄2g、エチレンジアミン四酢酸4g、助触媒90g
を入れて撹拌混合し、オートクレーブの内温を45℃と
した。オートクレレーブ上部の空気を窒素置換した。
【0058】別途注入口より重合開始剤水溶液を注入し
て、重合を進行せしめ12時間で注入を終了した。生成
した重合体乳化液に芒硝水溶液を添加して重合体を凝固
させ、これを水洗、脱水乾燥した重合体をアクリル系エ
ラストマーBとした。
【0059】(2)ポリフッ化ビニリデン樹脂 表1に示すとおり、ペンウオルト社製ポリフッ化ビニリ
デンの粉末品KYNAR741:融点(165〜170
℃)を用いた。
【0060】(3)成形方法 (成形方法A)アクリル系エラストマーを表面温度40
℃のロールに巻きつけ、微粉状のポリフッ化ビニリデン
樹脂を混練した後、更に充填剤を混練した。得られた混
合物の配合物を表面温度170℃のロールに5分間巻き
つけ、3/4切り返しを1分間に左右1回行いシーティ
ングし、室温で冷却した。得られたシートをプレス成形
機で170℃、10分間プレスした。更に、加圧状態の
まま10分間水冷して成形した。 (成形方法B)成形方法Aにおける表面温度170℃の
ロールでの作業を行わないで成形した。 (成形方法C)成形方法Aにおけるプレス成形の温度条
件を150℃にして成形した。 (成形方法D)アクリル系エラストマーにポリフッ化ビ
ニリデン樹脂の粉体を8インチロールを用い、表面温度
40℃で架橋剤及び他の充填剤と共に混練した後、成形
法Aと同様の方法で熱処理及び成形を行った。
【0061】(4)物性 成形を行った後、常温にて1日放置後、JIS K63
01にて各種物性を測定した。
【0062】耐燃料油性:Fuel C(イソオクタン
/トルエン:50/50体積%)及びFuel C/エ
タノール:80/20体積%の混合液(E−20)に4
0℃、70時間浸漬した後の体積変化(ΔV)を求め
た。
【0063】ジエチレングリコール不溶分:175℃の
ジエチレングリコールに22時間浸漬した後、200℃
のギヤーオーブンで70時間乾燥させ、その重量を測定
し、次式(I)により不溶分を求めた。
【0064】
【数1】
【0065】但し、W=100+175℃ジエチレング
リコールに溶解する配合物の部数耐ジエチレングリコー
ル性:175℃のジエチレングリコールに22時間浸漬
した後の体積変化(ΔV)を測定し、次式(II)によ
り求めた。
【0066】
【数2】
【0067】但し、V1 =浸漬前の空中重量−浸漬前の
水中重量 V2 =浸漬後の空中重量−浸漬後の水中重量
【0068】(5)−1混合状態の観察 ミクロトームで混合物の薄切片を作製し、電子顕微鏡で
ポリフッ化ビニリデン樹脂の網目のアクリル系エラスト
マー中での発達度合を観察した。その評価は下記の通り
である。
【0069】◎:網目の発達が多量に認められるもの ○:網目の発達が認められるもの △:網目の発達が若干認められるもの ×:網目の発達が認められないもの
【0070】(5)−2熱可塑性成形物の形態 図2に本発明の実施例3の成形物(薄片:厚さ50n
m)におけるポリフッ化ビニリデン樹脂の粒子構造を示
す電子顕微鏡写真(倍率:15,000倍)、および図
3〜図5に各々実施例3,実施例4,比較例3に対応す
る組成で、ポリフッ化ビニリデン樹脂の存在をより分か
り易くするため、カーボンブラックを除いた成形物にお
けるポリフッ化ビニリデン樹脂の粒子構造を示す同様の
電子顕微鏡写真を示す。
【0071】
【表1】
【0072】
【表2】
【0073】(注) 3)日本油脂(株)製 商品名
「パーヘキサV−40」(N−ブチル−4,4−ビス
(t−ブチルペルオキシ)バレレートを40重量%含
有)
【0074】
【発明の効果】以上説明した様に、本発明の熱可塑性の
弾性体成形物は、アクリル系エラストマーとポリフッ化
ビニリデン樹脂の混合物において、ポリフッ化ビニリデ
ン樹脂がアクリル系エラストマーの中で、ひげ状,繊維
状または網目状に分散しているので、混合物を加硫して
架橋しなくとも、アクリル系エラストマーとポリフッ化
ビニリデン樹脂を混合するだけで、引張り強さ,弾性お
よび耐燃料油性などに優れ、実用的な性能を有する効果
が得られる。
【0075】また、本発明の架橋弾性体組成物,架橋弾
性体成形物は、アクリル系エラストマーが架橋剤で架橋
され、該アクリル系エラストマーの中で、ポリフッ化ビ
ニリデン樹脂が、ひげ状,繊維状または網目状に分散し
ているので、架橋による圧縮永久歪の改良に加え、引張
り強さ,弾性および耐燃料油性などに優れ、実用的な性
能を有する効果が得られる。
【0076】さらに、本発明の製造方法によれば、従来
の加硫工程がなくとも、実用的な性能を有する、上記の
熱可塑性の弾性体成形物,架橋弾性体組成物,架橋弾性
体成形物を容易に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の熱可塑性の弾性体成形物の一例を示す
概略説明図である。
【図2】実施例3の成形物におけるポリフッ化ビニリデ
ン樹脂の粒子構造を示す電子顕微鏡写真(倍率:15,
000倍)である。
【図3】実施例3に対応する組成で、カーボンブラック
を除いた成形物におけるポリフッ化ビニリデン樹脂の粒
子構造を示す電子顕微鏡写真(倍率:15,000倍)
である。
【図4】実施例4に対応する組成で、カーボンブラック
を除いた成形物におけるポリフッ化ビニリデン樹脂の粒
子構造を示す電子顕微鏡写真(倍率:15,000倍)
である。
【図5】比較例3に対応する組成で、カーボンブラック
を除いた成形物におけるポリフッ化ビニリデン樹脂の粒
子構造を示す電子顕微鏡写真(倍率:15,000倍)
である。
【符号の説明】
1 アクリル系エラストマー 2 ポリフッ化ビニリデン樹脂が高濃度に存在する部分 3 ひげ状,繊維状または網目状に伸びたポリフッ化ビ
ニリデン樹脂
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C08L 33:08 (56)参考文献 特開 平1−306455(JP,A) 特開 平1−54050(JP,A) 特開 昭62−116651(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 33/08 C08J 5/00 CEY C08K 5/14 C08L 33/08

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アクリル系エラストマー100重量部と
    ポリフッ化ビニリデン樹脂6重量部以上を含有してお
    り、アクリル系エラストマーの中で、ひげ状,繊維状ま
    たは網目状に分散したポリフッ化ビニリデン樹脂を有す
    ことを特徴とする熱可塑性の弾性体成形物。
  2. 【請求項2】 前記アクリル系エラストマーが架橋され
    ていないことを特徴とする請求項1記載の熱可塑性の弾
    性体成形物。
  3. 【請求項3】 前記アクリル系エラストマーが架橋され
    ていることを特徴とする請求項1記載の熱可塑性の弾性
    体成形物。
  4. 【請求項4】 アクリル系エラストマー100重量部と
    ポリフッ化ビニリデン樹脂6重量部以上を含有し、架橋
    剤によって架橋されており、アクリル系エラストマーの
    中で、ひげ状,繊維状または網目状に分散したポリフッ
    化ビニリデン樹脂を有し、175℃におけるジエチレン
    グリコールに対する不溶分が55%以上であることを特
    徴とする熱可塑性の架橋弾性体組成物。
  5. 【請求項5】 アクリル系エラストマー100重量部と
    ポリフッ化ビニリデン樹脂6重量部以上を含有し、架橋
    剤によって架橋されており、アクリル系エラストマーの
    中で、ひげ状,繊維状または網目状に分散したポリフッ
    化ビニリデン樹脂を有し、175℃におけるジエチレン
    グリコールに対する不溶分が55%以上であることを特
    徴とする熱可塑性の架橋弾性体成形物。
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