JP2622279B2 - ベツセル分離式ダンプトラツク - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、リヤフレーム上に各種サイズの分離式ベツ
セルを取替可能に搭載する機構に特徴を有するベツセル
分離式ダンプトラツクに関するものである。

（従来の技術） ダンプトラツクの従来例を第10図によって説明する
と、ダンプトラツク（ａ）後部のリヤフレーム（ｂ）上
にベツセル（ｃ）を搭載し、リヤフレーム（ｂ）の後部
にベツセル（ｃ）の後部をピン等により枢着（図示省
略）して、リヤフレーム（ｂ）とベツセル（ｃ）間に連
結したダンプシリンダ（ｄ）によりベツセル（ｃ）を後
部の枢着部を中心にしてダンプ（傾動）操作する構造に
なっており、リヤフレーム（ｂ）上に搭載したベツセル
（ｃ）に荷物を積載し、運搬して、ベツセル（ｃ）のダ
ンプにより荷物を排出（排土）する。

（発明が解決しようとする課題） 従来の前記ダンプトラツクは、リヤフレーム上に搭載
した特定サイズのベツセルに荷物を積載し、運搬してダ
ンプ操作により排出（土）する作業となり、積載時の待
時間による無駄が生じ、ベツセルの容量、形状等のサイ
ズが特定されているため、運搬物の種類等に対応したベ
ツセルを搭載したダンプトラツクが必要となって、ダン
プトラツクの稼働率低下の一因になっているなどの問題
点がある。

本発明は、前記のような課題に対応するために開発さ
れたものであって、その目的とする処は、車体後部のリ
ヤフレーム上に昇降機構、後部支持機構でサブフレーム
を昇降およびダンプ操作可能に配置するとともに、サブ
フレーム上に搭載着脱機構でベツセルを搭載、着脱可能
にして、ベツセルを分離式とし車体の稼働率を高め荷役
性能、能率を向上したベツセル分離式ダンプトラツクを
提供するにある。

（課題を解決するための手段） 本発明は、車体後部のリヤフレーム上にリフトシリン
ダ付き昇降機構を介し配置されて昇降されるサブフレー
ムと、前記昇降機構の後方に突設され前記サブフレーム
の後部をダンプ可能に枢着した後部支持機構と、前記リ
ヤフレームと前記サブフレーム間に連結されたダンプシ
リンダと、前記サブフレームに配設され分離式のベツセ
ルを着脱して搭載する搭載着脱機構を具備した構成に特
徴を有し、リヤフレーム上で昇降機構と後部支持機構に
よりサブフレームを上昇してベツセルを搭載し、搭載着
脱機構でサブフレームにベツセルを固定して、ダンプシ
リンダによりサブフレームとともにベツセルをダンプ操
作可能にしている。

また、前記構成において、リヤフレームとリフトシリ
ンダ付き昇降機構の上部間に回動アームを連結した構成
に特徴を有し、サブフレーム、ベツセルの昇降の安定性
を高め、リヤフレームに配設されリフトシリンダ付き昇
降機構とを後部支持機構を固定するロツクピンを設けた
構成に特徴を有し、サブフレーム、ベツセルの上昇配置
性能、ダンプ操作性を高め、ベツセルの側部にスキツド
付き支持脚を垂設した構成に特徴を有し、ベツセルの搭
載、分離性能を高め、さらに、搭載着脱機構にサブフレ
ーム側のストツパとベツセル側のストツパを設けた構成
に特徴を有し、サブフレームと搭載ベツセルとの整合性
を高めている。

（作 用） サブフレームをリヤフレーム上に下降配置して、車体
をベツセル下に後退させてベツセルの下側にサブフレー
ムを配置し、リフトシリンダ付き昇降機構によって後部
支持機構ととにサブフレームを上昇し分離式ベツセルを
上昇支持して、搭載着脱機構によりサブフレームにベツ
セルを固定し、走行運搬され、ダンプシリンダの伸縮に
よりサブフレームとともにベツセルが後部の枢着部を中
心にしてダンプ操作され、リフトシリンダ付き昇降機構
により後部支持機構、サブフレーム、ベツセルを下降
し、搭載着脱機構によりサブフレームからベツセルを外
して分離でき、同様な操作により積荷されている他のベ
ツセルを搭載して運搬される。

また、リヤフレームとリフトシリンダ付き昇降機構の
上部間に連設された回動アームにより荷重が分担支持さ
れて、サブフレーム、ベツセルの昇降の安定性が高めら
れ、リヤフレームに配設されたロツクピンによりリフト
シリンダ付き昇降機構と後部支持機構を固定することに
よって、サブフレーム、ベツセルが上昇位置に保持され
てダンプ操作が円滑となり、ベツセルの側部に垂設した
スキツド付き支持脚によって、ベツセルの搭載、分離が
容易、円滑となり、さらに、搭載着脱機構にサブフレー
ム側のストツパとベツセル側のストツパを設けたことに
よって、サブフレームとベツセルの整合、搭載が円滑と
なる。

（実施例） 第１図ないし第９図に本発明の一実施例を示し、前部
車体（１）の後部に機体屈曲部（４）を介してリヤフレ
ーム（２）を連結した車体（1,2）を有し、前部車体
（１）に前輪（6a）を設け、リヤフレーム（２）のアク
セルブラケツト（５）部に後輪（6b）（6b）等を設けた
アーテイキユレート型ダンプトラツクになっており、車
体（1,2）後部のリヤフレーム（２）上にリフトシリン
ダ（11a）（11b）付き昇降機構（11〜17）を介し配設さ
れて昇降されるサブフレーム（３）と、昇降機構（11〜
17）の後方に突出されたサブフレーム（３）の後部をダ
ンプ可能に枢着（22）した後部支持機構（21〜25）と、
リヤフレーム（２）とサブフレーム（３）間に連結され
たダンプシリンダ（31）と、サブフレーム（３）に配設
され分離式のベツセル（41）を着脱して搭載する搭載着
脱機構（51〜53）を具備したベツセル分離式ダンプトラ
ツクになっている。

前記構成のベツセル分離式ダンプトラツクにおいて、
リヤフレーム（２）とリフトシリンダ（11a）（11b）付
き昇降機構（11〜17）の上部間に回動アーム（15a）（1
5b）を連結したことを特徴とし、リヤフレーム（２）に
リフトシリンダ（11a）（11b）付き昇降機構（11〜17）
と後部支持機構（21〜25）を固定するロツクピン（17）
（25）を設けたことを特徴とし、ベツセル（41）の側部
にスキツド（43）付き支持脚（42）を垂設したことを特
徴とし、あるいはまた、搭載着脱機構（51〜53）にサブ
フレーム（３）側のストツパ（51）とベツセル（41）側
のストツパ（52）を設けたことを特徴とするベツセル分
離式ダンプトラツクになっている。

前記昇降機構（11〜17）は、第2,3図に示すようにリ
ヤフレーム（２）前、後の両側部にピンで枢着（12a）
されたリフトシリンダ（11a）（11b）と、リフトシリン
ダ（11a），（11b）上にピンで枢着（12b）されリヤフ
レーム（２）上でサブフレーム（３）を支持して昇降す
るリフトビーム（13a）（13b）と、リフトビーム（13
a）（13b）に枢着（12b）されて垂設されたピン穴（14
a）付きプレート（14）等を具備し、さらにリヤフレー
ム（２）とリフトビーム（13a）（13b）間にピンで枢着
（16a）（12b）（16b）して回動アーム（15a）（15b）
を連結し、第４図に示すようにリヤフレーム（２）内に
配設されロツクシリンダ（18）で側部から進退されてピ
ン穴（14a）に嵌脱されるロツクピン（17）が配設さ
れ、第1,2,3図のようにリフトシリンダ（11a）（11b）
の短縮により、リヤフレーム（２）上にリフトビーム
（13a）（13b）を介してサブフレーム（３）が下降位置
で支持され、リフトシリンダ（11a）（11b）の伸長によ
り、リフトビーム（13a）（13b）を介してサブフレーム
（３）が上昇、水平位置となり、前記昇降に伴って回動
アーム（15a）（15b）が回動しリフトビーム（13a）（1
3b）サブフレーム（３）の重量を分担支持して安定し、
ロツクシリンダ（18）によりロツクピン（17）を側部か
ら突出しピン穴（14a）に嵌挿してサブフレーム（３）
を上昇水平位置に固定する。

前記後部支持機構（21〜25）は、リフトビーム（13
b）の両端部から後方に突設されサブフレーム（３）の
後部をピンで枢着（22）したリフトアーム（21）と、リ
フトアーム（21）の後部に設けたピン穴（23）（24）
と、リヤフレーム（２）の後部内に配設されロツクシリ
ンダ（図示省略）により側部から突出してピン穴（23）
または（24）に嵌挿されるロツクピン（25）等からな
り、昇降機構（11〜17）のリングビーム（13b）ととも
にリフトフレーム（21）が昇降して、サブフレーム
（３）後部の枢着部（22）を下降位置と上昇位置にし、
ロツクピン（25）がピン穴（23）または（24）に嵌挿さ
れてリヤフレーム（21）を下降位置と上昇位置に固定す
るとともに、上昇位置で枢着（22）部を中心にしてサブ
フレーム（３）が上方へ傾動、即ちダンプ操作される。

前記ダンプシリンダ（31）は、リヤフレーム（２）の
前部両側とサブフレーム（３）の下側間にピンで枢着
（32a）（32b）されて連結され、昇降機構（11〜17）に
よるサブフレーム（３）の昇降時は、昇降に対応してダ
ンプシリンダ（31）が自在に伸縮し、サブフレーム
（３）の上昇配置時に、ダンプシリンダ（31）を大きく
伸縮してサブフレーム（３）をダンプ操作する。

前記ベツセル（41）は、第6,7図に示すようにベツセ
ル（41）の両側部から複数の支持脚（42）が垂設され、
支持脚（４）（42）の下端部間にスキツド（43）を連結
するとともに、ベツセル（41）の両側下部に複数の長穴
（44a）付きプレート（44）が沿設され、ベツセル（4
1）を地上に据え付けると、下降位置のサブフレーム
（３）がベツセル（41）の底面下に配置される高さを有
し、サブフレーム（３）の上昇により第７図に示すよう
にベツセルが上昇、載架されて走行、運搬可能となり、
容量、形状等の各種サイズのベツセル（41）が適用され
る。

前記搭載着脱機構（51〜53）は、第7,8,9図のように
リヤフレーム（２）の前部両側に突設されたストツパ
（51）と、ベツセル（41）側のプレート（44）前端部の
ストツパ（52）と、サブフレーム（３）内に配設されロ
ツクシリンダ（図示省略）により側部から突出されてプ
レート（44）の各長穴（44a）に嵌挿される複数のロツ
クピン（53）等からなり、第６図に示すようにサブフレ
ーム（３）を下降位置にしてベツセル（41）の下側に配
置し、第７図に示すようにサブフレーム（３）を上昇し
ストツパ（51）（52）で整合して、各ロツクピン（53）
をベツセル（41）側のプレート（44）の各長穴（44a）
に嵌挿して、サブフレーム（３）上にベツセル（41）を
搭載して固定する。

本発明の実施例は、前記のような構成からなり作用に
ついて詳述すると、スキツド（43）付き支持脚（42）で
地上に据え付けて配置されたベツセル（41）内に予め積
荷され、リフトシリンダ（11a）（11b）付き昇降機構
（11〜17）によりサブフレーム（３）を下降位置にして
車体（1,2）を後退させサブフレーム（３）をベツセル
（41）の下側に配置し、昇降機構（11〜17）のリフトシ
リンダ（11a）（11b）の伸長によりサブフレーム（３）
を上昇してベツセル（41）を上昇し、支持し、各ロツク
ピン（17）（25）（53）を各ピン穴（14a）、（24）、
（44a）に嵌挿すると、第７図に示すようにリヤフレー
ム（２）上に昇降機構（11〜17）、後部支持機構（21〜
25）を介してサブフレーム（３）とともにベツセル（4
1）が上昇支持されて固定され、ベツセル（41）はサブ
フレーム（３）上にストツパ（51）（52）、長穴（44
a）へのロツクピン（53）の嵌挿により整合、固定され
かつ上昇支持されて、車体（1,2）の走行運搬が可能と
なる。

車体（1,2）を走行して運搬すると、ダンプシリンダ
（31）の伸長によりサブフレーム（３）とともにベツセ
ル（41）が一体になり後部の枢着（22）部を中心になっ
て上方へ大きく傾動、即ちダンプ操作されて積荷を後方
へ排出し（第７図参照）、ダンプシリンダ（31）の短縮
によりサブフレーム（３）およびベツセル（41）が下方
へ傾動されて水平配置となり、従来と同様なダンプ操作
が可能である。

空荷のベツセル（41）は、各ロツクピン（17）（25）
（53）の退去によるプレート（14）、リヤフレーム（2
1）、プレート（44）のロツク解除後に、昇降機構（11
〜17）のリフトシリンダ（11a）（11b）を短縮すること
により、サブフレーム（３）が下降され、第６図に示す
ように地上を据え付けられて車体（1,2）から分離さ
れ、積荷に供されるとともに、車体（1,2）は積荷済の
他のベツセル下に配置されて、同ベツセルを搭載して搬
送し、積荷のための待時間は殆んど不要となり車体の稼
働率が大幅に高められるとともに、各積サイズのベツセ
ルの搭載が可能となり荷役性能、能率が向上されてい
る。

（発明の効果） 本発明は前述のような構成を有するものであるから、
車体後部のリヤフレーム上に配置されたサブフレーム
は、リフトシリンダ付き昇降機構により水平に上昇させ
るため、その上昇が円滑に行なわれると共にリフトシリ
ンダ付き昇降機構のリフトシリンダは、その力を荷重に
対して垂直に作用させることができるため小型化が可能
となり、又サブフレームはその上昇時に後部支持機構に
よりダンプ可能となってダンプ操作を容易にし、更に分
離されて積荷されているベッセルは搭載着脱機構により
サブフレーム上に搭載されて、その搭載固定を容易にす
ると共にダンプシリンダによるサブフレームのダンプ操
作でベッセルは荷卸しされて荷卸作業を容易にし、逆に
ベッセルはサブフレームの下降および搭載着脱機構によ
り分離されるためその分離が容易となって、積荷されて
いる他のベッセルの搭載・運搬・荷卸しが可能であっ
て、積荷の待時間が不要となって車体の稼働率が著しく
高められる等の効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例を示す全体の側面図、第２図
は第１図のリヤフレーム前部分の拡大側面図、第３図は
第１図のリヤフレーム後部分の拡大側面図、第４図は第
１図の平面図、第５図はサブフレームの上昇、ダンプ状
態を示す側面図、第６図はベツセル搭載時の側面図、第
７図はベツセルの上昇、ダンプの状態を示す側面図、第
８図は第７図の平面図、第９図は第８図のストツパ部分
の拡大図、第10図は従来例の側面図である。 2:リヤフレーム、3:サブフレーム 11〜17:昇降機構、11a,11b:リフトシリンダ 15a,15b:回動アーム、17,25:ロツクピン 21〜25:後部支持機構、31:ダンプシリンダ 41:ベツセル、42:支持脚 43:スキツド、51,52:ストツパ 51〜53:搭載着脱機構

フロントページの続き (56)参考文献 実開 昭63−168137（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭56−118135（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭62−151138（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭59−121253（ＪＰ，Ｕ)

Claims (4)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】車体後部のリヤフレーム上に、サブフレー
   ムを水平昇降させるリフトシリンダ付き昇降機構と、前
   記サブフレームの後部を、前記昇降機構により上昇配置
   時にダンプ可能に枢着した後部支持機構と、前記リヤフ
   レームに配設され且つ前記リフトシリンダ付き昇降機構
   及び前記後部支持機構を固定するロックピンと、前記リ
   ヤフレーム及び前記サブフレーム間に連結されたダンプ
   シリンダと、前記サブフレームに配設されて分離式のベ
   ッセルを着脱して搭載する搭載着脱機構と具備したこと
   を特徴とするベッセル分離式ダンプトラック。
2. 【請求項２】請求項１記載のベッセル分離式ダンプトラ
   ックにおいて、リヤフレームとリフトシリンダ付き昇降
   機構の上部間に回動アームを連結したことを特徴とする
   ベッセル分離式ダンプトラック。
3. 【請求項３】請求項１記載のベッセル分離式ダンプトラ
   ックにおいて、ベッセルの側部にスキッド付き支持脚を
   垂設したことを特徴とするベッセル分離式ダンプトラッ
   ク。
4. 【請求項４】請求項１記載のベッセル分離式ダンプトラ
   ックにおいてベッセルの搭載着脱機構に、サブフレーム
   の上昇で車両の前後方向に整合するストッパを設けたこ
   とを特徴とするベッセル分離式ダンプトラック。