JP2621089B2 - 固体電解コンデンサ - Google Patents

固体電解コンデンサ

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Description

【発明の詳細な説明】 [発明の目的] (産業上の利用分野) 本発明は、誘電体酸化皮膜の表面に固体電解質層を形
成してなる固体電解コンデンサに関するものである。
(従来の技術) 皮膜形成性金属表面に誘電体酸化皮膜を形成し、この
誘電体酸化皮膜上に7,7,8,8−テトラシアノキノジメタ
ン(TCNQ)錯塩層を形成し固体電解質層とする構造の固
体電解コンデンサが提案されている。また、誘電体酸化
皮膜上に化学酸化重合による導電性高分子膜を形成し、
更にこの導電性高分子膜の上に電解重合による導電性高
分子膜を積層して固体電解質層とする構造の固体電解コ
ンデンサが提案されている。これらのコンデンサは、従
来の固体電解コンデンサに比べ、優れた特性を持つが、
等価直列抵抗(ESR)が大きい、漏れ電流が大きいなど
の改良すべき点が残されていた。
(発明が解決しようとする課題) 本発明の目的とするところは、皮膜形成性金属表面に
形成された誘電体酸化皮膜の上に固体電解質層を形成せ
しめた構造の固体電解コンデンサにおいて、漏れ電流が
小さく、耐電圧の高い固体電解コンデンサを提供するこ
とである。
[発明の構成] (課題を解決するための手段) 本発明者らは鋭意研究の結果、上記目的を達成し得る
固体電解コンデンサを発明するに至った。すなわち皮膜
形成性金属表面に形成された誘電体酸化皮膜と、この誘
電体酸化皮膜上に形成された固体電解質層とから成る固
体電解コンデンサにおいて、固体電解質層が導電性高分
子膜及び該導電性高分子膜に含浸されたTCNQ錯塩層とか
ら成ることを特徴とする固体電解コンデンサである。
皮膜形成性金属としてアルミニウム、タンタル、ニオ
ブなどが用いられるが、アルミニウム又はタンタルが汎
用され、安価であるので好ましい。
次に本発明を、皮膜形成性金属としてアルミニウム箔
を用いる場合について説明する。アルミニウム箔は平板
のまま、あるいは単独、又はセパレータ紙と共に巻回し
てもよい。
アルミニウム箔表面を電気化学的にエッチングし粗面
化する。更にほう酸アンモニウムなどの水溶液中で電解
酸化を行い表面に誘電体酸化皮膜を形成せしめ陽極箔を
得る。この陽極箔を所定の寸法に切断し、その一部にか
しめ付け、あるいは高周波接合等の方法により陽極引き
出し用のリード線を接続してコンデンサ素子とする。
次いで、誘電体酸化皮膜上に導電性高分子膜と該導電
性高分子膜に含浸されたTCNQ錯塩とから成る固体電解質
層を形成する。本発明の固体電解質層は、誘電体酸化皮
膜上に導電性高分子膜を形成した後、TCNQ錯塩を含浸さ
せて成る。形成する導電性高分子は、ポリピロール、ポ
リチオフェン、ポリアニリン、ポリフランである。
誘電体酸化皮膜上に導電性高分子膜を形成した後、TC
NQ錯塩を含浸させる方法について説明する。
誘電体酸化皮膜上に導電性高分子モノマーを少なくと
も0.01mol/l含む溶液を均一に分散させた後、酸化剤を
0.001mol/l〜2mol/l含む溶液と接触させるか、又は逆に
酸化剤を均一に分散した後、導電性高分子モノマー溶液
と接触させる方法により化学重合した導電性高分子膜を
形成し誘電体酸化皮膜表面を導電化する。上記化学重合
に用いられる酸化剤は、よう素、臭素、よう化臭素など
のハロゲン、五ふっ化ひ素、五ふっ化アンチモン、四ふ
っ化けい素、五塩化りん、五ふっ化りん、塩化アルミニ
ウム、塩化モリブデンなどの金属ハロゲン化物、硫酸、
硝酸、フルオロ酸、トリフルオロメタン酸、クロロ硫酸
などのプロトン酸、三塩化硫黄、二酸化窒素などの含酸
素化合物、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウムなど
の過硫酸塩、過酸化水素、過酢酸などの過酸化物などが
あげられる。更に、化学重合した導電性高分子膜の上
に、導電性高分子モノマー0.01mol/l〜5mol/l及び支持
電解質0.01mol/l〜2mol/lを含む電解液中で電解重合し
て、電解重合による導電性高分子膜を形成する。上記電
解重合に用いられる支持電解質は、陰イオンがヘキサフ
ロロリン、ヘキサフロロひ素、テトラフロロほう素など
のハロゲン化物アニオン、よう素、臭素、塩素などのハ
ロゲンアニオン、過塩素酸アニオン、ベンゼンスルホン
酸、ベンゼンジスルホン酸、アルキルベンゼンスルホン
酸などのスルホン酸アニオンであり、また、陽イオン
が、リチウム、カリウム、ナトリウムなどのアルカリ金
属カチオン、アンモニウム、テトラアルキルアンモニウ
ムなどの四級アンモニウムカチオンである。化合物とし
てはLiPF6、LiAsF6、KI、LiClO4、LiBF4、NaPF6、NaClO
4、トルエンスルホン酸ナトリウム、メタベンゼンジス
ルホン酸テトラエチルアンモニウム、トルエンスルホン
酸テトラブチルアンモニウムなどがあげられる。
既に化学重合による導電性高分子膜が形成されている
ので、電解電圧を誘電体酸化皮膜形成電圧より高く設定
する必要がないため、酸化皮膜を損傷することなく、ま
た特に冷却することなく、化学重合した導電性高分子膜
の上に均一な電解重合による導電性高分子膜を形成する
ことができる。
以上のようにして誘電体酸化皮膜上に導電性高分子膜
を形成した後、TCNQ錯塩を含浸させる。TCNQ錯塩を含浸
させる方法としては、アセトニトリル、アセトン、ベン
ゾニトリル、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトア
ミド、ジメチルスルホキシドなどの溶媒にTCNQ錯塩を溶
解した溶液に浸漬し乾燥させる溶媒法や、TCNQ錯塩を溶
解液化せしめ溶融状態にあるTCNQ錯塩に浸漬し冷却固化
する溶融法などを用いることができる。溶融法における
浸漬温度は、TCNQ錯塩の種類により融解温度が異なるた
め特定できないが、一般には260℃ないし340℃で1秒な
いし30秒間浸漬する。TCNQ錯塩形成後は、50℃ないし12
5℃で熱処理を行うと漏れ電流低下の効果が大きい。
本発明に用いるTCNQ錯塩は電荷移動錯塩の一種であ
り、電子供与体(ドナー)と電子受容体(アクセプタ
ー)とから構成され、電子受容体はTCQNである。電子供
与体としては、テトラチアフルバレン(TTF)に代表さ
れるカルコゲンをその骨格中に含むフルバレン類、テト
ラメチルアンモニウムに代表される四級アンモニウム、
キノリンやイソキノリンに代表される複素環窒素化合物
のN位をアルキル基で置換した化合物などがある。熱安
定性、導電性及び結晶の析出しやすさを考慮すると、こ
れらの電子供与体のうち、キノリン、イソキノリン、ナ
フトキノリン、2,2′−ビピリジル、4,4′−ビピリジ
ル、又はそのN位を炭素数1〜8のアルキル基で置換し
たものが好ましく、更に好ましくは、キノリン、イソキ
ノリンのN位を炭素数1〜8のアルキル基で置換した化
合物である。すなわち、好ましいTCQN錯塩とは、例えば
N−メチルキノリニウム−TCNQ錯塩、N−メチルイソキ
ノニリウム−TCNQ錯塩、N−エチルキノリニウム−TCNQ
錯塩、N−エチルイソキノリニウム−TCNQ錯塩、N−n
−プロピルキノリニウム−TCNQ錯塩、N−n−プロピル
イソキノリニウム−TCNQ錯塩、N−iso−プロピルキノ
リニウム−TCNQ錯塩、N−iso−プロピルイソキノリニ
ウム−TCNQ錯塩、N−n−ブチルキノリニウム−TCNQ錯
塩、N−n−ブチルイソキノリニウム−TCNQ錯塩、N−
iso−ブチルキノリニウム−TCNQ錯塩、N−iso−ブチル
イソキノリニウム−TCNQ錯塩、N−n−アミルキノリニ
ウム−TCNQ錯塩、N−n−アミルイソキノリニウム−TC
NQ錯塩、N−iso−アミルキノリニウム−TCNQ錯塩、N
−iso−アミルイソキノリニウム−TCNQ錯塩、N−n−
オクチルキノリニウム−TCNQ錯塩、N−n−オクチルイ
ソキノリニウム−TCNQ錯塩などである。以上例示したTC
NQ錯塩は特に本発明において好適であるが、本発明にお
けるTCNQ錯塩はこれらの例により何ら限定されない。
このようにして固体電解質層を形成した素子を、コロ
イダルカーボンに浸漬して表面にカーボン層を形成す
る。更にその上に導電性ペーストにより導電性塗膜を形
成し、その一部に陰極引き出し用のリード線を接続す
る。導電性ペーストとしては銀ペースト、銅ペースト、
アルミペーストなどが使用できる。以上のように構成さ
れたコンデンサ素子に、樹脂モールド又は樹脂ケース、
金属ケースに密封するなどの外装を施すことにより、本
発明の固体電解コンデンサが得られる。
(作用) 本発明による固体電解コンデンサでは、TCNQ錯塩層の
みを固体電解質とするコンデンサと比較して耐熱性が良
く、チップ化が可能である。また、導電性高分子膜のみ
を固体電解質とするコンデンサと比較して漏れ電流が小
さい。
(実施例) 実施例 誘電体酸化皮膜を形成させた厚さ75μm、幅2mmの高
純度アルミニウム箔に超音波溶接により陽極リードを取
り付けた陽極箔を素子として用いた。この素子を2mol/l
のピロール/エタノール溶液に5分間浸漬した後、更に
0.5mol/lの過硫酸アンモニウムを含む水溶液に5分間浸
漬して、誘電体酸化皮膜表面に化学重合によるポリピロ
ール膜を形成した。更にこの素子をピロールモノマー0.
2mol/l及びパラトルエンスルホン酸テトラエチルアンモ
ニウム0.1mol/lを支持電解質として含むアセトニトリル
溶液中に浸漬し、化学重合したポリピロールを陽極と
し、外部に設けた陰極との間に定電流電解酸化重合(1
ピン当たり1.5mA、50分)を行い、ポリピロール膜を形
成した。しかる後、この素子を300℃で溶融したn−ア
ミルイソキノリニウム・TCNQ錯塩中に浸漬後冷却してTC
NQ錯塩層を設けた。このようにして固体電解質層を設け
た素子を140℃で1時間熱処理を行った後、コロイダル
カーボンに浸漬してカーボン層を形成し、更に銀ペース
トを塗布して導電性塗膜を形成し、その一部から陰極を
取り出した。この素子をエポキシ樹脂で密封して、定格
電圧25V、公称静電容量4.7μFの固体電解コンデンサを
完成した。
得られたコンデンサの初期特性を次表に示す。
比較例1 溶融したTCNQ錯塩の含浸工程を省略した以外は実施例
に準じた。得られたコンデンサの初期特性を次表に示
す。
比較例2 TCNQ錯塩層を形成することなく、誘電体酸化皮膜を形
成させたアルミニウム箔を陽極とし室温下でのポリピロ
ールの電解重合を行った。酸化皮膜に欠陥部に部分的に
ポリピロールが生成しただけで、コンデンサを完成する
ことはできなかった。
比較例3 N−ブチルイソキノリニウム・TCNQ錯塩を用い、溶融
法によりTCNQ錯塩層のみを固体電解質とするコンデンサ
を完成した。このコンデンサは耐熱性に乏しく260℃の
温度で10秒間放置するとコンデンサ特性が劣化した。
[発明の効果] 本発明による固体電解コンデンサでは、TCNQ錯塩の
み、又は導電性高分子のみを固体電解質とする従来のコ
ンデンサに比較して、漏れ電流を低減でき、コンデンサ
特性に優れる。更にTCNQ錯塩層のみを固体電解質とした
コンデンサに比べ高温耐熱性が良い。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭52−79255(JP,A) 特開 平2−66924(JP,A)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】皮膜形成性金属表面に形成された誘電体酸
    化皮膜と、この誘電体酸化皮膜上に形成された固体電解
    質層とから成る固体電解コンデンサにおいて、固体電解
    質層が、導電性高分子膜及び該導電性高分子膜に含浸さ
    れた7,7,8,8−テトラシアノキノジメタン錯塩とから成
    ることを特徴とする固体電解コンデンサ。
  2. 【請求項2】導電性高分子膜が、化学重合により形成さ
    れた導電性高分子膜の上に電解重合により形成された導
    電性高分子膜を積層したものであることを特徴とする請
    求項(1)記載の固体電解コンデンサ。
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JPS5279255A (en) * 1975-12-25 1977-07-04 Nippon Electric Co Solid state electrolytic capacitor
JP2668975B2 (ja) * 1988-09-01 1997-10-27 松下電器産業株式会社 固体電解コンデンサの製造方法

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