JP2617543B2 - 殺菌剤抵抗性回避剤及びそれを含有する殺菌剤組成物 - Google Patents

殺菌剤抵抗性回避剤及びそれを含有する殺菌剤組成物

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JP2617543B2 JP63285421A JP28542188A JP2617543B2 JP 2617543 B2 JP2617543 B2 JP 2617543B2 JP 63285421 A JP63285421 A JP 63285421A JP 28542188 A JP28542188 A JP 28542188A JP 2617543 B2 JP2617543 B2 JP 2617543B2
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は殺菌剤抵抗性回避剤及びそれを含有する殺菌
剤組成物に関し、詳しくは農業分野において薬剤抵抗性
菌出現殺菌剤と併用することにより薬剤抵抗性出現を回
避する殺菌剤抵抗性回避剤及びそれを含有する殺菌剤組
成物に関する。
〔従来の技術及び発明が解決しようとする課題〕
殺菌剤は、乳剤、水和剤、フロワブル剤、粉剤、くん
煙剤などの剤型にて使用されている。その際、原体の活
性を十分に引き出す為に、製剤物性上、種々の工夫がな
されているが、殺菌剤の効力を更に増強されるまでには
到っていない。
また、殺菌剤は使用初期には十分な殺菌効力を持って
いるが、連用により薬剤抵抗性(耐性)菌の出現がある
などし、効力が著しく劣化する欠点がある。その際、2
〜3種類の作用性の異なる殺菌剤を組み合わせる事によ
り解決を試みて来たが、薬剤抵抗菌の出現を防ぐには到
っていない。
現在、殺菌剤の開発が一層困難な状況にある為、特に
既存殺菌剤の活性を一層増強させ、かつ薬剤抵抗性を回
避させる事は大いに意味のある事である。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者らは鋭意検討を積み重ねた結果、特定化合物
が各種殺菌剤に対して効力を増強させ、かつ薬剤抵抗性
を回避させ、更に、種々の作物に対する薬害の発生のな
い事を見い出し、本発明を完成した。
即ち、本発明は一般式(I)で表される化合物を有効
成分とする殺菌剤抵抗性回避剤を提供するものである。
(式中、R1,R2,R3は少なくとも1つが炭素数8〜30の直
鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基で、残りは
メチル基、エチル基、ベンジル基、CH2CH2OmH, から選ばれる単独又は組み合わせであり、mは1〜5、
nは1〜5の整数であり、X は対アニオンである。) 又、本発明は、薬剤抵抗性菌出現殺菌剤及び前記殺菌
剤抵抗性回避剤を含有してなる殺菌剤組成物をも提供す
るものである。
一般式(I)における対イオンX は特に限定されな
いが、下記のものが好ましいものとして例示される。
CH3SO4、ハロゲン原子(Cl,Br,I)、C2H5SO4、HO(CH
2mCOO(mは1〜5の整数)、 (Rは炭素数1〜3のアルキル基)、 (R′は炭素数8〜22のアルキル又はアルケニル基であ
り、A′は炭素数2〜4のアルキレン基であり、pは0
〜20の整数であり、qは1又は2である。) 本発明に係る一般式(I)で表される化合物は、例え
ばグルコースとアルキルアミンを還元的に反応させ、糖
の1位を還元的にアミノ化した後、公知の方法で4級化
して合成されるが、他の方法で製造しても構わない。例
えば、一般式(II)で表される化合物をベンジルクロラ
イド、メチルクロライド、メチルブロマイド、ジメチル
硫酸などの4級化剤で4級化することにより製造され
る。
(式中R1,R2,nは式(I)と同じである。) 一般式(II)で表される化合物も公知の方法で製造さ
れる。例えば一般式(III)で表される化合物を還元的
にメチル化することにより製造される。
(式中R1,nは式(I)におけると同じである。) 一般式(III)で表される化合物も公知の方法で製造
される。例えばn=4の場合、一般式(IV)で表される
化合物とグルコースをパラジウムカーボン存在下で反応
させることにより製造される。
R1−NH2 (IV) (式中R1は式(I)におけると同じである。) 本発明に係る一般式(I)で表される化合物のうちで
も下式(V)〜(VI)で表される化合物が好適である。
(式中、は7〜29であり、XはCl,Br,I,グルコン酸残
基又はメタンスルホン酸残基であり、nは式(I)にお
けると同じである。) (式中、L′は3〜14であり、XはCL,Br,I,グルコン酸
残基又はメタンスルホン酸残基であり、nは式(I)に
おけると同じである。) 本発明の殺菌剤抵抗性回避剤は、各種殺菌剤と併用し
た場合においても、殺菌剤の種類に関係なく殺菌効力を
増強させ、かつ薬剤抵抗性菌(耐性菌)の出現を回避で
き、更に種々の作物に対して、薬害の発生がなく、安全
に使用できるものである。
本発明の殺菌抵抗性回避剤と共に用いられる薬剤抵抗
性菌出現殺菌剤としては、エルゴステロール生合成阻害
剤、ヘテロサイクリックイミド系殺菌剤等が挙げられ
る。エルゴステロール生合成阻害剤及びヘテロサイクリ
ックイミド系殺菌剤の例を以下に示すが、これらに限定
されるものではない。
エルゴステロール生合成阻害剤としては、イミダゾー
ル系化合物、トリアゾール系化合物、ピリミジンメタノ
ール系化合物、ピリミジン系化合物、ピペラジン化合物
が挙げられ、具体的にはトリフミン(トリフミゾー
ル)、バレイトン(トリアジメホン)、ルビゲン(フェ
ナリモール)、コルベール(フェンプロピモルホン)、
バイフラール(ビテルタノール)等が挙げられる。ヘテ
ロサイクリックイミド系殺菌剤としては、スミレックス
(プロシミドン)、ロニラン(ビンクロゾリン)等が挙
げられる。
本発明の殺菌剤抵抗性回避剤は、通常、薬剤抵抗性菌
出現殺菌剤に対して重量比で0.05〜20、好ましくは0.5
〜15の割合で用いられる。
本発明の殺菌剤組成物の製剤型は乳剤、フロワブル製
剤、水和剤、粉剤、くん煙剤等いずれでもよく、型は問
わない。従って、その製剤型に応じ、他の添化剤、例え
ば塩類、分散剤、増粘剤、担体等を加えることができ
る。
本発明に用いられる塩類としては、コハク酸、マロン
酸、クエン酸、グルコン酸、グルタル酸、等のカルボン
酸の金属塩、トリポリリン酸、ヘキサメタリン酸、リン
酸等のリン酸化合物の金属塩、Na2SO4,MgSO4等の無機塩
等が挙げられる。これらは、単独或いは組み合わせても
用いることができる。
本発明に用いられる分散剤としては、非イオン性界面
活性剤及び陰イオン性界面活性剤が用いられ、非イオン
性界面活性剤又は/及び陰イオン性界面活性剤として
は、例えばポリオキシエチレン(以下POEと記す)アル
キル(炭素数6〜22)エーテル、POEアルキル(炭素数
4〜18)フェノールエーテル、ポリオキシプロピレンポ
リオキシエチレン(ブロック又はランダム)アルキルエ
ーテル、POEフェニルフェノールエーテル、POEスチレン
化フェノールエーテル、POEトリベンジルフェノールエ
ーテルなどの非イオン性界面活性剤、リグニンスルホン
酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルスルホ
ン酸塩、POEアルキルスルホン酸塩、POEアルキルフェニ
ルエーテルスルホン酸塩、POEアルキルフェニルエーテ
ルリン酸エステル類、POEフェニルフェノールエーテル
スルホン酸塩、POEフェニルフェノールエーテルリン酸
エステル塩、ナフタレスルホン酸塩、ナフタレンスルホ
ン酸ホルマリン縮合物、POEトリベンジルフェノールエ
ーテルスルホン酸塩、POEトリベンジルフェニルフェノ
ールエーテルリン酸エステル塩などの陰イオン性界面活
性剤が挙げられる。これらは単独又は組み合わせて用い
ることができる。その含有量は殺菌剤組成物中0〜20重
量%、好ましくは1〜10重量%である。
本発明において増粘剤としては、天然、半合成及び合
成の水溶性増粘剤はいずれも使用でき、天然粘質物で
は、微生物由来のザンサンガム、ザンフロー、植物由来
のペクチン、アラビアゴム、グアーゴムなどが、半合成
粘質物ではセルロース又はでんぷん誘導体のメチル化
物、カルボキシアルキル化物、ヒドロキシアルキル化物
(メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒ
ドロキシメチルセルロースなどを含む)、ソルビトール
などが、また合成粘質物ではポリアクリル酸塩、ポリマ
レイン酸塩、ポリビニルピロリドン、ペンタエリスリト
ールエチレンオキサイド付加物などが具体例として挙げ
られる。増粘剤は殺菌剤組成物中約0〜3.0重量%、好
ましくは約0.05〜0.5重量%配合される。
本発明に用いられる担体としては、無機鉱物塩及び造
膜性ポリマーが挙げられ、例えば無機鉱物塩としてクレ
ー、タルク、ベントナイト、炭酸カルシウム、ケイソウ
土、ホワイトカーボン等が挙げられ、造膜性ポリマーと
しては、スチレンスルホン酸、2−アクリルアミド、2
−メチルプロパンスルホン酸、キシレンスルホン酸、ナ
フタレンスルホン酸等の重合物及びびその塩が挙げら
れ、あるいはこれら単量体とアルキルアクリレート、ア
ルキルメタクリレート、ビニルアルキルエーテル、酢酸
ビニル、エチレン、プロピレン、ブチレン、ブタジエ
ン、ジイソブチレン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、ア
クリルニトリル、スチレン等の疎水性単量体、アクリル
酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマール酸、無水マレ
イン酸、ビニルアルコール、メタクリルアミド、ジアセ
トンアクリルアミド、N−ビニルピロリドン等の水溶性
単量体との共重合体が挙げられ、ポリマーと混合あるい
は相溶させて用いることができる。
更に、本発明の殺菌剤組成物は他の植物成長調節剤、
肥料、殺虫剤、殺菌剤、防腐剤などの1種以上を混合し
て用いることもできる。
本発明の殺菌剤抵抗性回避剤の使用に当たっては、上
記各種剤型中に入れ、処方化する場合と、希釈使用時に
別添にて使用する方法があるが、どちらの方法にても本
発明の殺菌剤抵抗性回避作用が得られる。
本発明の殺菌剤抵抗性回避剤がいかにしてこのような
顕著な殺菌効力増強かつ殺菌剤抵抗性回避作用を呈する
かについての操作は必ずしも明らかではないが、本発明
の殺菌剤抵抗性回避剤が菌細膜に吸着し、膜の流動性を
阻害又は菌表面に極在する膜系酵素の活性阻害により菌
にダメージを与え、殺菌剤に対する抵抗性を低減するこ
とにより、殺菌剤抵抗性回避作用を発現するものと考え
られる。
〔実施例〕
次に具体例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、
本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
尚、以下に実施例で用いた本発明品No.1〜3の構造及
び処方例を示す。
<本発明品> <処方例> 処方例1 トリフミゾール 35%(重量基準,以下同じ) クレー 25 本発明品1 35 分散剤 5 *:分散剤はナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物
(n=5)Na塩60%とラウリル硫酸Na塩40%からなる。
以下の処方例、比較処方例及び参考処方例においても分
散剤として同じものを用いた。
処方例2 トリフミゾール 35% クレー 25 本発明品2 35 分散剤 5 処方例3 トリフミゾール 35% クレー 25 本発明品3 35 分散剤 5 処方例4 プロシミドン 35% クレー 25 本発明品1 35 処方例5 プロシミドン 35% クレー 25 本発明品2 35 分散剤 5 処方例6 プロシミドン 35% クレー 25 本発明品3 35 分散剤 5 比較処方例1 トリフミゾール 50% クレー 45 分散剤 5 比較処方例2 プロシミドン 50% クレー 45 分散剤 5 参考処方例1 クレー 75% 本発明品1 20 分散剤 5 参考処方例2 クレー 75% 本発明品2 20 分散剤 5 参考処方例3 クレー 75% 本発明品3 20 分散剤 5 試験例1 殺菌剤抵抗性菌であるキュウリ灰色カビ病菌(Botryt
is cinerea)の胞子懸濁液(107個/ml)をキュウリの幼
苗(本葉3葉展開中)に1ポット当たり10mlずつ散布
し、25℃,90%相対湿度下に1日間静置した。その後、
処方例1〜3、比較処方例1及び参考処方例1〜3を殺
菌剤有効成分濃度250ppmで1ポット当たり5mlずつ散布
し、25℃,85%相対湿度下に静置し、4日後病斑を数
え、無処理区に対する防除価を下記式により算出した。
結果は表−1に示す。
尚、殺菌剤抵抗性菌としては、トリフミゾール又はプ
ロシミドンを200ppm含む培地上で培養し、生育してきた
トリフミゾール又はプロシミドンに対する抵抗性の菌を
用いた。
試験例2 ピーマンの幼苗(本葉3葉期)に処方例4〜6、比較
処方例2及び参考例1〜3を有効成分濃度250ppmになる
ように調整して1ポット当たり5mlずつ散布した。24時
間後にスミレックスに100%抵抗性(耐性)を示すピー
マン斑点病菌(Cercospora)の胞子懸濁液(107個/ml)
を調整し、この懸濁液を1ポット当たり10ml散布した。
散布後25℃、相対湿度95%下に放置し、4日後病斑数を
測定して無処理区に対する防除価を算出した。
結果を表−2に示す。

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(I)で表される化合物を有効成分
    とする殺菌剤抵抗性回避剤。 (式(I)中、R1,R2,R3は少なくとも1つが炭素数8〜
    30の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基で、
    残りはメチル基、エチル基、ベンジル基、CH2CH2Om
    H, から選ばれる単独又は組み合わせであり、mは1〜5,n
    は1〜5の整数であり、X は対アニオンである。)
  2. 【請求項2】薬剤抵抗性菌出現殺菌剤及び請求項1記載
    の殺菌剤抵抗性回避剤を含有してなる殺菌剤組成物。
  3. 【請求項3】薬剤抵抗性菌出現殺菌剤がエルゴステロー
    ル生合成阻害剤又はヘテロサイクリックイミド系殺菌剤
    である請求項2記載の殺菌剤組成物。
  4. 【請求項4】薬剤抵抗性菌出現殺菌剤と殺菌剤抵抗性回
    避剤の配合割合が重量比で1/0.05〜1/20である請求項2
    又は3記載の殺菌剤組成物。
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