JP2618302B2 - 工作機械用主軸の軸受構造 - Google Patents

工作機械用主軸の軸受構造

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JP2618302B2
JP2618302B2 JP21912791A JP21912791A JP2618302B2 JP 2618302 B2 JP2618302 B2 JP 2618302B2 JP 21912791 A JP21912791 A JP 21912791A JP 21912791 A JP21912791 A JP 21912791A JP 2618302 B2 JP2618302 B2 JP 2618302B2
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滋 上野
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、工作機械用主軸の軸受
構造に関する。更に詳しくは、主としてスラスト方向に
対して加えられる衝撃荷重より主軸のベアリングを保護
するためのサポート機構を有する工作機械用主軸の軸受
構造に関する。
【0002】
【従来技術】各種工作物にみぞを形成するために立削り
盤が主に使用されている。また、キーみぞ、スプライン
みぞを形成するのには、キーみぞ盤、ブローチ盤が使用
されている。これらの工作機械は、バイトを往復させて
主としてみぞ又はキーを加工するものである。一方、マ
シニングセンタは、主として角物工作物を取付け替えな
しに2面以上についてそれぞれ多種類の加工を施す数値
制御工作機械として知られている。数値制御旋盤は、主
としてバイトを使用して丸棒を削るものとして知られて
いる。
【0003】マシニングセンタ又は数値制御旋盤でキー
みぞ又はスプラインみぞなどの加工を行うには、エンド
ミルなどの工具を用いて加工される。しかしながら、小
径穴の穴の内周面などにキーみぞ又はスプラインみぞを
加工するには、エンドミルが小径穴に挿入できないので
使用できない。このため、小径穴のみぞ加工を行うには
バイト又はブローチを使用しなければならない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】工作物の加工は、可能
な限り1台の工作機械で多工程の機械加工を終了させた
ほうが良い。しかし、マシニングセンタ又は数値制御旋
盤でキー又はスプラインみぞの加工を行うと、工作物を
保持している主軸に比較的大きなスラスト方向の静荷重
及び衝撃荷重が加えられる。スラスト方向の荷重が加え
られると、主軸を支持している高精度のベアリングが変
形されてしまう。この変形は、主軸の加工精度を悪くす
る。本発明は、以上のような技術背景で発明されたもの
であり、次の目的を達成する。
【0005】本発明の目的は、スラスト方向に加えられ
る荷重から主軸のベアリングを保護するための工作機械
用主軸の軸受構造を提供することにある。
【0006】本発明の他の目的は、スラスト方向に加え
られる荷重を電気的に制御するための工作機械用主軸の
軸受構造を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】前課題を解決するために
次のような手段を採る。工具又は工作物を回転駆動する
ための工作機械用主軸であって次の要件からなるもの、 a.前記工作物又は工具を駆動するための主軸(57,
63,101)を回転自在に支持する主軸支持手段
(8,27,32)と、 b.前記主軸支持手段(8,27,32)に設けられ、
前記主軸(57,63,101)に工作物又は工具を取
り付けるための工具又は工作物把持手段(62,65,
70,93,104,105)と、 c.前記主軸(57,63,101)を前記主軸支持手
段(8,27,32)に回転自在に支持するための軸受
(58,64,102)と、 d.前記主軸(57,63,101)の主に軸線方向の
力を前記主軸支持手段(8,27,32)で受け止める
ために、前記主軸(57,63,101)と前記主軸支
持手段(8,27,32)の間に設けられ接触面を備え
た支承手段(107)と、 e.前記主軸支持手段(8,27,32)に設けられ前
記接触面を前記主軸方向に伸縮する歪みを発生させるス
ラストアクチュエータとからなることを特徴とする工作
機械用主軸の軸受構造である。
【0008】工作物の一端を支えるテイルストックに設
けられた心押軸の軸受け構造であって次の要件からなる
もの、 a.テイルストック(32)と、 b.前記テイルストック(32)に設けられ、工作物又
は工具を取り付けるための心押軸(101)と、 c.前記心押軸(101)を前記テイルストック(3
2)に回転自在に支持するための軸受(102)と、 d.前記心押軸(101)の主に軸線方向の力を前記テ
イルストック(32)で受け止めるために前記軸線方向
に膨張するように前記テイルストック(32)に設けら
れたスラストアクチュエータ(109)と、 e.前記テイルストック(32)と前記心押軸(10
1)の間に設けられ、前記軸線方向の力を受け止めるた
めの接触面を備えた摩擦パッド(107)とからなる工
作機械用主軸の軸受構造である。
【0009】前記スラストアクチュエータは、電気的に
スラスト力の大きさを制御できる圧電素子であると更に
良い。
【0010】
【作 用】本加工システムのテイルストックは、キー溝
などの加工時に工作物を保持する機能がある。工作物W
にキー溝を加工するときは、まずパレットPに工作物W
を搭載する。パレットPの裏面には、カービックカップ
リングが形成されており、このカービックカップリング
はフランジ103に形成されたカービックカップリング
104に噛み合っている。また、パレットPの裏面に
は、テーパシャンク111が一体に設けられている。
【0011】このテーパシャンク111は、心押軸10
1のテーパ穴104に挿入されており、このテーパシャ
ンク111の後端にはプルスタッドが取り付けられてい
る。このプルスタッドをクランプ装置でクランプして心
押軸101にパレットPを固定する。スラスト方向の切
削力より主軸ベアリングを保護するためは、圧電アクチ
ュエータ109に電圧を印加させて軸方向に膨脹する歪
みを発生させる。この歪みは、変形部108、摩擦パッ
ト107を介してフランジ103を押上げてパレットP
からの切削力を受け止め、スラスト軸受を保護する。こ
の軸受支持構造は他の主軸の支持構造にも適用できる。
【0012】
【実施例】以下、この発明の実施例を図面にしたがって
説明する。図1は、複数の加工要素を持つ加工システム
の外観を示す図である。ベッド1は、機械の本体を構成
する台であり、平面がほぼ矩形である。ベッド1の両サ
イドには、加工液、切粉などを排除するときの樋2が一
体に形成されている。ベッド1上には、2本の直線のガ
イドレールには第1案内面3,3が形成されている。第
1案内面3の側面には、ラック4が固定されている。
【0013】第1案内面3,3上には、送り台5が移動
自在に設けられている。送り台5の下面には、ナットが
固定されておりこのナットに送りねじ6がねじ込まれて
いる。送りねじ6の一端には、X1サーボモータ(図示
せず)の出力軸が連結されている。X1サーボモータの
回転駆動により、送り台5は第1案内面3,3上を移動
される。送り台5の上部には、主軸台8が設けられてい
る。主軸台8はX1方向と直角な方向、すなわちY1軸
線の回りに回転および割出位置決めができる。この回転
及び割出し位置決めのための駆動は、ウォーム及びウォ
ームホイールを介してY1サーボモータ9により行う
(図3参照)。
【0014】主軸台8には、主軸が軸受により回転自在
に支持されている。主軸の前面側の端面部には、チャッ
ク11が取り付けられている。チャック11は工作物を
把持するためのものである。ただし、主軸前端面には、
工作物把持用のチャック11だけでなく、後述する工具
タレット29及び磁気チャック70による角形工作物な
ども装着できる。主軸は、主軸台8内に埋め込んだビル
トインモータにより高速及び低速に回転駆動される。
【0015】一方、前記ベッド1上には、第1案内面
3,3と平行なX2方向に2本の第2案内面20,20
が形成されている。第2案内面20,20上には、第2
送り台21が移動自在に設けられている。第2案内面2
0,20に沿ってX2送りねじ19が配置されている。
X2送りねじ19は、第2送り台21の下面に設けたナ
ット17にねじ込まれている。X2送りねじ19の一端
は、X2サーボモータ18の出力軸に連結されている。
結局、X2サーボモータ18を回転させることにより、
第2送り台21は第2案内面20上を移動する。
【0016】第2送り台21には、2本の第3案内面2
2,22を有する案内レールが第2案内面20,20と
直角な方向に取り付けられている。第3案内面22,2
2上には、第3送り台23が移動自在に設けられてい
る。第3送り台23は、送りねじを介してZ2サーボモ
ータ24により移動される。更に、第3送り台23上に
は、コラム25が一体に設けられている。コラム25の
前面には、第4案内面26,26が形成されている。
【0017】第4案内面26,26には、主軸頭27が
上下動自在に設けられている。主軸頭27は、Y2サー
ボモータ28により上下動自在に駆動される。主軸頭2
7内には、主軸が回転自在に支持され設けられている。
主軸の前面側の主軸端には、工具タレット29が取り付
けられている。工具タレット29の外周には、複数の工
具Tが取り付けられている。この主軸前端の構造は、後
述する主軸台8の構造と同一であり、ここでは説明しな
い。この工具タレット29は、後記するように主軸より
回転動力を取り出して、工具タレット29に取り付けた
回転工具を回転させるものである。また、工具タレット
29の本体は、カービックカップリング構造により主軸
受の前端面に位置決め固定できるものである。
【0018】タレット29に取り付けられた工具Tは、
チャック11に把持した工作物を加工する。ベッド1に
は、更に高さの違う2本の案内面31a,31bが形成
されている(図2参照)。この両案内面31a,31b
上にテイルストック32が移動自在に設けられている。
テイルストック32は、センタを使用して工作物の一端
を支える台である。更に、心押軸を回転駆動および回転
割出用のサーボモータ33を備えている。したがって、
心押軸のヘッド34に工作物把持用のチャック11、工
具タレット29も取り付けることができる。
【0019】工作物及び工具タレット・マガジン40 第1案内面3,3上には、第4移動台41が移動自在
に設けられている。第4移動台41上には、サーボモー
タ42が搭載されているとおり、その出力軸に設けたピ
ニオンが案内レールのラック4に噛み合っている。第4
移動台41は、第1案内面3,3上をサーボモータ42
により駆動されて移動する。したがって、サーボモータ
42を回すことで第4移動台41は、案内面3,3上を
移動される。
【0020】第4移動台41上には、工作物及び工具タ
レット・マガジン40が搭載されている。第4移動台4
1には、工作物及び工具タレット・マガジン40を割出
しするためのサーボモータ44が取り付けられている。
第4移動台41上のタレット台43上には、マガジン本
体46が割出し可能に設けられている。マガジン本体4
6は、8角形であり、その外周面に工具タレット29を
取り付けるためのタレットソケット47が外周の4か所
に設けられている。マガジン本体46の上部には、工作
物Wを把持し、搭載するための工作物把持台が設けられ
ている。したがって、工作物及び工具タレット・マガジ
ン40は、工具タレット29の搬送と共に工作物の搬送
も行う。
【0021】図6は、図2のVI-VI 線で切断した第4移
動台41の断面図である。割出用サーボモータ44の出
力軸には、ウォーム80が設けられている。ウォーム・
ホイール81に噛み合っているウォーム・ホイール81
は、マガジン本体46に固定されている。したがって、
割出用サーボモータ44を回転させることによってウォ
ーム80は回転され、ウォーム・ホイール81は割出し
回転させられる。ウォーム・ホイール81の回転により
マガジン本体46は、所望の角度に割出しされる。この
割出しにより、工具タレット29を必要な角度位置に割
出す。第4移動台41上には、サーボモータ42が搭載
されこの出力軸には、ピニオン82が連結されている。
ピニオン82は、ラック4に噛み合っている。
【0022】ベッド1の隣には、レーザ加工機50が設
置されている。レーザ加工機49は、焼入れ、切断、溶
接などを行うためのものである。このレーザ加工機49
の構造は周知である。レーザ発振ヘッド50は、サーボ
モータにより3軸線方向に移動されて位置決めされ工作
物の必要な位置にレーザ加工を行う。これらの駆動機構
は、周知であり、ここでは詳記しない。
【0023】主軸台8 図3は、主軸台4及び第1送り台3の切断断面図であ
り、図4は図3のIV−IV線の切断断面図である。主軸台
本体51は、立方体状の形をしたものである。主軸台本
体51の下面には、割出軸52が一体に取り付けられて
いる。割出軸52は軸受53により回転自在に第1送り
台5に支持されている。割出軸52には、ウォームホイ
ール54が固定されている。ウォームホイール54は、
ウォーム55に噛み合っている。ウォーム55は、軸5
6を介してサーボモータ9により割出し回転される。
【0024】主軸台本体51内には、低速回転のための
低速主軸57が軸受58に支持されている。低速主軸5
7の外周には、ウォームホイール59が固定されてい
る。ウォームホイール59は、ウォーム72に噛み合っ
ている。ウォームホイール59は、軸60を介して低速
用モータ61により回転駆動される。低速主軸57の前
端面には、環状のカービックカップリング62が形成さ
れている。カービックカップリング62は、工具タレッ
ト29(図7,8参照)又は工作物チャック等を取り付
けるためのものである。
【0025】低速主軸57でかつカービックカップリン
グ62の外周には、環状の磁気チャック70が設けられ
ている。磁気チャック70は、角形の工作物又は異形の
工作物固定用の治具を吸着固定するためのものである。
【0026】低速主軸57と同軸で中心には、高速回転
のための高速主軸63が軸受64により回転自在に支持
されている。高速主軸63の前面には、テーパ穴65が
形成されている。高速主軸63の後端には、ACモータ
のモータ・ロータ66が一体固定されている。更に高速
主軸63には、回転円盤71が取り付けられている。回
転円盤71は、エンコーダを構成する部品であり、高速
主軸63の回転数、回転方向、回転角を検出するもので
ある。このエンコーダの詳細な構造は周知であり、その
説明は省略する。
【0027】モータ・ロータ66の外周でかつ主軸台本
体51には、モータ・ステータ67が一体に固定されて
いる。モータ・ロータ66とモータ・ステータ67は、
ACモータを構成する。モータ・ロータ66は、希望の
角度位置に割出しするための割出用モータ(図示せず)
を備えている。
【0028】モータ・ステータ67内のコイルはその内
部抵抗により発熱する。このためモータ・ステータ67
の外周の主軸台本体51には、螺旋状の溝であるオイル
ジャケット68が形成されている。オイルジャケット6
8には、冷凍装置で冷却された冷却油が流されており、
モータ・ステータ67を冷却する。高速主軸63の最後
部には、アンクランプシリンダ69が設けられている。
アンクランプシリンダ69は、低速主軸63のテーパ穴
65内に把持された工具をアンクランプするためのもの
である。なお、テーパ穴65への工具の固定は、周知の
構造であるローレット、ドローバ、皿バネによって行う
(図示せず)。
【0029】一方、低速主軸57への工具タレットの取
付は、次のように行う。低速主軸57の前端面には、環
状にカービックカップリング62が形成されている。カ
ービックカップリング62は、工具タレット29に形成
されたカービックカップリング93(図8)に噛み合っ
て工具タレット29を低速主軸57に固定するためのも
のである。
【0030】工具タレット 図7に示すものは、工具タレット29の一部破断平面
図である。図8は図7のVIII-VIII 線の断面図である。
工具タレット29は、放射状に複数のタップ90、ドリ
ル91など回転工具と、旋削工具92等種々の工具を備
えているタレット刃物台である。例えば、回転工具であ
るタップ90は、タップチャック93で把持されてい
る。タップチャック93は、タップ軸94の一端に設け
られており、タップ軸94の他端には、かさ歯車95が
キー止めされている。工具タレット本体89は、平面6
角形状であり高さを持った本体である。
【0031】6角の各辺には、タップ90、ドリル91
等の回転工具、旋削工具92、工作物把持用のサブチャ
ック96が取り付けられている。工具タレット29は加
工時には、主軸頭27又は主軸台8の前面に固定され
る。工具タレット本体89の側面には、環状にカービッ
クカップリング97が形成されている。このカービック
カップリング97は、低速主軸57の前端面に形成され
たカービックカップリング62に噛み合って工具タレッ
ト29を低速主軸57に固定する。
【0032】工具タレット本体89の側面中央には、テ
ーパシャンク98が回転自在に支持されている。テーパ
シャンク98の一端には、かさ歯車99がキー固定され
ている。かさ歯車99はかさ歯車95と噛み合ってい
る。テーパシャンク98は、高速主軸63のテーパ穴6
5に噛み合って工具タレット29を固定する。工具タレ
ット本体89の前面には、把持部88が形成されてい
る。把持部88は、工具タレット29をタレットソケッ
ト47に挿入して把持するためのものである。
【0033】心押軸のヘッド 図9、図10は、テイルストック32のヘッド34の
詳細を示す図である。図9は、ヘッド34の正面図であ
る。ヘッド34内には、心押軸101がベアリング10
2により支持されている。心押軸101の前端には、心
押軸101の一体にフランジ103が一体に設けられて
いる。フランジ103の前端面には、カービックカップ
リング105が形成されている。カービックカップリン
グ105は、前記した工具タレット29のカービックカ
ップリング97と噛み合うためのものであり、心押軸1
01に工具タレット29又は工作物のパレットを固定す
る。
【0034】また、心押軸101の中心の前端面の中心
には、テーパ穴105が形成されている。テーパ穴10
5は、工具のシャンクなどを挿入しクランプするための
ものである。心押軸101の前端面には、キー106が
固定されている。キー106は工具などを駆動するため
のキーである。
【0035】一方、フランジ103の背面には、わずか
な隙間をおいて摩擦パッド107が配置されている。摩
擦パッド107は、金属製であり、摩擦の少ないすべり
軸受金属等から選択する。更に、ヘッド34には、フラ
ンジ状の変形部108を介して圧電アクチュエータ10
9が配置されている。圧電アクチュエータ109は、本
例では結晶体の圧電セラミックス、すなわちジルコン酸
チタン酸鉛(PZT)を用いた。PZT系圧電セラミッ
クスは、印加電圧に対する歪みが大きいので有利であ
る。
【0036】更に、変形部108の外周には、テーパシ
ャンク110が設けられている。テーパシャンク110
は、工作物をクランプするアタッチメント等をクランプ
するときに用いる。スロッタ加工等軸方向運動のみにて
加工を行う際に、フランジ103に加えられるスラスト
方向の力は、圧電アクチュエータ109の歪みにより変
形部108が前方に変形されて摩擦パット107を前方
によりせり出し、フランジ103を支持して直接主軸ベ
アリングにかからないように保護される。
【0037】作 動 以上のような構造の複数の加工要素を持つ加工システ
ムは、次のように作動する。NC装置100は、これか
ら加工しようとする工作物に合わせて工具タレット29
を選択する。工具タレット29は、工作物の加工内容に
応じてあらかじめ装着する工具が決められている。例え
ば、加工内容がドリル、外径、ネジ切り、外周研削加工
であれば、それらの加工ができるように、ドリル、外径
バイト、ネジ切りバイト、砥石が装着された工具タレッ
ト29を選択する。
【0038】工具タレット29は、工作物及び工具タレ
ット・マガジン40に複数個貯蔵されている。この工具
タレット29の交換は、NC装置100の指令により、
割出用サーボモータ44を起動し、ウォーム80、ウォ
ームホイール81を回転させて、工具マガジン本体46
を所望の角度に割出す(図1,2の状態)。この割出し
の状態は、工具マガジン本体46の空いているタレット
ソケット47側をコラム25側に向けた状態である。こ
の割出しと同時に又は平行してX2サーボモータ18、
Z2サーボモータ24、Y2サーボモータ28を起動さ
せて主軸頭27を工具タレット29の交換位置に移動さ
せる。すなわち、工作物及び工具タレット・マガジン4
0と主軸27を対向させ、マガジン本体46のタレット
ソケット47と工具タレット29の把持部96の中心線
を一致させる。
【0039】この中心線が一致し対向した状態で、Z2
サーボモータ24を駆動させて、主軸頭27を更にマガ
ジン本体46に近づけ、工具タレット29の把持部88
をタレットソケット47に挿入する。マガジン本体46
内のクランプ装置は、把持部96を把持する。この把持
後、主軸頭27内の工具クランプ装置は工具タレット2
9のクランプを解除する。この後、Z2サーボモータ2
4を起動させて、主軸頭27を再びマガジン本体46か
ら引き離す。
【0040】第4移動台41上の割出し用サーボモータ
44を起動させて、マガジン本体46を所望の角度に割
り出す。目的の工具タレット29がコラム25側に位置
すると、再びZ2サーボモータ24を移動させて主軸頭
27をマガジン本体46に近づける。主軸頭27内のク
ランプ装置は、工具タレット29のテーパシャンク98
を把持する。この把持後、マガジン本体46内のクラン
プ装置は工具タレット29を解放する。以上の動作で工
具タレット29の交換動作は終了する。
【0041】一方、この工具タレット29の交換後又は
前にチャック11に工作物Wを保持させる。工作物及び
工具タレット・マガジン40にベッド1の側面に配置し
た工作物及び工具タレット29のストッカー(図示せ
ず)から工作物Wを供給し搭載する。工作物及び工具タ
レット・マガジン40は、工作物Wをその頂部に搭載し
案内面3,3上を移動しチャック11に工作物Wを供給
する。なお、この移動をしないで、主軸台8を移動させ
ても工作物Wを把持しても良い。
【0042】次に、X2サーボモータ18、Z2サーボ
モータ24、Y2サーボモータ28を駆動し、主軸頭2
7を所定の加工位置に移動させる。高速主軸63を回転
しチャック11を回転させて、主軸頭27の工具タレッ
ト29内の工具により旋削、ミーリング、穴あけ、研削
加工を行う。このとき加工は、X2,Y2,Z2軸によ
り行う。
【0043】更に、必要があれば、モータ・ロータ66
を電磁的に固定し高速主軸63を固定し、Y1サーボモ
ータ9を駆動させて主軸台8をY1の軸線の回りに割出
し回転させて5軸で必要な加工を行う。長尺の工作物W
の場合には、テイルストック32とチャック11との間
に工作物Wを保持し通常の旋削、円筒研削、ミーリング
加工等の同様の加工を行う。更に、焼入れの必要がある
工作物Wは、レーザ発振ヘッド50からレーザを発振さ
せて焼入れ溶接などを行う。加工が終了した工具Wは、
工作物及び工具タレット・マガジン40に搭載して排出
する。
【0044】テイルストックの使用方法 テイルストック32は、通常の旋盤のように、長尺の
工作物の一端をセンターで支える機能もある。しかしな
がら、本加工システムのテイルストックは、キー溝など
の加工時に工作物を保持する機能もある。図10の鎖線
に示すように、工作物Wにキー溝を加工するときは、ま
ずパレットPに工作物Wを搭載する。パレットPの裏面
には、カービックカップリングが形成されており、この
カービックカップリングはフランジ103に形成された
カービックカップリング104に噛み合っている。
【0045】また、パレットPの裏面には、テーパシャ
ンク111が一体に設けられている。このテーパシャン
ク111は、心押軸101のテーパ穴104に挿入され
ており、このテーパシャンク111の後端にはプルスタ
ッドが取り付けられている。このプルスタッドをクラン
プ装置でクランプして心押軸101にパレットPを固定
する。スラスト方向の切削力より主軸ベアリングを保護
するため、圧電アクチュエータ109に電圧を印加させ
て軸方向に膨脹する歪みを発生させる。この歪みは、変
形部108、摩擦パット107を介してフランジ103
を押上げてパレットPからの切削力が直接主軸ベアリン
グに加わらないよう受け止める。
【0046】
【その他の実施例】前記した主軸は、中心が高速軸で外
周が低速軸であったが、この逆の配置でも良い。その駆
動手段もビルトインモータに限らず、公知の他の手段で
も良い。前記した圧電アクチュエータ109は、電圧を
印加させて歪みを発生させるものであった。しかし、こ
の圧電アクチュエータ109は、電歪アクチュエータで
も良い。電歪アクチュエータは、電界により歪みを発生
させるものである。例えば、電歪アクチュエータは、マ
グネシウムニオブ酸鉛(PMN)などである、更に、動
電スピーカーなどに用いられているボイスコイルアクチ
ュエータなどでも良い。前記工作物Wの供給は、ベット
1の近くに配置したロボット(図示せず)又は上部に設
けた工作物供給・排出装置(図示せず)により供給又は
排除しても良い。
【0047】
【発明の効果】以上詳記したように、本発明は、工作物
又は工具が取り付けられた主軸又は心押軸に加えられる
スラスト方向の荷重に対して駆動できるアクチュエータ
を設けたので、主軸又は心押軸を支持する軸受を有効に
保護できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は複数の加工要素を持つ加工システムの外
観を示す立体配置図である。
【図2】図2は図1のII矢視図である。
【図3】図3は主軸台の断面図である。
【図4】図4は図3のVI-VI 線で切断した断面図であ
る。
【図5】図5は主軸台の正面図である。
【図6】図6は図1のVI-VI 線で切断した断面図であ
る。
【図7】図7は工具タレットの正面である。
【図8】図8は図7のVIII-VIII 線で切断した断面図で
ある。
【図9】図9はテイルストックの正面図である。
【図10】図10はテイルストックのヘッド部分の断面
図である。
【符号の説明】
1…ベッド、2…樋、3…案内面、4…ラック、5…送
り台、8…主軸台、9…Y1サーボモータ、10…CI
サーボモータ、11…チャック、20…第2案内面、2
2…第3案内面、23…第3送り台、24…Z2サーボ
モータ、25…コラム、27…主軸頭、29…工具タレ
ット、32…テイルストック、40…工作物及び工具タ
レット・マガジン、49…レーザ加工機、50…レーザ
発振ヘッド、57…低速主軸、63…高速主軸、65…
テーパ穴

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】工具又は工作物を回転駆動するための工作
    機械用主軸であって次の要件からなるもの、a.前記工作物又は工具を駆動するための主軸(57,
    63,101)を回転自在に支持する主軸支持手段
    (8,27,32)と、 b.前記主軸支持手段(8,27,32)に設けられ、
    前記主軸(57,63,101)に工作物又は工具を取
    り付けるための工具又は工作物把持手段(62,65,
    70,93,104,105)と、 c.前記主軸(57,63,101)を前記主軸支持手
    段(8,27,32)に回転自在に支持するための軸受
    (58,64,102)と、 d.前記主軸(57,63,101)の主に軸線方向の
    力を前記主軸支持手段(8,27,32)で受け止める
    ために、前記主軸(57,63,101)と前記主軸支
    持手段(8,27,32)の間に設けられ接触面を備え
    た支承手段(107)と、 e.前記主軸支持手段(8,27,32)に設けられ前
    記接触面を前記主軸方向に伸縮する歪みを発生させるス
    ラストアクチュエータと からなることを特徴とする工作機械用主軸の軸受構造。
  2. 【請求項2】工作物の一端を支えるテイルストックに設
    けられた心押軸の軸受け構造であって次の要件からなる
    もの、 a.テイルストック(32)と、 b.前記テイルストック(32)に設けられ、工作物又
    は工具を取り付けるための心押軸(101)と、 c.前記心押軸(101)を前記テイルストック(3
    2)に回転自在に支持するための軸受(102)と、 d.前記心押軸(101)の主に軸線方向の力を前記テ
    イルストック(32)で受け止めるために前記軸線方向
    に膨張するように前記テイルストック(32)に設けら
    れたスラストアクチュエータ(109)と、 e.前記テイルストック(32)と前記心押軸(10
    1)の間に設けられ、前記軸線方向の力を受け止めるた
    めの接触面を備えた摩擦パッド(107)と からなる工
    作機械用主軸の軸受構造。
  3. 【請求項3】請求項1又は2において、 前記スラストアクチュエータは、電気的にスラスト力の
    大きさを制御できる圧電素子であることを特徴とする工
    作機械用主軸の軸受構造。
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