JP3476155B2 - 海水魚を飼育する方法及びそのための鑑賞用水槽 - Google Patents

海水魚を飼育する方法及びそのための鑑賞用水槽

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JP3476155B2
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  • Farming Of Fish And Shellfish (AREA)
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  • Filtering Materials (AREA)
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は海水魚を鑑賞しながら
飼育する方法及びその鑑賞用水槽に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、趣味の多様化が進むとともに愛玩
用の動物を室内で飼うことが多くなった。しかし趣味と
しての範囲であっても、動物であるから場所を結構必要
とすることや、鳴き声が外に伝わり付近に迷惑になる等
から、トラブルが多い。このような背景から、最近は、
家庭でも狭い場所で飼育鑑賞できる熱帯魚等の鑑賞魚を
飼う家庭が増えている。鑑賞魚は場所を取らず、臭いも
なく、鳴き声もせず、その上綺麗であり愛玩用として
は、最高である。
【0003】ところで、鑑賞魚の中でも淡水魚は多く飼
われているが、海水魚が意外と飼われてなく、淡水魚の
約1割程度である。本来海水魚は原色的なカラフルさを
持ち、動きも極めて俊敏で且つ活発であるため鑑賞用と
しては、淡水ものより遙かに適しているのであるが、今
でもその普及がかなり遅れている。
【0004】その理由として、海水魚は一般に塩分を含
んだ水中での環境で育てるため、溶存酸素量が少なく、
酸素を嫌うバクテリアが繁殖し易いという欠点があるか
らである。酸素を嫌うバクテリア即ち嫌気性バクテリア
が発生すると、腐敗物等を毒性の強い硫化物に変化させ
てしまう。このようなことから、海水魚を鑑賞用の水槽
内で長く飼育するには嫌気性バクテリアの発生を極力抑
えることが必要であるが、そのためには、厄介な水質、
水温等の管理をしなければならず手数がかかるのであ
る。このように海水魚を鑑賞用として利用するには、飼
育方法に問題があるのが難点である。ところで、海水魚
を長期に渡って飼育するには、魚本来が好む住みやすい
環境を作ってやることが、肝要であるが、住みやすい環
境とは、具体的には、魚の死亡原因を極力排除された環
境であるといえる。
【0005】次に海水魚の死亡原因を挙げる。 1.比重(塩分濃度)の異常(1.016〜1.024
の範囲外) 2.水温の異常 (イ)20〜30℃の範囲外 (ロ)水温の急変 3.ペーハーの異常 7.5〜8.2の範囲外 4.餌の不足 5.過大飼育数 (イ)水槽の許容収容魚数の限度を越えた魚数 (ロ)水槽の許容魚体積の限度を越えた大きさの魚 6.水質の悪化 (イ)不純物の混入 (ロ)アンモニアの発生 (ハ)亜硝酸の発生 (ニ)嫌気性バクテリアによる有毒ガスの発生 7.酸素の欠乏 8.魚同士のトラブル(捕食、喧嘩、共食い等) 9.病気の発生 (イ)白点病 (ヘ)ウーディニウ
ム (ロ)リンホシステス (ト)虚食症 (ハ)トリコディナ (チ)寄生虫 (ニ)尾腐れ病 (リ)内蔵疾患 (ホ)ポップアイ
【0006】ここで、上記の死亡原因のうち、その90
〜95%は、6.水質悪化の(ロ)アンモニアの発生、
(ハ)亜硝酸の発生、及び(ニ)嫌気性バクテリアによ
る有毒ガスの発生と、9.の病気の発生の(イ)白点病
である。前者の6.の(ロ),(ハ),(ニ)は、濾過
システムを改良し好気性バクテリアを利用することによ
り解決できるものであり、また後者の9.の(イ)は、
同様に濾過システムの改良か、その他の方法として薬で
治療するかで十分解決できるものである。
【0007】従って死亡原因のそのほとんどを濾過シス
テムの改良で排除することが可能である。即ち6.の
(ロ)アンモニアの発生、(ハ)亜硝酸の発生を防ぐに
は、好気性のバクテリアがそれらを無毒なものに変化さ
せてしまうので、好気性のバクテリアを発生するような
環境を設定すればよい。また、(ニ)嫌気性バクテリア
による有毒ガスの発生を防止するには、嫌気性バクテリ
アをなくすることが必要であるが、逆にいうと、嫌気性
バクテリアが酸素を嫌うことから、酸素を好む好気性バ
クテリアの発生するような環境を設定することが重要で
ある。尚、9.の(イ)の白点病は、単細胞せん毛虫の
寄生による病気であり、水底で爆発的に増殖する習性が
あるため、水の流れを上から下にする下方循環濾過にし
て、魚の住む領域には病原体である単細胞せん毛虫が侵
入しないような環境を作ることが大切である。
【0008】以上のようなことから、海水魚を飼育する
には、結局好気性バクテリが繁殖し易い環境を設定する
ことが特に重要であることが理解されよう。そのため、
水槽の濾過方法として、各種の方式が開発されており、
その一つとして砂利を底面濾材として水槽の水を循環し
濾過するものがある。(例えば、特開昭63−1513
23号公報等参照)。しかし、砂利を使うと好気性バク
テリの生息が不十分なのか、どうしても水中のアンモニ
アや亜硝酸を十分消化しきれないのである。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる事情
に鑑みてなされたもので、好気性バクテリを繁殖し易す
くした海水魚の飼育方法、及びそのための鑑賞用水槽を
提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】しかして、本発明者等
は、このような問題を解決するため鋭意研究を進めた結
果、濾材の材質として、例えば、大磯砂、珊瑚砂、珪
砂、川砂、海砂等の砂状物の中でも、カルシウムを多く
含んでいる砂状物、例えば珊瑚砂が、好気性バクテリア
を育てる材料として好適であること、そして更に、カル
シウムを多く含んでいる砂状物の砂粒の大きさをある大
きさに限定したものを使用した時、海水魚を育てるため
の水槽として最適になることを見出し、この知見に基づ
いて本発明を完成させるに至ったものである。
【0011】即ち、本発明は、濾材を積載した細穴付き
上げ底を有する水槽と該水槽の上部に水を濾過するため
空間を介した3段の異なった濾材を有するフイルター
システム装置を載置した海水魚の鑑賞用水槽内で熱帯魚
を飼育する際、その細穴付き上げ底上に載置される濾材
を珊瑚砂とし、且つ大きさを2.5〜3.5mmにし、
また3段の異なった濾材により、爆気作用、物理的濾
過、爆気作用、PHの向上、爆気作用、生物濾過を上か
この順序で行う海水魚を飼育する方法に存する。
【0012】そして、 物理的濾過としてマット材、P
Hの向上としてセラミック濾材、生物濾過として珊瑚砂
を用いる海水魚を飼育する方法に存する。そしてまた、
細穴付き上げ底上に載置される濾材である珊瑚砂の敷き
つめる厚さは、10cm以内とする海水魚を飼育する方
法に存する。そしてまた、生物濾過がなされた後の水
は、濾材を積載した細穴付き上げ底を有する水槽の表層
部に吐出する海水魚を飼育する方法に存する。
【0013】
【作用】次に水槽の水の循環工程を述べる。水槽Aの水
は、その底部にあるカルシウムを含む砂状物の砂表面を
撫でるように、且つ底面全体に均等に通過し、底部空間
Pに流れ込む。次に、一旦水槽の上部に上げられた後、
水槽Aの上に載置されたフイルターシステム装置に送ら
れ、ここで3段の濾過が行なわれる。
【0014】
【実施例】以下、図面を使って実施例を説明する。図1
は、本願発明の実施例である海水魚を飼育する鑑賞用水
槽の全体を示すものである。水槽Aは、直方体で4つの
面を、硝子、プラスチックを材料とするアクリル等の透
明の側面板A1で被われており、4方向から中の海水魚
を鑑賞することができる。底板A2には側面板A1が嵌
め込まれてパッキング(図示しない)等で密封され水を
入れる容器状になっている。水槽Aの底部には、パンチ
板1が底面(底板の上面)から約35mmの距離を隔て
て設置されており上げ底を形成しているが、この底面か
らの距離は、通常20〜50mmの範囲が多く採用され
る。
【0015】パンチ板1は上板と側板とを有する箱体に
なっており、水槽の底面とパンチ板1との間には底部空
間P1が形成される。パンチ板1の隅部には送出管4が
設けられている。パンチ板1の上は、約2.5mm位の
メッシュの金属性又プラスチック性よりなる網状シート
2で覆ってあり、該網状シート2の上には、カルシウム
を多く含む砂状物である珊瑚砂3が集積されている。珊
瑚砂は、表面積が広くてカルシウムを多く含むため、本
発明の砂状物としては好例と考えられる。珊瑚砂3は、
30〜50mmの厚さにして均等にさばいて敷き詰めら
れており、網状シート2の目が珊瑚砂3より小さく設定
されていることから、下には落ちることがない。パンチ
板1は、通常の水の循環を考慮にいれた設計により、上
板と側板の部分が8〜10mmおきに通常3〜5mmの
細穴1Aを有するものであり、また上に珊瑚砂3を載置
することから、それに耐えるだけの充分な強度を持たせ
てある。
【0016】パンチ板1は、上げ底を形成し水槽Aの底
部に底部空間Pを作るためや、また、珊瑚砂等を通って
流れてきた水を下方に自由に逃がしてやるための役割を
有する。本発明で使用する珊瑚砂3は大きさが2.5m
m〜3.5mmのものが採用されるが(本発明でいう珊
瑚砂や砂状物の大きさとは外径をいう)、好ましくは約
3mm前後のものが良い。
【0017】この珊瑚砂3の大きさは極めて大事である
ので、ここでこの点について述べておく。発明者らは、
最初全くそのカルシウムを含む砂状物の大きさに関心を
払わず、砂状物の径が大きければ該砂状物の目詰まりを
防止できるだろうとの見解から、洗いやすくできるだけ
大きめの5〜6mm位の粗い目の砂状物である珊瑚砂を
使ってみた。ところがこのような大きさだと砂状物の空
間同志に余裕があるため、意外にも飼料や排泄物が珊瑚
砂の隙間に入り込んで詰まってしまって、詰まらない部
分を通して水がバイパスして流れてしまうのである。
【0018】そしてその詰まった部分が滞ることからそ
こから腐敗が起こり、その結果、嫌気性バクテリアが繁
殖して有毒ガスが溜まるのである。その場合、約3mm
程度の大きさにすれば、水の流れが偏ることが原因で排
泄物が詰まるようなことがなく、平均に水が流れること
がわかった。また、底部空間P1に入った水は、そこか
ら水槽の上に載置されたフイルターシステム装置に送ら
れるため、一旦上に上げられるが、この時のポンプの揚
水力は飼育に適した通常の循環速度の範囲(1.5〜2
回の水槽水の回転/10分間)であり自ずと限度があ
り、むやみに大きくすることはできない。
【0019】珊瑚砂3を大きい粗い目のものとすると、
通常の循環速度で設定されている飼育水槽では、吸い込
み口4Aが水槽隅部に設けられているため、吸い込み力
である負圧が底部空間全体に均等に作用せず、吸い込み
口4Aの付近に集中して大きくかかり、その結果、吸い
込み口と離れたところでは、吸い込み力が弱くなるので
ある。したがって、水は吸い込み口の回りだけ循環し、
そこから離れた部分程循環が悪くなって偏りのある循環
になり上げ底全体に均一的な循環とならない。
【0020】その結果、吸い込み口4Aから離れたとこ
ろでは流れに淀みが生ずることになり、循環効率は極め
て悪くなる。したがって、それを防止するには、珊瑚砂
3を吸い込み口4Aの近くを厚く、離れるにつれて薄く
全体として傾斜させて敷きつめることが必要であった。
本発明のように珊瑚砂3が2.5〜3.5mmだと吸い
込み力が全体に平均してかかり、循環形態に偏りが生じ
なく、有害となる嫌気性バクテリアが繁殖することがな
い。そして珊瑚砂の水槽の底への敷きつめ方もわざわざ
傾斜させる必要もなく平均に敷きつめるだけで良い。
【0021】以上のように、排泄物や水循環の点からみ
ても、珊瑚砂3の大きさが2.5〜3.5mmであるこ
とは海水魚の鑑賞水槽として極めて好都合なのである。
また珊瑚砂3の敷きつめる厚さとしては、10cm以内
が適当で、10cm以上あると、酸素をバクテリアが食
って使ってしまい、そこを出た酸素の溶存率が低くなる
から適当でない。
【0022】一方、水槽Aの上には、縁体A3を介して
水槽の水を濾過する機能を有するフイルターシステム装
置Bが載置されている。フイルターシステム装置Bは、
主として水の散布部と、第1段フイルター部、第2段フ
イルター部、及び第3フイルター部よりなる3段のフイ
ルター装置と、殺菌灯6、循環ポンプ5、及び噴出ノズ
ル17等よりなる。散布部分は送入管に穴7Aが開いた
状態のもので、フイルター装置Cのマット体8の上に空
間S1を介して水を散布させる。
【0023】フイルター装置Cは枠体19の中に幾種類
かの濾材を上から下に段階的に設けたもので、第1段フ
イルター部は、ウールマットのようなマット材8とそれ
を支えるパンチ板9よりなる。パンチ板9は受け箱状に
なって枠体19の桟10に支持されており、マット材8
はその中に嵌め込まれているが、パンチ板9は板状のも
のでもよく、その場合は、マット材8はパンチ板9の上
に載置されるだけである。マット材8は水中の含有混物
を取り除くいわゆる物理的濾過を行うもので、そこに吸
着した付着物をとるため、定期的に洗浄するが、その場
合はパンチ板9を持ち上げることにより簡単に一緒に外
部に取り出して洗うことができる。マット材8を通って
きた水はパンチ板の細穴9Aから下に落下する。パンチ
板9の下には空間が設けられており、第1段フイルター
部とこの空間S2を隔ててその下には第2段フイルター
部が設けられている。
【0024】第2段フイルター部はセラミック濾材11
とそれを支えるパンチ板12よりなり、パンチ板12は
受け箱状になって枠体19の桟13に支持さており、こ
の上にセラミック濾材11の小片が積載されている。パ
ンチ板12は板状のものでもよく、セラミック濾材11
は珊瑚砂と違ってその大きさによって濾過効果が差ほど
違わないため、前述したような通常使うパンチ板の細穴
からは落ちない大きさとしており、パンチ板の上に載置
されるだけある。セラミック濾材11は、定期的に洗浄
するが、その場合はパンチ板12を持ち上げることによ
り簡単に一緒に外部に取り出して洗うことができる。セ
ラミック濾材11を通ってきた水は、パンチ板の細穴1
2Aから下に落下する。パンチ板12の下には空間S3
が設けられており、第2段フイルター部とこの空間を隔
てて更にその下には第3段フイルター部が設けられてい
る。ただ第1フイルター部と第2フイルター部との間と
異なって、第2段フイルター部と第3段フイルター部と
の間の空間S3には、中程まで水面がきている。
【0025】第3段フイルター部は、珊瑚砂14と金属
性又はプラスチック性の網状シート15及びそれらを支
えるパンチ板16よりなり、パンチ板16は、足付きの
受け箱状になって水槽の底面と枠体19の桟17に支持
さており、この上に網状シート15を介して珊瑚砂14
が積載されている。水槽の底での珊瑚砂でのところで前
述したように、珊瑚砂14は、約3mmの大きさをして
いるが、それよりパンチ板16の細穴16Aのほうが循
環効率の点から大きい設定となっているため、パンチ板
16だけではその細穴16Aを通して珊瑚砂が14下に
落下してしまう。そのため、パンチ板16の上には珊瑚
砂14よりやや小さいメッシュの網状シート15が敷か
れており、珊瑚砂14はパンチ板の細穴16Aからは下
に落下しない。
【0026】第2フイルター部のセラミック濾材11を
通って落ちてきた水は、珊瑚砂14の上方まで達してい
るので、前述したように水槽の中の上げ底の上に積載さ
れた珊瑚砂と全く同じ状態に置かれており、第3フイル
ターでの濾過態様もほぼこれと同様である。珊瑚砂14
は、好気性バクテリアを繁殖させて有毒物を変化させて
しまう生物濾過を行うものである。第3フイルターの珊
瑚砂を通過した水は、枠体19の底部に設けられた噴出
ノズルの入り口18Aから流れ込み、ノズル噴出口18
Bから水槽の上層面近傍で吐出される。
【0027】フイルター装置Cに供給されてきた水は、
空中S1→マット材8(ドライ方式)→空中S2→セラ
ミック濾材11(ドライ方式)→空中S3→水中W→珊
瑚砂14(ウエット方式)と通過して、爆気作用→物理
的濾過→爆気作用→PHの向上→爆気作用→生物濾過が
連続して行なわれ、充分な含有混物の濾過、必要なPH
の向上安定、充分な溶酸素率の向上、及び充分な好気性
バクテリア繁殖という4つの条件を満足することができ
る。
【0028】特にセラミック濾材11による濾過は、マ
ット材8により含有雑物を濾された上、2度の空気の接
触工程による爆気作用を経た十分な酸素を含んだ水に対
してなされるので、PHの向上が極めて効率良く行なわ
れるのである。もっとも、セラミック濾材11による濾
過は、生物的濾過機能も有することはいうまでもない。
また、珊瑚砂14による濾過は、含有雑物を濾されPH
を安定させた上、3度の空気の接触工程による爆気作用
を経た十分な酸素を含んだ水に対して行なわれるので、
好気性バクテリア繁殖の繁殖には最適な醸成場所とな
る。また、このフイルター装置Cは第1フイルター及び
第2フイルターはドライ方式であり、水は計3回の空気
との接触工程による爆気作用を経るものであるから、溶
存酸素は十分なものとなり、溶存酸素の不足による補完
のためのエアーレーション等の付帯装置は全く不要であ
る。
【0029】フイルターシステム装置Bの上方には殺菌
灯6が設けられており、送出管4を通して水槽Aからポ
ンプ力により上げられてきた水は、フイルター装置Cに
行く前の段階で光の殺菌効果により微生物等が殺菌され
る。循環ポンプ5は、水槽Aからフイルターシステム装
置Bに水を循環させるものであり、その位置は循環通路
の一部に配設されれば良い。
【0030】次に、水槽Aの水が循環される工程を述べ
る。先ずポンプが起動されると、水槽Aの水は、その底
部にある珊瑚砂3の砂表面を撫でるように通過し、且つ
底面全体に均等に通過し網状シート2の目及びパンチ板
1の細穴1Aを通って底部空間P1に流れ込む。次に、
水はポンプ圧により、ここから送出管4を通り一旦水槽
の上部に上げられ水槽Aの上に載置されたフイルターシ
ステムB装置に送られる。ここでは、まず殺菌灯6に送
られて光学的殺菌効果によって、微生物等が殺菌され
る。殺菌灯6で殺菌された後は、送入管4を通じて散布
部分より第1段フイルターであるマット体8に平均に散
布され、空間S1を落下しながら爆気作用を受け、且
つ、マット体8を通過する過程で含有雑物が濾過される
(第1段)。
【0031】第1段フイルター部により含有雑物が濾過
された後は、水は2度目の空間S2を通り、空気の接触
工程による爆気作用を経ながら第2段フイルター部に落
下する。ここでは、セラミック濾材11により、PHが
向上されて調整が行なわれる(第2段)。
【0032】第2段フイルター部によりPHが調整され
た後は、水はまた3度目の空間S3を通り、空気の接触
工程による爆気作用を経ながら水面Wに落下して第3段
フイルター部に達する。ここでは、珊瑚砂14により生
物的濾過が行なわれる(第3段)。
【0033】第3段フイルター部により生物濾過がなさ
れた後は、下部空間P2を通過してノズルの入り口18
Aを通ってルズルの噴出口18Bから水槽表層部に吐出
される。ノズル18から吐出された後は、水の循環速度
にしたがってまた下の上げ底から吸い込まれて以下同じ
順路を繰り返す。
【0034】本発明で重要なことは、底部濾過における
濾材としてカルシウムを含む砂状物(例えば珊瑚砂)を
選んだこと、そしてそのカルシウムを含む砂状物でもそ
の砂状物の大きさを通常濾材として、普通と考えられて
いた4mm以上のものを使用せず、2.5〜3.5mm
のものを選択したことである。次にカルシウムを含んだ
砂状物の内、その大きさが2.5〜3.5mmの範囲に
入るものが濾材として極めて効果的であることを示す確
証として、約3mmの砂状物による後述する実験(実験
例1及び実験例2)を行なった。尚、2.5mm以下だ
と効果がないことも別の実験でわかっている。
【0035】以上述べてきたが、本発明は、その本質か
ら逸脱しない範囲で、他のいろいろな変形例が可能であ
る。その意味で実施例については例示であり、何らそれ
だけに拘束して限定的に解釈されるものではない。例え
ば、水槽の底及び3段のフイルターシステム装置の砂状
物とは、珊瑚砂に限らず少なくともカルシウムを含むも
のであれば例えば、貝殻の砕小片でも十分適用可能であ
る。
【0036】(実験例1)実施例にあるような外部に濾
過システム装置を有する水槽(900mm×600mm
×600mm)を2つ用意し、水のphを7.8に調整
した。2つの水槽は水槽の底部及びフイルター装置の3
段目の濾材として約3mmの大きさでカルシウムを含ん
だ砂状物(ここでは約3mmの珊瑚砂)を用いた水槽
(水槽A)、及び水槽の底部及びフイルター装置の3段
目の濾材として約5〜7mmの大きさであるカルシウム
を含んだ砂状物(ここでは約5〜7mmの珊瑚砂)を用
いた水槽(水槽B)とし、同じく水のphを7.8に調
整した。そして両水槽にはコバルトスズメ(魚名)を4
0匹ずつ入れた。濾材の効果を見るためアンモニア及び
亜硝酸の水中濃度を75日間測定してその結果を記録し
た。
【0037】図4は、約3mmの珊瑚砂を用いた水槽
(水槽A)におけるアンモニアと亜硝酸との経時変化を
示した図である。これからわかるように、水槽Aについ
ては、アンモニアは40日目で、また亜硝酸は45日目
で0になった。また魚については、75日目でも全部の
魚が生き生きとして水槽内を泳ぎ回っていた。
【0038】図5は、5〜7mmの珊瑚砂を用いた水槽
(水槽B)におけるアンモニアと亜硝酸との経時変化を
示した図である。これよりわかるように、水槽Bについ
ては、アンモニアは50日目で0になったが、亜硝酸は
50日目でピークを迎えた後、75日目でも1PPM残
った。また魚については、75日目でも全部の魚が生き
ていたが、動きに俊敏さが欠け、色つやが悪い。
【0039】(実験例2)実験例の水槽Aと水槽Bとに
インク液滴を落として、水槽の循環速度が1.5回転/
10分間の状態で目視により、これを観察した。図3
(イ)はその水槽Aの底部の流れの状態を模式的に示し
たものである。水槽Aにおいては、上げ底(パンチ板)
全体に均等に通過して循環が均一であることが観察され
た。
【0040】図3(ロ)は、その水槽Bの底部の流れの
状態を模式的に示したものである。水槽Bにおいては、
吸い込み口に近い方が通過が速く、それより離れると通
過が遅くなるのが観察された。
【0041】
【発明の効果】濾材として用いたカルシウムを多く含む
砂状物が、好気性バクテリアの繁殖を促しアンモニアや
亜硝酸を無害物にする作用を行なうため、鑑賞用水槽に
使用すると海水魚の飼育上極めて好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本願発明の実施例である水槽を示す概略
図である。
【図2】図2は本願発明の実施例である水槽の外観図で
ある。
【図3】図3(イ)は水槽Aの底部の流れの状態を模式
的に示した図である。図3(ロ)は水槽Bの底部の流れ
の状態を模式的に示した図である。
【図4】図4は約3mmの珊瑚砂を用いた水槽Aにおけ
るアンモニアと亜硝酸との経時変化を示した図である。
【図5】図5は5〜7mmの珊瑚砂を用いた水槽Bにお
けるアンモニアと亜硝酸との経時変化を示した図であ
る。
【符号の説明】
1 上げ底(パンチ板) 1A 細穴 2 網状シート 3 珊瑚砂 4 送出管 4A 吸い込み口 5 循環ポンプ 6 殺菌灯 7A 穴 7 送入管 8 マット材 9 パンチ板 9A 細穴 10 桟 11 セラミック濾材 12 パンチ板 12A 細穴 13 桟 14 珊瑚砂 15 網状シート 16 パンチ板 16A 細穴 17 桟 18A 入り口 18 ノズル 18B 噴出口 19 枠体 A 水槽 A1 側面板 A2 底板 A3 縁体 B フイルターシステム装置 C フイルター装置 P1 底部空間 P2 下部空間 S1 空間 S2 空間 S3 空間 W 水面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C02F 3/04 C02F 3/10 ZABA 3/10 ZAB B01D 35/02 C (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A01K 63/04 B01D 35/027 B01D 39/06 C02F 3/02 C02F 3/04 C02F 3/10 ZAB

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 濾材を積載した細穴付き上げ底を有する
    水槽と該水槽の上部に水を濾過するための空間を介した
    3段の異なった濾材を有するフイルターシステム装置を
    載置した海水魚の鑑賞用水槽内で熱帯魚を飼育する際、
    その細穴付き上げ底上に載置される濾材を珊瑚砂とし、
    且つ大きさを2.5〜3.5mmにし、また3段の異な
    った濾材により、爆気作用、物理的濾過、爆気作用、P
    Hの向上、爆気作用、生物濾過を上からこの順序で行う
    ことを特徴とする海水魚を飼育する方法。
  2. 【請求項2】 物理的濾過としてマット材、PHの向上
    としてセラミック濾材、生物濾過として珊瑚砂を用いる
    ことを特徴とする請求項1記載の海水魚を飼育する方
    法。
  3. 【請求項3】 細穴付き上げ底上に載置される濾材であ
    る珊瑚砂の敷きつめる厚さは、10cm以内とすること
    を特徴とする請求項2記載の海水魚を飼育する方法。
  4. 【請求項4】 生物濾過がなされた後の水は、濾材を積
    載した細穴付き上げ底を有する水槽の表層部に吐出する
    ことを特徴とする請求項3記載の海水魚を飼育する方
    法。
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