JPH0664098A - 積層体及びその成型体 - Google Patents

積層体及びその成型体

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JPH0664098A
JPH0664098A JP4224182A JP22418292A JPH0664098A JP H0664098 A JPH0664098 A JP H0664098A JP 4224182 A JP4224182 A JP 4224182A JP 22418292 A JP22418292 A JP 22418292A JP H0664098 A JPH0664098 A JP H0664098A
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JP
Japan
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acrylate
resin
laminate
thermoplastic
polyvinylidene fluoride
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JP4224182A
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English (en)
Inventor
Takeo Kondo
武雄 近藤
Shogo Hagiwara
尚吾 萩原
Kazumasa Shiraishi
和正 白石
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Denka Co Ltd
Original Assignee
Denki Kagaku Kogyo KK
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Publication date
Application filed by Denki Kagaku Kogyo KK filed Critical Denki Kagaku Kogyo KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ナイロン樹脂の持つ耐熱性、耐燃料油性を有
し、柔軟性に優れたエラストマー層の持つ屈曲性や振動
吸収性を有する積層体及びその成型体を提供する。 【構成】 アクリル系エラストマー、ポリフッ化ビニリ
デン樹脂及びエポキサイドを含有する熱可塑性弾性体と
ナイロン樹脂からなる積層体。その積層体からなる板状
または管状の成型体および容器。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アクリル系エラストマ
ー、ポリフッ化ビニリデン樹脂及びエポキサイドを含有
する熱可塑性弾性体とナイロン樹脂からなる積層体、お
よびその成型体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、ナイロン樹脂は、耐熱性、耐ガソ
リン性,耐アルコール性などの耐燃料油性、耐久性に優
れているために自動車部品などの分野に応用が広がって
いるが、エラストマーと異なり、柔軟性に乏しいために
その高度な耐久性を有するにも係らず、振動の吸収や屈
曲性を要求される部分には、十分な実用性を発揮するに
は至っていない。
【0003】一方、ナイロン樹脂と柔軟性を有するエラ
ストマーとを接合することが試みられているが、ナイロ
ン樹脂がエラストマーとなじみにくいために、両者の接
着性が悪く、未だナイロン樹脂とエラストマーとの積層
体は得られていないのが現状である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明者等は、上記の
ナイロン樹脂の有する問題点を解決するために、熱可塑
性弾性体または熱可塑性架橋弾性体のエラストマー層と
ナイロン樹脂層とを積層する方法について、種々検討し
た結果、両者は十分な密着強度を持って接着し、その積
層体はナイロン樹脂の持つ耐熱性、耐燃料油性を有する
と共に、柔軟性に優れたエラストマー層の持つ屈曲性や
振動吸収性をも有し、さらにその積層体から各種の成型
体を得ることが出来ることを見出し本発明に至った。
【0005】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、アクリ
ル系エラストマー、ポリフッ化ビニリデン樹脂及びエポ
キサイドを含有する熱可塑性弾性体とナイロン樹脂から
なる積層体である。
【0006】また、本発明は、アクリル系エラストマ
ー、ポリフッ化ビニリデン樹脂、エポキサイド及び架橋
剤を含有する熱可塑性架橋弾性体とナイロン樹脂からな
る積層体である。
【0007】さらに、本発明は、前記熱可塑性弾性体ま
たは熱可塑性架橋弾性体と、ナイロン樹脂との積層体か
らなる板状または管状の成型体、および熱可塑性弾性体
とナイロン樹脂との積層体からなる容器である。
【0008】以下、本発明を詳細に説明する。本発明の
積層体は、特定のアクリル系エラストマー、ポリフッ化
ビニリデン樹脂及びエポキサイドを含有する熱可塑性弾
性体とナイロン樹脂とを、特定の加熱条件下で積層する
ことにより、十分な密着強度を持って両者が接着した積
層体からなるものである。
【0009】本発明において用いられるナイロン樹脂と
しては、例えば6ナイロン、11ナイロン、12ナイロ
ン、6,6ナイロン、4,6ナイロン、6,10ナイロ
ン、6,12ナイロン、MXD6ナイロン等が挙げられ
る。
【0010】また、本発明において用いられるアクリル
系エラストマーとしては、アクリル酸アルキルエステ
ル、アクリル酸アルコキシアルキルエステルを主成分と
し、その他の成分として共重合可能なエチレン性不飽和
化合物、及び架橋性モノマーを含有する重合体が挙げら
れる。
【0011】アクリル酸アルキルエステルの例として
は、メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−プ
ロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、イソブ
チルアクリレート、n−ペンチルアクリレート、イソア
ミルアクリレート、n−ヘキシルアクリレート、2−メ
チルペンチルアクリレート、n−オクチルアクリレー
ト、2−エチルヘキシルアクリレート、n−デシルアク
リレート、n−ドデシルアクリレート、n−オクタデシ
ルアクリレート、シアノメチルアクリレート、1−シア
ノエチルアクリレート、2−シアノエチルアクリレー
ト、1−シアノプロピルアクリレート、2−シアノプロ
ピルアクリレート、3−シアノプロピルアクリレート、
4−シアノブチルアクリレート、6−シアノヘキシルア
クリレート、2−エチル−6−シアノヘキシルアクリレ
ート、8−シアノオクチルアクリレートなどが挙げられ
る。
【0012】アクリル酸アルコキシアルキルエステルの
例としては、2−メトキシエチルアクリレート、2−エ
トキシエチルアクリレート、2−(n−プロポキシ)エ
チルアクリレート、2−(n−ブトキシ)エチルアクリ
レート、3−メトキシプロピルアクリレート、3−エト
キシプロピルアクリレート、2−(n−プロポキシ)プ
ロピルアクリレート、2−(n−ブトキシ)プロピルア
クリレートなどが挙げられる。
【0013】共重合可能なエチレン性不飽和化合物とし
ては、必要に応じ種々の化合物を使用することができる
が、その例としては、アクリル酸、メタクリル酸、クロ
トン酸、2−ペンテン酸、マレイン酸、フマル酸、イタ
コン酸、などのカルボキシル基含有化合物、1,1−ジ
ヒドロペルフルオロエチル(メタ)アクリレート、1,
1−ジヒドロペルフルオロプロピル(メタ)アクリレー
ト、1,1,5−トリヒドロペルフルオロヘキシル(メ
タ)アクリレート、1,1,2,2−テトラヒドロペル
フルオロプロピル(メタ)アクリレート、1,1,7−
トリヒドロペルフルオロヘプチル(メタ)アクリレー
ト、1,1−ジヒドロペルフルオロオクチル(メタ)ア
クリレート、1,1−ジヒドロペルフルオロデシル(メ
タ)アクリレートなどの含フッ素アクリル酸エステル、
1−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒ
ドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエ
チル(メタ)アクリレートなどの水酸基含有アクリル酸
エステル、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレー
ト、ジブチルアミノエチル(メタ)アクリレートなどの
第3級アミノ基含有アクリル酸エステル、メチルメタク
リレート、オクチルメタクリレートなどのメタクリレー
ト、メチルビニルケトンのようなアルキルビニルケト
ン、ビニルエチルエーテル、アリルメチルエーテルなど
のビニルおよびアリルエーテル、スチレン、α−メチル
スチレン、クロロスチレン、ビニルトルエンなどのビニ
ル芳香族化合物、アクリロニトリル、メタアクリロニト
リルなどのビニルニトリル、エチレン、プロピレン、塩
化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニル、フッ化ビニ
リデン、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、アルキルフ
マレートなどが挙げられる。
【0014】架橋性モノマーの例としては、ジエン系化
合物、ジヒドロジシクロペンタジエニル基含有(メタ)
アクリル酸エステル、エポキシ基含有エチレン性不飽和
化合物、活性ハロゲン含有エチレン性不飽和化合物、カ
ルボキシル基含有エチレン性不飽和化合物および活性水
素基含有エチレン性不飽和化合物などが挙げられ、その
具体例としては、ブタジエン、イソプレン、エチリデン
ノルボルネン、ジシクロペンタジエン、ジヒドロジシク
ロペンタジエニル(メタ)アクリレート、アリルグリシ
ジルエーテル、グリシジルメタアクリレート、グリシジ
ルアクリレート、2−クロルエチルビニルエーテル、2
−クロルエチルアクリレート、2−クロルエチルアクリ
レート、2−クロルエチルメタクリレート、ビニルクロ
ルアセテート、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン
酸、フマル酸、マレイン酸のモノメチルエステル、フマ
ル酸のモノメチルエステル、N−メチロールアクリルア
ミド、アリルシアノアセテートなどが挙げられる。
【0015】ポリフッ化ビニリデン樹脂と混合して耐燃
料油性の性能を高度に得る目的で用いられるアクリル系
エラストマーは、エチレン0〜15重量%、カルボン酸
ビニル0〜40重量%、アクリロニトリル0〜20重量
%、アルコキシアルキルアクリレート60〜100重量
%を重合してなるものであり、好ましくはアルコキシア
ルキルアクリレート80〜100重量%、アクリロニト
リル0〜20重量%、エチレン0〜5重量%および脂肪
酸ビニル0〜5重量%を重合してなるものであり、更に
好ましくはアルコキシアルキルアクリレート80〜10
0重量%及びアクリロニトリル0〜20重量%を重合し
てなるものであり、特に好ましくはアルコキシアルキル
アクリレート85〜95重量%及びアクリロニトリル5
〜15重量%を重合してなるものである。
【0016】次に、本発明に用いられるポリフッ化ビニ
リデン樹脂には、ポリフッ化ビニリデン及びフッ化ビニ
リデンと他の共重合性モノマーとの共重合体が挙げられ
る。他の共重合体モノマーとしては、例えばヘキサフル
オロプロピレン、ペンタフルオロプロピレン、トリフル
オロエチレン、トリフルオロクロロエチレン、テトラフ
ルオロエチレンビニルフロライド、パーフルオロ(メチ
ルビニルエーテル)、パーフルオロ(プロピルビニルエ
ーテル)、その他オレフィン類、アクリル酸エステルな
どがあり、これらの1種または2種以上が共重合に用い
られる。
【0017】ポリフッ化ビニリデン樹脂のアクリル系エ
ラストマーに対する混合量はアクリル系エラストマー1
00重量部に対し10重量部以上、好ましくは20重量
部以上、さらに好ましくは30〜80重量部である。ポ
リフッ化ビニリデン樹脂が10重量部未満では混合物の
引張強さが実用強度に達しない。引張強度の発現におい
ては、ポリフッ化ビニリデン樹脂の含有量に上限はない
が、ポリフッ化ビニリデン樹脂の混合量が増加すると成
形物の硬さが上昇し、また混合物のコストも上昇する。
【0018】本発明に用いられるエポキサイドとして
は、エポキシ基含有エチレン性不飽和化合物、ビスフェ
ノールA型エポキシ樹脂、シランカップリング剤等が挙
げられ、その具体例としては、グリシジルメタクリレー
ト、アリルグリシジルエーテル、メチルグリシジルエー
テル、ブチルグリシジルエーテル、デシルグリシジルエ
ーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、各種
脂肪酸グリシジルエーテル類、γ−グリシドキシプロピ
ルトリメトキシシラン及びエポキシ化大豆油のようなエ
ポキシ化植物油等が挙げられるが、その他にもエポキシ
基をもつ化合物であれば適用可能である。また、これら
のエポキサイドは2種以上を併用することも可能であ
る。
【0019】上記のアクリル系エラストマー、ポリフッ
化ビニリデン樹脂及びエポキサイドを含有する熱可塑性
弾性体は、アクリル系エラストマー、ポリフッ化ビニリ
デン樹脂及びエポキサイドを混合して得た混合物であ
る。
【0020】アクリル系エラストマー、ポリフッ化ビニ
リデン樹脂及びエポキサイドを混合する方法には、通常
のゴムと熱可塑性樹脂を混合する方法、即ち、ゴム工業
や、熱可塑性樹脂の配合物を作製する際に用いられるオ
ープンロール、バンバリーミキサー等の密閉混合機、コ
ニーダー等の押出機型混合機を用いることができる。
【0021】エポキサイドのアクリル系エラストマーに
対する混合量は、アクリル系エラストマー100重量部
に対し1.5重量部以上、好ましくは3重量部以上、更
に好ましくは8〜30重量部が望ましく、1.5重量部
未満では本発明の熱可塑性弾性体とナイロン樹脂との密
着強さが実用強度に達しない。密着強さの発現に対して
は、エポキサイドの含有量に上限はないが、エポキサイ
ドの含有量が増加すると成形物の硬さが上昇し、エラス
トマーとしての用途が次第に限定される。
【0022】本発明において用いるポリフッ化ビニリデ
ン樹脂は、その形態は特に制限する必要はなく、例えば
粉体、粒状物、顆粒状、ブロック状、板状、またはシー
ト状等のものを用いることができる。
【0023】ポリフッ化ビニリデン樹脂が粉体の場合に
は、ポリフッ化ビニリデン樹脂の融点より低い温度でポ
リフッ化ビニリデン樹脂の粉体をアクリル系エラストマ
ーに混練して、予めアクリル系エラストマー中にポリフ
ッ化ビニリデン樹脂の粉体を固体のまま機械的に分散
し、その後この混合物をポリフッ化ビニリデン樹脂の融
点以上に加熱して混練を続けて、混合物を得る方法が有
効である。この方法はポリフッ化ビニリデン樹脂を予め
機械的に均一にアクリル系エラストマー中に分散させる
ことができる点で優れている。
【0024】また、本発明において用いるエポキサイド
の形態には特に制限はなく、例えば、粉体、粒状、顆粒
状、ブロック状、板状または液状等のものを用いること
ができる。
【0025】次に、本発明においては、アクリル系エラ
ストマーを架橋するための架橋剤を含有していてもよ
い。架橋剤を含有する場合は熱可塑性架橋弾性体は、ア
クリル系エラストマー100重量部、ポリフッ化ビニリ
デン樹脂10重量部以上、エポキサイド1.5重量部以
上及び架橋剤を含有し、該架橋剤は実質的に分解される
と考えられる。
【0026】本発明の熱可塑性架橋弾性体を作製するた
めにアクリル系エラストマーに架橋剤を用いる場合に
は、架橋剤はそのアクリル系エラストマーに共重合され
た架橋性モノマーに対応する架橋剤を用いるのが一般的
である。架橋性モノマーが共重合されていないアクリル
系エラストマーの場合には、有機過酸化物を用い、これ
に更に多官能性単量体及びその他の添加剤を併用するこ
ともできる。
【0027】架橋性モノマーがジエン化合物やジヒドロ
ジシクロペンタジエニル基含有(メタ)アクリル酸エス
テルの場合の架橋剤としては、有機過酸化物及び天然ゴ
ム等に用いられる加硫剤が一般的に用いられる。また、
架橋性モノマーがエポキシ基含有エチレン性化合物の場
合にはエポキシ樹脂に用いられる硬化剤の他、有機カル
ボン酸アンモニウム、ジチオカルバミン酸塩、第4級ア
ンモニウム塩、グアニジン、イオウ化合物、アルカリ土
類金属水酸化物、鉛酸化物、酸化亜鉛を用いることがで
きる。また、架橋性モノマーが活性ハロゲン含有エチレ
ン性化合物の場合には、有機カルボン酸アンモニウム、
有機カルボン酸アルカリ金属塩とイオウ化合物の組合せ
を用いることができる。架橋性モノマーがカルボキシル
基含有エチレン性不飽和化合物の場合には、グアニジン
系化合物等の有機アミン化合物を用いることができる。
【0028】架橋剤に有機過酸化物を用いる場合には、
有機過酸化物としては、一般にゴムの架橋に用いられる
ものが使用でき、例えばジ−t−ブチルパーオキサイ
ド、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジクミルパーオ
キサイド、α,α−ビス(t−ブチルパーオキシイソプ
ロピル)ベンゼン、2,5−ジメチル2,5−ジ(t−
ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,
5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、1,1
−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメ
チルシクロヘキサン、n−ブチル−4,4−ビス(t−
ブチルパーオキシ)バレレート、2,2−ビス(t−ブ
チルパーオキシ)ブタン、2,2−ビス(t−ブチルパ
ーオキシ)オクタン等が挙げられる。
【0029】架橋剤の添加量には特にに制限はなく、通
常アクリル系エラストマー100重量部に対し0.1〜
10重量部程度、好ましくは0.3〜5重量部の範囲で
用いられる。0.1重量部未満では添加の効果が小さい
場合があり、また10重量部を越えると得られた組成物
の流動性が損なわれる場合がある。
【0030】また、過酸化物を用いる場合には、多官能
性単量体を併用することがより効果的であり、その量は
アクリル系エラストマー100重量部に対し0.5重量
部以下が適量である。0.5重量部を越えると得られた
組成物の流動性が損なわれる場合がある。
【0031】多官能性単量体としては、トリメチロール
プロパントリメタアクリレートが最も効果的でトリアリ
ルイソシアヌレート、トリアリルシアヌレート、トリア
リルトリメリテート、トリメチロールプロパントリアク
リレート、1,6−ヘキサンジオールアクリレート、ト
リエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレング
リコールジアクリレート、ジアリルフタレート、1,2
−ポリブタジエン等も適用可能である。
【0032】また、過酸化物を用いた架橋に際して、ラ
ジカル捕捉剤やチオ尿素誘導体を併用することは架橋物
の物性のバランスをとる上で有効である場合がある。ラ
ジカル捕捉剤はアクリル系エラストマー100重量部に
対して3重量部以下、チオ尿素誘導体は5重量部以下の
使用が望ましい。ラジカル捕捉剤を多量に用いると、過
酸化物を消費し、架橋物の物性のバランスをとる目的か
ら逸脱する。チオ尿素誘導体も多量に用いると架橋物の
物性が却って低下する逆効果を生じる。前述の範囲内で
単独あるいは併用するのが望ましい。
【0033】ラジカル捕捉剤としては、一般に重合禁止
剤又は、老化防止剤として用いられる化合物やイオウ又
はイオウ含有化合物が用いられ、代表例としてフェノチ
アジン、2−6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール及び
ゴム用加硫促進剤等のイオウ化合物が挙げられる。
【0034】この他に混合物の用途に適するように、一
般にゴム工業で用いられる種々の充填剤、可塑剤、加工
助剤又は安定剤等を添加することができる。また必要に
応じて、ニトリルゴム、水素添加ニトリルゴム、エピク
ロルヒドリンゴム、エチレンプロピレンゴム、ブチルゴ
ム、フッ素ゴム等を混合することも可能である。
【0035】充填剤の使用量はアクリル系エラストマー
100重量部に対して5〜300重量部の範囲で添加す
ることができ、目的に応じて適宜決めることができる
が、5重量部未満では効果が低い場合があり、300重
量部を越えると却って加工性が損なわれることがある。
【0036】可塑剤としては、本発明の目的を損なわな
いもの、組成物に対して親和性のあるもの、例えばα−
オレフィンのオリゴマーあるいはポリブテン、ポリエー
テル、ポリエステル等が挙げられる。さらに、所望によ
りほかのゴム、例えば耐燃料油性のすぐれた他の種々の
ゴムとの混合も可能である。
【0037】上記に示した本発明の熱可塑性架橋弾性体
は、アクリル系エラストマー、ポリフッ化ビニリデン樹
脂、エポキサイド及び架橋剤を含有する混合物系に対し
て、上述した架橋剤を含有しない熱可塑性弾性体を製造
する方法と同様の方法により製造することができる。
【0038】上記の熱可塑性弾性体または熱可塑性架橋
弾性体の層とナイロン樹脂の層とを積層して積層体を得
る場合、熱可塑性弾性体または熱可塑性架橋弾性体の層
の厚さは使用する目的により異なるが、通常1〜20m
m、好ましくは5〜10mmの範囲が望ましい。
【0039】また、ナイロン樹脂の層の厚さは同様に使
用する目的により異なるが、通常0.5〜5.0mm、
好ましくは2.0〜3.0mmの範囲が望ましい。
【0040】本発明における熱可塑性弾性体または熱可
塑性架橋弾性体の層とナイロン樹脂の層との積層の方法
は、用いるナイロン樹脂層のナイロン樹脂の種類により
異なるが、ポリフッ化ビニリデン樹脂の融点以上、26
0℃以下の範囲で積層するのが望ましい。ポリフッ化ビ
ニリデン樹脂の融点よりも低い温度では積層体の密着強
さが十分でなく、260℃を越えるとポリフッ化ビニリ
デン樹脂の分解が始まり有毒なガスを発生するので望ま
しくない。
【0041】本発明においては、特に、本発明の熱可塑
性弾性体または熱可塑性架橋弾性体とナイロン樹脂との
積層体を得るまでの間に、ポリフッ化ビニリデン樹脂の
融点以上の温度に浴させると、積層体の密着性が良好に
なる。
【0042】また、積層体中の熱可塑性架橋弾性体は、
アクリル系エラストマー中にポリフッ化ビニリデン樹脂
及びエポキサイドが分散していると共に、該アクリル系
エラストマーが架橋剤で架橋されている構造を有すると
考えられるために、ナイロン樹脂との密着性が良好にな
ると共に、圧縮永久歪の物性が良好となる。
【0043】本発明の積層体からなる板状または管状の
成型体を製造する方法としては、通常、ゴムや熱可塑性
樹脂の積層体を成型する方法、即ち重ね合せた状態での
プレス成型やクロスヘッドダイを用いた2台の押出機に
よる押出し成型により製造する方法等が挙げられる。
【0044】また、本発明の積層体からなる容器を製造
する方法は、通常、熱可塑性樹脂の容器を製造する方
法、例えばブロー成型や射出成型等が挙げられる。
【0045】上記の様にして得られた積層体は、本発明
における熱可塑性弾性体または熱可塑性架橋弾性体のエ
ラストマー層とナイロン樹脂層とが十分な密着強度を持
って積層され、ナイロン樹脂の持つ耐熱性、耐燃料油性
を有すると共に、柔軟性に優れたエラストマー層の持つ
屈曲性や振動吸収性をも有する優れた素材となる。した
がって、各種の板状または管状の成型体および容器に成
形して広範囲の用途に利用できる。
【0046】すなわち、本発明で得られた積層体は、例
えば、自動車の燃料油のパイプやホース,チューブ,ダ
イヤフラム,ベルトの他、各種の容器等に好適な素材と
して用いることができる。
【0047】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明
する。 実施例1〜20および比較例1〜4 アクリル系エラストマー、ポリフッ化ビニリデン樹脂及
びエポキサイドを用い、表1〜5に示した配合処方によ
り、熱可塑性弾性体を得て、以下に示す成形方法によ
り、この熱可塑性弾性体層とナイロン樹脂層との積層体
を成型し、成型物の密着強さを測定した。
【0048】本実施例で用いたアクリル系エラストマ
ー、ポリフッ化ビニリデン樹脂及びナイロン樹脂、成型
法、試験法についての説明を以下に示す。
【0049】(1)アクリル系エラストマーの製造 130リットルのオートクレーブに水43Kg、アクリ
ロニトリル4Kg、2−メトキシエチルアクリレート3
6Kg、ポリビニルアルコールとして電化ポバールB−
05とB−17各700g、酢酸ナトリウム60g、硫
酸第一鉄2g、エチレンジアミン四酢酸4g、助触媒9
0gを入れて撹拌混合し、オートクレーブの内温を45
℃とした。オートクレーブ上部の空気を窒素で置換後、
別途注入口より重合開始剤水溶液を注入して重合を進行
せしめ、12時間で注入を終了した。生成した重合体乳
化液に芒硝水溶液を添加して重合体を凝固させ、これを
水洗、脱水乾燥した重合体をアクリル系エラストマーと
した。
【0050】(2)ポリフッ化ビニリデン樹脂 ペンウオルト社製ポリフッ化ビニリデンの粉末品KYN
AR 741:融点(165〜170℃)を用いた。
【0051】(3)ナイロン樹脂 東レ社製ナイロン樹脂のペレット品BESN Blac
k F15 TLを用いた。
【0052】(4)成型方法 アクリル系エラストマーを表面温度40℃のロールに巻
きつけ、ポリフッ化ビニリデン樹脂を混練した後、充填
材を配合し、更にエポキサイドを配合した。得られた配
合物とナイロン樹脂とを重ね合わせ、プレス成型機で1
70℃〜230℃にて、16Kg/cm2 で10分間プ
レスし、その後、加圧状態のまま10分間水冷して成形
を終了した。得られた積層体の厚さは8mmであり、ア
クリル系エラストマーとポリフッ化ビニリデン樹脂を含
有する熱可塑性弾性体層の厚さは6mm、ナイロン樹脂
層の厚さは2mmであった。
【0053】(5)密着強さの測定方法(1) 得られた成型物を、常温にて一日放置した後、JIS
K6301にて密着強さを測定した。
【0054】(6)密着強さの測定方法(2) 材破A及びBについては密着強さの測定時に、アクリル
系エラストマーとナイロン樹脂が剥がれず、アクリル系
エラストマー層またはナイロン樹脂層のいづれかの引張
り強さを測定している状態であり、次のように定めた。 材破A:密着強さ5Kg/cm以上で材破 材破B:密着強さ5Kg/cm未満で材破
【0055】測定結果を表1〜4に示す。各実施例の結
果から、エポキサイド存在の効果は明らかである。
【0056】
【表1】
【0057】
【表2】
【0058】
【表3】
【0059】
【表4】
【0060】実施例21および22 *(実施例21の成型方法) 表5に示す配合処方により表面温度40℃のロールで混
練して得られた熱可塑性弾性体とナイロン樹脂を2台の
押出機(押出機1:L/D=8,φ=50mmスクリュ
ー、押出機2:L/D=8,φ=50mmスクリュー)
を用い、クロスヘッドダイにて樹脂温度170℃で内側
に熱可塑性弾性体層、240℃で外側にナイロン樹脂層
の2層ホースを成型した。
【0061】得られたホースの肉厚は4.0mmであ
り、熱可塑性弾性体層の肉厚は2.5mm、ナイロン樹
脂層の肉厚は1.5mmであった。得られたホースの密
着強さを表5に示す。
【0062】*(実施例22の成型方法) 表5に示す配合処方(配合物は表1に準ずる)により表
面温度40℃で混練して得られた熱可塑性弾性体(エラ
ストマー、MI=5.9g/10min,密度1.3
5)とナイロン樹脂(MI=15.0g/10min,
密度0.97)を2台の押出機(押出機1:L/D=2
2,φ=50mmスクリュー、押出機2:L/D=2
0,φ=40mmスクリュー)を持つブロー成形機を用
い、押出機1にて熱可塑性弾性体をアキュームレーター
付きのダイス内に貯留し、押出機2でナイロン樹脂を別
のアキュームレータに貯留した。
【0063】樹脂温度240℃で内側に熱可塑性弾性体
層を、外側にナイロン樹脂の溶解パリソンを作り、ブロ
ー成形をして容量1リットル、平均肉厚1mmの角型ボ
ビンを製作した。熱可塑性弾性体層の肉厚は1.5mm
で、ナイロン樹脂層の肉厚は0.5mmであった。得ら
れた容器の密着強さを表5に示す。
【0064】
【表5】
【0065】実施例23 表6に示す配合処方(配合物は表1に準ずる)により表
面温度40℃のロールで混練して得られた熱可塑性弾性
体(エラストマー)とナイロン樹脂を2台の押出機(押
出機1:L/D=8,φ=50mmスクリュー、押出機
2:L/D=8,φ=50mmスクリュー)を用い、ク
ロスヘッドダイにて樹脂温度170℃で内側に熱可塑性
弾性体層、240℃で外側にナイロン樹脂層の2層ホー
スを成型した。
【0066】得られたホースの肉厚は4.0mmであ
り、熱可塑性弾性体層の肉厚は2.5mmで、ナイロン
樹脂層の肉厚は1.5mmであった。得られたホースの
密着強さを表6に示す。
【0067】
【表6】
【0068】
【発明の効果】以上説明した様に、本発明の積層体は、
アクリル系エラストマー、ポリフッ化ビニリデン樹脂及
びエポキサイドを含有する熱可塑性弾性体または熱可塑
性架橋弾性体のエラストマー層とナイロン樹脂層とが十
分な密着強度を持って積層されており、その積層体はナ
イロン樹脂の持つ耐熱性、耐燃料油性を有すると共に、
柔軟性に優れたエラストマー層の持つ屈曲性や振動吸収
性をも有する優れた効果を有する。また、本発明の積層
体は、各種の板状または管状の成型体および容器に成形
して広範囲の用途に利用できる。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アクリル系エラストマー、ポリフッ化ビ
    ニリデン樹脂及びエポキサイドを含有する熱可塑性弾性
    体とナイロン樹脂からなる積層体。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の積層体からなる板状また
    は管状の成型体。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の積層体からなる容器。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の熱可塑性弾性体に、さら
    に架橋剤を含有してなる熱可塑性架橋弾性体とナイロン
    樹脂からなる積層体。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の積層体からなる板状また
    は管状の成型体。
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