JP2617042B2 - 養殖用水の脱気装置 - Google Patents

養殖用水の脱気装置

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尚記 谷
和征 相葉
正克 迎
繁樹 中山
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は魚介類の養殖システム
において、養殖用水を昇温した際に生じる空気の過剰溶
存現象,微小泡の抑制を行なう養殖用水の脱気装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】図8は従来の養殖システムを示す図であ
り、図において、1は海水、2は3のポンプにより海水
1を汲上げる海水取入口、4は汲上げた海水中のゴミを
除去するろ過装置、5は汲上げた海水を養殖最適温度迄
昇温する熱交換器、6は魚7、貝8を養殖する養殖水
槽、9は貝8のえさである海草、10は昇温により析出
した微小泡である。
【0003】次に動作について説明する。ポンプ3によ
り海水取入口2から汲上げられた海水1を、ろ過装置4
によりゴミを除いた後、昇温部としてのボイラーやヒー
トポンプ等の熱交換器5により養殖最適温度迄昇温して
養殖用水とする。この養殖用水を加温(昇温)モードで
使用する時、即ち、汲上げられた海水1の温度が養殖最
適温度より低い時、表1に示した如く、海水(又は水)
への空気の溶解度の差によって、加温された海水は過剰
溶存(過飽和)空気の状態となり、過剰分の一部が微小
泡10として水中に析出する。この微小泡10の析出状
態の海水1を養殖水槽6へと導き、魚7や貝8を養殖し
ていた。
【0004】
【表1】
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来の養殖システムは
以上のように構成されているので、昇温された養殖用水
は過剰溶存空気の状態となり、この状態で魚介類の養殖
を行なうと、魚介類は空気を過飽和状態のまま体内に取
込み、血管中で過剰分が気泡となって析出して、いわゆ
る“ガス病”で死亡するという課題があった。
【0006】そこで、従来、例えば特開昭59−227
227号、特開昭59−227229号、特開昭63−
244号の各公報に開示されるように、魚介類を入れた
容器に送る水に混入した気泡を分離するものが提案され
ている。しかし、この従来の気泡分離では微小泡を除去
拡散抑制することが不十分であった。このため、この微
小泡が稚魚、稚貝の鰓に付着し窒息死させる。また、微
小泡が餌用海草に付着して該海草を浮遊させるという課
題があった。
【0007】この発明は上記のような課題を解消するた
めになされたもので、過剰溶存空気を液外に放出させる
とともに、析出した微小泡を除去・拡散抑制することが
できる養殖用水の脱気装置を得ることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明に係
る養殖用水の脱気装置は、昇温された養殖用水に含まれ
る過剰溶存空気を液外へ放出させる脱気部と、この脱気
部から養殖水槽に給水される養殖水中の微小泡を離脱可
能な浮力を有する泡に成長させる気泡成長分離部とを具
備したものである。
【0009】請求項2記載の発明に係る養殖用水の脱気
装置は、請求項1記載における気泡成長分離部の近傍に
泡の拡散を防止する遮蔽板を設けたものである。
【0010】
【作用】請求項1記載の発明における気泡成長分離部
は、過剰溶存空気を液外へ放出させた脱気部から給水さ
れる養殖水中の微小泡を浮力を有する泡に成長させて捕
集・分離することにより、魚介類のガス病、窒息死、餌
用海草の浮遊等の生じない養殖用水が得られる。
【0011】請求項2記載の発明における遮蔽板は、気
泡成長分離部で成長した泡の拡散を防止することによ
り、泡を浮力によって液面へ上昇し、液外への放出が円
滑に行なわれる。
【0012】
【実施例】以下、この発明の一実施例を前記図と同一部
分に同一符号を付し重複説明を省略した図1について説
明する。図1において、11は昇温された海水の脱気用
に空気吹込管12から水中に吹き込まれる空気、13は
脱気部14において発生した泡15(放出された過剰溶
存空気+脱気用として吹き込んだ空気)と水とを分離す
るトラップ、16はトラップ13で分離できなかった微
小泡を捕集・分離するための、図2,図3に示すように
直径数mmのサンゴ19を充填した気泡成長分離部、17
は気泡成長分離部16で水から離脱する浮力を有する迄
成長した泡、18は泡17の拡散を防止する遮蔽板であ
る。
【0013】次に上記実施例の動作について説明する。
ポンプ3により海水取水口2から汲上げられた海水1は
ろ過装置4によりゴミを除かれた後熱交換器5により養
殖最適温度迄昇温され、溶存空気の過剰分の一部を微小
泡10として水中に析出した状態で脱気部14へと導か
れる。過剰溶存空気と微小泡を有する海水は空気吸込管
12から吹き込まれる空気11の衝撃により溶存空気の
過剰分を放出する。この気液が混在する海水をトラップ
13に導き気体(放出された過剰溶存空気+脱気用とし
て吹き込んだ空気)と海水とを分離する。次にトラップ
13により気液分離された海水を直径数mmのサンゴ19
を充填した気泡成長分離部16に通す。気泡成長分離部
16はトラップ13により分離できなかった微小泡を捕
集し、この微小泡の拡散を抑制する。捕集される微小泡
は、ある程度の大きさ迄成長すると、泡の浮力により気
泡成長分離部16を離脱する。離脱する大きさの泡17
は微小泡に比べ拡散(左右への動き)が極端に少く、主
に液面へ泡の浮力によって上昇するため、液外への泡1
7の放出を円滑にする。更に、気泡成長分離部16の周
囲に設けた遮蔽板18が気泡成長分離部16より離脱し
た泡17の拡散を抑制し、液外への泡17の放出を円滑
にする。
【0014】以上の作用により、過剰溶存空気を液外へ
放出させ微小泡を除去・拡散抑制することができ、魚介
類のガス病の危険や窒息死、餌用海草の浮遊のない養殖
用水を供給することができる。
【0015】上記図1の第1実施例では昇温された海水
の脱気用に空気吹込管から水中に空気を吹き込んでいる
が、図4乃至図7は水中に空気を混入する第2乃至第5
実施例を示す。なお、図4乃至図7において、前記図2
と同一部分に同一符号を付して重複説明を省略する。
【0016】まず、図4は脱気部14の入口に連通させ
た噴射処理槽20と、直径数mmのサンゴ21を充填し噴
射処理槽20の上部に多段に配設した多孔板22a〜2
2c、昇温された海水を多孔板22a〜22c上に噴射
するノズル23、噴射処理槽20と脱気部14の入口と
の連通路に設けたポンプ24とを備えた構成である。な
お、サンゴ21の代りに小石、プラスチック製繊維でも
よく、水を通す多孔性物質であれば同様の効果を奏す
る。
【0017】上記の構成により、溶存空気の過剰分の一
部を微小泡10として水中に析出した状態で多孔板22
aへノズル23より噴射すると、空気を巻き込みつつ多
孔板22b,22cと接触し、噴射処理槽20へと導か
れる。この多孔板22a〜22cへの噴射と接触による
衝撃により、溶存空気の過剰分で放出した後、気液の混
在する養殖用水をトラップ13に導き、気体(放出され
た過剰溶存空気+噴射によって巻き込まれた空気)と海
水を分離する。
【0018】図5は図4の実施例における多孔板22a
〜22cの代りに、モータ25で駆動される撹拌羽根2
6を気液界面に設置した構成である。この構成により、
過剰溶存空気と微小泡を有する海水はノズル23から噴
射と撹拌羽根26の撹拌による衝撃により、溶存空気の
過剰分を放出し、以下、図4の実施例と同様の動作を行
なう。
【0019】図6は図1の実施例における空気吹込管1
2の代りに、脱気部14の底部に超音波振動子27を設
けたもので、脱気部14内の海水は超音波振動子27か
ら発生される超音波の振動衝撃により溶存空気の過剰分
を放出する。
【0020】図7は図4の実施例における多孔板22a
〜22cの代りに、噴射処理槽20内の海水をポンプ2
8で汲上げ、高速流として気液界面に噴射するノズル2
9を設けた構成である。この構成により、噴射処理槽2
0内の海水はノズル11からの噴射とノズル29からの
高速流による衝撃により溶存空気の過剰分を放出した
後、ポンプ24で脱気部14へ給送される。
【0021】なお、上記各実施例では気泡成長分離部1
6に直径数mmのサンゴ21を用いたが、小石あるいはポ
リエステル、塩化ビニール等のプラスチック製繊維で
も、水を通し、泡を捕集する作用のある多孔性物質であ
れば、同様の効果を奏する。また、上記各実施例では、
養殖用水として海水を、昇温装置として熱交換器を用い
た養殖用水の脱気装置を示したが、養殖用水は淡水でも
よく、昇温装置は水を加熱する加温装置でもよい。
【0022】
【発明の効果】以上のように、請求項1記載の発明によ
れば、脱気処理後の養殖用水を気泡成長分離部に通し、
微小泡を離脱可能な浮力を有する泡に成長させるように
構成したので、昇温により生じた空気の過剰溶存状態の
解除、微小泡の除去・拡散抑制することができ、魚介類
の生存度の高い養殖システムが得られる効果がある。ま
た、請求項2記載の発明によれば、気泡成長分離部で成
長した泡の拡散を遮蔽板で防止するように構成したの
で、成長した泡は浮力によって液面へ上昇し液外へ円滑
に放出する効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の養殖用水の脱気装置を適用した養殖
システム図である。
【図2】図1に適用したこの発明の第1実施例を示す縦
断面図である。
【図3】気泡成長分離装置の縦断面図である。
【図4】この発明の第2実施例を示す縦断面図である。
【図5】この発明の第3実施例を示す縦断面図である。
【図6】この発明の第4実施例を示す縦断面図である。
【図7】この発明の第5実施例を示す縦断面図である。
【図8】従来の養殖システム図である。
【符号の説明】
5 熱交換器(昇温部) 6 養殖水槽 14 脱気部 16 気泡成長分離部 17 泡 18 遮蔽板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 迎 正克 長崎市丸尾町6番14号 三菱電機株式会 社 長崎製作所内 (72)発明者 中山 繁樹 尼崎市塚口本町8丁目1番1号 三菱電 機株式会社 中央研究所内 (72)発明者 小林 敏昭 尼崎市塚口本町8丁目1番1号 三菱電 機株式会社 中央研究所内

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 養殖用水を昇温する昇温部と、昇温によ
    って過剰溶存空気の状態となった昇温養殖用水から該過
    剰溶存空気を液外へ放出させる脱気部と、この脱気部か
    ら養殖水槽に送られる養殖用水中の微小泡を浮力を有す
    る泡に成長させる気泡成長分離部とを備えた養殖用水の
    脱気装置。
  2. 【請求項2】 養殖用水を昇温する昇温部と、昇温によ
    って過剰溶存空気の状態となった昇温養殖用水から該過
    剰溶存空気を液外へ放出させる脱気部と、この脱気部か
    ら養殖水槽に送られる養殖用水中の微小泡を浮力を有す
    る泡に成長させる気泡成長分離部と、前記泡の拡散を防
    止するために前記気泡成長分離部の近傍に設けた遮蔽板
    とを備えた養殖用水の脱気装置。
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