JP2621360B2 - ピアノのソステヌート装置 - Google Patents

ピアノのソステヌート装置

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JP2621360B2 JP14127388A JP14127388A JP2621360B2 JP 2621360 B2 JP2621360 B2 JP 2621360B2 JP 14127388 A JP14127388 A JP 14127388A JP 14127388 A JP14127388 A JP 14127388A JP 2621360 B2 JP2621360 B2 JP 2621360B2
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【発明の詳細な説明】 本発明はダンパペダル、ソステヌートペダル、シフト
ペダルを並設したペダル装置を有するピアノのソステヌ
ート装置に関し、このソステヌートペダルとは別に配設
した操作子によってソステヌート機能を発揮させること
により、ソステヌート機能を演奏中に十分に活用できる
ようにして、ピアノの操作性を改善するものである。
〔従来の技術〕
従来周知の通り、グランドピアノは、或る鍵の演奏音
を長く持続させるソステヌート機構(ソステヌートペダ
ルにより操作される。以下、ソステヌート用のペダル装
置を含めた場合はソステヌート装置と呼ぶことにす
る。)を有している。また、弦の振動を通常時阻止して
いるダンパを、押鍵操作によりもしくはダンパペダルの
操作に基づくリフティングレールの上昇により、弦を開
放するダンパ機構を有している。さらに、シフトペダル
の操作により、打弦機構を横に移動させてハンマによる
弦の打撃本数を減らし、演奏音を変化させるシフト機構
を備えている。
このうちに特にソステヌート装置は、任意の鍵を押鍵
操作した状態でソステヌートペダルを踏み込み操作し、
この状態を保持しつつ、その後押されている上記鍵から
手を離すと、該鍵自体は元の位置に復帰するが、この鍵
に対応するダンパ機構(ダンパレバーからダンパまで)
は元の位置への復帰が阻止されてダンパが弦から離れた
ままになっているため、その音が残って発音を持続させ
るものである。
このため特に楽曲の都合上その音の鍵をいつまでも押
さえているわけにいかず、他の鍵に指を移さなければな
らない場合、あるいは他の音をスタッカートに弾きたい
場合などに、このソステヌート装置は非常に便利であ
り、しかも演奏テクニック上の効果があるものである。
第8図はこのようなソステヌート装置のソステヌート
機構の主要部の従来例を示すものである。
この機構の構成を概略説明すると、図において11は鍵
で、この鍵11の後端部11aの上方に該鍵11に連動して作
動するダンパ機構13が配設されている。
ダンパ機構13は、一端がダンパレバーフレンジ15に回
動自在に軸支され他端(遊端)が上記鍵11の後端部11a
の上方に所定の間隔を保って延在するダンパレバー17
と、鍵11の上方に水平に張設された弦19を通常(非押鍵
時)押圧しその自由な振動を阻止するダンパ21と、を備
えている。
ダンパ21は、ダンパウッド21aと、ダンパウッド21aの
下面に固着され弦19を押圧するダンパフェルト21bと、
で構成されている。
また、ダンパ21は連結部材であるダンパワイヤ23およ
びダンパブロック25を介して上記ダンパレバー17に連結
されている。ダンパブロック25は、その下端がダンパレ
バー17の遊端側に回転自在に軸支され、その上面には上
記ダンパワイヤ23が植立されている。また、その中間部
一側面にはソステヌート機構27を構成するタブリップ29
が上下方向に回動自在に配設されている。
タブリップ29は、スプリング31によって図中半時計方
向の回動習性を付与されることにより、通常タブフラン
ジフェルト33の下面に圧接係止されている。また、タブ
リップ29の前端面にはタブリップクロス35を接着してな
る突起37が前方に向かって一体に突設されている。
さらに、タブリップ29の前方にはソステネートロッド
39が近接して配設されている。ソステヌートロッド39
は、図示していないが、ソステヌートペダルに作動連結
され、該ペダルの踏み込み操作時に第8図中時計方向に
所定角度回動されるものである。
このソステヌートロッド39は動棚41を一体的に有し、
ダンパ21が配設されているすべての鍵11に対して共通に
横断配設されている。動棚41は各タブリップ29より前方
すなわち演奏者側に位置している。また、動棚41はソス
テヌートペダル非操作時はタブリップ29の突起37と係合
せず、ソステヌートロッド39が同図中時計方向に回動す
ると、これと一体に回動して上昇位置にあるタブリップ
29の突起37を下から押し上げ、支持する。
通常の演奏時において鍵11の前端部を押鍵操作する
と、後端部11aが上昇するため、ダンパレバー17は該後
端部11aによって押し上げられて図中反時計方向に上昇
回動し、ダンパ21を弦19から離間させる。この時、上記
鍵11に連動して作動するアクション機構(図示せず)の
ハンマが弦19を打撃する。
そして、鍵11が元の初期位置状態に復帰すると、ダン
パレバー17も鍵11の押し上げ動作から解放されるため回
動下降し、これに伴いダンパ21も下降して弦19を再び押
圧し、その自由な振動を停止させている。
このような通常演奏時において、ソステヌート機構27
のソステヌートロッド39は作動されず、したがってタブ
リップ29が昇降しても動棚41に係合することはない。
次に、ある特定の音を持続させたい場合にはその音に
対応する鍵11を押し下げた状態でソステヌートペダルを
踏み込み操作すればよい。
すると、ソステネートロッド39が図中時計方向に所定
角度回動し、動棚41の先端部がタブリップ29の突起37の
下面に当接してこれを上昇位置に係止する。このため、
鍵11が回動復帰しても当該鍵11に対応するダンパ機構13
は動棚41によって保持されたままで下降復帰を阻止され
る。つまり、鍵11が元の初期位置状態に戻ってもソステ
ヌートペダルに対する踏み込み操作力を取り除かない限
り、ダンパ機構13は原状に復さず、弦19は開放されたま
まで振動を持続する。
このような状態で鍵11を弾いた場合、該鍵に連動して
作動するダンパ機構13はそのタブリップ29が所定距離上
昇移動すると、動棚41の下面に当接回動もしくは近接す
るが、何ら支障なく正常に動作し、該ダンパ機構13に対
応する弦19を開放する。
なお、押鍵操作とは無関係にダンパペダルを踏み込ん
だ状態でソフテヌートペダルを踏み込み操作すると、す
べてのダンパ機構13のタブリップ29を動棚41によって押
し上げるため、すべての弦19が一斉に開放される。ま
た、押鍵操作とは無関係にソステヌートペダルを踏み込
み操作しても何の働きもしない。
また、図中43はリフティングレールである。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしながら、このような従来のソステヌート装置に
あっては、主として演奏中に任意の特定音のみを長く持
続させ所望の演奏効果を得るものである。例えば、ショ
パンの子守歌などのようにピアノ曲で静かなものでは、
ベース音のオルガン的な持続音を加えることが望ましい
ものである。
ところで、このような従来の構造でピアニシモ音(pp
音)においてペダル装置を操作しつつ演奏表現する場
合、音色を明確化させるのが主目的であるシフトペダル
(ソフトペダル)を使用することがある。これに加え
て、さらに、ソステヌートペダルを使用する場合、これ
を左足で操作することとなり(右足は普通ダンパペダル
を操作する)、現状では左足はほぼ±90゜にねじらなけ
ればならず、極めて操作性が悪い。
この様な状況であっても、右足の方はダンパペダル
(ラウドペダル)で音量感を調整しており、これは極め
て重要であるので、右足でソフテヌートペダルを踏むこ
とは、音楽表現を十分満たす上で不適当である。むろん
曲によっては、ソステヌートペダルを右足で使用しても
よい場合がある。
しかし、ダンパペダルを併用しても、すなわち右足を
使用中に、さらに、シフトペダルを踏んだ状態で、ソス
テヌートペダルを使用することには、極めて大きな操作
上の無理を生じるものである。
そして、今までのピアノ製作者は、この点に気付いて
いなかった。
したがって、この点を解決して、ソステヌート機能を
演奏中に十分に活用できるようにして、ピアノの操作性
を改善するのが本発明の目的である。
〔課題を解決するための手段〕
そこで、本願の特許請求項の範囲第1項に記載した発
明は、ダンパペダル、ソステヌートペダル、およびシフ
トペダルの3つのペダルを並設して有するペダル装置
と、所定音域の弦の振動を阻止可能に各弦に対応してそ
れぞれ設けられた複数のダンパのうち押鍵中の鍵に対応
するものを、該ソステヌートペダルの踏み込み操作によ
りソステヌートペダルに作動連結するソステヌートロッ
ドに設けられた動棚が回転し、該動棚がダンパの下部に
設けられたダンパブロックのタブリップの突起に係合す
ることによって、所定位置に係止して弦から離間させ、
ソステヌートペダルの操作中は該弦を開放状態に設定保
持することが可能な第1のソステヌート機構とを有する
ピアノにおいて、上記ソステヌートペダルとは別に設け
た操作子と、所定音域の弦の振動を阻止可能に各弦に対
応してそれぞれ設けられた複数のダンパのうち押鍵中の
鍵に対応するものを、この操作子の操作により操作子と
連結した回転レバーが回転し、回転レバーに設けた係合
片がダンパの上部に形成した係合部に挿入係合すること
により、所定位置に係止して弦から離間させ、この操作
子の操作中は当該弦を開放状態に設定保持することが可
能な第2のソステヌート機構とを備えたピアノのソステ
ヌート装置を提供することにより、上記目的を達成する
ものである。
また、本願の特許請求の範囲第2項に記載した発明
は、上記第1のソステヌート機構の受持ち音域が、上記
第2のソステヌート機構のそれと異なる特許請求の範囲
第1項記載のピアノのソステヌート装置を提供し、上記
目的を達成するものである。
また、本願の特許請求の範囲第3項に記載した発明
は、上記操作子は上記シフトペダルの近傍であって、こ
のシフトペダルを中心としてソステヌートペダルとは反
対側の奥に配設した特許請求の範囲第1項または第2項
に記載のピアノのソステネート装置を提供することによ
り、上記目的を達成するものである。
〔作用〕
本願の特許請求の範囲第1項に記載した発明では、第
1のソステヌート機構においては、ソステヌートペダル
の踏み込み操作により、ソステヌートロッドを介して動
棚が回転し、この動棚がタンパブロックのタブリップの
突起に係合する。この結果、押鍵中の鍵に対応するダン
パを所定位置に係止して弦から離間させることができ、
ソステヌートペダルの操作中は該弦を開放状態に設定保
持する。したがって、弦の振動はダンパによって阻止さ
れることなく、持続されることとなる。
また、第2のソステヌート機構にあっても、上記ソス
テヌートペダルとは別に設けた操作子の操作により、回
転レバーが回転し、係合片がダンパの上部に形成した係
合部に挿入係合する。この結果、押鍵中の鍵に対応する
ダンパを所定位置に係止して弦から離間させ、該弦を開
放状態に設定保持することができる。
これらの結果、ソステヌートペダルを踏み込み操作す
ることが困難で第1のソステヌート機構を動作させるこ
とが難しい場合にあっても、操作子の操作により第2の
ソステヌート機構を動作させることが可能である。例え
ば右足でダンパペダルを踏み、左足でシフトペダルを踏
んでいる場合である。
また、第1のソステヌート機構と第2のソステヌート
機構とを別々の機構で構成したため、同じダンパに対し
て2系統のソステヌート機構を取り付けることができ
る。よって、このダンパはソステヌートペダルと操作子
との2つの操作手段を有することとなる。この結果、操
作子の位置を、ソステヌートペダルとは異なる任意の位
置に設置することができる。したがって、設置してある
ソステヌートペダルないし操作子のどちらかが操作し難
い(踏み難い)状態にあっても、操作し易い方の位置に
あるソステヌートペダルないしは操作子どちらかの操作
手段を選択することができる。
さらに、この発明では、ダンパに、第1のソステヌー
ト機構と第2のソステヌート機構との両方の機構を集中
させて設けている。よって、第2のソステヌート機構を
付けたい音域のみにおいて、そのダンパを交換し、回転
レバーを含む第2のソステヌート機構を設置すれば良い
ことになる。その結果、ピアノの他のアクション機構に
影響を及ぼさないで、この第2のソステヌート機構を後
から付けることができる。
また、本願の特許請求の範囲第2項に記載した発明
は、上記第1のソステヌート機構の受持ち音域が、上記
第2のソステヌート機構のそれとは異なる。
この結果、演奏曲によっては従来困難であったソステ
ヌート機能を十分に活用することができるとともに、第
2のソステヌート機構の受持ち音域を低音域のみとする
こともできる。例えばベース音のみのソステヌート機能
と、中音部までを含む全体としてのソステヌート機能
と、を使い分けることができる。
また、各ソステヌート機構の受け持ち音域が異なって
いる結果、同時に多数の鍵を押鍵し、その一部のみにソ
ステヌートを効かせたい(弦開放状態で音を長く響かせ
る)時、受け取ち音域が限定されたソステヌート機構が
有効であり、効かせたくない音域にソステヌート機構を
導入しないことにより、ソステヌートが効かない音域で
は違う奏法(短いはぎれの良い音等)の演奏ができる。
さらに、本願の特許請求の範囲第3項に記載した発明
では、ダンパペダル、ソステヌートペダル、および、シ
フトペダルの3つのペダルを並設して有するペダル装置
を有し、さらに、操作子は上記シフトペダル近傍であっ
て、ソフテヌートペダルとは反対側の奥に配設してい
る。
その結果、従来は、片足でシフトペダルを踏みなが
ら、シフトペダルに並設されたソステヌートペダルを同
じ足で踏むことは困難であった(足を90度ねじらないと
いけない)が、これを、本願発明では解決した。つま
り、このソステヌートペダルを踏むことと同じ作用をす
る操作子を、ソステヌートペダルとは反対側の奥に配設
してあるため、片足のかかとでシフトペダルを踏みつつ
操作子を同じ足のつま先で操作できる。シフトペダルを
踏み込む時の左足で同時に無理なく操作子を操作するこ
とができる。すなわち、従来と略同様の操作によって、
従来は困難であったソステヌート機能を容易に得ること
ができる。
〔実施例〕 以下、この発明を図面に示す実施例に基づいて詳細に
説明する。
第1図はこの発明の一実施例に係るソステヌート装置
の概略構成を示すその側面図である。第2図は一実施例
に係るペダル装置の斜視図である。第3図は第1図のII
I−III線矢視断面図である。第4図は一実施例に係る係
合片の取付構造を示す主要部の斜視図である。第5図は
一実施例に係る係合片とダンパとの係合状態を示すその
側面図である。
なお、図中従来のソステヌート機構(第8図)と同一
構成部品、同一構成部分については同一符号をもって示
し、その説明を省略する。
これらの図において、各鍵11に対応してそれぞれ張設
された複数の弦19のうち、特に低音部の弦19a(例えば8
8鍵のうち低音側から26、27番目位までの鍵、あるいは
ダンパ21が通常配設される低音側から69番目位までの全
ての鍵に対応する弦19)に対応して、回動レバー51が、
その下端部を軸53によって軸支されることにより前後方
向に回動自在に配設されている。
なお、ここでは低音部の弦19aに対応して配設されて
いる場合を中心にして説明するが、回動レバー51のその
対応しての配設範囲は適宜である。
したがって、回動レバー51は上記低音部の弦19aすべ
てに対して共通に延在する横方向の長さを有している。
そして、回動レバー51の前面の上端部には上記各低音部
の弦19aのダンパ21にそれぞれ対応する複数個の係合片5
5が並列配置されている(第4図参照)。
各係合片55は回動レバー51の前面に設けられたブラケ
ット57の軸ピン59に後端部が上下方向に回動自在に軸支
されることにより略水平に保持されている。また、係合
片55の前端部の上下面にはフェルト61が接着されてい
る。
この場合、係合片55は回動自在に軸支されるものに限
らず、例えば片持支持された板ばね等の弾性を有するも
ので構成してもよい。
上記各低音部の弦19aの自由な振動を阻止している各
ダンパ21のダンパウッド21aの上面中央部には係合部63
が各係合片55に対応して形成されている。これらの係合
部63は後方に向かって(回動レバー51に向かって)開口
する凹部によって構成されており、上記各係合片55の先
端部が挿入、係合可能に形成されている。
上記回動レバー51は弦19と接触しないように略門形に
形成され(第5図参照)、その両端脚部51aが上記弦19
の下方にまで延設されて上述したように軸53により軸支
されている。とともに、この回動レバー51はスプリング
65により第1図中反時計方向の復帰習性が付与されてい
る。
上記軸53は弦19の下方に配設されたレバー取付部材67
によって軸支され、このレバー取付部材67は弦19が配設
されているフレーム(図示せず)に固定されている。ま
た、このレバー取付部材67には上記スプリング65の一端
が係止されている。
第1図、第2図に示すように、ピアノ本体の前端部下
方に配設されたペダルボックス71の前面には3本のペダ
ル、すなわち左からシフトペダル73(ソフトペダル)、
ソステヌートペダル75およびダンパペダル77(ラウドペ
ダル)が配設されている。
シフトペダル73を踏み込み操作すると、棚板81上に設
置されているすべての鍵11が鍵盤筬83と一体的に右方
(もしくは左方)にスライドし、音質を変えた演奏(弱
音演奏)を可能にする。
ソステヌートペダル75を踏み込むと上述した通りソス
テヌートロッド39が第1図中時計方向に所定角度回動さ
れる。
ダンパペダル77は押鍵操作とは無関係にその踏み込み
により全てのダンパ機構13を動作させ、すべての弦19を
開放する。すなわち、該ダンパペダル77を踏み込み操作
すると、すべてのダンパレバー17の下方に共通に延在す
る如く配設されたリフティングレール43を押し上げ、こ
れによって該レール43がすべてのダンパレバー17を上昇
回動させるように構成されている。
なお、このダンパペダル77を踏み込んだ状態で上記ソ
ステヌートペダル75を踏み込み操作すると、各ダンパ機
構13のタブリップ29を動棚41が上昇位置に保持し、すべ
ての弦19を開放状態に保持する。
そして、このようなペダル装置の構成については従来
と全く同様である。
さて、上記ペダルボックス71の左側面には内部が空洞
な延長部71aが一体に突設されている。この延長部71aの
上面に上記回動レバー51を動作させる操作子としての押
しボタン85(ソステヌートペダル75に相当するいわば第
2のソステヌートペダル)が配設されている。なお、押
しボタン85の位置は、シフトペダル73を踏み込み操作し
た状態でさらに、つま先を使って踏み込める範囲内にあ
る。
押しボタン85の下端部は、第3図に示すように、ペダ
ルボックス71の延長部71aの上面に設けた挿通孔87に摺
動自在に挿入されて抜けを防止されている。押しボタン
85の内端は延長部71a内に配設されたレバー89の前端部
上面に当接している。
このレバー89は後端がブラケット91に軸93を介して上
下方向に回動自在に軸支されて配設されている。ととも
に、レバー89はスプリング95により第3図中反時計方向
の回動習性を付与されることにより、上記押しボタン85
の下面に圧接されている。
そして、このレバー89の長手方向中間部にはワイヤ97
(もしくは連結かん)の一端が接続され、該ワイヤ97の
他端は第1図に示すように上記回動レバー51の下端に接
続されている。ワイヤ97は固定用のチューブ内に挿入さ
れている。
これらの押しボタン85、ワイヤ97、スプリング65等は
全体として第2のソステヌート機構99および第2のソス
テヌート操作装置(第2のソステヌートペダル装置)を
構成していることとなる。
次に上記構成によるソステヌート機構27、99の動作に
ついて説明する。
演奏時において任意の鍵11に対応する弦19を開放状態
に保持し、その音を維持させたい場合は、従来と同様当
該鍵11を押鍵操作し、次いでこの状態を維持しつつソス
テヌートペダル75を踏み込み操作すればよい。
この結果、該ペダル75に連動してソステヌートロッド
39が第1図中時計方向に回動し、押鍵操作されている鍵
11に対応するダンパ機構13のタブリップ29を動棚41が下
から支持して上昇位置に保持する。このため、ソフテヌ
ートペダル75が踏み込まれている状態で押下された鍵11
を復帰させても(鍵の押圧を解除しても)、そのダンパ
機構13は復帰し得ず、弦19を開放状態に放置する。
したがって、当該鍵11に対応する弦19の振動はソステ
ヌートペダル75が戻されるまで持続することとなる。
また、押鍵操作とは無関係にダンパペダル77を踏み込
み、次いでソステヌートペダル75を踏み込み操作する
と、すべてのダンパ機構13のタブリップ29が動棚41によ
って上昇位置に保持され、すべての弦19を開放させる。
次に、この状態、すなわちすべての弦19が開放した状
態で、押しボタン85を踏み込み操作すると、該ボタン85
の下降によりレバー89がスプリング95に抗して第3図中
時計方向に回動されワイヤ97を引き下げる。
したがって、回動レバー51は軸53を中心としてスプリ
ング65に抗して第1図中時計方向に回動され、各係合片
55を低音部の弦19aに対応するダンパ機構13の各ダンパ2
1の係合部63に挿入係合(第5図参照)させる。
この結果、低音部の弦19aの止音作用を果たす上記ダ
ンパ21は係合片55によって上昇位置に保持される。
このため、押しボタン85を踏み込んだ状態でソステヌ
ートペダル75から足を外しても、中、高音部の弦19に対
応するダンパ機構13のみが原状に復するだけで、低音部
の弦19aに対応するダンパ21機構は依然として復帰せ
ず、そのため低音部の弦19aの振動は維持される。
そして、押しボタン85から外力を除くと、レバー89、
回動レバー51がスプリング65、95の力によって回動復帰
して各係合片55とダンパ21の係合部63との係合状態を解
除する。
このため、低音部のダンパ機構13が原状に復し、今ま
で振動していた低音部の弦19aすべてを押圧し、その振
動が停止される。
また、演奏時において低音部の弦19aに対応する鍵11
のうちの任意の鍵11に対応する弦19aを開放状態に保持
し、その音を維持させたい場合は、従来と同様に当該鍵
11を押鍵操作し、次いでこの状態を維持しつつ押しボタ
ン85を踏み込み操作すればよい。
すると、該ボタン85に連動して回動レバー51が第1図
中時計方向に回動し、押鍵操作されている鍵11に対応す
るダンパ機構13のダンパ21に設けられた係合部63を回動
レバー51に設けられた係合片55が下から支持して上昇位
置に保持する。
このため、ソステヌートペダル75が踏み込まれている
状態で押下された鍵11を復帰させてもそのダンパ機構13
は復帰し得ず、該当する弦19aを開放状態に放置する。
したがって、当該鍵11に対応する弦19aの振動は押し
ボタン85が戻されるまで持続する。
このように本実施例の構成からなるソステヌート機構
においては、必要に応じて低音部の弦19aの振動を持続
させ得るものである。このため、ベース音を強調した
り、相対的に中、高音を明瞭にするという効果が期待さ
れるものである。
第6図はこの発明の他の実施例に係るソステヌート機
構の主要部の構成を示す側面図である。
この実施例はペダルボックス71の左側面に回動レバー
51の操作子(操作手段)としてのペダル101を設けると
ともに、係合片を板ばね103で構成し、その下方にダン
パ21等の重量による弾性変形を規制するストッパ105を
設けた点が上記実施例と異なり、その他の点は略同様で
ある。
したがって、この実施例にあっても、ペダル101をシ
フトペダル73を踏んだ状態で左足によって容易に踏み込
み操作することができる。すなわち、左足のかかとでシ
フトペダル73を踏み込んだ状態でその左足のつま先でペ
ダル101を踏み込むのである。
このペダル101の踏み込み操作によって、第6図中反
時計方向にワイヤ97を介して引っ張られていた回動レバ
ー51が軸107を支点として同図中時計方向に回動する。
スプリング109によって引っ張られるものである。この
結果、係合片103がダンパウッド21aの係合部63に挿入係
合するものである。これによりソステヌート機能を得る
ことが可能となる。
第7図はこの発明の動作例を示すタイミング図であ
る。
すなわち、上記各実施例において、シフトペダル7
3、、ボタンペダル(押しボタン85、ペダル101)、およ
び、ダンパペダル77は、以下に示すようにして例えば操
作されるものである。
譜面はショパンのピアノソナタ変口短調op.35第2楽
章の最終箇所を示すものである。
まず、シフトペダルは譜面中第3小節の第2音におい
て左足で踏み込まれる。この踏み込みは最終小節まで続
けられる。ダンパペダルは同じく第4小節であって、左
足によって踏み込み、離すことを繰り返すハーフペダル
奏法によって操作される。また、第8、第9小節におい
は踏み込まれる。すなわち、演奏者の右足はダンパペダ
ルを、左足はシフトペダルを、同時に踏み込む場合が生
じているものである。
従ってこの場合、従来から存在するソステヌートペダ
ル75の踏み込みは困難である。
ここで、第5小節から最終小節まで演奏音を長く持続
させるため、本発明に係るボタンペダル(押しボタン8
5、ペダル101)が左足によって操作されるものである。
すなわち、第5小節から最終小節までの間は左足は、か
かとでシフトペダル73を、つま先でボタンペダル85を同
時に踏み込み操作しているものである。
換言すれば、このような楽曲の演奏において、本発明
に係る第2のソステヌート機構は必要不可欠なものとな
っている。
〔効果〕
本願の特許請求の範囲第1項に記載した発明によれ
ば、ソステヌートペダルを踏み込むことが困難で第1の
ソステヌート機構を動作させることが難しい場合でも、
操作子の操作により第2のソステヌート機構を動作させ
ることが可能である。
また、同じダンパに対して2系統のソステヌート機構
を取り付けることができる。操作子の位置を、ソステヌ
ートペダルとは異なる任意の位置に設置することができ
る。したがって、設置してあるソステヌートペダルない
し操作子のどちらかが操作し難い状態にあっても、操作
し易い方の位置にある操作手段を選択することができ
る。
さらに、第2のソステヌート機構を付けたい音域のみ
において、そのダンパを交換し、回転レバーを含む第2
のソステヌート機構を設置すれば良い。その結果、ピア
ノの他のアクション機構に影響を及ぼさないで、この第
2のソステヌート機構を後から取り付けることができ
る。
また、本願の特許請求範囲第2項に記載した発明で
は、各ソステヌート機構の受け持ち音域が異なっている
結果、2つのソステヌート機構から選択でき、つまり、
ソステヌートを効かせたくない音域を選択することがで
きるので、この効かない音域では違う奏法(短いはぎれ
の良い音等)の演奏ができ、楽曲を効果的に演奏するこ
とができる。すなわち、受け持ちの音域が異なる特定範
囲のソステヌート機構を導入することで、ソステヌート
が効く・効かない限定音域の範囲を選択することがで
き、演奏表現の幅が増える。
さらに、本願の特許請求の範囲第3項に記載した発明
では、片足のかかとでシフトペダルを踏みつつ操作子を
同じ足のつま先で操作できる。すなわち、従来と略同様
の操作によって、従来は困難であったソステヌート機能
を容易に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明の一実施例に係るソステヌート機構の
概略構成を示すその側面図、 第2図は一実施例に係るペダル装置の斜視図、 第3図は第1図のIII−III線矢視断面図、 第4図は一実施例に係る係合片の取付構造を示す主要部
の斜視図、 第5図は一実施例に係る係合片によりダンパを保持した
状態を示すその側面図、 第6図はこの発明の他の実施例に係るソステヌート機構
の主要部を示すその側面図、 第7図はこの発明の動作例を示すタイミング図、 第8図は従来のソステヌート機構の構成を示す側面図で
ある。 11……鍵、 13……ダンパ機構、 19……弦、 19a……低音部の弦、 21……ダンパ、 27……第1のソステヌート機構、 73……シフトペダル、 75……ソステヌートペダル、 77……ダンパペダル、 85……押しボタン(操作子)、 99……第2のソステヌート機構。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ダンパペダル、ソステヌートペダル、およ
    びシフトペダルの3つのペダルを並設して有するペダル
    装置と、 所定音域の弦振動をの阻止可能に各弦に対応してそれぞ
    れ設けられた複数のダンパのうち押鍵中の鍵に対応する
    ものを、該ソステヌートペダルの踏み込み操作によりソ
    ステヌートペダルに作動連結するソステヌートロッドに
    設けられた動棚が回転し、該動棚がダンパの下部に設け
    られたダンパブロックのタブリップの突起に係合するこ
    とによって、所定位置に係止して弦から離間させ、ソス
    テヌートペダルの操作中は該弦を開放状態に設定保持す
    ることが可能な第1のソステヌート機構とを有するピア
    ノにおいて、 上記ソステヌートペダルとは別に設けた操作子と、 所定音域の弦の振動を阻止可能に各弦に対応してそれぞ
    れ設けられた複数のダンパのうち押鍵中の鍵に対応する
    ものを、この操作子の操作により操作子と連結した回転
    レバーが回転し、回転レバーに設けた係合片がダンパの
    上部に形成した係合部に挿入係合することにより、所定
    位置に係止して弦から離間させ、この操作子の操作中は
    当該弦を開放状態に設定保持することが可能な第2のソ
    ステヌート機構とを備えたことを特徴とするピアノのソ
    ステヌート装置。
  2. 【請求項2】上記第1のソステヌート機構の受持ち音域
    が、上記第2のソステヌート機構のそれと異なる特許請
    求の範囲第1項記載のピアノのソステヌート装置。
  3. 【請求項3】上記操作子は上記シフトペダルの近傍であ
    って、このシフトペダルを中心としてソステヌートペダ
    ルとは反対側の奥に配設した特許請求の範囲第1項また
    は第2項に記載のピアノのソステヌート装置。
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