JP2618331B2 - 海水魚の飼育方法 - Google Patents
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Description
って海水魚を飼育する方法に関するものである。
で愛玩用ペットを飼うことが行なわれるようになった。
中でも、場所的な事情や鳴き声等の制約から小型水槽の
中で観賞魚を飼うこと、いわゆるマリン・アクアリウム
が静かなブームとなっている。その理由は、広い場所を
必要としないこと以外に、観賞魚の魚の泳姿や俊敏な動
きが、見る者に精神的な安堵感や開放感を与えるからで
ある。更に、その色彩の鮮やかさと動きが、巧く調和し
て特有の雰囲気を生み出すことから、愛玩用としては勿
論、最近はインテリアの一つとしても利用されつつあ
る。ところで、観賞魚の中でも淡水魚は多く飼われてい
るが、海水魚が意外と飼われていない。本来、海水魚は
原色的なカラフルさを持ち、動きも極めて俊敏で且つ活
発であるため、観賞用としては淡水のものより遙かに適
しているが、今でもその普及がかなり遅れている。
んだ水中での環境で育てるところから、溶存酸素量が少
なく、酸素を嫌うバクテリアが繁殖し易いという欠点を
持つため、飼育方法が難しいことが原因である。酸素を
嫌うバクテリア即ち嫌気性バクテリアが発生すると、排
出物によってできたの腐敗物等を毒性の強い硫化物に変
化させてしまう。このようなことから、海水魚を観賞用
の水槽内で長く飼育するには嫌気性バクテリアの発生を
極力抑えることが必要であるが、そのためには、厄介な
水質、水温等の管理をしなければならず手数がかかるの
である。このように、海水魚を観賞用として利用するに
は、飼育方法に問題があるのが難点である。ところで、
海水魚を長期に渡って飼育するには、魚本来が好む住み
やすい環境を作ってやることが、肝要であるが、住みや
すい環境とは、具体的には、魚の死亡原因を極力排除さ
れた環境であるといえる。
ム (ロ)リンホシステス (ト)虚食症 (ハ)トリコディナ (チ)寄生虫 (ニ)尾腐れ病 (リ)内蔵疾患 (ホ)ポップアイ
5%は、6.水質悪化の(ロ)アンモニアの発生、
(ハ)亜硝酸の発生、及び(ニ)嫌気性バクテリアによ
る有毒ガスの発生と、9.の病気の発生の(イ)白点病
である。前者の6.の(ロ),(ハ),(ニ)は、濾過
システムを改良し好気性バクテリアを利用することによ
り解決できるものであり、また後者の9.の(イ)は、
同様に濾過システムの改良か、その他の方法として薬で
治療するかで十分解決できるものである。
システムの改良を行なうことで無くすることが可能であ
る。即ち6.の(ロ)アンモニアの発生、(ハ)亜硝酸
の発生を防ぐには、好気性のバクテリアがそれらを無毒
なものに変化させてしまうので、好気性のバクテリアを
発生するような環境を設定すればよい。また、(ニ)嫌
気性バクテリアによる有毒ガスの発生を防止するには、
嫌気性バクテリアをなくすることが必要であるが、逆に
いうと、嫌気性バクテリアが酸素を嫌うことから、酸素
を好む好気性バクテリアの発生するような環境を設定す
ることが重要である。尚、9.の(イ)の白点病は、単
細胞せん毛虫の寄生による病気であり、水底で爆発的に
増殖する習性があるため、水の流れを上から下にする下
方循環濾過にして、魚の住む領域には病原体である単細
胞せん毛虫が侵入しないような環境を作ることが大切で
ある。
には、下方循環手法を採用し且つ好気性バクテリが繁殖
し易い環境を設定することが特に重要であることが理解
されよう。そのため、水槽の濾過方法として、底面濾過
方式、上部濾過方式、密閉濾過方式、オーバーフロー濾
過方式等の各種の方式が開発されている(例えば、特開
昭63−151323号公報等参照)。しかし、好気性
バクテリの繁殖性という点から見た場合、いまだ充分満
足したものは開発されていない。
に鑑みてなされたもので、好気性バクテリが繁殖し易い
環境を設定できる海水魚の飼育方法を提供することを目
的とする。
このような問題を解決するため鋭意研究を進めた結果、
水槽以外の外部フイルターを使用し、更に濾材の粒をあ
る大きさに限定したところ、確実に好気性バクテリアの
繁殖を促進させて海水魚を飼育するために極めて効果の
あることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成す
るに至ったものである。
濾過槽を有するフイルターシステム装置Bと該装置の上
に載置され珊瑚砂を濾材とした底部濾過装置を持つ水槽
とからなる海水魚の観賞用水槽装置を使って熱帯魚を飼
育する際、前記珊瑚砂の粒の大きさを2.5〜3.5m
mにした海水魚の飼育方法に存する。そして、(2)、
フイルターシステム装置の濾過槽は、1段目がセラミッ
クを濾材とする濾過槽で、2段目がカルシウムを含む砂
状物を濾材とする濾過槽である上記(1)の海水魚の飼
育方法に存する。そしてまた、(3)、水槽内で海水魚
を飼育するに際し、水槽の水を最初に水槽内で粒の大き
さが2.5〜3.5mmの珊瑚砂の濾材にて底部濾過を
行なった後、水槽の外で、セラミック濾材にて第1段の
濾過を行なうことにより少なくともPHを向上させ、次
にカルシウムを含む砂状物の濾材にて第2段の濾過を行
ない、その後殺菌させる海水魚の飼育方法に存する。
は、本願発明の実施例である海水魚を飼育する観賞用水
槽装置の全体を示すものである。水槽Aは、直方体で4
つの面を、硝子、プラスチック等のアクリル等を素材と
する透明の側面板A1で被われており、4方向から中の
海水魚を観賞することができる。底板A2には側面板A
1が嵌め込まれてパッキング(図示しない)等で密封さ
れ水を入れる容器状になっている。水槽Aの底部には、
パンチ板1が底面(底板の上面)から約35mmの距離
を隔てて設置されており上げ底を形成しているが、この
底面からの距離は、通常20〜50mmの範囲が多く採
用される。
で、ちょうど受け箱体を逆に伏せたような形状になって
おり、水槽の底面とパンチ板1との間には底部空間Pが
形成される。パンチ板1の上は、約2.5mm位のメッ
シュの金属性又プラスチック性の網状シート2で覆って
あり、該網状シート2の上には、カルシウムを含む砂状
物である珊瑚砂3が集積されている。これら珊瑚砂1、
パンチ板1、及び網状シート2とで、いわば水槽内での
底面濾過装置が構成されている。ここでカルシウムを含
む砂状物として珊瑚砂を選んだのは、珊瑚砂が表面積が
広くてカルシウムを多く含むため、本発明の砂状物とし
ては最適であるからである。珊瑚砂3は、30〜50m
mの厚さにして均等にさばいて敷き詰められており、網
状シート2のメッシュ目が珊瑚砂3より小さく設定され
ていることから、下には落ちることはない。パンチ板1
は、通常の水の循環を考慮にいれた設計により、上板と
側板の部分が8〜10mmおきに内径が3〜5mmの大
きさの細穴1Aが設けられており、また上に珊瑚砂3を
載置することから、それに耐えるだけの充分な強度を持
たせてある。
部に底部空間Pを作るためや、また、珊瑚砂等を通って
流れてきた水を、下方に自由に逃がしてやるための役割
を有する。本発明で使用するカルシウムを含む砂状物で
ある珊瑚砂3は、その粒の大きさが2.5mm〜3.5
mmのものが採用されるが(本発明でいう珊瑚砂や砂状
物の大きさとはその粒の外径をいう)、好ましくは3m
m前後のものが良い。3mmより僅か大きい目の篩と3
mmより僅か小さい目の篩を通すことによりほぼ3mm
の外径のものが得られる。
状物である珊瑚砂3の大きさは、濾過特性として極めて
重要であるので、この点についてここで述べておく。発
明者らは、当初、全くそのカルシウムを含む砂状物の大
きさに関心を払わず、砂状物の径が大きければ大きい
程、該砂状物の目詰まりを防止できるだろうとの見解か
ら、清掃の際洗い易いように、できるだけ大きめの5〜
8mm位の粒の粗目の砂状物である珊瑚砂を使ってい
た。ところが、このような大きさだと砂状物の空間同志
に余裕があるため、意外にも飼料や排泄物が珊瑚砂の隙
間に入り込んで詰まってしまって、そこには水が流れ
ず、詰まらない部分を通して水がバイパスして流れてし
まう現象が生ずるのである。
ら、そこに腐敗が起こり、その結果、嫌気性バクテリア
が多く繁殖して有毒ガスが溜まる原因になるのである。
そこで発明者等は、幾つかの実験を試みた結果、3mm
程度の大きさにすると、水の流れが偏ってしまうことや
排泄物が詰まるようなことがなく、平均に水が珊瑚砂の
層を通過することがわかった。ところで、底部空間P1
に入った水は、オーバーフロー枠体4の穴部4Aから出
て再び上昇し落水管5の頂部5Aより下に流れ込む。そ
して水槽Aの下に設けられたフイルターシステム装置B
に送られる。このフイルターシステム装置Bに流れ込ん
だ水は、該装置を通って濾過された後、最終的に再び上
の水槽に戻されるが、この時のポンプの揚水力は飼育に
適した通常の循環速度の範囲(1.5〜2回の水槽水の
回転/10分間)を基準として設定されており、揚水力
に自ずと限度があり、むやみに大きくすることはできな
い。
とすると、通常の循環速度で設定されている飼育水槽で
は、オーバーフロー枠体の穴部4Aが水槽隅部に設けら
れているため、負圧となる吸い込み力が底部空間全体に
均等に作用せず、穴部4Aの付近に集中して大きくかか
り、その結果、穴部4Aと離れたところでは、吸い込み
力が弱くなるのである。したがって、水は穴部4Aの周
囲だけ上から下に多く循環し、そこから離れた部分程循
環が悪くなって偏りのあるものになり、上げ底全体に均
一的な循環とならない。
流れに淀みが生ずることになり、水の循環効率は極めて
悪くなる。したがって、それを防止するには、パンチ板
の上に珊瑚砂3を積載する場合、珊瑚砂はオーバーフロ
ー枠体4の穴部の周りを厚く、離れるにしたがって薄く
なるように、層に勾配を設けて敷きつめることが必要で
あった。ところが、本発明のように珊瑚砂3が2.5〜
3.5mm(特に好ましくは約3mm程度)の大きさだ
と吸い込み力が全体に平均してかかり、循環形態に偏り
が生じなくよどみが無くなるため、結果的に有害となる
嫌気性バクテリアが繁殖することがない。そして珊瑚砂
の水槽の底への敷きつめ方もわざわざ傾斜させる必要も
なく、平均に敷きつめるだけで良く扱いが簡単である。
ても、珊瑚砂3の粒の大きさが2.5〜3.5mm、特
に好ましくは3mmの大きさであることは、海水魚の観
賞水槽として極めて好都合なのである。この点を示す確
証として、実験例1を行なったので後で述べる。珊瑚砂
3の敷きつめる厚さとしては、5cm以内が採用され、
3〜5cmが好ましく、5cm以上では、酸素をバクテ
リアが食って消費してしまい、そこを出た酸素の溶存率
が低くなるから適当でない。
ー枠体4が設けられ、その中に落水管5が配設され、該
落水管は後述するフイルターシステム装置Bの第1濾過
槽7にまで延設されている。またオーバーフロー枠体4
の水槽の水面位置には、水槽内の水面に浮かぶ油膜を取
り除くための油膜取り穴4Cが複数個空けられており、
油膜はこの穴を通してオーバーフロー枠体内に流れ込
み、その後、直ちに落水管の頂部5Aから下に流れ落ち
フイルターシステム装置Bに送られ浄化される。底部空
間Pに入った水は、水槽のオーバーフロー枠体4の穴部
4Aから出て再び上昇し、落水管5の頂部5Aを通って
下に流れ落ち、水槽Aの下に設けられたフイルターシス
テムB装置に送られる。フイルターシステム装置Bは、
水槽Aの水を水槽の外部から更に濾過する機能を有する
もので、水槽Aはこのフイルターシステム装置Bの枠体
B1の上に載置される形となる。フイルターシステム装
置Bが水槽Aの下に置かれて、水槽の上部には何も障害
物がないことから、水槽を観賞する時極めて広範囲から
見ることができ視野が広がる。フイルターシステム装置
Bは、主として、フイルター装置C(1段目の第1段濾
過槽7と2段目の第2段濾過槽8とより構成される)、
殺菌装置D、またそれらを相互に結ぶ送水管12等より
なる。
段濾過槽とを内包する容器板C1の中に、濾過槽板7A
と濾過槽板8Aとが仕切りとして設けられ、第1段濾過
槽7と第2段濾過槽8とが区別されて並列に備わってい
るものである。第1段の濾過槽7は、容器板C1、濾過
槽板7A、パンチ板7C、セラミック濾材7B等より構
成される。パンチ板7Cは、足付きで平板状又は受け箱
状になって全体に細穴が空けられており、この細穴は濾
過装置全体の循環効率を考えた設計により、前述した水
槽底部のパンチ板と同じように設けられている。このパ
ンチ板の直接上に、セラミック濾材7Bが約50〜80
mmの厚さで、捌いて積載されている。セラミック濾材
の粒は、珊瑚砂と違ってその大きさによって濾過効果が
差ほど違わないため、前述したような通常使うパンチ板
の細穴からは落ちない大きさとしており(好ましくは約
10mm前後)、パンチ板の上に載置されるだけであっ
て網状シートを必要としない。セラミック濾材7Bは、
必要な時に洗浄するが(約1ヵ月に一度位)、その場合
はパンチ板7Cを持ち上げることにより、それと簡単に
一緒に外部に取り出して洗うことができる。セラミック
濾材7Bは、濾過機能としてはPHの向上させるための
ものであり、水槽底面での濾過だけでは、十分なPHの
向上が期待できないことから、海水に熱帯魚を入れた状
態でPH7.8〜8.3程度の範囲に維持するには、セ
ラミック濾材7Bによる濾過の補完が必要となる。もっ
とも、セラミック濾材7Bによる濾過は主にPHの向上
にあるが、生物的濾過機能も有することはいうまでもな
い。
ンチ板7Cの細穴を通過して第1下部空間P1に達す
る。第1下部空間P1に達した水は、この後出口7Dか
ら出て再び上昇して次の第2段濾過槽の上端部より中に
流れ込む。第1段濾過槽7と第2段濾過槽8との間に
は、エアーレーションを行なうための爆気装置、例えば
エアーストーン10等が配置され、充分な溶存酸素を与
えている。またヒーターセンサー9を配置させ、サーモ
スタットにより水温を最適な温度に保っている。
板8A、パンチ板8C、網状シート8D、及び珊瑚砂8
B等より構成される。パンチ板8Cは足付きで平板状又
は受け箱状になって全体に細穴が空けられており、この
上に金属性又はプラスチック性の網状シート8Dが敷か
れた上で、珊瑚砂8Bが約50〜80mmの厚さにさば
いて積載されている。珊瑚砂8Bは、必要な時に洗浄
(約1ヵ月に一度位)するが、その場合はパンチ板8C
を持ち上げることにより、簡単にそれと一緒に外部に取
り出して洗うことができる。水槽の底での珊瑚砂でのと
ころで前述したように、珊瑚砂の粒は3mm程度の大き
さをしているが、それよりパンチ板の細穴のほうが循環
効率の点から大きい設定となっているため、パンチ板だ
けではその細穴を通して珊瑚砂が下に落下してしまう。
そのため、パンチ板8Cの上には珊瑚砂8Bよりやや小
さいメッシュの網状シート8Dが敷かれており、珊瑚砂
8Bはパンチ板8Cの細穴からは下に落下しない。珊瑚
砂14は好気性バクテリアを繁殖させて有毒物を変化さ
せてしまう生物濾過作用を効率良く行うものである。
面wより下にあるので、前述したように水槽の中の上げ
底の上に積載された珊瑚砂と全く同じ状態に置かれてお
り、第2段濾過槽での濾過態様もほぼこれと同様なもの
となる。珊瑚砂8Bを通過した水は、パンチ板8Cの細
穴を通過して第2下部空間P2に達する。第2下部空間
P2に達した後は、その後、ポンプ力により第1送水管
12を通って上げられ殺菌装置Dに送られ、光学的殺菌
作用により微生物等に対して殺菌が十分施される。セラ
ミック濾材によるPHの向上と、エアーレーションによ
る溶存酸素率の向上及び、珊瑚砂による生物的濾過の3
つの条件を満足した後の水に対して殺菌が施されるの
で、殺菌効果が極めて優れたものとなる。殺菌装置Dを
出た後は第2送水管6を通って再び上昇して水槽の水面
近くに位置する噴出口から吐出される。
濾過工程を持ち、またそれらが特有の配置を有している
ことから、極めて効率のよい濾過機能を備えたものとな
っている。即ち、水槽装置の水は、先ず珊瑚砂3による
水槽の底部濾過→第1段濾過槽のセラミック濾材7B
(ウエット方式)→第2段濾過槽の珊瑚砂8B(ウエッ
ト方式)と通過して、主に生物的濾過作用→PHの向上
→生物濾過作用が連続して行なわれ、必要なPHの向上
安定、及び充分な好気性バクテリア繁殖という海水魚に
最も重要な環境要因である2つの条件を充足することが
できる。更に、第1段濾過槽7と第2段濾過槽8との間
にエアーストーン10を使ったエアーレーションを行な
っているので、充分溶存酸素率を向上させた水に対して
珊瑚砂により生物的濾過がなされることになり、その結
果、好気性バクテリアの繁殖には極めて好条件を与える
結果となる。循環ポンプ11は、水槽Aからフイルター
システム装置Bに水を循環させるものであり、その位置
は循環通路の一部に配設されれば良い。
る。先ずポンプ11が起動されると、水槽Aの水は、そ
の底部にある珊瑚砂3の砂表面を撫でるように通過し、
且つ底面全体に均等に通過しパンチ板1の細穴1Aを通
って底部空間P1に流れ込む。この過程で珊瑚砂に繁殖
させた好気性バクテリアにより、窒素化合物を分解させ
る(生物的濾過作用)。次に、底部空間P1に流れた後
は、オーバーフロー枠体4の穴部4Aから出て一旦上昇
し、落水管5の頂部5Aから下に流れ込む。
り、水槽Aの下に設けられたフイルターシステム装置B
の第1段濾過槽7に噴出される。セラミック濾材7Bを
通過するうちにPHが向上され、パンチ板7Cを通って
その下の下部空間P1に達する(PHの向上安定作
用)。そして、下部空間P1から外に出てエアーストー
ン10によりエアーレーションが行なわれ、またヒータ
センサー9により最適に温度調整がなされる。この後、
第2濾過槽の濾過槽板8Aの上を通り、該槽内に入る。
ここでは、珊瑚砂8Bの砂表面を撫でるように通過し、
且つ底面全体に均等に通過しパンチ板8Cの細穴を通っ
て底部空間P2に流れ込む。
により第1送水管12を通って上昇し、殺菌装置Dに送
られ、光の殺菌作用により微生物等に対して十分な殺菌
が施される(殺菌作用)。殺菌装置Dを出た後は、第2
送水管6を通って再び上昇して水槽の水面近くに位置す
る噴出口6Aから吐出される。ここで水面近くから吐出
されるのは、底面に沈殿したヘドロ等を再び舞上げない
で循環を保証するためである。吐出された水はまたその
底部にある珊瑚砂3により底部濾過が行なわれ、以下上
述したようなことが繰り返される。
ら逸脱しない範囲で、他のいろいろな変形例が可能であ
る。その意味で実施例については例示であり、何らそれ
だけに拘束して限定的に解釈されるものではない。例え
ば、水槽の底及び2段のフイルター装置の砂状物とは、
珊瑚砂に限らず少なくともカルシウムを含むものであれ
ば十分適用可能である。
置を有する水槽装置(上部水槽の大きさ1200mm×
600mm×600mm)を4つ用意した。1つ目の水
槽装置は水槽の底部及びフイルター装置の2段濾過槽の
濾材として3mmの大きさでカルシウムを含んだ砂状物
(ここでは3mmの珊瑚砂)を用いた水槽装置〔水槽装
置(イ)〕、2つ目の水槽装置は水槽底部及びフイルタ
ー装置の2段濾過槽の濾材として5mmの大きさである
カルシウムを含んだ砂状物(ここでは5mmの珊瑚砂)
を用いた水槽装置〔水槽装置(ロ)〕とした。3つ目の
水槽装置は水槽底部及びフイルター装置の2段濾過槽の
濾材として7mmの大きさであるカルシウムを含んだ砂
状物(ここでは7mmの珊瑚砂)を用いた水槽装置〔水
槽装置(ハ)〕とした。4つ目の水槽装置は水槽底部及
びフイルター装置の2段濾過槽の濾材として2mmの大
きさであるカルシウムを含んだ砂状物(ここでは2mm
の珊瑚砂)を用いた水槽装置〔水槽装置(ニ)〕とし
た。上記の水槽装置(イ)、水槽装置(ロ)、水槽装置
(ハ)、及び水槽装置(ニ)とにインク液滴を落とし
て、水槽の循環速度が1.5回転/10分間の状態で目
視により、水の通過状態を観察した。
流れの状態を模式的に示したものである。水槽装置
(イ)においては、上げ底(パンチ板)全体に均等に通
過して循環が均一であることが観察された。図3(ロ)
はその水槽装置(ロ)の底部の流れの状態を模式的に示
したものである。水槽装置(ロ)においては、オーバー
フロー枠体の穴部に近い方が通過が速く、それより離れ
る程通過が遅くなるのが観察された。図3(ハ)はその
水槽装置(ハ)の底部の流れの状態を模式的に示したも
のである。水槽装置(ハ)においては、水槽装置(ロ)
の流れの状態がやや誇張された状態で、オーバーフロー
枠体の穴部に近い方が更に通過が速く、それより離れる
と通過が極めて遅くなるのが観察された。図3(ニ)は
その水槽装置(ハ)の底部の流れの状態を模式的に示し
たものである。水槽装置(ニ)においては、全体に目詰
まり気味で通過が極端に悪いのが観察された。
部にフイルターシステム装置を有する水槽装置(上部水
槽の大きさ1200mm×600mm×600mm)を
4つ用意した。1つ目の水槽装置は、図1と全く同じ水
槽装置において水槽の底部濾過装置の濾材及びフイルタ
ー装置の第2段濾過槽の濾材として3mmの大きさのカ
ルシウムを含んだ砂状物(ここでは3mmの珊瑚砂を使
った)を用いた水槽装置〔水槽装置(ホ)〕、2つ目の
水槽は、図1と全く同じ水槽装置において水槽の底部濾
過装置の濾材及びフイルター装置の第2段濾過槽の濾材
として5mmの大きさのカルシウムを含んだ砂状物(こ
こでは5mmの珊瑚砂を使った)を用いた水槽装置〔水
槽装置(ヘ)〕、3つ目の水槽は、図1と全く同じ水槽
装置において水槽の底部濾過装置の濾材及びフイルター
装置の第2段濾過槽の濾材として7mmの大きさのカル
シウムを含んだ砂状物(ここでは7mmの珊瑚砂を使っ
た)を用いた水槽装置〔水槽装置(ト)〕、4つ目の水
槽は、図1と全く同じ水槽装置において水槽の底部濾過
装置の濾材及びフイルター装置の第2段濾過槽の濾材と
して2mmの大きさのカルシウムを含んだ砂状物(ここ
では2mmの珊瑚砂を使った)を用いた水槽装置〔水槽
装置(チ)〕とし、それぞれ水のphを7.8に調整し
た。そして各水槽装置にはコバルトスズメ(魚名)を5
0匹ずつ入れ、水槽装置の循環速度を1.5回転/10
分間にして濾過し続けた。そして濾過の効果を見るため
アンモニア及び亜硝酸の水中濃度を100日間測定して
その結果を記録した。
と亜硝酸との経時変化を示した図である。これからわか
るように、水槽装置(ホ)については、アンモニアは早
くも40日目で、また亜硝酸は45日目で0になった。
また魚については、100日目でも全部の魚が極めて活
気があり、生き生きとして水槽内を泳ぎ回っていた。
アと亜硝酸との経時変化を示した図である。これよりわ
かるように、水槽装置(ヘ)については、アンモニア
は、50日目でピークを迎えその後減少して95日目で
0になった。また亜硝酸は、アンモニアがピークになっ
た後も15日位増加し続け65日目でピークを迎え、そ
の後減少していくが、100日経ても3PPM残った。
また魚については、100日目でも全部の魚が生きてい
たが、その動きに俊敏さが欠け、色つやがやや悪い。
アと亜硝酸との経時変化を示した図である。これよりわ
かるように、水槽装置(ト)については、アンモニア
は、35日目でピークを迎え10日程それを維持しその
後減少していくが、100日経ても4.5PPM残っ
た。また、亜硝酸は、40日目でピークを迎えその後も
この状態を維持し、65日目から減少していくが100
日経ても6.5PPM残った。また魚については、35
日目で全て死亡した。
アと亜硝酸との経時変化を示した図である。これよりわ
かるように、水槽装置(チ)については、アンモニアは
35日目でピークを迎え、その後減少し75日目で0に
なった。また亜硝酸は50日目でピークを迎えた後、減
少して95日目でほぼ0になった。また魚については、
30日目から動きに俊敏さが欠け色つやが悪くなってき
たが、95日目より元の動きに徐々に回復してきた。
テム装置の濾材として用いたカルシウムを含む砂状物が
充分な好気性バクテリアの繁殖を促しアンモニアや亜硝
酸を分解する作用を行なうため海水魚の飼育に好適な環
境が設定される。
概略図である。
図である。
態を模式的に示した図である。図3(ロ)は水槽装置
(ロ)の底部の流れの状態を模式的に示した図である。
図3(ハ)は水槽装置(ハ)の底部の流れの状態を模式
的に示した図である。図3(ニ)は水槽装置(ニ)の底
部の流れの状態を模式的に示した図である。
硝酸との経時変化を示した図である。
硝酸との経時変化を示した図である。
硝酸との経時変化を示した図である。
硝酸との経時変化を示した図である。
Claims (3)
- 【請求項1】 2段の異なった濾過槽を有するフイルタ
ーシステム装置Bと該装置の上に載置され珊瑚砂を濾材
とした底部濾過装置を持つ水槽とからなる海水魚の観賞
用水槽装置を使って熱帯魚を飼育する際、前記珊瑚砂の
粒の大きさを2.5〜3.5mmにしたことを特徴とす
る海水魚の飼育方法。 - 【請求項2】 フイルターシステム装置の濾過槽は、1
段目がセラミックを濾材とする濾過槽で、2段目がカル
シウムを含む砂状物を濾材とする濾過槽であることを特
徴とする請求項1記載の海水魚の飼育方法。 - 【請求項3】 水槽内で海水魚を飼育するに際し、水槽
の水を最初に水槽内で粒の大きさが2.5〜3.5mm
の珊瑚砂の濾材にて底部濾過を行なった後、水槽の外
で、セラミック濾材にて第1段の濾過を行なうことによ
り少なくともPHを向上させ、次にカルシウムを含む砂
状物の濾材にて第2段の濾過を行ない、その後殺菌させ
ることを特徴とする海水魚の飼育方法。
Priority Applications (1)
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JP6052687A JP2618331B2 (ja) | 1994-02-26 | 1994-02-26 | 海水魚の飼育方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP6052687A JP2618331B2 (ja) | 1994-02-26 | 1994-02-26 | 海水魚の飼育方法 |
Publications (2)
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JPH07236391A JPH07236391A (ja) | 1995-09-12 |
JP2618331B2 true JP2618331B2 (ja) | 1997-06-11 |
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ID=12921808
Family Applications (1)
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JP6052687A Expired - Lifetime JP2618331B2 (ja) | 1994-02-26 | 1994-02-26 | 海水魚の飼育方法 |
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JP (1) | JP2618331B2 (ja) |
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JP3027956U (ja) * | 1996-02-14 | 1996-08-20 | 株式会社ユー・コーポレーション | スイッチガード |
-
1994
- 1994-02-26 JP JP6052687A patent/JP2618331B2/ja not_active Expired - Lifetime
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Publication number | Publication date |
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JPH07236391A (ja) | 1995-09-12 |
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